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2005/07/17

中国の醜悪な石油戦略

ワシントン・ポストが、中国の石油戦略に関する興味深い記事を載せている。
Big Shift in China's Oil Policy
(The Washington Post)By Peter S. Goodman, Page D01, July 13, 2005

ただ、私の英語力では、正確に訳し終えるに膨大な時間がかかるので、大紀元時報の訳文を参考にしながら記事を進めたい。
(英語の得意な方は原文を読んでみて下さい)

(以下引用)
ワシントン・ポスト紙13日付け記事「中国の石油戦略の大転換」は、中国が石油ルート確保を急ぐ原因として、次のように指摘している。

第一に、イラクの豊富な石油資源を開発しようという中国の試みが、イラク戦争により
実現困難になったことである。国連による経済制裁で、世界のイラクに対する石油開発投資は長い間凍結されていたが、それに対して北京政府は大きな反対の声を上げて
いた。イラク戦争の勃発により、中東、特にイラクに対して最大の影響力を持つ国はアメリカとなったが、中東での石油覇権争いにおいて中国はアメリカと対決する気はなく、
ターゲットをその他の地域へシフトしていると専門家たちは分析する。

第二として、中国では経済成長とともに、工場、オフィスビル、集合住宅及び自動車の数量が驚異的なスピードで増加しており、エネルギー需要が急速に上昇しているということが挙げられる。中国政府の推計によると、中国での年間原油需要量は2020年前までに6億トンに上る見込みで、その量は世界の石油生産量の三倍になる
急速に成長する経済を維持するために、莫大なエネルギーを必要としているのである。

※この  線部分は誤訳と思われる。中国の年間石油消費量は約2.6億トン(2003年)で、世界の年間生産量は約37億トン(2003年)。
したがって、「6億トンにのぼる見込みで、今の石油需要の三倍弱になる」のが事実で
ある※
(筆者)

第三の要素として、もし台湾海峡で戦争が始まれば、アメリカが必ず海上の石油補給ルートを封鎖するであろうと、北京の高官たちが予想していることである。米ユノカル社は、東南アジアのミャンマーに天然ガス田を保有しており、陸路の燃料輸送パイプラインで直接中国本土に輸送することができるのである

ワシントン・ポスト紙によると、中国は2003年ごろから積極的に石油資源獲得に乗り
出した。中国石油天然気集団公司(CNPC)は、海外にある石油産出プラントを精力的に買収し、ペルー、チュニジア、アゼルバイジャン、モーリタニアなどを含む12カ国と、20件の契約を結んでいる。また胡錦涛主席は去年の末、石油開発に向けてアルゼンチンに5億ドルの投資をすると述べている。

海外における各国のエネルギー獲得競争が展開する中で、中国が異色なのは、
安全上の問題や政治的な問題を抱え、経済制裁を受けていたり、国際的に評判のよくない国だったり、つまり西洋の石油会社が接触できないような国々にも
躊躇することなくアプローチしていることである

例えば、首都ダフールで集団虐殺があり、アメリカから強い非難を浴びているアフリカのスーダンが擁する合併石油会社の最大株主はCNPCである。また、中国はイランと700億ドル相当の石油・ガス購入契約を結び、テヘランを孤立させることにより同国の核兵器製造を阻止しようとするアメリカやヨーロッパの試みを実現困難にしているという現状がある。

中国政府のエネルギー顧問を務めているというある人物は、匿名を条件にワシントン・ポスト紙のインタビューに応じた。「世界で除け者にされている国の石油だろうが、友好国の石油だろうが、関係ない。人権だって?私たちには、関係ない。私たちには
石油が問題なだけだ
。イランが核兵器を持とうが持つまいが、私たちが口出しすることじゃない。アメリカは気にするかもしれないが、イランはわが国の近隣国ではない。誰であれ中国にエネルギーを供給してくれる国は、わが国にとって友好国だ」と話していた。

ワシントン・ポスト紙:中国の石油戦略
(7月16日 大紀元日本)

以上の記事から、なりふり構わず資源確保に走る中国の醜悪な姿がよく分かる。東シナ海のガス田強奪や南沙諸島を強行占領し、フィリピンとの共同開発に強引に持ち込んだのもそうである。
明の時代に、鄭和将軍が南海遠征のときに立ち寄ったというのが、中国が南沙諸島の領有権を主張する根拠である。なんとういう無茶苦茶な論理。
中国が南沙諸島を強行占領したのは、アキノ政権時代に、フィリピンが米軍の極東最大のクラーク空軍基地と海軍のスービック基地を閉鎖したことに尽きる。地域の平和や中立も結構だが、パワーバランスを考えない外交は、こうして国益を損ねる。
東シナ海のガス田も、沖縄のすぐ手前までが自国の排他的経済水域(EEZ)だという
理不尽極まりない主張が根拠である。やはり日本は日米同盟をより堅固にし、中国に対する壁にしなければならない。

上記記事によると、中国政府は、中国での年間原油需要量は2020年前までに6億トンに上る見込みで、その量は、今の石油需要の三倍になると推計している。
胡錦濤・温家宝体制の目標は、国民がある程度の豊かさを実感できる全面的な「小康社会」の実現である、という。そのために、2020年のGDP(国内総生産)を2000年の4倍にする目標が設定されている。しかし、これは年率7%以上の成長を持続して初めて
可能になる。(中国は間違いなく崩壊する参照)
その前提になる今の石油需要の三倍にもなる石油をどうやって確保するのか?中国は、既に米国についで世界第二位の石油輸入国である。水資源は?鉱物資源は?
食料は?環境問題は?
まさに、私が「石油をガブ飲みする中国の末路」で指摘した「中国の高度成長自体が
中国の首を絞めているという構図」なのである。

中国海洋石油有限公司(CNOOC)が乗り出している米ユノカル社の買収については、米議会が猛烈に反発している。ユノカル社買収を阻止するように求める動議も議会を
通過しており、予断を許さない。
米政府は、ユノカル社買収を阻止することと、中国を、米国が「悪の枢軸」とするイランや、かつて「ならず者国家」に指定していたスーダンなどの側に追いやることの損得を
勘定しているという。
しかし、米政府も、「世界で除け者にされている国の石油だろうが、友好国の石油だろうが、関係ない。人権だって?私たちには、関係ない。私たちには石油が問題なだけだ」という中国の本音が確認できれば、やはり強硬な姿勢を示さざるを得ないだろう。

我が国も、中国のなりふり構わぬ姿を冷静に受け止め、東シナ海や尖閣列島の問題に毅然とした態度で臨まなければならない。東シナ海のガス田問題では、絶対に妥協するべきではない。ここで妥協すれば、次は尖閣列島になる。

関連記事:石油をガブ飲みする中国の末路

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中国(政治)」カテゴリの記事

コメント

冒頭の批判にドキッとしながら、TBもコメントもいただいていたのでホッとしました。
まだまだブログ諸先輩には敵いませんが、少しでも良い文章が書けるよう努力したいと思います。
では。

投稿: K | 2005/07/17 01:47

>都ダフールで集団虐殺があり、アメリカから強い非難を浴びているアフリカのスーダンが擁する合併石油会社の最大株主はCNPCである

この集団虐殺については、昨日かおとといのNHKで特集されていましたね。
それは惨いものでした。
国連で問題にされたようですが、中国が拒否権を使って潰してしまいました。無残に殺されていく人を助ける事ができるのに、中国はそんな事には興味が無いのでしょう。人の命より石油なんですね。
スーダンにある中国語で書かれた石油会社の大きな文字が印象に残っています。
白い猫でも黒い猫でも鼠を取る猫が良い猫だ、とは誰の言葉でしたか。
遠いアフリカでの出来事が急に身近に感じられ怖くなりました。

投稿: くらりす | 2005/07/17 02:38

一読者ですが、政治/ニュース系のブログを見ながらも、あそこのブログはバラエティだとか、あっちのブログは報道だとか判断はしていますし、ここは至極まともなブログだと思って見に来ています。ランキングは人気度を表す数値ですが、所詮は数字です。歯痒い想いがあるのかもしれませんが、気にしないで欲しい。読者の目は肥えていますよ、真贋なんざ見抜いています(笑)。他のブログ批判はみっともないから止めてください、格が下がる(キッパリ)。これからも王道を行く記事を期待しております。不躾なコメントすみません。

投稿: ιょぅ | 2005/07/17 10:02

毎日のエントリーご苦労様です。
>2020年前までに6億トンに上る見込みで、その量は世界の石油生産量の三倍になる

6億トンは約1000万バーレル/日、世界の石油生産量は約3000万バーレル/日。
三倍ではなく1/3では。

投稿: とおりすがり | 2005/07/17 11:08

石油消費量の件ですが、中国は2003年に1日あたり石油を539万トン消費しているので、すでに年間20億トン消費してることになります。
↓ソース
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2003&d=1116&f=business_1116_002.shtml

2020年に世界の石油生産量の三倍になるという見解は間違いではない気がします。

投稿: ふわゆう | 2005/07/17 17:46

連続ですいません。
石油の消費量について色々調べてみたんですが、別の資料では2003年における中国の石油需要量は600万バレル/日となっていましたので、上記URL先の記事が間違っているのかもしれません。
混乱させてしまい申し訳ありません。

投稿: ふわゆう | 2005/07/17 18:32

Kさん、こんにちわ。
ドキッとさせて申し訳ありません。ひどいブログは、ごく一部です。

くらりすさん、初めまして。
>無残に殺されていく人を助ける事ができるのに、中国はそんな事には興味が無いのでしょう。人の命より石油なんですね。

「人の命は紙よりも軽い」とされる国ですからね。
おそらく人権の「概念」すら理解できていないのではないでしょうか。
怖い国です。

ιょぅ さん、ようこそです。
>他のブログ批判はみっともないから止めてください、格が下がる(キッパリ)。
>これからも王道を行く記事を期待しております。

ちょっと冷静さを欠いていたようです。余りにひどい記事を連発するブログだったので。
でも、子供じみていました。反省。
該当箇所、削除しました。
これからも王道を行きます。

とおりすがり さん、ご指摘ありがとうございます。
調べてみると、中国の石油消費量は年間、約2.6億トン(2003年)。
世界の生産量は年間約37億トン(2003年)。一日の石油生産量は7400万~7500万バレルです。約1000万トンです。
したがって、この記事における3倍は、現在の中国の消費量に対してだと思います。

ふわゆうさん、初めまして。
色々ありがとうございました。
今後ともよろしく。

投稿: 坂 眞 | 2005/07/18 15:30

国民の生命と領土を守ってこその国家であるのに、この国の外交はなにをしてきたんだろう。あわてて試掘を許可してもかなり遅いな。数十年前から試掘許可の要求はあったはずなのに...害務省だな。

投稿: worldwalker | 2005/07/19 03:33

worldwalkerさん、どうもです。
この国の政治には理念というものがありませんでした。
ただ経済が成長すればよい、国民の生活が向上すればよい、外交はアメリカに追随すればよい。
一方において、その裏返しの親中国派が存在する。
国益とか、独立国としての矜持とは無縁の国だったと思います。

投稿: 坂 眞 | 2005/07/19 09:31

いつも興味深く読ませていただいております。不肖ながら、TBさせていただきました。
国家戦略達成のためには確かに、人権問題が軽視もしくは無視されてしまうことはやむを得ないかと存じております。しかしながら、中国のやり方はただ単に自己中心的で非道としか感じられません。他国の人権などどうでもいいのだから日本の拉致問題などどうでもいい、と中国の民も考えているのでしょうね。

投稿: vollleben | 2005/07/20 21:30

volllebenさん、おはようございます。
>他国の人権などどうでもいいのだから日本の拉致問題などどうでもいい、と中国の民も考えているのでしょうね。

そもそも人権というものが理解できない国ですからね。
「人の命は紙よりも軽い」
法輪功やチベットに対する残酷極まりない仕打ち。
近代社会の常識とは無縁の国です。

投稿: 坂 眞 | 2005/07/21 11:00

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