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2006/01/27

言論統制強化は中共崩壊の予兆?

「民主主義の値段は2000ドル(約23万円)」という説がある。
開発途上国が発展して一人当たりの国民所得が2000ドルを超えると、民主化運動が起こり、独裁政権が倒れるケースが多いからだ。
このブログでも、その論文を何度か引用させてもらった野村資本市場研究所シニアフェローの関志雄氏(中国人)は、「中国はもはや社会主義ではなく、資本主義です」「しかもアジア型の開発独裁」と指摘する。
つまり、かつての韓国や台湾、インドネシアと同じというのだ。この3ヶ国は、いずれも「アジア型開発独裁」から民主主義に移行した。

中国の2005年現在の一人当たりの国民所得は約1300ドル(15万円)程度と予測される。都市部では既に5000ドルを突破した思われる。
ということは、そろそろ民主化を求める動きが表面化してきてもおかしくない。事実、これまで当局の完全な統制下にあった新聞や週刊誌で、中国内のネガティブなニュースや当局が隠蔽したい情報が部分的ではあるが報道されるようになった。
本来であれば、中共当局はこの動きを拡大させ、「開発独裁体制」から「民主体制」へと軟着陸を図るべきである。なぜなら、開発独裁がいずれ行き詰ることは歴史が証明しているからである。

ところが、中共当局はまったく逆の方向に走り始めた。今、中国では、言論統制が急速に強化されつつある。

中国共産主義青年団の機関紙「中国青年報」の付属週刊紙「氷点週刊」が25日、当局によって発行停止処分に追い込まれた。「中国青年報」は比較的自由な報道姿勢で知られており、特に斬新な切り口の記事を掲載する「冰点週刊」は人気が高かったという。
同紙が今回掲載した評論の中で、中国の歴史教科書が「正しい歴史を教えていない」と批判したことが問題視されたと見られる。問題の評論は、袁偉時・中山大教授が執筆。

評論は、「中学高校の歴史教科書をみて驚いた。青少年は(母乳ではなく偽物の)オオカミの乳を飲み続けている」として、中国の教科書が正しい歴史の知識を教えていないと批判。一例として、英国軍が一方的に侵略したと教えられる第2次アヘン戦争(1856~60)について、実際は中国側にも国際法を順守しない過ちがあったと指摘した。
また、1900年の義和団事件で、1か月内に児童53人を含む外国人231人を殺害した残虐行為の記述が中国の歴史教科書にほとんどない点なども指摘。日本の歴史教科書を批判するだけでなく、自国の歴史教科書の記述も見直すよう訴えた。

中国では、当局側の歴史認識を批判するのは極めて異例と言われる。が、歴史教科書の明白な事実誤認を指摘しただけで発行停止処分とは・・・
こんな国に、我が国の歴史認識や歴史教科書を批判する資格などない。

ところで、今回の処分から、胡錦濤政権の言論統制強化の姿勢が如実に見て取れる。昨年末にも、黒龍江省の松花江で発生した大規模な化学物質汚染事故をスクープし、当局による事件の隠ぺい工作を批判した人気日刊紙「新京報」の編集局長らが更迭され、記者らがストライキで対抗する騒ぎがあったばかりである。
広州の「南方都市報」も、広東省広州市郊外の太石村で起きた「民主化の星火」あるいは「民主化の小崗」と呼ばれた農民の抗議行動を詳報したために副編集長の夏逸陶氏が解任された。
大胆に報道することで有名な「深圳法制報」も昨年の11月、突然発行停止となった。
当局は長期的に赤字経営に陥ったためと公表しているが、実際は同紙が頻繁に社会の暗部を暴露する記事を掲載したためと言われる。
中国共産党は今月中旬、報道関係者が「党と人民の代弁者」に徹するよう求めた意見書を発表している。要は、メディアは『御用新聞』に徹しろ!それ以外の言論など百害あって一利なし!ということだ。

「中国は発展の道を歩みつづけ、人権問題でも大きな進展を得た。中国人民は宗教の自由を含む、民主主義と自由を享受している。国と国は、平等・相互尊重・内政不干渉の原則のもと、人権問題に関する対話を進めるべきだ」(中国外交部)
昨年の11月16日に、京都で行ったブッシュ米大統領の「表現や宗教の自由が保証されている台湾を見習えば、もっと中国は繁栄する」という主旨のアジア政策演説に対する反論である。
現実を見れば、もうあきれ果てて、怒りよりも笑いが先に来てしまう。胡錦濤は、あの北朝鮮の『悪魔の体制』を高く評価しているというから、これも当然か!

経済の高度成長が続いている中で言論統制強化に走るということは、
それだけ危機が深化している、ということだ!

参照1:中国、歴史教科書批判に処分 政府系紙の特設ページ停刊
    (2006年01月25日 朝日新聞)
参照2:歴史教科書批判が原因か…中国人気紙が停刊処分
    (2006年01月26日 読売新聞)

【追記】
25日に発行停止に追い込まれた中国の週刊紙「氷点週刊」の編集長の抗議文が公開された。
言論人として、極めてまっとうな主張を展開している。
こういう言論人を封殺するようでは、中共体制の前途は真っ暗である。


中国の歴史教科書について、中国の週刊紙「氷点週刊」が「正しい歴史を教えて
いない」と批判したことで発行停止処分になった問題で、同紙の李大同編集長が出した公開抗議文を26日、米国の中国ニュースサイト「多維網」が掲載した。

抗議文は、処分について「新聞人として発行停止は最も理解できず、受け入れられない」「新聞は社会の公器であり、読者と契約を結んでいる」と主張。「上層部の少数の
人間が背後で操作した」と共産党中央宣伝部を批判した。

また、歴史問題について「材料と観点を平等にし、心を静めて和やかな雰囲気で話し合ってこそ、徐々に共通認識に到達できる」として、
冷静な議論が必要と訴えた。

中国で発行停止、編集長の抗議文が米サイトに
(2006年01月27日 朝日新聞)

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中国崩壊シリーズ」カテゴリの記事

コメント

>材料と観点を平等にし、

観点までは同一にできないと思うが、「材料」(つまり史料)を平等にというのは論理的に極めて正しい大前提である。ただ、教科書には「載せる事象の取捨選択」というのがある。ゆえに、「認識」云々の前に「事実の最大公約数」を固定する必要があると思う。「事実」は客観であり、「認識」は主観ではないか?

投稿: 未定 | 2006/01/27 19:13

即殺しなかったところを見ると中国も随分民意を気にしているみたいですね。たしか反日デモを企画していた連中は殺されたでしょ?

投稿: 蔵信芳樹 | 2006/01/27 20:27

言論封殺も好き勝手にできなくなる時が段々近づいてきているのでしょうか?
共産党ピンチ? 
↓共産主義の罪を非難/欧州会議が決議採択
http://www.shikoku-np.co.jp/news/kyodonews.aspx?id=20060126000138
どこまでやれるかな? 
少なくとも日本ではこんなことできませんな。なんだかため息が・・・。
そのうち毛沢東の大虐殺も暴かれるんでしょうが、日本が中国に併合される前になんとか・・・。他力本願か?(笑
↓「 もはや避けられない悪夢か 中国による日本併合を防ぐ道は真の独立国になること 」
http://blog.yoshiko-sakurai.jp/archives/2006/01/post_411.html

投稿: 岩手の田舎人 | 2006/01/28 01:49

こんばんは、坂眞さん。

現代でも、やはり中国は「焚書坑儒」の国であり、今でも、始皇帝を非難する体質に、変りはないと思います。今にして思えば、手段の是非はともかく、今も生きる儒教の毒を思えば、弾圧するのもやむをえなかったのかもしれません。そして、法家は過酷で、それよりも仁を尊ぶ姿勢に、変りはないと思われます(法を軽視、無視する姿勢は、昔も今も変わらないように思えます)。
まぁ、今現在も始皇帝を非難する態度は我が国も同様で、信長や家康を非難するが、弾圧された本願寺やキリスト側の問題は一向に見向きもしません。所詮は、権力者は悪で、民衆は犠牲者という思考停止に陥った教育業界、そのものとも、いえなくはないでしょうか?

話は変るのですが、ハリウッドの奇想天外映画、「SAYURI」の中国国内での公開は、中止されたそうですね。それも、自称・売春婦(といったら言いすぎでしょうか?)に配慮したとか。中華圏の兄弟国家は、さもありなんとも思えます(歴史は事実ではなく、自分達に都合のよいものに作るものだと)。

「同じ地方に生まれた人々は、時代が変わろうとも、同じような気質を持ち続けるものである」
 -マキアヴェッリ

投稿: Mars | 2006/01/28 01:52

>「材料と観点を平等にし、心を静めて和やかな雰囲気で話し合ってこそ、徐々に共通認識に到達できる」
至極当たり前の事ですが、共産党絶対善の中では人民と政府が検討の余地すらないでしょうし、また日本絶対悪(反日教育)の中では共通の歴史認識や友好関係が生まれるはずもない。
中国・南北朝鮮における言論統制・思想強制の中では、矛盾点ばかりが目立つが、人民が自由に発想し言語を発する事は不可能。だから国外へ逃げる人が続発している。逃げるばかりで、そのタブーを破る者は処罰され口が封じられていく。哀れだが、彼等に壊す術が無し能力(知識)も無い、国際的包囲網が出来ない限り。

投稿: NZ life | 2006/01/28 06:12

支那の諺に

「上に対策有れば下に対策有り」
「桑を指して槐を罵る(指桑罵槐)」

が有りますが、毛沢東同志も呆れ果てる下策
ですわなあ┐(´ー`)┌人民をナメてるのかと。
こういった「焦り」を見せる事自体が末期的症状
で有る事がエントリーで示されてますな。
人民同士の通信手段は幾らでも有りますのでね
日本を含む外国のスパイも人民の不満を利用
するでしょうし(w

投稿: abusan | 2006/01/28 09:08

トンデモ無い変換ミス

×「上に対策有れば下に対策有り」
○「上に政策有れば下に対策有り」

お詫びして訂正しますm(__)m

投稿: abusan | 2006/01/28 09:12

 虚言癖:「実際に以上に自分を大きく見せたい、目立ちたいと感じて、ホラやうその自慢話を行います。病的になってくると、自分でも、ウソか本当かよくわからないこともあります。じぶんでも半分信じているのですから、はじめて聞いた人はまさに本当だと思ってしまいます。」たまたま検索していたら見つけたページに、こんなモノがありました。
 中共の妄想は、おそらくこの域にまで達しているのでしょう。もう自分でも、自分の言っていることがホントか嘘かわからなくなっている。ただ、自分たちの妄想に冷水を浴びせる“良心的”な人々に対しては、国の内外を問わず感情的な攻撃をする。断末魔、というやつですね。

投稿: duzhe | 2006/01/28 09:12

皆さんこんにちわ。
コメントありがとうございます。

虚言癖というか、もう開き直りですね。
胡錦濤は金正日やカストロをほめたたえる。
どっか狂っていますね。
ほんとうにこの国を「友好国」と思っている人が理解できません。

投稿: 坂 眞 | 2006/01/28 13:17

トラバ連投してしまいました。すみません、お手数ですが、一つ消去の程を。

インターネットでフィルタリングがされているというのは有名ですね。「チベット」とか検索しても、全然検索にかからないとか。

ロシアも「ロシアを非難する外国人」を入国禁止にしたり、NGO結成を許可制にしたり、怪しい動きが多いです。大陸国家=全体主義というのは間違いないですね。

投稿: ろろ | 2006/01/28 14:28

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