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2005/06/17

メディアよ!中国の友人となるなかれ

中国は、その数千年の動乱の歴史を通じて、我々日本人には想像もできないような
凄まじい外交術を発達させてきた。その一つに、国際社会で「中国の友人」と呼ばれているものがある。
たとえば、中国がある国の将来性ある政治家なり、ジャーナリストなり-仮にA氏と呼ぼう-に狙いをつけたとする。A氏は中国に招待され、VIPとして「熱烈歓迎」を受ける。
鼻高々で帰国したA氏は、以後、「何か中国に頼みたいことがあったら、自分に任せなさい、私には中国政府要人との太いパイプがあるから」、と触れ回る。実際にいくつか
そういう実績を上げると、A氏は中国とのコネをバックに出世していく。
A氏が実力者となると、今度は中国の方がいろいろ要求を出してくる。経済援助を増やして欲しい、とか、反台湾政策をとれ、等々である。A氏は自分の地位を守るためには、中国の意向に従わざるをえなくなる。
中国の友人より引用

記事:1
14日付の香港紙明報によると、中国河北省定州の農村で11日、発電所用地となる
土地の収用を拒んでいた農民数十人を、猟銃や刀剣を携えた二、三百人の集団が
襲撃、少なくとも農民6人が死亡、48人が負傷し入院した。
農民らは補償金が安すぎると譲渡を拒否、小屋を建てて土地にとどまっていたという。襲撃した集団は不明だが、この農民グループは4月にも棒などを持った二十数人の
不審なグループに襲われたことがあったという。
土地収用をめぐるトラブルが原因とみて地元当局が調査している。

住民を武装団が襲撃 土地収用巡り紛糾 中国・河北省
(2005年06月14日) 朝日新聞

記事:2
14日付の中国紙、新京報などによると、北京の南西約220キロにある河北省定州市でこのほど、発電所建設のための土地収用をめぐり、立ち退きを拒否する地元農民を数百人のグループが襲撃、村民ら7人が死亡し、48人が重軽傷を負った。
中国では各地で開発用地をめぐる住民と開発側のトラブルが起きているが、これだけの死傷者が出るのは異例。同紙によると、市の共産党委員会書記と市長が13日までに省当局から免職処分を受けた
同紙によると、衝突があったのは11日未明。立ち退きの費用を不服として建設予定地に穴を掘って立てこもった農民らを、北京市などで集められた出稼ぎ者らのグループが手製のやりなどで襲った。者を組織したのが誰かなどは明らかにしていない。
定州市当局者は共同通信に対し、事件の発生を認めた上で、当局内に特別対策チームを作ったことを明らかにした。しかし、死傷者の有無などは確認を拒否している。
(共同通信)

中国河北省で村民襲われ55人死傷 再開発巡るトラブル
(2005年06月15日) 産経新聞(下線は筆者)

上記のうち、朝日新聞は香港紙「明報」によるものであり、共同通信は中国紙「新京報」によるものである。私が、以前から指摘しているように、日本のメディアは、なぜか中国に関する報道は、現地紙か香港紙からの引用が多い。中国に不利な情報になると、
さらに際立つ。
映像を見た方ならお解かりであろうが、これは単に「土地を巡るトラブル」などではなく、権力者による農民の公然たる虐殺である。
※映像は「緊急!農民襲撃・瞬間映像」参照
ワシントンポストや共同通信の記事(下線部)を読めば、共産党幹部が貧しい民工を
組織して、同じく貧しい農民を襲撃させたのである。まるで、江戸時代の虐げられた
百姓が、さらに貧しい部落民と激しく敵対した構図を思い起こさせる。
このような重要な事件を、現地紙(朝日に至っては香港紙)を引用する形でしか報道できない。
これは、恐らく、文化大革命時に、朝日新聞を除く8社が特派員を追放されたことの後遺症であろう。産経新聞は、現在は特派員を置いていないので仕方がないが。
文革時の特派員追放とは以下のとおりである。

昭和40年に日中交換記者協定が実現し、朝日、毎日、読売、産経など9社が北京に
特派員を派遣した。翌41年11月、文化大革命が勃発すると、漢字の読める日本人記者団は壁新聞から情報を得て大活躍をした。中国政府はこれを「外国反動分子による
反中国宣伝」と非難し、日本人特派員を次々と追放し始めた。
たとえば、42年9月には、毎日や産経が毛沢東の顔写真代わりに似顔絵を使った事を理由に追放され、43年6月には日経の鮫島特派員がスパイ容疑で逮捕・拘留される、という具合である。こうして45年9月には、北京に残るのは、朝日の秋岡特派員だけになってしまった。
毎日、産経が追放された時、9社で抗議と追放理由の詳細な説明を求める共同声明を出そうということになったが、朝日新聞が脱退までちらつかせて強硬に反対した。

当時の朝日新聞社の広岡社長は、「中国文化大革命という歴史の証人として、わが社だけでも踏みとどまるべきである。そのためには向こうのデメリットな部分が多少あっても目をつぶって、メリットのある部分を書くこともやむを得ない」という趣旨の発言を
社内でもしていたと伝えられている。
中国の友人(下線は筆者)

まさに、中国のデメリットな部分には目をつむり、メリットな部分だけを報道すると云う
誓を立てることによって、朝日新聞だけが中国に残れたのである。このときの出来事が、日本のメディアのその後の報道姿勢に影響を与えていることは間違いない。
その後、朝日新聞は「中国の友人」になり、他の各紙(通信社を含む)も中国当局の
意向に配慮することを約束して中国に復帰する。しかし、産経新聞は再び特派員を派遣することはなかった。
中国に不利な情報になると、現地紙か香港紙からの引用が多いのは以上の事情に
よる。

その点ワシントンポストは、「住民らは地元の共産党幹部が襲撃を指示したとみていて、党の事務所を占拠し、中央政府に調査を求めている」(下線は筆者)と、現地から
情報を収集し、被害者が撮影した貴重な映像まで手に入れている。
まったく日本のメディアは何なんだ!と言いたい。

「中国の友人」になった朝日新聞は、その後、広岡社長(当時)自ら600万人が死んだ文化大革命を礼賛し、「文化大革命礼賛」記事を連載する。そして、「中国の旅」と題する「日本軍虐殺」捏造記事(著者は本多勝一氏)を計31回にわたって連載し、最終的に「南京大虐殺」の捏造に行き着く。

日本の「クオリティーペーパー」(笑)を自称する朝日新聞は、中国の代弁者であり、
靖国や歴史教科書や南京事件をご注進する忠犬なのである。それ以外の各紙
(通信社を含む)も、メディアとしての義務を放棄していると云わざるを得ない。
朝日新聞以外のメディアに言いたい。諸君にメディアとしての自覚があるのであれば、中国の以下の問題に関する特集を組むべきである。

①際限のない汚職
②権力の世襲と横暴
②地球規模の影響をもたらしている最悪の環境破壊
③破綻寸前の4大国有銀行の不良債権
④1億人に上ると云われる、劣悪な環境下で酷使される民工
⑤タダ同然で土地を取り上げられる4~5千万人とも云われる失地農民
⑥横行する人身売買
⑦想像を絶する偽造品の種類と数
⑧バブルを揺らす巨額の密貿易
⑨前時代的遺物とも云える裁判制度と死刑制度

以上、どれを取り上げても、日本国民及び全世界の人々にとって有用な記事になる。
なぜなら、10年後にGDPが日本を追い越すと信じられている国の隠蔽された実態が、
広く知られるキッカケになるからである。

(追記)
読者の方からご指摘がありました。
「産経新聞が現在中華人民共和国に特派員がいないとお書きですが、現在北京に
福島香織さんが滞在しております。署名記事も掲載しておりますよ」
1998年に、「新聞社全社が申し入れを行い産経の特派員受け入れが実現しました」ということです。
お詫びの上、訂正します。
ただ、産経新聞でさえ、現地紙を引用して記事を書かざるを得ない、という点に留意してほしい。

なお、今回の定州の事件に関しては、以下のblogが詳しい。
定州虐殺:誰が雇ったのか

参考記事1:中国の友人
参考記事2:4.1.1 朝日新聞報道年表

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コメント

いつも拝見しております。
今回の記事の中で事実誤認と思われるものがありましたのでお知らせいたします。
産経新聞が現在中華人民共和国に特派員がいないとお書きですが、現在北京に福島香織さんが滞在しております。署名記事も掲載しておりますよ。念の為に友人の産経記者に尋ねたところ、一時(1976)産経は追い出されましたが新聞社全社が申し入れを行い産経の特派員受け入れが実現しました(1998)。
ちなみにそのときの復活第一号記者が「本当の中国を知っていますか」を書いた山本秀也記者です。それと今回の農民襲撃の報道を率先して流したのが「新京報」です。いずれ社内から公安に見せしめの逮捕者が出るだろう。とのことですので、ニュースソースとしては賢明な方だと思います。それではこれからも健筆お願いします。敬具

投稿: arere | 2005/06/17 20:51

arereさん、初めまして。
ご指摘、ありがとうございます。
てっきり産経の特派員はいないと思い込んでいました。
そう云えば、福島香織記者の記事、何度か読んでおります。
思い込みは怖いですね。以後、気を付けます。

投稿: 坂 眞 | 2005/06/17 21:05

TBありがとうございます。
未だに日中記者交換協定の伝統が生きているんですかね。政治家もマスコミもびしっとして欲しいですね。
通州事件がマスコミに全く取り上げられないのも中国共産党の機嫌を損ねることはしたくないんでしょうね。
しかし、8月15日に小泉さんが靖国参拝したら中国では面白い事態が起きそうですね。中国政府が靖国参拝阻止になりふりかまわないのも納得できますね。

投稿: 青い炎 | 2005/06/17 23:12

こんばんは、坂眞さん。
先日は失礼な、コメントで申し訳ないです。
(ですが、度々の失言で誠に申し訳ないですが、宜しくお願いします。)

さて、誠実なマスコミの人権感覚はやはり違いますね。
私のような、似非人権者では、例え非礼な国の人民でも、暴力による殺害には憤慨の念を禁じえません。

それに対して、誠実な人権者は。

私のような似非人権者では、簡単に人権や差別と言う言葉で他人を責めたり、非難したり、守ることもできません(所詮は、私は似非人権者です。知らず、知らず、差別することはあるかもしれません。だからこそ、誠実な人権者のように、簡単に人を責めることはできません。似非が似非である由縁です)。

人がただ、生きようとするのを暴力で奪うのには、政治体制、人種等を問わず、その暴力者&指示者に対し、軽蔑いたします。

投稿: Mars | 2005/06/18 00:21

青い炎さん、こんにちわ。

>通州事件がマスコミに全く取り上げられないのも中国共産党の機嫌を損ねることはしたくないんでしょうね。

そのとおりだと思います。

>8月15日に小泉さんが靖国参拝したら中国では面白い事態が起きそうですね。

是非、そうなってほしい。

Marsさん、どうもです。

>先日は失礼な、コメントで申し訳ないです。

そんなことありません。気楽にコメントしてください。

>人がただ、生きようとするのを暴力で奪うのには、政治体制、人種等を問わず、その暴力者&指示者に対し、軽蔑いたします。

強く同意いたします。


投稿: 坂 眞 | 2005/06/18 12:22

始めまして、拙い英語を振り回して
BBCを叩きまくる喜多龍之介です。

コメントのリレーが続くところに
割り込むようで恐縮ですが、
本日はTBありがとうございました。
早速こちらからも送らせて頂きました。

こちらこそ、何卒宜しくお願い申し上げます。

投稿: 喜多龍之介 | 2005/06/18 16:24

喜多龍之介さん、ようこそ。

>拙い英語を振り回して

そんなことありません。
大変参考になりました。
今後とも、よろしくお願いします。

投稿: 坂 眞 | 2005/06/18 18:14

半島のお友達もお忘れなく。
民団、総連のページをみていると半島人が国会議員や県会議員などと頻繁に接触しています。

投稿: ななし | 2005/06/18 21:39

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