中国の侵略に反撃せよ!
(以下引用)
中川昭一経済産業相は14日午後、緊急記者会見し、帝国石油から申請のあった東シナ海のガス田の試掘権を許可することを正式に表明した。東シナ海でのエネルギー
権益確保への意思を、日本政府として明確にする狙いがある。ただ、中国側が強く
反発するのは必至で、エネルギー権益をめぐる日中の対立はさらに深まりそうだ。
試掘権を許可しても、実際に試掘を実施するかどうかは明確ではなく、政府と帝国石油は、中国との関係などを考慮しながら慎重に判断する。
東シナ海のガス田は、日本が主張する排他的経済水域(EEZ)の境界線(日中中間線)にまたがった海域の海底に埋蔵されており、これまで日中が政府間協議を進めて
きたものの、境界線は確定していない。
日中の対立が続く中、中国はガス田の開発を続けており、早ければ今夏にも生産が
可能になる見通しだ。日本は開発の中止と埋蔵量などのデータの提出を求めているが、中国側は応じない姿勢だ。
東シナ海ガス田の試掘権許可 経産省
(2005年7月14日 産経新聞)
ついに日本政府は、東シナ海のガス田試掘権を日本企業に許可した。
これに対し中国政府は直ぐさま反応した。
【北京=末続哲也】中国外務省の劉建超・副報道局長は14日の定例会見で、日本政府による帝国石油への東シナ海・天然ガス田の試掘権許可について、「中国の主権と権益を著しく損ない、東シナ海の情勢をさらに複雑化させるものだ」と非難した。
劉副局長は、「中日間に東シナ海の境界問題で争いがあるのは客観的な事実であり、話し合いを通じて穏当に解決するべきだ」と主張。さらに、「日本が東シナ海の安定や中日関係の大局のためにならない行動をとらないよう強く促したい」と述べ、試掘権許可の見直しや、帝国石油による実際の試掘を見送るよう求めた。
帝国石油への試掘権許可、中国外務省が非難
(2005年7月14日 読売新聞)
中国は、「話し合いを通じて穏当に解決するべきだ」と主張しながら、日本側が要求する「開発の即時中止と埋蔵量などのデータの提出」には頑として応じない。
そして、自らは着々と開発を進めている。「平湖」は既に生産を開始し、「春暁」は今秋にも生産が始まる(読売新聞)。
自分は実力行使をしながら、相手には話し合いを求める。何という傲慢な態度であろうか。これでは、相手をぶん殴っておいて、相手が反撃しようとすると、まあまあ話し合いで円満に、ということではないか。
ふざけるな!と云うしかない。
中国は、その一方において、武力で威嚇する。
【北京=末続哲也】中国の国営新華社通信は14日夕、中国が最近、最新鋭の海上
巡視船を導入し、巡視海域を、中国の沿岸海域から、中国が天然ガス田開発を進める東シナ海などに拡大したと伝えた。
日本政府が同日、帝国石油に対し、東シナ海の天然ガス田試掘権を許可したのを受けて、日本側をけん制する狙いもありそうだ。
中国が巡視海域拡大アピール、ガス田試掘許可けん制か
(2005年7月15日 読売新聞)
まったくもって、まともに話し合える相手ではない。
このような中国政府の態度に対して、日本政府の反応はどうか。
(以下引用)
中川昭一経済産業相は15日の閣議後会見で、経産省が東シナ海でのガス田の試掘権を帝国石油に付与したことに対し、中国側が「争いのある地域での試掘権設定は
中国の主権的権利に損害を与える」などと批判したことについて反論した。「(中国が
開発を続ける限り)日本にとっても(主権的権利の損害は)同じことだ。争いのある地域だと認めるなら、中国は誠意をもって話し合い、データ交換などをしていただきたい」と
不快感を示し、改めて中国側に関連情報の提供と開発の即時停止を求めた。
中川経産相は「争いのある海から友好の海にしていきたい。いいチャンスだと思う」とも述べ、日中共同開発も含めた協力の可能性を探る姿勢も示した。【宇田川恵】
ガス田開発:中川経産相、中国側の批判に反論
(2005年7月15日 毎日新聞)
中川経産相の発言は、なかなか原則的である。小泉内閣になって初めて中国に原則的な対応をするようになった。この姿勢を貫いてほしい。
経済産業省と帝国石油はガス田3ヶ所に、中国に対抗して名前まで付けている。
(以下引用)
経済産業省と帝国石油が今回試掘権を設定した東シナ海のガス田3カ所に対し、4月に日本名を付けていたことが明らかになった。中国に日本の権益を改めて強調する狙いとみられ、今後は公式文書などでも使う方針という。
中間線をまたぎ日中で地下構造がつながっている2カ所のうち、「春暁」は「白樺(しらかば)」と、「断橋」は「楠(くすのき)」と命名。全体が日本側にあり中国が「冷泉」と呼ぶガス田は「桔梗(ききょう)」と名付けた。
東シナ海ガス田に日本名、「桔梗・楠・白樺」
(2005年7月15日 朝日新聞)
なかなかやるではないか。絶対に引いてはならない。妥協してはならない。この問題で中国に屈することは、中国が宗主国で日本が属国になることを意味する。
経済産業省は、海上保安庁や防衛庁などと「作業船」の護衛についても検討する予定だという(読売新聞)。
以下に、読売新聞(7月15日朝刊)の今日の囲み記事を紹介する。
もし、今回の日中両国の立場が逆だったら、どういう展開になっているのだろうか。出遅れた中国が、試掘権を設定し、日本が境界は200カイリと主張したとすると、中国大陸のすぐ近くまでが日本の排他的経済水域となって、中国が春暁で開発することは許されない--。
こんな主張が国際的に通ると思う日本人は少数派だろう。経済産業省の決定は、主権国家として当然だ。日本が中国との摩擦を避けようとするあまり、長年先送りしてきた問題のツケを払ったともいえる。対等な立場で知恵を出し合い、問題を解決すべきときに来ている。
対等な立場で知恵出せ(実森)
以上の主張は極めて正論である。しかし中国が、対等な立場で知恵を出し合う立場に立たなかったときが問題である。
今回の事態は、韓国の違法操業漁船を巡る、海上保安庁と韓国の海洋警察庁が対立した事件とはレベルも桁も違う。絶対に妥協できない。
わたしは、イザというときは、海上自衛隊の出動もやむを得ないと考える。なぜなら明白なる侵略行為であり、自衛権を発動するのは当然であるからだ。
この問題は、日本の国益と日本の将来を左右する極めて重要な問題である。にもかかわらず、メディアの扱いもイマイチ弱い。みんなの力で世論を喚起しようではないか!
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コメント
坂さんのご意見、私は百パーセント支持致します。
海上保安庁や防衛庁との護衛協議も予定されているらしいですが、私は防衛庁に託すべきと考えます。
何しろ中国には、パラセル諸島とスプラトリー諸島での前科があります。
1974年に軍事的実効支配した西沙諸島(パラセル諸島)の例は言うに及ばず、88年~95年実効支配の南沙諸島(スプラトリー諸島)については、その強奪課程が「建物を強引に設置する」という既成事実の積み上げ等、東シナ海の現状にあまりにも酷似しております。
つまり、中国は最終的には軍事力でもって威嚇、あるいは実力を行使します。
脅しではありません。
その浅ましい手口はいつも同じです。
中国固有の島だの領海だのと突然発表し、同じ主張を何度も何度も繰り返す。
相手がガタガタし始めると、問題を棚上げしたまま自国に有利な条件での交渉を始める。
1992年、中国は南沙諸島・西沙諸島、東沙諸島・尖閣諸島そして台湾・黄海や東シナ海の大陸棚を中国領とする、実に身勝手な「領海法」を可決し、そんな一方的なものを根拠に覇権主義を推し進めています。
勿論、74年~80年代の中国の近隣諸国事情や国際的なパワーバランスは現在とは大きく異なっており、唯一の超大国が背後に見え隠れする日本に、そう簡単に手を出せないとの反論もあるでしょう。
しかし、私はこの問題と靖国問題・教科書問題は、特に日本独自で確実に解決して欲しいと思っているのです。
中国に対してだけではなく、広く国際社会に完全なる一独立国として認知される事を目指して・・・。
長文・乱文、大変失礼致しました。
投稿: mao | 2005/07/16 00:49
mao さん、おはようございます。
南沙諸島は、明の時代に鄭和将軍が南海遠征のときに立ち寄ったというのが、中国が領有権を主張する根拠です。
なんとういう無茶苦茶な論理。
中国が南沙諸島を強行占領したのは、アキノ政権時代に、米軍の極東最大のクラーク空軍基地と海軍のスービック基地を閉鎖したことに尽きます。
平和や中立も結構ですが、パワーバランスを考えない外交は、こうして国益を損ねるのです。
今ではフィリピンは、自国が主張していた海域で、中国との共同開発に追い込まれています。
反面教師にすべきですね。
余談ですが、鄭和将軍は日本人とのハーフで、清に対して台湾で抵抗し、徳川幕府に支援を求めたというエピソードがあります
投稿: 坂 眞 | 2005/07/16 10:36
中国が事あるごとに外交部報道官に発表させるのは、日本以外の海外への発信であると思っております。ガス田に関しても、やはり中国側の主張を垂れ流されていたように思えます。やっと官房長官が「中国側の主張は受け入れられない」と言いましたが、発言だけでは少々弱い気がいたします。中国は原潜を出したりしていますから、試掘に際して、日本もやはり海保よりは自衛隊を出すべきでしょう。政府の発言の裏づけとして、日本は引かないという態度をはっきりさせるべきだと自分も考えます。
投稿: チラシ | 2005/07/18 02:36
チラシさん、ようこそ。
>試掘に際して、日本もやはり海保よりは自衛隊を出すべきでしょう。政府の発言の裏づけとして、日本は引かないという態度をはっきりさせるべきだと自分も考えます。
まったく同感です。
投稿: 坂 眞 | 2005/07/18 15:54