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2005年5月

2005/05/31

中国崩壊の序章

①対中輸入制限を発動=繊維摩擦、激化の一途-米政府
(時事通信) - 5月28日
【ワシントン27日時事】米商務省は27日までに、急増する繊維製品輸入の防止策に
ついて中国政府に2国間協議を要請するとともに、綿ニットシャツ・ブラウスなどを対象としたセーフガード(緊急輸入制限)を発動した。米国では人民元の為替操作をめぐって対中批判が強まっており、今回のセーフガード発動に対しても当然と受け止める意見が強いが、中国側の反発は必至だ。

②セーフガード発動へ公式協議 EU、中国に通告
(産経新聞) - 5月28日
【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)欧州委員会は27日、中国製衣料品の輸入急増
問題で、Tシャツと亜麻糸の二品目に関し緊急輸入制限(セーフガード)発動に向けた手続き開始となる公式協議入りを中国に通告した。
EUは公式協議で世界貿易機関(WTO)の取り決めに従い、今後一年間の中国からの輸入を、2004年3月から05年2月までの輸入量の7.5%増以下に抑えるよう要求。中国が通告から15日以内に従わなければ、セーフガードを発動する。
EUは31日を期限に話し合いによる解決を目指して中国側と非公式の協議を進めていたが、合意に達しなかった。
中国政府は20日、主要繊維製品39品目(74種類)を対象に、6月1日から輸出税を引き上げる輸出自主規制措置を発表したが、EU側は不十分と判断したとみられる。

③中国、繊維摩擦で「四面楚歌」=欧米に加え、途上国も圧力-国内で失業者拡大も
(時事通信) - 5月28日
【北京28日時事】中国と欧米との繊維摩擦が激化する中、ブラジルなど開発途上国・
新興国も中国から輸出される繊維製品急増に対し、制限措置などの検討を始めた。
一方、中国政府は欧米のセーフガード(緊急輸入制限)発動や6月からの輸出関税引き上げが国内の繊維産業に大きなダメージを与え、失業者増大につながるとの懸念も
強めている。中国は打つ手のない「四面楚歌」(商務省機関紙・国際商報)に陥って
いる。

④輸出関税撤廃は対抗措置=欧米の繊維輸入制限に反発-中国商務相
(時事通信) - 5月31日
【北京30日時事】中国の薄煕来商務相は30日、記者会見し、米国や欧州連合(EU)との繊維製品摩擦について「欧米が中国が実施した輸出関税措置を重視せず、中国製繊維製品に対するセーフガード(緊急輸入制限)を発動するならば、われわれも政策を調整する」と表明した。
中国財政省は同日、繊維製品81品目の輸出関税を6月1日から撤廃すると発表した
ほか、同日からの輸出関税引き上げを発表したばかりの繊維製品74品目に関しても
引き上げを取り消すと表明。薄商務相はこうした措置について、欧米のセーフガード
への対抗措置であることを明らかにした形だ。

⑤柔軟な人民元相場は不均衡是正向けた中国の責務=米財務長官
ロイター-5月26日
[東京26日ロイター]26日付のアジア・ウォールストリート・ジャーナル(AWSJ)紙は、
スノー米財務長官による「中国の責務」と題した論文を掲載した。このなかで、同長官は、中国の人民元問題について、米ドルに事実上固定している現行制度はひずみが
大きく、中国経済にもリスクをもたらしていると指摘。世界的不均衡の是正に協調して
対応する点でも、保護主義的圧力の高まりが国際貿易システムに悪影響を及ぼす
前に対応することが、中国の責務だと指摘した。(後略)

上記の五本の記事を、どう読むか。単なる貿易摩擦と読んではならない。これらの記事から、米国の政治的意図と中国が直面する危機を読み取らなければならない。

米国の対中貿易赤字は、2004年には過去最大の1620億ドル(約17兆円)に達して
おり、今年の1~2月は、さらに前年同期を47.4%も上回るといった有様である。原因は繊維・衣料品などの輸入急増が原因とされる。
この事態に対し、米国の経済界はもちろん、議会も人民元の切り上げを強く求めて
いる。
米国が中国に、人民元の変動相場制への移行を執拗に要求して圧力を掛けている
のは、このような背景があるのである。
事実上ドルに固定されている人民元は、変動相場制に移行すれば確実に切り上がる。しかし、人民元の切り上げが米国の貿易赤字削減に効果があるという主張に疑問を
呈する向きもある。

米国金融界の元締め・アラン・グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、「人民元の切り上げが実現しても米国製品の需要が増えるわけではなく、中国から
輸入していたのと同じ製品を他の地域から輸入することになるだけで貿易赤字削減
効果はない」と指摘している。逆に、中国からの輸入品の価格が上昇して「物価を押し上げる要因となる」とも述べている。
人民元切り上げ、貿易赤字削減効果ない…FRB議長
2005年05月21日 読売新聞(要約:筆者)

まさに身内から疑問符を突きつけられた形だが、それでも米国は、人民元の変動相場制への移行を要求する圧力を弱めない。
今回のセーフガードの発動は、最後通牒に近いものなのかも知れない。なぜなら、中国が事前に輸出関税引き上げ(実質的な輸出価格の引き上げ)を申し入れていたにも
かかわらず、それを無視してセーフガード発動を強行したからである。これは、人民元の変動相場制への移行要求が、単に貿易赤字の削減だけを目的としたものではないとの憶測を呼ぶ。
もちろん、強硬姿勢の背景に議会対策や世論(経済界)対策といった面があるのは
間違いない。しかし、グリーンスパンFRB議長の「貿易赤字削減効果はない」という
発言を勘案すれば、それだけでは説明がつかない。
中国のGDP(国内総生産)は2004年までの10年間で3倍になった。今のままのペースでいけば、10年後には日本を追い越す規模になる。軍事力と経済力を兼ね備えた
超大国になる可能性のある中国を、このまま放置しておいてよいのか。
変動相場制への移行要求には、米国のそういう政治的懸念も秘められていると見るのが自然であろう。

これに対して中国はどう対応するのか。WTO(世界貿易機関)に提訴するのは間違いない。しかし、低賃金と長時間、福利厚生もほとんどないという状況から生み出された中国の低コストを、WTOがどう判断するかである。「購買力平価で比較すると、人民元はドルより40%も低く設定されている」という米国議会の試算もある。
上記記事にあるように、米国だけではなくEUもセーフガード発動の動きを強めているし、ブラジルなど開発途上国・新興国も制限措置の検討を始めている。
WTOが中国の言い分を認めるかどうかは分からない。商務省機関紙・国際商報が云うように、中国は、人民元の変動相場制移行以外に打つ手のない「四面楚歌」の状況なのだ。

なぜ中国は人民元のドル固定にこだわるのか。為替リスクを避けるための手段(リスクヘッジ)である為替先物市場が、まだ整備されていないという技術的な事情もある。
外圧に屈した形での変更は世論の反発を買うという懸念もある。しかし最大の理由は、資金の流出とそれに伴う経済の崩壊である。
人民元がドルに固定され、為替リスクがないことが外国からの資金流入を促してきた。さらに、将来的に人民元の価値が上昇することが確実ならば、人民元投資は大きな
メリットがある。
しかし、変動相場制に移行すれば、人民元の価値は高くなる局面ばかりではない。
投機マネーは市場を見ながら動く。それは、ちょっとしたきっかけで流出していく。この
ことは、高成長を続けていた東南アジアや韓国で1990年代後半に経験済みである。

資金の流出は通貨の暴落を招く。通貨の暴落は大不況を誘き寄せる。事実、1997年夏以来の通貨危機は、東南アジアや韓国に未曾有の大不況をもたらした。
このときの事情を国際通貨基金(IMF)アジア太平洋地域事務所長・斉藤国雄氏は次のように分析している。

①民間資本の大量流出の背後には、アジアの国々の銀行等の金融部門の弱体化があった。今回の危機は、民間資本の流出に伴う通貨危機であるが、それは金融機関の信用危機でもあった。
②危機を招いた原因として、市場の影響力の増大が挙げられる。云うまでもないことであるが、資本の移動は、市場、より正確には、市場参加者の判断による。
③この危機は、長期的な構造改革との絡みで発生した。危機の直接的原因は、アジア経済に対する市場の信頼の低下であった。これは、金融部門の弱体化と、その原因となった民間投資の行き過ぎ(バブル)、そしてこれを押さえるための景気過熱対策の
発動の遅れ、これらの一連の中期的要因に帰することができる。
IMF方式以外にアジアの金融危機を終息させる方法はない(要約:筆者)

これに対して、今の中国はどうか。
私が中国は、いつ崩壊するのか?で指摘したように、
①中国の銀行が抱える不良債権は、既に世界最悪の水準にある。不良債権の元凶である非効率的で赤字の国有企業は、容易に整理できない経済的、社会的環境にある
②過熱経済(バブル)を心配する当局は、金融引き締めに躍起だが、中国的特殊事情(密貿易や海外の子会社との経理操作)から効果が上がらない
のが実情である。

これに人民元の変動相場制への移行、すなわち市場の影響力の増大が加われば、
1990年代後半のアジアの「経済・通貨危機」のときと同じ条件が揃う。
投機マネーの大量流出が起これば、バブルの崩壊→企業倒産→銀行破綻→経済失速→失業の増大という負の連鎖が始まる。

中国は、自国経済の最大の弱点であり、体制崩壊の引き金になりかねない四大国有銀行の不良債権処理と財務体質改善に躍起になっている。
これは、危機感と焦燥感の表れである。中国は、その最終的改革を、四大国有銀行の
海外株式市場への上場で実現しようとしている。
しかし、この上場は中国は、いつ崩壊するのか?で述べたように可能性が薄い。
赤字垂れ流しの国有企業を抱えたままでは、公的資金をいくら注入しても不良債権が減ることはないからである。
中国が、この四大国有銀行の不良債権問題を解消できないまま変動相場制に移行すれば、市場の影響力に翻弄されることは間違いない。

革命は常に経済的困窮から起きる。
一見、高まいな政治理念やイデオロギー、あるいは宗教的動機に基づくと見られる革命も、根本にあるのは経済的に困窮した民衆の巨大なエネルギーの爆発である。
バブルが崩壊し、今や1億人にのぼると云われる民工が路頭に迷う事態になれば、
中国の強固に見える強権支配体制も、またたく間に瓦解する。

アメリカのセーフガードの発動とEUや開発途上国からの圧力の前に、中国は早晩、
人民元の変動相場制への移行を決断せざるを得ない。
今回の「中国製繊維製品をめぐるせめぎ合い」は、中国崩壊の序章となる可能性を
秘めている。

関連記事1:中国は崩壊後どうなる?
関連記事2:中共:崩壊する統治能力
関連記事3:中国崩壊への胎動
関連記事4:中国に奇跡は起こるのか?
関連記事5:中国は間違いなく崩壊する part3
関連記事6:石油をガブ飲みする中国の末路
関連記事7:中国崩壊の序章-part2
関連記事8:中国は、いつ崩壊するのか?
関連記事9:中国は間違いなく崩壊する part2
関連記事10:中国は間違いなく崩壊する
関連記事11:中国は何処に

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さよなら貴ノ花

takanohana角界のプリンス逝く。
大相撲の元大関貴ノ花として数々の名勝負でファンを魅了し、引退後は2人の横綱を育てた角界の大功労者、二子山親方(本名・花田満=はなだ・みつる)が5月30日午後5時40分、口腔(こうくう)底がんのため東京都文京区の順天堂医院で死去した。55歳だった。
横綱初代若乃花の実弟として角界に入門。大関では歴代1位の
在位50場所を記録。
輪島、北の湖とともに70年代の大相撲界を支えた。指導者としても横綱貴乃花、横綱
3代目若乃花と史上初の兄弟横綱を育てた。
一昨年秋に体調を崩し、今年2月23日に、貴乃花親方が「がん」を公表していた。遺体はこの日深夜、2人の息子に付き添われ、東京・中野の貴乃花部屋へ戻った。
(中略)
まさに土俵生活と同じ闘い方だった。苦境を物ともしないからこそ、大関貴ノ花は多くのファンから愛された。初代若乃花の実弟として角界に飛び込み、人の何倍も厳しくしごかれた。甘え、妥協はいっさい許されず、ぶつかりげいこで失神した花田少年は、部屋近くの川に失神したまま投げ込まれた逸話は有名だ。
その貴ノ花にとって忘れられない夜がある。1971年(昭和46年)初場所千秋楽の夜だった。深夜3時、当時貴ノ花の車が外苑前を通りかかると、横綱玉の海の車が止まって
いた。運転手の姿しか見えない。不思議に思った貴ノ花は運転手に声を掛けた。
「どうしたの?」すると、運転手は「横綱がいるものですから」と答えたという。驚いた貴ノ花が目を凝らすと、真っ暗な外苑通りを玉の海が走っていた。玉の海は決定戦で大鵬に敗れていた。「その姿を見たとたん、私は自分が恥ずかしくて、恥ずかしくて、しばらく玉の海さんの姿が頭から離れなかった。私の相撲人生で大きな岐路になった出来事
です」。
決して逃げず、土俵際で粘った。ケガを恐れずうっちゃりを仕掛け、相手の体重をまともに浴びながら何度も土俵下に落ちていった。それでも、必ず復活する姿に誰しもが声援を送った。「自分に厳しく、人に優しく。お天道様は見ている」。二子山親方の大切に
してきた言葉だ。
(後略)
さよなら貴ノ花、二子山親方がんに逝く
2005年5月31日 日刊スポーツ

貴ノ花は、同年代の私にとって、まさにスーパーヒーローだった。
貴ノ花が勝つと嬉しく、負けると悔しかった。
北の湖との優勝決定戦は、今でも鮮明に記憶に残っている。

貴ノ花 対 北の湖

(寄り切り)
昭和50年3月場所千秋楽 優勝決定戦

大関貴ノ花1敗、横綱北の湖2敗で迎えた本割は、北の湖が貴ノ花を破り決定戦。今度は貴ノ花が渾身の力で寄り切り悲願の初優勝を決めた。
その瞬間館内は興奮のるつぼと化し、座布団が乱れ飛んだ。
歴史に残る名勝負

ご冥福をお祈りいたします。

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2005/05/29

A級戦犯

森岡正宏厚生政務官は26日の自民党代議士会で、小泉首相の靖国神社参拝を「大変良いことだ」と支持する考えを示したうえで、「極東国際軍事裁判は、平和や人道に対する罪を勝手に占領軍が作った一方的な裁判だ。A級戦犯の遺族には年金をもらっていただいており、日本国内ではその人たち(A級戦犯)はもう罪人ではない」と述べた。(後略)
2005年5月26日(朝日新聞)

上記の発言が物議を醸している。
この発言を肯定する人もいれば、民主党の岡田代表のように「東京裁判を認めないと
なれば、戦争責任を負わないことになる。更迭を求めるのは当然だが、その前に政府がきちんと対応すべきだ」と罷免を求める意見もある。
もちろん、中国は猛烈に反発している。

発言のタイミングはともかくとして、その是非を問うには、まず、そもそも極東国際軍事裁判とは何か、戦犯とは何か、から考えてみる必要がある。
極東国際軍事裁判は、ポツダム宣言第10項の戦犯処罰規程を根拠に、11カ国の連合国名によって(イ)「平和ニ対スル罪」、(ロ)「通例ノ戦争犯罪」、(ハ)「人道ニ対スル罪」の3つに分類された55項目の訴因に基づいて行われた。英訳すると(イ)(ロ)(ハ)はa、b、cになる。
裁判所は、東京 市ヶ谷の旧陸軍士官学校講堂に設置された。

A級戦犯とは、極東国際軍事裁判所条例の第5条(イ)、つまりaに規定された「平和ニ対スル罪即チ、宣戦ヲ布告セル又ハ布告セザル侵略戦争、若ハ国際法、条約、協定又ハ誓約ニ違反セル戦争ノ計画、準備、開始、又ハ遂行、若ハ右諸行為ノ何レカヲ
達成スル為メノ共通ノ計画又ハ共同謀議ヘノ参加」を犯したとして、極東国際軍事裁判によって有罪判決を受けた人々のことである。
解りやすく言うと、侵略戦争を計画し、準備し、開始し、遂行した、もしくはそのための
共同謀議に参加したとして、a「平和に対する罪」に問われた指導的立場の人々がA級戦犯である。主要戦争犯罪人とも呼ばれる。
これに対し、B級戦犯とは、同条例第5条(ロ)=bの「通例の戦争犯罪」に問われた人々であり、占領地の人民に対する殺人、虐待、奴隷などが該当する。訴追されたのは、占領地の将校クラスが多い。
C級戦犯とは、第5条(ハ)=cの「人道に対する罪」に問われた人々であり、この罪の
対象は多岐にわたる。
戦争前か戦争中かは関係なく、占領地であるか否かも問わない。すべての人民に対して行われた行為が対象になる。
罪の範囲は、殺人、殲滅、奴隷的虐使、追放、その他の非人道的行為、そして政治的、人種的理由に基く迫害行為にまで及ぶ。訴追されたのは、占領地の下士官、兵隊クラスが多い。
このcは、本来、ナチスのユダヤ人に対するホロコーストを裁くために設けられたものであったと云ってよい。
なお、A級のAとは、同裁判所条例において「平和に対する罪」がaである事に由来する。a、b、cは単なる分類であり、罪の軽重を指しているわけではない。誤解しないで
ほしい。
ちなみに、ナチスを裁いたニュルンベルク国際軍事裁判においては、もっとも罪が重いとされたのは、cの「人道に対する罪」に問われた者たちである。。
ただ、b、cはaに関連するものであるから、A級戦犯はb、cの罪にも問われていると云える。事実、A級戦犯とされる松井石根陸軍大将は、aは無罪であったにもかかわらず、b、cにおいて有罪とされ絞首刑に処された。したがって、松井石根陸軍大将は、正確に云えばA級ではなくBC級戦犯である。
以上を踏まえた上で、極東国際軍事裁判がいかなるものであったかを検証したい。

極東国際軍事裁判には、その構成上及び制度上の問題と裁判そのものの正当性の
問題の両方がある。まず、構成上及び制度上の問題から述べてみよう。

①11人の判事中、中立国からは一人も選ばれなかった。
②仏・ソ2カ国の判事は、裁判の公用語である英語と日本語を理解できなかった。
③ソ連は中立条約を破って日本を一方的に攻撃した典型的な条例違反国なのに、罪を問われるどころか、この裁判で検事として、あるいは判事として、日本を訴追する権利まで与えられた。
④判事の中には、法曹経験の全くない者(中国の梅汝敖判事)もいた。
⑤民主主義にとっては当たり前の上告制度がなかった。
以上が構成上及び制度上の疑義である。

次に、最も重要な裁判そのものの正当性の問題について述べる。

①大東亜戦争は侵略戦争だったのか?
②戦争に対する共同謀議、平和に対する罪、人道に対する罪は、当時の国際法等に
規定があったのか?
③そもそも、このような戦勝国が敗戦国を裁く裁判は何を根拠にして成り立つのか?

①に関して云うと、1941年12月8日に開始された太平洋戦争は侵略戦争ではなかったと断言できる。これは、帝国主義国家間による植民地争奪戦争だった。
米国はフィリピンを、イギリスはインド、ビルマ、マレー半島を、フランスはインドシナを、オランダは東インド(現在のインドネシア)を植民地支配し、搾取と収奪をほしいままに
していた。
欧米列強は、本国は民主主義だったが、ほぼアジア全域で過酷な植民地支配を行っていたのだ。そこでは数々の弾圧と虐殺があった。フランスとオランダは、戦後も独立を
宣言した旧植民地を再侵略している。
このような国々と日本は戦ったのである。これのどこが侵略なのか?
1937年に始まった日中戦争は、確かに侵略戦争だったかもしれない。しかし、それは今だから云えることである。当時は「侵略」の定義さえ定かではない時代だった。
また、欧米列強も租界を初めとする数々の特権を中国に対して持っていた。イギリスに
至っては、歴史上最低の部類に属するアヘン戦争で香港を強奪していた。
注意してほしいのは、だからといって、日中戦争を肯定しているわけではないと云う事である。当時の欧米列強が正義で日本が悪だという構図は、勝者の論理に過ぎないと云いたいのだ。

②に関して云えば、事後(敗戦後)に裁判所条例により制定されたもので、当時の国際法等には何の規定もない。法治社会の鉄則である法の不遡及に反しており、罪刑法定主義からも逸脱している。

③に関して云えば、根拠などどこにもない。極東国際軍事裁判それ自体が、原則に
反する違法なものなのである。

これには、さすがに判事の間にも異論があった。11人の判事中、少数意見の判事が
5人いた。
そのうちの一人、オーストラリアのウエップ裁判長は、「どの日本人被告も、侵略戦争を遂行する謀議をしたこと、この戦争を計画及び準備したこと、開始したこと、または遂行したことについて、死刑を宣告されるべきでない」と判決文にしたため、フランスのベルナール判事は、「天皇が免責された以上共犯たる被告を裁くこができるのか」と述べた。
インドのラダ・ビノード・パール判事に至っては、「連合国は法を引用したのでもなければ、適用したのでもない。単に戦勝国の権力を誇示したにすぎない。戦争に勝ったが故に正義であり、負けたが故に罪悪であるとするのであれば、もはやそこには、正義も法も真理も存在しない。国際法、慣習法に照らして戦争は犯罪ではない。日本は無罪だ」と主張し、アメリカの原爆投下を非難した。
オランダのレーリング判事も「廣田弘毅元首相は無罪、他の死刑も減刑せよ。ドイツのナチスの処刑に比して重すぎる」と言い、フランスのベルナール判事は「この裁判は
法の適用および法手続きにおいても誤りがある」とし、「11人の判事が一堂に集まって
判決の一部または全部を協議したことは一度もない」と内部告発までした。
結局、米・英・ソ・中・カナダ・ニュージーランドの6カ国が、多数判決で、それ以外の5カ国を押し切ったのである。
ちなみに、少数意見5カ国のうち、フィリピンのジャラニフ判事のみが「判決が軽すぎる」とする立場からの反対だった。

※オランダのレーリング判事は、帰国後に著した「東京裁判とその後(ザ・トウキョウ・
トライアル・アンド・ビョンド)」の中で、次のように述懐している。
「われわれは日本にいる間中、東京や横浜をはじめとする都市に対する爆撃によって
市民を大量に焼殺したことが、念頭から離れなかった。
われわれは戦争法規を擁護するために裁判をしているはずだったのに、連合国が戦争法規を徹底的に踏みにじったことを、毎日見せつけられていたのだから、それはひどいものだった。
もちろん、勝者と敗者を一緒に裁くことは不可能だった。東條が東京裁判は勝者による復警劇だといったのは、まさに正しかった」と・・・

判決後弁護側は、連合国軍最高司令官へ再審査を申し立てるが却下され、直ちにアメリカ連邦最高裁に訴願するが、これも却下された。

A級戦犯とされた被告は東條英機以下27名。
精神異常による訴追免除及び病死を除く25名が起訴される。
絞首刑は、東條英機(軍人)、板垣征四郎(軍人)、木村兵太郎(軍人)、土肥原賢二(軍人)、松井石根(軍人)、武藤章(軍人)、廣田弘毅(第32代内閣総理大臣)の計7名。
昭和23年12月23日に巣鴨プリズンで処刑された7人の遺体は、まもなく横浜の久保山火葬場で荼毘に付された。遺骨は遺族に引き渡されることなく、米軍により砕かれて
東京湾に捨てられてしまった。

この裁判は、昭和天皇の誕生日(昭和21年4月29日)を選んで起訴され、 死刑執行は皇太子(現天皇)の誕生日である12月23日に執行された。

不起訴は、岸信介(後に首相)、児玉誉士夫(ロッキード事件の黒幕)、笹川良一(後に船舶振興会会長)、正力松太郎(後に読売新聞社長)。
A級戦犯として有罪判決を受け禁固7年とされた重光葵元外相は釈放後、鳩山内閣の副総理・外相となり国際舞台で活躍した功績で勲一等を授与され、終身刑とされた
賀屋興宣元蔵相は池田内閣の法相を務めた。

A級戦犯として絞首刑に処された人々は、1978年10月から靖国神社に“昭和受難者”として合祀された。また、国内法では「刑死」ではなく「公務死」の扱いになって
おり、1953年以降、遺族は、国内法による遺族年金または恩給の支給対象にもなっている。
それなりに名誉が回復されたわけである。

なお、B、C級戦犯として約5600人が、横浜以外に上海、シンガポール、ラバウル、マニラ、マヌス等々南方各地の50数カ所で逮捕、投獄され、裁判の体をなしていない軍事裁判にかけられて約1000名が戦犯の名のもとに処刑されjた。
横浜以外で行われた裁判は、私刑であったといっても過言ではない。

以上からして、極東国際軍事裁判は、構成上及び制度上の疑義と裁判そのものの
正当性の疑義の両面から認めることはできない。
百歩譲って裁判を認めたとしても、近代法の理念に基づけば、刑罰が終了した時点で受刑者の罪は消滅する。従って処刑されたA級戦犯は、現在では犯罪者ではない。
戦犯の名誉回復は日本の主権に属する問題である。また日本の国内法上において、そもそも「戦犯」という用語を用いた規定は存在しない。
したがって、靖国神社にA級戦犯とされた人々が合祀されていても、国内はもちろん
外国からもとやかく言われる所以は全くない。また、日本国総理大臣が参拝しても何の問題もない。

民主党の岡田代表には、極東国際軍事裁判を認めるか否かと、戦争責任を認めるか否かは別問題だ、とだけ云っておこう。日本やアジアの民を苦しめたという点で戦争責任はある。が、それは米英も同罪である。

最後に、米軍の無差別爆撃による日本の非戦闘員の被害は以下のとおりである。
東京大空襲の被害者は死者10万人(推定)
広島の原爆被害者は死者約14万人(誤差±1万人)
長崎の原爆被害者は死者7.5万人
その他の空襲による死者20万人

これに対して、ジョン・F・ケネディ政権で国防長官だったマクナマラは何と回顧しているか。
マクナマラは経営管理の理論を戦争に応用。攻撃効率を高めるため、統計を取り、分析する。だが彼の報告書を元に、日本に無差別絨毯爆撃が行われた。指揮官は後に
広島・長崎に原爆を落としたカーティス・E・ルメイ少将。
「勝ったから許されるのか?私もルメイも戦争犯罪を行ったんだ」
THE FOG OF WAR(マクナマラ元米国防長官の告白)

関連記事:なぜ終戦記念日なのか?

参考記事:1極東国際軍事裁判
参考記事:2極東国際軍事(東京)裁判
参考記事:3A級戦犯
参考記事:4東京裁判
参考記事:5極東国際軍事裁判
参考記事:6戦争犯罪
参考記事:7「ポツダム」共同宣言
参考記事:8中國新聞
参考記事:9激しい空襲

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(追記)
matsuiiwane南京虐殺の責任を取らされて絞首刑になった松井石根陸軍大将は、この裁判において、廣田弘毅元首相とともにもっとも悲劇的な人物の一人とされる。
この悲劇的な人物の人となりを知ることが、この裁判がいかに独善と偏見に満ちた杜撰なものであったかの証明になる。
松井は「兵の罪は我が責なりとして下獄し、無畏(むい)を念じて
いささかも動ぜず、平常心のまま刑に服した」と云われる。
この「昭和の聖将」について、この場でその真実の姿の一端をお伝えする。

裁判の首席検事キーナンの冒頭陳述は英文で4万字に及ぶぼう大なもので、キーナンは「この裁判の原告は文明である」と大見得を切った。
この「原告は文明である」という言葉に、彼らの独善と傲慢が如実に示されている。
これに対して松井は、アジア、アラブ、アフリカを侵略し、植民地化した西欧帝国主義の戦争と、我々日本が戦った日清、日露戦争をはじめとする大東亜戦争は、同じ戦争と
いっても本質的に違う。欧米の侵略戦争は「文明に添った」戦争で、日本の戦った戦争は「文明への反逆」であるとでも言うのか、と強く反駁する。
この松井の戦争に対する思いこそ、今の日本人に欠如している大東亜戦争観なので
はないか。
キーナンは「無警告に南京を攻撃した」として、日本軍が松井司令官の降伏勧告文を
散布し、24時間の停戦猶予を敵に与えた事実さえ無視した。まさに、最初から予断と
偏見に満ちた裁判だったのだ。

もともと松井は、孫文の唱えた日中提携による大アジア主義に深く共鳴していた。そして日中の親善提携と、アジアの復興を念願していた。戦火を交えながらも、松井の心底には常に孫文の「大アジア主義」があったのである。
だから孫文の後継者・蒋介石が北伐(1926~1928年)の途中大敗して、最大の危機に陥ったときも、松井はこの考えから蒋を支援している。

また、松井は、軍紀にうるさい将軍としても有名だった。
南京攻略に際し、
「南京は中国の首都である。これが攻略は世界的事件であるゆえに、慎重に研究して日本の名誉を一層発揮し、中国民衆の信頼を増すようにせよ。特に敵軍といえども抗戦意思を失いたる者および一般官民に対しては、寛容慈悲の態度を取り、これを宣撫
愛護せよ」
と全軍に命じている。
南京では、ドイツ人ラーベを委員長とする民間外国人の有志団体である国際委員会が、難民区という名の安全地帯を設けていた。南京攻略後ラーベは、松井率いる日本軍に、難民区の安全が保たれたことに対する謝意を表明している。
それほどまでに、松井は在留外国人や非戦闘員に被害が及ばないように配慮していたのだ。
南京攻略直後、(南京)城内を視察、看望した松井は、「概して城内は、ほとんど兵火をまぬがれ市内、安堵の色深し」と日記にしるしている。
その後、松井は上海に帰り、2回にわたり、内外記者団と記者会見を行っている。記者会見では、いわゆる“南京虐殺”に関する質問など全くなかった。

松井率いる日本軍は、上海における戦いから南京攻略までの間に、戦死者2万1300人、傷病者5万人余を出している。
松井は帰国後の昭和15年(1940年)2月に、日中両軍の戦没者の血が沁みた土を取り寄せ、静岡県熱海市伊豆山に興亜観音を建立した。
松井はその後、山麓の「無畏庵」と名乗る庵に居住して、毎朝約2キロの山道を登り、
シナ事変の犠牲者が東洋平和の礎石となる事を願って観音経をあげ菩提を弔った。
ところが昭和21年、極東国際軍事裁判が開かれ、松井はここから引き立てられて法廷に立たされることになる。そして、本人が聞いたこともない「南京での20万人以上の
虐殺」の責任者として絞首刑に処せられるのである。
無畏を念じていささかも動ぜず、平常心のままとはいえ、無念の思いを禁じ得なかったのではなかろうか。

以下の三首は、松井の辞世の句である。

天地も人もうらみずひとすじに無畏を念じて安らけく逝く

いきにえに尽くる命は惜かれど国に捧げて残りし身なれば

世の人にのこさばやと思ふ言の葉は自他平等誠(まこと)の心

なお「興亜観音」とは、白人の植民地支配からアジアが解放され、独立して繁栄する
時代が到来することを祈願する観音様である。

参考記事:1国際派日本人養成講座 人物探訪:松井石根大将
参考記事:2松井石根(まついいわね)大将
参考記事:3松井石根(いわね)大将と興亜観音
参考記事:4熱海・伊豆山 興亜観音

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2005/05/28

お互いに大国として、大人の対応を

細田官房長官は25日午前の記者会見で、中国政府が呉儀(ウー・イー)副首相の小泉首相との会談中止の理由に靖国参拝問題を挙げたことについて、「これ以上コメント
することは、日中関係にとって生産的ではない」と述べ、今後も中国側の主張に対し、論評はしない考えを示した。

細田長官は「コメントの一部が先方(中国側)に伝わり、向こうもそれにコメントする現象が見られる。事細かに反論したり、理由を聞いたり、非難したり、責任を問うたりしないことが適当だ」と説明した。
「これ以上コメントしない」 中国副首相問題で官房長官
2005年5月25日(朝日新聞)

この細田官房長官の発言を「弱腰」と批判するのは簡単だが、早計にすぎる。
日中関係の現状、両国の今の力関係を考慮した結果の発言として読むと、また違った読み方ができる。
このブログで何度も書いたように、関係が冷却化すると困るのは中国の方なのだ。しかも、今回は明らかに中国に分が悪い。しかし、弱い立場でも、常に強気に振る舞わなければならないのも中国なのだ。

呉儀副首相が靖国に言及し、小泉首相に拒絶される。
この結果は、直前に訪中した武部幹事長と中国共産党の王家瑞対外連絡部長との
激しい応酬により、会談前から見えていた。
しかし、中国版「鉄の女」とも呼ばれる呉儀副首相が、小泉首相を前にスゴスゴと引き下がる様は絶対に避けねばならない。そうなれば反日世論の突き上げを食う。
「緊急の公務が生じた」との取って付けたような理由でもって会談をドタキャンしたのは、このような事情であろう。
これに対し、日本の政治家や世論が非礼だ、非常識だと口を極めて非難する。これに対して黙っていると、また突き上げを食う。しかし、非礼であり非常識であるのは事実であるから弁解の余地がない。
だから、小泉首相の靖国参拝をめぐる発言などが原因である、何が悪い、悪いのは
日本じゃないか、と孔泉報道局長は、開き直らざるを得なかったのである。
細田官房長官の発言は、このあたりの中国当局者の苦しい立場に配慮してやったと
いうことだ。少なくとも、今はそうした方が中国に対して優位に立てるからである。

細田官房長官の配慮に対して、孔泉報道局長は早速反応する。まるで、事前の打ち合わせができていたかのごとくである。

中国外務省の孔泉(コン・チュワン)報道局長は26日の記者会見で、呉儀(ウー・イー)副首相が小泉首相との会談をキャンセルした問題で、細田官房長官が「これ以上コメントすることは、日中関係にとって生産的ではない」と述べたことについて、「発言に注目する」と述べ、関係改善のため日本側の今後の取り組みに期待する考えを示した。

孔報道局長は「我々は中日関係を大変重視している」「日本と世々代々の友好関係を発展させたいと望む」と日中関係の重要性に繰り返し触れ、これ以上の関係悪化は避けたいとの中国側の姿勢を強調した。

一方で、「(日本側が)両国関係の大局的な見地から、いかにして関係改善するか考えてくれるように望む。我々は『言葉を聞いて、行動を見る』という態度だ」として、日本側の具体的な行動を要求。「歴史をかがみとして未来に向かう」との原則を強調し、小泉首相の靖国神社への参拝中止を求めた。

また、来週予定されている東シナ海のガス田開発をめぐる日中政府間の局長級協議について「協議がいかなる他の問題の干渉や影響を受けることも望まない」と述べ、呉副首相の会談キャンセルが両国間の他の問題に影響するべきではないとの考えを示した。
日中関係の重要性強調 中国外務省報道局長
2005年5月27日(朝日新聞)(太字は筆者)

「細田さん、助かりました。日中関係の重要性は重々承知しています。ただ、原則的
立場だけは譲れません」私にはそう聞こえるが、皆さんはいかがだろう?
そして、細田官房長官の第二弾である。

細田官房長官は27日の閣僚懇談会で、中国の呉儀副首相が小泉首相との会談を
中止、帰国したことなど日中間の問題について、「微妙なところがあるので、発言に
気をつけてほしい」と指示した。

副首相の帰国問題で、細田長官は25日の記者会見で「コメントすることは生産的で
ないので控えたい」と述べ、その後も見解の表明を避けている。細田長官は27日の
記者会見で、こうした姿勢を中国側が評価していることについて「お互いに大国として、大人の対応をするという趣旨だと推測している」と語った。
日中問題、官房長官「発言に気をつけて」
2005年5月28日(読売新聞)(太字は筆者)

「お互いに大国として、大人の対応をする」、中国の稚拙な対応に対する「大いなる
皮肉」である。
恐らく、小泉首相は8月15日前後に靖国神社に参拝する。中国は、例のごとく猛烈に
抗議する。しかし、それ以上は悪化しない。「8月15日を避ける」というところが落とし
どころなのだと思う。

小泉首相は沈黙し、細田官房長官が対中優位を維持しつつ事態の収拾を図る中で、
小泉首相の後見人を自認する森喜郎氏が、外野席からタイミングよく追い討ちを掛ける。

自民党の森前首相は26日夜、都内で開かれた同党衆院議員のパーティーであいさつし、中国、韓国が日本の歴史教科書の検定結果を批判していることについて、「(日本の教育界は)自虐的に、日本が悪かったということばかり子供たちに指導してきたが、少しは教科書が正しくなってきた。とたんに中国、韓国が『歴史を美化している』とか、『政府の反省がない』とか言い出したが、まさにいちゃもんもいいところだ」と述べ、両国の対応に不快感を示した。
中韓の歴史教科書批判、森前首相が不快感
2005年5月26日(読売新聞)

外交とは駆け引きであり騙し合いである。その中で、いかに国益を守るかのしのぎ合いである。
一見、小泉首相も細田官房長官も町村外相も線が細く、したたかな外国要人とやり
合っていけるのか不安を感じる向きもあろう。しかし、彼らは、いずれも世襲政治家で
あり、ある意味、純粋培養された政治人間である。世間知らず、人間知らず、苦労知らずという「三知らず」の人間である。
根回しが下手で、料亭政治を嫌い、親分子分の関係を好まない。安部幹事長代理も
同類である。しかし、だからこそ自説を曲げず、相手とぶつかる事を厭わない。かと思えば、時には、既成政治家の想像のつかない発言や行動をする。
中国が、野中広務氏や古賀誠氏が権力を掌握していた時よりも、今の政権の方が、
はるかにやり辛い相手だと思っているのは間違いない。何より野中氏や古賀氏は親中派であった。が、今の政権は、ガチガチの親米派である。対中政策を、クリントン時代の「戦略的パートナーシップ」から「戦略的競争相手」に転換したブッシュ政権の意向に
忠実であることが国益だと考えている。
したがって、今の小泉政権が、中国に対して弱腰な姿勢を取るのではないか、あるいは安易な妥協をするのではないかといった心配は無用だと思う。
だって、私は立派に頑張っていると評価している。ただ、人間的には、小泉首相や町村外相や安部幹事長代理の類は嫌いである。

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2005/05/27

「信頼できない韓国」を直視せよ

怒る韓国、日本は戸惑い
「外交慣例上、無礼で無責任な発言だ」-韓国の青瓦台(大統領府)は二十六日、厳しい言葉で日本を批判した。外交通商省は高野紀元・日本大使を呼んで「謝罪」と「再発防止」を正式に求めた。
韓国が怒りをあらわにしているのは、日本の谷内(やち)正太郎外務事務次官が五月十一日、韓国与野党議員団との朝食会で、「日米は情報を共有しているが、米国が
韓国を信じていないため、日本が入手する北朝鮮情報を韓国と共有するのが難しい」と述べたとされることに対してである。
韓国側は直後に在京の韓国大使館を通じ外務省に遺憾の意を伝えていた。「野党議員の前でふさわしくない話題という問題意識だった」(外務省筋)。この時点では表沙汰(ざた)にはなっていなかった。ところが、二十五、二十六日と韓国メディアが「谷内発言」を一斉に報道。韓国政府は一気に態度を硬化させた。
日本側は一言でいって戸惑いである。外務省首脳は「これからは非公式の率直な会談は一切できなくなる」と不快感を表明している。いまの日韓、米韓関係を象徴した波紋である。日韓は双方の信頼関係に揺らぎがあるため、「必要以上に問題が大きくなった」(外交筋)側面が強い。
(中略)
ただ、韓国メディアの論調はニュアンスが異なる。有力紙は「日米との協力関係が
現在、どのようになっているか直視すべきだ」(二十六日付朝鮮日報)「対北情報で
仲間はずれにあっていることを知りながら、国民を欺いたのか」(二十五日付東亜日報)など、谷内発言の是非より盧武鉉政権の安全保障政策への懸念を取り上げている。
(後略)
「米は韓国を信じていない」谷内次官発言
(産経新聞)【潮流】 5月27日

要するに、「米国は今の盧武鉉政権を信用していない」と谷内外務次官が本当のことを言った。
オフレコになっている間は、韓国政府は「野党議員の前で、そんなキツイことを言わないでくれ」という反応だった。が、表ざたになるや「無礼で無責任な発言だ」と激怒する
態度に豹変した。
これに対し、日本の外務省は「これからはオフレコだからといって本当の話は一切できなくなる」と、こちらも不快な思いをしている。
一方の韓国のメディアはというと、(谷内外務次官の発言は事実なので)日本政府を
非難するより、盧武鉉政権に対する懸念を表明している。
ざっと、こういう構図である。

朝鮮日報の懸念は深刻である。
記事のタイトルからして「信頼できない韓国」を直視せよである。
以下、記事の全文を掲載する。

日本外務省の谷内正太郎事務次官が、最近訪日した国会・国防委員らに「北朝鮮の核問題に関連し、米国と日本が情報を共有しているが、米国が韓国を信頼しないため、日本が得られる北朝鮮の核関連情報を韓国と共有することに躊躇している」と述べた。

谷内事務次官は「北朝鮮の核問題を解決するためには、韓米日3国の団結が核心であり、もっとも重要であるが、最近、韓国が韓米同盟から脱している」とし、「米国と日本は右側におり、中国と北朝鮮は左側にいるが、韓国は今、中国と北朝鮮により近いようだ」と述べた。

政府はこれに対し、駐韓日本公使を呼び、「韓米関係と韓国政府の対北朝鮮政策に
対し、誤解を招きかねない不適切な発言」と抗議した。

核問題の直接的な当事者である韓国の立場としては「韓国を信頼できないため、
北朝鮮の核情報を共有できない」という言葉は衝撃的
だ。

最近、北朝鮮の核実験可能性に対する論争が起きた際、尹光雄(ユン・グァンウン)
国防部長官は「韓米の情報共有には何ら問題がない」とし、外交部高官も「韓米の
関連情報共有は100%行なわれていると見てもいい」と述べた。

まず、はっきりさせるべき問題は、谷内事務次官の発言が事実ではない妄言なのか、さもなければ事実ではあるが、そこまで露骨に発言してもいいのかという問題か、という点だ。

韓国政府、外交、安保ラインに対して不信感を抱いている米情報当局が韓国と情報
交流に躊躇しているという発言は、政権発足当時から取りざたされた。

そこまで遡るまでもなく、今月初め、国家安全保障会議(NSC)のイ・ジョンソク事務次長が米国を訪問した際、米政府担当部署が作戦計画5029が韓国メディアに流出したことに深刻な遺憾の意を表明したと、NSC関係者の口からも確認された。

米日両国が韓国を信頼できず、情報の共有に躊躇することが事実なら、同盟
関係の亀裂が目の前に迫ったという意味
だ。

政府が谷内事務次官の発言に対し、その真偽のほどを明らかにするのではなく、「どうしてそんなことを言ったか」と責めるのは問題を解決しようとする姿勢では
ない

韓米日の関係がここまできた根本的な理由は、この政権が設定した国政の方向にあるだけに、すぐに原因の治療はできないだろう。

とはいえ、北朝鮮の核問題が差し迫った時点で、韓国が核関連情報を依存するほかない国によって「韓国は信頼できない」、「韓国に情報を提供できない」と
いわれる状況に対しては、政府が緊急の処方箋でも設けなければならない

北朝鮮の核問題を解決するなら、否応無しに米日との協力は不可欠だ。そのためには、米日との協力体制が現在どういう状況に置かれているかをありのまま直視する
姿勢が必要だ。

韓米日の協力体制に重大な問題が生じたことは相手国も知っており、国民の
皆も知っていることなのに、この政権側の人たちだけが「問題なし、うまく管理している」と主張している。これで済まされる問題ではない

この政権のために働く人のなかにも、状況の深刻性を感じる人は確かにいるはずだ。
そうした人々は国が重大な局面に置かれた時点で一言の直言もできないとすれば、
いったい何のため、そのポストに就いているのかも聞きたい。
2005/05/25 社説 (太字は筆者)

いやはや、日本大嫌いの韓国のマスメディアが、保守系の新聞であるとはいえ、日韓の間に生じたトラブルに関して、ここまで自国政権を非難するのは異例である。
盧武鉉政権は日本政府を非難する前に、「事実を事実として認めよ」と迫られている
わけだ。記事の文面から読み取れるのは「本当に盧武鉉はアホだ」という、韓国メディアの嘆きである。
私は中国と違って、韓国は脅威であるとは思っていないし、そうなる力量もないと見ている(まあ、当たり前の話だが)。単に、日本に対するコンプレックスが強すぎるだけ
なのである。竹島問題も常識的な線で解決できる。
ただし、盧武鉉政権でなければという前提条件つきであるが・・・
韓国の鉄鋼産業も造船産業も自動車産業も、すべて日本政府と日本メーカーの協力によって、今の国際的地位を築き上げた。そのことに、韓国政府も韓国メーカーも感謝の気持ちを抱いていたのは間違いない。
北朝鮮と対峙するには、米国の後ろ楯と日本の協力が不可欠であると認識していた
はずである。
それが、金大中政権で「対北政策」が少しおかしくなり、盧武鉉政権で完全に狂って
しまった。
韓国民のみなさん!この大統領と政権を早く打倒しないと、取り返しのつかない事態を招いてしまいますよ。

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2005/05/25

あまりの非礼ぶりに我慢できず

中国は、いつ崩壊するのか?を書き終えて一息ついていたら、非常識国家・中国が、また無礼なことをやらかしてくれた。中国は・・・の記事を書きながら、遠くない将来に今の中国が崩壊することに確信を深めたので、もういいか、とも思ったが、あまりの非礼ぶりに我慢できず、記事を書く破目になった。

中国の呉儀副首相が23日、小泉純一郎首相との会談を急遽取りやめて帰国した問題で、また世論が沸騰しそうである。
政府・与党からは「自分の非を棚に上げて、相手が悪いというのは、極めて失礼だ」
(自民党幹部)という強い批判が出ている。当然のことである。
胡錦濤は盧武鉉に負けじと狂った、としか思えない。そう言わざるを得ないほど常識外の行動である。
こういう非常識政権には、原則論で対応する以外にない。変に妥協すると、どこまでもつけ上がる。
「靖国問題は内政干渉であること」
「今の中国の言動は日中友好の精神に反すること」
「今回の非礼に対する謝罪がなければ、今後の首脳会談は行わないこと」
を毅然とした態度で相手に伝えるべきである。

ある外交筋は、胡錦濤政権が愛国主義教育を求心力にしている点に不安を示しつつ「中国にとっても利益の大きい日本との実務関係への影響は限定的ではないか」とし、「政冷経熱」が続くと述べた。
これも当然の見方ではある。私が、中国の本音で書いたように、日中の経済関係が
冷却化して困るのは中国の方だからである。バブル崩壊の引き金にもなりかねない。
ただ、「政冷経熱」といっても、日本の企業は香港、台湾、韓国、そして米国に比べて、対中投資に慎重であると言われる。

中国には約1万6000の企業が日本から進出。「中国ラッシュ」に見えるが、中国の人は「日本企業は慎重すぎる」という。
(中略)
日本が慎重になるのは、中国リスクが無視できないからだ。バブル崩壊から、企業の
マネジメントまでさまざまな不確定要因がある。「法治より人治」といわれる中国では、危ない時こそ人脈がものをいう。統制経済は行政の裁量が働きやすい。助ける企業と見捨てる企業を当局が選別することもありうる。「反日」が潜在する中国で日本企業は有利な扱いを受けるだろうか。華人ネットワークがある台湾や香港、いざとなったら政府がバックアップする米国のような安全装置が日本企業にはない。
人民元切り上げ問題がはらむ中国リスク AERA(2005年5月16日号)

だから、日本企業から見て、全面的に「中国市場万歳」とはいかないのである。
したがって、経団連の奥田会長の以下の発言は、無定見のそしりをまぬがれない。

①奥田会長は「日中は信頼関係を強化し、重要なパートナーとして共に歩む関係を築く必要がある」としたほか、企業の対中投資では「トラブルはあろうが、乗り越えてこそ
双方の発展がある」と述べた。
②「小泉首相が中国に乗り込んで、あるいは、中国の方に来ていただいて長時間話をしてほしい。今日、中国の呉儀副首相と会ったが、副首相は日本企業の中国進出を
歓迎していた。政冷経冷にはならないだろうと思った」

この人物は、米国の自動車産業の不振に触れ、米国市場でのトヨタ車の(救済)値上げに言及した。世界一儲かる会社になって、どこかおかしくなったのではないか。
中国は崩壊する可能性が大なのだ。それも2008年の北京オリンピックまで持つかどうか定かではない、とまで言われているのだ。バカとしか言いようがない。
「財界総理」であれば、目先の利益に目を奪われて、バブルに踊らないよう注意を促すべきではないのか。

新幹線をODA付きで中国に提供する話もそうだ。これも、目先の利益しか考えない馬鹿げたやり方である。
ODA供与は、今月13日から14日まで北京で行われた外務次官級の日中総合政策
対話で、谷内正太郎次官が戴秉国次官に提案した、そうである。
外務官僚というのは、本当にどうしようもない、宦官みたいな役人である。いや、この
例えは宦官に失礼か。

JR東海会長の葛西敬之氏(当時社長)は、2003年7月に、国土交通省の意向に反し、中国の高速鉄道計画を「支援しない」と明言している。理由は、日本の誇る新幹線技術がコピー大国中国に流出することの危険性の方が、目先の利益よりも大きいからで
ある。
当時、中国へ新幹線商戦“迷走” JR東海社長「支援せぬ」発言が波紋 という
タイトルで読売新聞 [眼]に掲載されていた。
上記の記事を私は鮮明に覚えている。中国の高速鉄道計画への参入に積極的なJR
東日本会長の松田昌士氏と好対照だったからである。ある種のショックに近い感銘を
受けた。
思えば、この意見が、まっとうな人間の考えることである。

もう少しまともに考えてほしい。もう少しまともに中国を見てほしい。そんなに魅力がある国ですか?むしろリスクの塊といった方がよい国ではありませんか?バブル景気に
惑わされないでください。日本のバブルでも痛い目にあったではないですか!

引用記事:1中国副首相帰国に政府「極めて失礼」…懸案に影響
(読売新聞) 5月24日
引用記事:2中国副首相、突然の帰国 「靖国発言」が原因 報道官、対日強硬に転換
(産経新聞) 5月25日
引用記事:3研究開発拠点投資に期待 呉儀副首相、経団連と懇談
(共同通信) 5月23日
引用記事:4任期残り1年奥田経団連会長インタビュー 小泉構造改革一段と進めたい
(西日本新聞) 5月24日
引用記事:5中国新幹線にODA 政府、採用なら供与方針
(産経新聞) 5月22日

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2005/05/23

中国は、いつ崩壊するのか?

これまで「中国は間違いなく崩壊する」というタイトルで記事を2回書いた。これに対して、いつ崩壊すると思うか?崩壊したらどうなると思うか?というご質問があった。
もっともなご質問である。崩壊する、と断言しておいて、それがいつかに言及しないの
では欲求不満が残る。
したがって、今回は崩壊の時期について分析してみたい。
なお、崩壊後にどうなるか?については後日、予測可能な範囲で記事にしたい。

中国の先行きを占う上で、参考になる記事が二つある。
深嶋修氏の中国の成長神話を崩壊させる3つの危険要素と行天豊雄氏の中国経済と日本である。

深嶋氏は中国経済が崩壊する原因として次の4点をあげる。
①急速かつ特異な高齢化
②環境制約の顕著化
③資源制約の顕著化
④深刻化する財政悪化。

①ユネスコの高齢化社会基準は、「国または地域の60歳以上の人口が当該国または地域の総人口の10%あるいはそれ以上を占めていること、または65歳以上の人口が
総人口の7%あるいはそれ以上を占めていること」である。
中国第5次国勢調査の結果では、現在、全国の60歳以上の人口は既に1億3200万人に達し、総人口の10%を占めている。また、65歳以上の人口は8811万人に達し、総人口の約7%を占めている。
つまり、中国は既に高齢化社会に突入しているのだ。これは、一人っ子政策による人口増加率の大幅な下降と生活水準の向上による平均寿命の大幅な延びが原因である。
中国の1人当たりGDPは、やっと1000ドルを超えた程度にすぎない(日本とアメリカは
3万ドルを超える)。先進諸国は「豊かになってから高齢化した」のに対し、中国では
「豊かになる前に高齢化が始まっている」のである。

②無秩序かつ無規律な大規模開発を進めた結果、環境が急速に悪化している。都市人口の7割が大気汚染にさらされ、7大水系の7割が重度汚染、400以上の都市が水不足、砂漠化面積は年間3400平方キロに及ぶ。
この深刻な環境破壊は、農民の大規模な暴動を引き起こすほどである。

③急激な経済成長は、膨大な量のエネルギー、原料、水資源の消費をもたらしている。中国は既に、米国に次いで世界第2位の原油輸入国である。中国が、このまま成長を続ければ、深刻な世界的資源不足、食料不足をもたらすのは間違いない。

④財政赤字は、既に、国際安全ラインの対名目GDP比3%に達している。国有企業等の借金も含めると、名目GDPを超える規模の債務があると推測される。
しかし、非効率的で赤字の国有企業は、一方で何千万人もの者に雇用と福祉を
提供しており、地方経済の中核を担っているため容易に整理できない。その結果、それを支える国有銀行は多額の不良債権を抱える破目に陥っている。
四大国有銀行は、国内総銀行資産の60%を占めている。これらの銀行の不良債権
比率は、公式統計では19%(2004/03/31)だと言われているが、実際には、それよりはるかに高いと推測されている。

2004年3月末、中国の四大国有銀行の不良債権は融資総額の19%を占めていたが、同年9月末まで既に5.16%に下がったと中国政府は同年11月、発表した。下がるスピードが速く、しかも下がった理由について
何の説明もないため、この数字に信頼性はない。米国の権威ある評価機関スタンダード・アンド・ブアーズ(Standard & Poor’s)は中国の銀行の不良債権率は45%に達していると見ている。
中国最大の危機:金融危機【大紀元日本5月5日】から引用

行天氏は、以下の点を中国経済の弱点としてあげる。
①非効率的で赤字の国有企業と多額の不良債権をかかえる国有銀行
②社会的不平等の急速な拡大と社会システムのゆがみ
③共産主義イデオロギーの崩壊に伴う社会的規範の喪失と宗教的な社会倫理に無縁な社会
④汚職の横行と一部に見られる飽くなき貪欲
⑤資源制約の顕著化
⑥環境制約の顕著化
⑦社会的・政治的自由を求める動き

以上については、既に中国は間違いなく崩壊するの中で言及した。
①⑤⑥は深嶋氏と共通している。

私は両氏の指摘の中で、崩壊の時期を決定づけるのは財政の悪化と四大国有銀行の不良債権問題だと思う。
高齢化問題、資源問題、環境問題、汚職、社会的不平等、社会的・政治的自由への
欲求等はボディーブローのようなもので、劇的な変革要因になる可能性は高くない。
しかし、国有銀行の信用不安は、成り行き次第で一気に経済を崩壊させる。日本の
バブル崩壊を想起してほしい。経済が崩壊すれば、共産党独裁体制も一蓮托生で
ある。
革命は常に経済的困窮から起きる。一見、高まいな政治理念やイデオロギー、あるいは宗教的動機に基づくと見られる革命も、根本にあるのは経済的に困窮した民衆の
巨大なエネルギーの爆発である。
中国もバブルが崩壊し、今や1億人にのぼると云われる民工が路頭に迷う事態になれば、強固に見える強権支配体制も、またたく間に瓦解する。

中国のGDPは、この5年間で1.6倍になった。それを支えているのは、海外からの投資と投機マネーの流入である。この投機マネーがバブルを引き起こしている。
不動産価格の高騰は上海や広州など沿岸部にとどまらず、重慶、成都、西安などの
地方都市にも広がっている。赤字の国有企業までが子会社を通じて投機に走っているという。
巨額の不良債権を抱える国有銀行は、中国という国の信用によって支えられており、
実態は破綻状態とまで言われている。国の財政がさらに悪化し、今のように銀行を支えきれなくなったとき、銀行は自ら不良債権を処理しなければならない。
四大国有銀行は、そういう事態に備えて公的資金の注入を受け、財務体質を改善して海外での上場を目指しているという。しかし、それが実現する可能性は低いといわれる。
追い詰められた銀行が、不良債権の整理に乗り出さざるを得なくなったとき、そこで起こるのはバブルの崩壊であり、「貸し渋り」と「貸し剥がし」である。その結果、企業倒産→銀行破綻→経済失速→失業の増大という負の連鎖が始まる。

野村資本市場研究所シニアフェロー・関志雄氏がバブル崩壊後の中国経済の姿の中で次のように書いている。

中国では、投資と経済成長がお互いに促進しあう好循環の下で、不動産価格が高騰
するなどバブルの様相を呈している。しかし、最近の当局による引き締め政策をきっかけに、逆に投資と資産価格が低下し、景気が減速するという悪循環に変わることが
予想される。
バブルが崩壊すれば、中国は90年代の日本のように、企業部門は雇用調整、設備調整、バランスシート調整を迫られることになろう。

日本では多くの大企業が実質上終身雇用制を採っており、そのおかげで雇用調整には長い時間がかかったが、不況が深まっても大量の失業者が発生しなかった。
これに対して、中国では市場における流動性が高く、景気後退に伴って失業率が大幅に上昇することになる。
現在、主に農村部から都市部へ、また内陸部から沿海地域へ流れている出稼ぎ者は1億人にも上る。彼らの故郷への送金は経済発展から取り残されている地域の
重要な所得源になっているだけに、当局にとって、雇用の維持は単に経済問題に留まらず、社会全体の安定がかかった重要な課題である。
(中略)
借り手である企業の業績が悪化する中で、銀行が抱える不良債権はいっそう増え、
貸し渋りが深刻化するだろう。鉄鋼やセメント、アルミといった「過熱部門」における投資の四割は銀行融資に頼っている。
来るべき調整局面において、企業の倒産を含めた、大規模な産業再編が予想され、
銀行もそのツケの一部を負担せざるを得ないだろう。
中国の銀行が抱える不良債権はすでに世界最悪の水準に達しており、バブルの
崩壊に伴って、いっそうの悪化が避けられない。
日本と同じような金融危機を防ぐべく、政府としても不良債権を処理するために、銀行部門へ公的資金を注入せざるを得ないだろう。
しかし、国有銀行とその最大の融資先である国有企業にコーポレートガバナンスが欠如したままでは、公的資金の導入は不良債権を一時的に減らすことができても、その新規発生を止めることができないため、問題の根本的解決にはつながらない。
また、四大国有銀行が、近い将来海外の株式市場で上場する計画を立てているが、
不良債権問題が深刻化する時期と重なることになれば、その実現は難しくなるだろう。
(中略)
雇用・設備・債務という「三つの過剰」を解決するために、日本は10年以上の歳月を
費やしてしまった。そして、中国がこの日本型危機を回避するために許された時間は
もはや多くないのである。(太字は筆者)

この記事が書かれたのは2004年6月22日である。そして現在はどうかというと、関氏が予測したような「バブルの崩壊」には至っていない。
これは、
「過熱経済を心配する当局は金融引き締めに躍起だが、効果が出ないのは、当局の
目をかいくぐって流れ込む資金があるからだ。統計で説明がつかないこの種の資金は
年100億ドルを超える。密貿易や、海外の子会社との経理操作で投機資金を動かす
ことはたやすい」
からである。
人民元切り上げ問題がはらむ中国リスク AERA(2005年5月16日号)
だからといって、関氏の分析が誤っているわけではない。バブルは必ず崩壊するし、
崩壊すれば関氏が指摘するような姿になる。
以下の記事が、それをさらに裏付ける。

4月下旬、新華社は次のように報道した:“国務院は、150億ドルの外貨準備を中国
工商銀行に注入して改革を行うことを決定した。”
いわゆる改革とは、不良債権を処分して自己資本比率を引き上げ、もって上場の資格を獲得し、上場を通じて新たな資金を囲い込んで経営を支えることである。
これ以前の2003年末、中国銀行と中国建設銀行は、それぞれ225億ドルの資本注入を受け、資産・負債を処分して積極的に上場の準備を進めている。

中国の四大国有銀行は、それぞれ役割が異なっている。このうち工商銀行は、国有企業への融資を担当しており、不良債権が最も多い。2002年末時点における不良債権の残高は7920億元近くあり、四大国有銀行の全体の不良債権の45%を占めており、
100元の融資のうち30元近くが“不良”となっている。
中国銀行と建設銀行には225億ドルが必要とされたことから、この150億ドルは第一回目の注入にすぎないと言ってよい。
スタンダード&プアーズの金融サービス評価担当部長・曽怡景の推計によると、中央
政府は、工商銀行に対する今回の150億ドルの資本注入のほか、工商銀行及び農業銀行の資本調整に少なくとも1100億ドルが必要となる。
また、貸倒引当金や自己資本比率を保守的に計算した場合、必要な資本注入額は1900億ドルとなる。

スタンダード&プアーズが2004年の7月に推計したところによると、こうした銀行の困難を除去しようとする場合、6500億ドルもの資金が必要となるが、これは中国のGDPの約4割を占める
中国の外貨準備は6000億ドル余りで、国内債務以外に2000億ドル余りの外債を抱える中で、政府が銀行を救うための資金はどこにあるというのだろうか?
(中略)
いわゆる切離しとは、不良債権を割引いて4つの資産管理会社に売却することである。資産管理会社はゆっくりとこうした債権の回収にあたり、一部は回収できるが、恐らく
大部分は回収できない。
また、一部は外国の投資銀行に売却される。これら資産管理会社もまた国有企業で
あって内情は複雑であり、損失や破産が起これば、国家がその全てを引き受けることになる。

1998年、政府は30年ものの長期国債を発行して四大国有銀行に2700億元の資本
注入を行った。このプランが策定された当時は、97年時点でのリスク資産の規模に基づいて自己資本比率を8%とすることが目標とされていた。
2002年11月までに、四大資産管理会社もまた銀行の不良債権1600億ドルを処分した。しかし、昨年末になって再び資本注入による“改革”が実施されたことは、いくら
資金を追加投入しても何の役にも立たず、古い不良債権を処分すれば今度は新たな
不良債権が発生し、そのブラックホールが底なしの穴となっていることを証明して
いる。
(後略)
中国国有銀行のブラックホールはどれだけ深いのか?
【大紀元日本5月16日】(太字は筆者)

上記の記事を読むと、わが国におけるバブル崩壊後の銀行の不良債権処理と、その
ために行われた公的資金の注入が想起される。
あの時も、米国の格付け機関は、銀行の抱える不良債権は40~50兆円と予測して
いた。それに対し銀行自身は、不良債権を2~3兆円と言っていた。それが、いつの間にか25兆円に膨れ上がり、最終的には、いくらあるのか分からなくなった。
そして多額の公的資金が注入され、多くの銀行が破綻した。
おそらく中国の四大国有銀行が抱える不良債権の実額も、スタンダード&プアーズの推計が正しいと思われる。
なお、「資産管理会社」とは日本の「整理回収機構」のようなものであろう。そのうち
「産業再生機構」と似たような組織も作られるかもしれない。
ここで注意してほしい点がある。中国のバブルはまだ崩壊していない、というより、まだバブル真っ盛りなのである。バブル真っ盛りなのに、日本のバブル崩壊後と同じような対応を政府が銀行に対して取らざるを得ない。
これが、繁栄を謳歌しているように見える中国経済の現実の姿なのである。

中国政府の銀行改革の目的は、「不良債権を処分して自己資本比率を引き上げ、
もって上場の資格を獲得し、上場を通じて新たな資金を囲い込んで経営を支える」ことである。
これが成功すればよい。が、失敗すれば、それがバブル崩壊の引き金になる。
今の状況でバブルが崩壊したらどうなるのであろう。日本の銀行は、バブルが崩壊する前は、不良債権など無きに等しい状況だった。その日本でさえ、建て直しに10年以上かかった。バブルが崩壊する前から公的資金の注入や不良債権の売却が必要な中国がどうなるのか、予測するのも怖いくらいである。
前出の人民元切り上げ問題がはらむ中国リスクは以下のように書いている。

13億人の中国が混乱すれば世界が揺さぶられる。最大の問題は失業だろう。高成長の現在でさえ3億5000万人の「不完全就労」がある、と推計される。高成長が挫折
すれば、億単位での失業の増加
も予想される。職を失った人が周辺のアジア諸国に流出し、人口流動に拍車がかかる。
08年の北京五輪、10年の上海万博までは成長は持続する、と見られているが希望的観測の域をでない。桁外れに大きな隣国の混乱は他人事では済まない。
(編集委員 山田厚史)(太字は筆者)

既に、国有銀行を海外の株式市場で上場する計画の第一弾は挫折した。前出の中国国有銀行のブラックホールはどれだけ深いのか?から引用する。

工商銀行の一歩先を行く建設銀行は、2004年末に資本注入を受けた後に改革の気勢を上げている。
建設銀行会長の張恩照は、昨年の2月に開かれた2004年工作会議において、建設銀行を3年以内に国内トップの利益、効率を実現できる株式制銀行とし、10年以内に中国銀行業の中で最高の株式市場価値を実現できる株式制商業銀行にするとともに、アジア市場のトップに立つことを謳った。
また、建設銀行は、中国国際金融(中金)を上場のための財務顧問に任命した。中金は、主として建設銀行とモルガンスタンレーとの合資で成立したもので、もともと建設銀行を2005年に米国に上場して60億ドルを調達する予定であったが、モルガンスタンレーが参画しても米国では上場できなかった。
現在は、監督が緩やかなロンドンに転じたところであるが、これが成功するかどうかはまだ分からない。

米国でできなかった上場がロンドンでできるのか?
関志雄氏も「四大国有銀行が、近い将来海外の株式市場で上場する計画を立てているが、不良債権問題が深刻化する時期と重なることになれば、その実現は難しくなるだろう」と述べている。
私もおそらく無理だと思う。そして、そのときが、中国経済と中国共産党の終わりの始まりである。

参考記事:1中国の成長神話を崩壊させる3つの危険要素
参考記事:2中国経済と日本
参考記事:3中国最大の危機:金融危機【大紀元日本5月5日】
参考記事:4バブル崩壊後の中国経済の姿
参考記事:5人民元切り上げ問題がはらむ中国リスク AERA(2005年5月16日号)
参考記事:6中国国有銀行のブラックホールはどれだけ深いのか?
【大紀元日本5月16日】
参考記事:7中国総合データ(中国情報局)

関連記事1:中国は崩壊後どうなる?
関連記事2:中共:崩壊する統治能力
関連記事3:中国崩壊への胎動
関連記事4:中国に奇跡は起こるのか?
関連記事5:中国は間違いなく崩壊する part3
関連記事6:石油をガブ飲みする中国の末路
関連記事7:中国崩壊の序章-part2
関連記事8:中国崩壊の序章
関連記事9:中国は間違いなく崩壊する part2
関連記事10:むき出しの欲望帝国
関連記事11:中国の本音
関連記事12:ついに民工が「反日」で動き出した
関連記事13:中国は間違いなく崩壊する
関連記事14:中国は何処に

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2005/05/20

中国は間違いなく崩壊する part2

発電所建設で土地奪われた農民の悲劇、中国誌がルポ

【北京=佐伯聡士】
中国のルポルタージュ文学の月刊誌「報告文学」は、水力発電所建設のために、開発業者と結託した地元当局に耕地を奪われた農民の悲惨な実態を告発するルポ「土地を失った人々」を掲載した。
主人公は全国4000万人以上とされる「失地農民」の一部に過ぎないが、彼らを襲った事件は“土地戦争”の深刻さを物語っている。

2003年4月22日朝8時。福建省に近い浙江省の山村、慶元県印漿村に、県の国土局や水利局などの役人、派出所警官ら約20人がやってきて突然耕地の測量を始めた。
驚いて「うちの土地で何をしているの」と詰め寄る村女性に、役人は「おまえの土地だと?おまえも土地も国のものだ。水力発電所を造るので、収用されたんだよ」と笑う。
上級の行政当局である左渓鎮の鎮長が「公務を妨害するならおまえを捕まえてやる」とののしるや否や、4、5人の警官が取り囲み、いきなり女性に手錠をかけた。
その後、村民約200人と役人らとの間で激しい衝突が発生。包囲された幹部を救出するため、同日午後には、警官90人以上を含む大規模な応援部隊が投入された。
それでも収拾がつかず、負傷者を病院に運ぶことで「暫時休戦」となった。
翌23日夜明け。大型バス2台、車両20台以上からなる前日を上回る大部隊が印漿村に突入。村民の大多数が山の奥深くに逃走したが、4人が拘束され、派出所で暴行を
受けた。
村民100人以上の息を殺した潜伏生活は、村民代表が、開発業者と耕地収用協定に署名し、警官が包囲を解くまで28日間も続いた。拘束された村民を釈放してもらう条件として、渋々協定に署名した村民もいた。
しかし、戦いは続く。村民らは、北京の関係当局、慶元県の上級機関・麗水市当局、
浙江省当局に対して直訴を繰り返す。環境悪化に対する賠償金や合理的な耕地収用の補償金を求めるが、当局者が先回りし、訴えは相手にしてもらえない。

ルポは最後に、「共産党と政府は国民のためにあり、民衆の利益は小事ではない。
土地を失った人々がどう生きて行くのか、注意して見守りたい」と結んでいる。
2005/02/08 読売新聞

上記の記事は、当時、かなり話題になり、いろんなブログや2チャンネルでも採り上げられた。
この記事を読むと、者と農民の党・中国共産党が支配する国で、いかに農民が
ないがしろにされているか、いかに権力が腐敗、堕落しているかが解る。まさに不条理の極みである。
「共産党と政府は国民のためにあり、民衆の利益は小事ではない」とルポの筆者は
書いているが、実態は「共産党と政府は腐敗官僚と貪欲な業者のためにあり、民衆の利益は小事」なのである。
他国の出来事とはいえ、私は、体の奥底からこみ上げてくる怒りを押しとどめることが
できない。
もちろん、これは氷山の一角に過ぎない。同様の事件が頻発している。

中国で広がる農民騒乱 半年で87件、数百人負傷 発電所や高速道…強制立ち退き

【上海=塚本和人】
中国の農村部で、行政による土地開発をめぐり、農民と地元当局との間で大規模な
衝突事件が起きるケースが相次いでいる。
警官隊の発砲などで多数の死傷者も出ており、衝突は今年1月からの半年間だけで
全国で計87件にのぼるという。
経済発展を続ける沿海部の都市部との間に広がる経済格差に対する農民の不満が
背景にあり、中央政府も社会の不安定化につながるとみて警戒を強めている。
四川省漢源県で10月末、水力発電所建設のため農地や自宅を強制的に立ち退かされた農民が数万人規模でデモをした。
ただ同然だった補償額の上増しを地元政府に要求したものだったが、武装警察と衝突し、農民の男性1人が死亡した。
群衆は衝突後、農民の遺体を掲げ、「汚職役人を打倒せよ」などと叫んで地元政府庁舎付近をデモ行進。
学校や商店は一時閉鎖され、騒ぎは数日間続いた。香港紙によると、今月3日にも
衝突が再発。公安関係者2人が死亡し、農民を説得しようとした同省党幹部が取り囲まれたという。
陝西省楡林市では10月初め、経済開発区建設のため農地を立ち退かせようとする
地元政府が警官隊を派遣し、座り込んでいた農民と衝突した。
関係者によると、数十人の農民が死傷。農民側は約1万8千人を代表する緊急陳情書を胡錦涛(フーチンタオ)国家主席に送った。
福建省福安市でも今月4日、高速道路建設に伴う立ち退きをめぐり約千人の農民が
市庁舎付近でデモ行進。警官隊と衝突し、17人が拘束された。
農業問題を扱う政府系研究機関は昨夏から約1年間、全国の農地をめぐるトラブルを
調べた。
その調査結果によると、今年1月から6月末まで、全国で130件の抗議行動などの事件が起きた。
うち87件は、農地立ち退きをめぐるトラブルが原因で衝突に発展したケースだった。
沿海部の周辺に集中し、多い順に浙江・遼寧(各7件)、江蘇・河北(各6件)、山東・
広東・甘粛(各5件)の各省が並ぶ。
87件の衝突で農民3人が死亡、数百人が負傷し、160人余りが拘束されたという。
調査資料は「農地の強制立ち退き問題は、農村の安定と発展のために最優先の解決が必要だ」としている。
中国では全人口13億人の7割を農民が占める。
ここ数年、地方政府が耕地を囲い込んで開発区計画を乱立。
農民に安い補償金しか払わず、法的手続きを経ずに開発業者に土地を売り渡すケースも増えている。「失地農民」は全国で4千万人以上にのぼり、毎年200万人以上のペースで増えるとみられる。
温家宝(ウェンチアパオ)首相は10月末、国務院(内閣)の全国会議で「農地を保護し、法に基づいて土地を管理し、農民の利益を保障しなければならない」と強調した。
しかし、中央政府の方針が地方政府にまで浸透しにくいのが実情だ。
2004/11/07 朝日新聞

私が、中国は間違いなく崩壊するの中で指摘したように、

この現実を、胡錦濤・温家宝体制が極めて深刻に受け止めているのは間違いない。
しかし、共産党指導部がいかに「弱者救済」「腐敗根絶」を叫んでも、
状況は遅々として改善されないのが実情である。かつての希望の星・
趙紫陽(天安門事件当時の総書記「民主化勢力に同情的である」として
解任された)も、自らの死を前にして「この国の漸進的改革は絶望的」と
悲嘆したと言われる。

のが現実なのである。

さらに深刻なのは、腐敗が司法関係にまで及んでいることである。

中国、陪審員制度を来年5月導入へ・裁判官の腐敗阻止

【北京20日共同】
20日付の中国紙、新京報によると、中国の最高人民法院(最高裁)と司法省は陪審員制度を来年5月1日から一部の裁判に導入することを明らかにした。
中国では官僚とともに裁判官の腐敗も深刻化しており、民衆の司法への信頼を取り
戻す狙いがあるとみられる。

8月の全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会で決議された「決定」によると
(1)社会的影響が大きい刑事、民事、行政の裁判(2)刑事被告人や民事の原告、被告が申請した場合―に陪審員が裁判に参加する。
新京報によると、陪審員になれるのは短大以上の学歴を有し一定の法律知識がある
人で、任期は5年。1―2月に各地方の裁判所が候補者を選出し、3―4月に専門的な
訓練を受けさせる。全体の人数の規模は示していない。
最高人民法院の曹建明副院長は、全国の裁判所に対し、候補者を選ぶ際に政治思想とともに「道徳心や品性」なども確認条件に挙げ、特に「正義感」の有無を厳重にチェックするよう指示した。
法院が3月の全人代で行った報告によると、2003年に違法行為や規律違反を犯した
裁判官は794人、うち52人は刑事責任を追及された。多くは収賄など腐敗に絡んでいたという。
2004/12/20 日経新聞

これでは、国民は、いったい何を信じればよいのであろう。

それだけではない。
民工の暴動も頻発している。
広東省で出稼ぎ者ら約5万人が暴動・香港紙
2004/12/26 日経新聞

偽造や密輸も横行している。
中国にプレステ偽造団、日産5万台規模・英紙報道
2004/12/22 日経新聞
中国、6年で2兆6000億円分の密輸品押収
2004/10/26 日経新聞
中国の携帯電話の密輸1000万台に・中国紙報道
2004/12/23 日経新聞

事故死者は続発している。
中国の事故死者、11月までで12万人超す
2004/12/14 日経新聞

環境汚染は深刻で、成長神話は崩壊寸前である。
中国の環境汚染、依然として深刻:環境保護総局長が言明
中国通信社
中国の成長神話を崩壊させる3つの危険要素
深嶋 修さんの(気になるニュース論説)
中国で3万人暴動 公害に抗議、2人死亡
2005/04/12 産経新聞

都市人口の7割が大気汚染にさらされ、7大水系の7割が重度汚染、400以上の都市が水不足、砂漠化面積が年間3400平方キロ。まさに環境制約が、今の中国の命綱で
ある経済成長の桎梏になりつつある。

そして信じられないことだが、むき出しの欲望帝国で指摘したように、誘拐や人身売買が日常茶飯事に行われているのだ。
中国 誘拐、人身売買8300件 昨年 経済発展の陰に病理
2005/02/18 西日本新聞

その一方において、「幹部の子供は幹部」という身分差別も顕著になっている。

(前略)
「太子党」とは、共産党幹部を親族に持つ子女のことを指す。89年の天安門事件以降、党の安定を第一に考えて、「根は赤く苗は正しい」とされる「太子党」の幹部登用が増えたという。香港メディアによると、中国の政財界中枢には、現在、数万人の「太子党」がいるとの推測もある。
幹部の子は幹部。権力者の特権が血縁者にも及び、半ば固定化された“身分”が存在する中国では、個人の機会均等など幻想に過ぎない。この現実に対する民衆の不満が解消されない限り、「調和社会」は絵空事に終わる。党中央は、幹部登用を巡る不正をなくすよう指示し続けている。
だが、香港の時事評論家・李国成氏はこう分析する。「最近は太子党の『小型化』や『分散化』が進んでいる。経済成長で地方幹部の権力も増し、それぞれの子女が『ミニ太子党』となり、増殖を続けている。
(後略)
中国の模索 「太子党」 増殖を続ける新たな“特権階級”
2005/05/20 読売新聞

上記の記事は、かなり長いので、要点以外は割愛した。が、全文を読んでみる価値はある。ネットを検索しても出てこないので、本紙から引用した。

以上から云えるのは、大躍進で3000万人を餓死させ、文革で600万人を殺した中国は、まったく反省していないどころか、益々ひどくなっているということである。
はっきり云って、今の中国は、あの北朝鮮と同じか、それよりもひどい。
国家も個人も反省があって初めて進歩する。日本は「戦前」を反省し、「平和国家」に
なった。その日本を「反省が足りない」と非難する中国の現実がこれである。
中国では、鄧小平の「改革開放」が、一見、成功したように見える。しかし外見上の
経済成長の陰で、信じがたい国家の腐敗・堕落が進行しているのである。
この堕落の原因は、国家が拠って立つべき基本である共産主義イデオロギーが崩壊したにもかかわらず、それに取って代わる価値観を見出せていない、ということに尽きる。
まるで近代国家としての基本ができていないのだ。
「法治」ではなく「人治」がまかりとおる。封建社会に資本主義を接ぎ木して、その矛盾を共産党の強権支配で押さえ込む。こんな体制が長続きするはずがない。
中国は間違いなく崩壊する。断言する。

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2005/05/18

ビザの免除で韓国人の犯罪者は増えるのか?

政府が、韓国人観光客の査証(ビザ)免除を恒久化する措置をとったことに対する批判が強い。
以下は産経新聞 の記事である。

韓国人観光ビザ、免除恒久化へ 関係修復狙い/治安対策カギ

政府は14日、愛知万博開催期間限定で実施している韓国人観光客の査証(ビザ)免除措置を万博終了後も継続、恒久化する方針を固めた。
(中略)
観光振興に加え、韓国が強く求める観光ビザの恒久免除を実現し、領土問題や歴史
認識などで冷え込む両国関係の修復を図る狙いもある。今後、韓国人スリ組織の入国阻止など治安をどう確保するかが課題となる。
(中略)
今月、日韓両国の職員が相手国の空港で入国審査を行う「プレクリアランス(事前審査)」に日韓が合意したことも恒久免除の後押しをした。
これは、政府が不法滞在目的の入国を防ぐため、韓国に求めていたもの。法務省入国管理局によると、今年1月現在、韓国人の不法滞在者は約4万3000人で国別では最も多い。約3万9000人は短期滞在ビザで入国後、行方不明になっている。韓国人不法滞在者は審査態勢が手薄な地方空港からの入国が多いとされ、出国時点の審査が有効とみていた。
(中略)
ただ、法務省は「プレクリアランスは、ビザの有無にかかわらず行う。恒久免除とは関連がない」(幹部)と主張。治安対策や不法滞在者の摘発の強化を訴えている。
【産経新聞 2005/05/15 東京朝刊】

批判は、産経の記事でも指摘しているように、韓国の犯罪者が容易に入国できるようになり、治安がさらに悪化するのではないか、という不安に基づいている。
ただ、同じ記事中で、プレクリアランスを実施することでも合意したことを見落としては
ならない。
プレクリアランス(事前確認)とは、
「外国の空港に入国審査官を派遣して現地で事前チェックを行い、上陸拒否事由に
該当する外国人については日本への渡航を事前に取りやめさせ,また本邦において
行う活動が虚偽のものでないことについて現地の空港で確認することにより、入国する空港又は海港での審査の簡素化を図り、待ち時間の短縮及び不法滞在者の発生を
抑制するもの」
である。
また政府は、セカンダリ審査も導入する予定である。
セカンダリ審査(2次的審査)とは、
「上陸審査ブースでは明らかに上陸条件に適合する外国人のみ上陸許可し、入国目的等に疑義がある外国人等は別途の場所におけるセカンダリ審査(2次的審査)へまわし、上陸条件の適合性について改めて慎重な審査を実施して、上陸審査の円滑・迅速化と厳格化を同時に達成するもの」
である。
第3次出入国管理基本計画
韓国がプレクリアランスを受け入れたこと、プレクリアランスはビザの有無に関係なく
行うことを勘案すれば、ビザを免除しても、韓国人の不法滞在者が増えるとは一概に
言えないのではないか。さらに、セカンダリ審査(2次的審査)を徹底すれば、犯罪者
及びその予備軍の入国は今よりも難しくなると思う。
したがって、韓国人観光客のビザ免除を恒久化するからといって、条件反射的に政府を非難するのは当たらない。
それよりも私は、増加の一途をたどる中国人の犯罪に、改めて注意を喚起したい。
韓国人の不法残留者は43,151人(2005/01/01)で全体の20.8%を占め、確かに第1位である。それに対し、中国人の不法残留者は32,683人で第2位である。しかし、犯罪者の数になると様相は一変する。
平成15年の国別犯罪者の数を見ると、中国人が8,996人でダントツの1位である。この中で、殺人、強盗、強姦の凶悪犯は247人で来日外国人全体の半分以上を占める。
一方の韓国人の犯罪者は1,793人で、凶悪犯は28人である。
これは検挙された者の数であるから、実数はこの数倍にのぼると思われる。
誤解してほしくないのは、ここで韓国人の不法滞在者を擁護しているわけではけっしてないということである。韓国人の凶暴・凶悪なスリ団のニュースは記憶に新しい。彼らのような犯罪者を許してはならないのは当然である。
ただ、4~5年前と比べて、中国人の犯罪がもの珍しくなくなったせいか、彼らを糾弾するニュースや記事が少なくなったような気がしてならないのだ。やはり日本の治安
を乱し、国民生活の安寧を脅かす彼らの存在を追及し、摘発する官民を挙げた努力が
欠かせない。

(参考記事)警察白書・資料

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2005/05/16

桧山V弾…阪神4連勝で竜に1差

hiyamaスタンドを見渡すと、メガホンが揺れていた。幸せの黄色いメガホンが、桧山だけのために揺れていた。
「ありがとう!!ただいま!!」。端的な言葉の中に込めた感謝の思い。何度も何度もスタンドに手を振りながら、チームメートの待つ
ロッカールームへと向かった。
2点ビハインドの六回。今岡の2点適時打で同点とし、なおも一死一塁。いつもの大声援を背に、桧山が打席に入る。
「押せ押せだったからね。初球からどんどん行こうと思ってました」。地鳴りのような歓声がスパイクの刃先に響く。177センチ、79キロの体いっぱいに、アドレナリンが充満した。
岩隈の初球は、真ん中低めへの121キロスライダー。完ぺきにはじき返した打球は、
バックスクリーン右に深々と突き刺さった。復活を告げるこの一撃は、値千金の勝ち越し2ラン。3タテが求められた3連戦最大の難敵・岩隈への、事実上のKOパンチとなった。
DailySportsonline 2005/05/16から引用)

40年以上トラを応援し続けているのだから、トラ戦士は全員が好きだ。が、そのときどきに、特に好きな選手がいる。古くは村山、遠井吾郎、そして田淵、掛布、真弓。今は
今岡と桧山が特に好きだ。
桧山と今岡は、東洋大の先輩後輩に当たる。今岡が期待の即戦力として入団した
とき、面倒を見たのが桧山だった。今岡は、桧山の野球に対する真摯な姿勢と、日々
怠らない努力を見て、プロとしての自覚に目覚めたのだった。
それにしても今年の桧山は恵まれていない。スペンサーの加入もあって、控えに回る
ことも多い。昨年は130試合に出場し、打率3割6厘、84打点の実績を残したにもかかわらずだ。
まあ、岡田監督のチーム構想もあるだろうから、一概には批判できない。しかし、桧山は代打には向いていない。試合の中で調子を上げてくる打者だからだ。今後は先発
として起用してくれることを祈る。
今岡も、野村監督のころバカ扱いされて干された時期があった。監督が天才の能力を見極められなかっただけなのだが。しかし、今岡は星野監督の下で才能を開花させた。
桧山も、その真摯な姿勢とひたむきな努力が報われるときがきっとくる。ガンバレ桧山。

藤川2日で6者連続三振

fujikawa快音は、一度たりとも響かせない。藤川が、またも痛快なショーを
見せてくれた。マンモスから驚きの声が上がる、連日の3者連続
三振。さらに、自己最速となる153キロまで記録するなど、ファンの
心をつかんで離さない。気迫あふれるセットアッパーの前には、
バットの空を切る音だけが聞こえていた。
(中略)
炎の3連投で、対楽天3タテに、大きく貢献した。一気に逆転した直後の七回だ。まずは大島を151キロ直球で仕留めると、続く斉藤に投じた初球で、153キロを計時。どよめくスタンド。このざわめきが心地良い。そのまま波に乗り、二死から迎えた飯田への決め球も、151キロ直球。すべて空振り三振という、圧巻のピッチングだった。
DailySportsonline 2005/05/16から引用)

今年の阪神を支えているのは、投手では藤川に尽きる(先発では下柳)。20試合で23回 1/3を投げて、奪三振35、自責点3 、防御率1.16 (2005/05/15現在)という完璧な内容である。
1イニングあたり三振1.52個。ストッパーに求められる資質は、①冷静であること②150キロ以上の速球を投げられること③決め球の変化球を持っていること④なにより、ここというときに三振を取れること、といわれる。藤川は、これらのすべてを満たしている。
そういう意味では、久保田より藤川の方がクローザーに向いているのかもしれない。
久保田もスケールの大きい投手だから、首脳陣の期待が大きいのかもしれないが・・・
ただ、藤川が務めているセットアッパーも試合を作るうえで極めて重要である。だから
今のままでもよいのかもしれない。某金満球団のように、セットアッパーが試合をブチ
壊したのでは元も子もないからね。
それにしても「球児」という名前がいい。まさに野球の申し子かもしれない。
酷使しすぎて壊さないよう岡田監督にお願いする。

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2005/05/14

むき出しの欲望帝国

「えい児118人売買 中国南部:調達 移送 売却 ネットワーク化」
中国南部の広西チワン族自治区王林市でこのほど、過去2年間にえい児118人(うち
女児117人)の人身売買に関与したとして摘発された52被告に対する公判が始まった。
中国紙「北京青年報」などによると、11人は産婦人科医や看護師らで、医療関係者の結託ぶりも明らかになった。
52被告はそれぞれ、子供の調達、移送、売却を受け持つ個別の小グループに関係しており、全体で大がかりな人身売買ネットワークを形成していた。子供たちの売却先は、広西チワン族自治区のほか、河南、安徽、湖北各省などにも及んでいた。
調達グループは、王林市の医療関係者や民間の助産師などを通じ、生まれた女児の養育を望まない親から、最低約50元(1元=約15円とすると750円)で子供を買い取り、平均約1200元(18000円)で移送グループに売り渡していた。仲介の医師らは、1回
約100元から200元(1500円から3000円)の謝礼を受け取っていた。
移送グループは子供が泣いて不審がられないよう睡眠薬を飲ませ、複数を旅行カバンなどに詰め込むなどして、別の地域に運んでいた。各地の売人は、子どもの健康状態によって値段をつけ、1人2000元から3000元前後(30000円から45000円)で売っていたという。
(読売新聞朝刊2003年11月5日記事を修正して引用)子どもの人権を守る市民の会

3年間で2万件の人身売買摘発=女性・子供4万人解放-中国
【北京2日時事】
新華社電によると、中国公安当局は2001~03年までの3年間に、女性や子供を誘拐し、売り飛ばす人身売買事件2万360件を摘発し、女性と子供4万2215人が解放されたことが分かった。羅鋒公安次官が2日、明らかにした。
中国雲南省では昨年11月、150人以上の女性と27人の子供を誘拐した上で売り飛ばした最大級の人身売買事件が発覚した。公安当局による摘発した事件は氷山の一角で、実際にはそれ以上の人身売買が行われているとみられる。(時事通信)
という記事が昨日掲載されていました。
私が上海行ったとき、上海市役所の前で子供が10人ほど上半身裸でお皿をもって並んで立っていました。物乞いの少年少女です。
聞くところによると、地方で誘拐されて元締めの男に物乞いやらされているらしい。少年少女は全員舌を切られているため話すことができないそうです。話すと出身地が解る為らしいのですが・・・・・・日本の時代劇にでも出てきそうなことが本当にあるのか?と思いましたが、確かめるすべもそのときはありませんでした。しかし昨日の記事により確信いたしました。
芝田巌流さんのBlogより(太字は筆者)

広東:児童誘拐5件摘発で保護児童は100人超
広東(カントン)省警察当局は15日、同省・東莞(とうがん)市で5件の児童誘拐事件を摘発したと発表した。無事保護された児童は100人以上。中国新聞社が伝えた。
中国の国境地帯では、こうした児童誘拐事件や売春など人身売買問題が深刻化。
公安当局も厳重な取り締まりを実施しているが、根本的な解決には至っていない。
2004/07/16(中国情報局)
東莞(とうがん)市の人口の8割は「民工」とその家族といわれる。(筆者)

中国 誘拐、人身売買8300件 昨年 経済発展の陰に病理
【北京17日井上裕之】
中国で農村部を中心に女性や子供の人身売買事件が続く一方、都市部では富裕層を狙う身代金目的の誘拐事件が相次いでいる。両被害は昨年だけで少なくとも八千三百件と深刻。背景には、貧富の格差など国内矛盾が深く横たわり、経済発展の陰で広がる社会病理の様相を呈している。
新華社電が伝えたデータによると、公安当局が昨年摘発した売買目的などの誘拐事件は四千四百四十九件。女性五千四百六十一人、子供三千四百八十八人が保護された。
農村部の結婚・難などを背景に、人身売買は以前から多発しているが、最近は
誘拐後に売春や強盗などを強要したり海外に売り飛ばすなどの事例も多発。都市部
への出稼ぎ夫婦の子供が狙われる例も増えている。
一方、身代金目的の誘拐は沿岸部を中心に昨年三千八百六十八件発生。うち、摘発は二千九百件で四分の一は未解決。企業家や芸能人、富裕層の子供が標的にされ、身代金を渡しても殺害されるなど、手口は凶悪化しているという。
これら事件には専門の犯罪組織、売買ネットワークが介在。公安当局は女性・子供の人権侵害事例として、摘発を重要課題に位置づけている。ただ、農村と都市の生活格差はなお大きく、国家発展の不均衡を背景に、貧困、富裕の両層が標的とされる犯罪被害の根絶は容易ではない情勢だ。
2005/02/18(西日本新聞)

以上の記事を読まれて、どう思いますか?世界に冠たる「大中華帝国」の実態がこれですよ。被害者は、貧しい農民や都市部の出稼ぎ者・民工の子弟たちです。
記事にもあるように、これは「氷山の一角」ですから、実際の被害者は数十万人、いや数百万人単位に上ることでしょう。

娘通信♪さんのBlogによると、
売れ残った幼児は手足の筋を切り、身体障害者にして何らかの芸を仕込んだ
上で物乞いをさせる

というではありませんか。

元大蔵財務官である行天豊雄氏が指摘するように、今の中国には社会的規範となる
べき共産主義イデオロギーは既になく、国民の大半は宗教的社会倫理とも無縁です。
先進資本主義国には自由と民主主義があり、宗教的社会倫理も、ある程度は人間の無軌道な行動を抑制する役割を果たしています。イスラム諸国にはコーランがあり、
ロシアだって正教が庶民の精神的支えになっています。
中国は、19世紀型の弱肉強食の下部構造に、上意下達の硬直した官僚組織が上部構造として乗っかっています。そこには倫理や規範というものがありません。もちろん官僚組織もカネ次第です。
今の中国は、まさに、むき出しの欲望国家と言っても過言ではないのです。とにかくカネがすべて。カネのためなら殺人も誘拐も人身売買も汚職も、何でも平気なんです。
中国人にとって「人の命は紙よりも軽い」「欲望の深さは底なしの沼」とよく言われますが、そのとおりなんですね。そう思うと、日本に不法滞在している中国人が、冷酷極まりない犯罪を平然と犯す理由が解ります。

冒頭の記事で、売られた嬰児のうち女児の割合が圧倒的(118人中117人)なのも驚きです。一人っ子政策と男児優先という封建的な考え方が、いまだに社会に根深く根付いていることの証でしょう。貧しい農家にとって、過酷な肉体に耐えることができる男は重要な財産ですが、女はそうではないということもあると思います。

こんな国が、果たして21世紀のリーダー国家になれるでしょうか?
日本の良き隣人たりうるでしょうか?
同胞を3000万人餓死させ、600万人殺した国。チベットで100万人以上を虐殺した国。
まさに「戦慄の大中華帝国」と呼ぶべきでしょう。
合掌・・・・・・

関連記事1:中国は、いつ崩壊するのか?
関連記事2:中国は間違いなく崩壊する part2
関連記事3:中国の本音
関連記事4:ついに民工が「反日」で動き出した
関連記事5:中国は間違いなく崩壊する
関連記事6:中国は何処に

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2005/05/13

2年間の兵役を逃れるため引き換えにされる韓国国籍

反日を喚いている間に、韓国社会の足下が崩壊し始めている。
この現象は、情況次第では、わが国でも起こりかねない。
もって、他山の石とするべきである。
以下に朝鮮日報の社説を全文掲載する。

朝鮮日報によると、
「外国に永住することを目的に両親が出国していない状態で、海外で生まれた子どもは、兵役の義務を果たす前に韓国国籍を放棄できない」という内容を盛り込んだ国籍法改正案が今月4日、国会で成立した後、国籍放棄の申請件数が急増している。 .

一か月に平均20件余りに過ぎなかった申請件数が今月に入り、10日まで410件に達している。
「国会で議決された法は政府に送附されてから15日以内に公布する」という憲法条項に従って同法が来月初旬頃に施行される前に国籍を放棄する行列ができたのである。
国籍放棄者の95%が男性ということは、国籍放棄は兵役問題を念頭に置いた反応で
あるのは間違いない。

現行法の上でも、第1国民役に編入される18歳以降には兵役義務を果たす前まで国籍を変えることができなくなっており、現在の多数の国籍放棄申請者のほとんどが17歳
以下の2重国籍者であることが分かる。
「韓国人として生きる」という意味を自ら判断できない幼い子どもの韓国国籍放棄を両親が代わりに下しているのである。

法が成立してわずか数日で、子どもの韓国国籍を放棄するという決定を、どうしたら
このように簡単に下せるのか。どうしたら、他人の子どもには当然な義務である兵役を、
自分の子どもにはやらせたくないと考えられるのか。
「『韓国人』というアイデンティティーを捨ててでも、2年余りの兵役義務を避けることが
できればよい」と確信したのだろうか。なぜ、この両親たちは子どもが大人になって
「なぜ韓国国籍を捨てたのか」と両親を責めることはないと確信できたのか。

こうした質問を自分自信にに投げかけながら、大韓民国国民の意識、また、この国民が評価した大韓民国の価値に憤りを覚えるより前に、哀しみを覚えるを得ない。兵役逃れのための遠征出産が社会的非難の対象であることは確かであるが、それを狙った標的立法は、このように予期せぬ副作用を生んでいるのだ。

まず、現時点で中高生以下の2重国籍者たちが物心つき、自己判断の下で韓国国籍
または外国国籍を決定できる権利をこの法が奪ったということ。そのため、親たちの
盲目的な愛情によって、兵役逃れさえできればいいという思惑で、子どもの国籍放棄を
代わりに決定する行列がこのように長くできるという、とんでもない事態を招いたことも
考えてみなければならない。
2年間の兵役を逃れるため引き換えにされる韓国国籍
2005/05/11(朝鮮日報:社説 )

中国が典型だが、韓国も「ジコチュー社会」真っ盛りということだろう。憲法で定められた「国民としての義務」を回避するために「外国人」になる。こういう国家に対する帰属意識の薄さは、今の韓国社会の反映なのだろうか?
ただ、日本も、こういう傾向にあるのは間違いない。最近の若い親たちの非常識な言動は、言語を絶するものがあるらしい。
たとえば、給食代を払っているのだから、給食時に「いただきます」と言うのはおかしい、という親が少なからずいるというのだ。
これは、今の「若い親たちの親」である我々の責任が大きいと思う。なにしろ、我々は「造反有理」の世代だった。この世代感覚が、規範意識の薄い子供たちを生み出したのかもしれない。その子供たちが、今、親になっている。
やはり、社会的規範を確立することが喫緊の課題だと思う。親を大事にする、社会に
感謝する、弱者をいたわる、こんな当たり前のことが今の教育には欠けている、そんな気がする。
まだ、日本には、謙虚とか謙譲という言葉が生きている。今のうちに、感謝とは?愛情とは?いたわりとは?という教育を徹底するべきだと思うのだが・・・
感謝の気持ちは強制しても湧いてこない。愛国心も同様である。やはり、幼いときから、自分が何によって生きていられるのか、という教育が大事だと思う。
それは、何よりも、家庭教育の問題である。家庭教育があって、初めて学校教育が
生きてくる。錯覚してはならない。

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井川がようやくエースらしい投球

igawaマウンドを守り切ることがエースの証しとされるなら、1人で立ち続けて応えればいい。すべてを出そうと誓った「最高」の舞台で、井川が今季初完封を刻み、チームの連敗も止めた。ハートを込めた126球は、降りしきる雨を感じさせないほどに、スタンドを熱狂させていた。
「ロッテとはやったことがなかったので、有利かなと思いました。スライダーでカウントがとれて楽になりました。雨の時は調子が良いんで、気になりませんでした」
(中略)
初めての交流戦。井川は、ここに何を残せばいいのか―。10日の試合後、チームメートにロッテの印象を尋ねた。返ってきた意外な声に胸が熱くなり、
一つの答えが見つかった。
「久慈さんのファインプレーにも拍手を送ってたらしくて、うれしいね。敵味方とかじゃなくて、野球を見に来ているというか、野球を愛している人が多いんだね」
阪神のエースであり、1人の野球人としても生きたい。昨年まで「飛ぶボール」の影響もあり、打者有利の風潮が高まっていた球界。打たれたことへの嘆き節は、言い訳ではなく、いつも未来を見据えたものだった。
「このままだったら、ピッチャーを目指す少年が減っちゃうよね…」
自分にできることは何なのか。雨をはじき飛ばした熱投。白球に託した願い。「ピッチングで見せるしかないよ」。ピッチャーの素晴らしさを伝えて、そこに夢を感じてもらえればいい。
これで3勝2敗と初めて白星が先行だ。「チームが勝ってよかったです。5月になって
(調子も)良くなってきたんで」。野球を愛する人たちへ―。ヒーローインタビューを終えた井川は、左翼席だけでなく、右翼席にも頭を下げた。忘れられない1勝。今季初めて
心から喜べる幸せな夜になった。
DailySportsonline 2005/05/13から引用)

井川、メジャーもいいが、もう少し自覚がほしい。君は、上原(読売)や松坂(西武)と
並んで、日本のプロ野球を代表する投手になるだけの能力がある。
しかし、今の君は、まだ物足りない。自分がチームを背負っているという自覚が感じられない。大エースになる投手には風格というものがある。もう一段の成長と脱皮を期待する。

金本 日本全国アーチ行脚30号

kanemoto初回の二死一塁。暴投があり、走者を二塁に進めてからの5球目だ。内角低めのスライダーを、「バットのヘッドで拾った感じ」。追い風にも乗った打球は、ロッテファンが埋め尽くす右翼席へと飛び込んだ。
6試合ぶりの7号アーチは、久保にとってはプロ初失点。ルーキーに洗礼を浴びせ、さらに自らの記録も更新する。千葉マリンスタジアムでの本塁打は現役最多となる30球場目で、本塁打記録球場の
日本記録「32」に迫る一発となった。
「ああ、地方球場のこと?全然気にもしてなかったわ」と話すところが、いかにもこの男らしい。それでも意義は大きかった。交流戦に入り、初めてとなる序盤での得点。決勝点となり、さらにメモリアル弾となれば申し分ない活躍だった。
(後略)
DailySportsonline 2005/05/13から引用)

金本、君には脱帽する。野球に国籍は関係ない。私は君や檜山が大好きだ。
特に君は、韓国人に特有の身体的強靭さと粘り強さを併せ持っている。攻撃的性格と大らかさは、我がトラの大黒柱として欠くことができない。
平成の鉄人として、これからも頑張ってほしい。逆風下にある在日を勇気付けるためにも、君や檜山の活躍を祈る。

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2005/05/12

トヨタ 2期連続で1兆円突破

トヨタ自動車が10日発表した05年3月期連結決算は、最終(当期)利益が前期比0.8%増の1兆1712億円となり、3期連続で過去最高を更新し、2期連続で1兆円を超えた。
円高による為替差損や原材料価格の高騰の影響を、北米やアジアでの大幅な販売増とコスト削減で吸収した。利益水準は、販売不振に陥っている米ゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーターを大きく引き離した。
売上高は同7.3%増の18兆5515億円、本業のもうけを示す営業利益は同0.3%増の
1兆6721億円で、いずれも過去最高を更新。5期連続の増収増益になった。
(中略)
損益面では、研究開発費が1849億円増えたほか、為替差損が1400億円発生。鋼材など原材料価格の高騰で数百億円規模の影響も受けたが、販売増による利益の増加と部品単位で積み重ねたコスト削減で吸収し、増益を確保した。張富士夫社長は「90年代から円高に対応できるよう進めてきた海外展開が実を結んだ」と述べた。
トヨタ 3期連続で最高益更新 2期連続1兆円を超える
(毎日新聞) - 5月11日

いやあ、すごいことだ。利益は自動車業界でダントツの世界No.1。売上もフォードを
抜き、ダイムラー・クライスラーに肉薄。GMを追い抜くのも時間の問題か。
しかも、円高や原材料価格の高騰という逆風を受けながらの結果であるから、益々
価値がある。
世界主要企業の最終利益(純利益)ランキングでは、03年度の6位からベストテン圏外の13位に後退した。しかし、上位組は、原油価格の高騰を背景にした石油大手や金融関連が占めており、製造業としてはNo.1である。
トヨタ、利益ベスト10から後退=世界主要企業の04年度
(時事通信) - 5月10日

この数字がいかにすごいかは、以下の比較で実感できる。
売上の18兆円という数字は、アジアの優等生タイのGDPに匹敵する。利益の1兆1712億円は、人口356万人の横浜市の一般会計予算とほぼ同じであり、日産とホンダの
合計をはるかに上回る。また、トヨタ銀行とも呼ばれるほどの金融資産は、新生銀行に匹敵すると言われる。
余裕のトヨタは、GMに燃料電池分野の提携を申し出たり、GMやフォードの救済策
(窮余の策?)として、北米市場における値上げを検討したりしている。
これに対してGMとフォードは、投資不適格企業に格下げされる始末である。
GM・フォード、投資不適格に格下げ…米格付け会社
(読売新聞)05月06日

なぜ、米ビッグスリーが凋落し、トヨタが実質的に世界No.1になったのか。今日はこの
あたりを分析してみたい。

アメリカの自動車産業に共通する弱点を上げてみよう。

①戦前から現在に至るまで、アメリカ経済の屋台骨を支えてきた伝統産業である
こと。
そのために変化に対応するスピードが鈍い。実際、1980年代後半以降、従来の「大量生産方式(Mass Production System)」からトヨタ式の「チーム生産方式(Lean Production System)」に転換しようと努力しているが、なかなか徹底しない。

②組合が異常に強いこと。
UAW(全米自動車労組)は、組合員67万2000人を数える米国でも有数の強力な労組である。そしてアメリカの労組は、日本のような企業内組合ではなく、産業別組合である。したがって、個別企業の事情に、日本の労組ほど配慮しない。
例えば、UAWは最近、GMの大規模な医療保険システムのコスト削減提案を拒絶した。
GMが負担する医療保険費用は年間56億ドル(約6000億円)に達するといわれる。アメリカの全者の医療費自己負担比率の平均は約32%なのに対し、GMのUAW組合員は、医療費の約7%しか自己負担していない。
会社が危機的状況に陥ってもこの調子なのだ。

③系列を嫌うため、自前の販売網を持たないこと。
規制を嫌う自由経済の本場だけに、自社系列の販社を持つなどという発想がない。

④アメリカの経済構造が、製造業から金融に収益が集中する体制に変わったこと。
実際、企業収益の30%が金融関連に集中しており、米国内では製造業の空洞化が
深刻になっている。

これに対し、日本企業の強みとは。

①トヨタのカンバン方式に代表されるように、生産ラインが極限まで効率化されている
こと。
必要なものを必要なときに、というジャスト・イン・タイムは有名である。

②ラインの効率化とコストダウンに対応できる関連企業の層が厚いこと。
乾いたタオルをさらに絞る、というトヨタに対応するため、下請けも徹底した合理化を進めている。

③トヨタ式の「チーム生産方式(Lean Production System)」が徹底していること。
これによって、生産現場レベルの努力で、生産効率のアップと品質の向上が図れる。
海外工場も例外ではない。

④労組が企業内組合で、会社に協力的であること。
たとえば、トヨタでは、史上空前の利益を上げているにもかかわらず、経営側がデフレ
からの脱却の遅れや、海外メーカーとの競争激化を理由にベアを議論する余地がないと言えば、ベア要求を3年連続して見送るほどである。
また、アメリカの日系メーカーでは、従業員の圧倒的多数がUAWに加盟することに反対しており、トヨタとGMの合弁会社NUMMIの工場以外はUAWに加盟していない。日系
メーカーの待遇が良いために労使関係が安定しているということであろう。

⑤自前の販売網を完備していること。
アメリカでは自前の販売網は持っていないらしい。しかし、日本車はプレミアムが付く
ほど人気が高いので、積極的に販売するディーラーが多い。

以上を見ると、今後ともアメリカ市場を日本車が席巻するのは間違いない。GMはトヨタに抜かれ、フォードはホンダに抜かれる可能性が高い。

ただ、本音を言えば、アメリカの工場や部品メーカーの方がゆとりのある人間らしい環境にあるような気もする。トヨタ式の効率一辺倒、利益至上主義が果たして幸せなのだろうか?という疑問は残る。
労組も、ないよりあった方が良い。

(参考記事)
WSJ-GM株が12年ぶり安値 UAWが医療保険費用削減に応じず
(ダウ・ジョーンズ) - 4月15日
ベア見送りを正式決定 トヨタ労組、3年連続(共同通信) - 2月14日
圧倒的な大差で否決 日産米国工場のUAW加盟
GMを誰が殺そうとしているのか。
GM、UAW、そしてランシング

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2005/05/11

正真正銘のアホ=盧武鉉

私は、これまで、盧武鉉大統領のことを「狂っている」とか「大バカ」とか「どうしようも
ない」などと批判してきた。
しかし、心のどこかには、
「本当は、それほど酷くはないのだろう。経歴からして、大統領という職務が何なのか、まだ解っていないだけかもしれない」
あるいは、
「ブレーンがどうしようもないのだろう。本人は意外とまともなのかもしれない」
という、彼を擁護してやりたい気持ちが、かすかにあった。
だが、今回の事態を見て、その、かすかな期待も霧散した。彼は正真正銘のアホ
ある。
以下の朝鮮日報の社説を読んでもらいたい。

盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が6日、日本・自民党の武部幹事長を通して小泉純一郎
首相の親書を伝達された後、記者らが見る前で、「親書の内容を話してもらえるか?」と言った。

(早くも絶句!:筆者、以下同)

武部幹事長は「親書を読んでいないので何とも言えない」とし、答えを避けたという。
大統領府スポークスマンは「盧大統領の質問に特別な意味はなかったと聞いている」とした。

(武部幹事長も、口をアングリとさせていたのではないか)

しかし、どんな意向があったにせよ、盧大統領は今回の事で再び重要な外交慣例の
ひとつを壊した。トップの間で交わされる親書は、大統領が1人で読み、必要なことが
あれば政府関係者に見せるのが数百年にわたる慣例だ。

国の間で敏感な事態が発生した時ほど、トップらが直接心のうちを語り合うことのできる方法が「親書の交換」であるため、内容は公開しないのが国際的な約束だ。

(以上は常識中の常識である)

一般の人々の間で交わされる手紙も内容は秘密にするのがお互いのプライドを尊重することだ。国家のトップの間で交わされた親書においては言うまでもない。独(トク)島、過去史問題などをめぐって、我々が日本と激しい外交ゲームを繰り広げているが、日本のトップが送った親書を尊重するのはそのゲームのルールであるといえる。

立場を変え、小泉首相が盧大統領が送った親書を記者の前で見せようとしたならば、盧大統領個人はもちろん、韓国国民が負うプライドの傷はどれ程大きいだろうか。

(さすがに朝鮮日報も、かばう術がない)

盧大統領は昨年7月、北朝鮮核問題が盛り込まれているブッシュ米大統領の親書を
公開しなかったが、国民とメディアが何も言わなかったのは、すべてこのような外交
慣行を理解してのことだろう。

外交においての格式破壊はいつも格式を破壊した国にさらに大きい害を与えるブーメランになり戻ってくるという事実を肝に銘じるべきである。

(これは、朝鮮日報が「盧武鉉はアホだ」と言っているようなものだ)

「親書の内容を話して下さいますか?」 2005/05/08(朝鮮日報社説)

私は、盧武鉉の「親北」発言、「反米」発言、極めつけの「韓国バランサー論」発言に
ついては、彼の支持基盤である386世代(注-1)の影響が強いせいだと思っていた。
386世代は、1980年代の学生運動や民主化運動の経験者で、反米感情が強いと
言われている。
政治家は支持基盤に左右される。だから、「親北」や「反米」も支持者を意識したところもあるのだろう、と善意に解釈していた面もあった。
しかし、上記の記事を読む限り、それはあまりにも楽観的過ぎる見方であった。
繰り返して言う。盧武鉉は正真正銘のアホなのである。
韓国民よ!こんな大統領を戴いて、山積する難題をクリアしていけるのか。
まあ、自業自得であるから同情する気はないが・・・

(注-1) 386世代

関連記事1:盧武鉉くんの“型破り”
関連記事2:盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は狂っている
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2005/05/10

胡錦濤 オマエは何様だ!

昨日の記事(笑わせるな!対独戦勝60周年)で、日本の周りにある理不尽で異質な国として中・韓・朝・露を上げたが、それを証明するような言動が早速、メディアを賑わしている。

対独戦勝60周年記念式典出席のため訪露している中国の胡錦濤主席は9日、プーチン大統領と会談し、抗日戦争で、「(旧)ソ連は日本の侵略者に対する中国の闘争に貢献してくれた。中国人民はこのことを忘れない」と語った。
(中略)
この中で胡主席は、「中国でも今年、反日闘争終結から60年たつ。反日闘争で、中国人民は8年もの長期間、日本の占領軍と極めて苦しい戦いを遂行し、我が人民は甚大な損害を被ったが、中国人民はファシズムに対する勝利に大きな貢献をした」と先の
大戦での中国の役割を強調した。
胡主席、旧ソ連の対日参戦を高く評価「抗日に貢献」(読売新聞) - 5月9日

上記の会談で、胡錦濤が言及した
「日本の侵略者に対する中国の闘争に貢献してくれた」
(旧)ソ連の行動とは、
日ソ中立条約を一方的に破棄し、日本の敗戦間際(8月9日)に旧満州・樺太・千島列島などに軍事侵攻を開始した旧ソ連の、まさに「火事場泥棒」以下の卑劣極まりない行為を指している。
そして、国際法にもポツダム宣言にも違反したこの侵略行為に対して
「中国人民はこのことを忘れない」
と最大級の謝辞を述べている。
この胡錦濤の言葉に、プーチンは、「わが意を得たり」とばかりに欣喜雀躍したに違い
ない。
胡錦濤は、結果的に、「重大な人権侵害であり、大規模かつ組織的な拉致事件で
ある」と言っても過言ではない「シベリア抑留」をも肯定したことになる。
なぜなら、旧ソ連の不法な軍事侵攻と「シベリア抑留」は、原因と結果という不可分の関係にあるからだ。
したがって、この発言が事実であるとすれば、6万人の旧日本兵が、極寒のシベリアで奴隷に従事させられた挙句、無残な死を遂げたことに、胡錦濤は感謝していると
いうことになる。
胡錦濤が、そこまで意識して発言したのかどうかは分からない。しかし、一国の指導者としての分別と識見を疑われる発言であることは間違いない。
こんな政治家が最高指導者なのだから、あの国の人民が無知蒙昧になるのも頷ける。そして、こんな国の肩を持つ輩が同じ日本人の中にいると思うと、怒りを通り過ぎて情けなくなる。

「中国人民はファシズムに対する勝利に大きな貢献をした」という発言も笑わせる。日本は中国に負けたわけではない。まして、国民党軍に押されていた当時の紅軍(今の人民解放軍)なんて日本軍の相手ではなかった。歴史の捏造もいい加減にしてもらいたい。
また、「ファシズム」と一括りで言うが、ナチズムと軍国主義はまったく違う。確かに中国にとっては侵略だったかもしれないが、日本と米英との戦いは、帝国主義国家間の
植民地争奪戦であった。その戦いに勝利するために、国力の劣る日本は軍事優先国家
になったのである。そして米国に敗北した。
だから「中国人民はファシズムに対する勝利に大きな貢献をした」なんて思い込みも
いいところなんですよ、胡錦濤くん。

こんなムカつく記事を読んだ後で、
「<露大統領>米国や日本の北朝鮮に対する強硬姿勢批判」
(毎日新聞) - 5月9日
なんて記事を目にすると、もうオマエら、いい加減にしてくれと言いたくなる。
プーチン・胡錦濤・盧武鉉・金正日、君らの辞書には分別や識見という言葉が載って
いないのだね。あるのは、ジコチューな妄想と妄言ばかり。
ただ、こんな連中でも、一衣帯水の関係にある以上、避けて通ることはできない。
であるなら、やはり真実に基づいた原則的態度を毅然として貫くしかない。
反日で徒党を組もうと企んでも、こういうジコチューは、いずれどこかで破綻する。
それは、ひょっとしたら明日かもしれない。

関連記事:笑わせるな!対独戦勝60周年

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2005/05/09

笑わせるな!対独戦勝60周年

このブログを開設して以来、約2ヶ月が経過した。この間に訪れていただいた方は1万8000人以上を数える。この数が多いのか少ないのかは分からないが、依存症のオヤジの気まぐれなコメントを、これだけ多くの方に読んでいただいたことに感謝したい。
ブログを開設して感じたのは、中国や韓国に関する記事を書くとアクセス数が増えるということである。それだけ最近の中・韓に対する国民の反発が大きいということであろう。
しかし、日本の周りにある理不尽で異質な国は中・韓だけではない。北朝鮮はもちろん
だが、ロシアも見落としてはならない国である。
今日は、そのロシアについて書いてみたい。

bush

ロシアの話題といえば、やはり今年が対独戦勝60周年に当たるということだろう。ロシア政府は、自らをナチス・ドイツからヨーロッパの民を解放した立役者として演出したいらしい。そのために、世界
各国からブッシュ大統領を初めとする要人を招いて大々的に式典を盛り上げようとしている。
しかし、その思惑は見事に外れたようだ。なぜなら、ロシアの前身である旧ソ連は本当に解放者なのか?バルト諸国や東欧諸国に対する支配者を、ナチズムという狂気から
共産主義という狂気に変えただけではないのか?という疑問を払拭しきれないからだ。
以下の記事中のブッシュ大統領の発言が、そのあたりを鋭く突いている。

ブッシュ米大統領は8日、対独戦勝60周年記念式典に出席するためモスクワ入りし、
同夜(日本時間9日未明)、ロシアのプーチン大統領と会談に入った。
「自由の拡大」を外交基軸とするブッシュ大統領は、旧ソ連圏でも民主化推進への期待を鮮明にしており、介入を嫌うプーチン大統領との間で軋轢(あつれき)が生じる可能性もある。
ブッシュ大統領は7日にラトビアでバルト3国首脳と会談した際、
(中略)
対独戦勝利がバルト3国では旧ソ連による共産党支配の始まりだったと指摘した。
(中略)
会談では歴史認識も焦点になる見通し。プーチン大統領は急激な民主化要求には
反発することも予想され、今回の会談が「今後の米露関係の風向きを占うものになる」
(外交筋)との見方もある。
米露が首脳会談、旧ソ連圏民主化で軋轢も (読売新聞) - 5月9日

ブッシュ米大統領は、対独戦勝利60周年記念式典出席のためモスクワを訪問し、ロシアのプーチン大統領と会談した。
(中略)
ブッシュ大統領は7日、ラトビアの首都リガで、対独戦勝利後にソ連が東欧を支配した
ことは歴史上の不正行為だったとし、ロシアが見習うべき民主主義の模範としてバルト諸国を挙げた。
これに対して、プーチン大統領は、8日に放映された米CBS放送の番組「60ミニッツ」でのインタビューで、こうしたソ連支配に対して謝罪することを拒否し、ロシアの民主主義に対する米国の批判を退けた。プーチン大統領は、「民主主義は、他の場所に輸出することはできない」と語った。
米ロ首脳会談、民主主義をめぐり見解の相違 (ロイター) - 5月9日

上記の二つの記事からは、唯一の超大国アメリカと、かつての超大国ロシア(ソ連)との今の力関係も読み取れる。
アメリカは「米国は、最強の軍事力と政治、経済的な影響力を自国のためのみに用いるのではなく、テロリストや独裁者の脅威から平和を守り、大国間の良好な関係を築き、自由で開かれた社会をすべての大陸に奨励することで、この平和を保ち、拡大させる」というブッシュ・ドクトリン(注-1)の立場をロシアに対しても譲らない。
一方のロシアは、旧ソ連のイデオロギーや政治体制は否定しつつも、自国の既得権益と勢力圏を維持するためには旧ソ連の歴史を肯定せざるをえない。また、広大な国土と、泥沼の紛争にあえぐチェチェンに代表される複雑な民族構成から、西欧民主主義とは異質な強権的支配体制を維持せざるをえない。
だから、アメリカから「自由で開かれた社会」を要求されても、首を縦に振れないし、旧ソ連の悪業を謝罪することもできない。しかし、経済や安保、あるいは対イスラム過激派との絡みを考えると、旧ソ連のような、アメリカとの全面対決の道も選べない。
ロシアは、今、政治的、軍事的大国でありながら、経済的には弱小国であるという極めてアンバランスな国力の現実にジレンマを深めているのである。

私は、ロシアが再び、世界の覇権をめぐる舞台に主役として登場することはないと思うし、ないことを祈る。なぜなら、理不尽かつ傲慢な国であり、反省というものを知らないからだ。アメリカも傲慢な国で反省というものを知らないが、自由と民主主義があり、
何より「人道」というものを知っているから救いがある。
ところで、ブッシュ大統領が言及した、旧ソ連によるバルト3国や東欧支配が不正行為であることは、歴史が証明している。ポーランドの分割やバルト3国のソ連併合は、「モロトフ・リッベントロップ協定」(注-2)というナチス・ドイツとの裏取引の結果である。
また、旧ソ連は、ポーランドに侵攻した際、2万5000人にのぼるポーランド人将校を初めとする戦争捕虜を裁判無しで銃殺した。-カティンの森事件(注-3)。
それだけではない。ハンガリー動乱(注-4)やプラハの春(注-5)に対する武力弾圧など、旧ソ連が東欧諸国に対して行った無法行為は枚挙に暇がない。
それでも、旧ソ連の後継者であるロシアは謝罪せず、いったん手に入れた権益は手放そうとはしない。まさに厚顔無恥、理不尽を絵に描いたような国である。

この国が日本に対して行った行為も忘れてはならない。それは、相互不可侵と中立などを定めた日ソ中立条約(注-6)を一方的に破棄し、日本の敗戦(8月15日)間際の
8月9日に旧満州・樺太・千島列島などに軍事侵攻を開始したことである。
まさに「火事場泥棒」以下の卑劣極まりない行為と云わざるをえない。
それも、ポツダム会議でアメリカが、原爆完成によりソ連抜きでの日本降伏も可能と
参戦を拒否したにもかかわらずである。
その結果として、いまだに北方領土を不法占拠している。
そして、もっとも我々が忘れてはならないのが、旧ソ連による「シベリア抑留」である。
旧ソ連は、国際法に違反した「侵略」行為の結果、多数の旧日本軍人を捕虜にした。
そして、そのほとんどを、極寒の地・シベリアで満足な食料も与えず、シベリア鉄道建設工事などに酷使したのである。
「それは筆舌につくしがたい、飢餓、窮乏、極寒、恐怖・・・・・・。地獄の日々」(シベリア回想 早田貫一画伯のシベリア抑留鎮魂歌)であった。
捕虜の数は54万6086人(ソ連発表・シベリア抑留とは)、そのうち、約6万人もの人が異国の地で望郷の念に駆られながら無惨に死んでいったのである。
しかも、米英などに捕らえられた捕虜が、ほぼ1946年に帰還したのに対し、ソ連抑留者の帰還がおおむね完了したのは1958年であった。
ソ連の当時の軍事行動も国際法に違反しているが、このような捕虜に対する扱いも、
もちろん国際法に違反している。「シベリア抑留はソピエト連邦による国際法にもポツダム宣言にも違反した重大な人権侵害であり、大規模かつ組織的な拉致事件である」(シベリア抑留問題の早期解決を求める要請書)といっても過言ではない。
これに対し日本政府は、ソ連に謝罪を要求するどころか、1956年の日ソ共同宣言では、ソ連に対するいっさいの請求権の放棄さえ約束している。なおかつ、米国などに捕虜として捕らえられた軍人と差別して、シベリア抑留者には一銭の補償もしていない。
このような政府に対し、シベリア立法推進会議・全国抑留者補償協議会は、「私たちは6万人を超える犠牲を出し、寒さと飢えで地獄の苦しみを味わいましたが、不当にも
抑留期間中の強制の賃金も支払われておりません。私どもは日本軍に徴兵・徴用されたものであり、ソビエト連邦(現ロシア)に対する請求権が、1956年(註・昭和31年)の日ソ共同宣言によって相互放棄されたものであるなら、日本政府が当然賃金を支払うべきであります。1949年ジュネーブ条約にも捕虜の派遣国が支払うべきことが明記されております。また、南方から帰還した元捕虜には、抑留中のに対する賃金が大蔵省より支払われております」として補償を要求している。
シベリア抑留問題の早期解決を求める要請書

彼らは、平均年齢は80歳を超え、人生最後の時を迎えようとしている。我々は、政府に、北方領土の返還と捕虜虐待に対する謝罪をロシアに要求するとともに、元抑留者に対する補償を早急に行うよう声を上げなければならない。
バルト3国は「無法な併合」に対する謝罪を、ポーランドは「カティンの森の虐殺」に対する謝罪をロシアに求めている。日本が「シベリア抑留」に対する謝罪を求めるのは、世界が求める正義の一つではないのか!

なお、昨日(5月8日)の読売新聞朝刊は、社説で、プーチン大統領の招きに応じて小泉首相が、対独戦勝利60周年記念式典に出席することに異議を唱えている。

小泉首相が、ロシアのプーチン大統領の招きに応じ、あす9日、モスクワで開かれる
対独戦勝利60周年を祝う記念式典に参列する。
式典には、ブッシュ米大統領や、中国の胡錦濤国家主席ら約50か国の首脳らが参加し、退役軍人による祝賀パレードなどが行われるという。
小泉首相の立場は、何とも微妙、と言わざるを得ないだろう。
(中略)
ソ連は、ドイツ降伏の3ヵ月後の1945年8月9日、日ソ中立条約を踏みにじり、日本への攻撃を開始した。戦後も数十万人の日本の将兵を捕虜としてシベリアに連行し、国際法に違反して奴隷に酷使した。
北方領土を占拠したソ連=ロシアと日本の間に、平和条約もいまだ締結されていない。
(中略)
対独戦勝60周年の式典に出席する小泉首相の立場とは、いったいどういうものなのかと、考えさせられる。
(中略)
外交には、歴史への見識も求められていることを、忘れてはならない。
[対独戦勝60年]「参列する小泉首相の微妙な立場」 5月8日・読売社説

外交だけではない。元抑留者に対する対応にも「歴史への見識」が求められていることを小泉首相に申し上げる。

私の父親は、生きていれば今年89歳になる。元陸軍中尉で、シベリア抑留経験者だった。抑留期間は3年くらいだったらしい。
あまり多くを語らなかったが、「体力がないと死んでいくしかなかった。いくら能力があっても体力がなければ生き残れない」という主旨の話を、学生運動にのめり込み、理屈をこねていたころに聞いた記憶がある。
やはり悲惨で辛い経験だったのであろう。シベリア立法推進会議・全国抑留者補償協議会の方々を他人事とは思えない。
(坂 眞)

(注-1)ブッシュ・ドクトリン
(注-2)モロトフ・リッベントロップ協定
(注-3)カティンの森事件
(注-4)ハンガリー動乱
(注-5)プラハの春
(注-6)日ソ中立条約
(参考記事)流転の旅路-シベリア抑留記

関連記事:胡錦濤 オマエは何様だ!

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2005/05/03

狂気の盧武鉉政権が暴走を加速している

またかよ、いい加減にしてくれ!としか言いようのない法律が、また韓国で成立した。

韓国国会は3日、本会議を開き、軍事独裁政権による人権弾圧などの真相究明を目的とした「真実、和解のための過去史整理基本法案」を賛成159、反対73、棄権18で可決した。
盧武鉉政権が進める歴史清算の一環で、抗日運動家や革新勢力の名誉回復を図るのが狙いだ。
歴史清算の一環、韓国国会が「過去史法案」を可決(読売新聞) - 5月3日

過去史法は乙巳条約(日帝による朝鮮合併)が締結された1905年から最近まで100年間の主な事件を包括的に取り扱う。国家情報院などの独自の調査対象はすべて含まれる。
(中略)
韓国政府の人権侵害事件以外に北朝鮮政権や親北勢力による人権侵害、テロ事件なども調査対象だ。両側の均衡をどう保たせるかも問題になる。韓国戦争の際、国軍、米軍、人民軍・パルチザンによる民間人虐殺事件の調査も同様だ。
過去史法が国会通過 「政治的利用」への懸念も 2005/05/03朝鮮日報

まったくもって、いい加減にしてよ盧武鉉くん、である。100年前をほじくり返して何の得があるの?資料もなく、当事者もほとんど死亡しているというではないか。
なお、「与党ウリ党内の急進派は反発し、この日も反対に回った」らしい。野党ハンナラ党の抵抗によって「北朝鮮政権や親北勢力による人権侵害、テロ事件なども調査対象」とされたからであろう。
つまり盧武鉉政権は、与党内に急進派=親北朝鮮勢力を抱えているということだ。この政権は、野党ハンナラ党がいなければ、どこまで暴走するか判らない。根っこに「親北・反米・反日」勢力を抱えているのだから驚くにはあたらないかもしれないが。
ウリ党は、30日の国会議員補欠選挙で6戦全敗である。盧武鉉が、いかに反日・反米で民族主義を煽っても、良識ある韓国民からは見放されつつあるということか。
それにしても、韓国に、よりによって「親北朝鮮」の政権が誕生するなんて、日米両国政府も思いもよらなかったであろう。まさに自爆・亡国への選択なのだから。
中国・北朝鮮・韓国、常軌を逸した国々に囲まれてホントに嫌になるが、ここで屈してはいけない。小泉政権もここが正念場である。がんばれ!

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解同と人権擁護法(案)

人権擁護法(案)に対する部落解放運動団体の対応が割れている。
新左翼系の部落解放同盟全国連合会も共産党系の全国地域人権運動総連合も、そろって人権擁護法(案)に反対している。これに対し、部落解放同盟「中央本部派」だけが、「人権侵害救済に関する法律」(政府案では「人権擁護法案」)に固執し、その早期成立を求めている。これは何を意味しているのか?
解放同盟は、「同和対策事業特別措置法」(同対法)から地域改善対策特別措置法(地対法)~財政上の特別措置に関する法律(地対財特法)に至るまで、30年近くに
わたって、「窓口一本化」という訳のわからない横車を押すことで、同和行政を牛耳ってきた。そこでは利権や暴力に絡む数々のスキャンダルがあった。
今回の「人権侵害救済に関する法律」(政府案では「人権擁護法案」)に関しては、そういう危惧は不要なのか?
人権擁護法(案)に反対する世論の中には、そのあたりの不安がかなりあると思う。
それが杞憂であればよいのだが・・・
もっとも、今回は「人権」だから、利権が絡む余地はないと思うが・・・

関連記事:人権擁護法(案)について考える

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2005/05/01

人権擁護法(案)について考える

人権擁護法(案)について賛否が入り乱れている。
反対論の典型が、辛坊治郎氏の以下の主張であろう。

●かつて大日本帝国憲法はこう規定していた。
「日本臣民は法律の範囲内において、言論の自由を有す」(第29条)
戦前でも、日本では、憲法で言論の自由は保証されていたのである。それでも結局、大本営発表の「事実」以外、メディアが何も伝えられなくなったのは、「法律の範囲内」での言論の自由であったからだ。
戦後その反省の上に、日本国憲法はこう規定した。
「言論、出版その他一切の言論の自由は、これを保証する。」(第21条第1項)
言うまでもなく、この条文は、言論の自由を害する一切の立法を禁じた、アメリカ合衆国憲法修正第一条を起源とするものだ。
つまり法をもってしても、言論は規制することが出来ない――これが民主主義の原点
なのだ。この認識が、残念なことに日本ではほとんど無い。日本で、まともなメディア
教育が求められている所以がここにあると私は思っている。
●さて、能書きはこのくらいにして、前回のお約束、人権擁護法案の概要と、問題点について整理しておこう。
この法律は、「人権委員会という新しい組織をつくり、人権侵害の申し立てがあった
場合、調査して、さまざまな対処をする」というのが基本的枠組みだ。
(中略)
何が問題か?
まず、この法律で作られる人権委員会の委員は、委員長を含め五人だ。その内の三人は非常勤で、常勤は二人だけ。この五人が、いくら優秀で政府から独立した地位にあると言っても、実権はこの委員会の下に作られる「事務方」が握るのは間違いない。この実働部隊は、現在の、法務省人権擁護局の役人が担当することになっている。つまり、何が人権侵害かを実質的に判断し、指導する役割は役人の手に握られるということだ。
例えば、国際的に指摘されることの多い拘置所や刑務所においての、容疑者、受刑者に対する人権侵害を受け付けるのが、実質的に、拘置所や刑務所を管轄している法務省の下部組織ということになるのである。
●組織そのものが問題なので、これ以上は多言を要しないのだが、この法律読めば
読むほど異常な法律と言わざるを得ない。
この法律は、さらに<特別な人権侵害>を三つの類型に分け、1)差別、2)虐待に続いて、わざわざ、3)報道による人権侵害を救済対象として法律に明記している。そして、犯罪被害者、犯罪少年、犯罪者の家族等に対しての「過剰な取材」を、委員会の監視対象に置くと、はっきりと宣言しているのだ。
この法律が出来たら、政治家のスキャンダル取材で自宅に張り込みをしたり、少年に
よる凶悪犯罪の背景の調査報道を行ったり、血液製剤を巡る疑惑で医師の自宅に電話を何度もかけたりといった行為すべてが、役人に人権侵害だと指摘される可能性が
出てくる。
絶対に許さん!パート2~人権擁護法案~

ほぼ、予想どおりの反対論である。しかし、私に言わせれば、これは、メディアの側に
立つ人や公権力に対して必要以上に警戒感を持つ人たちの主張である。結論から言えば、このような反対論は現実に立脚していない。
まず、言論の自由とメディアの規制について戦前を持ち出すやり方であるが、これは
使い古されたロジックである。今と戦前では、民主主義の定着度、成熟度がまったく
違う。
何より国民は、それほどバカではない。日本が今の中国のようになるはずがない。
「日本で、まともなメディア教育が求められている所以がここにある」という言い方は、
国民を愚弄している。
次に、政治家を初めとする社会的強者に対する取材・報道が規制されるという論。これも現実を踏まえているとは思えない。今の世の中で、政治家も含めた権力が言論に
介入すれば、世論が黙っていない。むしろ、権力とメディアの緊張関係は、民主主義
国家においては法律云々よりもメディアの意識と質の問題である。
よい例が、田中角栄氏の「金脈疑惑」である。田中氏の「金脈疑惑」は公然の秘密で
あったにもかかわらず、読売、朝日、毎日の3大紙を初めとする新聞系メディア(テレビ、ラジオも含む)は、いっさい触れることがなかった。
これに突破口をあけたのが、文芸春秋の立花隆著「田中角栄の研究・その金脈と
人脈」と児玉隆也著「淋しき越山会の女王」である。これらの記事は大きな反響を呼んだ。にもかかわらず、新聞系メディアは最初は無視した。新聞系メディアがこの問題を
取り上げたのは、なんと外国の特派員たちが取り上げてからである。しかも、「日本
外国特派員協会における会見で・・・」という回りくどい報道だった。
中国に関する報道もしかりである。中国に都合の悪い記事(たとえば汚職や農民暴動や民工の実態等)は、必ずといっていいほど、現地や香港や米欧の報道を引用する形をとっている。
まだある。創価学会に関するタブー、解放同盟に関するタブー、皇室に関するタブー・・・
日本の有力メディアは、社会的強者に弱く、社会的弱者に強いのだ。だから、人権擁護法(案)を報道被害者たちが支持するのである。人権擁護法(案)に反対するなら、このような、対権力、対強者に対するメディアのいびつな姿勢・体質をまず改善するべきで
ある(創価学会や解放同盟を社会的強者の側に置くことに異論があるかもしれない。
確かに構成員は弱者である。が、組織体としては十分に強者である。彼らが人権を侵している事例は枚挙に暇がない)。
一方において一般人に対する報道姿勢はどうか?典型が「松本サリン事件」の河野義行さんと「桶川ストーカー殺人事件」の猪野詩織さんに関する報道である。
河野さんはサリンの実行犯にされ、猪野さんは「風俗嬢」のごとく報道された。河野さんは、奥さんを廃人同様にされた被害者であり、猪野さんは、老人や子供に優しい普通の女子大生だった。にもかかわらず、河野さんに関する「誤報」を認める記事は極めて小さく、猪野さんに関しては「言いっ放し」に終わっている。
今回、人権擁護法(案)が政治日程に上ったのは、このようなメディアの姿勢・体質が
大きい。新聞は部数拡張競争に明け暮れ、テレビは視聴率の獲得を至上命題とする。そこにおいては、報道の質とか権力に対する監視機能とかは二の次にされている感がしてならない。
メディアは、司法、立法、行政に次ぐ「第4の権力」といわれる。それは権力に対する
監視、すなわちチェック&バランスを実現している(もしくは実現が期待されている)からであろう。しかし、その「第4の権力」と呼ばれるメディアは誰が監視すればよいのだろうか。前述したような、いびつな姿勢・体質はどうしたら是正されるのであろうか?
その役割を期待されて登場したのが人権擁護法(案)ではないのか。
もちろん、私は人権擁護法(案)に全面的に賛成しているわけではない。人権擁護法(案)には、欠点も多い。したがって、その欠点、欠陥を是正・修正することが必須であると思う。

まず、最も問題にしなければならないのが、第二十二条第3項の人権擁護委員の選任方法である。乱暴な言い方かもしれないが、これが総て、と云っても過言ではない。
法案によれば、市町村長が、「当該市町村の住民で、人格が高潔であって人権に関して高い識見を有する者」を市町村議会の意見を聴いて推薦する、とある。
「人格が高潔であって人権に関して高い識見を有する者」とは、一体何を基準にして
判断するのであろう?
この法律を、立法趣旨に沿った形で運用できるかどうかは、何よりも人権擁護委員に誰を選ぶかにかかっている。放っておくと、人権擁護委員が地方ボスや有力者の名誉職になってしまう可能性がある。それが杞憂ではないことは、公安委員会が実証して
いる。
公安委員が名誉職になっているために、「国民の良識を代表する者が警察を管理することにより、警察行政の民主的管理と政治的中立性の確保を図る」という公安委員会の使命が有名無実化されている。これは、公安委員会の事務局を警察が仕切っている
ことが大きく影響している。
人権委員会を公安委員会の二の舞にさせてはならない。「実働部隊は、現在の、法務省人権擁護局の役人が担当することになっている」という辛坊治郎氏の危惧を杞憂に終わらせるためにも、事務局の責任ある立場に弁護士会や中立的な立場の有識者
など、外部の人材を登用する必要がある。
第二十二条第3項の人権擁護委員の選任方法の後段には、「弁護士会その他人権の擁護を目的とし、又はこれを支持する団体の構成員のうちから」推薦する、とも書いて
ある。
ここにも大きな問題がある。ここでは、人権擁護委員を選任する際に、日本人だけに
限定する国籍条項が明記されていない。このままでは「朝鮮総連などから多数の人権擁護委員が選任されるのではないか?」という懸念が生じるのも無理はない。
また、「人権の擁護を目的とし、又はこれを支持する団体の構成員」から選ぶことになれば、特定の「人権団体」の指定席になる危険性も排除できない。
現に、解放同盟は「被差別部落出身者、女性、障害者、在日外国人などを人権委員にする」ことを要求している。
人権関連法案突然の再浮上 仕掛けは解放同盟 2005.02.13東京新聞[核心]

これらの批判に対し法務省は、
①「国交のない国」の関係者を除外する
②「弁護士会その他人権の擁護を目的とし、又はこれを支持する団体の構成員のうちから」も選ぶとする規定を削除する
等の妥協案を示しているという。
人権擁護法案:影落とす北朝鮮・拉致問題 「朝鮮総連批判、縛る恐れ」
毎日新聞 2005年4月12日 東京朝刊

しかし、そういうやり方は邪道である。国民ではない者が公権力を行使する立場に立てないのは当たり前である。堂々と国籍条項を明記すればよい。
また、特定の「人権団体」を優先することのないように、むしろ「人権の擁護を目的とし、又はこれを支持する団体の構成員」からは委員を選ばない、とするべきである。なぜなら「何が差別かということを民間運動団体が主観的な立場から、恣意的に判断」するからである(昭和61年12月の地対協意見具申)。
与党内では、公明党は国籍条項には反対の立場らしい。これは学会員に在日が多い、という公明党=創価学会の党利党略であり、断じて認めがたい。無視するべきである。
それから、この法案には「異議申し立て」についての記述がない。
これに対しては、「人権委員会の是正勧告に対する不服申し出制度を新設する」という方向で修正されるらしい。
この法律で守られるべき「犯罪被害者等」の中に、未成年の被疑者・被告人が含まれるのも問題である。「女子高生コンクリート詰め殺人事件」や「名古屋アベック殺人事件」の犯人のような鬼畜たちも、この法律で守られるからである。あの事件を記憶して
おられる方なら、誰もがNo!というであろう。やはり、被疑者・被告人は未成年であっても「犯罪被害者等」から除外されるべきである。
「法案の人権侵害の定義があいまいで、恣意的に解釈される恐れがある」という根本的な批判については、人権擁護委員の人選と、事務局のあり方を公平・公正にすることで応えるしかない。なぜなら「人権侵害」を細かく定義することなど不可能だからだ。
最後に、この法律が適正に運用されるかどうかは国民の意識にかかっているということを、もっともっと強調したい。公権力の恣意的な運用を許さず、本来の弱者救済という
趣旨を徹底させるには、国民の関与と監視が欠かせない。
以上の点がクリアーされれば、私は人権擁護法(案)に賛成である。しかし、欠陥が
是正されないままであれば、「人権救済及び人権啓発に関する措置を講ずることに
より、人権擁護に関する施策を総合的に推進し、もって、人権尊重社会の実現に寄与する(人権擁護法案要綱)」という趣旨には賛成であるが、法案には反対せざるを得ない。

なお、以下のブログが大変参考になった。この場を借りて、お礼申し上げる。

人権擁護法案の問題点について

参考までに、法務省人権擁護局がQ&Aを公開しているので読んでみてほしい。

人権擁護法案に関するQ&A
人権擁護法案要綱
人権擁護法(案)

関連記事1:解同と人権擁護法(案)- part2
関連記事2:解同と人権擁護法(案)

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