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2005/12/28

開かれるほど危機が深まる中共体制

世界貿易機関(WTO)への加盟を果たした中国は今、国有企業の株式会社化と海外市場での上場を急いでいる。中でも4大国有銀行の改革に力を入れている。
それは、4大国有銀行が抱える巨額の不良債権が、人民元の変動相場制移行の最大のネックになっているからだ。中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁も『銀行改革が人民元切り上げの前提になる』と強調している。

金融システムの不安が解消されなければ、いずれ実体経済が崩壊する。
これは、我が国のバブル崩壊後の姿や1997年夏以来の『東アジア通貨危機』を思い起こせば、容易に想像がつく。
したがって、金融システムの不安を抱えたまま人民元の変動相場制移行を行うことは、自殺行為に等しい。

金融システムの不安を解消するために中国当局は、4大国有銀行に大胆な公的資金を注入し、外資との提携を模索することで対応しようとしている。
一番手の中国銀行は、8月、英国の大手銀行、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)による31億ドル(約3千5百億円)の出資要請を受け入れ、株式の10%を譲渡することで合意した。
また、スイスの銀行最大手、UBSグループと戦略的投資協議書に調印し、出資分を
含め5億ドル(約5百65億円)の投資を受ける。
6月には米国の大手銀行、バンク・オブ・アメリカが中国建設銀行への資本参加を
発表。中国工商銀行に関しても、米ゴールドマンサックスを中心に、ドイツの保険大手
アリアンツと米アメリカン・エクスプレスが約30億ドル(約3千3百90億円)を出資し、
株式の10%を取得する計画が明らかにされている。

しかし、公的資金の注入や外資系金融機関との提携で、ほんとうに金融システムの
不安を解消できるのか?
中国の国有企業には、コーポレート・ガバナンス(企業統治)やコンプライアンス(法令遵守)といった、(上場)企業に求められる基本的条件が欠如している。これは銀行も例外ではない。
今年1月には、中国銀行の黒竜江省の支店長が顧客口座から8億元(約100億円)を
奪って海外逃亡した。4月にも、同行北京支店で行員も加担した住宅ローン詐欺が発覚し、6億5000万元(約85億円)に上る損失が発生している。

このような、世界標準から見て異常ともいえる企業体質は、外資系金融機関との提携で解消されたのか?答えは『No!』である。


27日の中国紙、金融時報によると、中国銀行業監督管理委員会による中国工商銀行、中国建設銀行など国有商銀4行に対する監査の結果、不正な「問題ある金額」が計5885億元(約8兆5000億円)に上った。詳細な内容は伝えていないが、違法融資や使途不明金などとみられる。判明した不正資金の規模は、4行の貸出残高の合計の
約6%に相当する。

中国の国有商銀は株式会社化や外資導入による経営改革を急ピッチで進めており、
建設銀は10月に香港株式市場で上場を果たした。しかし、監督管理委は「部分的には依然、違法な問題を抱えている」として、経営の透明性など企業統治に問題が多いことを認めた。

監督管理委は4行に対し延べ1万6000人以上の検査官を投入、地方支店を含む1万4000以上の営業拠点を監査。不正や規則違反のあった103部門、計799人を処分、
処罰したとしている。(北京・共同)

中国:不正資金総額が8.5兆円 国有商銀監査で判明
(2005年12月28日 毎日新聞)

中共政府は、20%近くあった4大国有銀行の不良債権は、2005年10月末時点で10.18%(約1兆230億元=約14兆7700億円)まで改善されたと今月初旬に明らかに
した。
しかし、その直後に検査してみると、『隠れ不良債権』が6%(約8兆5000億円)もあったというのでは、中共政府の発表など誰も信用しない。逆に、4大国有銀行の闇は際限なく深いという思いを強くするだけだ。
4大国有銀行の不良債権が20%といわれていた時期でも、米格付け機関・スタンダード&プアーズは、その率を40%以上としていた。
中国建設銀行は株式会社化され、10月に香港株式市場で上場を果たした。中国銀行も来年3月には香港株式市場に上場を申請する予定だという。そして、近い将来のロンドンやNY株式市場での上場も視野に入れている。
しかし、中共政府当局も認める『経営の透明性など企業統治に問題が多い』ことを考えれば、ロンドンやNY市場における上場はまず無理である。
特に、NY証券取引所は2001年のエンロン破綻を契機に『コーポレート・ガバナンス指針』を制定、米政府も『企業会計改革法(サーベンス・オクスリー法)』を成立させた。
したがって、中国の4大国有銀行が、世界最大の株式市場であるNY株式市場で上場することは絶望的であるといってよい(おそらくNYに次ぐ規模の東京、ロンドンでの上場も困難だろう)。

4大国有銀行の株式会社化と海外上場(ロンドン、NY)が、中共政府の思惑どおりに
行きそうもない中で、バブルの崩壊は不動産業界ばかりではなく造船業界や鉄鋼業界でも、その兆候がはっきりと見え始めている。
バブル崩壊が本格化すれば、銀行の不良債権はますます増える。『人民元の変動相場制移行』の前提となる『金融システムの不安解消』は頓挫する。結果、実体経済は
行き詰まり、中共体制は崩壊の淵に立たされることになる。

中国では、年間に80万3600件の労災事故が発生し、13万6700人が死亡している(2004年:国家安全生産監督管理総局)。大気汚染も深刻で、年間約40万人以上が
死亡している(2003年:国家環境保護総局)。『集団性事件(暴動・騒乱事件)』は7万4000件も発生し、参加者数も376万人に達している(2004年:周永康公安相)。
以上は公表された数字であり、実数はもっと多い可能性があることは、中共政府当局も認めている。
これらの、中共体制が抱える不安要素(爆弾)が暴発していないのは、すべてが『経済の高度成長』にある。その経済が、高度成長どころか、行き詰まりを見せるようでは、
中共体制は一気に崩壊する。
中国の貿易総額はGDP(国内総生産)の約70%を占め(日本は約10%)、そのうち外資系企業が輸出の約60%を担っている。つまり、人民元の変動相場制移行の成否がモロに影響する経済なのである。
したがって、金融システムの不安が解消されないままバブルの崩壊を迎えることになると、
バブルの崩壊→金融システムの不安再燃→不良債権の整理と企業の淘汰→失業者の激増→人民元の変動相場制移行の大幅延期→米欧による報復措置→輸出産業への打撃→経済のさらなる失速→社会不安の極大化→海外資本や海外マネーの国外流出→深刻な経済・金融危機の到来→失業者のさらなる激増→社会不安の爆発→中共体制の崩壊
という、悪夢の連鎖が始まるのである。

2020年の中国のGDPは少なく見積もっても60兆元(840兆円)を突破するのは確実。
その場合、一人当たりGDPは4万元(約56万円)に達する(中国国家統計局 許憲春・国民経済概算局長)。
2015年から2020年の間には、中国は米国を抜き世界最大の貿易大国に成長する
(中国・商務部 高虎城・副部長)。
政府当局者は、まったくノー天気なバラ色の未来を語っているが、中共体制崩壊の
危機は、もう目の前に迫っているのだ。

最後に、中共の最大のアキレス腱であるコーポレート・ガバナンス(企業統治)やコンプライアンス(法令遵守)の改善が絶望的であることの事実を記して、本日のエントリーの締めとしたい。


政府の高官の間ではまたとんでもない事件が起こっている。
自分の妻を「賄賂」に上官に提供している。
他の報道によると、湖北省天門市財政局長ペン氏以下数人が昇級昇官の目的で色好みで有名な天門市党委書記「張二江」に対し贈賄を行い、その額は数千元から人に
よっては数万元となっている。数人はそれに加えて自分の妻を書記に提供している。
これはひょっとして、「ギネスブック」に記録されるほど世界注目の先端行為か。
この事件から我々は単に道徳観が欠乏しているという問題意識だけでは無く、もっと
深く原因を調べる必要がある。
(中略)
そもそも贈賄した方の局長が白痴と言う訳ではあるまい。どうして自分の妻を腕をこまねいて、頭を下げて、書記に差し出すのだろうか。これら局長らの婦人達はもの言わぬ鳩になったのだろうか。何故彼女達は頑として拒否する姿勢を持てないのだろうか。
その行動の深いところにあるのは、あまりにも明白である。書記の獣欲を満たすことではあるまい。誰にもわかっているのは、その見返りに、昇級昇官を期待してのことである。

実際の生活ではどうしても彼等「官」は等級がものを言う。たとえば大学教授も高級
技術士も、彼等はその等級で俸給が決まっている。位いが低ければ車も与えられず、大きな住宅、電話器、などもない。
会議の座る席順も、その会議が純粋に技術的なものでも、その等級によって決まる。
これは誰もが知っている。これらは仕事以外のあらゆる面でもまた等級によって動かされている。
(中略)
現在の「官」が上にたつ制度を改めない限り、これら贈収賄と極めて汚い庶民への対応は無くならないであろう。
いったい何時になったら性の賄賂が無くなる日が来るのだろうか。

性賄賂 の 背景 (南方週末 2002/02/07 馮征 記)

賄賂として自分の妻を献上する。『常軌を逸した社会』という言葉でも、もの足りない。
もはや、『言葉がない』というところであろうか!

参照記事1:驚異的貿易依存度
参照記事2:激化する「外資」対「民族系企業」の争い

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中国崩壊シリーズ」カテゴリの記事

コメント

ようするに、中国に流れたカネは、

外資の導入+貿易黒字で稼ぐ
      ↓
過剰な不動産や設備投資
   ↓        ↓
焦げ付き    不正な持ち逃げ 

てな感じで、消えていくわけだ。 

日本企業の慎重な投資を望む。間違っても、外国の銀行が投資しているからといって、無理な投資はやめて欲しい。   

投稿: 三等水兵 | 2005/12/28 20:58

ひとつ前の記事の「国を売れない」ということに関して、「家族は裏切っていた」じゃないかという中国人?のコメントが有りましたね。
妻をも差し出すのは家族への裏切りとは言わないのかな? こういうのはなんと表現するんだろう。 気になるなぁ。

投稿: 岩手の田舎人 | 2005/12/28 22:50

このシリーズ(国有銀行の海外上場)は非常にためになります。

まさに中共の命運はこの海外上場がのるかそるかにかかっているといっていいでしょう。
(たぶんのらないだろうけどw)

さすがに日本のメディアでも環境汚染・バブル崩壊・貧富の格差等々、中国クライシスが語られるようになってきましたし。

「大陸中国(特定アジア)からは距離をとったほうがいい」
早くそんな声が主流になってほしいですね。

投稿: おい | 2005/12/29 00:57

昨日の記事の、とある人のコメントについて
外務省に限らず人間誰しも、倫理的な間違い(後ろめたい行為で犯罪行為ではない)を犯すもの。それをネタにユスリタカリを行う人間はクズだという事。それが解らぬ人もまたクズ。

坂さんの、中国経済の崩壊の解説はいつも興味深い。
何処の国でも、金(と女)の魔力から離れ、クリーンでいる事は大変難しい事だと思うが、決定的に中国が違うのは、「沈む船にはネズミはいない」という言葉がある様に、汚職で得た金で海外へ高飛び、金が無くても集団でコンテナで高飛びする現実がある事。そして朝鮮半島も同じである。

投稿: NZ life | 2005/12/29 06:28

今の日本政府は中共政府に決して劣らない事だけは
心底実感する事でありますが、中共のあれだけの大きい
国となりますと政治の質も可成り高いレベルが要求され
ますが、中共政府の態度は弱小国のそれと言わざるを
えません。当に菅直人辺りの者が首相をやっている様な
もので有り、確実に亡国へ向かっている事でしょう。
また、支那人は徹底した拝金主義者でもありますので
日本の経済構造問題より遙かに難しく、今の中共政府
如きでは解決は不可能といっても過言ではありますまい。

共産党制度の限界が極限にまで達してますな。

投稿: abusan | 2005/12/29 08:00

皆さん、こんばんわ。
コメントありがとうございます。
中共体制の崩壊は99.9%間違いありません!!!

ところで、昨日のエントリーで取り上げた事件、今日の讀賣の続報は、昨日よりず~っと扱いが大きかった。
TVも今日は盛んに取り上げています。
中共の『もう済んだ問題だ!今さら騒ぎ立てるなんて、政治的意図を感じる』という反論も併せて。
でも、これでまた中共に対する幻想が一枚はがされる。
良い傾向です。
これを仕掛けたのは誰でしょうか?
安倍さんとは思えませんが?

投稿: 坂 眞 | 2005/12/29 19:37

板様

>これを仕掛けたのは誰でしょうか?

私自身は無名の憂国者だと解釈してますが(w
敢えて言えば市井の憂国者全員でしょう!
まあ、その中に従来からのアンチサヨク論客も含まれる
かもしれませんがwww

逆に言えば日本のサヨクは海外の左翼の理念と
比べて愛国心不在などで遙かに見劣りしますので
情報化社会の進化に乗り遅れたのかもしれません
ね( ´,_ゝ`) プ

ピタゴラス原理主義者がかつて滅亡の一途を辿った
様にマルクス原理主義者も同様の運命を辿っている
と言えそうですね。

投稿: abusan | 2005/12/30 22:16

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