« 2005年9月 | トップページ | 2005年11月 »

2005年10月

2005/10/31

小泉改造内閣発足

今回ほど注目度の高い内閣改造は、未だかつてなかったのではないか。理由は、ポスト小泉を占うポイントととなる改造であるからだ。
福田康夫、麻生太郎、谷垣貞一、安倍晋三、ポスト小泉候補と言われる4氏がどのように処遇されるのか?
改革路線を加速するために、どういう布陣を敷くのか?
今回の自民党圧勝の功労者、武部幹事長と小池百合子氏はどうなるのか?
今回もサプライズ人事はあるのか?
ほんとうに興味の尽きない、関心の高い改造だった。

今回の改造でポイントとなる重要ポストは、次の五つである。
外務大臣、財務大臣、総務大臣、厚生大臣、官房長官。

外務大臣は、特定アジア3国との外交を今後どう展開するのか。米軍再編も絡む沖縄の基地問題をどこに着地させるのか。
財務大臣は、改革の本丸、特別会計の核心である政府系金融機関の改革をどのようにまとめ上げるのか。
総務大臣には三位一体改革が待ち構えている。利害の対立する国と地方の調整をどう取るのか。根強い中央省庁の抵抗をいかにさばくのか。
厚生大臣には医療改革という難題が立ちはだかる。医療費の総額抑制をめぐって、手強い抵抗勢力である日本医師会とどう渡り合うのか。待ったなしの年金改革に
どう筋道を付けるのか。
それぞれに、重要かつ困難な課題に立ち向かわなければならない。
そして、内閣官房長官。内閣の顔であり、官邸主導型の小泉内閣では極めて重要な
ポストである。

結果は、
外務大臣 麻生太郎
財務大臣 谷垣禎一
総務大臣 竹中平蔵
厚生大臣 川崎二郎
官房長官 安倍晋三

ポスト小泉候補のうち3人が重要ポストを占めた。福田氏だけが入閣できなかった。
福田氏が入閣できなかったのは、まず69歳という年齢。これでは民主党の前原氏
(43歳)の対抗馬になりえない。また、靖国問題や対中外交において首相との間に
溝があったとされる。
私としても、4人の中ではもっとも入閣してほしくなかった政治家である。

麻生太郎氏の外務大臣はどうか?これは期待できると思う。この政治家は私と同郷で、彼の人となりや政治信条はよく知っている。
一口で言うと「典型的な親米派」。中国や韓国に対しては、原則的というより相手を
蔑視している感じさえする(笑)。こういう政治家が、媚中派の代表・河野洋平氏率いる河野派にいるのだから、政治家というのはよく解らない。
欠点は失言癖。

谷垣禎一氏の財務大臣も妥当ではないか。
そして官房長官・安倍晋三氏。これは、もっともうれしい知らせだった。官房長官は内閣の要であり、前述したように、官邸主導型の小泉内閣では極めて重要なポストである。
メディアへの露出度も高く、活躍次第では国民的人気をさらに高められるのではないか。

重要ポストのうち、厚生大臣だけが地味な川崎二郎氏になった。川崎二郎氏は、2001年に起きた奄美大島近海の「国籍不明・不審船事件」のとき、運輸大臣として
海上保安庁の巡視船に射撃を命じた政治家である。
地味だが実務派であり、厚労族とは無縁な点が買われたのではないか。
また、郵政族でありながらに賛成したことに対する論功行賞であろう。

この内閣は、概して実務派内閣であると言える。残念ながら(笑)サプライズ人事は
なかった。
総務大臣(兼)担当の竹中氏と金融・経済財政担当相(経済財政諮問会議担当)である与謝野馨前政調会長の組み合わせは、改革を加速させる上で最適である。
麻生外務大臣と防衛族である額賀福志郎防衛庁長官の組み合わせも、日米同盟重視という点で的を射ている。
中川昭一氏の農水大臣も適任であり、小泉内閣の性格からして閣内に留まってくれてよかった。
小池百合子氏の環境大臣留任も悪くない。法務大臣・杉浦正健氏も法律家(弁護士)であり、前任の訳の分からない女大臣よりずーっといい。

では問題はないのか。ある。経済産業大臣に就任した二階俊博氏である。二階氏は
典型的な古いタイプの政治家であり、地元の和歌山県に日中直行便を誘致するために江沢民の石碑を建てようとした人物である。
果たして、東シナ海のガス田をめぐる問題で原則的な対応ができるのか?
これも、武部幹事長の下で、総務局長として先の選挙を取り仕切ったことに対する論功行賞である。先入観は禁物だが、ちょっと疑問符が付く。

まあ、全体的には実務派、適材適所の内閣と言えるのではないか。
では党の方はどうか?
武部幹事長の留任は選挙の結果を考えれば妥当である。久間章生総務会長の留任もバランス感覚、党内での実力(旧・橋本派幹部)を考えれば順当。
しかし、問題がある。政調会長に就任した中川秀直氏である。彼は元日経新聞政治部記者で、政策能力よりも政治能力に長けた男である。
何が問題か。彼は森前首相の腹心で、「人権擁護法案」推進派なのである。
小泉首相は、政策は内閣に取り込み、政調会長には、その政策を党に認めさせるという役回りを期待しているのかもしれない。
そういう意味では適任かもしれない。が、腹芸、寝業を得意とする政治家を三役の一角に登用したことが裏目に出ねばよいが・・・

「人権擁護法案」については、安倍(新)官房長官と、彼を支える若手議員に期待するしかない。
今回の改造内閣で、懸念があるのは、今のところ「人権擁護法案」だけだ。
頑張れ!安倍晋三!

人気blogランキングへ
↑政治をもっと良くしたい方は
 クリックをお願いします。


新たに決まった閣僚は以下の通り(敬称略)。

総務相・担当相 竹中平蔵

法相 杉浦正健

外相 麻生太郎

財務相 谷垣禎一(留任)

文部科学相 小坂憲次

厚生相 川崎二郎

農林水産相 中川昭一

経済産業相 二階俊博

国土交通相 北側一雄(留任)

環境相 小池百合子(留任)

官房長官 安倍晋三

国家公安委員長 沓掛哲男(参院議員)

防衛庁長官 額賀福志郎

金融・経済財政担当相 与謝野馨

規制改革・行政改革担当相 中馬弘毅

科学技術担当相 松田岩夫(参院議員)

少子化・男女共同参画担当相 猪口邦子

人気blogランキングへ
↑政治をもっと良くしたい方は
 クリックをお願いします。

| | コメント (27) | トラックバック (28)

2005/10/30

韓国の本音

過去のエントリーに対する読者の方のコメントで、「中国にははっきりモノを言うように
なったのに、韓国に対しては余りモノを言わないのはなぜ?」というのがあった。
これには、もちろん理由がある。

韓国は、北東アジアの安全保障において、歴史的に日・米・韓の枠組みの中にあった。ところが、冷戦構造の崩壊と盧武鉉政権の誕生で、韓国はその軸足を中・朝の側に
移しつつある。
このような韓国を日・米の側に引き戻す、というのが理由の一つである(スネないように、できるだけ刺激を避ける(笑)。

次に、韓国が我が国にとって脅威になることはないということである。
中国は、北東アジアのみならず、東南アジアから中央アジアに至るまでその勢力を
伸ばし、自らの影響下に置こうとしている。
すなわち、米国が世界戦略上もっとも危惧している「不安定の弧」(arc of instability:注-1)と重なる地域に覇権を確立しようとしているのだ。
中国は、日・米両国にとって明確な脅威になりつつある。したがって、この国に対して
原則的な対応を貫き、はっきりモノを言うことが、我が国の国益を守る上で不可欠なのである。
ところが韓国は違う。韓国は、我が国を追い抜くことはもちろん、追いつくことさえできない。東南アジアや南アジア及び中央アジアで我が国と正面衝突することもない。
せいぜい竹島の領有権と、その周辺海域における権益で我が国の国益を侵害しているにすぎない。

もちろん、竹島やその周辺海域が取るに足りない問題である、と言っているわけでは
ない。独立国である以上、明確な主権侵害に対しては毅然とした対応が必要である。
が、現実的立場で考えれば、中国の脅威からすれば比較的小さな問題であるという
ことだ。
領有権と権益で言えば、北方領土の方がはるかに大きな問題である(あくまでも比較論であるが)。
北東アジアの安保を考えるとき、今、韓国を刺激し、煽り立てるのは得策ではない。いくら突っ張っても、所詮は空(から)元気の「口先国家」にすぎないのだから(笑)。

では、ほんとうに韓国は脅威ではないのか?ほんとうに我が国に追いつくことはできないのか?
それを分析する前に、以下の記事を読んでほしい。


日本の国連安保理常任理事国入り阻止など韓国が強硬カードを切る場合、日本も対応策を取る可能性がある。日本のカードは、めったに切ることができないものだが、一度
切り出せば、韓国に打撃を与えかねない。

対北・対米関係=日本の対北朝鮮政策は核問題の解決と南北関係両方に影響を及ぼす。日本が対北朝鮮制裁に乗り出す場合、韓半島の周辺情勢に緊張が高まりかねない。韓米関係より米日関係が一層緊密な現状で、日本の働きかけによって韓国が国際社会で孤立する結果をもたらす可能性もある。

金融・投資=昨年度の日本の韓国への投資額は22億5000万ドルだった。こうした直接投資以外に日本の金融機関が、韓国の金融機関への融資金の満期延長を渋る場合、韓国経済に一定の否定的影響が出るかもしれない。97年に日本の資金が融資延長を渋り、土壇場で外貨が1日に10億ドルずつ回収され結局通貨危機につながったという
説もある。

通商問題=韓国は、輸出完成品をつくる際に必要な中間材の60%~70%を日本から輸入している。年間の部品素材部門の赤字だけで150億ドルに達する。外交部筋は「サムスン電子の輸出額と対日赤字の規模はちょうど同じ水準だ。半導体と携帯電話を輸出するには、依然として日本の技術に依存するしかない」と話す。仮に日本が貿易に障壁を設けたり、技術問題に関する圧力をかけたりする場合、難局に直面する可能性がある。

韓流の冷え込み=昨年一年間、日本における韓流による経済効果は3兆ウォンだと
推定されている。日本に進出した韓国の文化事業は逆に関係の冷え込み時に被害が大きい。昨年の日本人観光客は250万人に達した。2番目に多い中国(60万人)より4倍も多いが、韓日関係悪化は観光業界に大きな影響を及ぼす。

在日韓国人=日本に居住する在日韓国人はおよそ60万人。大多数が中小自営業者か会社員だ。また10万人に達すると推計される日本の韓国人不法滞在者に対する取り締りを強化するだけで、これらの人々の経済、精神、肉体的苦痛は倍増し、韓国にとって負担となる。

軍事問題=日本の海軍力は米国に次ぐ世界2位だ。東海(トンへ)、独島近海に日本の最新型イージス艦と艦隊が出動すれば韓国としては対応が難しくなる。韓国が年末に導入する最新型のF-15 戦闘機を日本はすでに200機以上保有している。

クォン・デヨル記者

対日強硬カード、韓国にブーメラン効果も
(2005年3月17日 朝鮮日報)

以上の記事から、対北朝鮮、金融・投資、経済・通商、観光、在日問題、すべてにおいて韓国は我が国に依存していることが分かる。対日外交の破綻は韓国の破綻を意味する。
朝鮮日報が、ここまで書くのであるから、政治家連中もとっくに承知のはずである。
おまけに、軍事面でも韓国の方が劣勢であることも認識している。

小泉首相の靖国参拝問題であれほど激しく非難しながら、潘基文・外交通商相が前言を翻して来日したのも、以上のような事情があるのである。

過去のエントリーでも述べたが、「漢江の奇跡」と呼ばれる韓国の経済成長は、日・米の経済援助があったからこそ可能であった。
とくに、我が国からの有償・無償の巨額な経済援助と技術移転。これがあったから
こそ、電子工業や自動車、鉄鋼、造船などで韓国は世界有数の国になれた。
しかし、所詮は周回遅れの我が国の教え子にすぎない。事実、精密部品や精密素材及び精密装置の分野において、我が国に遠く及ばない。
だから、「Made in Korea」の完成品を輸出すればするほど、我が国からの中間財の
輸入が増える。日韓の貿易収支は、我が国が約2兆8千億円(244億ドル)の黒字で
ある(2004年)。(外務省:日韓経済関係)
つまり、我が国が中間財を供給しなければ、韓国の輸出産業は壊滅的打撃を受けるのだ。

また、経済においてもっとも重要な金融面でも、韓国は我が国に依存している。1997年夏以来のアジア通貨危機で韓国経済は破綻した。
このとき我が国は、「新宮澤構想」(注-2)や「チェンマイ・イニシアティブ」(注-3)で韓国や東南アジア諸国を支援した。これ以来、韓国の金融は我が国抜きでは回らないのである。

ここで国の総合力を比較してみよう。

2003年の我が国の名目GDP(国内総生産)は43,008億ドルで韓国は6,053億ドル。
一人当たりのGDPは、我が国が33,713ドルで韓国は12,634ドル。(外務省:2005年
経済指標)
つまり、韓国の経済力は我が国の7分の1にすぎない。国民一人当たりでも約3分の1である。

外貨準備高は、9月末時点で我が国が8千435億6300万ドル(2005年10月17日 中国情報局)で、韓国は2千67億3000万ドル(2005年10月5日 朝鮮日報)。外貨準備高も、韓国は我が国の4分の1しかない。

国防予算はどうか?2005年の国防予算は、日本4兆8千301億円(17年度版防衛白書)、韓国約2兆3千億円(21兆4千752億ウォン:統一日報 2004年 6月 16日号)。
韓国は日本の半分にすぎない。
韓国は、伝統的に対北朝鮮を意識して軍備を進めてきた。したがって、陸上兵力、とくに兵員数では我が国を圧倒している。が、海上兵力及び航空兵力では我が国が圧倒的に強い。
万一、竹島をめぐって武力紛争が起これば、制海権、制空権ともに我が国が押さえるであろう。いくら兵隊の数が多くても海を渡れなければどうしようもない。

以上を読めば、韓国が我が国の脅威たり得ないことがお解りいただけるであろう。
また、完成品で我が国に追いついていないのはもちろん、それを構成する中間素材の
6~7割を我が国に依存しているのが現状である。
韓国が我が国を追い抜く日が来るなんて、おそらくありえないと思われる。

(注-1)「不安定の弧」(arc of instability) 
(注-2)新宮澤構想
(注-3)チェンマイ・イニシアティブ

人気blogランキングへ
↑韓国に自覚を求めたい方は
 クリックをお願いします。

| | コメント (20) | トラックバック (4)

2005/10/29

自民党造反組の処分について

昨日、自民党の造反組に対する最終処分が決まった。
正直に言うと、この話題を当Blogであえて取り上げる必要があるのかどうか迷った。が、政治とは何かを知る上で参考になる点が多いと思い、エントリーとしてアップすることにした。

まず最初に、今回の政争の本質である権力闘争とはいかなるものであるかについて
書く。但しこれは、いわゆる「権力闘争論」ではない。

ネットで政治を評論したり、政権を批判したりされている方も多い。が、政治、つまり
権力闘争がいかに非情であるか、いかに醜悪であるかを体感しておられる方は少ないのではないか。

私は、10代後半から20代後半まで、約10年間にわたって政治に関わりを持った。今も、政治の現場にネットワークを持っている。ここで私が痛感するのは、政治の理念と現実とのギャップの大きさである。
権力者をめざす政治家は、(一部の例外を除いて)それなりの理念や信念を持っている。しかし、政治の現実は理念とはほど遠い。そこで現実との妥協が始まり、最後は
理念より現実が優先してしまう事態になる。
理念を実現するために権力をめざしていたのに、権力を獲得しなければどうにもならないという現実を前にして、権力を掌中に収めること自体が自己目的化される。
つまり、手段が目的化する、それが権力闘争である。

権力を掌中に収めることそのものが目的であるから、野合もあれば裏切りもある。昨日の友は今日の敵。その逆もしかり。相手のスキャンダルも暴けばデマも流す。水に落ちた犬は、さらに棒で叩く。
権力闘争とはそういうものだ。そこは、既に理念とは無縁の世界である。あるのはむき出しの権力欲だけだ。それは右も左も、自民党も共産党も左翼過激派も同じである。

ところで、そのような苛烈な権力闘争を勝ち抜いて最高権力者になった政治家には、
二つのタイプがある。
一つは、やっと手に入れた権力の維持を優先するタイプ。もう一つは、本来の政治理念を、手に入れた権力を行使することによって実現しようとするタイプ。
もちろん、権力者は二つの要素を併せ持っている。違いは、どちらの要素がより強いかということであろう。

歴代の首相は、前者を優先するタイプが多かった。それに対して小泉首相は、どちらかと言えば後者の、自らの理念や信念を貫くタイプである。
この点だけをとっても、小泉首相は、永田町の常識からすれば異色=変人なのである。

※小泉首相は、権力を掌中にするまでは「野合もあれば裏切りもある。昨日の友は
今日の敵」を地で行く政治家だった。
加藤紘一氏や山崎拓氏と組み(Y.K.K)、反小沢で「小選挙区・比例代表制」に最後まで強硬に反対した。かと思えば、「加藤の乱」では盟友の加藤氏や山崎氏と袂を分かち、宿敵・野中広務氏と手を結んで加藤氏の前に立ちはだかった。
総裁選に臨むに当たっては、「反経世会」の一点のみで、まったく政治理念の違う田中真紀子氏とも手を組んだ※

以上の政治=権力闘争の現実を踏まえた上で、今回の自民党の「造反者処分」について言及したい。

政治は、よく「一寸先は闇」と言われる。実際、何が起こるか分らない。したがって、
瞬時の判断を誤ると、取り返しがつかない致命傷を負うことになる。
最近、自民党内やメディアでも「小泉首相は政局を読む天才である」と言われる。まさに、この政局を読む天才的能力こそが、子分を1人も持たない小泉氏を総理総裁に押し上げた最大の理由であると思う。
その点、党内有数の大派閥の領袖であり、次期首相の呼び声が高かったにもかかわらず、今や番外地に追いやられた加藤氏などは、そもそも権力者をめざす政治家としての資質に欠けていると言わざるを得ない。

「政局を読む天才」小泉首相が、今回の郵政民営化法案否決から解散・総選挙に至る政治過程について、どう分析しているか。
以下に興味深い記事を引用する。


「造反してついて行った人。倒閣運動だと早く気が付けば、こんな多く犠牲者は出なくて済んだ。後の祭りで仕方がない」。小泉首相は19日夕、総選挙をこう振り返った。
自民党本部であった「日本夢づくり道場」で、佐藤ゆかり、片山さつき両氏ら初当選した議員約60人らを相手にあいさつした中でのこと。神妙な面持ちの新人議員たちも、首相の刺激的な表現に歓声が上がった。

首相は「今日は現実的な話がいい」と切り出し、郵政民営化法を巡る党内の駆け引きを「当初の政策論が政局、権力闘争に転じた」と説明。造反について「政治家の資質は
洞察力。本質を見抜けず、ついて行った人は本当に可哀想だ」とも。
「今日の友は明日の敵。戦国時代じゃなくても人間の社会。わきまえながら友情を育むことが大事」と結んだ。

「造反者、早く気づけば犠牲は…」小泉首相が新人議員に
(2005年10月19日 朝日新聞)

郵政民営化法案をめぐる政局は、早い段階から政策論争ではなく「倒閣運動」の色彩が強かった。それは反対派の主だった顔ぶれを見ただけでも分る。
綿貫民輔、亀井静香、古賀誠、堀内光雄、高村正彦、平沼赳夫、野田聖子。
綿貫、亀井、古賀、堀内、野田の各氏は、すべてが守旧派である。綿貫氏は郵政利権とイコールであり、亀井氏は名だたる公共事業推進派。古賀氏は郵政のドン・野中広務氏の右腕、野田氏はその子分。
高村、平沼の両氏もポスト小泉を虎視眈々と狙っており、このままだと中二階組として棚上げされてしまうという危機感があった。

彼らは、政界及び自民党において、権力者あるいは実力者としての立場を確保するには、あの時点で小泉内閣を打倒するしかなかった。
だから、郵政民営化法案反対にかこつけて倒閣運動を起こしたのである。
彼らは「郵政民営化法案反対」の錦の御旗を掲げて言った。
曰く「郵政民営化は米国から日本政府に提示された【年次改革要求書】に基づいた
改革」。
曰く「郵政民営化法案と人権擁護法案は表裏一体。公明党は郵政法案成立に協力し、自民党は人権擁護法案成立に協力する。このふたつの法案は【セット】」。

これらの主張に踊らされたブロガーも多かったようだが、プロであるはずの政治家の
中にも、このようなプロパガンダを信じて行動したバカ者がいたのであるから無理もない。
少し考えれば、これらの主張がいかに滑稽かが解る。小泉首相は既に30年以上も前から「郵政民営化」を主張している。私も、小泉氏が郵政相に就任して以来の「郵政民営化」論者であるから、13年になる。

グローバルスタンダードを押し付けようとする米国の要求と法案が重なったからといって、郵政民営化が米国の意向によるものであるなんて「為にする議論」である。
(株式等価交換等による)外資の買収に対する懸念は、企業防衛の範疇に属する問題である。
郵政民営化法案と人権擁護法案がセットだなんて、笑う以外にない。反対の一方の
旗頭であった古賀氏は、人権擁護法案推進派の最右翼である。まったく整合性の取れ ない主張と言わざるを得ない。

にもかかわらず、60名近い自民党議員がに反対し、結果として小泉内閣に対する倒閣運動に加担した。ある者は「解散なんかできっこない。総辞職だ」と息巻き、ある者は「仮に解散しても、反対派に風が吹く」と世論の動向を読み違えた。
皆が「政局が流動化すれば自分たちがキャスチング-ボートを握り、政治の表舞台に
浮上できる」と信じていた。まったく愚かな政治家たちである。

彼らは現実を見失っていた。小泉政権下では派閥は有名無実化していた。最大派閥である旧・橋本派は実質的に解体され、派の大半は、既に小泉支持になびいていた。
そして何より、綿貫氏や亀井氏、古賀氏といったカビの生えた政治家が前面に出ることによって、反対派は国民から胡散臭い存在と思われていた。
選挙においては、選挙制度が中選挙区制ではなく小選挙区制に変わっていることも
見落としていた。
小選挙区制は政党選挙が基本である。したがって、政権政党は全選挙区に候補者を
立てるのが基本。中選挙区制において、派閥単位で行われた選挙とは訳が違う。
1選挙区1人が原則。無所属でも、当選したら追加公認されるのは、古い派閥全盛時代の話である。反対派はそれさえ理解していなかった。

三度の国政選挙と二度の総裁選挙で公約した「郵政民営化」を否決すれば、「衆院解散」の大義名分が立つ。解散を支持したメディアも多かった。このあたりも反対派は読み違った。

小林興起氏ごときは、自民党が対立候補を立てたことを受けて、「ローマ皇帝が、処刑人を猛獣と闘わせて、もて遊んだのを思い出す」と言った。
私は、この言葉から、この政治家の中身の薄っぺらさが透けて見えた。

このようにして、前時代的な錯覚に陥り、自らの力を過信した政治家たちが厳しい処分を受けるのは当然である。まさに自業自得。また、それくらいの覚悟もなくして自らが
選んだ総理・総裁に叛旗を翻したのだとしたら、笑止千万。
ところで、以上のような政治家たちに対する今回の処分(10月21日分を含む)の妥当性はどうなのだろうか?

10月21日に処分された綿貫氏以下の8名(計9名)は、新党を結成し、自民党に敵対したのであるから除名処分は当然である。
綿貫氏たちは、自民党が綿貫氏ら国民新党メンバー5人を除名処分にしたのは不当として、処分取り消しなどを求める訴訟を近く起こす予定だと言うが、「何をか言わんや 」である。

昨日の処分も概ね妥当であると思われる。政党としてのケジメは付けなければならないが、衆議院の首相指名選挙で小泉首相に一票を投じた政治家を、完全に敵に廻す
必要はない。
彼らは自民党の議員ではなくなり、小選挙区の支部も閉鎖するのであるから筋は通っている。

野呂田芳成氏の除名処分も、首相指名選挙で国民新党の綿貫民輔に投票し、会派も国民新党との統一会派に加わっているのだから当然だろう。
問題は、今回も郵政民営化法案に反対した平沼氏が「離党勧告」に止まったことと、
先の通常国会で途中退席した古賀氏が、二番目に軽い「戒告」に処されたことだ。

党紀委員会の森山真弓委員長は、平沼氏について「自民党の行動にすべて反対しているわけではない。『政治的信念を変えられない』ということで、理解できないこともない」(産経新聞)としている。
実際は、平沼氏を支持する勢力が自民党内に少なからずあること、一度は自民党の
次代を担う政治家として期待を集めていたことなどが考慮されたのではないか。それに首相指名選挙では小泉首相に投票している。
旧・亀井派は、平沼氏が復党し次第「平沼派」に衣替えすることで合意しているという。本人は「除名」を覚悟していたらしく、処分を聞いて驚いていたそうだ。

古賀氏の「戒告」は、心情的には納得できない。棄権・欠席組は全員「戒告」であるから致し方ないが、古賀氏は亀井氏とともに「反対」で党内世論を誘導した責任者の一人である。こういうところに、まだまだ自民党の古い体質を感じる。
本人はダンマリを決め込んでいるが、また「人権擁護法案」が取り立たされるようになったら表舞台に登場する予定であろう。
水面下では、旧・堀内派、谷垣派、河野派の三派をまとめて大「宏池会」を作る陰謀をめぐらせているという。次期総裁候補の中では、麻生太郎、谷垣貞一の両氏が、この
大「宏池会」に属する。
努々、このような「金権・腐敗の自民党政治」の生き残りを復活させるようなことがあってはならない。

なお、除名処分を受けた野呂田氏は、「(昔のローマでは)ライオンと奴隷を戦わせ、
それを国民に見せて興奮させた。小泉さんはしゃにむに刺客を作って戦わせた。ローマの再現だ」(朝日新聞)と語気を強めたという。
これは、落選した小林興起氏と同じ発言である。「奴隷」とか「処刑人」としか自らを例えられない。政治家としてより、人間としてどうかと思う。
今月初旬の、野田氏の「郵政民営化法案反対という自らの政治的主張は完敗した」「郵政民営化法案が完ぺきなものでなくても、民営化のスピードを上げろという国民の声として理解した」(共同通信)という発言も情けなかった。
まるで「できるだけ軽い処分をお願いします」と哀願しているようにしか聞こえなかった。
通常国会で反対票を投じた後、「私、女を上げたでしょう」と得意げに語り、同僚議員
から「その辺に男性議員のキンタマがいっぱい落ちているよ」という言葉を返され、
ゲラゲラと笑い転げたのは誰だったのですかねえ???

まったく、情けない。「オマエらは政治家じゃねえよ!」と言ってやりたい。

人気blogランキングへ
↑この記事に何かを感じた方は
クリックをお願いします。


自民党の党紀委員会が28日決定した法案反対者50人の処分は次の
通り。(敬称略。※は離党届を提出済み)

【除名】

▽衆院議員 野呂田芳成

【離党勧告】

▽衆院議員 堀内光雄、保坂武、野田聖子、古屋圭司※、平沼赳夫、山口俊一、武田良太、今村雅弘、保利耕輔、江藤拓、古川禎久※、森山裕※

▽前衆院議員 八代英太※、小西理※、山下貴史※、小泉龍司※、松宮勲※、藤井孝男、城内実※、田中英夫、左藤章※、森岡正宏、川上義博※、自見庄三郎※、衛藤晟一※、松下忠洋※

▽参院議員 亀井郁夫

【党員資格停止1年】=執行猶予2年

▽参院議員 田中直紀、中川義雄

【党役職停止1年】=執行猶予2年

▽参院議員 秋元司、岩永浩美、河合常則、中曽根弘文、二之湯智、吉村剛太郎、
魚住汎英、大野つや子、柏村武昭、狩野安、倉田寛之、鴻池祥肇、後藤博子、桜井新、田浦直、田村公平、真鍋賢二

【戒告】

▽前衆院議員 村井仁、熊代昭彦、能勢和子

(共同)


自民党が10月21日に除名処分にした9人(敬称略)

【衆院議員】

綿貫民輔(国民新党代表、富山3区)

亀井久興(国民新党幹事長、比例中国)

亀井静香(国民新党代表代行、広島6区)

滝  実(新党日本副代表、比例近畿)

【参院議員】

荒井広幸(新党日本幹事長、比例)

長谷川憲正(国民新党副幹事長、比例)

【前衆院議員】

津島恭一(国民新党、衆院青森4区で落選)

小林興起(新党日本、同東京10区で落選)

青山 丘(新党日本、同比例東海で落選)

(2005年10月22日 産経新聞)

人気blogランキングへ
↑この記事に何かを感じた方は
クリックをお願いします。

| | コメント (16) | トラックバック (9)

2005/10/28

中・韓:キムチで貿易摩擦

【ソウル=久保田るり子】中国産の食品の安全性をめぐって中韓両国間に険悪なムードが高まり、通商摩擦への発展が懸念されている。輸入された中国産キムチに相次いで問題が見つかり、韓国内で大騒ぎになった。一方の中国は韓国での“過剰反応”に
不満を表明。在韓中国大使館が韓国政府に「貿易報復の可能性」を示唆するなど、
事態はエスカレートする様相を見せている。

鉛の次は寄生虫

問題の発端は9月末、韓国の野党議員が「インターネットで通信販売されている中国産キムチから、韓国産の5倍の鉛成分が検出された」と暴露したことだった。韓国では「鉛キムチ」と報道され、中国産キムチに一斉に疑惑の目が向けられた。

「鉛キムチ」は韓国・食品医薬品安全庁が調査したところ、鉛成分は基準値以下で、
ひとまず「安全宣言」が出された。ところがその後、回虫など4種類の寄生虫の卵が
みつかったため「寄生虫キムチ」と大騒ぎになった。韓国・保健福祉部は製品の流通を差し止め市場に回収命令を出したが、マスコミが大きく取り上げ消費者はパニックに
陥った。

韓国では今夏も中国産のコイやウナギから発がん性物質が検出されたが、これほど
大きな問題にはならなかった。今回は韓国の食卓に欠かせないキムチだっただけに
反応が大きかった。ただ、中国産キムチの製造元のほとんどが韓国の業者で問題を
ややこしくした。

韓国キムチは近年、人件費や材料費の安い中国での生産が増加。現在の韓国国内
販売量の約20%が「中国産」だ。野菜は中国で栽培、肥料に人糞(じんぷん)などを
使った
ことが、寄生虫問題の原因とみられる。

化粧品に飛び火

一方の中国側は、立て続けの中国キムチ叩きに不満を表明している。韓国メディアによると、中国側は韓国政府に中国食品安全性に関する調査について「中国側の調査が終了するまで発表を待ってほしい」と申し入れていたが、韓国側はこれを事実上、無視した。中国側はこれに腹を立て、「われわれは韓国産輸入化粧品に相応の措置を取ることを検討する」と警告したという。中国向けの韓国産化粧品には、保湿成分のなかに環境ホルモンの一種が検出されていたからだ。

「キムチ騒動」で険悪なムードが漂い始めた中韓両国だが、現在は外交面で極めて
大事な時期を迎えている。11月中旬に釜山で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に合わせ、中国の首脳としては10年ぶりに胡錦濤国家主席が訪韓しての首脳会談が予定されているのだ。

このため、韓国の潘基文・外交通商相は26日、「中国産キムチ問題が中韓関係に悪影響を与えてはいけない」と、国内に自制を呼びかけた。同時に、中国側には「早急に
政府レベルで食品検疫・安全管理の協議を始めたい」と提案しているが、先行きは予断を許さない。

中韓“キムチ摩擦” 中国産の安全性めぐり険悪ムード
(2005年10月28日  フジサンケイ ビジネスアイ)

たかがキムチで二国間関係に険悪なムードが漂い、通商摩擦への発展が懸念されるなんて、さすがは「特定アジア」と笑って済まされそうだが、そうもいかない。同じ問題が我が国でも起こりかねないからだ。

今回の事件で分るのが、中国農業の後進性である。
日本の農家が、人糞を肥料に使っていたのは40年以上も前のことだ。私が幼いころは、畑の片隅には必ずと言ってよいほど「どつぼ(肥溜め)」があった。
その結果、学校で寄生虫検査を実施すると、1クラスに1~2人は寄生虫感染者がいた。しかし、その後、急速に化学肥料が普及し、寄生虫感染はほぼ根絶された(今は人糞以外の有機肥料栽培も多い)。

ところが、中国は未だに人糞を肥料として使っている。そして、今回の「寄生虫の卵」
事件だ。これだけを見ても、いかに中国の農業が後進的で、農村の衛生環境が劣悪であるかが分る。

ただ、中国の生産現場(農村)が、そういうレベルであることは韓国の輸入業者にも分っていたはずだ。しかも問題なのは、中国産キムチの製造元のほとんどが、韓国人が
経営する現地企業であるということだ。
これでは中国が怒るのも無理はない。

韓国人業者は、中国農村の現状を熟知しながら、その衛生面の問題を無視してキムチを現地生産し、韓国に輸出した。そして問題が起こったら、韓国人は「中国産キムチは危険」と言って、中国に問題があるかのごとく非難する。
本来であれば、韓国の現地企業が生産段階で検査するのが常識である。野菜に人糞を肥料として与えるのは、中国の農民としては当たり前なのだから。
まさに韓国人。カネさえ儲かれば、自国民の安全なんて関係ない。一般市民も、元凶は韓国人業者なのに、中国野菜に問題があるかのごとく非難する。

では、我が国では、このような問題は起こりえないのであろうか?

確か我が国でも4~5年前、絹サヤなどの中国産野菜から基準値の3~4倍の発ガン性農薬が検出され、大問題になったことがあった。
この事件を教訓に、日本企業は「委託」から「自営」へと生産体制を切り替え、使用可能な農薬を提示し、農薬の購入ルートも大手商社などに限定した。
また、政府も食品衛生法を改正し、一社が違反しただけで日本中の全企業が該当する食品を輸入できなくしたため、有害野菜(食品)が輸入されるケースはほとんどなくなった。

なお、我が国の企業が、いかに「食品の安全」に気を使っているかを示す格好の記事がある。なんと、それは朝鮮日報の記事なのだ。
朝鮮日報は、今回の事件を契機に、日本の事情を取材し記事にしている。そこに見られるのは、日本企業及び日本人の「食品の安全」に対する韓国人の羨望である。


最近中国産キムチから鉛が検出された問題に続き、寄生虫の卵まで発見され、消費者からの非難の声が高まっています。「今後中国産キムチを果たして安心して食べられるのか」というものです。中国産食品に対して韓国の消費者の間に不信が高まっている
一方、中国は逆に韓国産工業製品に対する貿易制裁の動きも見せています。

ある商社の社長いわく「日本も中国からワタリガニやキムチなどの食品を輸入しているが、鉛が発見されたとは聞いたことがない」とのこと。それだけ日本は外国から食品を輸入する際、事前に徹底した調査を行っているということです。

彼の話が正しいかを確認するために、日本にキムチを輸出している斗山(ドゥサン)に
聞いてみました。日本のキムチ輸入業者は、契約前に公認機関から二酸化硫黄・合成タール色素などの10の成分検査や、微生物・残留農薬・重金属などの検査を受ける
ことを義務付けているそうです。

また、キムチのサンプルを日本に持ち帰り、現地の検査機関でもう一度成分調査を行うそうです。しかしこれで契約成立となるわけではありません。今度は調査チームが韓国に来て、白菜の原産地やキムチ工場を直接目で確認し、包装紙やデザインまで検査を行うそうです。

さらに、年に一回、インスペクターを韓国に派遣し、「定期検査」を行うそうです。斗山の関係者いわく「事前検査をあまりにも徹底しているためか、一旦輸出したキムチはこれまで一度も返品されたケースはなかった」とのこと。韓国も今回の事件をきっかけに、
徹底した「事前検査」システムが整うことを期待したいものです。

中国産食品問題と日本の事前検査システム
(2005年10月26日 朝鮮日報【News Blog】)

我が国では、輸入食品については原則、検疫所における検査が義務付けられている(例外規定あり)。が、日本企業は検疫所の検査に関係なく自主規制を徹底している。
それだけ我が国の消費者の「食品の安全」に対する意識が高く、それに伴って日本企業の安全と衛生に関する倫理観も高まっているということだろう。

なお、韓国における中国産キムチの普及率は、食堂に限っていえば7割に達するという(10月28日 TBS News i)。韓国を訪れる日本人は年間200万人を優に超える。韓国の食堂でキムチを食べた日本人も多いはずだ。
一度、検査を受けられることをお勧めする(笑)。

人気blogランキングへ
↑韓国に怒りを感じる方は
クリックをお願いします。

| | コメント (11) | トラックバック (7)

2005/10/27

環境・省エネ:中国の難題

私のBlogの特徴は、「中国崩壊」の可能性を洞察するエントリーが多いということだ。
この件に関しては、おそらくトップクラスではないか。
これまでにも言及したが、崩壊に至る要因は、もちろん多岐にわたる。が、中でも次の五つがポイントであろう。

①非効率的で赤字の国有企業と巨額の不良債権を抱える国有銀行
②地域間及び階層間における経済的格差の急激な拡大
③官僚組織における汚職の横行と社会に蔓延する拝金主義
④資源的制約の顕著化と慢性化するエネルギー不足
⑤国民の生存権を脅かすまでになった急激な自然破壊と環境汚染

もちろん、これらは複合的に絡み合っている。

①腐敗し硬直した官僚組織が、国有企業の赤字体質を助長する
②失業者と経済的格差を、これ以上拡大させたくないから企業のリストラができない
③国有企業の大胆なリストラができないから、国有銀行の不良債権が益々増える
④非効率で腐敗した国有企業が、資源を浪費し、環境汚染を拡大させる
⑤不安定な金融システムが、資金の積極的かつ効率的な配分を妨げる
⑥結果、短期的な金儲けに繋がらない環境投資や省エネ投資が後回しにされる

今、中国政府は、世界的経済・貿易システムに対応するために、国有銀行の改革に
邁進している。公的資金を投入し、必死になって外資との提携を模索している。
また、今月開催された第16期中央委員会第5回総会では、農民、失業者など発展から取り残され、広がる一方の経済格差に強い不満を抱いている層の救済を強調した。
「あらゆる手段を講じて」、農民収入の増加、就業者の増加を図るとしたほか、都市に
流入する者の社会保障問題を解決し、地域間、階層間の経済的格差の是正に
努力するとした。
そして、リサイクル経済の発展、環境破壊への対応強化も明記し、「資源節約と、健康で文明的な消費モデル」の確立を目指すとした。

中国政府も自国の矛盾点や問題点は、それなりに掌握しているのだ。後は、それらの
問題点を解決できるかどうかだ。
中国政府の動きを見ると、人民元の再切り上げという強烈な国際的圧力に対応するため、国有銀行の改革を最優先しているように見える。
次に力を入れようとしているのが、その(リストラの)結果としてもたらされるであろう
失業者のさらなる増大と拡大する一方の経済格差に対する対策だ。
しかし、これらの改革や対策に仮に成功したとしても(私は極めて厳しいと思っているが)、「リサイクル経済の発展と環境破壊への対応を強化し、資源の節約と健康で文明的な消費モデルの確立を目指す」ことが成功しなければ、中国経済は早晩、行き詰る。

東シナ海の天然ガス問題に見られるように、中国は資源、特に石油と天然ガスの確保になりふり構わずの状態だ。その姿はパラノイア(偏執狂)と揶揄されるほどである。
しかし、いかになりふり構わずに頑張っても、資源の確保には限界がある。石油や天然ガスは、優れて戦略的商品であり、必ず政治的・軍事的壁に突き当たる。
つまり、確保できる資源は限られており、早晩、限界が訪れるということだ。
したがって、今、中国が優先的に取り組まなければならないのは、第16期中央委員会第5回総会で最後に挙げた課題=「リサイクル経済の発展と環境破壊への対応を強化し、資源節約と健康で文明的な消費モデルを確立する」ことである。

以上の、今の中国の現状を踏まえた上で、以下の記事を読んでほしい。


(引用記事:1)
中国の大都市で大気汚染が深刻化している。全体の二割の都市では、住民が汚染された空気のなかで生活している

中国国家環境保護総局の張力軍副局長が、米国、欧州連合(EU)の環境当局と共催した国際シンポジウムで行った報告で明らかにした。

張副局長は過去20年間、中国政府は大気や水質など環境保護に力を入れてきたと
強調。1999年から2004年までの5年間に、全国の都市の大気汚染状況はかなり改善されたと述べた。

だが、大気汚染の改善効果は国際基準をクリアするにはほど遠く、中国全土の約三割が酸性雨の被害を受けており、一部の地域では深刻な事態となっている

大気汚染の状態も、ほこりや、排煙、光化学スモッグ、粒子状物質など多様な汚染物質が複合汚染を引き起こしているという。

大気汚染は大都市ほど深刻で、特に人口が百万~二百万人程度の都市の汚染状況が最もひどく、複合汚染の程度も進んでいる。

張副局長は、中国の総人口が14億6千万人に増加し、経済規模が四倍に拡大した
場合
、現在の環境保護対策のままでは、汚染規模は四倍から五倍に増大するとの
予測を示した。

そのうえで、環境問題への対策を適切に行い、持続的発展と中国国民の健康の維持を両立させるため、解決に積極的に取り組む姿勢を強調した。

大都市の大気汚染深刻 100万-200万人規模中心、複合化進む
(2005年10月26日 フジサンケイ ビジネスアイ)


(引用記事:2)
中国第2の大河、黄河の源流域で水量が大幅に減るなど深刻な生態環境の悪化が
進んでいる
ことが、中国科学院寒区旱区環境工学研究所(甘粛省)などの調べで分かった。地球温暖化による気温の上昇が主な原因とみられる。研究者らは、周辺の湖や地下水の著しい減少や荒れ地の拡大など影響は深刻、としている。

同研究所と環境保護団体グリーンピースが今年6月から共同で、青海省の黄河源流域で現地調査を実施した。調査結果によると、黄河源流の水量は90年代に入ると減少が著しく、それ以前の約30年間の年平均値と比べて17%減った。4077カ所あった湖沼のうち、15年間で3000カ所余りが枯れた地域もあるという。

86~2000年までに黄河の水域面積は9%、湖沼湿地は13%減り地下水の水位は
7~10メートルも低下
周辺の土地も総面積の34%が塩害や砂漠化などで荒れ地に
なった
、としている。

黄河の源流、水量が大幅減 中国の研究所調査
(2005年10月18日 朝日新聞)


(引用記事:3)
(前略)
中国の資源獲得攻勢の背景にはエネルギー消費の急増がある。産業の基であるエネルギー資源の獲得に必死になるのは分かるが、地球環境の観点からもエネルギー
多消費型の中国の産業構造を省エネ型に転換することが急務
だ。日本もそのための
技術協力を惜しむべきでない。

中国は1978年に対外開放政策を明確にして以来現在までの経済成長率は年平均9%を超え、エネルギー消費も米国に次ぎ世界第二位になった。エネルギーの供給源は
石炭が7割だが、炭鉱事故が頻発しており、生産は既に限界点に近づきつつあるとの見方が強い。

石炭に次ぎ供給の2割超を占める石油は需要増に追い付かず94年ごろに輸入国になった。新規油田開発もあまり進まず現在の輸入比率は4割超にまで達している。

世界の原油市場で年初に一バレル=42ドルだったのがいったん70ドル台を付けるほど高騰した直接のきっかけは、大型ハリケーンの影響でメキシコ湾岸沿いにある石油関連施設が打撃を受けたためだが、世界の生産余力が少なくなっているところへ、中国の産業需要が旺盛なことが基本にある

原油輸入国の中国にとって原油高騰は石油貿易の大幅赤字につながり、回り回って
自分の首をしめていることになる。北京五輪を3年後に控え経済活動が一段と熱気を帯び、それに伴ってエネルギー消費が急増するのは当然だが、問題はエネルギー消費の効率の悪さである。

日本も石油危機までは効率が悪かったが、エネルギー原単位(GDP一単位を生み出すのに必要なエネルギー)は現在、先進主要国ではトップ級の省エネ大国となった。対して中国は、日本の9倍ともいわれるほどエネルギー効率が悪く「石油がぶ飲み」状態だ。その消費の5割以上は産業部門が占める。二酸化炭素の排出も米国に次ぐ世界第二位で、地球環境の保全上も中国の現状は放置できないところまできている。

中国もエネルギー安全保障問題を深刻に受け止め、このほど国務院(政府)に「国家エネルギー指導グループ」を発足させた。石油国家備蓄への対応や、原子力、風力、
太陽エネルギーなど新エネルギー開発を推進させる方針だ。なかでも、省エネルギーの推進には力点を置いている。

有限のエネルギー資源の無駄遣いは地球環境を守るためにも許されない。エネルギー効率を日本並みに引き上げれば、現在の消費も大幅に削減できる。省エネこそ最も
有望な「資源の宝庫」
なのだ。

日中ガス田協議/省エネこそ「資源の宝庫」
(2005年9月28日 山陰中央新報【論説】)

中国の経済は、今のペースで成長を続ければ、10年以内に現在の2倍になり、17年後には4倍を超える規模になる。張副局長の言葉に従えば、2010年代半ばには汚染規模は二倍以上になり、2020年代初頭には四~五倍に増大する。
つまり、このままでは中国は早晩、人間が住めない国になるということだ。
一方おいて、「都市人口の7割が大気汚染にさらされ、7大水系の7割が重度汚染、400以上の都市が水不足、砂漠化面積は年間3400平方キロに及ぶ」という調査結果もある。
実際は、張副局長が明らかにした現状よりも、さらに深刻であるという見方だ。中国の環境問題は、もはや「待ったなし」の状況にあると言ってよいだろう。

「石油がぶ飲み」状態も深刻だ。1GDPあたり、我が国の9倍ものエネルギーを要する
産業構造。このままの状態で経済規模が2倍~3倍と膨張していったらどうなるのか。
まったくもって想像を絶する。いくら世界中から資源をかき集めても、「焼け石に水」である。この「資源節約型産業構造」への転換も、環境問題と同じく「待ったなし」の状況にある。

中国には、月収にして1,000円以下の人たちが8600万人もいる。不完全就労者も3億5千万人いるとされる。「失地農民」対策、「民工」対策、失業者対策、貧困者対策、喫緊の課題がめじろ押しである。
一方、国有銀行の不良債権処理にも巨額の公的資金を投入しなければならない。
このような、目先の危機的課題が山積している中で、「待ったなし」の状況とはいえ、
目先の利益に直結しない「環境問題」や「節約型産業構造」への転換に果たして投資ができるのか?

前面に立ちはだかる「人民元の大幅切り上げ」という壁。さらに背後から、「環境破壊」と「資源の欠乏」という中国経済の死命を左右する困難がヒタヒタと押し寄せている。
その中で、失地農民や民工、失業者や貧困者を救済しなければならない。
中国政府にとって、難しい舵取りを必要とする日々が続く。舵取りを少しでも間違えば、一気に奈落の底に落ちてしまうであろう。

関連記事1:外資との提携に走る国有銀行
関連記事2:中国:貧困人口8千6百万人
関連記事3:中国は、いつ崩壊するのか?

人気blogランキングへ
↑中共に怒りを感じる方は
クリックをお願いします。

| | コメント (9) | トラックバック (2)

2005/10/26

強い日本・弱い中国を認識せよ!

小泉首相の靖国参拝が、単なるパフォーマンスではなく、自らの信念と今後の対中
外交を見据えた上での行動であることが益々はっきりしてきた。

(以下引用)

米コラムニストのロバート・ノバク氏は24日付米紙ワシントン・ポストで、小泉純一郎首相が同氏との会見で、靖国神社参拝について「主要な問題ではない」との見方を示し「どうして行うべきではないのか、理解に苦しむ」と述べたことを明らかにした。

会見は、17日の靖国参拝の3日後に官邸で行われた。参拝を歴史認識問題と位置付ける中国などは参拝に激しく反発、日中外相会談を中止するなど抗議の姿勢を強めている。

ノバク氏の東京発のコラムによると、首相は参拝に関連し「日本をライバル視する見方が強まり、反日感情がつくられることは中国指導部に有利だ」とも言明した。

また「中国内には長年の教育により60年前の(日本の)政権がいまだに存在するとの現実離れした認識がある」と述べ、中国での激しい反発の背景に反日教育があるとの見方を示唆。中国で進む軍事力の増大について「注意しなければならない」と指摘し、中国側に軍事情報の透明性の向上を求めたとしている。(共同)

靖国批判「理解に苦しむ」 小泉首相、米紙会見で
(2005年10月25日 産経新聞)

上記において小泉首相は、「靖国参拝反対」が中国の外交カードであり、靖国問題の政治利用であることを見抜いている。
また、靖国参拝よりも、それを政治利用せざるを得ない状況に自らを追い込んだ中国。その原因となった反日教育に、日中関係の本質的な問題があることを指摘している。
そして、そのような状況下にありながら、軍拡を続ける中国が警戒するべき存在であることも認識している。
先日の、中国との対話は「10年、20年、30年」という長期的スパンで考える、という発言と併せて考えると、これは、歴代の首相では考えられなかった画期的な対中外交の
捉え方である。
小泉首相は、元々外交や安全保障に弱いと言われた。しかし、妙な先入観や変な人脈に囚われることのない発想や判断が、却ってプラスに作用しているのではないか。


なお、首相の対中姿勢に対して、官邸も一体化して支持しているようだ。

(以下引用)

小泉首相の靖国参拝をめぐる中国の対応に、首相官邸が反発を強めている。首相が25日、「外国政府が批判する問題じゃない」と発言すると、これに同調する声が官邸内に広がった。韓国が外交通商相の来日を決めるなど、中国と異なった対応を見せている
ことが、日中両国の溝をさらに際だたせている。

小泉首相は25日、「反日は中国指導者にとって好都合」という趣旨の発言がワシントン・ポスト紙のコラムに掲載されたことについて「そういうような話はしたと思う。外国政府が日本人に対してあまり批判しない方がいい、というようなことを言ったと思う」と事実関係を認めた。靖国参拝について「外国政府が批判する問題じゃない」と重ねて強調した。首相官邸で記者団に語った。

一方、中国の武大偉(ウー・ターウェイ)外務次官が25日、来月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議での日中首脳会談を「困難」と発言したことについて、細田官房長官は同日の記者会見で「今後、さらに確認をし、見守りたいと思う」と、ひとまず静観する構えを見せた。ただ、政府内には「指導者たるもの、この問題があるから国同士の対話ができない、などという態度をとり続けたら、だめだ」(関係者)と、中国の対応を批判する声もある。

さらに、政府高官は25日、武次官が首相の靖国参拝を理由に、日本の国連安保理常任理事国入りを「支持できない」としたことに対して「常任理事国の立場にある国が、安保理改革と、首相個人の考えからなされた靖国参拝を結びつけるのは、理解できない」と反発した。

首相は24日、日韓外相会談が決まったことについて記者団に「冷静で良いと思う。日韓友好に変わりないんですから」と述べるなど、中国への対応との違いを見せた。

「外国政府が批判する問題じゃない」 反発強める官邸
(2005年10月25日 朝日新聞)

このような小泉首相や官邸の姿勢には、首相の靖国参拝を肯定し、靖国参拝は国内問題とする世論の高まりが背景にある。
そして、私が昨日も指摘したように、「関係が悪化したら困るのはむしろ中国だ」という強気の認識が根底にある。
つまり、過去の歴史に囚われるのではなく、現実の国益、実際の力関係に基づいて
外交を展開するという、当たり前の発想が根付いてきたのではないか。

ところで余談だが、(政府)関係者とは誰だろう?官邸の「関係者」となると飯島秘書のことか?また「政府高官」とは?順当に見れば細田官房長官だが、あのバランス重視の細田氏が、オフレコとはいえこんなことを言うだろうか?
皆さんは誰だと思いますか?


小泉首相の靖国参拝時の中国の言動。表向きは激烈だったが、実際は抑制が効いてた。メディアも指摘しているように、中国は「想定の範囲内」として捉えていたのではないか。
なにしろ、何度も言うが、日中関係が悪化したら本当に困るのは中国なのだ。それこそ経済が一気に失速し、体制が崩壊の危機に直面してしまう。
だから、面子(めんつ)上、激しい非難を展開するが、実務上は影響を極力小さくしたい。
力関係において、中国の方が弱いのだ。以下の記事を読むとそのことが如実に解る。

(以下引用)

【上海=加藤隆則】24日付上海各紙は「友好の花は常に開き、散らない」などの見出しで、スポーツや芸術、経済活動を通じた日本との民間交流を伝える記事を一斉に掲載した。小泉首相の靖国参拝に反対するデモを力で封殺する一方、メディアを動員して
反日感情の悪化を和らげ、経済への影響を極力抑えようとする市当局の意向を反映したものと みられる。

前日の23日には、市共産党委機関紙「解放日報」が一面で、上海駐在日本人のインタビュー記事を掲載しており、市場関係者は「市民の目に見える形で日本人の素顔を
紹介し、日本への理解を深めてもらう宣伝に力を入れていく」と話している。上海市への外国投資は日本がもっとも多く、昨年は契約ベースで約15億ドル。市当局は靖国参拝後も、対日経済関係を重視する姿勢を明確にしている。

一方、市当局の反日活動封じは徹底している。中国サイト「愛国者同盟ネット」の副編集長が19日、上海の日本総領事館前で警察に連行されたが、関係者によると、副編集長は同館前でタクシーを降りた途端、小泉首相批判のプラカードを持っていただけで
拘束され、「今回は許すが、今度、同じことをしたら逮捕する」と脅されたという。同サイトには、上海警察の不当拘束に抗議する書き込みもあったが、副編集長の釈放後、削除された。

対日友好を重視せよ 上海当局メディア工作 デモは徹底封殺
(2005年10月25日 読売新聞)


過去のエントリー「小康社会は夢のような話」でも書いたが、中国経済は今、まさに
綱渡りの状態にある。

上海と並ぶ中国経済の牽引車・珠江デルタ地域(広州、深セン等)。
そこの共産党書記(中国共産党政治局員兼任)である張徳江氏は、
「広東省は中国の経済改革の先駆的存在であり、急激な経済成長などの奇跡を達成したと思われているが、実際の広東省の運営は綱渡りの状態だ」
「広州を中心とした珠江デルタ経済圏は経済的に繁栄しているが、省北部は厳しい
貧困状態に陥っており、まったくの未開発だ」
「急激な経済開発に伴い、耕作可能な土地が減少し、水質や大気の汚染が極度に
悪化。飲食物の安全を確保できない状態<だ」
「改革・開放路線によって全国的にさまざまな才能の人材が移動しており、広東省も
それらの人材を引き付けているが、同時に、多くのすりや泥棒なども集まってきており、社会的秩序を保つことが難しくなっている」
「(広東省は長期的な目標として)中流階級社会の実現を目指しているが、それは夢のような話だ」
などと述べ危機感を丸出しにしている。

まさに、下部構造においては、日本との政治的対立が許される状況ではないのだ。
このような中国の現実を的確に読み切った上での外交及び経済・技術協力でなくてはならない。
つまり、謝罪とかお詫びではなく、対等な立場に立った上で、我が国が主導権を維持しながら自然環境改善や省エネ促進の支援を行うべきである。
まあ、今の状況では無理だとは思うが。

今の中国が資本投資以上に、世界最高レベルにある我が国の環境技術や省エネ技術を必要としていることは間違いない。
我が国の環境技術や省エネ技術を中国に提供することは、温暖化が進む世界的自然環境の保護や逼迫する世界的エネルギー事情の改善に大きく貢献する。
しかし、これをタダで渡すわけにはいかない。今後は、これらを中国に対する外交カードとして活用するべきである。

もう、こちらから謝罪する必要はない。中国が、世界最高レベルにある我が国の協力がほしければ、「お願いします」と頭を下げて来ればよい。そして、我が国は協力に対する見返りを中国にシビアに求める。
それが正常な国と国との関係というものだ。

人気blogランキングへ
↑中共に怒りを感じ、小泉外交を支持する方は
クリックをお願いします。

| | コメント (14) | トラックバック (7)

2005/10/25

世論は確実に変わりつつある

今日の産経の【主張】は、すごくいい。他社が、小泉首相の靖国参拝をそのときだけ仰々しく取り上げて、後は知らん顔という態度になのに対し、きちんとフォローができている。
それだけではない。今回の参拝で垣間見えた状況の変化も見逃すことなく捉え、的確に分析している。まさに私の思いとぴったりなのだが、こういう記事には、なかなかめぐり合えない。

以下引用

小泉純一郎首相の靖国参拝で日韓外相会談を見送る意向を示していた韓国は、潘基文外交通商相が予定通り、今月末に来日すると伝えた。日本国民は首相の靖国参拝に過剰反応をせず、東アジア外交も、多くのマスコミが指摘したほどには悪化していないようだ。

小泉首相が靖国参拝した翌十八日付の各紙社説は、産経を除き、首相の参拝に批判的な論調が目立った。

しかし、朝日新聞の緊急世論調査では、首相の靖国参拝を「よかった」とする回答が42%で、「参拝するべきではなかった」41%をわずかながら上回った。共同通信社の調査でも、参拝支持48%不支持46%を上回った。フジテレビの調査は、「評価する」(47%)「評価しない」(48%)をわずかに下回った。

今夏の各紙世論調査では、首相の靖国参拝に反対する意見が賛成意見よりかなり
多かった
が、その差は縮まり、逆転する傾向すら見せている。日本のマスコミ論調が、必ずしも民意を反映していないことの証左といえる

中国は二十三日からの日中外相会談をキャンセルし、抗議の言葉は激しかったが、
四月に起きたような暴力的な反日デモは再発していない。当局が力でデモを封じ込めているといわれる。今春の“官製デモ”で、北京の日本大使館の窓ガラスなどが割られる映像が世界中に流れ、国際社会から批判を受けたことの学習効果だろう。

韓国の“反日”の風潮はもともと、中国とは温度差があった。日韓外相会談を行う方向に転換したのも、日本の冷静な世論を見極め、現実的な選択をしたからだとみられる。

アジアは中国と韓国だけではないインドネシアのユドヨノ大統領は六月の安倍晋三・自民党幹事長代理との会談で、「国のために戦った兵士のために(小泉首相が)お参りすることは当然だ」と語っている。東南、南西アジアや大洋州をも含む広い視野に立ったアジア外交が必要である。

「継続は力なり」といわれる。小泉首相は中韓両国の抗議で途絶えていた靖国参拝の慣例を復活させ、五年間続けた。小泉首相の後、誰が次期首相になっても、参拝を
継続し、両国が「靖国」を外交カードとして使えなくなるような関係の構築が大切だ

首相靖国参拝 国民は冷静に受け止めた (2005年10月25日 産経新聞【主張】)

産経の【主張】の、何が「私の思いとぴったり」なのか?それは、

・小泉首相が参拝することによって、むしろ「参拝肯定派」が増えたと指摘
・日本のマスコミ論調が、必ずしも民意を反映していないと指摘
・アジアは中国と韓国だけではないと明言
・例としてインドネシアのユドヨノ大統領の発言を明記
・「継続は力なり」=参拝形式はともかく続けることの重要性を指摘
・「靖国参拝」=「関係悪化」ではなく、むしろ「参拝継続」=真の「関係正常化」であると
 指摘

ここで注意したいのは、「靖国参拝」=「関係悪化」論者は、2001年の小泉首相の靖国参拝以前を「正常な関係」とみなしているということだ。自国の国益より他国の利益を
優先する。その理由として、過去の「侵略戦争」とそれへの謝罪を挙げる。
しかし、こんな関係を正常と思う方が異常である。
その点、今日の産経の【主張】は、むしろ首相の参拝再開以前を「不正常な関係」として捉えている。これは重要な点だ。この視点に立てば、首相の靖国参拝が、それ以前の「不正常な関係」を正常化することになるからである。

過去のエントリーでも何度か述べたが、関係が悪化し、政治だけではなく経済までも
疎遠になれば、困るのはむしろ中・韓なのである。
もちろん相互依存関係がここまで深まった以上、我が国もダメージを受ける。が、中・韓、特に中国の受けるダメージは我が国の比ではない。体制崩壊に直結する。韓国にしても「対北」及び「対米」関係を勘案すれば、現実を冷静に見詰めざるを得ない。
相手が、「両国関係が悪化すれば、責任のすべては小泉首相にある」と非難すると、
国内で「そうだ、そうだ」と唱和するのは、もう止めてもらいたい。悪化してもよいではないか。何が悪いのだ。

メディアも自称「知識人」も、民意がどこにあるのかを見極めるべきだ。「民意に迎合するのではなくリードするのがオピニオンリーダーとしてのメディアの役割」だって???
朝日新聞やテレ朝、TBSあたりはそう思っているかもしれないな。しかし、それは違う。先の衆院選挙がよい例だが、民意は既にメディアを超えている。
劇場型選挙で踊り狂ったのはメディアではなかったか。
今回もそうである。
「靖国参拝」=「関係悪化」と煽り立てても国民は乗ってこない。民意はむしろ「参拝肯定」に傾いている。それは「参拝中止」が「真の友好」につながらないこと、むしろ「参拝継続」が「本来あるべき関係」に戻す道であることを国民も徐々に気付きつつあるということだ。

まさに、首相が靖国参拝を継続することで、参拝を政治問題化することが、中・韓の
「国益」に沿った外交的思惑にすぎないことが明確になりつつある。

人気blogランキングへ
↑中・韓とメディアに怒りを感じる方は
クリックをお願いします。

| | コメント (22) | トラックバック (6)

2005/10/24

いわゆる「アジア諸国」について

(以下引用)

マンガブームに見られるように今や文化面でも輸出大国となった日本ですが、こんな
意外なところにも日本文化が進出しています。

セーラー服を着て登校する高校生たち、日本ならどこでも目にする見慣れた光景ですが、ひとつだけ違うところがあります。ここはタイのバンコク。セーラー服に身を包んで
いるのはいずれもタイの女子高生なのです。

生徒が集まらずに困っていたこちらの高校では2年前、思い切って制服を日本のセーラー服に変えました。するとこれが大当たり。生徒数は一気に10倍までに膨れ上がりました。

「生徒は自分のファッションに自信を持っています。自信があるのはいいことです」(私立ワラティップ高校・カンチャナシュム校長)

タイでは日本のテレビドラマや映画、漫画などに根強い人気があり若者のライフスタイルやファッションに大きな影響を与えています。

女子生徒の鞄の中を見せてもらいました。筆箱や教科書に混ざって、化粧品や携帯
電話なども入っています。
「日本のファッションはかわいいから好きです」(生徒)
「タイの制服は嫌いです。制服がかわいいからこの学校を選んだんです」(生徒)

大人たちからは「タイの文化を大切に」との苦言も出ていますが、おしゃれに夢中な
若者の耳には、なかなか届きそうにありません。

タイの高校で日本のセーラー服が人気 TBS News i(24日08:20)

seifuku←タイの女子高生たち
クリックすると大きくなります。



いつもは「お堅いのに」(笑)、なぜ今日はこんな他愛ない話題を取り上げたか。もちろん訳があります。
8月のNHK(教育)の「どう受け止める韓国の反日感情」という討論番組、ご覧になられた方も多いと思う。この番組はけっこう面白く、色んな点で勉強になった。
ところで、この番組の中で印象深いシーンがあった。韓国の留学生と思われる青年が、主張の中で「アジア諸国」という言葉を何度も使った。
それに対して櫻井よしこ氏が、「アジア諸国ってどことどこですか?」と質問(逆襲)。
すると、この青年は一瞬絶句した後、それまでの勢いはどこへやらといった感じで、
「韓国と中国です」とボッソと答えた。

つまり、彼らは「アジア諸国」という言葉を前面に出すことで日本に孤立感を感じさせ、自分たちを優位な立場に置いているのである。ところが、櫻井よしこ氏のような反論を
受けると、立脚点が虚構なだけに、たちまち言葉に詰まってしまう。
なぜ彼らは、「中・韓・北」の3カ国にしか過ぎないのに、「アジア諸国」と総称して日本を非難するのか。それは前述したように、彼らの発言がアジアの総意であるかのごとく
印象付けることで、日本の孤立感を際立たせることができるからだ。
しかし、彼らのそういう論法を可能にさせているのは、実は日本人である。
日本のメディアや知識人は、その多くが歴史問題や靖国問題、教科書問題が話題になると、必ず「アジア諸国」という言葉を持ち出す。そして、それによって洗脳された日本人もまた多い。
だから、中・韓が「アジア諸国」という言葉を持ち出し、その名によって我が国を非難しても、それが違和感なく受け入れられるのである。

では、「中・韓・北」の3カ国を除いたアジア諸国の対日姿勢は実際のところどうなのか?この点を明らかにすることによって、「アジア諸国」という洗脳を解き、中・韓の主張がいかに根拠のないものであるかを暴きたい。
これが今日のエントリーの目的である。冒頭のタイの女子高生の制服に関するニュースも、市民レベルでの対日感情をよく表しているので、あえて掲載したものである。

最近のアジア諸国が、どのように我が国に対処しようとしているのか?それを理解するには、首脳レベルの会談で何が話し合われ、何が合意されたかを知ることである。
以下は、大東亜戦争で被害を受けた国々の首脳と我が国首脳との会談内容のうち、
我が国に対する姿勢が読み取れる部分だけを抜粋したものである。
なお、ミャンマーだけは国際的に孤立しており、我が国に対してとやかく言える立場にない(弱い立場)ので省略した。


シンガポール 小泉首相-リー・シェンロン首相

日中関係、歴史問題

リー首相より、日中関係についてはお互いに立場の違いを認め合う関係となることが
重要である旨述べるとともに、シンガポールの対中外交につき紹介があった。

リー首相より、シンガポールとの間では日本は前向きな協力関係を構築してきたことを理解している旨の発言があった。また両首脳は、歴史問題の解決には時間をかけて
未来に向けて対処していく必要があるとの認識で一致した。

国連安保理改革

総理より、国連安保理改革に向けシンガポールと協力していきたい旨述べたところ、
リー首相より、シンガポールは日本の常任理事国入り及び常任・非常任双方を拡大した形での安保理改革を支持している旨述べた。

日・シンガポール首脳会談(概要) 平成17年5月25日


マレーシア 小泉首相-アブドゥラ首相

■経済連携協定

両首脳は、日マレーシア経済連携協定の大筋合意を確認し、今後できるだけ早く作業を進め署名できるよう、事務方で最終的な詰めを行うことを確認した。

アブドゥラ首相より、今回の経済連携協定は包括的なものであり、東方政策(Look East Policy)により築かれてきた二国間の協力関係を更に強化していく証左となるとの発言があった。

■マレーシア日本国際工科大学

アブドゥラ首相より、マレーシア日本国際工科大学設立構想は前進している旨、説明があり、両首脳は二国間のみならずASEANにとっても重要な構想であるという認識で一致した。

■カブトムシ交流

総理より、日本でカブトムシを通じてマレーシアと友好を深めている町の紹介があり、
アブドゥラ首相より、日本の子供たちをマレーシアで受け入れたいとの提案があった。

日・マレーシア首脳会談(概要) 平成17年5月26日


ベトナム 町村外相-カイ首相を表敬、ニエン外相と会談

カイ首相への表敬において、ベトナムは日本の常任理事国入り及び枠組み決議案について支持する旨及び国連総会に提案する際にはベトナムは賛成票を投じる旨の表明があった。ニエン外相との会談では、ベトナムはどんな圧力を受けても日本の常任理事国入りを支持する、これはベトナムの原則的立場であるとの発言があり、枠組み決議案の修正案の内容については真剣に検討するとのことであった。

また、ベトナムのWTO加盟について実質合意をした他、カイ首相訪米帰路に日本に
立ち寄ることを提案した。また、ルオン国家主席の来年2、3月頃の訪日について提案した。その他、両国間の文化交流や経済協力について話し合った。

町村大臣のベトナム及訪問(概要と評価) 平成17年6月10日


インドネシア 小泉首相-ユドヨノ大統領

■新たな挑戦へのパートナー

両首脳は、日本及びインドネシアが、相互信頼、及び、民主主義・人権、寛容、法の
支配、平和の希求、開かれた経済の諸原則といった一連の共通の価値観に基づく強固で長きに亘る関係を数十年にわたり促進してきたことを想起した。インドネシアにとって、日本は貿易、投資及び開発支援において最も重要なパートナーであった。日本にとって、インドネシアは、アジアにおける政治的及び経済的重要性に鑑み主要なパートナーであった。

ユドヨノ大統領は、第二次世界大戦後、日本がアジア及び世界の平和と繁栄に貢献してきたことを評価した。小泉総理は、ユドヨノ大統領の評価に対し感謝の意を表明し、
将来も、地域及び世界の平和と繁栄のため役割を果たし続けるとの日本の決意を述べた。また小泉総理は、世界及び地域の平和の維持におけるインドネシアの積極的な
役割を認識した。

日本インドネシア共同声明 2005年6月2日


タイ 小泉首相-タクシン・シナワット首相

日本及びタイは、2004年には両国間の貿易総額が350億米ドル近くを記録するほど
活力のある経済関係を築いてきた。また、タイは、2004年の直接投資額において、
日本の東南アジアにおける最大の投資先である。同時に、日本は、同年の直接投資額において、タイにとって最大の投資母国である。
この文脈において、この協定は、両国間の協力、貿易・投資の自由化及び円滑化を
通じ、より緊密な経済関係を構築し、より良好な投資環境を整備し、ビジネスチャンスを一層拡大することにより、既に緊密で良好な友好関係と互恵的な協力をさらに拡大し
深化させる
ものである。また、この協定は、日本とタイの戦略的パートナーシップの新たな時代を切り開き、東アジア共同体に向けた強固な基礎を提供することとなる。

共同プレス発表 平成17年9月1日


カンボジア 町村外相-フン・セン首相へ表敬、ハオ・ナムホン副首相兼外相と会談

ハオ・ナムホン副首相兼外相との会談において、日本の常任理事国入りについてのカンボジアの支持は不変である旨発言があった。フン・セン首相への表敬では、同首相から枠組み決議案には賛成するが、共同提案国についてはもう少し状況を見つつ判断をしたい、との発言があった。

町村大臣のカンボジア訪問(概要と評価) 平成17年6月9日


フィリピン 小泉首相-アロヨ大統領

小泉総理大臣とアロヨ・フィリピン大統領は、2002年12月4日、同大統領が国賓として日本を訪問中に東京において会談し、日・フィリピン両国間の経済連携(日・フィリピン経済連携)の構築のために目下進められている作業の重要性につき話し合った。

両首脳は、多年にわたる実りある協力を通じ培われてきた両国間の長期にわたる緊密な経済関係を強調した。両首脳は、そのような緊密な関係が両国に様々な経済的利益をもたらしてきたという認識を共有し、両国の経済連携を一層強化することが望ましいことを強調した。

経済連携に関する日・フィリピン首脳の声明 2002年12月4日

以上が、東南アジア各国の首脳と我が国の首脳が会談した結果である。東南アジア
各国には、我が国に対する感謝と期待の気持ちが感じられる。
これまでのODAを始めとする経済援助、医療や教育援助、莫大な資本投資を考えれば、これが当たり前である。
逆に言えば、中・韓がいかに異常であるかということの証明でもある。

このBlogの読者の方は、中・韓が「アジア諸国」と言えば、自動的に「特定アジア諸国」と翻訳できる機能を持ち合わせておられると思う(笑)。
が、そうではない方も、まだまだたくさんいる。「アジア諸国」と「特定アジア諸国」の
違いを、できるだけ多くの方に知って(広めて)ほしい。

人気blogランキングへ
↑中・韓に怒りを感じる方は
クリックをお願いします。

| | コメント (22) | トラックバック (8)

2005/10/23

パクッても偶然です:韓国映画

kesigomu「私の頭の中の消しゴム」という韓国映画が話題らしい。まったく知らなかったが。

映画「私の頭の中の消しゴム」舞台あいさつに来場者興奮!
(2005年10月19日 サンスポ.COM)




この映画は、平成13年放送の日本テレビ系連続ドラマ「Pure Soul~君が僕を忘れても~」のリメーク版であるという。リメークであっても公表していれば別に何の問題もない。
ところがである。この映画の中の挿入歌「A moment to remember」が、大島ミチル氏のNHK連続テレビ小説「あすか」のテーマ曲「風笛」に酷似しているというのだ。
この問題は、既に2チャンネルなどで話題になり、週刊誌も取り上げたという。寡聞に
して知らなかった。きっかけは、予告編でこの音楽を聞いたファンからの訴えらしい。

私は韓国の映画や音楽にまったく興味がない。どれもこれもオリジナリティがなく、何の感銘も受けないからだ。ぺ・ヨンジュンくらいは知っているが、この映画の主役である
チョン・ウソンやソン・イェジンなんて顔さえ知らない。
それに現実感に欠ける整形美女や整形美男を見たら、それだけで白けてしまう。

そもそも戦後の韓国文化は日本のマネから始まった。私の故郷は朝鮮半島が比較的に近いため、韓国のラジオ放送がよく入る。そこで私が中学~高校のころ聴いたのは、まるで日本の歌謡曲そっくりの韓国歌謡だった。
で、親しい在日にその話をすると、「韓国の歌は日本の歌謡曲に韓国語の歌詞を付けているだけ」とこともなげに言う。その伝統は今も変わらない。

小説でさえ、村上春樹や村上龍、吉本ばなな、江國香織などがベストセラーの上位を占める。要するに、まだまだ韓国の現代文化は後進的(先進国のマネ)であるということだ。
韓国人自身は「韓国最高!」などと勘違いしているが(笑)

しかし、マネとコピーは違う。オリジナルの「殆どそのまま」(大島ミチル氏)を無断で
使用するのは犯罪である。
日本での配給元・ギャガ・コミュニケーションズは、Webサイト上で、「A moment to remember」は「風笛」のカバー曲で「大島ミチル氏もカバー曲としての劇中使用に関して韓国の制作サイドと合意している」と発表している。
が、これはウソである。酷似しているというよりまったく同じなのに、ファンに指摘されるまで知らん顔をしていた。そして発覚すると、最初は「意図的ではない。偶然だ」と居直っていた。
ところが問題が大きくなると、今度は配給元に「大島ミチル氏とはカバー曲として劇中
使用に関し合意している」と発表させる。
韓国人の著作権(芸術性)に対する認識なんて、しょせんこんなもんだ。

もし、芸術のオリジナリティや著作権というものの大切さを認識しているのであれば、
非を認めて誠実に謝罪することだ。盗作を指摘され、それを認めざるを得なくなると、
オリジナルの作者とは合意しているとウソをつく。まったくもって「ふざけるな!」である。

なお、大島ミチル氏は自らのHP上の日記に次のように記している。


9月29日(木)
すでに報告した様に、今月公開になる韓国映画の問題は解決しました。あの音楽が
私の音楽と似ている(と言うのか殆どそのままである)と言う事を認めたと言う事です。沢山の情報をHPにてまたメールにて頂いたからこそ無事に解決する事が出来ました。心からお礼を言いたいと思います。ありがとうございました。

大島ミチル 「Diary

大島氏は、日本人特有の優しさ(というか争いを好まない)で、矛を収めている。まあ、「ある程度の使用料を払います」というところで手を打ったのだろう。
が、これが逆だったらこんなものではすまない。韓国人は、鬼の首でも取ったように強気になり、正式の謝罪と償いを要求するだろう。
大島氏にとやかく言える立場ではないが、もうちょっと突っ張ってほしかった。韓国人の思い違いを正すためにも。残念・・・

もう一つの盗作疑惑

以前に大ヒットした(???)らしい「4月の雪」にも盗作疑惑がある。


ベ・ヨンジュン、ソン・イェジン主演の映画「4月の雪」が23日言論及び配給関連試写会後、一角で盗作ではないかと言う話が上がっている。

結論から言えばこの映画はハリソン・フォード主演の1999年作「ランダムハート」に似ているという。

この日試写会に参加した関係者は“「ランダムハート」と「4月の雪」が主要設定がとても似ていて誤解を受ける余地が十分だ”と“こんな場合原作者が盗作疑惑を申し立てると論難の余地があるようだ”と意見を出した。

国内有名映画製作社代表も“盗作という単語までは使いたくない”と控え目に言った後“しかしとにかく重要な初盤設定がまったく同じで疑が行くことは事実”と明らかに
した。

「4月の雪」はそれぞれ所帯を持つ男女インス(ベ・ヨンジュン)とソヨン(ソン・イェジン)が
ある日連れ合いの交通事故消息に江原道サムチョクのある病院の応急室ででくわす。あいにくにも各自の連れ合いが一台の乗用車に乗っていて交通事故を起こしたとの
こと。

これらは連れ合いの身のまわりの品を整理する過程で各連れ合いどうしが不倫関係だったことを知って背信感と共に絶望感に生きる意志を失って行く。しかし二人は互いに深い愛に陷るようになる。

「ランダムハート」は警察ダッチ・バンダム・ブルック(ハリソン・フォード)と女性下院議員Kチャンドラー(クリスティーン・スコット・トマス)が飛行機墜落事故で発見された変死体から妻フェートンとご主人カルランを見つけることで始まる。二人はこの世を去った各自の連れ合いが夫婦名義でチケットを買い飛行機に並んで座っていて事故にあい、二人ともまったく同じな鍵を持っていたという事実を知ることになる。

ブルックとチャンドラーはそれぞれの連れ合いの死を悲しむ暇もなく背信感に苦しむ中、彼らと連関した警察非理事件を調査中に愛に陷るようになる。

「ランダムハート」も「4月の雪」もメロドラマというジャンルが似ている。飛行機事故と
交通事故という点が違うだけで所帯持ちの男と女が各自の連れ合いに内緒で旅行に
発ち旅行先で事故にあい、その事故で互いの配偶者の不倫を知った者どうし愛に陷るという点がとても似たり寄ったり。

「4月の雪」のシナリオはホ監督が3~4年前映画振興委員会主催のシナリオ公募展に審査委員で参加した時の当選作「風、少年少女に会う」から主要素材を借りて演出部とシナリオ作業を行い、最終的にチェ・ジョンジョク作家の脚色作業を通じて完成したと
いうのが製作社ブルーストーム関係者の言葉。

この関係者は“「ランダムハート」に似ているという話を全く聞いたこともなくてホ監督
及び関連作家たちの間でも映画関係者たちの間でただ一言も連関した話を聞いた事がない”と“偶然の一致似ている素材があることは事実だが全く違った映画”と話した。

[映画] 「4月の雪」アメリカ映画盗作疑惑 (2005年8月25日 BUNKAKOREA.COM)

私は、ハリソン・フォード主演の「ランダムハート」もヨン様主演の「4月の雪」も、どちらも見ていないので、何とも断定的なことは言えない。
が、国を代表する(?)俳優が主演する映画に盗作疑惑を突きつけられること自体「恥」である。まあ、何でも「偶然だ」ですまそうとする韓国人に「恥」はないのかもしれないが・・・

なお、上記のBUNKAKOREAの記事は無署名である。が、文章からして、韓国人が書いたものの翻訳であると思われる。

人気blogランキングへ
↑韓国はおかしいと思う方は
クリックをお願いします。

| | コメント (13) | トラックバック (2)

2005/10/22

懲りない大統領:盧武鉉

この大統領も懲りない人だね。

5月の終わりには、ワシントンの韓国大使館を訪れたローレス米国務次官補から駐米
韓国大使が、
「北東アジアのバランサー論は韓米同盟と両立できない概念だ。もし同盟を変えたければいつでも言ってくれ。希望通りしてやる」
と言われた。

6月初旬にも、韓国を訪れた同次官補から韓国外交部首脳が、
「韓国の戦略的価値は終わった」
「韓国が米国側の要求を受け入れない場合、駐韓米軍を撤退させる状況が来ることもあり得る」
と脅かされた。
(参照:6月10日 朝鮮日報)

同じころ、日本の谷内正太郎外務事務次官からも韓国与野党議員団が、
「日米は情報を共有しているが、米国が韓国を信じていないため、日本が入手する北朝鮮情報を韓国と共有するのが難しい」
と言われ、
(参照:5月27日 産経新聞【潮流】)
「韓米日3国の団結が核心であり、もっとも重要であるが、最近、韓国が韓米同盟から脱している」
「米国と日本は右側におり、中国と北朝鮮は左側にいるが、韓国は今、中国と北朝鮮により近いようだ」
と指摘されている。
(参照:5月25日 朝鮮日報【社説】)

これに対し盧武鉉大統領は必死になって自らを取り繕い、体面を保とうとする。
6月11日のワシントンにおけるブッシュ米大統領との首脳会談では、
「(両首脳は)米韓に見解の差はなく、原則では完全に合意している」(盧大統領)
と、協調姿勢をアピールした。
(参照:6月11日 朝日新聞)

しかし、9月13日から19日にかけて行われた6カ国協議について
「韓国は、米国にとってあまり助けにならなかった」
と9月末にワシントンで開かれた非公開のセミナーで、米国代表のヒル国務次官補から非難され、出席してい韓国大使館員は
「メモを取ってソウルに報告してもよい」
とまで言われた。
(参照:10月6日 産経新聞)

一方において、北の金正日からは、
「南朝鮮革命は既に完了。これからは日本の世論育成に力を尽くせ」
との方針転換指令が平壌から(朝鮮総連に)下されている。
(参照:AERA 7月18日号)

「外交とは駆け引きであり騙し合いである」と言われる。これは「国益第一」ということが、外交の大原則になっているからだ。したがって、一国のトップである大統領は常に国益を意識した言動を取らなければならない。
上記の一連の流れを見れば、今、盧大統領が取るべき言動は、米国の信頼を取り戻すことだ。それが本心から来るものであろうとなかろうと。
そうあってこそ、一国の大統領としての責任が果たせる。
ところが、この大統領はどこまで行っても分かっていない。以下は東亜日報の記事で
ある


盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は21日、「巷間では韓米日3国の安保体制をつくって中国に対処しよう、という主張がある」とし、「しかし韓国はいま、それとは異なり、北東アジアの多国間安保体制をつくって北東アジアに平和構造をつくろうという考えだ」と述べた。

盧大統領は同日、インターネット新聞の「デイリー・ソフライズ」の書面インタビューに
答え、「参加型政府は、北東アジアにおける陣営構図を解消し、経済協力という構図を土台に多国間安保体制までもっていくことを考えている」とし、このように述べた。

盧大統領はまた、「米国が対決的戦線を前提に北東アジアにおける戦略構図を運営すると、北東アジアには常に緊張が生じる」とし、「逆に、北東アジアに欧州連合(EU)のように平和と繁栄の共同体秩序が形成されれば、米国はより大きな利益を得るはずであり、韓国としてはそれを選択するほかない」と強調した。

韓米関係について盧大統領は、「われわれが米国に一方的に依存していた時期は、
調整役は不可能であり、相対的に独立性を保ってこそ北東アジア秩序に対する積極的役割を果たすことができる」とし、「(しかし)多くの人が北朝鮮を恐れるあまり、米国の影響力を過剰に大きく受け止めて、過度に米国の顔色をうかがっている」と指摘した。
(以下略)

盧大統領「韓米日でなく、多国間安保体制の構築を」
(2005年10月22日 東亜日報 )

米国からあれほどまでに言われ、まさに見捨てられようとしているのに、相変わらずの「北東アジアのバランサー論」だ。
しかも、さらに踏み込んで、「北東アジアに欧州連合(EU)のように平和と繁栄の共同体秩序が形成されれば」とまで言及するに至っては、もう政治家というより人間としての
オツムの程度を疑う。
中国、北朝鮮、韓国、そして日本。どこにEUのような共同体を展望できる要素があるのだ???「北東アジアの多国間安保体制」???北東アジアの4カ国で作るの???「北東アジア安全保障機構」=「NEASO」か(爆笑)
一国の大統領に対して失礼かも知れないが、盧武鉉くんに忠告する。
外交は夢を語ることではない。現実を冷徹に分析することだ。

ほんとうに懲りない人、ほんとうにアホな大統領と言うしかない。

ところで、先の総選挙で、「東アジア共同体の構築」「米国に追随するだけでなく必要な場合には米国に自制を促す」「日米地位協定の改定に着手」「在沖縄海兵隊基地の
国外移転を目指す」などとマニュフェストに掲げていた大政党がありましたなあ。
なぜか盧武鉉大統領の言っていることにそっくりな気がするんだけど(笑)
とくに「東アジア共同体」。盧大統領の言う「EUのような共同体」と重なりませんか?
前原代表になって、言ってることがかなり変わってはきたが、やはりこの政党は分裂・再編されるしかない。

私は「小泉マンセー」ではない(笑)けれど、小泉首相を支持して良かったと心の底から思っています。

人気blogランキングへ
↑盧大統領はおかしいと思う方は
クリックをお願いします。

| | コメント (15) | トラックバック (1)

2005/10/21

再びA級戦犯について

小泉首相が靖国神社を参拝してから4日が過ぎた。既にメディアがこの問題に触れる
ことは少なく、多くのブロガーたちも、この問題に関しては平常心に戻ったようだ。
が、私は違う。やはり、ここで問題の根本にある「極東国際軍事裁判」と「A級戦犯」に
ついて言及する必要があると考える。

首相の靖国参拝が問題視されるのは、主として「A級戦犯」が合祀されていることに
よる。しかし、A、B、Cは単なる分類であり、罪の軽重を指しているわけではない。
もっとも重い刑である「死刑」に処せられた「戦犯」は、A級よりもB、C級の方が圧倒的に多い。したがって刑の重さから見れば、A級のみが問題視され、B、C級は不問という
今の状況は「奇妙」極まりない。
A級は主要戦争犯罪人(major war criminals)であるから、ということであろうが、戦争
そのものは国際法上「犯罪」ではない。したがって、戦争の指導的立場にあったからといって、罪が重くなるわけではない。
であれば、「A級戦犯」の合祀のみが問題視されるのは、どう見てもおかしい。やはり、「A級戦犯」のみを切り離して非難するのは「特定の政治的意図」が作用した結果と
言わざるを得ない。

「極東国際軍事裁判」とは何か、「A級戦犯」とは何かを検証することで、この「特定の
政治的意図」の欺瞞性を明らかにしたい。
ちなみに、ナチスを裁いたニュルンベルク国際軍事裁判においては、もっとも罪が重いとされたのは、C級の「人道に対する罪」に問われた者たちである。

問題の本質をより正しく理解する上で、あのバール博士の言葉が非常に参考になる。
したがって、まず博士の言葉を引用する。博士は、極東国際軍事裁判において、日本が国際法に照らして無罪であると終始主張し続けたインド人判事である。
ぜひ読んでほしい。

また、私は、既に「極東国際軍事裁判」と「A級戦犯」についてエントリーを書いている。このエントリーは、私がこれまで書いたエントリーの中でも、アクセス数がベスト3に入る。
上梓してから5ヶ月が経つのに、未だにアクセスが絶えない。それだけ関心が強いテーマなのであろう。そこで今日は、そのエントリー【A級戦犯】を再掲する。既にお読みいただいた方も多いと思われるが、この際に再読してみてほしい。
バール博士の言葉と併読していただければ、より理解を深めていただけると思う。


ラダ・ビノード・バール博士は、極東国際軍事裁判所判事を務めた後、1952~67年の間、国連国際法委員会委員に任命された。1958年度および62年度には委員長に
就任。
1967年1月10日、カルカッタの自邸において逝去された。

以下は、1952年11月6日、広島高裁の歓迎レセプションにおける挨拶である。博士は、「子孫のため歴史を明確にせよ」と題して次のように述べられた。


1950年のイギリスの国際情報調査局の発表によると、「東京裁判の判決は結論だけで理由も証拠もない」と書いてある。
ニュルンベルクにおいては、裁判が終わって三か月目に裁判の全貌を明らかにし、
判決理由とその内容を発表した。しかるに東京裁判は、判決が終わって4年になるのにその発表がない。
他の判事は全部有罪と判定し、わたくし一人が無罪と判定した。わたくしはその無罪の理由と証拠を微細に説明した。しかるに他の判事らは、有罪の理由も証拠も何ら明確にしていない。おそらく明確にできないのではないか。
だから東京裁判の判決の全貌はいまだに発表されていない。これでは感情によって
裁いたといわれても何ら抗弁できまい。

要するに彼等(欧米)は、日本が侵略戦争を行ったということを歴史にとどめることによって自らのアジア侵略の正当性を誇示すると同時に、日本の過去18年間のすべてを罪悪であると烙印し罪の意識を日本人の心に植えつけることが目的であったに違いがない。
東京裁判の全貌が明らかにされぬ以上、後世の史家はいずれが真なりや迷うであろう。歴史を明確にする時が来た。そのためには東京裁判の全貌が明らかにされなくてはならぬ。・・・これが諸君の子孫に負うところの義務である。

わたしは1928年から45年までの18年間(東京裁判の審議期間)の歴史を2年8カ月
かかって調べた。各方面の貴重な資料を集めて研究した。この中にはおそらく日本人の知らなかった問題もある。それをわたくしは判決文の中に綴った。
このわたくしの歴史を読めば、欧米こそ憎むべきアジア侵略の張本人であることがわかるはずだ。しかるに日本の多くの知識人は、ほとんどそれを読んでいない。そして自分らの子弟に「日本は国際犯罪を犯したのだ」「日本は侵略の暴挙を敢えてしたのだ」と教えている。
満州事変から大東亜戦争勃発にいたる事実の歴史を、どうかわたくしの判決文を通して充分研究していただきたい。日本の子弟が歪められた罪悪感を背負って卑屈・頽廃に流されてゆくのを、わたくしは見過ごして平然たるわけにはゆかない。彼らの戦時宣伝の偽瞞を払拭せよ。誤れた歴史は書きかえられねばならない。


パール博士は東京弁護士会においても講演された。ここで博士は次のように述べている


日本人はこの裁判の正体を正しく批判し、彼らの戦時謀略にごまかされてはならぬ。
日本が過去の戦争において国際法上の罪を犯したという錯覚におちいることは、民族自尊の精神を失うものである。
自尊心と自国の名誉と誇りを失った民族は、強大国に迎合する卑屈なる植民地民族に転落する。日本よ!日本人は連合国から与えられた【戦犯】の観念を頭から一掃せよ。

田中正明著 「パール博士のことば 子孫のため、歴史を明確に正せ


田中正明氏は、「パール博士の日本無罪論」の著者として有名である。氏は、上記の「パール博士のことば」において次のように書いている。


東京裁判が終わって2年後の昭和25年10月15日マッカーサーはウェーキ島において
トルーマン大統領に「東京裁判は誤りであった」旨を告白して、すでにこの裁判の失敗を認めている。
その翌年の5月3日、アメリカ上院の軍事外交合同委員会の聴聞会で「日本が第二次大戦に赴いた目的は、そのほとんどが安全保障のためであった」と、東京裁判で裁いた日本の侵略戦争論を全面的に否定しているのである。
のちに、「この裁判の原告は文明である」と大見得を切ったキーナン主席検事も、あの傲慢なウエッブ裁判長も、この裁判は法に準拠しない間違った裁判であったことを認める発言をしている。現在名ある世界の国際法学者で、東京裁判をまともに認める学者など一人もいない。パール判事の立論こそが正論であるとし、パールの名声は国際的に高まった。

saiban
パール判事の日本無罪論
 小学館文庫
田中 正明 (著)





-------------------------------------------------------------------

バール博士が言うように、「極東国際軍事裁判」は、「日本の過去18年間のすべてを
罪悪であると烙印し罪の意識を日本人の心に植えつけることが目的であった」。
そして、この裁判の結果、「自尊心と自国の名誉と誇りを失った」民族感情が生まれた。
「特定アジアの国々」がそれを政治的に利用し、「自尊心と自国の名誉と誇りを失った」民族感情に侵された人々がそれに同調する。
「A級戦犯」の合祀や首相の靖国参拝が問題になるのは、そういう「特定の政治的
意図」が作用した結果ではないか。

「日本の多くの知識人は、自分らの子弟に『日本は国際犯罪を犯したのだ』『日本は
侵略の暴挙を敢えてしたのだ』と教えている」
「日本が過去の戦争において国際法上の罪を犯したという錯覚におちいることは、民族自尊の精神を失うものである」
「自尊心と自国の名誉と誇りを失った民族は、強大国に迎合する卑屈なる植民地民族に転落する。日本よ!日本人は連合国から与えられた【戦犯】の観念を頭から一掃せよ」
「日本の子弟が歪められた罪悪感を背負って卑屈・頽廃に流されてゆくのを、わたくしは見過ごして平然たるわけにはゆかない」

以上のバール博士の言葉ほど、戦後の日本国及び日本人の卑屈さと精神的退廃を
言い当てたものはない。今回の小泉首相の靖国参拝をめぐる喧騒を見ても、それがよく分かる。
博士が警句を発してから既に50年以上が経つ。にもかかわらず、我が国民の中には
民族自尊の精神を失い、卑屈なる植民地民族に堕して改まることのない者たちがいる。
日本よ!日本人は連合国から与えられた【戦犯】の観念を頭から一掃せよ!

人気blogランキングへ
↑首相の靖国参拝支持の方は
クリックしてくれると元気になれます。

-------------------------------------------------------------------

A級戦犯 (Sunday, May 29, 2005)

森岡正宏厚生政務官は26日の自民党代議士会で、小泉首相の靖国神社参拝を「大変良いことだ」と支持する考えを示したうえで、「極東国際軍事裁判は、平和や人道に対する罪を勝手に占領軍が作った一方的な裁判だ。A級戦犯の遺族には年金をもらっていただいており、日本国内ではその人たち(A級戦犯)はもう罪人ではない」と述べた。(後略)
2005年5月26日(朝日新聞)

上記の発言が物議を醸している。
この発言を肯定する人もいれば、民主党の岡田代表のように「東京裁判を認めないと
なれば、戦争責任を負わないことになる。更迭を求めるのは当然だが、その前に政府がきちんと対応すべきだ」と罷免を求める意見もある。
もちろん、中国は猛烈に反発している。

発言のタイミングはともかくとして、その是非を問うには、まず、そもそも極東国際軍事裁判とは何か、戦犯とは何か、から考えてみる必要がある。
極東国際軍事裁判は、ポツダム宣言第10項の戦犯処罰規程を根拠に、11カ国の連合国名によって(イ)「平和ニ対スル罪」、(ロ)「通例ノ戦争犯罪」、(ハ)「人道ニ対スル罪」の3つに分類された55項目の訴因に基づいて行われた。英訳すると(イ)(ロ)(ハ)はa、b、cになる。
裁判所は、東京 市ヶ谷の旧陸軍士官学校講堂に設置された。

A級戦犯とは、極東国際軍事裁判所条例の第5条(イ)、つまりaに規定された「平和ニ対スル罪即チ、宣戦ヲ布告セル又ハ布告セザル侵略戦争、若ハ国際法、条約、協定又ハ誓約ニ違反セル戦争ノ計画、準備、開始、又ハ遂行、若ハ右諸行為ノ何レカヲ
達成スル為メノ共通ノ計画又ハ共同謀議ヘノ参加」を犯したとして、極東国際軍事裁判によって有罪判決を受けた人々のことである。
解りやすく言うと、侵略戦争を計画し、準備し、開始し、遂行した、もしくはそのための
共同謀議に参加したとして、a「平和に対する罪」に問われた指導的立場の人々がA級戦犯である。主要戦争犯罪人とも呼ばれる。
これに対し、B級戦犯とは、同条例第5条(ロ)=bの「通例の戦争犯罪」に問われた人々であり、占領地の人民に対する殺人、虐待、奴隷などが該当する。訴追されたのは、占領地の将校クラスが多い。
C級戦犯とは、第5条(ハ)=cの「人道に対する罪」に問われた人々であり、この罪の
対象は多岐にわたる。
戦争前か戦争中かは関係なく、占領地であるか否かも問わない。すべての人民に対して行われた行為が対象になる。
罪の範囲は、殺人、殲滅、奴隷的虐使、追放、その他の非人道的行為、そして政治的、人種的理由に基く迫害行為にまで及ぶ。訴追されたのは、占領地の下士官、兵隊クラスが多い。
このcは、本来、ナチスのユダヤ人に対するホロコーストを裁くために設けられたものであったと云ってよい。
なお、A級のAとは、同裁判所条例において「平和に対する罪」がaである事に由来する。a、b、cは単なる分類であり、罪の軽重を指しているわけではない。誤解しないで
ほしい。
ちなみに、ナチスを裁いたニュルンベルク国際軍事裁判においては、もっとも罪が重いとされたのは、cの「人道に対する罪」に問われた者たちである。。
ただ、b、cはaに関連するものであるから、A級戦犯はb、cの罪にも問われていると云える。事実、A級戦犯とされる松井石根陸軍大将は、aは無罪であったにもかかわらず、b、cにおいて有罪とされ絞首刑に処された。したがって、松井石根陸軍大将は、正確に云えばA級ではなくBC級戦犯である。
以上を踏まえた上で、極東国際軍事裁判がいかなるものであったかを検証したい。

極東国際軍事裁判には、その構成上及び制度上の問題と裁判そのものの正当性の
問題の両方がある。まず、構成上及び制度上の問題から述べてみよう。

①11人の判事中、中立国からは一人も選ばれなかった。
②仏・ソ2カ国の判事は、裁判の公用語である英語と日本語を理解できなかった。
③ソ連は中立条約を破って日本を一方的に攻撃した典型的な条例違反国なのに、罪を問われるどころか、この裁判で検事として、あるいは判事として、日本を訴追する権利まで与えられた。
④判事の中には、法曹経験の全くない者(中国の梅汝敖判事)もいた。
⑤民主主義にとっては当たり前の上告制度がなかった。
以上が構成上及び制度上の疑義である。

次に、最も重要な裁判そのものの正当性の問題について述べる。

①大東亜戦争は侵略戦争だったのか?
②戦争に対する共同謀議、平和に対する罪、人道に対する罪は、当時の国際法等に
規定があったのか?
③そもそも、このような戦勝国が敗戦国を裁く裁判は何を根拠にして成り立つのか?

①に関して云うと、1941年12月8日に開始された太平洋戦争は侵略戦争ではなかったと断言できる。これは、帝国主義国家間による植民地争奪戦争だった。
米国はフィリピンを、イギリスはインド、ビルマ、マレー半島を、フランスはインドシナを、オランダは東インド(現在のインドネシア)を植民地支配し、搾取と収奪をほしいままに
していた。
欧米列強は、本国は民主主義だったが、ほぼアジア全域で過酷な植民地支配を行っていたのだ。そこでは数々の弾圧と虐殺があった。フランスとオランダは、戦後も独立を
宣言した旧植民地を再侵略している。
このような国々と日本は戦ったのである。これのどこが侵略なのか?
1937年に始まった日中戦争は、確かに侵略戦争だったかもしれない。しかし、それは今だから云えることである。当時は「侵略」の定義さえ定かではない時代だった。
また、欧米列強も租界を初めとする数々の特権を中国に対して持っていた。イギリスに
至っては、歴史上最低の部類に属するアヘン戦争で香港を強奪していた。
注意してほしいのは、だからといって、日中戦争を肯定しているわけではないと云う事である。当時の欧米列強が正義で日本が悪だという構図は、勝者の論理に過ぎないと云いたいのだ。

②に関して云えば、事後(敗戦後)に裁判所条例により制定されたもので、当時の国際法等には何の規定もない。法治社会の鉄則である法の不遡及に反しており、罪刑法定主義からも逸脱している。

③に関して云えば、根拠などどこにもない。極東国際軍事裁判それ自体が、原則に
反する違法なものなのである。

これには、さすがに判事の間にも異論があった。11人の判事中、少数意見の判事が
5人いた。
そのうちの一人、オーストラリアのウエップ裁判長は、「どの日本人被告も、侵略戦争を遂行する謀議をしたこと、この戦争を計画及び準備したこと、開始したこと、または遂行したことについて、死刑を宣告されるべきでない」と判決文にしたため、フランスのベルナール判事は、「天皇が免責された以上共犯たる被告を裁くこができるのか」と述べた。
インドのラダ・ビノード・パール判事に至っては、「連合国は法を引用したのでもなければ、適用したのでもない。単に戦勝国の権力を誇示したにすぎない。戦争に勝ったが故に正義であり、負けたが故に罪悪であるとするのであれば、もはやそこには、正義も法も真理も存在しない。国際法、慣習法に照らして戦争は犯罪ではない。日本は無罪だ」と主張し、アメリカの原爆投下を非難した。
オランダのレーリング判事も「廣田弘毅元首相は無罪、他の死刑も減刑せよ。ドイツのナチスの処刑に比して重すぎる」と言い、フランスのベルナール判事は「この裁判は
法の適用および法手続きにおいても誤りがある」とし、「11人の判事が一堂に集まって
判決の一部または全部を協議したことは一度もない」と内部告発までした。
結局、米・英・ソ・中・カナダ・ニュージーランドの6カ国が、多数判決で、それ以外の5カ国を押し切ったのである。
ちなみに、少数意見5カ国のうち、フィリピンのジャラニフ判事のみが「判決が軽すぎる」とする立場からの反対だった。

※オランダのレーリング判事は、帰国後に著した「東京裁判とその後(ザ・トウキョウ・
トライアル・アンド・ビョンド)」の中で、次のように述懐している。
「われわれは日本にいる間中、東京や横浜をはじめとする都市に対する爆撃によって
市民を大量に焼殺したことが、念頭から離れなかった。
われわれは戦争法規を擁護するために裁判をしているはずだったのに、連合国が戦争法規を徹底的に踏みにじったことを、毎日見せつけられていたのだから、それはひどいものだった。
もちろん、勝者と敗者を一緒に裁くことは不可能だった。東條が東京裁判は勝者による復警劇だといったのは、まさに正しかった」と・・・

判決後弁護側は、連合国軍最高司令官へ再審査を申し立てるが却下され、直ちにアメリカ連邦最高裁に訴願するが、これも却下された。

A級戦犯とされた被告は東條英機以下27名。
精神異常による訴追免除及び病死を除く25名が起訴される。
絞首刑は、東條英機(軍人)、板垣征四郎(軍人)、木村兵太郎(軍人)、土肥原賢二(軍人)、松井石根(軍人)、武藤章(軍人)、廣田弘毅(第32代内閣総理大臣)の計7名。
昭和23年12月23日に巣鴨プリズンで処刑された7人の遺体は、まもなく横浜の久保山火葬場で荼毘に付された。遺骨は遺族に引き渡されることなく、米軍により砕かれて
東京湾に捨てられてしまった。

この裁判は、昭和天皇の誕生日(昭和21年4月29日)を選んで起訴され、 死刑執行は皇太子(現天皇)の誕生日である12月23日に執行された。

不起訴は、岸信介(後に首相)、児玉誉士夫(ロッキード事件の黒幕)、笹川良一(後に船舶振興会会長)、正力松太郎(後に読売新聞社長)。
A級戦犯として有罪判決を受け禁固7年とされた重光葵元外相は釈放後、鳩山内閣の副総理・外相となり国際舞台で活躍した功績で勲一等を授与され、終身刑とされた
賀屋興宣元蔵相は池田内閣の法相を務めた。

A級戦犯として絞首刑に処された人々は、1978年10月から靖国神社に“昭和受難者”として合祀された。また、国内法では「刑死」ではなく「公務死」の扱いになって
おり、1953年以降、遺族は、国内法による遺族年金または恩給の支給対象にもなっている。
それなりに名誉が回復されたわけである。

なお、B、C級戦犯として約5600人が、横浜以外に上海、シンガポール、ラバウル、マニラ、マヌス等々南方各地の50数カ所で逮捕、投獄され、裁判の体をなしていない軍事裁判にかけられて約1000名が戦犯の名のもとに処刑されjた。
横浜以外で行われた裁判は、私刑であったといっても過言ではない。

以上からして、極東国際軍事裁判は、構成上及び制度上の疑義と裁判そのものの
正当性の疑義の両面から認めることはできない。
百歩譲って裁判を認めたとしても、近代法の理念に基づけば、刑罰が終了した時点で受刑者の罪は消滅する。従って処刑されたA級戦犯は、現在では犯罪者ではない。
戦犯の名誉回復は日本の主権に属する問題である。また日本の国内法上において、そもそも「戦犯」という用語を用いた規定は存在しない。
したがって、靖国神社にA級戦犯とされた人々が合祀されていても、国内はもちろん
外国からもとやかく言われる所以は全くない。また、日本国総理大臣が参拝しても何の問題もない。

民主党の岡田代表には、極東国際軍事裁判を認めるか否かと、戦争責任を認めるか否かは別問題だ、とだけ云っておこう。日本やアジアの民を苦しめたという点で戦争責任はある。が、それは米英も同罪である。

最後に、米軍の無差別爆撃による日本の非戦闘員の被害は以下のとおりである。
東京大空襲の被害者は死者10万人(推定)
広島の原爆被害者は死者約14万人(誤差±1万人)
長崎の原爆被害者は死者7.5万人
その他の空襲による死者20万人

これに対して、ジョン・F・ケネディ政権で国防長官だったマクナマラは何と回顧しているか。
マクナマラは経営管理の理論を戦争に応用。攻撃効率を高めるため、統計を取り、分析する。だが彼の報告書を元に、日本に無差別絨毯爆撃が行われた。指揮官は後に
広島・長崎に原爆を落としたカーティス・E・ルメイ少将。
「勝ったから許されるのか?私もルメイも戦争犯罪を行ったんだ」
THE FOG OF WAR(マクナマラ元米国防長官の告白)

関連記事:なぜ終戦記念日なのか?

参考記事:1極東国際軍事裁判
参考記事:2極東国際軍事(東京)裁判
参考記事:3A級戦犯
参考記事:4東京裁判
参考記事:5極東国際軍事裁判
参考記事:6戦争犯罪
参考記事:7「ポツダム」共同宣言
参考記事:8中國新聞
参考記事:9激しい空襲

人気blogランキングへ
↑首相の靖国参拝支持の方は
クリックしてくれると元気になれます。

| | コメント (17) | トラックバック (6)

2005/10/20

外資との提携に走る国有銀行

中国経済がグローバルな経済システムに組み込まれていく中で、最大のネックになるのが4大国有銀行の巨額の不良債権であることは過去のエントリーでも何度か指摘した。
中国当局が、人民元の切り上げに極めて慎重に対処しているのも、国内の金融システムに大きな不安を抱えていることが大きな原因である。
中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁も、「銀行改革が切り上げの前提になる」と強調している。

この金融システムの不安に対して中国当局は、4大国有銀行に大胆な公的資金を注入し、海外での上場を果たすことで対応しようとしている。
ところが中国の企業は、4大国有銀行も含めて財務内容の不透明度が高く、海外での上場は極めて厳しい状況にある。
以下は、産経新聞からの引用である。


激しさを増す企業の国際間競争をにらんで、活発な資金調達を続ける中国企業が、米国証券市場を「敬遠」し始めている。中国企業は実質的に中国政府の保有する「国営」が多いほか、一般に財務内容の開示を嫌う傾向が強く、厳しい米国の上場基準を満たすことが難しいからだ。

香港証券取引所における新規株式公開(IPO)などを通じた2005年上半期(1-6月)の企業の資金調達額は、前年同期比21%増の約83億ドル(約9千4百60億円)。このうち、中国企業は約73億ドルを占める。上海電気集団、国有石炭会社・神華集団の関連会社である中国神華能源などの大型上場が相次いだ結果だ。

これに対し、ニューヨーク証券市場でのIPOは02年以来、中国生命やチャイナネット・ドット・コムなど数えるほどしかない。同市場における中国企業の今年8月までのIPOによる資金調達額は13億7千万ドル(約1千5百60億円)。04年の72億6千万ドルよりもさらに縮小している。

背景にあるのが、米国の企業改革法(サーベンス・オックスレー法)の存在だ。01年のエンロンやワールドコムの不正会計事件を受けて、経営者による内部統制の定期的な評価や外部の公認会計士による監査を義務付けている。しかし、大半の中国企業は
同法の定める情報開示を満たすことが困難なうえに、米国で株主による訴訟が起こった場合、「自ら負うリスクの大きさが想定できない」(金融コンサルタント会社)わけだ。

米議会の諮問機関で、中国との商取引を調査している米中経済安全保障調査委員会(USCC)のリチャード・ダマト委員長は、「中国企業は、より上場基準の低い香港株式市場などを活用して米国をはじめ世界中の投資家から資金を集めようとしている」と
語る。

中国企業の資金調達のあり方は、「経営の不透明性」と表裏一体の関係ともいえそうだ。(ワシントン 気仙英郎)

中国企業が米上場敬遠 厳しい情報開示満たせず
(2005年10月20日 産経新聞)

中国の国有企業は、財務体質が悪い(実質赤字)ものが多く、香港株式市場でしか
上場できないのが実情である。しかし、世界最大のニューヨーク証券市場を始めとする欧米の証券市場で上場できなければ、いずれ資金調達に限界をきたす。
そこで、中国企業、特にその中核をなす国有銀行が目指しているのが外資との提携である。外資と提携することで資金を調達するとともに、リスク管理や資産・負債管理に
関するノウハウを吸収する。そして銀行改革を加速させ、財務体質の改善と財務内容の透明度を高める。

まず、一番手の中国銀行は、スイスの銀行最大手、UBSグループと戦略的投資協議書に調印し、出資分を含め5億ドル(約5百65億円)の投資を受ける。
中国銀行は8月、英国の大手銀行、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)からの31億ドル(約3千5百億円)の出資要請を受け入れ、株式の10%を譲渡することで合意したばかりだ。
6月には米国の大手銀行、バンク・オブ・アメリカが中国建設銀行への資本参加を発表。中国工商銀行に関しても、米ゴールドマンサックスを中心に、ドイツの保険大手アリアンツと米アメリカン・エクスプレスが約30億ドル(約3千3百90億円)を出資し、株式の10%を取得する計画が明らかにされている。

外資系金融機関の狙いは、拡大を続ける中国経済において、早い段階から進出する
ことによって確固たる地歩を築きたいということであろう。
しかし、中国の4大国有銀行が抱える不良債権は、融資総額の19%に達するとされている。しかも、これは表向きの数字で、米国の権威ある評価機関スタンダード・アンド・プアーズ(Standard & Poor’s)は、中国の銀行の不良債権率は45%に達していると
見ている。
にもかかわらず、なぜ外資系金融機関は国有銀行に投資するのか?それは中国という国の信用である。

中国の外貨準備高は7690億ドル(9月末)で、年内には我が国を抜き世界一になると
予想される(香港を除く)。貿易黒字も年間1000億ドルに達するペースで拡大している。この信用が中国を支えているのだ。
しかし、一方においてリスクも大きい。財政赤字は、既に国際安全ラインの対名目GDP比3%に達している。4大国有銀行の不良債権、国有企業の債務残高、社会保障関連の支出などを合わせると、名目GDP(1兆6,493億ドル)を超える規模の債務があると推測されている。
さらに、人民元再切り上げに対する外圧は強まるばかりであり、大幅切り上げ後の先行きは、まったく不透明である。

また、中国の国有企業にはコーポレート・ガヴァナンスやコンプライアンスといった、
(上場)企業に求められる基本が欠如している。これは銀行も例外ではない。
今年1月には、中国銀行の黒竜江省の支店長が顧客口座から8億元(約100億円)を
奪って海外逃亡した。4月にも、同行北京支店で行員も加担した住宅ローン詐欺が発覚し、6億5000万元(約85億円)に上る損失が発生している。
その結果、中国銀行は、悲願の海外上場を断念せざるを得なくなった。(「海外上場は来年以降」、中国銀行報道官)。

4大国有銀行が抱える不良債権の大半は、国有企業に対するものである。この国有企業の赤字体質は依然として解消されておらず、銀行が抱える不良債権は今後ますます増大する危険性がある。
外資系金融機関のノウハウを吸収することによって、国有企業にリストラを迫り、不良債権の処理を加速する選択肢もある。
しかし、一時帰休者(レイオフ)は国有企業だけで1000万人を超え、都市部の実質失業率は10%近い。しかも、国有企業は、地域経済の中核を担う存在である。
不良債権処理→国有企業のリストラ加速という道は、大量の血を流す結果になり、
社会不安を誘発しかねない。

つまり、中国の国有銀行に投資するということは、極めて大きなリスクと背中合わせなのだ。
日本のメガバンクの中国進出が遅れていることを危惧する論調がメディアにある。しかしこれは、メディアが指摘するような「バブルの後始末に追われた」からではなく「バブルの経験からリスクに対して慎重になった」からだと私は思う。

UBSの主席アジアエコノミスト、ジョナサン・アンダーソン氏は「2007年までに、外資系金融機関が中国の銀行システム全体の6分の1の機能をコントロールしていることが
予想される」と指摘している。
しかし、不透明な財務内容を解明することなく投資を実行した結果が吉と出る保証はない。また、コーポレート・ガヴァナンスやコンプライアンスの欠如という、中国の国有銀行の致命的欠陥が一朝一夕に是正されるとも思えない。
本気でやるとなれば、かなりの荒療治が必要になる。そこまで当局や銀行が決断できるかである。

外資系金融機関は、国有銀行を健全化する過程で大量の失業者が発生し、社会不安が誘発されても、「われ関せず」の立場にいることができる。
健全化された銀行が海外で上場されれば、膨大な利益が見込める。買い叩いて手に入れた不良債権を高く転売する方法もある。
確かにリスクは高いがメリットも大きい。そういうところだろうが、私は邦銀が彼らと同じ土俵に乗るようなことは避けた方が良いと思う。

バブルでどれだけ痛い目にあったか。身をもって体験したはずだ。
「バスに乗り遅れるな」的発想で中国に進出し、再び痛い目にあう。そういう愚だけは
避けなければならない。
「羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」で良いではないか。ビジネスチャンスは中国以外にもたくさんある。

参考資料1:スイスUBS 中銀に565億円投資へ 銀行への外資導入活発化
(2005年9月29日 フジサンケイ ビジネスアイ)
参考資料2:中国、再就業を全面的に加速
参考資料3:中国の雇用情勢

人気blogランキングへ
↑中共に怒りを感じる方は
クリックをお願いします。

| | コメント (11) | トラックバック (2)

2005/10/19

中国:貧困人口8千6百万人

中国訪問中のウルフォウィッツ世界銀行総裁は18日、北京市内で記者会見し、「有人宇宙船打ち上げに成功し、数千億ドルの外貨準備高があるにもかかわらず、世銀が
中国にかかわっているのは、世界2位の貧困人口を抱えているためだ」と述べ、今後も中国の貧困削減に協力する姿勢を強調した。

総裁はまた、「過去半世紀の世界経済発展の経験からいえば、軍事力ではなく、個人の才能を活用することこそが国の豊かさにつながる」と指摘。中国も軍事より国内開発に注力すべきだとの見方を示した。

総裁は会見に先立ち、アジア開発銀行(ADB)の黒田東彦総裁とともに、国際金融機関が中国で初めて発行した人民元建て債「パンダ債」の記念式典に出席。「(発行は)中国の資本市場にとって重要な一歩だが、まだ先は長い」と述べ、市場の効率化をさらに進めるよう呼び掛けた。(北京・共同)

中国:宇宙船成功でも世界2位貧困人口 世銀総裁が北京で
(2005年10月18日 毎日新聞)

上記の記事をどう読むか。「中国の貧困削減に協力する」に力点があるのか、「軍事より国内開発に注力すべき」との指摘に力点があるのか。 
1960年代の我が国がそうであったように、今の中国が世界銀行の協力を必要としていることは間違いない。ウルフォウィッツ氏は、その中国の弱みにつけ込んで圧力を掛けようとしている、そう読むべきなのだろうか?
なにしろ、ウルフォウィッツ氏は「ネオコン(新保守主義者)」の代表格であるからだ。

ブッシュ大統領は、もう一方のネオコンの象徴的存在であるボルトン氏を国連大使に起用した。これは、「国連や世界銀行の活動に米国の価値観を反映させる」ことをブッシュ政権が狙っているからとされる。
この視点に立てば、やはり世銀をテコにした中国に対する圧力と見る方が当たっているような気がする。

ところで、ウルフォウィッツ氏が世界第2位と言う中国の貧困人口は一体何人いるのだろうか?それを知るための格好の記事がある。「貧困問題は楽観できない」というタイトルの国務院扶貧弁公室:何平・政策法規局副局長に対するインタビュー記事である。

hinkon

・中国の扶貧開発の重点県分布図
・クリックすると拡大します。
・分布図は上記記事からの転用です。



同記事によると、中国の絶対貧困人口(1人当たり平均の純年収が625元=8,750円
以下)は2820万人。相対的貧困人口(一人当たり平均の純年収が625元から865元=12,110円の間)は5800万人。貧困人口の総数は8600万人以上に上る。
つまり、一人当たり平均の年収が約12,000円、月収にして1,000円以下の人たちが8600万人日本の人口(1億2810万人)の約67%もいるということである。
中国は貧富の差が激しいとか、乞食みたいな人間がたくさんいるとか、よく指摘される。しかし、それだけでは具体的にイメージできない。が、こうして数字にしてみると、
いかにすさまじい状況かがよく分かる。

この現実を見れば、有人宇宙船を飛ばして浮かれている場合ではない。ウルフォウィッツ氏が「軍事力ではなく、個人の才能を活用することこそが国の豊かさにつながる」と
指摘するのは当たり前だ。
この現実から眼をそらすために排外的民族主義を煽る。あるいは国威発揚で紛らわす。こんな前時代的手法に頼るのではなく、もっと真正面から現実に取り組むことだ。

貧困(貧乏人)の輸出は世界中が迷惑している。いい加減にしてもらいたい。

参考資料:貧困問題は楽観できない

人気blogランキングへ
↑中共に怒りを感じる方は
クリックをお願いします。

| | コメント (11) | トラックバック (3)

2005/10/18

普通の国になる曲がり角part-2

我が国の外交は本当に変わったと思わせる出来事がまた一つあった。町村信孝外相が7月に国連本部での記者会見で、「常任理事国入りが実現しない場合は分担金削減を求める可能性を示唆」していたが、昨日、国連大使が実際に分担率を引き下げるよう要求した。

【ニューヨーク=白川義和】小沢俊朗・国連3席大使は17日、国連総会第5委員会
(行政・予算)で演説し、国連分担金の算定方式について、「安全保障理事会の5常任
理事国の4か国を足しても、その地位を拒否された一加盟国より財政負担が少ない。
こうした現状を続けることが許されるのか
」と述べ、来年行われる分担金比率の見直し交渉で抜本的改正を求める考えを示した。

国連の場で、日本が常任理事国入りと分担金問題を明確に結びつけて発言したのは初めて。

国連予算の分担率は原則、各国の国民総生産(GNP)をもとに3年ごとに決定される。2004―06年の日本の分担率は19.468%(年間3億4640万ドル)で、米国の22%に
次いで多い。これに対し、米国以外の4常任理事国の合計は、15.31%にすぎない。

小沢大使は、国連が日本の貢献を正当に評価せず、分担金の算定方式が公正ではないとの「失望感や不満」が日本国内で増えていると主張。「特別な地位を持つ加盟国が、それにふさわしい特別の責任を負うことを反映した制度」を求めていくとし、常任理事国が相応の負担をするべきとの考えを示した。

日本の常任理事国入りは、日独など4か国グループ(G4)とアフリカ連合(AU)の決議案一本化の挫折で、実現の見通しが立っていない。

4常任理合計より高負担、許されるか…日本が改正要求
(2005年10月18日 読売新聞)

町村外相の記者会見での発言は当Blogでも取り上げた。そして次のように書いた。


町村外相の「もし日本が常任理事国入りに失敗すれば、(分担金の拠出額を削減すべきだという)声が急速に広まることは容易に想像できる」という発言は、時宜を得たものである。私も常々そう考えていた。
現在の日本の分担率は、EUの3大国(独、英、仏)の合計(20.8%)とあまり変わらない。アメリカを除く現常任理事国4ヶ国(英、仏、中、露)の合計(15.3%)をはるかに上回っている。
国連分担金ばかりではない。PKO予算においても約20%を分担している。ここにおいても日本の分担率は、米国を除く常任理事国4カ国の分担率の合計(18.4%)よりも大きいのである。
(中略)
第2位の分担金を課され、それを受け入れざるを得ないということは、日本の存在が、
それだけ国際政治と国際経済において大きくなっているということである。それに加えて、第2次大戦後日本は、一度も武力を行使したことがない(現常任理事国は、すべての国が戦後、侵略行為を行っている)。
(中略)
にもかかわらず日本は、PKO計画を決定する安全保障理事会に議席を有していない。その費用の5分の1もの巨額な資金負担を強いられながら、その使途に関与できない。これでは、国民(納税者)に対してAccountability(説明責任)を果たしていないことになる。
やはり、カネも出すが口も出すのが国民に対しても、世界に対しても責任ある国家としての態度なのではないか。

普通の国になる曲がり角
※我が国は、2005~06年は非常任理事国

正直に言うと、この町村発言のときは、単なるブラフではないかという疑念もあった。いくら偉そうなことを言っても、最後は腰砕けになる。それが日本という国だ・・・
ところが、本当に国連の行政・予算に関わる委員会で、大使が分担金比率の引き下げを要求した。ある意味、「うれしい誤算」である。
米国を除く「特別な地位を持つ加盟国」の分担金合計が、「一加盟国に過ぎない我が国」より少ないのは明らかに異常である。我が国が、その異常な状態を是正し、「特別な地位にふさわしい特別な責任を負う」制度を求めていくのは、当たり前のことだ。
が、その当たり前のことを主張できないのが、これまでの我が国だった。残念ながら、「顔が見えない国」とか「Show the flag」とか言われて、最近までバカにされていたのが現実だった。
そういう意味では、やっと「普通の国になる曲がり角」を曲がり始めたと評価してもいいと思う。

ところで、あの態度のデカイ中国は、たったの2.1%しか負担していない。そのくせ原爆やSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を保有し、空母も建造している。有人宇宙船を飛ばして有頂天になっている。
まったくもって「ふざけるな!」と言いたくなる。

私としては、手始めに分担金半減要求を突きつけてほしいと思う。最初から小さく出ると、なめられる危険性があるからだ。今でも歳入不足に悩む国連に、日本の存在が
いかに大きいかということを思い知らせるためにも、それくらいは打ち出してもらいたい。

※昨日のエントリーにアクセスが殺到(笑)して、アクセスカウンターが壊れてしまった。けっこうキャパの大きいカウンターだったが、1時間に1,000以上のアクセスがあると、
さすがに対応し切れなかったようだ(笑)
これも皆様のおかげです。感謝、感謝・・・

人気blogランキングへ
↑常任理事国入りに反対した国に
怒りを感じる方はクリックをお願いします。

| | コメント (15) | トラックバック (7)

2005/10/17

首相の靖国参拝を擁護せよ!

小泉首相がついに靖国神社に参拝した。今回は、これまでとは参拝の形式を大きく
変えた。行政府の長として、司法府の大阪高裁から突きつけられた「違憲判断」に配慮したものと思われる。

(以下、引用)

小泉首相は17日午前、東京・九段北の靖国神社を参拝した。首相は就任以来、年1回の参拝を事実上の公約としており、今回が5回目。内閣の最重要課題である関連法が14日に成立したことを踏まえ、17日からの靖国神社の秋季例大祭に合わせて参拝に踏み切った。

首相は、本殿には昇らずに拝殿前の参拝にとどめ、記帳もしなかった。国内外の批判などに配慮し、「私的参拝」の色彩を強めたと見られる。

しかし、靖国参拝中止を求めてきた中国、韓国は強く反発しており、今後の外交日程にも影響が出そうだ。

グレーの背広姿の小泉首相は午前10時過ぎ、公用車で靖国神社に到着した。同12分ごろ、拝殿の前で一礼した後、さい銭箱にお金を入れ、30秒間ほど手を合わせた後、
再び一礼した。献花料や玉ぐし料は出さなかった。

過去4回の参拝は、モーニングか羽織はかま姿で、本殿に昇って祭壇に一礼していた。「内閣総理大臣 小泉純一郎」と記帳し、私費で献花料も納めていた。

従来の参拝形式を変更したのは、「公式参拝」との批判をかわす狙いなどがあると見られる。

首相の靖国参拝について、大阪高裁は9月30日、「職務行為で、憲法で禁止された
宗教的活動にあたる」として違憲と判断した。一方、東京高裁は同月29日に「私的行為」として憲法判断をしない
など、司法の判断は分かれている。

首相が秋に参拝したのは初めて。靖国神社側は「歴代首相は例大祭中に参拝している」として、17~20日の秋季例大祭中に参拝するよう求めていた。

小泉首相は17日昼の政府・与党連絡会議で、「内閣総理大臣・小泉純一郎としてではなく、一国民として心を込めて参拝した。二度と戦争を起こしてはならないという不戦の決意で祈った。今日の日本があるのは、心ならずも戦場で散られた皆さんのお陰だという気持ちだ」と語った。中韓両国との関係に関しては「アジア諸国との関係は未来志向で進めたい」と述べた。
(以下略)

小泉首相、靖国神社を参拝…昇殿・記帳せず
(2005年10月17日 読売新聞)

sanpai スーツ姿で参拝する小泉首相
←クリックすると大きくなります。




首相といえども、いや首相であるからこそ、司法府の判断を無視するわけにはいかない。8月15日ではないことや「私的参拝」であることを非難する向きもあるかもしれないが、今回、首相が取った行動はやむを得ない。
むしろ、中・韓が強く反発し、国内の親中派、反小泉派がいっせいに非難の声をあげる中、ここで我々がなすべきことは、小泉首相の行為を擁護することだ。
ここで、原則論を楯に不用意に批判することは、利敵行為になる。そのことをわきまえてほしい。

さっそく中・韓は強烈な反発を示している。


中国の王毅・駐日大使は17日、小泉首相の靖国参拝について「小泉首相は中日関係を破壊した歴史的責任を負わねばならない」とする談話を発表した。

王大使はこの中で「中国政府は小泉首相がいつ、いかなる形であれA級戦犯がまつられた靖国神社に参拝することに断固として反対する」とした。

また、「きょうは(有人宇宙船)神舟6号が成功裏に帰還した日であり、世界各国と中国人民が共に祝賀していた。小泉首相の行為は中国全人民に対する重大な挑発である」と批判した。

中国も非難「小泉首相に関係破壊の歴史的責任」
(2005年10月17日 読売新聞)


【ソウル堀山明子】小泉純一郎首相が靖国神社を参拝したことを受け、韓国の潘基文(バンギムン)外交通商相は17日午前、大島正太郎駐韓日本大使を外交通商省に
呼び、抗議した。潘外相は大島大使に、「数回にわたり(中止を)要請したにもかかわらず、小泉首相が靖国神社を参拝したことは深い遺憾、失望、挫折感を禁じ得ない」と述べた。

また、外交通商省は「小泉首相をはじめ、責任ある指導者は靖国神社をこれ以上参拝しないよう強く求める」との報道官声明を発表した。
(以下略)

靖国参拝:韓国外交通商相が日本大使呼び、抗議
(2005年10月17日 毎日新聞)

王毅及び中国人に言う。
「きょうは(有人宇宙船)神舟6号が成功裏に帰還した日であり、世界各国と中国人民が共に祝賀していた。小泉首相の行為は中国全人民に対する重大な挑発である」なんて思い上がりもはなはだしい。
中国の有人宇宙船が無事帰還しようが、宇宙の彼方に飛んでいこうが、そんなことは
どうでもいい。いや、そんな下世話な出来事と「首相の靖国参拝」を同レベルで扱わないでもらいたい。
それこそ日本国及び日本人に対する侮辱である。

潘基文及び韓国人に言う。
韓国も韓国人も靖国問題には何の関係もない。部外者であることをこの際はっきり言っておく。
「深い遺憾、失望、挫折感を禁じ得ない」のは勝手だが、手前の近代史が惨めだからといって、靖国に難癖をつけるのは止めてもらいたい。世界の誰も支持しないし理解しない、中国を除けば。

小泉首相が言うように、「今日の日本があるのは、心ならずも戦場で散られた皆さんのお陰」である。日本人である限りそれらの人々に「敬意と感謝の誠」を捧げるのは当然だ
中国人や韓国人がとやかく言うのは筋違いもはなはだしい。

ところが、悲しむべきことに、同じ日本人の中に中・韓のお先棒を担ぐ輩がいる。


小泉首相の17日の靖国神社参拝について、与野党から賛否両論が出ている。

自民党の武部幹事長は「平和を守り、二度と戦争を起こさない不戦の誓いを表したものと受け止めている。私的な参拝と理解しており、尊重したい」と記者団に語った。

安倍晋三幹事長代理は「国のために殉じた方に尊崇の念を表するのはリーダーとして当然だ。誰が首相になってもその責務は果たすべきだ」との談話を発表した。

日本遺族会会長の古賀誠・元幹事長は「全国の戦没者遺族、遺族会にとって大変
喜ばしい」と記者団に述べ、評価した。

一方、加藤紘一・元幹事長は山形市内で、記者団に対し、「(参拝に)行くべきでなかった。日中関係の悪化は避けられない」と懸念を示した。

公明党の神崎代表は、「誠に残念だ。連立解消まではいかないが、多少影響はある」と批判した。

民主党の前原代表は、「極めて遺憾だ。慎重な対応をしてほしかった」と記者団に語った。共産党の志位委員長は記者会見で、「首相としての資格と責任が厳しく問われる」と強調。社民党の又市幹事長は「極めて遺憾で、厳重に抗議する」と記者団に語り、
首相を批判した。

「リーダーとして当然」「極めて遺憾」…参拝に賛否
(2005年10月17日 読売新聞)

加藤紘一氏に訊きたい。
あなたは以前、「靖国問題が解決すれば日中問題の7割は打開される」(2005年7月28日 産経新聞)と言ったが本当にそう思っているのか。
靖国参拝を止めても中国が我が国の国連常任理事国入りに賛成するわけではない。東シナ海のガス田問題や尖閣列島領有問題で譲歩するわけでもない。
両方とも「靖国」とは関係のない問題だからだ。だからこそ中国は、逆に常任理事国問題や東シナ海のガス田問題を「靖国」にリンクさせるのだ。
仮にも、かつては総理総裁を目指した政治家だろう?そんなことも解らないのか?

つい2日前、中国の李肇星外相は、北京で谷内外務次官に向かって次のように述べている。
李外相は、我が国の国連常任理事国入りについて柔軟な姿勢を示した上で、
「歴史認識の問題と靖国神社への参拝問題があるが、この問題をうまく解決できれば、東シナ海のガス田開発などそのほかの懸案が解決されないはずはない」と言った。
この李肇星の発言を本気だと思うのか?これこそ典型的な「中国の揺さぶり」ではないか。そう思わないか?もし、そう思わないならあなたは(政治家として)バカだ。

それにしても民主党の前原代表は情けない。寄り合い所帯の党内事情は解る。自民党内の一部にも、「今後の対アジア外交を考えれば、靖国に参拝しない政治家を次期首相にするべきだ」という声は根強くある。
しかし、政治的打算や党利党略で外交や靖国問題を語るべきではない。それこそ中国の思う壺だ。もう、その時点で中国に負けているのだ。

自民党内の親中派や前原代表は、以下の李登輝氏の発言を、よく噛み締めてほしい。

訪米中の台湾の李登輝前総統は16日、ニューヨークで共同通信と会見し、小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題について「一国の首相が自分の国のために命を亡くした英霊をお参りするのは当たり前」と述べ、参拝に強く反発している中国をけん制。また「領土拡張」をにらんだ中国の「軍事費増大」が周辺地域の脅威となっていると批判した。
(以下略)

靖国参拝:訪米中の李登輝前総統「当たり前」
(2005年10月16日 毎日新聞)

関連記事1:普通の国になる曲がり角
関連記事2:A級戦犯

人気blogランキングへ
↑媚中政治家や中韓に怒りを感じる方は
クリックをお願いします。

| | コメント (100) | トラックバック (24)

2005/10/16

メディアの読み方について

Blogを開設して7ヶ月余りが過ぎた。この間、延べ60万人以上の方が訪れてくださり、深く感謝している。
最初のころは要領が掴めず、TBやコメントの返し方も分からなかった(笑)。しかし、2~3週間で大体のところが飲み込めた。それにつれて、毎日のご来訪者数も100~200人から1000人前後に増え、今では6000人を超えるまでになった。
私が嬉しいのは、6000人超の内、40%以上がブックマークしていただいている方であるということだ。おかげで、人気ブログランキングも、週間INが17000~18000をポイントするようになった。
もちろん私は、人気ブログランキングを意識して記事を書くようなことはしない。
が、やはり順位とポイント数は気になる(苦笑)。それが人間というものなんだろう(笑)
これからも、反中・反米・愛国路線(笑)で頑張りますのでよろしくお願いします。

ところで、私がエントリーを書く上で注意しているのは、できるだけ多くの参考資料に当たり、正確を期すということである。それからもう一つ。メディアの記事を参照する場合は、同じテーマで書かれた記事を複数読むということだ。
なぜなら、新聞によって、あるいは電波と新聞によって、同じ対象を記事にしているにもかかわらず、力点の置き方がずい分と違うからだ。

以下は、同じ対象を取材したにもかかわらず、メディアが違うと記事内容がいかに異なるかという事例である。


【北京・大谷麻由美】中国の李肇星外相は15日、訪中している谷内正太郎外務事務
次官と北京の釣魚台迎賓館で会談した際、日本が目指している国連安保理常任理事国入りについて「国連のことも、これから互いの理解を深めるため、交流と対話を深めていきたい」と日中間で話し合いを進める姿勢を初めて示した。

中国はこれまで、日本の常任理事国入りには歴史問題などを理由に反対の意思を
見せてきただけに、中国側が柔軟な態度へと転換したことで安保理改革にも影響を
及ぼす可能性が出てきた。

李外相は、国連改革の必要性を中国も十分に理解していると説明。「民主的な原則で十分話し合い、透明性をもって議論することで、日本も各方面も受け入れられる解決方法が見いだせると考えている」と述べ、日中間も歩み寄りが可能との認識を示した。

中国外相:国連安保理改革「対話深めたい」と歩み寄り姿勢
(2005年10月16日 毎日新聞)


中国の李肇星外相は15日夜、靖国神社の参拝問題と歴史認識の問題が解決されれば、「東シナ海のガス田開発など日中間の懸案が解決されないはずはない」と述べました。

これは日中総合政策対話のため北京を訪れている外務省の谷内事務次官との会談で述べたものです。

中国の李肇星外相は、「日本との間には歴史認識の問題と靖国神社への参拝問題があるが、この問題をうまく解決できれば、東シナ海のガス田開発などそのほかの懸案が解決されないはずはない」と述べ、改めて日本側に問題の解決を促しました。

中国外相「靖国解決すればガス田も」
(10月15日23:52 TBS News i)

毎日新聞とTBSは、報道においては提携関係にある。
ところが毎日の記事は、
「中国はこれまで、日本の常任理事国入りには歴史問題などを理由に反対の意思を
見せてきただけに、中国側が柔軟な態度へと転換したことで安保理改革にも影響を及ぼす可能性が出てきた」
というところにポイントがある。
一方TBSの報道は、
中国の李肇星外相は、「日本との間には歴史認識の問題と靖国神社への参拝問題があるが、この問題をうまく解決できれば、東シナ海のガス田開発などそのほかの懸案が解決されないはずはない」と述べ、改めて日本側に問題の解決を促しました」
という点がポイントである。

中国の外相と日本の外務次官の会談において、毎日は「日本の常任理事国入りに
中国が柔軟姿勢に変わった」と強調したい。
TBSは「小泉首相が靖国参拝をやめれば、東シナ海のガス田開発問題やその他の
懸案も解決される」という中国側の問題意識を伝えたい。
要は、会談内容の重要な部分の捉え方がまったく違うのだ。
したがって両方の記事を読まないと、会談で何が話し合われたのかが見えてこない。

ただ、記事内容は違っても共通している点もある。それは、どちらも中国が発信する
メッセージを垂れ流しているだけということだ。ここに我が国のメディアのダメさ加減が
如実に表れている。
毎日新聞が言及しなければならないのは、日本の常任理事国入りに柔軟姿勢を示したのは、最近の日本の対中外交姿勢を探るための観測気球ではないかということだ。
TBSも同様である。歴史認識と靖国神社参拝で日本側が譲歩すれば、本当に東シナ海のガス田開発問題やその他の懸案が解決されるのか、という点を吟味することだ。
それがないままニュースを垂れ流すから、読者(視聴者)は「中国が常任理事国入り
問題で柔軟になった」、あるいは「歴史認識や靖国神社参拝で日本側が譲歩すれば、日中が鋭く対立する問題が平和的に解決される」というふうに誤解する。

もう一つ例を挙げておこう。以下は、自民党の森前首相が同党支部のパーティーで述べた挨拶に関する記事である。


自民党の森前首相は15日、石川県小松市で開かれた同党支部のパーティーのあいさつで「ポスト小泉と言われている人が今4人いる」と述べ、福田康夫前官房長官、安倍晋三・党幹事長代理、麻生総務相、谷垣財務相の名を挙げた。

また、小泉首相、青木幹雄・党参院議員会長と都内のホテルで6日夜に会談した際、特別国会閉会後に予定される内閣改造・自民党役員人事をめぐって、首相に「4人ともちゃんと内閣に入れるのか。そうしないと不公平になるわな」と伝えたエピソードを
披露。4人そろって入閣させることが望ましいとの考えを示した。

森前首相「ポスト小泉は4人、内閣・党役員に起用を」
(2005年10月15日 朝日新聞)


森前総理大臣は、郵政民営化反対派について、「党に尽くした人が離党するのはつらい」と述べて、除名などの厳しい処分は避けるべきだという考えを示しました。

森前総理大臣:「我が党のなかで尽くしてきた、党のために頑張ってきた人が、そのために傷ついた、党を離れなければならない事態になったことは、心が引きちぎられる
ほどつらい」

森氏は、堀内光雄氏や亀井静香氏らを除名処分にせず、自民党に戻る道を残すよう
配慮すべきだという考えを示しました。そのうえで、森氏は「武部幹事長は、解散・総選挙では120%総理だった」と述べ、小泉総理大臣の意向だけを重視して党内の融和を図らなかったとして、武部幹事長ら党執行部の姿勢を批判しました。
森氏は、また、来月に行われる党役員人事と内閣改造で、「ポスト小泉」候補の安倍
幹事長代理と福田前官房長官、谷垣財務大臣、麻生総務大臣の4人が、いずれも主要ポストに就くとの見方を示しました。

「郵政反対派にも戻る道を」森氏が党内融和訴える
(10月15日24:05 ANN NEWS)

上記において朝日新聞は、森氏が「ポスト小泉」について言及した部分しか報じていない。一方、ANNニュースの方は、反対派の処分に対する森氏の見解に重点を置いて報じている。「ポスト小泉」については付けたしである。
朝日とANNは親子関係にあるが、報道内容はこんなに違う。ただ、この違いは重要だ。
朝日は、小泉人事にまったく影響力を持たない森氏の人事に関する発言を取り上げ、自民党の古い体質を象徴する造反派処分にあいまいな姿勢は取り上げない。
ここに取材記者や編集者のセンスと報道姿勢を感じる。
確かに「ポスト小泉」に対する関心は高い。この問題に前首相が何と言ったか、これはニュースになる。しかし、それはワイドショー的なレベルの話だ。森氏の意向など、小泉人事には何の影響も与えない。メディアに関わる者なら知っているはずだ。

それより、自民党の重要なポジションに、相変わらず古い体質から脱皮できない人がいることの方が問題である。「党より自分」=「自分党」と言われた「古い自民党」は、今回の選挙で「人より政策の党」という組織政党としてのあるべき姿に変わったとされる。
が、相も変わらず「政策よりも人間関係」「規律よりも情」と公言してはばからない大物議員がいる。総務局長の二階俊博氏も同様の発言をしている。
つまり、自民党が「利権と野合」「人間関係と情」の政党に先祖返りする可能性は大いにあるということだ。
小泉改革は単に行財政改革だけではなく、「自民党をぶっ壊す」ことでもある。ポスト
小泉は、その路線を誰がどう引き継ぐかである。
したがって、ポスト小泉に言及するのであれば、改革に逆行する森前首相の発言を
対比させながら報道するべきである。
にもかかわらず、本来は視聴者受けを狙いやすいテレビが本質の部分を報道し、本質を報道すべき新聞が、目立ちはするが中身はどうでもいい記事を書く。この件に関しては、読売も毎日も朝日と同レベルである。

まあ、大新聞もその程度のセンスしか持ち合わせていないということだろう。だからこそ、既成メディアの報道の裏に隠された本質の部分を暴き立てるブロガーの存在価値がある(笑)

人気blogランキングへ
↑メディアに怒りを感じる方は
クリックをお願いします。

| | コメント (9) | トラックバック (5)

2005/10/15

中国の話し合いは実力行使

まさに、外交は国益と国益のぶつかり合いである。資源の問題は特にそうだ。一国の命運に直結するだけに、各国とも高次の国家戦略に基づいて行動している。
では、東シナ海のガス田をめぐる我が国と中国の関係はどうか。
これは、我が国にとっては、主権も絡むだけに死活的な問題である。


【北京=桃井裕理】中国外務省の孔泉報道局長は13日の定例記者会見で、東シナ海のガス田開発をめぐる問題で日本が主張する日中中間線について「日本が一方的に
押し付けてきた。中国は絶対に受け入れることはできない」と改めて強調した。

中国外務省、東シナ海中間線を受け入れず
(2005年10月14日 日本経済新聞)

中国は、まさに、話し合いの余地なしとの態度だ。「日本が一方的に押し付けてきた」
だって???冗談ではない。1994年に発効した国連海洋法条約では、200カイリが重なる場合は、当事国同士の話し合いで合意することになっている。それでダメなら、国際司法裁判所で決着を付けるのが筋だ。
しかし中国は、我が国の「両国の200カイリの中間線」という提案に聞く耳を持たず、
大陸棚の延長である「沖縄トラフ」までが自国の排他的経済水域(EEZ)であると主張して譲らない。しかも、EEZの境界線も合意されていないのに、一方的に中間線の中国側で開発を始めた。
お互いのEEZの境界線が合意されていない以上、たとえ中間線から中国側であっても、これは国際法違反である。

実は1985年6月、リビアとマルタの間で、今回と同じようなEEZをめぐる争いがあり、
国際司法裁判所は「大陸棚の自然延長論を適用することができない」との判決を下している。
つまり「中間線論を唱える日本の主張が世界の主流」(外務省筋)となっているのだ。

9月30日~10月1日、日中両国は東京で高官レベルの協議を行なった。大きな進展はなかったが、一つだけ注目に値する点があった。
日本側が問題海域におけるガス田の共同開発を初めて正式に提案したのに対し、中国側がそれを「真摯に検討」し、10月中に北京で開かれる予定の次回協議での回答を
約束したことである。
ところがである。「真摯に検討する」と言った舌の根も乾かない内に、孔泉は次のように主張している。
「論争を留保して共同開発する」という考えも中国が提起したものだ、と・・・
中国の提案は「中間線の日本側で共同開発を行う」という提案だろうが!!!
日本の提案は「問題海域のガス田の共同開発」だ!!!まったく違う。
「論争を留保して」だと!!!
論争中にもかかわらず、論争を無視して一方的な開発を進めているのは中国だろうが!!!


外交部の孔泉報道官は11日の記者会見で、東中国海のガス田採掘をめぐる中日間の協議の状況について、記者からの質問に次のように答えた。

中国と日本は9月30日、東中国海問題をめぐる第3回協議を東京で開いた。われわれは、今回の協議、特に東中国海の境界画定や資源採掘に関する交渉は、率直かつ
誠意のこもった、実務的なものだったと思っている。双方は10月中に第4回協議を北京で開催するために調整を進めている。
われわれが繰り返し述べたとおり、東中国海問題について中日両国には意見の相違がある。中国は協議を行うことを自発的に提案した。「論争を留保して共同開発する」という考えも中国が提起したものだ。
第1~3回協議の中で、中国はずっと積極的で実務的かつ誠実な態度で、関連の問題について日本と協議してきた。平和的対話を通して双方が受け入れられる解決方法を見つけたい。
われわれは、日本が積極的に中国の努力に歩調を合わせ、建設的で実務的な態度で第4回協議を進めることで、問題が最終的に平和的対話により適切に解決されることを願っている。(編集SN)

東中国海問題「平和的対話で解決を」 外交部報道官
(「人民網日本語版」2005年10月12日)

「中国はずっと積極的で実務的かつ誠実な態度で、関連の問題について日本と協議してきた。平和的対話を通して双方が受け入れられる解決方法を見つけたい」だって
(爆笑)
その言葉を裏付ける行動が次の内容だってか???

sagyousen

←クリックすると大きくなります。
←春暁と天外天を結ぶパイプラインを敷設しているとみられる
  作業船






東シナ海で中国が開発を進めている春暁(日本名・白樺)、天外天(同・樫)両ガス田の間で13日、パイプライン敷設用とみられる作業船を、上空から確認した。

作業船は、約18キロ離れた両ガス田を結ぶ直線上の、天外天に近い位置に停泊。
甲板に大口径のパイプが山積みされていた。近くの海上を航行する船には、数百本はあるとみられる同様のパイプが積まれていて、作業船の方に近づいていた。

経済産業省によると、作業船は甲板でパイプを溶接し海中に沈めるもので、天外天と
中国本土の寧波(ニンポー)を結ぶパイプラインの敷設に使われたのとほぼ同型。今回はパイプラインを天外天から春暁まで延ばす作業をしているとみられる。
(以下略)

春暁・天外天ガス田間にパイプライン敷設船 本社機確認
(2005年10月14日 朝日新聞)

「二枚舌」って言葉は中国にはないんだっけ?
「友好の海にしたい」「平和的な対話を通して解決したい」
と心の底から願っていますが、
でも、「ガス田とガスを手に入れる段取りは、もうすぐ完了します」
「あなたの国が、いまさら何を言っても手遅れです」

町村外相は、深刻な対立を不測の事態にまで発展させないために、今月下旬に中国を訪れるという。


町村外相が今月下旬にも訪中し、李肇星(リー・チャオシン)外相と会談する方向で
調整していることが明らかになった。外務省筋によると、23、24両日に北京を訪れる
日程が有力だ。町村外相が希望し、中国側も応じる姿勢という。小泉首相の靖国参拝で首脳の相互訪問が途絶えている両国関係や、東シナ海のガス田開発などについて意見を交わすとみられる。

また、11月に韓国で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の場で、首相と胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席の会談が実現するよう働きかける見通しだ。

町村外相、23・24日に訪中へ ガス田など協議か
(2005年10月14日 朝日新聞)

町村外相が、ヘタな妥協をするとは思えないが、もはや「ガス田の試掘開始」を粛々と進めるべきである。そして、万一の事態に備えて、海自が警護活動に出動できる法的整備を急ぐ。それまでは、海保が代行できるような手続きを踏む(国からの試掘委託=国の事業)。

まさに、事態はチキンゲームの様相を呈してきた。中国は、小泉内閣以前の日本外交しか知らないため、日本の本音が読み切れていないと思う。
「もう、そろそろ頭を下げてくるはずなのに・・・」
「なんで(中国側に有利な)妥協点を探ろうとしないんだ???」
「(日本の)外務省は、まず中国の利益を第一に考えてくれたではないか!!!」

しかし、そうはいかないんだよ。時代は変わった。中国が変わったように我が国も変わった。
「外交には永遠の友人も永遠の敵もいない。あるのは永遠の国益だけだ」という言葉を中国君に進呈しよう(笑)

人気blogランキングへ
↑中共に怒りを感じる方は
クリックをお願いします。

| | コメント (10) | トラックバック (4)

2005/10/14

闇にまぎれる北の違法行為

北朝鮮最大の国有産業が、覚醒剤と偽ドルの製造であることは有名である。「資本主義は麻薬とインフレで崩壊させなければならない」(金日成)から、覚醒剤と偽ドルは
正統な革命的産業なのである。
覚醒剤は我が国が最大の輸出市場とされる。一方の偽ドルは、これまで韓国や東南アジアの発展途上国が主だった。
しかし今回、偽の100ドル札が欧州でも摘発された。

韓国などで出回っている偽100ドル札は「スーパーZ」と呼ばれ、鑑別機も通るほどの
超精密なものだという。欧州で摘発されたものは「スーパーノート」と言うらしい。
「スーパーZ」と「スーパーノート」はおそらく同じものだろう。輸出する地域によって名称が分かれているものと思われる。
韓国に流入する経路は中国との商取引だという。銀行の鑑別機も通るほどのもので
あれば、我が国に流入する可能性も高い。
現に欧州では、確認されただけでも、英国を中心に約100万ドル(約1億1千4百万円)以上が1997年から2000年にかけて流通していた。
-(注)中国で流通している偽ドルの中には、紙質や印刷技術の低いものもあるという。古い時代に製造されたものであろう。-

参照記事1:「北朝鮮が偽ドル札製造元」米政府、初めて名指し
(2005年10月13日 読売新聞)
参照記事2:偽100ドル札の裏側が見えた!
(2005年6月24日 報道STATION)

ただ偽ドルは、我が国では警戒感が強く、欧州のようなハメに陥る可能性は低いと
思う。しかしである。北朝鮮は何でもやる。
今日、「ガン、エイズを撃退する」などと広告・販売したとして、警視庁は朝鮮総連系の会社幹部2人の逮捕状を取り、「在日朝鮮人科学技術協会」などを家宅捜索した。

(以下、引用)

sousa←家宅捜索をする警視庁の捜査員
クリックすると大きくなります。



許可なく医薬品を製造し、「ガン、エイズを撃退する」などと広告・販売したとして、警視庁公安部は、薬事法違反の疑いで北朝鮮系の会社幹部2人の逮捕状を取った。その関連先として東京・文京区の「在日朝鮮人科学技術協会」などを、14日、家宅捜索した。

家宅捜索が行われているのは、在日朝鮮人科学技術協会のほか、足立区の西新井病院内にある「金万有科学振興会」など計11か所。

警視庁の調べによると、去年5月から今年4月にかけて北朝鮮系の株式会社で、許可なく、医薬品を製造し、2人の客に対して総額約9万円で販売したという。

またこの製品を、別の北朝鮮系の株式会社で、今年4月から9月にかけて、インターネットを通じて「ガン、エイズを撃退する」などと広告したということで、警視庁ではこれらの
会社の幹部2人について薬事法違反の疑いで逮捕状を取った。容疑が固まり次第、
14日午後にも逮捕する方針。

在日朝鮮人科学技術協会は、朝鮮総連の傘下団体が多数入る「朝鮮出版会館」の
中にあり、警察の捜索を受けるのは初めてだという。

警視庁公安部 北朝鮮系会社幹部2人に薬事法違反の疑いで逮捕状
(2005年10月14日 NNN24.COM)

上記の記事中に出てくる「在日朝鮮人科学技術協会」は、「権威ある在日朝鮮科学技術団体」とされる。が、過去に北朝鮮への精密機械の違法輸出に関わっていたことが明らかにされている(時効が成立)。


東京都内の機械メーカーが、過去数回、北朝鮮に対して粉砕装置及び周辺機器の
輸出を行いました。
このうち、6年3月に行われたジェットミル(超微粉砕機)の輸出は、朝鮮総聯傘下団体である在日本朝鮮人科学技術協会を仲介させ、北朝鮮国内の塗料会社を最終需要者としており、同機が新潟西港に搬入された直後に万景峰92号が入港していることから、同船が利用された可能性があります(本件の外国為替及び外国貿易管理法並びに
関税法違反については、時効が成立)。

(1)万景峰92号をめぐる過去の違法事案(【焦点】警察庁:第270号)

また、東京都足立区西新井本町5-7-14にある西新井病院は、18もの診療科目を持つ総合病院であり、日本人の医師や患者も多い。
このように、市民社会に合法的に存在している在日朝鮮人科学技術協会や西新井病院が、北朝鮮の違法行為に深く関与している。
我が国の公安警察も頑張っているようだが、合法的であることを装いながら、在日社会の闇に隠れて違法行為を行っている団体・組織は、まだまだたくさんあると思う。
一瞬たりとも監視を怠ってはならない。

【追記】今回の捜査に、薬事法違反にもかかわらず、警視庁生活安全部ではなく警視庁公安部が出てくるとはおかしいなあ?と思っていたら・・・
今(14日18:06)、今回の在日朝鮮人科学技術協会と西新井病院に対する手入れが、「1976年に19歳で失跡した埼玉県川口市の藤田進さん(当時、東京学芸大学1年生)」の拉致に関わるものであることがFNNで
報道された。
藤田さんは、西新井病院の千葉県内にある保養所に監禁された後、新潟県糸魚川市の海岸まで車で運ばれ北に拉致された。「運ぶ時、藤田さんは泣いていた」(運び役の元西新井病院の運転手)。
埼玉県川口市と東京都足立区西新井は隣接している。藤田さんの自転車が残されていた川口駅から西新井病院までは、車で十数分の距離である。
「在日の闇」が、どこまで解明されるのか!捜査当局は、闇のネットワークを何としても暴いてほしい。

参照:薬事法違反で捜索を受けた都内病院幹部の運転手の男が藤田 進さん拉致への関与を証言(FNNニュース)

hoyousyo←西新井病院の保養所【鵜原荘】
(千葉県勝浦市鵜原町)
クリックすると大きくなります。



参考1:在日本朝鮮人科学技術協会

「在日本朝鮮人科学技術協会=通称・科協」は、有名国立大学を卒業した在日朝鮮人の科学者で構成されている。科学関係の文献とか日本の先端技術とかを北朝鮮側に連絡していたといわれている。
「そこでミサイルとか核関連の技術を出したりモノを出したり、あるいはこっそり人を連れていったりしたのではないかと以前から指摘されていた」(早稲田大学国際教養学部 重村智計教授)
(2005年10月14日 TBS News i)

(19時31分)TBS Newsの映像 を見た。
「科協」への家宅捜索に対する「在日朝鮮人」の抵抗の激しさ。まるで、私が経験した「過激派」のアジトに対するときの激しさと同じ。やはり、北朝鮮と「在日朝鮮人」は違うという判断はおかしい。
すべてとは言わないが、「チュチェ思想」で、しっかりと洗脳された連中がいる。極めて
危険である。こんな連中がいる限り、「自治体選挙における参政権付与」とか「人権擁護法案における国籍条項削除」とかは絶対に許されない。
「国家の敵」に「国家権力の行使」を許すことになる。

参考2:医療法人・社団成和会・西新井病院

最近、疲れているのか(笑)、コメントに対するレスを飛ばしていたりして申し訳なく思います。
気楽にコメントしてください。

人気blogランキングへ
↑北朝鮮に怒りを感じる方は
クリックをお願いします。

| | コメント (16) | トラックバック (16)

2005/10/13

記憶喪失になった元総理

交通事故で脳にダメージを受けた患者さんのこんな例を聞いた。政治、経済、歴史に
通じ、チェスもできる。別荘の所在地も、マイカーの車種も言える。しかし、別荘での暮らし、ドライブの体験などは、全く思い出すことができない。

▼たくさんの人が共通で知っている事実=意味記憶は鮮明なのに、個人的な体験=
エピソード記憶は全部消えている。これと酷似した話を、昨年11月の、衆院・政治倫理審査会で聞いた。橋本龍太郎元首相は、日歯連からの1億円のヤミ献金をもらい、派閥の会計責任者へ渡したかと問われ、こんな言い訳をした。

▼「日歯連側も会計責任者もそう証言してるなら、それが客観的事実だと思う。しかし、私は記憶にない」。1年が過ぎ、昨日のヤミ献金裁判の法廷でも、類似の証言を繰り返した。エピソード記憶の見事な欠落は、専門医の診断が必要ではないか。料亭で小切手の受け取りに同席した人物の名前、意味記憶の方も消えていて、症状は深刻だ。

▼人間の記憶にはもう1種類あって、歯を磨いたり、車を運転する手順のように、無意識に体が覚えている手続き記憶である。大派閥の領袖にとって、1億円のヤミ献金など日常茶飯事。いつものように無意識のうちに右から左に処理しただけで、記憶に残る
はずもない、ということか――。

(2005年10月12日 日本経済新聞【春秋】)


上記の記事は、今月11日、日本歯科医師連盟(日歯連)の「1億円裏献金事件」で、
村岡兼造被告(74)の公判に証人として出廷した橋本龍太郎元首相に関するものである。

皮肉が強烈すぎて、つい笑ってしまいそうになるが、これは笑い事では済まされない。こういう人物を、我が日本国は総理大臣として戴いていたのである。

元首相が刑事事件の証人として法廷に立つのは極めて異例である。証言の過程で、裁判長から「思い出す努力をどれだけしたのか疑問だ。本当のことを言っているのか
という疑問をぬぐいきれない」と指摘されるのは異常ですらある。
自らの政権で官房長官だった村岡兼造被告から、「大変恨んでいます」と責められるにいたっては、言うべき言葉もない。
(参照:10月12日 毎日新聞)

私は、この政治家が身震いするほど嫌いである。小渕恵三元首相も森喜朗前首相も、「バカだチョンだ」と言われながらも、まだ救えるところがあった。
小渕氏は、自宅の門前で番記者にコーヒーを振る舞い談笑する気さくさがあったし、森氏だって、あの「缶ビールと干からびたチーズ」事件後の記者会見を見れば、憎めないところがある。
ところが、この橋本龍太郎という男だけは煮ても焼いても食えないのだ。人格、識見、及び性格は、歴代総理の中でも最低の部類に属する。

この男が総理大臣に就任したのは1996年1月である。そのころ日本経済は、バブル崩壊後の景気後退を脱し、緩やかに回復軌道に乗りつつあった。しかしまだ、金融機関は未曾有の不良債権を抱え、先行きはまったく不透明だった。
ここで一国のトップが選択すべき道は「構造改革」であり、不良債権の処理に筋道を付けることであった。もちろん、これは今だから言えることで、当時は金融機関の数十兆円にのぼると言われる不良債権をどう処理すればよいか、誰も明確な解答を持ち合わせていなかった。
しかし、やっと回復基調を示しつつあった景気の腰を折るようなことは絶対にやっては
ならない、という意見は根強く、筆者レベルの者でもそう思ったものだ。
ところがこの男は、景気の回復よりも財政再建に目が向いた大蔵省(現・財務省)の
口車に乗って、「赤字財政を建て直す」と大見得を切り、消費税率を5パーセントに引き上げたのである。
その結果、消費は一気に冷え込み、日本経済は奈落の底に突き落とされてしまった。

この男が犯した罪はこれだけではない。1990年4月、当時大蔵大臣だったこの男は、
大蔵省の意向を受けて、いわゆる「不動産の総量規制」を実行した。この規制により、銀行は一斉に不動産関係企業に対する融資をやめた。その結果、土地は暴落し、日本全国の土地路線価格2,200兆円は一気に半分以下になり、差し引き1,650兆円が宙に消えた。
つまり、この男は、大蔵大臣としてバブルを崩壊させ、それによって大きく傷ついた日本経済が何とか立ち直ろうとしていたときに、今度は総理大臣として奈落の底に突き落とすような政策を実行したのである。

もちろん政策を立案し、実行を迫った大蔵省も悪い。しかし、「不動産の総量規制」を
実行したときも、消費税を引き上げたときも、反対論は根強くあった。
ところが、「日本一の政策通」を自認するこの男は、聞く耳を持たなかった。この男は
「政策の橋龍」を自負していたが、周りの評価は「本省の課長クラス」というのがもっぱらだった。
つまり、細かい項目や数字には精通しているが、政治家としてもっとも必要な大局観やビジョンといったものがまったくない、という評価である。しかも、「怒る、威張る、拗(す)ねる」が最大の個性と言われるほど傲慢で、他人の意見など聞くはずもなかった。
そのくせ中国には弱腰で、土下座外交と揶揄され、挙句は中国人の女スパイと「男女の関係」にあると疑われたほどである。

結局、この男が総理大臣になったのは、小沢一郎氏と野中広務氏の政争の産物であり、この男が一国の総理としてふさわしいと認められたからではなかった。
この男以降の小渕、森両氏もそうである。「シャッポ(総理大臣)は軽くてバカがいい」という経世会(旧・竹下派)伝統の、理念よりも利権を優先する談合政治が、これらの連中を総理大臣にしたのである。その報いが「失われた10年」であり、世界一の借金だった。

我々は、このような「政治の負の歴史」を肝に銘じなければならない。利権を基軸にした談合と野合によって政権がたらい回しにされる時代は、既に遠い過去のものでなければならない。
ポスト小泉しかりである。しっかりと監視しなければならない。
幸い野中氏は引退し、綿貫民輔氏や亀井静香氏は僻地に引っ越した。談合政治の
生き残りは、古賀誠、高村正彦.、山崎拓、麻生太郎の各氏に参院の青木幹雄氏くらいである。
(森氏と河野洋平、加藤紘一の両氏はアガリとする。残りの小物は無視。笑)
自民党及び政治の歯車を逆回りさせてはならない。

人気blogランキングへ
↑記事に何か感じるところがあれば
クリックしてくれると元気になれます。

| | コメント (10) | トラックバック (1)

2005/10/12

中国:農村から起こる地殻変動

中国に対する米国の姿勢の中で注目すべき動きがあった。以下は、ともすれば見過ごされがちな記事だが、極めて重要な意味合いを含んでいる。


【ワシントン=秋田浩之】米政府は中国広東省太石村で起きた農民の抗議デモが地元自治体によって鎮圧された問題を巡り、中国政府に懸念を伝えた。
中国では農地転用問題などを引き金とする農民の抗議運動が相次いでいるとされ、
米国は人権問題の視点から中国当局の対応を注視する構えだ。

エレリ国務省副報道官が11日の記者会見で明らかにした。太石村のデモは今夏、
村長が農地の使用権を売却し、農民から不正に農地を奪ったとして、村民約2000人がリコール運動を展開したことが発端。村側は暴力を使って強硬に運動を押さえつけたとされる。

エレリ副報道官は「我々は太石村での暴力行為に懸念を抱いており、中国政府にも
そうした懸念を伝えた。農村の民主活動家が暴力を受けたほか、外国人記者も脅迫された」と語り、重ねて懸念を表明した。

米政府は引き続き、抗議デモを指揮した農村の民主活動グループと連絡を取り合っていくと言明。中国政府が太石村の関係者を徹底的に捜査し、加害者を摘発するよう求める姿勢を示した。

農民デモの鎮圧、中国政府に懸念を伝達・米政府
(2005年10月12日 日本経済新聞)

以上のような農地を巡る農民と行政当局の争いは、今の中国では珍しくない。が、今回だけは様相が違う。農民の抗議行動が、これまでのような「実力行使」や「中央政府への直訴」ではなく、「リコール運動」という法的手段を通じて行われたからだ。
これは、農村における民主化運動の萌芽とも言える。この動きは、「民主化の小崗」(注-1)と知識人らに注目され、民主化の「星火」になるのではと期待された。
つまり、民主活動家(知識人)が農村に入り込んで農民を啓蒙し指導している。そして米国政府に、「抗議デモを指揮した農村の民主活動グループと連絡を取り合っていく」と言明させるところまで波紋を広げたのである。

この人口2000人余の広東省太石村で何が起きているのか?以下に産経新聞の詳細な記事(一部割愛)を転載する。


(前略)
この夏、人口二千人余の南部の村で、「民主化の小崗」と知識人らに注目された動きが起こった。広州市南郊にある番禺区太石村。その行政組織である村民委員会の
主任(村長)に対する村民の罷免活動が、民主化の「星火」になるのではとの期待を
生んだのだ。

中国に高度成長をもたらした改革・開放は多くの矛盾も生んだ。近年、突出した矛盾に、地方当局による土地収用の拡大がある。太石村もご多分に漏れず、90年代から、工場・住宅用地として大量の農地を収用してきた。

わずかな補償金で収用された土地は、開発業者に転売され、地方政府の有力な財源になる。工場ができれば、村の経済発展を促し、農民も雇用されて収入が増えるはず、だった。が、太石村ではそうはならなかった。土地の多くは投機目的の業者によって
放置されたままになった。

大量の土地売却にもかかわらず、村の財政は赤字のまま、経済発展も幻だった。村民たちは村長が不正をしていると疑(うたぐ)る。中国各地で暴動事件頻発を招く土地トラブルと同じく、開発業者と結託した官への不信である。が、太石村の村民は暴力には訴えず、法律を武器に闘いを挑んだ。

7月末、村民側は四百人が署名した「村長罷免動議」を番禺区当局に提出。18歳以上の村民五分の一(同村では三百人)の署名で、村民会議を招集、動議を採決するとの村民委員会組織法に基づく行為だ。村民側は、村に財務公開を要求。村側の帳簿改竄(かいざん)を防ぐため財務室を封鎖した。

8月末、当局側は書類不備を理由に動議を却下、村民側は座り込み抗議に入る一方、約六百人署名の動議を再提出した。この間、当局側は数百人の警官を動員して村民
多数の身柄を拘束。8月中旬から香港メディアやネットを通じ、全国の注目を浴び始めた。

大学教授や弁護士らが声援する中、当局側は動議を有効と認め、10月7日に村民会議招集を決定。9月12日付の大手紙「南方都市報」が詳報、村民の行動を高く評価したことで、一件落着と見えた途端、当局は警官千人を動員、村民への弾圧に転じる。

14日付の「人民日報」華南版が村民支持の社説を掲げた翌日、当局側は突然、村民委員会(七人)の改選を翌16日に実施すると告示。ところが官選候補は全員落選し、
村民側候補が完勝した。これで終わらないのが中国式民主政治だ。

当局側は当選した村民に脅しをかけ、次々に辞退させ、一週間後には落選した七人の官選候補が繰り上げ当選してしまう。当局側は身柄拘束者を人質に、10月7日の村民会議でも村長罷免に反対するよう圧力をかけているという。

事件がヤマ場にあった9月9~13日、温家宝首相はたまたま広東省を視察中だった。
中山大学の艾暁明教授は首相に、「太石村の状況を調査し、村民を救ってください」と直訴状を送った。弱者救済を掲げ、農村の民主改革を唱える首相に期待してのことだ。

首相の答えは一週間後に間接的な形であった。政府新聞弁公室当局が、太石村村民の活動を伝え支持する投稿を掲載してきた北京大学系学術サイト「燕南」に、投稿記録の抹消を命じたのだ。同時に、太石村取材は封鎖され、中国メディアも沈黙した。国民の民主化要求が高まる中、共産党の支配体制崩壊への「星火」になるのを恐れたと
みられる。

万里氏らの支持で小崗村の改革は、保守派の壁を突破したが、太石村の「民主化の
星火」はか細く見える。しかし情報統制をよそに、各種サイトには村民支持の投稿が
あふれ、党の口先の民主や法治に異議を唱える。ネットを通じた「星火」の広がりは
止まらない。

北京・伊藤正 「民主化の火」は消せない
(2005年10月1日 産経新聞【緯度経度】)

胡錦濤指導部は、昨日閉幕した第16期中央委員会第5回総会で「三農問題(農業、
農村、農民)」の解決に力を入れることを強調している。


(前略)
声明は特に、農民、失業者など発展から取り残され、広がる一方の所得格差に強い
不満を抱く経済的弱者層への手当てを強調した。「あらゆる手段を講じて」、農民収入増、就業者増を図るとしたほか、都市に流入する者の社会保障問題を解決し、
地域、個人間の所得格差緩和に努力するとした。

背景には、中国の経済・社会状況が、「黄金の発展期であると同時に、矛盾が最も
先鋭化する時期を迎える」(中国紙)との判断がある。農地の強制収用で土地を失った
「失地農民」は4000万人以上。経済的、社会的に弱い立場の民工(出稼ぎ者)は約1億5000万人に上る。一方で、役人の腐敗は深刻化している。民衆暴動は、過去
10年で7倍以上に激増、昨年は約7万4000件に達し、共産党の政権基盤が揺らぎかねない状況だ。

声明はまた、リサイクル経済の発展、環境破壊への対応強化も明記し、「資源節約と、健康で文明的な消費モデル」の確立を目指すとした。資源枯渇に対する懸念を反映したものだ。

中国共産党、5か年計画基本方針を採択…GDP倍増
(2005年10月12日 読売新聞)

筆者には、上記の声明は「中共指導部の悲鳴」のように聞こえる。「あらゆる手段を講じて」も、太石村村民の活動を伝え支持する投稿の抹消を命じるようでは、その心意気とは裏腹の結果になるのは目に見えている。
中国社会の深部で頭をもたげ始めた民主化への胎動。それが、農民の死活的利益と結びついているだけに容易に押さえ込むことはできない。
当局の強権と業者との癒着によって生み出された四千万人の失地農民が、民主活動家(知識人)に啓蒙され政治的に目覚め始めている。
情報統制をよそに、各種サイトには村民支持の投稿があふれ、党の口先の民主や法治に異議を唱える。ネットを通じた「星火」の広がりは止まらない。
米国までもが、農村の民主活動グループ支援を表明した。
さあ、どうする胡錦濤!高いハードルは「人民元の切り上げ」だけじゃないぞ。

(注-1)「民主化の小崗」
安徽省は1978年、百年ぶりの大干魃(かんばつ)に見舞われ穀物生産は壊滅。農民たちは続々と上海などに物ごいに出た。被害を大きくしたのは、農民の意欲を奪った人民公社という集団経済制度だった。
同省鳳陽県の小崗村。村の二十戸からなる生産隊(人民公社の末端単位)の二十一人は同年暮れ、死中に活を求め密約を結ぶ。生産隊の田畑を各戸に分割、それぞれが生産に責任を持つ請負制の取り決めだ。人民公社制への反逆だった。
当時の華国鋒政権は通達で請負制を禁じ、党機関紙「人民日報」が批判キャンペーンを展開。これに対し、安徽省の万里・党第一書記(当時)は「人民日報は農民を食わせられるのか」と小崗農民を支持した。
79年、小崗生産隊は平年の四倍という穀物大増産を達成。80年5月、既に政権の実権を掌握していた鄧小平氏が高く評価したのを機に請負制は全国に広がり、やがて人民公社は崩壊する。

人気blogランキングへ
↑中共に怒りを感じる方は
クリックをお願いします。

| | コメント (8) | トラックバック (2)

2005/10/11

中国炭鉱の悲劇

中国では炭鉱事故が連日のように起きている。その原因の一つが違法採掘炭鉱の
存在だ。違法採掘が横行するのは、業者と行政当局が癒着しているからである。
以下は、その違法採掘炭鉱に付けられた通称である。何と癒着しているのか?皆さんにも考えてもらいたい(笑)

①人大鉱
②政協鉱
③法院鉱
④公安鉱

正解は

①は議会(人民代表大会)、②は超党派議会(政治協商会議)、③は裁判所、
④は警察の「保護」下にある炭鉱を意味している。

国家炭鉱安全監察局によると、国内約2万4000カ所の炭鉱のうち約3割に当たる7000カ所が基本的な安全基準さえ満たしていない。
しかし、一方において、2004年に生産された石炭19.5億トンのうち、2億トン(約1割)が、この基本的な安全基準さえ満たしていない小規模な炭鉱で生産されたものなのである。中国の基準で「基本的な安全基準さえ満たしていない」ということは、安全対策など取っていないということだろう。

その結果、2004年には産業の現場で80万3600件の事故が発生し、13万6700人が
死亡した(国家安全生産監督管理総局発表)。このうち大半は炭鉱事故によるものと
思われる。
安全生産監督管理総局の李毅中局長によると、これは「GDP(国内総生産)1億元に
つき1人が死亡している計算になる」と言う。我が国に当てはめると約38万人になる。
我が国で労災の死者が年間に38万人も発生するとどうなるのか。考えただけでもぞっとする。
当然のことながら、李局長は「事故が経済の安定的な発展を妨げている」と危機感を
示している。しかし一方で「安全対策は効果を挙げており、事故は減少してきている」としているが、果たしてそうだろうか。
1次エネルギーの70%以上を石炭に依存している中国では、近年の旺盛な電力需要を背景に、石炭の価格が高騰。安全をないがしろにしたまま、違法な石炭採掘を行う炭鉱主が続出しているからである。
しかも前述したように、地元の行政当局と癒着している。

このような状況を受けて、国務院(中央政府)は8月22日、「安全生産のための条件を満たしていない炭鉱や違法炭鉱を閉鎖する緊急通知」を発表した。
さらに30日には、監察局や中国共産党の中央紀律検査委員会などの取締機関が中心となり、同様の通知を出した。
通知では、9月22日の期限までに、公務員に対して不正な投資を引き上げるよう要求が盛り込まれていた。要求に応じない場合は、免職はもとより、厳罰に処す可能性まで示唆した強い内容だった。
が、すでに期限を過ぎても公務員側の反応は極めて低調である。

国務院が、このような強硬な通知を出すきっかけとなったのは、8月に発生した広東省・興寧市にある大興炭鉱での浸水事故だ。
作業員123人が死亡したが、地元自治体の幹部など公務員が、炭鉱に対して不正な
手段による投資を行っていたことが判明したからである。
しかし、事態が改善される見通しは暗い。

前出の李局長も、「炭鉱オーナーってのは、度胸がいいもんだな。だれが後ろで糸を引いているのか」と苛立ちを露わにしている。
が、違法炭鉱をめぐる地方独特の複雑な利害関係に対して、中央政府の強い警告
(通知)も効果がないのが実情なのである。

山西省は中国有数の石炭算出地であるが、違法炭鉱のオーナーらが北京市の高級住宅地の物件を買いあさっていることが話題になっている。

2003年4月に湖南省楼底市の炭鉱で発生したでガス爆発事故(作業員16人が死亡)では、同市の安全監督部門担当者が、毎年の定期検査の時に2000元を受け取り、お目こぼしをしていたことが判明している。

2004年6月に河北省・邯鄲県の炭鉱で起こったガス爆発(作業員12人が死亡)では、炭鉱側が事実を隠蔽、死亡した作業員を勝手に火葬した。
遺族に対しては、マスコミへの口外禁止を条件に遺骨と8万元(約100万円)を渡した。地元新聞社などの取材で事故が明らかになったが、地元自治体の議員も兼ねていた大株主は行方不明になった。

陝西(せんせい)省・府谷県の炭鉱では、採掘により山崩れや地盤沈下などが発生。
村民は行政機関に改善を求めて陳情に出かけたが相手にされず、実力行使で採掘を阻止。
炭鉱側は2005年4月に棍棒やつるはしなどで武装した100人余のグループを雇い、
村民を襲撃した。

先月、同じく陝西省で起こった事態は更に深刻である。
黄陵県の炭鉱で9月15日未明、大規模なガス爆発事故が発生。作業員12人が死亡、
2人が負傷した。しかし炭鉱側は事故を隠蔽。
作業員の家族などの通報を受けた県の炭鉱局などが15~16日にかけて現地調査に入った。が、「事故が発生した形跡は見当たらない」と2回にわたり県に対して虚偽の報告をした。
そこで今度は、地元テレビ局の陝西電視台が17日のニュースの中で、「1人が死亡、
数人が負傷のもよう」などと炭鉱事故を報道した。
これに対して当局側は、県の炭鉱局や安全生産監督管理局などを再調査に投入した。調査官は、炭鉱長などから聞き取り調査を行い、作業員の登記簿などを調べたりしたが、事故の有無を確定できなかった。
結局、地元テレビ局の陝西電視台が、18日もこの事故を追求したので当局は19日になって初めて事故の発生を認めた。
そこで下された処分は次のとおりである。
炭鉱長ら経営幹部5人は拘留処分。県幹部3人が事故調査の不備を理由に停職処分。20日付の新華社の報道である。

業者と役人が結託して違法採掘炭鉱を作る。安全をないがしろにしたまま採掘作業をやらせるから事故が起こる。
事故が起こると業者と行政当局が一体となって隠蔽工作に走る。遺族には、ほんの
涙ガネで口封じをする。
腐敗はメディアも例外ではない」で述べたように、中国では取材記者に口止め料を
払い、記者もそれを受け取るのが「長年の悪習」になっている。
その点、陝西省のテレビ局・陝西電視台は(中国のメディアにしては)立派だったということだ。

国家炭鉱安全監察局は多発する炭鉱事故を防ぐために、今後も国内約2万4000カ所の炭鉱のうち約3割に当たる約7000カ所を安全上問題があるとして年内に生産停止させる方針だという。
しかし、慢性的エネルギー不足に悩む中国において、1次エネルギーの70%以上が
石炭に依存している。その中で、果たしてそれが可能なのか?
実際に、炭鉱事故が相次いでいる現状において違法炭鉱の閉鎖が進んでいる。しかし、このために石炭不足が深刻化。2005年は5000~7000万トン、06年は1億トン以上不足する可能性があると「21世紀経済報道」は伝えている。

国家炭鉱安全監察局の9月20日の発表では、生産停止になった炭鉱は、これまでに
全国で8648カ所で、全炭鉱数の40%に達している。
この影響で、山西省では9月に入り、1トンあたりの石炭価格は9.7%上昇。同省・大同産の石炭は1トンあたり550元から600元へと値上がりした。
一方、貴州省では、石炭備蓄が1~3日分しかないため、操業停止を申請した火力発電所もでてきた。また同省では、湖南省や重慶市など周辺地域への送電を一時的にストップした。

「21世紀経済報道」によると、「安全基準を満たしていない小規模な炭鉱が閉鎖されれば、2億トンの石炭が消失する」という。
現時点で4割の炭鉱が閉鎖され、さらに残った炭鉱のうち3割が閉鎖の対象になる。
こんなことが可能であろうか?閉鎖しても、また新しい違法採掘炭鉱が続々と発生する。
要するに「いたちごっこ」。中国のエネルギー事情を考えれば、それが現実ではないか。

「事態は長期化の様相を呈してきている。人命、安全、癒着、エネルギー確保、地方の景気浮揚などクリアーすべき問題は多い。中国政府にとって難しい舵取りを必要とする日々が続いている」という「中国情報局」の分析は正鵠を射ているのではないか。
少し控えめすぎる感はあるが(笑)

あなたのクリックがこのブログの読者を増やしてくれます。
↓クリックよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ
人気ブログランキング

売国・親小沢のブログが上位を独占しています。
↓彼らを打破するためにクリック!をお願いします。
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
にほんブログ村

参照記事1:安監総局長「産業事故で13万人死亡」安全呼びかけ
(2005年9月22日 中国情報局)
参照記事2:混迷する「違法炭鉱」問題、問われる人命、安全、景気
(2005年10月3日 中国情報局)
参照記事3:陝西:炭鉱事故12人死亡、炭鉱長拘留、役人停職
(2005年9月21日 中国情報局)
参照記事4:中国、炭鉱7000カ所に生産停止処分・事故多発で
(2005年8月31日 日本経済新聞)
参照記事5:違法炭鉱の相次ぐ閉鎖、石炭供給が1億トン減少
(2005年10月7日 中国情報局)

makotoban

| | コメント (6) | トラックバック (1)

2005/10/10

NHK番組改変問題の真相

「正論」平成17年11月号に、朝日新聞の常務東京本社代表を務めた青山昌史氏の
対談が載っている。これを読むと、NHKの番組改変問題と朝日新聞の体質について
色んなことが分かる。

①朝日新聞の内部には、政治部と社会部の根深い対立がある
②本田記者の取材を受けた松尾武・NHK元放送総局長はドラマ畑の出身
③記者としての心得が乏しいから誘導尋問があれば、かかりやすい
④女性国際戦犯法廷には北朝鮮の工作員も何かで絡んでいる
⑤NHKも、あんな一方的な模擬法廷を放映したこと自体が問題
⑥朝日のだれかが資料を同じ傾向のジャーナリスト(共同通信の元記者)に流し
⑦それが「月刊現代」に載った
⑧朝日とNHKの一部職員、共同通信OBらが構造的にNHK問題に絡んでいる
⑨松井やより氏は左翼の確信犯
⑨本田記者は松井やより氏を尊敬して記者になった
⑩社会部の一部には思い込みの激しい確信犯的な記者がいる
⑪朝日の今日を招いたのは広岡知男氏(元社長・故人)の責任が大きい
⑫広岡氏は昭和45年(1970年)に松村謙三自民党訪中団に友人として参加
⑬中国へ行って周恩来と会って以来、熱烈な親中論者になった
⑫左の連中が戦後の朝日の全面講和、非武装中立論をリードした

以上は、青山昌史氏の話の中で、私がポイントと思った部分を抜粋・編集したものである。
参照:どうして朝日新聞で不祥事が多発するのか

私が「NHKの番組改変問題」にこだわるのは、日本を代表するメディアであるNHKと朝日新聞に左翼偏向分子が巣食い、内容を捏造してまで特定の世論を喚起しようとしているからである。
この問題の本質を暴くことが、巨大メディアに寄生する左翼偏向分子の妄動に多少なりとも打撃を与えることになる。

この問題の出演者は以下のとおり。

①長井デスク
NHKの「問われる戦時性暴力」の番組制作担当デスク
番組に政治的圧力がかかったと内部告発
朝日新聞の報道直後、記事内容を裏付ける記者会見を行う

②本田記者
朝日新聞社会部記者
NHK番組改変問題を朝日紙上で報道
松井やより氏を尊敬

③松尾武
NHKの元放送総局長(現NHK出版社長)
番組放映時の最高責任者
本田記者の取材を受ける。その取材を基にして本田記者は記事を書く

④魚住昭
元・共同通信社の司法記者
朝日新聞関係者から取材テープを提供され、月刊「現代」に告発記事を書く

⑤松井やより
「女性国際戦犯法廷」国際実行委員会共同代表
元「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク (VAWW-NET Japan)代表
元朝日新聞社会部記者・故人(2002年12月没)

⑥池田恵理子
NHKエンタープライズ(NEP)21エグゼクティブプロデューサー
「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク (VAWW-NET Japan) 運営委員
NHKの番組「問われる戦時性暴力」の企画発案者

長井-池田-松井-本田-魚住=これが、「朝日とNHKの一部職員、共同通信OBらが構造的にNHK問題に絡んでいる」と青山昌史氏が指摘するラインである。
さらに、これに北朝鮮が裏から加わる。

この問題の事実経緯は以下のとおり。

2000年12月12日
「女性国際戦犯法廷」を東京で開廷。「判決」及び「認定の概要」を出した。

2001年1月30日
ETV2001シリーズ「戦争をどう裁くか」の第2夜「問われる戦時性暴力」が放映される。

同年
「右翼の圧力に屈して番組内容を改竄(かいざん)した」として、「女性国際戦犯法廷」の主催者がNHK他を提訴。

2004年3月24日
一審は、下請けのドキュメンタリ-ジャパン(DJ)の責任のみを認容し、100万円の支払いを命じた。が、「女性国際戦犯法廷」の主催者は判決を不服として控訴。

2004年12月9日
NHKの長井デスクが、コンプライアンス推進委員会へ「政治介入を受けた」という内部告発をした。

2005年1月12日
朝日新聞は、自民党の安倍晋三、中川昭一両議員がNHKの番組・「問われる戦時性暴力」についてNHK上層部に圧力をかけ、番組を改変させたと報道。

2005年1月13日
長井デスクが記者会見を行い、内部告発をした事実と政治圧力を受けて番組が改変されたと公表。

2005年1月19日
NHKが朝日新聞の報道に全面的に反論(報道を否定)

2005年2月1日
午後1~3時、衆議院第2議員会館第1会議室で「『女性国際戦犯法廷』に対する冒とくと誹謗中傷を許さない日・朝女性の緊急集会」開催。
世話人:石毛えい子民主党衆院議員(東京23区・当時・今回落選)

その後も、安倍氏や中川氏、NHKの朝日新聞に対する抗議、訂正要求が続く。

2005年7月25日
朝日新聞が2ページに及ぶ検証記事を朝刊に掲載。中川氏との面会日時の問題などについて「真相に十分迫れなかった」としたものの、「改変という構図ははっきりしている」として記事の正当性を主張。訂正や謝罪はなかった。

2005年9月30日
朝日新聞は、外部の有識者で作った委員会の見解と、これを受けた同社の見解を
発表。
2005年1月12日の記事が取材不足で不正確であったことは認めながらも、記事の訂正は拒否。取材資料の流出経路は不明とし、録音テープの存在には触れずじまい

ここでも民主党が出てくる。民主党の一部の女性議員たちは、まさに極左の血を引いている。社民党や共産党よりさらにひどい。
いわゆる「ジェンダーフリー」を推進する人たち。VAWW-NET Japanと民主党のリベラルを自称する女性議員たちは同根であると言ってよい。

ここで、問題の発端となった朝日新聞の記事を見てみよう。

01年1月、旧日本軍慰安婦制度の責任者を裁く民衆法廷を扱ったNHKの特集番組で、中川昭一・現経産相、安倍晋三・現自民党幹事長代理が放送前日にNHK幹部を呼んで「偏った内容だ」などと指摘していたことが分かった。NHKはその後、番組内容を変えて放送していた。番組制作にあたった現場責任者が昨年末、NHKの内部告発窓口で
ある「コンプライアンス(法令順守)推進委員会」に「政治介入を許した」と訴え、調査を求めている。

今回の事態は、番組編集についての外部からの干渉を排した放送法上、問題となる
可能性がある。

この番組は「戦争をどう裁くか」4回シリーズの第2回として、01年1月30日夜に教育テレビで放送された「問われる戦時性暴力」。00年12月に東京で市民団体が開いた「女性国際戦犯法廷」を素材に企画された。

ところが01年1月半ば以降、番組内容の一部を知った右翼団体などがNHKに放送中止を求め始めた。番組関係者によると、局内では「より客観的な内容にする作業」が進められた。放送2日前の1月28日夜には44分の番組が完成、教養番組部長が承認したという。

翌29日午後、当時の松尾武・放送総局長(現NHK出版社長)、国会対策担当の野島直樹・担当局長(現理事)らNHK幹部が、中川、安倍両氏に呼ばれ、議員会館などでそれぞれ面会した。

中川氏は当時、慰安婦問題などの教科書記述を調べる研究会「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」代表、官房副長官でもあった安倍氏は同会元事務局長だった。

関係者によると、番組内容の一部を事前に知った両議員は「一方的な放送はするな」「公平で客観的な番組にするように」と求め、中川氏はやりとりの中で「それができないならやめてしまえ」などと放送中止を求める発言もしたという。NHK幹部の一人は「教養番組で事前に呼び出されたのは初めて。圧力と感じた」と話す。

同日夕、NHKの番組制作局長(当時)が「(国会でNHK予算が審議される)この時期に政治とは闘えない。番組が短くなったらミニ番組で埋めるように」などと伝えて番組内容の変更を指示したと関係者は証言。松尾、野島両氏も参加して「異例の局長試写」が行われた。

試写後、松尾氏らは(1)民衆法廷に批判的立場の専門家のインタビュー部分を増やす(2)「日本兵による強姦や慰安婦制度は『人道に対する罪』にあたり、天皇に責任がある」とした民衆法廷の結論部分などを大幅にカットすることを求めた。さらに放送当日夕には中国人元慰安婦の証言などのカットを指示。番組は40分の短縮版が放送された。

このいきさつを巡り、NHKで内部告発をしたのは、当時、同番組の担当デスクだった
番組制作局のチーフ・プロデューサー。番組改変指示は、中川、安倍両議員の意向を受けたものだったと当時の上司から聞き、「放送内容への政治介入だ」と訴えている。

一方、中川氏は朝日新聞社の取材に対し、NHK幹部と面談したことを認めた上で「疑似裁判をやるのは勝手だが、それを公共放送がやるのは放送法上公正ではなく、当然のことを言った」と説明。「やめてしまえ」という言葉も「NHK側があれこれ直すと説明し、
それでもやるというから『だめだ』と言った。まあそういう(放送中止の)意味だ」と語った。

安倍氏は「偏った報道と知り、NHKから話を聞いた。中立的な立場で報道されねばならず、反対側の意見も紹介しなければならないし、時間的配分も中立性が必要だと言った。国会議員として言うべき意見を言った。政治的圧力をかけたこととは違う」としている。

番組内容を事前に知った経緯について両議員は「仲間から伝わってきた」などとし、
具体的には明らかにしていない。

NHk広報局は「(内部告発に関しては)守秘義務がありコメントできない。番組は、NHKの編集責任者が自主的な判断に基づいて編集したものだ」としている。

〈憲法21条〉 (1)集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。(2)検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

〈放送法3条〉 放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、または規律されることがない。

NHK番組に中川昭・安倍氏「内容偏り」 幹部呼び指摘
(2005年1月12日 朝日新聞)

これに対するNHKの見解は次のとおりである。

(1)NHK執行部の説明

(関根放送総局長)
「ETV2001」のシリーズ「戦争をどう裁くか」第2回「問われる戦時性暴力」について、
朝日新聞は1月12日付朝刊の紙面で、「中川昭一・安倍晋三の両氏が、この番組の
放送前日の平成13年1月29日にNHK幹部を呼んで、偏った内容などと指摘し、NHKがその後、番組内容を変えて放送した」という報道をした。これは事実誤認の報道であり、論点を整理して説明したい。

中川氏については、面会は放送3日後の平成13年2月2日が最初で、面会したのは(朝日新聞の記事にある)当時の松尾放送総局長ではなく、当時の伊東番組制作局長だ。
安倍氏とは、放送前日の1月29日頃に面会したが、朝日新聞の記事にある「安倍氏から呼ばれた」というのは間違いで、NHKの平成13年度予算案や事業計画等を説明する際に、当時話題になっていた「女性国際戦犯法廷」を素材の一つにした番組の趣旨や狙いなどを説明した。

面会によって「番組の内容が改変された」という事実はない。安倍氏に面会した当時の松尾放送総局長と総合企画室の野島担当局長から話を聞いて確認した。その際、
安倍氏は、公平・公正な報道をしてほしいといった主旨の発言をした。放送前日から
当日にかけての編集で、番組の放送時間が短くなった点についても誤解されている。

(出田副総局長)
平成12年の11月21日に番組の企画提案が番組制作局の部長会で承認され、制作を外部の制作会社に委託した。その後、12月8日から12日まで、番組で扱う「女性国際戦犯法廷」が東京で開催され、委託された制作会社が取材した。その後、制作会社による編集作業が始まり、翌13年の1月19日に、NHKの教養番組部長による1回目の試写が行われ、部長は大幅な手直しを指示した。

同月24日に、同じく部長による2回目の試写が行われたが、手直しが足りず、編集作業をNHKが直接担当することになった。26日に放送総局長と番組制作局長などによる、
映像が完全につながっていない段階での「粗編(あらへん)」試写が行われた。
協議の結果、「女性国際戦犯法廷」に批判的な意見もインタビューして入れることを決め、29日未明に、44分の第一次版の編集VTRが、ようやくできた。その日の夕方に、
この第一次版の放送総局長らによる初めての試写が行われ、協議して約1分カットした後、深夜に再度試写をした。

放送開始まで24時間を切っていたので「一応これで行こう」という事になったが、今回の番組はデリケートなテーマなので、放送当日の30日も、最後の最後までこれでいいのかどうか検討した結果、裏付けが取れていない証言などを削って更に3分短くして40分とし、放送に、こぎつけた。

(関根総局長)
意見が対立するテーマについて放送する場合、放送法第3条にあるように、できるだけ多くの角度から論点を明らかにしなくてはならない。
NHkは、「女性国際戦犯法廷」を素材の一つとして、「戦時性暴力」や「人道に対する罪」を考える教養番組を放送しようとしたもので、例えば、裏づけが十分に取れていない証言をカットしたり、この「法廷」に批判的な歴史学者の意見を加えたりして、公正・公平を保つように努力した。
決して政治的圧力を受けたわけではないし、自己規制もしていない。新聞社でも意見の分かれる記事を掲載する場合、担当の部長や編集局次長、編集局長まで加わって
判断することは、むしろ当然のことだ。同じことが、この番組で起きていたと考えていただきたい。

当時の番組の制作を担当したデスクは、決断した上で13日の記者会見を行ったと思うが、伝聞情報に基づく誤解や憶測で発言している面が多分にあると思う。彼は当時の
NHK幹部の動きや考えを、直接知ることができる立場にない。放送前日の試写には
立ち会ったが、その後行われた検討会には出ていない。
彼の主張の拠り所は「信頼すべき上司」だとされているが、当時、一部の団体がNHKに押しかけるなどしていた中で、政治的な圧力がかかったのではないかという噂が、
現場のスタッフを中心に広まっていたようだ。この担当デスクの上司にあたる複数の
職員から話を聞いたが、このデスクは、噂話や憶測を具体的事実と勘違いしたものと
思われる。
(後略)

参照:放送総局長会見( 2005年1月19日)

朝日とNHK。まったく対立した構図だが、どちらが正しいのか?ここで興味深い記事がある。もう一方の当事者である「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW-NET
ジャパン)の主張である。

3) 番組はどのように改ざんされたか

(前略)
その後明らかになったのは、12月27日に制作された番組を1月19日に見た担当部長が「法廷に距離が近すぎる」と修正を命じ、その結果24日にできた完成納品版をさらに
修正した台本で28日出演者の一人にコメントの取り直しをさせ、同日わざわざ右翼学者のインタビューを急遽追加して、「法廷」たたき、「慰安婦」たたき発言をさせたのです。
それを番組にいれたものを試写で見たNHK上層部は、さらに、修正を命じたため、30日放送ギリギリまで、番組は切り刻まれ、「法廷」を記録するのではなく、批判する番組に変わっていたのです。まさにNHK上層部の製作現場への直接介入で 改ざんされた
番組が放送されたのです。

「法廷」直後から番組中止を要求し続けていた右翼団体の関係者約30人が放映直前の 1月27・28日に、NHKの建物に乱入し、放映された番組を見て「われわれの行動が成功した」と評価しているのです。NHK上層部の前代未聞の番組への介入の背後に政治権力の圧力もあったといわれています。

もし、NHKが主張しているように、外部の圧力もなく、あってもそれに関係なく、NHKの
独自の自主的な判断であのような番組を制作したとしたら、NHKが「慰安婦」制度などの戦争責任を認めない立場であることを表しており、かつて大本営発表機関であったNHKの戦争協力の過去へ の反省がないのかと怒りを憶えます。

(*)松井は主催者である国際実行委員会の共同代表でもある(VAWW-NETジャパン注記)

参照:なぜNHKを提訴するのか(2001年7月24日)

要は、VAWW-NETジャパンは、2001年の時点でNHKの今回の主張と同じ経緯を認め、それを踏まえたうえで批判と抗議を行っているのである。
NHKの関根総局長が言うように
「意見が対立するテーマについて放送する場合、放送法第3条にあるように、できるだけ多くの角度から論点を明らかにしなくてはならない」
のは当たり前であるし、
「裏づけが十分に取れていない証言をカットしたり、この『法廷』に批判的な歴史学者の意見を加えたりして、公正・公平を保つように努力した」
「新聞社でも意見の分かれる記事を掲載する場合、担当の部長や編集局次長、編集局長まで加わって判断することは、むしろ当然のことだ。同じことが、この番組で起きていたと考えていただきたい」
という主張も、NHKの公共性を考えれば当然であり、説得力がある。
こういうNHK上層部の判断とその後の処置を批判する者は、逆に言えば、それこそ言論(表現)に対する不当な介入を許す者である。
朝日新聞は都合よく放送法第3条(第1項)を持ち出しているが、第3条第2項は無視している。

いずれにしても、安倍氏がNHK幹部と面会し、善処を求めた1月29日以前に既にNHK内部で番組の偏向ぶりが問題にされ、修正の動きがあったことは間違いない。
朝日新聞の元常務・青山昌史氏が言うように、「NHKも、あんな一方的な模擬法廷を
放映したこと自体が問題」なのであり、これが良識あるマスコミ人の考え方だ。
安倍氏が、なぜ放映前に番組の内容を知りえたのかを問題視する向きがある。が、1月26日の時点で既に2チャンネルで話題になっている。ということはNHKの内部、あるいは番組制作サイドから情報が漏れたと考えるのが自然である。

なお、一審で民事上の責任を唯一問われた番組下請会社・ドキュメンタリ-ジャパンの言い分も記しておく。

弊社に関係する昨今の報道に関し、重ねてコメントいたします。
弊社は、これまで4年間、本番組の制作過程に関して、法廷の場以外ではコメントしてきませんでした。本番組に限らず、制作者として番組制作の過程について公にすることは控えるべきだとの立場からですし、今後もその立場に変わりはないつもりです。しかし、今回の報道には事実と異なる点がいくつかあり、そのうちの次の2点は看過できないと考えるので敢えてコメントすることとします。

第一点は、先にもコメントしましたが、番組を企画発案したのは弊社ではありません。
もともとの企画発案者は、NEP21のチーフ・プロデューサー(CP)であり、同CPから企画案作成の依頼を受けた弊社のディレクター(今回の四夜シリーズの問題となっている
第二夜ではなくて第三夜を担当。3年以上前に弊社を退社)は一度断ったものの、他の製作会社への依頼(東京地裁にその製作会社のプロデューサーからの陳述書が提出されています)も奏功しなかった同CPから再度の強い要請を受け承諾し、企画書を作成したという経緯です。なお、企画書自体も、同CPおよびNHKのCP、長井デスク(当時)との協議を経て、合意の下で作成されました。なお、弊社は四夜のシリーズのうち第二夜と第三夜を担当しました。
(後略)

参照:2005年1月12日付け「朝日新聞」記事以降のいわゆる「NHK問題」に関する報道について
【2005年1月20日 (株)ドキュメンタリ-ジャパン】

もともとの企画発案者・NEP21のチーフ・プロデューサー池田恵理子氏とNHKの長井デスクの言うとおりに作ったのに、NHKが勝手に作り変えた。それなのに裁判では自分たちだけが責任を問われた。
つまり、自分たちは被害者だと訴えているのである。

まさに、そのとおりだと思う。結局、自分たちの不始末を下請けに押し付け、泣かせているのである。まったくもって許しがたい。

参考:放送法第3条の2
放送事業者は、国内放送の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
1.公安及び善良な風俗を害しないこと。
2.政治的に公平であること。
3.報道は事実をまげないですること。
4.意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかに
  すること。

関連記事:朝日の陰に北朝鮮工作員

あなたのクリックがブログの読者を増やしてくれます。
↓ぜひ応援してください。

人気ブログランキングへ
人気ブログランキング

反日ブログが上位を独占しています。
↓こちらも、ぜひ応援願います。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
にほんブログ村

makotoban

| | コメント (6) | トラックバック (3)

2005/10/09

ありがとうシュワちゃん

以下、引用

いわゆる「南京大虐殺」など、旧日本軍の残虐行為をカリフォルニア州の教科書に書き込むことを目的とした法案に、シュワルツェネッガー知事が署名を拒否しました。

この法案は、州の中学高校で使用される教科書について、第二次大戦中にアジアで起きた出来事に、もっと分量を割くことを求めるもので、先月、州議会を賛成多数で通過していました。
提案者の議員は教えるべき具体例として、いわゆる「南京大虐殺」を挙げていました。法案を後押ししたのは、日本の常任理事国入り反対の署名活動を展開した在米の
中国人団体
らで、「南京大虐殺」などの旧日本軍の残虐行為をアメリカで歴史的事実として定着させることが、推進派の最大の目的でした。
しかし、拒否権を持つシュワルツェネッガー知事は7日、「アジア諸国の役割について
学習することは、すでに認められている」として署名を拒否し、法案は成立しませんでした。

シュワ知事の拒否で、加州の「反日教科書」法成立せず
( 2005年10月8日 ANNニュース)

このニュースは、私にとって非常にうれしい知らせだ。華人系米国人の団体が、カリフォルニア州当局に働きかけて、既に中学・高校の世界史で「南京大虐殺」を教えるよう
「ガイダンス」を出させている
ことを知っていたからだ。
今回の法案が通れば、行政指導である「ガイダンス」ではなく、強制力のある「法律」で「南京大虐殺」を教えることが教育現場で求められることになる。

マイノリティが住民の多数を占めるカリフォルニア州の議会は、上下院とも民主党が多数派である。9月6日には「同性間の結婚を認める法案」を可決し、シュワルツェネッガー州知事が今回同様、拒否権を行使している。
参照:米カリフォルニア州、同性婚法案可決 (2005年9月7日 ロイター)
本当に共和党の知事でよかったと思う。民主党の知事だったら間違いなく「南京大虐殺」を教えることが教育現場で義務化されたはずだ。
駐米日本大使館も、議会や知事に「反対」を働きかけていたようだが、まずは一安心である。(ただ、来年11月に予定されている州知事選の結果次第では、また問題がぶり返すが・・・)

中国というのはとにかく手ごわい。世界中にネットワークを張り巡らせており、相互の
連携も強い。4月の中国における反日デモは、「日本の常任理事国入り反対」が最大のテーマだった。ここにおいても、カリフォルニアの華人系米国人の団体が主導的役割を果たした。
これらの団体は、「第二次大戦史実維護会」や「世界抗日戦争史実維護会」と称している。
彼らは、
「日本が歴史に真摯に直面し、南京虐殺、731部隊、慰安婦問題などを含む罪行を認めない限り、日本を常任理事国にさせてはならない」
とか
「日本政府は歴史を尊重し、その過去の行いを反省しないばかりか、中国を侵略した
歴史も捏造しつつある。また、中国の海洋国土(東シナ海)をかすめ取ろうと企んでいる。このような国が常任理事国になる権利はない」
などとネット上で呼びかけている。

まさに、偏狭なナショナリズムを剥き出しにしているのである。

これらの団体が、今年の2月28日に始めたインターネットを使ったオンライン反対署名は、今年3月末には1160万に達し、このうち1143万が中国本土からのものだった。
また、この運動には280ものウエブサイトが参加した。
これらの団体の代表は、カリフォルニア州選出の2人の上院議員にも会い、日本の常任理事国入りに反対するのが、米国内のアジア人社会の総意であると伝えている。
世界史で「南京大虐殺」を教えるよう州当局に「ガイダンス」を出させたのも、これらの
団体である。
一方、中国国内では、「南京大屠殺記念館」の敷地面積を3倍にし、世界文化遺産に
登録する運動が、官民を挙げて行われている

日本政府も、世界各地の大使館や領事館を通じて、中国や韓国の一方的な主張に
反論・反対する動きを強めている。しかし、人員・予算とも十分ではない。
それに「お公家様集団」の外務省である。ちょっと頼りない。
が、最近のニューヨークタイムス紙の記事に対する対応に見られるように、外務省も
事実誤認に対しては強硬に抗議し、反論文を掲載させる行動を強めている。今回の
シュワルツェネッガー知事の拒否権発動もそうだが、小泉内閣に合わせて、外務省も
少しは変わってきたということか?

関連記事:中国の呆れた本音

人気blogランキングへ
↑中共に怒りを感じる方は
クリックをお願いします。

| | コメント (14) | トラックバック (5)

2005/10/08

益々中国から眼が離せない

中国からいよいよ眼が離せなくなってきた。外貨準備高では、ついに日本を追い抜き
世界一。貿易黒字も、通年予測で日本を凌駕する勢いだ。


財務省は7日、国際通貨基金(IMF)がまとめた6月末時点の国・地域別比較で、中国の外貨準備高が香港を含めると8379億ドルとなり、日本を上回って世界最大となったことを明らかにした。中国の貿易黒字拡大などで外貨が流入していることが背景だ。日本の6月末は8340億ドル。5月末までは5年8カ月連続で第1位だった。

中国本土の6月末の外貨準備は7159億ドル、香港は1220億ドルだった。中国は人民元の相場水準を一定に保つため、中央銀行である中国人民銀行は、好調な輸出に伴って国内に流れているドル資金や人民元切り上げを見込んで流入している投機資金を、ドル買いの為替介入で吸収。それが外貨準備高となって積み上がっている。

中国は7月に人民元の2%切り上げを実施。対ドルで1日上下0.3%の変動も認めたが、実際の相場の変動幅はこれを大きく下回っている。市場では「現在も中国当局は為替介入を続けている」との見方が強く、7月以降も外貨準備が膨らんでいる可能性がある

中国と香港の外貨準備高、日本抜き世界最大に・6月末
(2005年10月6日 日本経済新聞)


中国商務省は7日までに、今年の貿易黒字が昨年の約3倍の900億~1000億ドル(10兆2000億~11兆3000億円)に達し、過去最高を更新する見込みとの報告をまとめた。同日付の中国英字紙チャイナ・デーリーが報じた。

同紙によると、中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は最近、中国経済誌のインタビューで「貿易黒字縮小のため内需拡大を急ぐ必要がある」と指摘した。

報告では、今年の貿易総額を約1兆4100億ドルと予測。昨年1年間の貿易黒字は320億ドルだったのに対し、7月に人民元を2.1%切り上げたにもかかわらず、既に1~8月で昨年1年間の約2倍の602億ドルに達した。(共同)

中国:貿易黒字3倍の1千億ドル 英字紙報道
(2005年10月7日 毎日新聞)

外貨準備高は一国の国際的な信用力を示すバロメーターになっている。したがって
中国の信用力は、以前に比べれば飛躍的に高まっていることになる。また、貿易黒字が年間1000億ドルに達する見込みということは、中国の輸出競争力がいかに強力で
あるかを示している。
ちなみに、財務省が7月に発表した2005年上半期(1-6月)の我が国の貿易黒字は、
4兆5274億円(約400億ドル:前年同期比26.4%減)である。
(参照:7月21日 日本経済新聞)
我が国の貿易黒字は減少傾向にあるから、この面でも中国が上回るのは間違いない。つまり、中国は儲かっており、たっぷり貯金ができているというのが現状なのだ。

では、これで万々歳かというと、そうは行かないのだ。何しろ中国のGDPは1兆6493億ドル(2004年:世界銀行)で、我が国(4兆6234億ドル:同)の約3分の1しかない。それなのに外貨準備高も貿易黒字額も我が国を上回るのである。そこには大きな矛盾、
大きなひずみが隠されている。

外貨準備高の急増は、輸出がしにくくなる「元高ドル安」の進行を防ぐため、外国為替市場(上海)で中国が「元売りドル買い」の為替介入を繰り返した結果である。
その結果、市場に大量の人民元が放出される。このあふれる人民元が過剰流動性を生み出し、バブルに繋がっているのだ。
日経新聞の記事は、「現在も中国当局は為替介入を続けている」との見方が強く、7月以降も外貨準備が膨らんでいる可能性がある、と指摘している。が、バブルの拡大を
懸念する中国当局には、もはやこれ以上の介入を続ける余力はない。
貿易黒字が余り増えず、人民元も急速には切り上がらない、これが中国当局の理想だが、輸出牽引型の経済であり続ける限りそれはありえない。他方において、米国を始めとする海外からの人民元切り上げ圧力は強まるばかりである(米国議会は報復措置も検討中)。
結局中国は、早晩、人民元の大幅切り上げに追い込まれるであろう。しかし、人民元の大幅切り上げは輸出産業に大打撃を与え、20%の切り上げで1000万人の失業者が
発生すると予測されている。
今現在でも3億5000万人の不完全就労者を抱えているのに、さらに完全失業者が1000万人も追加されれば、中国の現体制が大きく揺らぐことは間違いない。

中国人民銀行(中央銀行)の総裁は「貿易黒字縮小のため内需拡大を急ぐ必要がある」と指摘しているが、これもそう簡単にはいかない。
内需が拡大すれば、輸入が増え景気も浮揚する。貿易黒字も減少し、失業者も増えない。こんないいことはない。が、政治が無為無策では内需など創出できない。
内需を拡大するには金融政策的には金融緩和、財政政策的には積極財政が必要になる。しかし、これまでのエントリーでも繰り返したように、中国経済は既にバブルの状態にあり、金融緩和ではなく金融引き締めが求められているのが現状である。

財政も同様である。財政赤字は、既に国際安全ラインの対名目GDP比3%に達している。4大国有銀行の不良債権、国有企業の債務残高、社会保障関連の支出などを合わせると、名目GDPを超える規模の債務があると推測されている。
このような状況の中で、財政出動などを行ったら一体どうなるのか?
つまり中国における内需拡大は、一層のバブル拡大と財政赤字の雪だるま式の増大というリスクと背中合わせなのである。

中国は、ちょうど20年前に起きた我が国の「プラザ合意」後の急激な円高と、その後のバブルについて熱心に研究しているという。
何度か書いたが、我が国が急激な円高に伴う「円高不況」を乗り切ることができたのには四つの理由がある。

①企業の大胆なリストラ
②コストの安い海外への生産拠点の移行
③輸入依存度の高い原材料の購入コストの低下
④輸出主導型から内需主導型への転換
以上の四つが日本経済を立て直した。

過去のエントリーでも言及したが、中国の強みは、内陸部に、まだまだ低賃金の余剰力を抱えていることである。生産拠点を内陸部に移すことで人民元の上昇分を
吸収できる。
が、沿岸部でもエネルギー不足が慢性化する中で、インフラがまったく整備されていない内陸部への生産拠点の移行は、現時点では考えられない。膨大なコストがかさむ。
何より、実質失業率は10%以上、不完全就労者が3億5000万人とされる中でリストラができるのか?赤字を垂れ流す国営企業をどうする?
前述したような金融・財政両面の制約の中で、輸出主導型から内需主導型への転換なんて果たしてできるのか?

中国経済の最先頭を走る広東省の張徳江・共産党省委員会書記(中国共産党政治局員)も、「現状は、まさに綱渡りの状態」と弱音を吐露している。

輸出が伸び、黒字が増え、外貨が貯まるほど危機が進化する。これが中国の逃れられない宿命なのだ。
なぜか?市場経済は自由主義が原則なのに、「社会主義市場経済」などという、本来相容れない水と油を混合した、いびつな政治・経済体制を続けてきたからだ。
この政治的、経済的矛盾を止揚する道は、現体制の崩壊しかない。

関連記事1:人民元切り上げがもたらす恐怖
関連記事2:中国は間違いなく崩壊する part3
関連記事3:中国は、いつ崩壊するのか?

人気blogランキングへ
↑中共に怒りを感じる方は
クリックをお願いします。

| | コメント (9) | トラックバック (5)

2005/10/07

ふざけるな!中国

中国の東シナ海ガス田開発問題で、日本が開発の即時中止を求めている春暁(日本名・白樺(しらかば))、天外天(同・樫(かし))両ガス田がある海域に、大量の大型パイプを積んだ船が向かっていることがわかった。
中川経済産業相が7日の閣議後会見で明らかにした。経産省は春暁で採掘した天然ガスを中国本土に送るパイプラインを敷設する目的とみて、6日に中国側に確認を求めたが、回答は得られていないという。

日本側は1日の日中局長級協議で開発の即時中止などを条件に共同開発を提案し、中国側は次回協議で回答する予定。中川経産相は「(パイプライン敷設が)確認されれば毅然(きぜん)とした対応をする大きな問題にせざるを得ない」と述べた。

経産省は、天外天ガス田と中国本土の寧波の間にはすでに天然ガスのパイプラインが完成しているとみており、新たなパイプは、春暁と天外天を結ぶパイプラインに使われる可能性が高いという。

春暁ガス田にパイプライン? 経産省、中国に確認中
(2005年10月7日 朝日新聞}

何が「東シナ海を友好の海に」だ!東シナ海のどこで協調できるのだ!我が国の「共同開発の提案」を真摯に検討する、と言ったのは、この1日ではないか!
ふざけるんじゃねえ!!!
もはや、この国をこれ以上信用するわけにはいかない。「あくまでも話し合いで」とか
「不測の事態を起こしてはならない」とかとか・・・報道ステーションのバカが言っていたが、中国は表で「友好」とか「真摯に検討する」とか言いながら、裏では我が国の利益を簒奪する(実際に、我が国の提案に対し、中共政府は「真摯に検討する」と言った。
それを日経新聞などは大仰に書いた)。
で、これが回答だ!

そっちがやるなら、こっちもやってやろうではないか!こちらに大義がある限り、戦うのは当たり前だ。そうでなくては、世界の笑い者になってしまう。
なめられて、コケにされて、脅しに屈する、そんなのクソ喰らえだ!国家の沽券に関わる。絶対に中共に妥協してはならない!!!

【追記】
このエントリーは緊急で、一つ前の「見捨てられた韓国はどこへ行く」がメインです。
こちらもお読みいただければ幸いです。

人気blogランキングへ
↑中共に怒りを感じる方は
クリックをお願いします。

| | コメント (9) | トラックバック (3)

見捨てられた韓国はどこへ行く

韓国人が「韓国最高!」と叫んで有頂天になり、「朝鮮民族は一つ」というスローガンを掲げて民族愛に酔いしれるのは勝手だ。しかし、自分の足下(あしもと)、自分の身の周りを見失うと、また「いつか来た道」を歩むことになる。

今の韓国が存在し、先進国の一員として繁栄を享受できるのは誰のおかげなのか。
米国と日本、とりわけ米国の存在がなければ、韓国は日本海の藻屑(もくず)と消えていた。日本と米国の経済支援がなければ、未だに途上国の身分に止まっていることは間違いない。
こんな、中学生でも分かる現代史の事実を分かりたがらない。
韓国が「いつか来た道」を歩むのは自業自得だから一向に構わないが、我が国や米国に害毒をおよぼす事態だけは許されない。

私は以前、米国は既に韓国を見限っていると書いた。金正日は「南朝鮮革命は既に
完了した」と豪語しているとも書いた。
それでも、米国も我が国も北東アジアのバランスを考えて、何とか韓国を「米・日・韓」の枠組みの中に止まらせようと努力してきた。その格好の舞台が、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議だった。

6カ国協議自体は、会議後の公式発表を読む限り「成功だった」ということのようだ。が、実際は、韓国がより一層北朝鮮にすり寄り、日米との溝をさらに広げたというのが実情のようだ。


【ワシントン=樫山幸夫】北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の米代表、ヒル国務次官補(東アジア・太平洋担当)が9月末に開かれた非公開のセミナーで、6カ国協議における韓国政府の態度を強く批判していたことが明らかになった。米国は以前から北朝鮮をめぐる韓国の態度に不快感を抱いてきたが、これを機会に両国の関係がいっそうギクシャクする可能性がある。

出席者によると、ヒル次官補はスピーチのなかで、「6カ国協議での韓国は、米国にとってあまり助けにならなかった」と率直に批判。ワシントンの韓国大使館員が出席していることを確認、「メモを取ってソウルに報告してもよい」と述べて、強い不快感をのぞかせたという。

ヒル氏は韓国を批判する理由としてまず、6カ国協議を通じて、米国に事前の連絡なしに北朝鮮に対する包括的な支援を提示したことをあげた。さらに、6カ国協議直後に、
軽水炉供与に関する協議時期をめぐって北朝鮮と米国の主張が対立した際、日本、
ロシアがいずれも米国の立場を支持する姿勢を明らかにしたにもかかわらず、韓国が
それをしなかった
ことにも不満を示したという。

6カ国協議では、議長国の中国とロシアがもともと北朝鮮寄りであるのに加え、最近は韓国も北朝鮮に同情的で、日本と米国が防戦に追われる展開になっていた。

米国は、韓国の金大中前政権が太陽政策として北朝鮮に対して融和的な姿勢を打ち出して以来、韓国に対していらだちを隠さず、現在の盧武鉉政権になってからはその
反米姿勢もあって、強い不快感を抱いてきた

ヒル次官補のスピーチは9月29日、ワシントンのCSIS(戦略国際問題研究所)で朝鮮半島専門家らだけを招いて行われた。内外メディアから出席者はなかった。

国務省はこの問題について、「オフレコのスピーチであり、コメントできない」としている

「6カ国」で韓国批判 米ヒル代表、北寄り姿勢強い不快感
(2005年10月6日 産経新聞)

与党・ヨルリン・ウリ党の幹部(常任中央委員)が、マッカーサー将軍の銅像撤去に反対する人たちを「守旧勢力」と呼び、金武星(キム・ムソン)事務総長(幹事長)までが、
撤去を声高に叫ぶ親北の連中を「統一を果たそうとする未来志向的な人たち」と讃えている。
撤去を声高に叫ぶ連中は、韓国の恩人・マッカーサー将軍を「仁川(インチョン)上陸作戦で、韓国を不法占拠した侵略者」と呼んでいるのだ。この、どこが「未来志向的」なのか???

最近の世論調査によれば、南北(韓国・北朝鮮)分断への責任が最も大きい国として、米国を選んだ人が53%にも上る。
米国が北朝鮮への先制攻撃を行う場合は「米国を支持する」が42%、「北朝鮮を支持する」が40.9%だった。世論のレベルでも、米国支持と北朝鮮支持が拮抗している。
(参照:2005年9月12日 中央日報)

米国は今年の6月の時点で、既に韓国に対して最後通牒とも思える申し入れを行っている。

一部メディアは今月5日から6日まで韓国を訪れていたローレス次官補が「韓国の戦略的価値は終わった」とし、韓国が米国側の要求を受け入れない場合、駐韓米軍を撤退させる状況が来ることもあり得ると脅かしたと報じた。
ローレス次官補はまた、先月31日、ワシントンの韓国大使館を訪れ、洪錫炫(ホン・ソクヒョン)駐米大使に「北東アジアのバランサー論は韓米同盟と両立できない概念だ。もし同盟を変えたければいつでも言ってくれ。希望通りしてやる」と述べたという報道も出た。
(参照:2005年6月10日 朝鮮日報)

日本の谷内(やち)正太郎外務事務次官も、
5月11日、韓国与野党議員団との朝食会で、「日米は情報を共有しているが、米国が韓国を信じていないため、日本が入手する北朝鮮情報を韓国と共有するのが難しい」と述べ、
(参照:5月27日産経新聞【潮流】)
「韓米日3国の団結が核心であり、もっとも重要であるが、最近、韓国が韓米同盟から脱している」とし、「米国と日本は右側におり、中国と北朝鮮は左側にいるが、韓国は今、中国と北朝鮮により近いようだ」と指摘した。
(参照:5月25日 朝鮮日報【社説】)

「韓国は信用できない」「韓国の戦略的価値は終わった」「駐韓米軍を撤退させる状況が来ることもあり得る」「韓国は、米国にとってあまり助けにならなかった」。
ここまで言われても、まだ眼が覚めない。そのくせイラクに派兵し、目先のご機嫌だけは取る。まさに韓国!これぞ朝鮮!といった感じがする。
過去のエントリーで中国=「阿Q精神」の裏返しとしての「中華思想」と書いたが、韓国こそ紛れもない「阿Q精神」の裏返しとしての「(小)中華思想」であるような気がする。

阿Qは正式な呼び名も「阿キュウ」としか判らず、小さな村で麦狩りや米つきや船こぎなどの臨時の手伝いをして、その日その日を暮らす最下層の貧民だった。住まいも村の社(やしろ)をねぐらにしていた。だが、プライドは高かった。
そして、いつの日か、偉くなって、自分を馬鹿にする連中を見返してやろうという野心を抱いてもいた。

「おいらは昔は……お前なんかよりずっと偉かったんだぞ! お前がなんだってんだ!」

kankoku 私の「お奨めBlog」の一つである「今だからこそ・・・ 韓国斬り!!」が単行本化されます。著者の中岡龍馬氏は韓国在住で、教師をやっているみたいです。
韓国人の日常が解ってなかなか興味深い。単なる「嫌韓」ではありません。



人気blogランキングへ
↑記事に何か感じるところがあれば
クリックしてくれると元気になれます。

| | コメント (14) | トラックバック (6)

2005/10/06

韓国最高!に中国が反感

以下の事態をどう表現すればよいのか。目クソ(韓国)と鼻クソ(中国)がいがみ合っているのだが、どうも目クソの方が形勢が悪いようだ。
鼻クソに目クソが侘びを入れている構図なのだが、所詮、小中華(属国)は大中華(宗主国)には頭が上がらないということか。


4日、国会・統一外交通商委員会の在中韓国大使館に対する国政監査で、中国内の“反韓流”に対する懸念が提起された。最近、実際に中国の一部のマスコミや有名芸能人が、『大長今』(日本タイトル『宮廷女官チャングムの誓い』)など中国で人気を呼んでいる韓国ドラマの内容や韓流に対して反感を示すケースが少なくない。

ヨルリン・ウリ党の鄭義溶(チョン・イヨン)議員は同日、「中国での韓流に韓国国民が
自負を感じるのはよいが、韓国のテレビドラマが中国全土を圧倒しているように評価するのは、傲慢な態度である」とし、「中国との関係において、傲慢な態度は反省して
謙虚な姿勢を示さなければならない
」と述べた。

同党の金富謙(キム・プギョム)議員も「中国が最近『文化商品の輸入管理強化に関する方法』や『文化領域への外資導入に対する意見』をまとめ、文化商品の輸入に対して厳しい基準を適用しているという」と述べるとともに、中国の韓流拡大に歯止めをかけようとする動きを指摘した。

金夏中(キム・ハジュン)駐中大使は、答弁で「韓国文化には中国から取り入れられたものが多いが、韓流を強調する際、そのようなものまで純粋な韓国文化のように話すのは間違っている」とし、「そうした事例を取り上げ、批判する文を書いている中国人も多い」と語った。

その代表的な人物が、中国の国民俳優ともいえる張國立だ 。張國立は1日、「鍼灸は明らかに中国人が発明したにもかかわらず、『大長今』では韓国人が発明したとしている」とし、「記者たちは(韓国ドラマや俳優より)中国の俳優やドラマをより多く紹介すべきだ」と述べた。

香港出身の俳優ジャッキー・チェンもメディアとのインタビューで「韓国の新聞はもっばら韓国のスターばかりをほめたてている」とし、「中国もハリウッドや韓流に対抗できるよう、中国のスターを支援すべきだ」との意見を示した。

「中国内の反韓流が深刻」 駐中大使館の国政監査で懸念表明
(2005年10月5日 朝鮮日報)

「鍼灸は韓国人が発明した」と俳優に語らせたドラマを中国に持ち込めば、そりゃあ
中国人は反発するわなあ(笑)
ほんとうに韓国人の思い上がりに付ける薬はない、ということだ。しかし、「記者たちは(韓国ドラマや俳優より)中国の俳優やドラマをより多く紹介すべきだ」と要求する中国人も五十歩百歩だと思うけど(笑)

「韓国のテレビドラマが中国全土を圧倒しているように評価するのは、傲慢な態度である」「中国との関係において、傲慢な態度は反省して謙虚な姿勢を示さなければならない」と謙虚に反省するのはけっこうなのだが、じゃあ我が国に対してはどうなの?と問いたい。

韓国では、自信感を背景に「わが国最高!」的に韓国、韓国人を自らたたえる雰囲気が蔓延しているという。日本などでの韓流ブームも、相互理解というより「韓国最高!」の愛国ムードで解釈されている。
参照:韓国の8・15 「反日愛国」と「親北」と (2005年8月15日 産経新聞)
この「韓国最高!」 が中国の反発を買い、謙虚に反省する姿勢を見せたわけだが、
わが日本に対しては、その傲慢な態度は止まるところを知らない。

青森の「ねぶた祭」の起源は韓国にある、と言い始めて(私も含む)一部の日本人の
反感を買っているが、国全体で抗議するという雰囲気にはなっていない。ここが中国と違うところだ、残念ながら。
韓国は既に、剣道や空手の起源も韓国であると声高に主張している。特に剣道が深刻で、日本の国際剣道連盟に対抗して世界剣道連盟を創立し、オリンピック種目化を
目指し始めている。
参照:世界剣道連盟創立総会- テコンドー家大挙参加
これだけではない。武士道・柔道・合気道・寿司・盆栽・漫画・清酒などなど、日本という極東の島国で独自の発展を遂げてきた諸々のものの起源が、すべて韓国であると言い張っている。
「さむらい」の語源は純韓国語の「サウラビ」であるとか(爆笑)
しかし、このような事態は笑って済まされるものではない。日本文化に対する侮蔑は、日本人と日本国に対する侮蔑である。
確かに地理的には一衣帯水の関係にある。大昔(千年前)までは文化的交流もあり、日本が大陸文化の受け手であったという事実はある。しかし、そのことと前記の諸々のものの起源とは関係がない。

今、私たちがしなければならないことは、韓国がいかに傲慢であり、日本の文化と日本人を侮蔑しているか。とんでもない勘違い、あるいは意図的な思い込みによって、いかに反日的に舞い上がっているか。これを多くの国民に知らしめることである。
読者の皆さんも、韓国の傲慢ぶりを、できるだけ多くの人に伝えてほしい。そうすれば、以下のような世論も変わってくる。

毎日新聞が9月2日から4日実施した世論調査では、中国に対して「親しみを感じる」は約3割にとどまった。68%が「親しみを感じない」と答え、20~40代の若い世代でいずれも7割以上だった。
ところが、韓国は「親しみを感じる」が4割強で、「親しみを感じない」が54%と中国ほどの大幅な開きはない。特に20代では「親しみを感じる」が50%に上り、各年代を通じ
唯一、「感じない」の49%を上回った。
この結果は、若い世代を中心に、中国の傲慢さや理不尽さが理解され始めたのに対し、韓国については、相変わらず友好的な隣国(同じ民主主義の国)という意識が根強いためと思われる。
参照:本社世論調査:「中国に親しみ」31% 若い世代冷え込み
(2005年10月6日 毎日新聞)

マンガ「嫌韓流」もベストセラーになったことだし、今こそ韓国の実態をより多くの人たちに伝えようではないか。

人気blogランキングへ
↑記事に何か感じるところがあれば
クリックしてくれると元気になれます。

| | コメント (36) | トラックバック (1)

2005/10/05

腐敗はメディアも例外ではない

もう、こんな記事を書いても誰も驚かないだろうが、やはり書かずにはいられない。私の「傲岸不遜・腐臭プンプンの国」に対する怒りは止まることを知らないのだ(笑)
中国の共産党や役所や国有企業が腐りきっていることは、過去のエントリーでも書いた。検察官はおろか裁判官でさえ汚染されていると。
そして今度はメディアである。


【香港=佐藤一之】香港市場に株式上場する中国の有力メディアグループ、北青伝媒は3日、2人の副総裁を含む6人の社員が北京の検察当局に拘束されていると発表した。2人の副総裁の容疑は明らかでないが、6人のうち3人は収賄に絡んでいるという。6人の職務はすでに停止した。

同社は北京の有力紙「北京青年報」を発行する北京青年報社の子会社。胡錦濤中国国家主席の出身母体である共産主義青年団系の機関紙でもある。同社は中国本土のメディア業界で初めて、香港市場に昨年12月上場した。

中国有力メディアの副総裁ら6人、検察当局が拘束
(2005年10月4日 日経新聞)

「北京青年報社」といえば、党を代表する新聞社の一つである。その子会社である有力メディアの副総裁が、収賄に絡んで二人も逮捕される。
警察、検察、裁判所に続いてメディアまでもカネ次第ということであれば、この国の民は何を信じればよいのであろう。
まったく「遠山の金さん」か「大岡越前」でも現れないと救われない(笑)

メディアの腐敗は幹部だけではない。


【香港・成沢健一】香港誌「亜洲週刊」の最新号によると、中国河南省で起きた炭鉱事故を取材しようとした数百人の記者に当局が計約30万元(約420万円)の口止め料を払っていたと地元紙が報じた。

地元紙は「河南商報」。報道によると、7月31日に同省汝州市の炭鉱で事故が起き、
死傷者が出た。業者や当局は事故の発生を公表していなかったが、8月15日になって情報提供を受けた記者が続々と現地入りした。

地元当局者は「河南商報」の記者に対し、訪れた約480人に100元~1000元の口止め料を渡し、総額が約20万元に上ったことを明らかにした。さらに、同18日に別の事故の情報が伝わり、再び集まった約300人に計約10万元の口止め料が配られた。

「河南商報」記者も口止め料を受け取ったが、罪悪感に苦しみながら経過を報道。同紙の編集幹部は、長年の悪習を暴露したことに同業者から抗議が殺到することを覚悟していたが、全国から称賛の電話が入った。

一方、共産党河南省委員会は専門グループの調査結果として「地元当局者は記者を追い払うためでたらめを言った。報道は事実ではなく、河南省のイメージを損ねた」と
説明。「河南商報」は現場の録音テープの提出を求められ、編集幹部は辞表を提出、
記者も辞職の可能性が高いという。

相次ぐ炭鉱事故では、免許取り消しを恐れる業者と監督責任を問われる地元当局が
結託、事故隠匿の傾向が強い
とされる。口止め料を受け取った記者は同誌にこう語った。「真相を報道しようとしても当局に禁止される。多くの記者はやる気を失い、金がもらえればいいと思うようになる」

炭鉱事故取材の記者数百人に口止め料を払う 中国河南省
(2005年9月4日 毎日新聞)

上記のように現場の記者も常に買収されているのだ。しかも、業者と結託した当局が、事実を隠蔽した上で、勇気を振り絞って告発した記者と編集幹部を圧殺する。
筆者は、文字通り「言うべき言葉がなくなった」。
頻発する炭鉱事故も、実数は報道される数の数倍に上るということだ。

過去にも述べたことだが、官僚の腐敗もすさまじい。


最高人民検察院は7月、2000年から今年6月までに官僚の汚職事件3万4685件、3万8554人を摘発したと発表した。直接の経済的損失は計約480億元。
(2005年8月20日 読売新聞)

発覚しただけで、5年間で480億元=約6,720億円が公金横領や収賄で闇に消えている。おそらく、これは氷山の一角で、実態はこの数十倍に上るであろう。

官僚だけではない。信用第一の国有銀行も例外ではない


中国銀行の黒竜江省の支店長が顧客口座か8億元(約100億円)を奪って海外逃亡した。同行北京支店では4月、行員も加担した住宅ローン詐欺で6億5000万元(約85億円)に上る損失が発生した模様だ。
(2005年6月8日 読売新聞)

これでは、悲願の海外上場を断念せざるを得なくなったのも無理はない(「海外上場は来年以降」、中国銀行報道官)。コーポレート・ガヴァナンスやコンプライアンスといった、(上場)企業に求められる基本がまったくできていないのだ。

まさに不法・違法・無法・の暗黒社会。記事を書いている筆者自身がやり切れなくなってきた。
こんな国の(上っ面の)繁栄を褒めたたえ、日中友好を謳いあげる輩の気が知れない。この国は、とにかくキチガイじみている。
東アジア共同体?冗談じゃない。こんな国に東アジアの主導権を渡すような愚かなことが許される筈もない。
親中・媚中の輩ども。この国のどこに我が国の友人たる資格があるのだ!

人気blogランキングへ
↑記事に何か感じるところがあれば
クリックしてくれると元気になれます。

| | コメント (9) | トラックバック (2)

2005/10/04

小康社会は夢のような話

私は、これまで中国が崩壊する可能性について言及してきた。そこで導き出した結論は、早ければ2008年の北京オリンピック後、遅くとも2010年の上海万博後には中国は深刻な危機に直面するということである。
崩壊に至る要因は、もちろん多岐にわたる。

①非効率的で赤字の国有企業と多額の不良債権をかかえる国有銀行
②経済的不平等の急速な拡大と社会システムのゆがみ
③3億5,000万人に上る不完全就労者
④共産主義イデオロギーの崩壊に伴う社会的規範の喪失と宗教的な社会倫理の欠如
⑤世襲される政治権力=「太子党」の増殖
⑥汚職の横行と蔓延する拝金主義
⑦頻発する暴動・騒乱、深刻化する治安の悪化
⑧資源的制約の顕著化と慢性化するエネルギー不足
⑨急激に進行する自然破壊と環境汚染
⑩社会的・政治的自由を求める動き

上記の負の要因は複合的なものであり、一朝一夕に解決できる問題ではない。
高度成長が負の要因に蓋(ふた)をしている。しかし逆に見れば、高度成長が負の要因をますます深化させている。つまり、負の要因と高度成長はメダルの裏表で、自転車のようにこぎ続けなければ倒れてしまうのである。

メディアも、一時のような「高成長を続ける中国」「繁栄を謳歌する中国」といった礼賛記事ばかりではなくなってきた。読売新聞は、「膨張中国」という第一面掲載のシリーズ記事で、中国の負の側面にスポットを当てている。
朝日新聞が発行するAERAも、2005年5月16日号で「08年の北京五輪、10年の上海万博までは成長は持続する、と見られているが希望的観測の域をでない」と編集委員の署名入りで書いている。
引き鉄(がね)となる最大の要因は人民元の切り上げである。米ドルと人民元の購買力平価は40%の開きがあるというのが米国議会の試算である。
市場では最低でも10%、ゆくゆくは20%以上の切り上げも避けられないという見方が強い。しかし、国務院(中央政府)の分析によると、20%では1千万人以上が失業すると
予測している。そして、このような状況に耐えられる指導者はいないと・・・

以上が、最近、日本のメディアでも語られ始めた「膨張する中国」の負の側面と、それが孕(はら)むリスクである。では、当事者の中共政府は、この事態をどう捉えているのであろうか?
残念ながら、中国当局者が自国の悲観的側面に言及した記事に触れたことがない。
唯一、政府直属・社会科学院経済研究所の張曙光研究員(66)が報告した、人民元
切り上げがもたらすリスクの分析くらいである。
参照:「人民元切り上げがもたらす恐怖
ところが、今回、共産党の省トップ、しかも中国共産党政治局員も兼任する人物の本音が掲載された記事が報じられた。記事で語られている内容は、このエントリーで挙げた負の要因を裏付けるものである。
とりあえず全文転載するので一読してほしい。


「広東省は危機的な状態」 張書記が“弱音”

進む環境汚染、治安悪化

「広東省は現在、危機的な状態にある。このままでは江蘇、浙江、山東省や上海に
追い抜かれてしまう」-。広東省の張徳江・広東省党委書記が曽蔭権香港特別行政区長官との会談で、環境汚染や治安悪化などで、「(同省が)経済的、社会的にも疲弊
している」と語っていたことが明らかになった。(相馬勝)

省運営は綱渡り

香港の中国筋によると、この会談は先月二十六日、香港の議会である立法会の59議員が広東省入りした際行われた。中国共産党政治局員も兼任する現役の省最高指導者が直面する問題を赤裸々に明らかにし、“弱音”を吐くのは極めて異例だ。

張書記は席上、「広東省は中国の経済改革の先駆的存在であり、急激な経済成長などの奇跡を達成したと思われているが、実際の広東省の運営は綱渡りの状態だ」と述べた。
さらに、「広東省では表面に表れてこない問題や危険性が山積しており、もし対応を
間違えると、われわれは江蘇、浙江、山東省や上海市に追い抜かれてしまう」との危機感を吐露。「広州を中心とした珠江デルタ経済圏は経済的に繁栄しているが、省北部は厳しい貧困状態に陥っており、まったくの未開発だ」とも述べ、その知られざる実態を明らかにした。
具体的な問題点として張書記は「急激な経済開発に伴い、耕作可能な土地が減少し、水質や大気の汚染が極度に悪化。飲食物の安全を確保できない状態<だ」と語ったという。

秩序維持は困難

そのほかの問題点として張書記は、特に治安の悪化を挙げた。「改革・開放路線によって全国的にさまざまな才能の人材が移動しており、広東省もそれらの人材を引き付けているが、同時に、多くのすりや泥棒なども集まってきており、社会的秩序を保つことが難しくなっている」と強調した。
広東省は長期的な目標として、「中流階級社会の実現」を目指しているが、張書記は「それは夢のような話だ」として、厳しい見方を示した。
しかし、今後の展望について張書記は、来年からの「第11次5カ年計画(2006~10年)」で、「インフラ整備を中心として一層の経済的発展を図りながら、教育や文化的な要素を発展させていく」との“前向き”な姿勢もみせた。特に、中山市を中心とした「学園都市構想」や省内の各都市に文化的な施設を建設していく方針も明らかにした。
そのうえで、張書記は「広東省への投資資本の70%は香港資本で、観光客も80%は香港人であるなど、香港と広東省との結びつきは強い」として、両者の一層の協力関係強化に大きな期待を示した。

(2005年10月4日 フジサンケイ ビジネスアイ)

珠江デルタ地域(広州、深セン等)は、中国経済の牽引車であり、上海と並ぶ双頭の竜とされる。そこの共産党トップが“弱音”を吐くのは、いかに事態が深刻であるかということだ。そもそも中国人は、よほどのことがない限り外に向かって弱音を吐いたりしない。
貧富の極端な格差、砂漠化の進行、水と大気の想像を絶する汚染、著しい治安の
悪化。“綱渡りの状態”というのは、まさに偽らざる心境であろう。
香港との一層の協力関係強化というが、香港にすがらなければ生きていけないとも読み替えられる。

実は、広東省が抱える問題は国家レベルで解決すべき問題なのである。しかし、過去のエントリーでもたびたび指摘してきたように、今の中国は共産党中央のコントロールが効かない状態にある。
「先に豊かになれるものから豊かになれ」という、一時的な経済格差を容認した鄧小平の「先富論」がもたらした必然的結果である。
地方主導で外資を呼び込み、低賃金の力と組み合わせて輸出を伸ばすという形の経済成長の限界が見えてきたということだ。
国土の均衡ある発展という、本来あるべき姿に戻したくても、地方が独自に(勝手に)
発展を遂げ、ここまで経済規模が拡大した今では、それは不可能に近い。

経済が失速し、共産党の権威が失墜すれば、無政府状態が生じかねない。「中流階級(小康)社会の実現、それは夢のような話だ」という言葉に、張書記の不安が凝縮されているような気がしてならない。

人気blogランキングへ
↑記事に何か感じるところがあれば
クリックしてくれると元気になれます。

| | コメント (8) | トラックバック (2)

2005/10/03

朝日の陰に北朝鮮工作員

少々タイミングがずれたが、重要な問題なので、朝日新聞による「NHK番組の改変報道」に関する記事を書くことにする。
朝日新聞は9月30日、外部の有識者で作った委員会の見解と、これを受けた同社の
見解を発表した。また、朝日の詳細な取材内容が月刊誌に流出した問題の責任をとり、幹部の処分も決めた。
まず、この問題に関する同業他社のコメントを下記に記す。内容は、各社の【社説】を
筆者が要約したものである。

【読売新聞】

①報道機関として無責任な対応。
②「記事には不確実な情報が含まれていた」と、会見で反省を口にした。
③それなのに「訂正する必要はない」と強弁した。
④「NHKが納得できないなら法的に対応してもらってかまわない」と開き直った。
⑤記事の真実性を証明するための「裏付け取材」をしたが、果たせなかった。
⑥録音記録の有無は、ジャーナリズム全体に影響が出る、として明かさなかった。
⑦しかし、録音から起こしたとしか思えない詳細なやりとりが月刊誌に掲載された。
⑧ちぐはぐな対応は、朝日新聞に対する不信感を増幅させただけ。
⑨争点は、政治家がNHK幹部を「呼び出し」たのかどうか、
⑩面会は放送前日だったのか、の2点だった。
⑪秋山社長は「これらを裏付ける事実は確認できなかった」と認めた。
⑫ならば、謝罪し訂正するのが筋。
⑬責任あるメディアとしての「けじめ」が必要。

【毎日新聞】

問題は、 ①安倍晋三氏や中川昭一氏がNHK幹部を呼び出したのか、
②中川氏は放送前に幹部と会っていたのか、という点。
③今、国民が知りたいのは有識者の評価などではない。
知りたいのは、取材記者の意図が、「NHKと政治の関係」を批判することではなく
本当は、「安倍氏らの歴史認識を批判したかったのではないか」という点である
⑥取材の詰めの甘さは認めた。
⑦しかし、「訂正はしない」という点は「ご理解いただいた」としている。
⑧取材テープの存在の有無も相変わらず明らかにしていない。
⑨取材資料の流出元も「特定に至らなかった」と発表したのみである。
⑩朝日新聞の検証記事よりも、その後に発売された月刊誌の方がはるかに詳しい。
⑪取材資料の流出は、ジャーナリズムの自殺行為にも等しい深刻な問題である。
⑫メディアに属する人間が、匿名で他社に取材資料をリークするのは邪道である。
⑬まさに問われている「朝日の体質」の問題に直結する話。
⑭多くの人は、隠しテープをとっていたに違いないと思っているはずだ。
⑮それを否定も肯定もできないのは、組織防衛によるものだ。

【産経新聞】

この記事で特に真偽が問題となったのは、
①安倍晋三、中川昭一の両氏は本当にNHK幹部を呼び出したのか、
②中川氏とNHK幹部が会ったのは放送前だったのか、の二点だ。
③取材が不十分だったと認め、「呼び出し」ではなく「会って」と表現を変えた。
④中川氏の面会は「放送前日」と断定しない方が適切だったとした。
⑤③④では、政治家の圧力で番組が改変されたとする記事そのものが成り立たない。
⑥それでも、朝日は訂正する必要はないとしている。
⑦社内資料の流出問題は、流出経路や関与した人物の特定には至らなかったと言う。
⑧この朝日・NHK問題は、日本のジャーナリズム全体の信頼性にかかわる問題。
天皇を弁護人なしで裁いた民間法廷を取り上げたNHK番組の再検証も済んでない
⑩まだ、幕引きは許されない。

3紙とも、おおむね正鵠(せいこう)を射ていると言ってよいのではないか。ただ、新聞が他紙をここまで厳しく批判するのは珍しい。それだけ今回の朝日新聞の行為が酷(ひど)いものであったということだ。
毎日新聞が言うように、ジャーナリズムの自殺行為にも等しい深刻な問題である。まさに「朝日新聞は死んだ」と言っても過言ではない。

筆者自身は、問題の月刊「現代」九月号:『衝撃スクープ「政治介入」の決定的証拠』を読んでいない。したがって、それを読んだジャーナリストの記事から引用させてもらう。JANJANの中で、木走まさみず氏は以下のように述べている。

ジャーナリスト魚住昭氏の手による21ページに渡る膨大な記事であるが、いろいろなことがはっきりと見えてきて実に興味深い記事である。
そして、この現代の記事は興味深い3つのことを教えてくれている。

(1)記事タイトルとは裏腹に新事実などは一切なかった

はっきり言って、目新しい新事実は一切ない。すでにメディアで報道されている内容を裏付けるものばかりで、読み解いた限り衝撃的な新事実などはなく、当記事のなかでも魚住氏自身が「朝日が想定した直接的で露骨な圧力」はなかったことを認めている。
47ページからそこの下りを抜粋する。

番組改編問題の最大のナゾは政治的な圧力があったかどうか、ということだった。松尾氏の証言記録などを読めば、その答えは明らかだ。そういう意味では朝日の報道は間違っていない。しかし実際に圧力がかかった経緯となると、朝日が想定した、直接的で露骨な圧力というより、もう少し複雑な構図があったのではないかと私は考えている。

つまり、魚住昭氏は、朝日新聞から取材資料や録音テープの提供を受けて告発記事を書いたものの、逆に政治家からの直接的で露骨な圧力などなかったことを認めざるを得なかったのだ。
また、木走まさみず氏は以下の記述から録音テープの存在を確信する。

(2)やはり録音テープは存在していた!

このスクープ記事には、理由は不明だが興味深いことに「証言記録」を入手とあり21ページに渡る記事文章の中で、「テープ」とは一切書かれてはいない。
おそらくリークした朝日側との約束事でもあったのかもしれないが、魚住氏は完璧に「録音」とか「テープ」という言葉を慎重に避けている。
しかしながら、魚住氏は1カ所だけ朝日幹部の発言を引用する形で言及している。

46ページからそこの下りを抜粋する。

だが、取材記録を読んでおわかりのように、彼が安倍氏の言うようなひどい取材をした形跡はまったくない。この件で社内調査に携わった朝日新聞の幹部はこう語っている。
「安倍さんの発言は事実に反することだらけです。まず、本田記者の取材が『夜遅かった』というのは嘘です。実際には6時すぎで、これは取材に使った車の運行記録でも確認されています。
それに取材経過を録音したものを聞くと、安倍夫人が『主人は風邪で寝込んでいます』と言った事実はありません。『ちょっとお待ちを』とごく普通に取り次いでもらっています。もちろん本田記者も『会ってもらえなければ取材拒否』だとか『右翼団体と関係あるんですね』『街宣車を回すように指示したんですか』なんてことは一切言ってません」

朝日新聞の幹部が「取材経過を録音したものを聞くと」と語っている。まさに「藪をつついて蛇」の構図なのだ。そして、この記述によって、木走まさみず氏がいう三つ目の問題、「(3)朝日新聞幹部が取材に協力していた」ことが明らかにされているのである。

これは驚くべきことなのであるが、上述したとおり、この魚住氏のスクープ記事の取材自体に、朝日新聞の幹部が全面的に協力しているのである。
(中略)
はっきり疑えるのは、朝日は自分のところで記事にできないネタを別のメディアである講談社にリークして故意に記事にさせる手法をとったのではないのか、ということだ。

ここで、魚住昭氏が言うところの「朝日が想定した、直接的で露骨な圧力というより、もう少し複雑な構図があったのではないか」というのは、どういう状態かを筆者の想定で書く。

NHKの左翼偏向のプロデューサーが、2001年1月30日のシリーズ番組「戦争をどう裁くか」の2回目で、旧日本軍の慰安婦問題を裁く市民団体の「女性国際戦犯法廷」を取り上げようとした。
この「女性国際戦犯法廷」は、法的に法廷としての根拠がない私的集会であり、人民裁判であるとする見方が強かった。なにしろ被告人も弁護人もいない「欠席裁判」である。
取材できるメディアも限られ(産経新聞は取材を拒否された)傍聴人は「法定内の秩序を保つため」、事前に誓約書を書かせて厳選するなど、公平性とはほど遠いものであることは誰の目にも明らかであった

当然、NHK内部の良識のある人たちが問題にする。政治家の耳にも入る。政治家が機会を捉えて、NHKの上層部に実情を訊くのは当たり前である。
NHK上層部も、政治家の言動に関係なく、裁判の形式を借りた反日運動・反体制運動であることが余りにも明白なので、公平性を保つ上で番組内容のバランスを取ろうとする。結果、当初に左翼偏向のプロデューサーが意図したものとは、かなり様相の違った番組になった。
NHKの現場は、番組に明らかな偏向が見られなければ、上層部の圧力にそう簡単には屈しない(むしろ必要以上にバランスを取ろうとする)。もし、理不尽な形で政治家の
圧力に屈したのであれば、NHKの労組である日放労が黙っていない。
以上が事実に近いところではないか。
ちなみにNHKの調査によれば、「NHKの幹部が中川氏に面会したのは放送前ではなく放送の3日後である」ことが確認された

それよりも2001年の1月に起こったことが、なぜ4年も経った2005年1月に朝日新聞にスクープされたのか?そちらの方が問題である。
注目に値するのは、今年の1月は、ちょうど拉致被害者・横田めぐみさんの「ニセ遺骨」問題で、世論が経済制裁に傾き始めていた時期に重なるということだ。
朝日新聞の記事が出た直後に、月刊現代と同じ出版社の週刊現代が、安倍氏が北に密使を送って二元外交を主導した、という事実と異なる記事を掲載している。
北朝鮮に毅然とした姿勢を貫く安倍、中川両氏を狙い撃ちするようにして報道がなされた裏に、こういう背景があったのだ。
週刊現代のネタ元となった韓国のニュースサイトの記事を、朝鮮総連幹部が新聞社やテレビ局に売り込んでいたことは、公安当局も確認しており、「安倍氏を傷つけるマスコミ工作」と分析ている。

ちなみに、「戦争をどう裁くか」の製作を下請けしたNHKエンタープライズ21のプロデューサー・池田恵理子氏は、「女性国際戦犯法廷」の主催者である「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク (VAWW-NET Japan) の運営委員である。
また、国際実行委員会・共同代表の一人である松井やより氏は、元・朝日新聞記者であり、裁判に北朝鮮から検事として参加した鄭南用、黄虎男の両名は「北の工作員」であることが判明している。

つまり、「女性国際戦犯法廷」→NHKの番組「戦争をどう裁くか」の2回目→朝日新聞の「NHK番組の改変報道」は、北朝鮮-朝日新聞-NHKの左翼偏向グループという繋がりの中で起こされた事件であるということだ。
その狙いは、北朝鮮による拉致問題を沈静化させるためのプロパガンダ工作であり、反北朝鮮の急先鋒・安倍幹事長代理の追い落としである

今回の問題で重要なことは、朝日新聞が虚偽の報道をしたか否かもあるが、NHKの
番組から朝日新聞の報道に至る背後に何があったのかを検証することである。
毎日新聞が指摘する、取材記者の意図が「NHKと政治の関係を批判する」ことではなく、本当は、「安倍氏らの歴史認識を批判したかったのではないか」という疑問。
産経新聞が言うように、「昭和天皇を弁護人なしで裁いた民間法廷を取り上げたNHK番組の再検証も済んでいない」状況において「まだ、幕引きは許されない」。

参考資料1:社説(2)[朝日新聞『見解』]「裏付けのない報道は訂正が筋だ」
参考資料2:社説:朝日見解 事実解明なしで新聞社ですか
参考資料3:【主張】朝日NHK問題 なぜ潔く訂正できないか
参考資料4:「朝日と現代が連携、私を攻撃している」安倍氏激白
参考資料5:NHK番組改変報道資料 朝日新聞、流出認める「政治圧力」は訂正せず
参考資料6:これは朝日の出来レースではないのか?
参考資料7:女性国際戦犯法廷
参考資料8:女性国際戦犯法廷について
参考資料9:女性国際戦犯法廷の評価
参考資料10:「法廷」参加者

人気ブログランキングに参加しています。
人気blogランキングへ
人気ブログランキング

| | コメント (13) | トラックバック (10)

2005/10/02

反米・親北は未来志向的な人

韓国にとんでもない大学教授がいる。「韓国戦争は、北朝鮮の指導部が図った統一戦争」 「共産主義であれ、アナーキズムであれ、当時の大多数の朝鮮人が希望することなら、その体制を選ぶのが当たり前だ」などと公の場で発言する。
以下に、その異常ぶりを報じる朝鮮日報の記事を転載する。


韓国戦争は、北朝鮮の指導部が図った統一戦争」という発言で、警察の取り調べを受けている東国(トングク)大学の姜禎求(カン・ジョング)教授が30日、「韓米同盟撤廃と在韓米軍の全面的撤退」「イラク派兵は韓半島の自殺政策」「韓国は軍事力過剰状態」などと主張して再び波紋を呼んでいる。

姜教授は同日午後、民教協(民主化のための全国教授協議会)主催で、ソウル大学で開かれた 「搖れる韓半島、どこに行くのか」というテーマで開かれたシンポジウムで、「韓米同盟は、反民族性、隷属性、反平和性、盲目性、恩返し論による捕虜性、反統一性といった6つの属性を持っている」と主張した。

姜教授は、「韓米関係の批判的検討と新しい再編」と題したテーマ発表を通じて「韓米同盟と在韓米軍のため、韓半島は絶え間なく戦争の危機に追い込まれているので、
韓米同盟を撤廃して在韓米軍を全面的に撤退させなければならない」と主張した。

姜教授は1946年、米軍政による世論調査の結果、共産・社会主義に対する支持勢力が77%だった点を例に上げ、「共産主義であれ、アナーキズムであれ、当時の大多数の朝鮮人が希望することなら、当然その体制を選ぶのが当たり前だ」と主張した。

また、姜教授は「韓国社会の大半は、“崇米・自発的奴隷主義”にはまり込んでいる」とし、「国防部と外交部官僚が、官僚のうちもっとも崇米・自発的奴隷主義に傾倒している」と指摘した。 また、 「米国が他国の内戦(韓国戦争)に介入することで戦争が拡散し、結果的に400万人が死亡した」と述べた。

姜教授は、「在韓米軍が平沢(ピョンテク)に再配置されて以降、台湾の独立問題などで危機状況が発生する場合、米国は平沢から上海に向けてミサイルを発射できる上、そうなる場合、中国は、韓半島に爆撃を加えることになるだろう」とし、「結局、朝鮮の人だけが犬死する第2の日清戦争が起こりかねない」と述べた。

姜教授は、「韓国軍が、北朝鮮軍に比べて劣勢だという主張は、軍事費、経済力を
考慮すれば、一種の詐欺」と述べ、「韓国は軍事力が過剰状態」と評価した。
(後略)

「韓米同盟は反民族的」…姜禎求教授発言で波紋
(2005年10月2日 朝鮮日報)

もちろん、日本の大学にも似たような教授はいた。70年安保前後(全共闘運動時代)には、文化大革命を礼賛し、尖閣列島中国領有説を強硬に唱える井上清京大教授
(当時)や中核派の破防法裁判の主任弁護人を務めた井上正治九大教授(学長代行・当時)などが、その代表である。
メディアや論壇の主流も反米・容共だった。しかし、今の韓国と決定的に違う点が二つあった。
一つは、政治において親米・反共派が常に政権を握り続けたこと。もう一つは、草の根レベルにおいて容共は受け入れられず、親米感情がそれを上回っていたことである。

ところが、今の韓国は違う。親北・反米派が政権の中枢を掌握しているのだ。与党の
幹部(常任中央委員)が、マッカーサー将軍の銅像撤去に反対する人たちを「守旧勢力」と呼び、金武星(キム・ムソン)事務総長(幹事長)までが、撤去を声高に叫ぶ親北の連中を「統一を果たそうとする未来志向的な人たち」と讃える。
つまり、姜教授の考え方に同調する勢力が、政府・与党の中に強く存在するということだ。

米国に、「韓国の戦略的価値は終わった」「韓国が米国側の要求を受け入れない
場合、駐韓米軍を撤退させる状況が来ることもあり得る」と最後通告に近い警告を突きつけられても意に介さない人たち。
実に、53%もの韓国人が、南北(韓国・北朝鮮)分断の責任が最も大きい国として米国を挙げた、という最近の世論調査もある。
金正日が、今年に入って「南朝鮮革命は既に完了した。これからは日本の世論育成に力を尽くせ」との方針転換指令を朝鮮総連に下したというのもなるほどである。

以下の記事が、それをさらに裏付ける。


ヨルリン・ウリ党の張永達(チャン・ヨンダル)常任中央委員は12日の会議で、「南北和解協力政策に難癖を付けようとする守旧勢力がマッカーサーの銅像問題を口実にして結束し、われわれの政策に反旗を翻す動きをみせており警戒すべきだ」と述べた。

張議員の発言は前日、マッカーサー銅像の撤退を求める集会が暴力沙汰に発展したことに対する与党側の唯一の反応だ。

2か月前、与党の事務総長は、「マッカーサー銅像の撤去問題に対し、どういう立場か」という質問に対し、「大韓民国の建国のために主導的な役割を果たした人たちとこれから分断を克服し、統一を果たそうとする未来志向的な人たちの間で考え方の食い違いがある」と述べた。

マッカーサー銅像の撤去論争は、すでに5か月目に差し掛かっている。今年5月初旬、撤去を主張する人たちは、「マッカーサーは仁川(インチョン)上陸作戦で、韓国を不法占拠した侵略者」と呼びかけた。

6月に行なわれた集会では、「親米、事大主義の人物たちは、韓国戦争の直接的原因を提供した米国を恩人と考えている」とも言った。

7月末、東国(トングク)大学の姜禎求(カン・ジョング)教授はインターネット新聞で、
統一戦争であった韓国戦争に米国が介入しなかったら、戦争は1か月で終わった
はずであり、殺りくと破壊の悲劇は起こらなかったはず
」と記した。

マッカーサー銅像の撤去を主張する人たちの韓国戦争に対する認識は、「韓国戦争を通じ北朝鮮体制下での統一が行なわれるべきであったが、米国の妨害によって失敗した」ということを意味する。

この状況で、与党は自分たちの立場をはっきりさせないまま、大韓民国の体制を否定する人たちを統一を果たそうとする未来志向的な人とし大韓民国の体制を守ろうとする人たちを南北和解協力政策を妨害する守旧勢力と分類している

銅像の撤去を主導する人たちに「われわれはあなたたちの味方」という信号を発しているも同然だ。

与党は「韓国戦争が米国の介入によって失敗した統一戦争なのか、それとも赤化統一を狙った金日成(キム・イルソン)の奇襲によって数百万に達する同族の命が奪われた民族的悲劇なのか」「仁川上陸作戦は米国の不法な占拠か、それとも大韓民国を金日成による占領の危機から救った事件なのか」についてはっきりとした見解を表明しなければならない。

続いて、マッカーサー銅像を撤去するのか、それとも守るべきなのかについても明白な立場を示し、論争に一日も早く決着をつけなければならない。

大韓民国の存亡を決定づけた歴史的事件をめぐって、政権与党が及び腰の曖昧な
言葉で時間稼ぎを図ってはならない。

与党は韓国戦争と仁川上陸作戦をどう定義するのか
(2005年9月13日 朝鮮日報)

過去のエントリーでも再々述べたが、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の支持基盤の中心は386世代である。1980年代に学生運動に参加したこの世代は、反米意識が強く、金日成が創始したチュチェ思想にかぶれている者も多い。
このような世代が、政治・経済(特にIT)の主流を占めつつあるのが今の韓国なのだ。金正日が「南朝鮮革命は既に完了した」と言うのも誇張ではない。

もちろん、これらの動きに反発する勢力も根強い。メディア(特に朝鮮日報)も守旧勢力に近い。しかし、最高権力者である大統領がアホな上に、反米意識に染まった左翼的志向の強い人物だからどうしようもない。

盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏は、慶尚南道金海市進永邑(チニョンウプ)の貧しい農家に生まれた。奨学金をもらいながら釜山商業高校を卒業。仕事をしながら1975年に司法試験合格。1977年に大田地方法院(裁判所)判事就任。1978年弁護士に転じ、人権派弁護士として活動を開始する。
以上の経歴に加え、盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏の義父は朝鮮党の地方幹部であった。昌原(チャンウォン)郡党副委員長などを歴任した。
そして、反動分子に対する調査および虐殺に加担するなどの左翼活動で国家保安法違反および殺人罪に問われ、有罪確定後、服役中に死亡している。

過去に「親日」であった人物を家系に持つ者は、厳しい糾弾を受け弾劾される。にもかかわらず、過去に「北の手先」であった人物を家系に持つ者は大統領でいられる。
まさに今の韓国の異常ぶりと偏向ぶりを象徴する事態である。盧武鉉氏が大統領を辞めれば事態も変わるだろうが、まだ任期を2年半も残している。
この大統領と、その同調勢力が政権を担う限りにおいて、韓国も、北朝鮮や中国、ロシアに連なる敵性国家に位置付けてもよいのではないか。
心からそう思う。

人気blogランキングへ
↑記事に何か感じるところがあれば
クリックしてくれると元気になれます。

| | コメント (15) | トラックバック (3)

2005/10/01

侵略に対する体制整備を急げ

(以下、引用)

日本、中国間の懸案となっている東シナ海のガス田開発をめぐる第3回政府間協議は1日午前、佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長、崔天凱中国外務省アジア局長らによる2日目の全体会合を行った。日本側は日中中間線の両側での共同開発を提案し、中国側は次回協議で、これに対する考え方を示すと回答。双方は今月中に北京で次回協議を行うことで合意し、今回の議論を終えた。

ただ両国は排他的経済水域(EEZ)の境界線をめぐり、日本が日中中間線とする立場なのに対し、中国側は自国の陸地が海底の大陸棚まで続いているとの理由で中間線よりはるかに日本列島よりの「沖縄トラフ」を主張して対立している。このため日本の
今回の提案での早期合意は困難とみられる。

30日の協議では、日本が中国側に地質データの開示や一方的な開発、生産の中止を要求するとともに、排他的経済水域(EEZ)の境界線として日中中間線を重ねて主張。中国海軍がガス田周辺に駆逐艦などを派遣したことにも抗議した。

これに対し、中国側はデータ提示、開発中止などに応じる姿勢を見せなかった。(共同)

中間線両側で共同開発を 日本、ガス田協議で提案
(2005年10月1日 産経新聞)


【北京27日共同】中国外務省の秦剛副報道局長は27日の定例記者会見で、中国軍が東シナ海を対象とした予備役の艦艇部隊を編成したとの国営新華社通信の報道について、事実関係は把握していないとした上で「国家が主権と領土を守ろうとするのは理にかなった話だ。大げさに騒ぐようなことではない」と指摘。中国側として当然の対応との見方を示した。

中国軍への「脅威」に対抗するために東シナ海での防衛力を強化すべきだとする声が日本国内で上がっていることについては「中国は平和発展路線を堅持しており、いかなる国を威嚇する意思もない。中国脅威論を騒ぎ立てるのは(他国の主権侵犯という)
下心があるからだ」と反論した。

中国外務省「主権守るのは当然」・東シナ海の予備役艦隊編成で
(2005年9月27日 日経新聞)

東シナ海のガス田開発をめぐる問題で、これほどまでに中国の横暴を許す破目に陥ったのは、歴代内閣の中国に対する姿勢に原因がある。
1989年6月の「天安門事件」以降、中国は明らかに変わった。にもかかわらず、我が国は中国の変化に眼をつむり、一貫して「日中友好」の錦の御旗を掲げて「対中配慮外交」を続けてきた。「天安門事件」を契機に中国はどう変わったのか?

中国共産党指導部は、この事件を戦車を動員して強権的に制圧した。その結果、最高実力者・鄧小平が主導する「改革開放」の雲行きが怪しくなった。事件後、経済成長は鈍化し、社会は不安定になった。
なぜなら、人民の党と、その指図を受けた人民の軍が人民を虐殺したからである。加えて、人権に敏感な欧米諸国の制裁がそれに輪をかけた(ちなみに日本は、制裁には及び腰だった)。
この時点で、中国共産党は人民の支持を失ったのである。

これに対して中共政府がとった対応は、「更なる経済成長」と「民族主義の高揚」だった。
鄧小平は、1992年1~2月、広東省や上海市など南方視察を行い、そこで華南地区の発展ぶりを称え、「改革開放は100年流行(はや)る」と言明、「てん足女のようなヨチヨチ歩きではダメだ。改革開放をさらに加速させなければならない」と全国に檄を飛ばしたのである。
鄧小平のこの「南巡講話」により事態は一変した。世の動きに敏感な幹部も人民も一挙に市場経済へと走り出したのだ。

一方、「天安門事件」で失脚した趙紫陽に代わって1989年 6月に党総書記に就任した江沢民は、1993年には国家主席になった。中国の最高実力者になった江沢民は、1994年に「愛国主義教育実施要項」を制定した。
鄧小平の「南巡講話」以降、経済は再び高度成長の波に乗った。しかし、経済成長だけでは、人民に対する共産党の求心力は回復できなかった。やはり「政治思想工作」による人民の洗脳が避けられなかった。
ところが既に、市場経済を志向し始めた共産党指導部が、毛沢東時代のような「階級苦」を教えるわけにはいかない時代になっていた。そこで持ち出されたのが「民族苦」であり、それを教え込もうというのが「愛国主義教育」である。そして、その愛国主義教育の唯一最大の標的こそ日本であった。

1994年以降、日本軍国主義が中国及び中国人に、いかに残虐な行為を働いたか。それに対して、共産党及び人民解放軍が、いかに英雄的かつ献身的に戦い抜いたかが徹底的に宣伝・教育されるようになった。
つまり、一方において経済的急膨張が進行し、他方において過激な反日・民族主義が煽り立てられる。そして社会的には、急成長に伴う様々な矛盾、ひずみが蓄積される。
1990年代以降、中国は明確に反日・膨張主義国家に変貌したのである。

ここで同時代の、我が国の歴代内閣を列挙する。

1993年8月 細川内閣 最高実力者:小沢一郎(新生党)

1994年4月 羽田内閣 同:小沢一郎(新生党)

1994年6月 村山内閣 同:野中広務(経世会)・加藤紘一(宏池会)

1996年1月 橋本内閣 同:野中広務(経世会)

1998年7月 小渕内閣 同:野中広務(経世会)

2000年4月 森内閣   同:野中広務(経世会)

2001年4月 小泉内閣 同:小泉純一郎

実に、1994年の村山内閣から2001年の小泉内閣発足まで、7年間にわたり経世会=野中広務氏が主導する内閣が続いたのだ。
野中広務氏とは、いかなる人物か?
よくご存知の方も多いと思うが、親中国・親北朝鮮・親創価学会で有名な政治家である。以下に、この人物の人となりを示す発言録を記す。

(親中国)
中国人が一番大切にしているのは信義を守ることです。日本はここに匕首(あいくち)を突きつけてしまった。
歴史教科書問題や靖国問題、尖閣列島問題がある中で、両国の外交当局は大変な
苦労をして、海外での会合の折に、総理と胡錦濤国家主席あるいは温家宝総理が
会見する場を作ってきた。
そんな努力の後に、民間人になったからいいじゃないかと李登輝さんを日本に迎えた。中国が2008年の北京オリンピック、2010年の万博に向けて努力し、台湾海峡に煙が立たないように気を遣っている時に、総理が胡錦濤さんや温家宝さんに会った時の信義を、日本側からひっくり返してしまった。
(2005年5月12日 月刊【日本の進路】6月号)

(親北朝鮮)
「拉致疑惑があるから食糧は送るなとの意見は強いが、(北朝鮮とは)従軍慰安婦や
植民地、強制連行があった。近くて近い国にしたい。
日本はコメが余っているのに隣人を助けることができないのは恥ずかしい。壁を破ってでも食糧援助をすべきだと思って環境整備をしている」
(平成10年4月7日 産経新聞)

(北朝鮮へのコメ支援に反対して、拉致被害者家族が自民党本部前に座り込みしていたとき)「日本人の拉致問題を解決しないでコメ支援はけしからんと言うが、日本国内で一生懸命吠えていても横田めぐみさんは返ってこない」
(この発言の出所は、筆者の記憶)

(親韓国)
(「竹島の日」条例制定について)「長年、未解決の領土問題が一挙に解決できるはずがない。県議会が無意味な議決をして、韓国を無駄に刺激している」と批判
(2005年4月10日 毎日新聞)

(親創価学会)
「戦後混乱期に日本が共産化されなかったのは、創価学会のおかげだ」
(この発言の出所は、筆者の記憶)

小渕内閣当時、北朝鮮籍と思われる不審船が能登沖で発見されたとき、自衛隊の
海上警備活動に待ったを掛けたのも官房長官だった野中広務氏だった。
おかげで速度の遅い海保の巡視船は追いつけず、不審船はまんまと北の港に逃げ帰った。(本人は「初めて海上警備活動に踏み切らせた」といっているが、アリバイ作りであることは明白)
(これも筆者の明確な記憶による)

このような人物が歴代内閣を牛耳り、その一の子分・鈴木宗男氏が外務省に君臨していた。中国が増長するのも無理はない。むしろ中国は、「日本が心変わりした」と逆恨みしているのではないか。

中国が、日中中間線に近接する中国側で、白樺ガス田開発に着手したのは2003年
8月である。このときの外相は川口順子氏で、野中広務氏もまだ健在であり、外務省のチャイナスクールも力があった。
我が国が最初にこの問題で中国に抗議したのは、2004年6月の日中外相会談で、
日本は中国に中国側鉱区のデータ提供を要求した。
2004年9月には町村信孝氏が外相に就任する。我が国が本格的な抗議活動を始めたのは、ここからである。

我が国が試掘に着手した場合、中国海軍が出てくる可能性はあるが、最初は示威行動程度で収まると思われる。しかし、漁船を装った“工作船”による嫌がらせや体当たりなど、様々な妨害活動が行われる可能性が強い。
また、中国が中間線の日本側海域も自国の排他的経済水域(EEZ)との立場をとっている以上、妨害活動ばかりではなく、中間線の日本側海域で試掘を行う事態もありうる。

中国船の体当たりなどで日本船が危険にさらされた場合、船舶往来妨害罪や器物損壊罪で取り締まることは可能である。国連海洋法条約は、EEZ内で外国船舶を拿捕(だほ)する「追跡権」を認めている。
しかし、日本の場合は、あくまでも領土・領海内での違法行為を取り締まる領海法しかなく、EEZ内においては有効な手立てがない。

9月22日の自民党海洋権益特別委員会では、石破茂元防衛庁長官が「自衛隊にはEEZ内で活動するための法律がなく、実際は何もできない」と法の未整備を指摘した。
また、谷川秀善外務副大臣は9月29日の記者会見で、ガス田問題をめぐる政府の対応について、「こっちはちょっと弱腰みたいな点があった」と指摘し、これまで後手に回りすぎたとの認識を示している。
中川昭一経産相も、9月22日の記者会見で、海上自衛隊による警備などを可能とする関係法整備を急ぐ考えを示した。

武力衝突を引き起こす事態は極力避けるべきだが、緊急時に必要な措置が取れるような体制を、法整備も含めて急がなければならない。
事態はそこまで切迫しているのだ。

参照記事:日本が試掘に踏み切れば…、“武力衝突”の可能性も
(2005年10月1日 産経新聞)

関連記事1:海自出動を検討し始めた政府
関連記事2:中国の侵略に反撃せよ!part2
関連記事3:中国の侵略に反撃せよ!

人気blogランキングへ
↑記事に何か感じるところがあれば
クリックしてくれると元気になれます。

| | コメント (13) | トラックバック (5)

« 2005年9月 | トップページ | 2005年11月 »