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2005/04/28

郵政民営化と自民党の崩壊

政府は27日夜、臨時閣議を開き、日本郵政公社を民営化するための郵政民営化関連
6法案を決定、国会に提出した。
これに先立ち、政府・与党は同日午後、民営化会社の株式持ち合いなど法案に関する合意文書をまとめた。自民党は総務会を開き、法案提出を了承したが、法案採決の
際の党議拘束については結論を持ち越した。
郵政民営化法案を閣議決定、国会に提出(読売新聞) - 4月28日

しかし、これは自民党の総務会が「法案を了承」したのではなく、「法案の提出を了承」したに過ぎない。

郵政民営化関連6法案の閣議決定に先立ち、自民党は27日、政調審議会、総務会と
いう承認手続き最後の関門に臨んだ。党執行部は反対派を抑え込めず、総務会は
「国会提出のみの了承」という異例の形を取った。この結果、与党の事前審査で法案の成立が担保されなくなり、国会の「出口」での混乱は避けられなくなった。
<郵政法案>「提出のみ了承」 国会の「出口」混乱は必至
(毎日新聞) - 4月27日

まだまだ守旧派の強力な抵抗が続き、法案の前途は定かではない、ということだ。

過去の記事でも述べたように、私は郵政の民営化に賛成であり、多少の妥協をしても、民営化という既成事実を作ることの方が優先するという立場である。だから、ここでコメントを書いても同じことの焼き直しになってしまう。したがって、この場では、郵政民営化関連6法案に対するこれ以上のコメントはしない。
それよりも書いておきたいと思うのが、今回の事態をめぐる自民党内の勢力図である。をめぐる自民党内の構図は、これまでとは様相を異にしている。
民営化反対の総帥的立場に立っているのが旧橋本派の綿貫民輔前衆院議長であれば、民営化賛成で参院をまとめ上げようとしているのも同じく旧橋本派の実力者である青木幹雄参院議員会長である。中堅幹部も、藤井孝男元運輸相が反対派の中核を
成しているのに対し、久間章生総務会長は総務会で法案の了承を取り付ける立場に
ある。
まあ、野中広務元幹事長引退のころから旧橋本派は分裂状態にあるので、今回の
事態はさして驚くべき事ではないのかもしれない。ただ、自民党がカネとポストと選挙のために派閥単位に固まっていた時代は過去のものになりつつあるのは間違いない。
旧橋本派に限らず、堀内派や高村派、そして総裁派閥である森派までが賛否両派に
割れている。比較的派閥単位でまとまっているのは、反対の亀井派と賛成の山崎派であろうか。
こういう今の状態が何を意味しているのか。小選挙区制になって派閥の価値が薄れたのは確かである。かといって、自民党がカネとポストと選挙ではなく、政策本位で競う
集団に変身しつつあるというわけではない。この党の本質は、山崎拓首相補佐官
(この肩書きは笑える)がいみじくも言ったように「自民党」ではなく「自分党」なので
ある。
今回の事態も、自分のカネとポストと選挙のための思惑がらみと受け止めればよく解る。派閥が機能しなくなりつつある現在、自民党議員たちは、自身の力を頼りにカネとポストと選挙を手に入れなければならなくなったから必死なのだ。
では、今後、自民党はどうなっていくのか?それは、すなわち、彼らが公明党・創価学会への依存度を益々強めざるを得なくなるということである。今現在も、公明党・創価学会の支援がなければ自民党は民主党に負ける。負ければ自民党は崩壊し、文字どおりの「自分党」になる。
これまでも「小選挙区は自民党の○○に!比例代表は公明党に!」と言って憚らない、恥も外聞もかなぐり捨てた議員が大勢いたのだから、その傾向は益々強まるであろう。
小泉首相が「自民党をぶっ壊す」のか、それとも公明党・創価学会に融合するのか、
ポスト小泉が乱世の時代に突入するのは間違いない。

関連記事1:小泉首相の「郵政民営化」を考える
関連記事2:小泉首相の「郵政民営化」を考える-part2

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