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2005/12/26

もう限界か?中共体制

中国共産党(中共)首脳部が『団派』と『上海閥』に分れ、暗闘を繰り返していることは
ご存知だろうか?
『団派』とは、胡錦涛総書記に代表される、共産主義青年団(共青団)出身のエリート
官僚たちのことであり、『上海閥』は、上海の地方幹部から党総書記・国家主席へと
異例の出世を遂げた江沢民に連なる人脈である。

上海の田舎者である江沢民が、鄧小平によって党総書記・国家主席に抜擢されたのは、天安門事件で、ときの総書記、趙紫陽が民主派側に立ち、中共体制が大きく揺らいだためだ(趙紫陽は解任される)。
民主派を押さえ込み、かつ経済は高成長させる。それによって中共体制を立て直す。
この鄧小平の思惑にピッタリだったのが、保守派の受けがよく、上海で経済改革を成功させていた江沢民だったのである。
しかし、この江沢民は一種の片輪(かたわ)であった。経済成長一辺倒で、バランス感覚を欠いたため、党官僚の腐敗・堕落、深刻な環境破壊、極端な貧富の格差等を生み出してしまった。
この江沢民路線が行き詰まりを見せ始めたため、その限界を打破するために登場したのが胡錦涛なのである。

ところで、『団派』と『上海閥』の確執は、取りあえずは『団派』の勝利に終わったようだ。
その第一幕は、昨年9月に江沢民が党軍委主席を引退し、その跡を胡錦涛が襲ったことである。その前の7月の時点で、胡錦涛と江沢民の間に『軍の人事』をめぐる対立があったことは、米ニューヨーク・タイムズ北京支局の趙岩氏(中国人)のメモで明らかになっている。
中国では、党総書記、国家主席、党軍事委主席という党・政・軍の3権のトップを通常は一人の指導者が兼務する。ところが江沢民は、党の定年規定に反してまで軍事委主席に居座っていた。その江沢民の排除に成功した胡錦涛は、この時点でやっと全権を
掌握したことになる。

第二幕は、今年10月の五中全会である。同会議において採択された『第11次5か年計画(2006~2010年)』は、江沢民時代の『成長優先型発展戦略』や『投資主導型成長』からの訣別を明確にした。

胡錦涛の主唱する『科学的発展観』に基づいた『調和のとれた社会』の構築を目指す、とされた同計画は、
①エネルギーの消費効率を改善する
②リサイクル経済を発展させる
③環境問題を解決する
④農村部の所得を引き上げ、三農問題(農業・農村・農民)を解決する
⑤地域間・階層間における不均衡を是正する
⑥経済成長の牽引役を投資から消費へシフトさせる
など、調和の取れた文明型経済モデルへの大胆な転換を提起している。

まさに、私が『片輪』と呼んだ江沢民の方針・政策と比べれば、天地の開きがある。

第三幕は昨日、明らかになった。胡錦涛が中央軍事委主席に就任して以降、軍における初の大型人事異動が行われたのである。新たな首脳人事は、従来の陸軍重視から空海軍出身幹部の重用へと変化した。軍のハイテク化を重視した人事異動とも見られるが、軍からの江沢民色排除が一気に進んだと思われる。

この一年余で、ここまで権力構造が大きく変化したのはなぜか?
それは、おそらく江沢民の健康状態が大きく影響していると思われる。
大紀元は、今年の6月時点で『江沢民重病説』を流している。大紀元だけだと情報の
信頼性に問題があるが、讀賣新聞も11月に、『胡総書記、党・国家・軍ほぼ掌握』という記事の中で『健康悪化?江沢民氏“にらみ”弱まる』と、健康状態には『?』マーク付きながら江沢民の影響力が大幅に弱まったというニュースを流している(この記事はリンク切れ)。

では、胡錦涛は江沢民とは違い、ほんとうにバランス感覚があるのか?これは間違いなくある。そして、おそらく『隠れ民主派』だと思われる。江沢民とは明らかに違う。
胡錦涛は、故・胡耀邦総書記の系列に連なる。胡耀邦は民主改革派であり、中曽根
首相(当時)とも信頼関係があった。しかし、この胡耀邦は、『ブルジョア自由化』に寛容すぎると批判され、失脚する。
胡錦涛は、チベット自治区の共産党書記時代に、ラサに戒厳令を布告したことがある。これをもって、彼を保守強硬派とみなす論調もあるが、それは違う。
私が見るところ、胡錦涛は胡耀邦や趙紫陽の二の轍は踏みたくなかったのだ。だから党・政・軍の3権を掌握するまでは江沢民と共存する。自分のカラーは3権を掌握した後に出す。
3権掌握後に提起された『第11次5か年計画』を見れば、その見方は当たっていると
思う。

調和の取れた文明型経済モデルへの大胆な転換を目指す胡錦涛が、党総書記、国家主席、党軍事委主席という党・政・軍の3権を掌握した。彼は、民主改革派の象徴・胡耀邦の系列に繋がっていると言われる。
ここまでだと中国が変わりそうな気がする。胡錦涛カラーが浸透すれば改革が進む。が、ほんとうにそうなのか?
実は、結論から言うと中国は変わらない。それどころか、ますますひどくなる。


【北京=末続哲也】中国の胡錦濤政権が掲げる弱者重視路線が、正念場を迎えている。来年3月の全国人民代表大会(国会)で、政権は、農民や出稼ぎ者、失業者らに配慮した「調和社会」建設を急ぐ「第11次5か年計画」(2006年~10年)を制定する。だが、現実には、民衆を軽視した当局の不祥事が相次いでおり、政権に対する信頼は急速に失墜しつつある

「地元政府も、中央政府も、われわれ弱者の訴えを全く聞いてくれない。海外メディアで取り上げてほしい」。25日午後、江蘇省啓東市の30代の男性が本紙中国総局に電話してきた。男性は「住民数千人が飲み水として使う地下水に黒い粒が混じるようになった。地元の染料工場の排水が原因だ」と訴えた。

この男性のように、切実な訴えを当局に相手にしてもらえなかった民衆が、海外メディアに連絡する例が最近目立っている。外交筋によると、北京の日本や米国、ドイツなどの大使館前に地方からの陳情者が訪れ、中国政府に抗議する意思を表示するケースも増えている。

民衆が政府を見限りつつあるようにも見える。「調和社会」のスローガンに背き、「弱者」を顧みない例が、あまりに多いためだ

11月の松花江汚染問題で、人命にかかわる情報隠しが批判された。にもかかわらず、今月明るみに出た広東省の北江のカドミウム汚染で、当局は同じ過ちを犯した。さらに、中国紙「中国経営報」によると、地元当局者は「汚染はずっと存在してきた」と述べた。当局が汚染を黙認し、汚染の事実を隠ぺいしてきた疑いが浮上している。

中国での人命軽視の代表例は、炭鉱事故だ。昨年1年間の炭鉱事故による死者は6027人に上る

中国政府は23日、昨年11月以降に起きた炭鉱事故のうち6件について、関係者222人を処分し、うち96人を刑事処分にしたと発表した。また、今年1~11月に事故を隠そうとした例も17件あることが判明した。政府は、地方当局者と炭鉱関係者の癒着が安全管理の不備につながり事故の多発を招いたと認めている

政権が「調和社会」を掲げ、「弱者の利益保護」に努めるのは、民心を掌握して社会の安定を確保し、一党独裁体制を維持していくためだ。弱者の声を有効に政治に反映させるための手段である民主化には決して踏み込まない。「調和社会」の限界が露呈しつつある

参照:弱者の怒り・暴動多発、中国「調和社会」建設に限界
(2005年12月25日 読売新聞)

上記讀賣の記事は、私が書きたいことをほぼ書いてくれている。だから全文引用した。
現時点で、胡錦涛の言う『「調和社会」の建設』は既に『限界』に達している。
弱者の怒りは沸点に達している。
にもかかわらず、中共当局者は、『笛吹けど踊らず』の状況にある。

讀賣新聞が『民衆が政府を見限りつつあるようにも見える』と書くなんて、異常事態と
いうか、それだけ『中共体制の危機』が深化しているということだろう。
『2008年の北京オリンピックまで大丈夫』という楽観論もあるが、果たしてそうだろうか?

参照記事1:2005年06月17日 大紀元日本
参照記事2:2005年12月25日 朝日新聞
参照記事3:2004年09月21日 毎日新聞【社説】
参照記事4:2005年12月25日 毎日新聞

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中国崩壊シリーズ」カテゴリの記事

コメント

中国人の統治能力と国土の広さはミスマッチです。

満州、河北(北京を含む)、河南、江南(上海など)、漢中、四川、雲南、モンゴル、ウイグル、チベット等に分離独立すれば少しは良くなるのだと思いますね。

当然国連の常任理事国は返上します。
そうして自らを三流国家だと認識することで中共の未来は開けると思います。

投稿: yuki | 2005/12/26 19:46

 胡錦濤は中国のゴルバチョフになるかもしれませんね。 これから、中華共産主義帝国はバラバラになるかも。

投稿: 三等水兵 | 2005/12/26 21:51

 胡錦涛は金融引締めと江沢民一派の乱開発に政府認可を出さないなどで、景気の過熱を抑えバブル崩壊の時間稼ぎをしているということですね。憲法遵守を説き、下っ端共産党官吏のみの汚職を摘発して即決裁判で処刑して見せて、法治国家を目指す振りをして、富の再配分を高らかに宣言したところで 土地は国有だからと住居や農地を二束三文で取り上げていたところを三束五文にするのが関の山です。 その土地に加藤紘一の紹介状でも持参するような外国企業を誘致してその企業から莫大な土地使用料を徴収した挙句、共産党最高幹部でその金から二束三文というコストを差し引いた額を山分けするという構図には何の変化も無いのですから、胡錦涛が今更江沢民よりバランス感覚が良いとアピールしてみても時すでに遅し です。
 共産党幹部とその一族が札束を抱えロレックスの腕時計を両腕に10個ずつはめたいでたちで 無数の暴民という追っ手から逃げ惑う姿は空想だけで終わりそうも有りませんね。 

投稿: 武井 | 2005/12/26 23:11

共産主義の筈の中国の富の集中(貧富の差)は尋常では無いですね。(笑
↓人口の0.5%が全国個人資産の60%を所有
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/flash_rss/418034

資産握った連中はこぞって海外に逃げ出して、中国には資産は残らない。蓄財に励んだ連中に愛国心?(笑)のかけらでもあればいいんですが・・・。
残されるものは、重度に汚染されて農業にすら使えなくなった農地、バブル経済に浮かれた見かけの幻想資産。悲惨な感じがしますね。今後も数年は年13%ずつ資産が増えるなんて書いてますが・・・?

経済支援から、今度は人道支援に名目が変わり、また税金をもって行かれるだけの日本市民の姿が見えてくるようで、こっちも暗いです。

投稿: 岩手の田舎人 | 2005/12/27 01:00

いつも楽しみに拝見させていただいてます。今夏、中国の本土系プロジェクトを仕掛ける大手ヘッジファンド・キングに私が直接聞いた話に、「中国政府はその国民性に配慮して大衆には決して逆らわない」という衝撃的な言葉がありました。
鄧小平から江沢民、胡錦涛という時代別財界ニーズに合致したリーダーの変化も然り、と。

確かに最近の小泉政権やブッシュ政権を見ていると、議会でさえ勝利すれば政策を執行できる日米と比較して、中国や戦前の日本の方がプロパガンダに気を使っている気はします。どうお考えになりますか?

ところで私は最近メールマガジンのブログへの移行を画策中です。よろしければお薦めブログに入れていただけませんか?(←相互リンクのお願いです。ブログ初心者なもので頼み方が分からなくて済みません)
アドレスはhttp://rina1979rina.blog42.fc2.com/
です。

投稿: 里奈 | 2005/12/27 07:22

なんだかんだいって、湖国家主席は中国の段階的な民主化と連邦制への移行を模索しているようです。ただ、地方の軍閥がそれを許さないというのが現状でしょう。もっとも、仮に湖国家主席の思うように事が運んだとしても、それで日中間の問題が解決されるわけではありませんが…。

投稿: 蔵信芳樹 | 2005/12/27 10:28

以前の記事で、管理人さんは中国の公害防止に援助すべきだと主張なさっていました。もし中国が崩壊したら、今稼働している工場群も操業停止になるでしょう。部品の供給、電力供給が止まるからです。工業とはシステムですので、ソフトウエア産業を除けば独立して動けません。古来から指導者の無能さを隠し、国民を団結させるためには外部の巨大な敵が必要であり、反日こそ、その役割を果たして来ました。かって米軍は山本五十六を撃ち落とした場合に、もっと有能な指導者が出ない事を確認して撃墜した、と読んだ事があります。我々も中国の状況をよく研究して、「次に何が起き、誰が指導し、それに対して日本がどうすればよいのか?」を把握しておく必要があります。官邸には正しい情報が集まらず、外務省は害務省であり、国民は嘘つきマスコミによりまちがった方向に向かう事を強要されています。「反日」もかっての「鬼畜米英」と同じスローガンですが、我々の負い目を突く、姑息な手段だと思います。 さて、
(1)中国軍の暴走により、日本に対して核攻撃があるかどうか。東京と沖縄がターゲットとか。
(2)共産党崩壊時の混乱で、日本にボートピープルが数百万人来るかどうか。上陸後、武装難民になります。
(3)ソ連崩壊時と同じようなプロセスをたどるかどうか。より大きな内戦が起きるのかどうか。
(4)北朝鮮、韓国も巻き込まれるかどうか。
(5)ロシアがどう動くのか。また混乱に乗じて領土拡張に走る可能性の検討と監視。
(6)アメリカの動向。「黄禍論」は健在でしょうか?
ざっと以上の点が、これからの問題として考えられます。今はネットがあります。ネット上の有識者の皆様で対策を立てたいですね。中心人物は、ここの素晴らしい管理人さんで... 

投稿: 普通の国民 | 2005/12/27 14:57

皆さん、こんにちわ。
コメント、ありがとうございます。

今日は仕事納めで、しかも会社が引越し。
エントリーを書く時間が限られてしまいました。
でも、もう中共体制の崩壊は間違いありませんね。
確信しました。
後は、数百万人にのぼるであろう偽装難民をどう防ぐか、が極めて大きなポイントになります。
絶対に受け入れてはならない!
犯罪の温床になるのは100%間違いない!

投稿: 坂 眞 | 2005/12/27 21:41

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