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2005/08/31

財政再建は待ったなし

先日、フジテレビの朝のワイドショーに、各党の政策責任者が顔を揃えていた。そこにおける論議を聞いていて、私は絶望的な気分になった。
財政再建に対する道順を誰一人として明確に示しえないのだ。共産党と社民党は、
相変わらず低負担による高福祉を主張していて論外である。
しかし、自民党も民主党も、言葉を濁して明確な意見を述べることができない。選挙を
意識して増税論議に踏み込めないのだ。
誰だって負担は軽く、給付は多い方が良いに決まっている。しかし、日本国を一つの
家庭に見立てた場合、月収40万円のうち15万円が借金の利払いで消え、可分所得は
25万円しかない。にもかかわらず、支出は54万円もあり、毎月29万円を借金している。こんなことが成り立つであろうか?
(以下の比較表参照)

平成17年度の財政状況        1ヶ月分の家計にたとえた場合

税収+税外収入(A) 47.8兆円     1世帯月収(C)      約40万円(ボーナス込み)
国債費(B)      18.4兆円    ローン元利払い(D)   約15万円

(A)-(B)       29.4兆円    可処分所得(C)-(D) 約25万円

一般歳出(E)     47.3兆円    家計費(G)        約40万円
地方交付税等(F)  16.1兆円    田舎への仕送り(H)   約14万円

歳出(E)+(F)    63.4兆円    支出(G)+(H)      約54万円    

公債金収入      34.4兆円    不足分=借金      約29万円

(四捨五入により、数字に若干の誤差があります)
平成17年度一般会計予算

私は「やっぱり争点は郵政民営化」の中で次のように書いた。

日本の長期債務残高は、約774兆円もの巨額にのぼる(地方を含む。2005年度末見込み)。これは、国民一人当たり600万円超の借金を背負っていることになる。4人家族なら2千5百万円近い借金だ。
我が国の2004年度の国内総生産(GDP)は505兆円であるから、対GDP比率は150%を超える。これは先進国の中で最悪の水準であり、個人で云えば、とっくに破産宣告を受けている状態である。
この史上空前の財政赤字問題を放置して憲法改正や安全保障を論じても、すべてが空論になる。年金問題も介護等の福祉問題も、論議する
前提が成り立たないのだ。

この財政赤字を削減するもっとも有効な手段が郵政民営化である。340兆円にのぼる郵便貯金・簡易保険の巨額マネーが、国や特殊法人の
非効率な事業に費やされている。

国家の財政事情を考えれば、歳出削減に聖域はない。中でも重要なのが公務員の
削減と政府保証債や財投債の廃止である。
国家公務員の人件費は、4兆6千571億円(17年度)に上り、一般歳出の約一割を占める。政府保証債や財投債(国債)を廃止すれば、借金も無駄遣いも減る。郵政民営化を実現すれば、郵貯・簡保資金→財投債→特殊法人の無駄遣い、という構図が改善される。
一方、歳入を増やすことも待ったなしである。歳入増のもっとも有効な手段は消費税の引き上げである。所得税は増税するべきではない。なぜなら、俗に「とうごうさん」と言われるように、サラリーマンの税金が10割とすれば、自営業者は5割、農家は3割しか
税金を払っていないとされるからだ。
私の実家は農家である。また、自営業の経験もある。それからすれば、「とうごうさん」の指摘はけっして大げさではない(もちろん、まじめに納税されている方もたくさんおられると思う)。また、働く者のうち、課税最低限度の恩恵によって25%、つまり4人に1人が所得税を納めていない。
このような実態を踏まえ、税負担の公平性を考えれば、やはり所得税ではなく消費税に重点を置くべきである。

ところが、自民党も民主党も税制の抜本的見直しと言うだけで、増税に対する明確な
考え方の表明はなかった。
どちらも選挙が終われば方針を打ち出すつもりであろうが、それはずるい。
やはり、構造改革による歳出の削減、借金体質の改善を訴えるのであれば、同時に、それと対を成す歳入増をどうするのかにも言及するべきである。
そして高負担・高福祉なのか、低負担・低福祉なのかを国民の前に選択肢として提示するべきである。今のような低負担・高福祉は絶対にありえないことなのだから。

参考資料1:国家公務員人件費 一般歳出の9.8% 財政を圧迫、削減不可避
(2005年 6月16日 産経新聞)
参考資料2:所得税の課税最低限

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構造改革&小泉内閣」カテゴリの記事

コメント

日本の財政は足りない分をとるか?
不足分の政府の仕事をやめるか?
両方を組み合わせるか?

そんな感じですか?
よかったら資料見てください

財務省HPより 特別会計の見直しhttp://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/sy014/sy014m2.htm

投稿: 資金の流れは変わらない | 2005/08/31 22:42

ちょっと気になったのですが、「とうごうさん」という表現やその内容に関してですが、それはサラリーマンが「隣の芝生は青い」というような、安易な発想から生み出した言葉だと思います。
農家の実情は知りませんが、自営業者の立場から一言言わせてください。
自営業者はサラリーマンのような納税制度ではないので、税金をちょろまかす人がゴマンといるでしょうが、多くの自営業者は、カネボウのような粉飾決算(実際よりも儲かっているように帳簿を操作する)をやっていて、実際の納税額よりも多くの税金を納めています。
理由は、融資を受けられないから。
大半の自営業者は融資を受けているが、儲かっていない会社や人に金を貸す金融機関はありません。
だから儲かってる振りをし、買いたくもない家を無理して建てたりするのです。
それに、年金にしたってサラリーマンは自分が負担する分は半分しかない。
保険にしたって、定年を迎えて、これから病院通いする年齢になったら、国保に入る。
自営業者の所得と、サラリーマンの所得と、金額が同じだとしても中身が違うのです。
金融機関はその辺をよく知っているので、クレジットカード1つとっても、自営業者はサラリーマンの1.5~2倍の所得がないと作れません。
自営業者はサラリーマンのように所得が透明じゃないからといって、税負担が少ないわけでは決してないと思います。
メディアなどでは『自営業者=儲かっている』というような成功例を取り上げることが多いので「とうごうさん」なんて言葉を使うのかもしれませんが、それはごく一部、大半は老後におびえながら頑張っているのです。

投稿: 自営業者 | 2005/08/31 23:24

いくら今後増税が必至だとしても、公約で増税すると宣言する政党には投票しようとは思いません、目先しか考えない私は。
情けないかもしれないけど、多くの国民は“増税します”って宣言する政党なんかに投票しないと思います、残念ながら。
ですから自民であれ民主であれ、おいそれと増税なんて打ち出せるわけがない。
何が悲しくて増税するって宣言する政党に投票する気が起こるのか?そんな政党に夢がもてます?
増税が前提になるのはあまりにも空しいですよ、貧乏人には。
あくまでも選挙まで数年あると言う段階で、しらっとやってほしい。増税に目を背けたいですね(笑)
有権者は一億数百万ぐらいだったはず。みんながみんな物分りのいい人ばかりでもない。少なくとも私は増税を公約する政党には投票しないし、仮に立候補したら増税の‘ぞ’の字もださないですよ。それが私的な現実。

投稿: 政党擁護者 | 2005/09/01 02:06

韓国の親日行為者名簿発表は、愚行としか言いようがありませんが、日本の財政をここまで悪化させたのが誰だったのか、代表的な人物は名前も挙げて責任を追及すべきではないでしょうか。

投稿: masa | 2005/09/01 06:15

資金の流れは変わらないさん、おはようございます。
>両方を組み合わせるか?

しかないと思います。
既に破綻しています。
破綻した会社が取る道は、おのずと限られています。


自営業者さん初めまして。
表現に誤解を招きやすいところがありましたね。
税金が5割と言うより、課税対象の所得が5割しか把握されていないということです。
もちろん、資金繰りが苦しい零細業者がたくさんいることは解っています。
が、生活が苦しいサラリーマンもたくさんいます。
それでも税金だけはしっかり取られる。
また、粉飾まがいの申告ができるということは、儲かっている業者は、逆にごまかせるということではないでしょうか?


政党擁護者さん、初めまして。
こういうレス、必ず来ると思っていました。

>何が悲しくて増税するって宣言する政党に投票する気が起こるのか?そんな政党に夢がもてます?

増税せずに高福祉は維持しますという政党に夢がもてますか?
財源はどうする?と訊かれて法人税を上げますなんて言う政党・・・
マニュフェストは、従前のような、当選したら後は野となれ山となれ、という選挙公約とは違うという触れ込みです。
必ず実行すると・・・
であれば、英国式に実現のための方法論を具体的に示すべきです。
政治が無責任だから有権者も無責任になる。
まず政治が責任ある態度を示すべきです。
南米式のポピュリズムと同じレベルでは国が破綻します。


masaさん、まいどです。
日本の財政をここまで悪化させたのが誰だったのか、代表的な人物は名前も挙げて責任を追及すべきではないでしょうか。

これは、戦後の国家(の関与と指導)による経済成長という路線の成れの果てで、「誰が」と言うものではないと思います。
ただ、バブル崩壊後に構造改革を怠り、不良債権処理を先送りした政治にも大きな責任があります。
時代が大きく転換したのに無策だった。
バブルが崩壊して歳入が大幅に減ったのに、逆に支出を増やしてしまった。
細川-羽田-村山-橋本-小渕-森の各政権は、それ以前の政権よりも罪は重いでしょう(あくまでも相対的ですが)。


投稿: 坂 眞 | 2005/09/01 10:35

こんにちは
数字って異様に説得力ありますね。私も、どちらが政権を取っても、1年以内に消費税を含めた税制改革に着手すると思います。郵政改革等により、公務員の削減・財政赤字となる無駄の削減を最大限行った上で、議論されなければならない。masaさんの意見にも同調しますが、何故、こんなに赤字が増えたのか徹底的に原因の究明をするべきです。他国に何度も反省し謝罪しているのに何故しない!その上、自らの襟を正し、議員の全体数も削減(派閥政治解消のためにも)を至急に検討するべきだと思います。
P.S. 本日、選挙に行ってまいりました、日本人の重鎮6人と共に。日本のネガティブなニュースを聞かないせいか、皆さん今回の解散にも、日本のリーダーにも賛成です。我々の票が日本の正しき方向へ使われる事を願います。

投稿: NZ life | 2005/09/01 11:03

はじめまして。税金のところで質問。
財源はどうするとかどうやって歳入を増やすかっていう話になると必ず増税の話になりますが、所得が増えることによる増収と言うのは考えられないのでしょうか?
また私の場合、使う金額は決まっているので消費税があがっても消費額が増えるわけではありません。企業の実質的な売上が落ちてしまうのではと心配してしまうのですがどうなんでしょう。
税の公平性は大事なこととは思いますが、多少不公平であっても景気が良く、収入が増える状態のほうがいいような気がするのですが・・・

投稿: 素人です。 | 2005/09/01 15:21

 コメント・ありがとうございました。
 改めて、”坂”さまの記事

 「財政再建は待ったなし」
 「平沼赳夫氏からのメール」
 「狂気の創価学会」

 を拝見させていただき、「私の考えと全く同じだ!」(もちろん、印刷しました!)と安心すると共に、その緻密な資料収集と公正な判断力には改めて感心させられました。
 私の”がさつなブログ”とは、雲泥の差であり、反省すること頻りでした。
 
 でも、”隙間産業”というものもあるのですから、何とか私にも”ブログの隅っこ”に居場所があるだろうと思って記事を書いています。
 では、今後ともよろしくお願い致します。 

投稿: 紫藤ムサシ | 2005/09/01 18:13

国債を株式化して
DES 国債保有者に優先株を発行するとかw

まあ 冗談ですけど

増税すればこの国は終わりですよ。
GDP500兆の6割以上を国と地方で
国民からとっていますからねえ

まあ増税論者に騙されない事です。
穴の開いたダムに注ぐ水の量を
増やすだけです。

注げば注ぐほど穴が大きくなり
決壊します。w

投稿: 資金の流れは変わらない | 2005/09/01 18:51

郵貯簡保資金を公共事業や特殊法人にできるだけ回さず、うまく運用すれば、数兆円の利益が出るのではないでしょうか。

投稿: masa | 2005/09/01 19:42

NZ lifeさん、まいどです。
>皆さん今回の解散にも、日本のリーダーにも賛成です。我々の票が日本の正しき方向へ使われる事を願います。

私も願っております。


素人です。さん初めまして。
>所得が増えることによる増収と言うのは考えられないのでしょうか?
>多少不公平であっても景気が良く、収入が増える状態のほうがいいような気がするのですが・・・

仰っていることは正しいと思います。
ただ、それだけでは足りない、どうしようもないのが現実です。


紫藤ムサシさん、どうもです。
「隙間産業」はないでしょう?
いつも感心しています。


資金の流れは変わらないさん、相変わらずですね。
立場が違いすぎます(笑い)。
これ以上は言いません。無駄!


masaさん。
>郵貯簡保資金を公共事業や特殊法人にできるだけ回さず、うまく運用すれば、数兆円の利益が出るのではないでしょうか。

う~ん。
難しいのではないでしょうか・・・

投稿: 坂 眞 | 2005/09/01 23:56

前回のコメントでは言葉が足りず、失礼しました。
私が言いたかったのは、『ほとんど全ての自営業者は、所得税を実際の額よりも少なく納税している』という印象を与えるのはどうなのか? ということです。
確かにサラリーマンに比べて透明性がないといって過言じゃないと思いますが。
本文の中では、まじめに納税している自営業者も多いだろうがということも書かれていますが、自営業者=所得税チョロマカシというニュアンスが私には感じられたからです。

>また、粉飾まがいの申告ができるということは、儲かっている業者は、逆にごまかせるということではないでしょうか?

そのとおりだと思います。
しかし、その問い方は少し乱暴なのではないでしょうか。
ごまかすことができるのとごまかしていることはまったく違います。
(もちろんチョロマカシの実数なんて誰にもわかりません。)
一部の(というには多すぎる数でしょうが)業者を取り上げて、『ほとんど全ての業者がやっている』というような読み方ができるのが私には引っかかったのです。

本文の趣旨と違うところでのコメントなので、どうかとも思いましたが、コメントさせていただきました。

投稿: 自営業者 | 2005/09/02 02:13

今、国債の平均残存期間は4年ちょい位ですから、5年後にその時の金利が1%でも上がっていたら利子の上昇分だけでも恐ろしい数字となりますよね。
常任理事国何てポシャってよかったですよ。

投稿: tsubamerailstar | 2005/09/02 10:31

日本の年間生産GDPは500兆
そのうち273兆は中央政府に
配分されています。

民間に配分されるのは
273兆から地方への配分を加えて
差し引けば3~4割ぐらいでしょうね

これだけ民間から吸い上げといて
増税なんかさらにすれば
結果は目に見えています。

一般会計で必要とされるのは35兆程度
実質税収で十分足りています。
特別会計に繰り入れられる47兆を減らし
官の経済を民に開放し
増収を目指すしか方法はありませんね。

増税すれば終わりです。

投稿: 資金の流れは変わらない | 2005/09/02 11:55

自営業者さん、どうもです。
>一部の(というには多すぎる数でしょうが)業者を取り上げて、『ほとんど全ての業者がやっている』というような読み方ができるのが私には引っかかったのです。

確かに誤解を招きやすい表現でした。
すみません。


tsubamerailstarさん、こんにちわ。
>5年後にその時の金利が1%でも上がっていたら利子の上昇分だけでも恐ろしい数字となりますよね。

仰るとおり。ホントにやばいと思います。


資金の流れは変わらないさん、またですか?

特別会計の内、債務償還額・利払費等が88.6兆円ですね。
これは国債整理基金特別会計に計上されていると思いますが、この原資をどうするかですね。
借換債の発行を減らさなければどうしようもない。
特別会計の見直しは、経済財政諮問会議が求めている民間企業の会計手法を取り入れることで、徹底して無駄遣いを無くすことです。
財政融資資金特別会計は、郵貯民営化とともに廃止。
これ以上カキコされてもレスいたしかねます。
あなたの意見には不同意です。
議論の無駄!

投稿: 坂 眞 | 2005/09/02 14:26

>>5年後にその時の金利が1%でも上がっていたら利子の上昇分だけでも恐ろしい数字となりますよね。

>仰るとおり。ホントにやばいと思います
本当に議論の無駄ですね
国債の借り入れ金利が変動金利とは
初めて聞きましたw

話すだけ無駄のようです。

投稿: 資金の流れは変わらない | 2005/09/02 16:18

>財政融資資金特別会計は、郵貯民営化とともに廃止。

財政融資資金特別会計は、
郵貯民営化とは全然別の話ですよ

郵貯民営化しようが政府に資金需要があれば財投債は発行されるので
財政融資資金特別会計は存続するでしょう。

おっしゃるとおりよくわかっていない
方との議論は全くの無駄ですね

投稿: 資金の流れは変わらない | 2005/09/02 16:28

資金の流れは変わらない 殿
知ったかぶりはやめてもらいたい。

(下記、「やさしい経済講座」より引用)
国債の価格と利回りの関係は?
国債の価格が下がると、利回りは上がり、逆相関といえます。
国債の人気がなくなると、買い手を促すために「値段が下がる」、または「利回りが上がる」

財務省の試算によれば、国債金利が来年度から今の想定(10年物で年2%)より1%高くなると3年後の2007年度の国債利払い費は想定より約3兆7000億円多くなります。
1%の金利上昇で国債の元利払い負担が1兆2000億円以上膨らむとの試算ですが、それは消費税率ほぼ2%分の減収にあたります。

「やさしい経済講座」でも読みなさい。
国債の基本も解っていない。
無知丸出し。

あなたのやっていることはアラシと同じ。
今後、書き込みしたら即刻、削除する。
以上!

投稿: 坂 眞 | 2005/09/02 20:01

失礼します。

すべてのブログに共通することは主体がいません、特に国債や財政に関する意見や理論において、あなたが見えないのです。
まず問題に対する立場を明確にすべきです、
次に能動的に当たるべきです、
そうすれば共鳴者は確実に増えます。

そうでないと議論だけに終わってしまいます、
知識を得るのには役に立っていますよ。

お気に障ったら申し訳ない ご容赦を。

投稿: Utaiki | 2005/09/07 09:59

はじめまして。

いきなりですが日本の国家予算はいくらでしょうか?平成16年度予算は82兆円とされています。
しかし、国会を通過せずに各省庁が独自の財源をもって運用する特別会計が387兆円もあるとされています。
そして、一般会計から特別会計への繰り入れ分約47兆円を引いた一般会計の歳出純系は約35兆円。
特別会計間の繰り入れによる重複分を除いた特別会計の純総額は207.4兆円。
つまり特別会計は一般会計の5.9倍にもおよび、予算の本体は一般会計ではなく特別会計であるということになります。

結論としては、日本の国家予算は一般会計+特別会計で242.4兆円ということになりGDP比50%弱になります。
さらに地方の予算を加え、国から地方への補助金・交付金などの重複分を差し引いた額は297兆円にもなり、政府支出のGDP比は約6割に達します。
この割合を欧米の主要国、米・英・独・仏の平均40%と比較すると、明らかに突出していることが分かります。

2002年に殺害された石井議員はこの事実を以て、「日本は市場経済体制ではなく、GDPの6割を国が上から流し込んで消費する"官制経済体制"である。」と発言されています。
(「日本が自滅する日」石井 紘基 (著)
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569614140/qid=1126078108/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/249-4124225-4110765

再度書きますが、特別会計の最大の問題点は国会を通過せずに各省庁が独自の采配で予算を配分できてしまうところにあります。
つまり、政府(内閣)の手綱の及ばないところで予算が決定されてしまうのです。
無駄な道路や空港などを建設してしまう"悪い公共事業"の根本的な原因がここにあるのだと考えます。
予算のあるところに利権が発生し、非効率な公共事業をでっち上げることに繋がるためです。


・・・以上長々と書いてきましたが、私的には特別会計は重要な問題であると考えています。
しかし、ネット上で特別会計を重点的に話題に出しているところは非常に少ないのです。
(例えば「日本国財政破綻Safety Net」 http://wanderer.exblog.jp/
つまり、特別会計について知らない人が多い。または、重要な問題ではないと考えられているということです。

最後に、特別会計は重要な問題なのでしょうか?と問題提起をさせてもらいます。
重要ではないと感じられたなら、スルーして下さって結構です。それでは失礼しました。

投稿: kulaw | 2005/09/07 18:25

kulawさん、初めまして。
特別会計の見直しは極めて重要であると考えます。
これは、「省益」の壁に阻まれてブラックボックス化していると思います。
欧米の主要国、米・英・独・仏の平均40%と比較すると、明らかに突出していることは事実ですし、「もっとも成功した社会主義国」と揶揄されているのが現実です。
小泉内閣においても、経済財政諮問会議が、民間企業の会計手法を取り入れることによって透明化を図り、無駄を徹底してなくすように求めています。
次は、特別会計≒「省益」の闇に切り込まなければならないと思っています。

投稿: 坂 眞 | 2005/09/07 20:23

橋本内閣のときのように強引に財政再建に向かおうとして、不景気を引き起こしてたらもともこもないですし、ここらへんは本当に難しいですね。

投稿: 青い炎 | 2005/09/16 16:26

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