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2005/05/09

笑わせるな!対独戦勝60周年

このブログを開設して以来、約2ヶ月が経過した。この間に訪れていただいた方は1万8000人以上を数える。この数が多いのか少ないのかは分からないが、依存症のオヤジの気まぐれなコメントを、これだけ多くの方に読んでいただいたことに感謝したい。
ブログを開設して感じたのは、中国や韓国に関する記事を書くとアクセス数が増えるということである。それだけ最近の中・韓に対する国民の反発が大きいということであろう。
しかし、日本の周りにある理不尽で異質な国は中・韓だけではない。北朝鮮はもちろん
だが、ロシアも見落としてはならない国である。
今日は、そのロシアについて書いてみたい。

bush

ロシアの話題といえば、やはり今年が対独戦勝60周年に当たるということだろう。ロシア政府は、自らをナチス・ドイツからヨーロッパの民を解放した立役者として演出したいらしい。そのために、世界
各国からブッシュ大統領を初めとする要人を招いて大々的に式典を盛り上げようとしている。
しかし、その思惑は見事に外れたようだ。なぜなら、ロシアの前身である旧ソ連は本当に解放者なのか?バルト諸国や東欧諸国に対する支配者を、ナチズムという狂気から
共産主義という狂気に変えただけではないのか?という疑問を払拭しきれないからだ。
以下の記事中のブッシュ大統領の発言が、そのあたりを鋭く突いている。

ブッシュ米大統領は8日、対独戦勝60周年記念式典に出席するためモスクワ入りし、
同夜(日本時間9日未明)、ロシアのプーチン大統領と会談に入った。
「自由の拡大」を外交基軸とするブッシュ大統領は、旧ソ連圏でも民主化推進への期待を鮮明にしており、介入を嫌うプーチン大統領との間で軋轢(あつれき)が生じる可能性もある。
ブッシュ大統領は7日にラトビアでバルト3国首脳と会談した際、
(中略)
対独戦勝利がバルト3国では旧ソ連による共産党支配の始まりだったと指摘した。
(中略)
会談では歴史認識も焦点になる見通し。プーチン大統領は急激な民主化要求には
反発することも予想され、今回の会談が「今後の米露関係の風向きを占うものになる」
(外交筋)との見方もある。
米露が首脳会談、旧ソ連圏民主化で軋轢も (読売新聞) - 5月9日

ブッシュ米大統領は、対独戦勝利60周年記念式典出席のためモスクワを訪問し、ロシアのプーチン大統領と会談した。
(中略)
ブッシュ大統領は7日、ラトビアの首都リガで、対独戦勝利後にソ連が東欧を支配した
ことは歴史上の不正行為だったとし、ロシアが見習うべき民主主義の模範としてバルト諸国を挙げた。
これに対して、プーチン大統領は、8日に放映された米CBS放送の番組「60ミニッツ」でのインタビューで、こうしたソ連支配に対して謝罪することを拒否し、ロシアの民主主義に対する米国の批判を退けた。プーチン大統領は、「民主主義は、他の場所に輸出することはできない」と語った。
米ロ首脳会談、民主主義をめぐり見解の相違 (ロイター) - 5月9日

上記の二つの記事からは、唯一の超大国アメリカと、かつての超大国ロシア(ソ連)との今の力関係も読み取れる。
アメリカは「米国は、最強の軍事力と政治、経済的な影響力を自国のためのみに用いるのではなく、テロリストや独裁者の脅威から平和を守り、大国間の良好な関係を築き、自由で開かれた社会をすべての大陸に奨励することで、この平和を保ち、拡大させる」というブッシュ・ドクトリン(注-1)の立場をロシアに対しても譲らない。
一方のロシアは、旧ソ連のイデオロギーや政治体制は否定しつつも、自国の既得権益と勢力圏を維持するためには旧ソ連の歴史を肯定せざるをえない。また、広大な国土と、泥沼の紛争にあえぐチェチェンに代表される複雑な民族構成から、西欧民主主義とは異質な強権的支配体制を維持せざるをえない。
だから、アメリカから「自由で開かれた社会」を要求されても、首を縦に振れないし、旧ソ連の悪業を謝罪することもできない。しかし、経済や安保、あるいは対イスラム過激派との絡みを考えると、旧ソ連のような、アメリカとの全面対決の道も選べない。
ロシアは、今、政治的、軍事的大国でありながら、経済的には弱小国であるという極めてアンバランスな国力の現実にジレンマを深めているのである。

私は、ロシアが再び、世界の覇権をめぐる舞台に主役として登場することはないと思うし、ないことを祈る。なぜなら、理不尽かつ傲慢な国であり、反省というものを知らないからだ。アメリカも傲慢な国で反省というものを知らないが、自由と民主主義があり、
何より「人道」というものを知っているから救いがある。
ところで、ブッシュ大統領が言及した、旧ソ連によるバルト3国や東欧支配が不正行為であることは、歴史が証明している。ポーランドの分割やバルト3国のソ連併合は、「モロトフ・リッベントロップ協定」(注-2)というナチス・ドイツとの裏取引の結果である。
また、旧ソ連は、ポーランドに侵攻した際、2万5000人にのぼるポーランド人将校を初めとする戦争捕虜を裁判無しで銃殺した。-カティンの森事件(注-3)。
それだけではない。ハンガリー動乱(注-4)やプラハの春(注-5)に対する武力弾圧など、旧ソ連が東欧諸国に対して行った無法行為は枚挙に暇がない。
それでも、旧ソ連の後継者であるロシアは謝罪せず、いったん手に入れた権益は手放そうとはしない。まさに厚顔無恥、理不尽を絵に描いたような国である。

この国が日本に対して行った行為も忘れてはならない。それは、相互不可侵と中立などを定めた日ソ中立条約(注-6)を一方的に破棄し、日本の敗戦(8月15日)間際の
8月9日に旧満州・樺太・千島列島などに軍事侵攻を開始したことである。
まさに「火事場泥棒」以下の卑劣極まりない行為と云わざるをえない。
それも、ポツダム会議でアメリカが、原爆完成によりソ連抜きでの日本降伏も可能と
参戦を拒否したにもかかわらずである。
その結果として、いまだに北方領土を不法占拠している。
そして、もっとも我々が忘れてはならないのが、旧ソ連による「シベリア抑留」である。
旧ソ連は、国際法に違反した「侵略」行為の結果、多数の旧日本軍人を捕虜にした。
そして、そのほとんどを、極寒の地・シベリアで満足な食料も与えず、シベリア鉄道建設工事などに酷使したのである。
「それは筆舌につくしがたい、飢餓、窮乏、極寒、恐怖・・・・・・。地獄の日々」(シベリア回想 早田貫一画伯のシベリア抑留鎮魂歌)であった。
捕虜の数は54万6086人(ソ連発表・シベリア抑留とは)、そのうち、約6万人もの人が異国の地で望郷の念に駆られながら無惨に死んでいったのである。
しかも、米英などに捕らえられた捕虜が、ほぼ1946年に帰還したのに対し、ソ連抑留者の帰還がおおむね完了したのは1958年であった。
ソ連の当時の軍事行動も国際法に違反しているが、このような捕虜に対する扱いも、
もちろん国際法に違反している。「シベリア抑留はソピエト連邦による国際法にもポツダム宣言にも違反した重大な人権侵害であり、大規模かつ組織的な拉致事件である」(シベリア抑留問題の早期解決を求める要請書)といっても過言ではない。
これに対し日本政府は、ソ連に謝罪を要求するどころか、1956年の日ソ共同宣言では、ソ連に対するいっさいの請求権の放棄さえ約束している。なおかつ、米国などに捕虜として捕らえられた軍人と差別して、シベリア抑留者には一銭の補償もしていない。
このような政府に対し、シベリア立法推進会議・全国抑留者補償協議会は、「私たちは6万人を超える犠牲を出し、寒さと飢えで地獄の苦しみを味わいましたが、不当にも
抑留期間中の強制の賃金も支払われておりません。私どもは日本軍に徴兵・徴用されたものであり、ソビエト連邦(現ロシア)に対する請求権が、1956年(註・昭和31年)の日ソ共同宣言によって相互放棄されたものであるなら、日本政府が当然賃金を支払うべきであります。1949年ジュネーブ条約にも捕虜の派遣国が支払うべきことが明記されております。また、南方から帰還した元捕虜には、抑留中のに対する賃金が大蔵省より支払われております」として補償を要求している。
シベリア抑留問題の早期解決を求める要請書

彼らは、平均年齢は80歳を超え、人生最後の時を迎えようとしている。我々は、政府に、北方領土の返還と捕虜虐待に対する謝罪をロシアに要求するとともに、元抑留者に対する補償を早急に行うよう声を上げなければならない。
バルト3国は「無法な併合」に対する謝罪を、ポーランドは「カティンの森の虐殺」に対する謝罪をロシアに求めている。日本が「シベリア抑留」に対する謝罪を求めるのは、世界が求める正義の一つではないのか!

なお、昨日(5月8日)の読売新聞朝刊は、社説で、プーチン大統領の招きに応じて小泉首相が、対独戦勝利60周年記念式典に出席することに異議を唱えている。

小泉首相が、ロシアのプーチン大統領の招きに応じ、あす9日、モスクワで開かれる
対独戦勝利60周年を祝う記念式典に参列する。
式典には、ブッシュ米大統領や、中国の胡錦濤国家主席ら約50か国の首脳らが参加し、退役軍人による祝賀パレードなどが行われるという。
小泉首相の立場は、何とも微妙、と言わざるを得ないだろう。
(中略)
ソ連は、ドイツ降伏の3ヵ月後の1945年8月9日、日ソ中立条約を踏みにじり、日本への攻撃を開始した。戦後も数十万人の日本の将兵を捕虜としてシベリアに連行し、国際法に違反して奴隷に酷使した。
北方領土を占拠したソ連=ロシアと日本の間に、平和条約もいまだ締結されていない。
(中略)
対独戦勝60周年の式典に出席する小泉首相の立場とは、いったいどういうものなのかと、考えさせられる。
(中略)
外交には、歴史への見識も求められていることを、忘れてはならない。
[対独戦勝60年]「参列する小泉首相の微妙な立場」 5月8日・読売社説

外交だけではない。元抑留者に対する対応にも「歴史への見識」が求められていることを小泉首相に申し上げる。

私の父親は、生きていれば今年89歳になる。元陸軍中尉で、シベリア抑留経験者だった。抑留期間は3年くらいだったらしい。
あまり多くを語らなかったが、「体力がないと死んでいくしかなかった。いくら能力があっても体力がなければ生き残れない」という主旨の話を、学生運動にのめり込み、理屈をこねていたころに聞いた記憶がある。
やはり悲惨で辛い経験だったのであろう。シベリア立法推進会議・全国抑留者補償協議会の方々を他人事とは思えない。
(坂 眞)

(注-1)ブッシュ・ドクトリン
(注-2)モロトフ・リッベントロップ協定
(注-3)カティンの森事件
(注-4)ハンガリー動乱
(注-5)プラハの春
(注-6)日ソ中立条約
(参考記事)流転の旅路-シベリア抑留記

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