逃げるな!岡田代表
民主党が自民党に、1対1の公開党首討論を申し入れた。言い出しっぺは小沢一郎
副代表で、「パフォーマンスで小泉首相と競っても無理。堂々と政策論争を挑めばいい」というのが理由だった。
民主党の狙いは以下のとおり。
「郵政選挙」の性格を薄めたい民主党としては、「二大政党」による党首討論で「政権選択選挙」をアピール。同時に、広範な政策をめぐる討論の舞台をつくることで「誠実な人柄の岡田氏」(幹部)と首相との“違い”を
浮かび上がらせる戦略があった。
「首相が応じなくても、議論を拒否したマイナスイメージを国民に与える
ことができる」(幹部)との計算も働いた。
(2005年 8月26日 産経新聞)
これに対して小泉首相は次のように述べた。
首相は同日、首相官邸で記者団に「政党は民主党だけじゃない。他の党に失礼でしょ」と述べるとともに「野党は自分たちだけだと際立たせたい選挙戦術の一環でしょう。(討論は)国会でもテレビ討論でもいつもしている」と反論した。
(2005年8月26日 日経新聞)
小沢副代表は、小泉首相が党首討論を拒否するのは「小泉なにがしは中身がないからだ」といった主旨のことをTVでしゃべっていた。
岡田克也代表も、「受けないのは説明する自信がないからだ。都合の良いことだけ言って進める政治のやり方は絶対に許せない」(2005年8月26日 日経新聞)と強調している。
果たしてそうだろうか?
確かに小泉首相は、「ワンフレーズ・ポリティクス」といわれるように、話が断片的で説明が足りない。しかし、小泉首相のトークは迫力がある。切り返しがうまいし、論点をすり替えるのも巧みだ。
その点、「原理主義者」と言われる岡田氏は理論家で理路整然としゃべるが、ボソボソといった感じで迫力に欠ける。真面目な分だけ融通が利かず、小泉首相の論点のすり替えについていけない。
公開討論は、どちらにプラスするか分からないのではないか。
むしろ、民主党の狙いは、拒否されることを前提としたものではなかったか。つまり
「首相が応じなくても、議論を拒否したマイナスイメージを国民に与えることができる」という戦略だ。
それ以外に、他の野党との関係もある。共産党は、「今、たしかな野党が必要です」をキャッチフレーズにし、「民主党は憲法でも消費税でも米軍基地問題でも介護保険でも自民、公明党と同じ立場です」(日本共産党・市田書記局長)と主張している。
もし、与野党各党首による公開討論会になったら、志位和夫共産党委員長が民主党を攻めるのは間違いない。野党間の違いを際立たせ、「共産党が唯一の野党である」ことを有権者にアッピールした方が効果があるからだ。
自民党支持票が共産党に流れる可能性は低いが、民主党支持票が共産党に流れる確率はかなりある。したがって、共産党にとっては、自民党よりも民主党の方が主たる敵なのだ。
志位委員長は、論破合戦になる左翼の討論を経験しているだけに、討論に関しては
他党首の追随を許さない。おそらく岡田代表では、志位委員長に太刀打ちできない。
共産党の志位和夫委員長は、自民党と民主党の1対1の党首討論について「2党だけでやるというのは民主主義の考えから言って受け入れられない」
(2005年 8月28日 時事通信)
と反対している。いっそ、与野党各党首による公開討論会を提案したらどうか、岡田
代表殿。そのときは、共産党の次のような批判にどう反論するか、真剣に考えておいた方がよい。
小泉純一郎首相の郵政民営化政策を終始応援してきたのは民主党議員だった――郵政民営化政策に対し民主党の対応が右往左往していますが、その背景の一つに民主党の有力議員が首相の郵政民営化構想に終始応援団の役目を買ってでていた事情があります。
小泉氏は1998年の自民党総裁選に出馬し、郵政民営化を訴えましたが三位で敗北しました。その後99年5月に自ら会長になって超党派の郵政民営化研究会を旗揚げ。「(郵政三事業の)民営化へ向けての具体的なプランを立案し、国民に積極的に働きかけていきたい」(趣意書)としていました。同年11月7日には「私たちが提起する郵政事業改革」を提言しています。
郵政民営化研究会の加入メンバーは2001年6月現在で28人。自民党
5人にたいして民主党からは19人が参加。事務局長を松沢成文民主党衆院議員(当時、現神奈川県知事)がつとめ、民主党議員が小泉氏を
担ぎ上げて郵政民営化を推進するかっこうでした。郵政民営化研究会に参加したメンバーの多くは現在、民主党執行部の主要ポストについています。(別項)
郵政問題担当の民主党の責任者である五十嵐文彦・「次の内閣」総務大臣、前原誠司・同防衛庁長官、鮫島宗明・同農林水産大臣、古川元久政調会長代理らが加わっていました。
郵政民営化構想を応援団として推進しながら、今回の政府の「郵政民営化法案」に反対。他方、マニフェスト(政権公約)では郵貯・簡保の縮小という形で民営化の方向をにじませる。わかりにくい民主党の郵政民営化問題への対応です。
もともと岡田代表は郵政民営化賛成の立場を表明していました。
総選挙向けに「二大政党対決」をつくり出そうとして法案に反対したものの、民営化賛成の本音とのつじつま合わせに苦労している背景がみえてきます。小泉首相の郵政民営化 民主議員が終始応援
(2005年8月25日「しんぶん赤旗」)(太字は筆者)
以上の内容で追求されたら、どう答える、岡田代表!小泉首相が逃げているのではなく、あなたの方が逃げているのではないか。
私は、あなたが「郵政民営化」にイチバン熱心だったと聴いていますが、いかがですか?
それから、あなたの不肖のアニキが相変わらずバカやってますなあ・・・
民主党の小沢一郎副代表が反小泉勢力の結集に向け、2新党や参院自民党の反対派との連携を模索している。衆院選で与党、民主党のいずれも過半数を獲得できなかった場合をにらんだ布石だ。
ただ、小沢氏が期待した自民分裂は小規模に終わり、仕掛けは不発
気味。選挙後の巻き返しをうかがう。
(2005年8月25日 日経新聞)
こんなバカとは早く手を切ったほうが良いですよ。
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2:郵政解散:屋山太郎氏の正論
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コメント
こんにちは(^_^)。
「岡田氏は理論家で理路整然としゃべる」ってところは、違和感ありますね(笑)。実際に聞いているとけっこう支離滅裂な印象受けます。行き当たりばったりというか。
投稿: フロレスタン | 2005/08/28 16:54
私も民主党の言っている郵貯、簡保の縮小の真意が分かりかねます。本音はすっきり民営化賛成なんじゃないでしょうか。
投稿: ミュウツウ | 2005/08/28 18:19
こんばんは
私は首相に求められるのは法学・経済の優れた能力ではなく、企画力と決断力(パフォーマンスも)だと思います。会社で例えれば、社長が会社(日本)の行く末を判断し方向(大まかな法案)を定める。出された方向を優秀なブレーン(今回は竹中さんが中心)が細部をまとめ、検討する。社長が最終判断を下し実行する。もし失敗に終れば責任の所在がハッキリしますし、旨くいけば株価が上がります。
民主党は党首が理論家で、ブレーンが皆違う方向を見ている事が解りますし、政権を取ったとしても何も変える事は出来ない。ウヤムヤ連合の日本新党と同レベルです。
投稿: NZ life | 2005/08/28 19:07
他のブログに、小泉さんはリーダー型で岡田さんは参謀型、と書いてありました。その通りだと思います。今回、岡田さんは油断していましたね。本来なら自民党と協議して郵政民営化法案を可決させるべきだったのが、旧社会党のように安易に反対のための反対をしてしまった。その機を逃さず、小泉さんに総選挙に持ち込まれてしまった。まあ、岡田さんは外交政策がひどいので、あまり同情しませんが。あと、小沢一郎という人は、相変わらず策ばかり弄している感じですね。
投稿: masa | 2005/08/28 21:23
こんばんは。コメント有り難うございました。やはり皆さん岡田の評価は低いようですね。誰が見ても首相の器ではないのは明らかです。局アナにすら突っ込まれて返答に躊躇するくらいですからね。しかし小沢一郎は何を考えているのでしょうか?本来なら党一丸となって選挙戦を戦うべきなのに彼は単独で反小泉を謳いとても民主党員には見えないです。彼は本ブログで右派とありましたが、私はどちらかと言えばリベラルで都合良く左派右派と連携するように見えます。現に共産主義者の田中康夫と組むくらいですから・・・(前からですが)。彼は何者なのでしょうか?
投稿: サカエイ | 2005/08/28 22:25
やっと選挙が面白くなってきましたね。投票率が上がれば組織票の負けになるのでは。創価学会=公明党の影が薄くなることを期待します。それも狙っているとすれば小泉総理はすごい。民主党は韓国・北朝鮮籍等の外国人も党員資格を持つから岡田党首もその民族の意向を無視できないでしょう。電話で北朝鮮籍もいるのか、外国人が何人なのか訊いたら個人情報なので教えられないと言われました。政党助成金は国民の税金ですよ。民主党に外国籍の党員がいることを知らない国民が殆どなのではないでしょうか。こんな党が日本の国益をまもれるのでしょうか。
投稿: miriam | 2005/08/28 23:09
「拓レポート」(山崎拓氏発行)なるものがあるらしい。「拓レポート」で検索すると出てくるのだが、
「財投残高は330兆円、うち100兆円近くが不良債権化している」といっているそうだ。
一説には、200兆円に迫るという、目が点になりそうな論もある。
この問題は郵政民営化しようがしまいが、付いて回ります。
結局、大蔵省(財務省)に貸している形なので運用先でどうなっていても、税金(国債?)で返されるといった話のようです。
国鉄の場合、税金肩代わりは27兆円でしたっけか?(利子で増えているかな)
隠れ借金が表に出てくるのはいいことではあるが、しかし、単純に足すと、127兆円・・・・。
投稿: 岩手の田舎人 | 2005/08/29 00:47
フロレスタンさん、どうもです。
岡田代表は独り語りさせると、けっこう理論派です。
ただ、頭が固いから、討論になると臨機応変に対応できない。
だから、支離滅裂、行き当たりばったりな印象を受けるのです。
ミュウツウさん、初めまして。
「民主党の言っている郵貯、簡保の縮小の真意が分かりかねます」は同感です。
苦し紛れという感じがありあり・・・
NZ lifeさんどうもです。
>民主党は党首が理論家で、ブレーンが皆違う方向を見ている事が解りますし、政権を取ったとしても何も変える事は出来ない。ウヤムヤ連合の日本新党と同レベルです。
日本新党よりは多少まともな気がしますが(爆笑)でも同じかなレベルは
「ブレーンが皆違う方向を見ている」というか、右から左まで、改革派から守旧派までゴチャゴチャですね。
自民党も似たところがありますが、小泉首相という強烈なリーダーシップで救われています。
小泉断固支持!
masaさん、どうもです。
>旧社会党のように安易に反対のための反対をしてしまった。その機を逃さず、小泉さんに総選挙に持ち込まれてしまった。
これは、小沢の影響だと思います。
何がなんでも政局化する。
そして自民党を分裂させる→政界再編→小沢の出番
しかし、選挙で民主党有利と踏んでいたのに、小泉首相の「俺は殺されてもいいんだ」という気迫に圧倒されてしまいましたね。
サカエイさん、まいどです。
>彼は本ブログで右派とありましたが、私はどちらかと言えばリベラルで都合良く左派右派と連携するように見えます。
右派というか改革派であることは事実です。
が、その前に破壊屋であり、策謀家です。
策を練るのは得意ですが、その先の展望がない。
そろそろ終わりでしょう、彼も。
miriamさん、ようこそ。
>民主党は韓国・北朝鮮籍等の外国人も党員資格を持つから岡田党首もその民族の意向を無視できないでしょう。電話で北朝鮮籍もいるのか、外国人が何人なのか訊いたら個人情報なので教えられないと言われました。
そうですか、ありがとうございます。
確かに「総連」コネクションの強い人物が多数いますから、事実でしょうね。
それを進歩的とかリベラルと勘違いしている大バカ集団です。
岩手の田舎人さん、まいどです。
>結局、大蔵省(財務省)に貸している形なので運用先でどうなっていても、税金(国債?)で返されるといった話のようです。
要するに、財務省の財投債に依存しているのです。
造反議員が「財政投融資は既に改革され、今は公社が自主運用している」と言うのは真っ赤なウソなのです。
国の信用を担保にしてカネを預かり、特殊法人に無駄遣いさせているという構図はまったく変わっていません。
「郵政民営化は米国のため」
とか
「公社になって変身したから民営化は必要ない」
と言うのは、まさに反対のための屁理屈以外の何ものでもありません。
投稿: 坂 眞 | 2005/08/29 12:11
はじめまして。
まったくそのとおりだと思います。
いずれにしても、党員が寄せ集めどころか、
幹部がバラバラです。
これではとても政権奪取無理でしょう。
今後とも宜しくお願いします。
益々のご活躍をお祈りいたします。
投稿: 閑話ノート | 2005/08/29 12:44
小沢一郎…マスコミが策略家のように持ち上げるのは、どういう目的があるのでしょうか?
ところで、平沼赳夫氏から返信メールがきました。今、公開していいか問い合わせ中です。とても長い文章なので、許可が出たら別ブログで公開しますね。
投稿: 空色 | 2005/08/29 13:06
閑話ノートさん、初めまして。
こちらこそよろしくお願いします。
>幹部がバラバラです。
これではとても政権奪取無理でしょう。
そのとおりですね。
小沢なんかは国民を愚弄している。
怒りさえ感じます。
空色さん、どうもです。
メール、ぜひ拝見したいものです。
投稿: 坂 眞 | 2005/08/29 19:00
坂さん、平沼氏からまだお返事いただいていませんが、「郵政民営化賛成派blog集」参加ブロガーの皆さんにだけ先に公開させていただこうと思います。一般公開は平沼さんの許可をいただいてからにいたしますので坂さんにメールをする形でいいでしょうか?もし、よければメルアドを教えてください。よろしくお願いします。
投稿: 空色 | 2005/08/29 22:51