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2005/07/10

石油をガブ飲みする中国の末路

【グレンイーグルズ=吉田憲司】6日開幕した主要国首脳会議(サミット)の経済討議では、世界経済の足かせになっている原油高騰に対する「危機感」を共有した。会議では中国やインドなどの原油需要の増大を懸念する声が相次ぎ、省エネ対策や代替エネルギー開発が必要との認識で一致した。ただ、高成長を続ける中国などの新興市場国の旺盛な原油需要を抑制する戦略は打ち出せず、原油価格の高騰に歯止めがかかる
兆しは見えない。

7日のニューヨークの原油先物相場は時間外取引で一時1バレル=62.10ドルをつけ、最高値を更新。これに先立つ7日の東京市場も中東産ドバイ原油が同55ドルと最高値を記録した。経済討議では、世界経済は回復軌道にあるものの、こうした原油価格の
高騰が世界経済への影響を懸念する声が相次いだ。
(中略)
その一方で中国やインドなどの原油需要は加速度的に拡大。とりわけ9%台の高成長が続く中国は、昨年一年間で原油需要が15%超も伸びた。こうした世界の原油情勢を見透かした投機筋の資金が原油市場に投入され、原油価格をさらに押し上げるという悪循環に陥っている。

中国はエネルギー効率が悪く、「日本と同じ石油製品を作るのに5倍の石油を使う」
(日本総研の岡田哲郎主任研究員)という。

原油消費量と温室効果ガスの排出量はほぼ比例しており、経済討議でも「中国とインドは世界経済、地球温暖化の双方に関係がある」と「中国・インドリスク」を懸念する声が出た。
(後略)
グレンイーグルズ・サミット 原油高騰に危機感 中国など需要抑制戦略は不調
(2005年7月8日 産経新聞)

(以下引用)
最近の石油市場動向の中で確定要因の一つは、中国の石油需要は多かれ少なかれ伸び続けるということである。中国は2003年日本を追い越し、世界第二の石油消費国になった。国際エネルギー機関(IEA)の月次市場報告(2005年1月号)によれば、
昨年の石油消費実勢見込みは640万B/Dで、一昨年の550万B/Dを16%上回った。
また、今年はさらに30万B/D増の670万B/Dが見込まれている。

さらに、IEAは中長期的には、2020年の石油需要は基準ケースで1,060万B/D、2030年には1,330万B/Dに増加するとみている。これは年率で3.4%の伸びを意味する。中国の国内石油生産は既に減衰に向かっており、現行の340万B/Dから、220万B/D程に
減少することが確実なことから、需要増は輸入増によって賄われなければならない。
その結果、石油輸入量は現在の200万B/D強の規模から2015年には600万B/D以上に増加することが必至である。

中国の石油消費に関しては、総消費規模と一人当りの消費量に言及されることが
多い。米国人一人当りの石油消費量は約4,100リットル/年であるが、中国のそれは約300リットルである。こうした一人当りの消費量が今後さらに伸びるとするならば、
中国全体の石油消費量はさらに爆発的に増加の一途を辿ることが危惧される。

中国の石油需要はどこまで伸び続けるのか
注:B/D→Barrels Per Day

上記の二つの記事から色んなことが解る。

①中国の石油消費が世界経済の足かせになりつつあること
②中国の高度成長がこのまま続けば、深刻な石油危機を招きかねないこと
③中国の急速な石油消費の拡大が、地球温暖化を促進していること
④東シナ海や南沙諸島に見られるような、強引なエネルギー開発(確保)を今後とも
続けなければならないこと
⑤「日本と同じ石油製品を作るのに5倍の石油を使う」という超非効率な生産体制は、国有企業の赤字を益々深刻化させること
⑥その結果、人民元切り上げの前提になる国有銀行の不良債権問題の解決が、絵に描いた餅になりかねないこと

(以下引用)
ところで、中国の一次エネルギー供給の構成(2003年)は、石炭68%、石油23%、
水力5%、ガス3%、原子力1%というものである。主要エネルギー消費国の中では、
石炭の割合が大きいことが特徴である。石炭は基本的に輸出ポジションであるが、
近年石炭産業は過熱している。生産も増えているが、国内需要も強く、昨年に引き続き今後内需の強さが輸出に影響を及ぼす事態が考えられる。
石炭産業の過熱がもたらす負の側面は、炭坑事故の多発と沿岸部における大気汚染である。2003年における炭坑事故における死者は、世界の80%が中国であった。
また、石炭生産量100万トン当たりの死者数は、米国が0.30人、南アフリカが0.86人のオーダーであるのに対し、中国は3.71人であった。
大気汚染も深刻な問題である。

前出:中国の石油需要はどこまで伸び続けるのか

中国では、都市人口の7割が大気汚染にさらされているとされる。そして事故と事故死者の多発である。
発展途上国である中国は、現在のところ「京都議定書」で規定にされた温室効果ガスの排出削減と規制の義務を免れている。しかし、2006年からは、発展途上国も2012年以降の目標に関する協議に加わる。
最大の発展途上国で、世界第二位の石油消費国である中国は、温室効果ガスの排出量も世界第二位である。果たして対応できるのか。

以上から見えてくるのは、中国の高度成長自体が中国の首を絞めているという構図である。
中国は崩壊しないと云う人がいる。その論拠として、リスクに敏感な米国企業が依然として中国に設備投資していることを上げる。しかし、それは経済と米国を知らない人の云うことである。
企業は短期利益を基準に動く。特に米国企業は4半期(3ヶ月)ごとの利益を重視する。2008年くらいまでは大丈夫といわれる中国に、米国企業が進出してもおかしくはない。今までも、キューバ革命の直前まで、イラン革命の直前まで米国企業はキューバやイランに投資していた。
米国は、いざとなれば親米政権だって作る。チリのアジェンデ社会主義政権が米系資本を国有化したとき、CIAが画策して軍事クーデターを起こさせたのは有名な話である。それに、体制が崩壊したからといって、中国そのものがなくなるわけではない。

米国政府は既に手を打ち始めている。
米国は中国に、人民元の切り上げを、今年の10月までという期限付きで要求している。この人民元切り上げは、表向きは、巨額の対中貿易赤字を改善するというのが理由である。しかし、この理由は、身内のアラン・グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長さえ「効果がない」と指摘している。
また、人民元が米ドルに固定されていることがマネーサプライの過剰(注-1)を招き、中国経済の過熱(バブル)の一因になっている(だから人民元を切り上げるべき)という主張も、米国の強硬姿勢の理由としてはイマイチ弱い。
米国の本音は何か?

①軍事力と経済力を兼ね備えた「超大国」の出現を抑制する
②中国に進出している米国企業のリスクを小さくする

以上の二点であろう。

実際、米国議会が主張する人民元と米ドルの40%の格差が是正されれば、米国企業の中国に対する投資リスクはかなり削減されることになる。米国の国益を守る姿勢は、
日本の比ではないのだ。

(参考資料)
京都議定書発効、中国に突きつけられた環境課題
「チャイナ・リスク」の拡大は東アジア経済へ何をもたらす?
人民元切り上げ問題がはらむ中国リスク
人民元改革:谷垣財務相「人民元の早期切り上げ、必要」
高まる元切り上げ圧力、対応迫られる中国

石油をガブ飲みし、深刻な環境破壊を引き起こしながら前途多難な旅を続ける中国。
日本は、この国との付き合い方を、もっと真剣に考えるべきである。

(注-1):マネーサプライの過剰
「マネーサプライ=通貨供給量」が過剰になること。人民元を米ドルに固定するため、
中国は米ドルを買い支えなければならない。その分、人民元が市場に放出されマネーサプライが過剰になる。マネーサプライの過剰は過剰流動性を生み出しバブルにつながる。

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コメント

 シナのなりふり構わないエネルギー確保が、世界に火種をもたらすことは、火をみるよりも・・・ですね。
 そのことによって中共政府は崩壊するかもしれませんし、それとも環境破壊が内部からの崩壊をもたらすかもしれませんね。いずれにせよ。世界は大迷惑です。
 「環境を改善して欲しかったら省エネ技術を提供しろ」と居直りをどっかでやりそうで、憂鬱ではあります。


投稿: くえひこ | 2005/07/11 00:35

くえひこ さん、こんにちわ。

>シナのなりふり構わないエネルギー確保が、世界に火種をもたらすことは、火をみるよりも・・・ですね。

そのとおりです。
ただ、崩壊の原因になるのは四大国有銀行の巨額の不良債権問題だと思います。
そして引き金は人民元の切り上げ。
私は中国の現体制の崩壊を確信しています。

投稿: 坂 眞 | 2005/07/11 14:57

中国の崩壊を楽しみにしながら、毎日色々調査している者です。

数日前に中国の共産党崩壊を念頭に置いたWEBサイトの掲示板に面白いものがありました。「絶対に中国は崩壊しない、だがXXXでは性懲りもなく中国崩壊を唱えている」と・・。

で、そのXXXがこのブログの事を指していた訳です。僕は掲示板に書き込んだ人の見識を一部ですが疑いました。未来永劫崩壊しない国家など人類史上有り得ないからです。

僕は、以前よりこちらの記事を拝読していますが、中国崩壊だけは右に同じであるし、崩壊の引き金が多すぎて分析するには難儀します。こちらでは、国有銀行関連が言われていますが、同時進行で様々な現象が起きているのも事実です。

何にせよ北京オリンピックまで持たない中国と言うのが僕の見解ですが、もしも持ったとしてもオリンピック直後に、大変な自体が起きると思えて成りません。

長々書いても仕方ありませんが、間違いなく崩壊する国家「中国共産党政権がしがみ付く中華人民共和国」です。

投稿: 西郷 | 2006/11/12 07:55

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はい来ました、という感じかな、これも。 シベリア油送管は中国優先 日本向けは新規開発が前提 http://www.sankei.co.jp/news/050709/kok038.htm  露大統領:東シベリアの石油パイプライン、中国ルート優先 http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20050709k0000e030043000c.html 一兆円出しますよ、というのは日本のあがきだったんだろうと思う。まあ今の中ロ関係を... [続きを読む]

受信: 2005/07/11 19:51

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