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2006/02/11

農民襲撃で共産党幹部に無期懲役


昨年6月、中国河北省定州市で地元政府による土地収用に抗議した農民らが武装集団に襲われ6人が死亡、少なくとも40人以上が負傷した事件で、同省邯鄲市中級人民裁判所は9日、襲撃を計画したとして起訴されていた定州市の共産党幹部に無期懲役、襲撃を指揮した4被告に死刑の判決を言い渡した。10日付の香港各紙が報じた。

中国・河北省の農民襲撃事件、党幹部に無期判決
(2006年2月10日 朝日新聞)

中国・河北省の農民襲撃事件とは、

14日付の香港紙明報によると、中国河北省定州市の農村で11日、発電所用地となる
土地の収用を拒んでいた農民数十人を、猟銃や刀剣を携えた二、三百人の集団が
襲撃、少なくとも農民6人が死亡、48人が負傷し入院した。
農民らは補償金が安すぎると譲渡を拒否、小屋を建てて土地にとどまっていたという。襲撃した集団は不明だが、この農民グループは4月にも棒などを持った二十数人の
不審なグループに襲われたことがあったという。
土地収用をめぐるトラブルが原因とみて地元当局が調査している。
(2005年6月14日 朝日新聞)

というものである。

つまり、発電所用地となる土地の立ち退き費用を不服として、農民らが建設予定地に小屋を建てて立てこもっていた。
これに対して、地元の共産党幹部によって、北京などで集められた出稼ぎ者らのグループが猟銃や手製のヤリなどで武装して農民を襲った。
これが事件の真相である。

昨年、中国で起こった暴動や騒乱は8万7千件にのぼる(中国公安省)。つまり、毎日238件の暴動や騒乱が起きている。大半が当局の土地収用に反対する農民の抗議行動である。

この8万7千件の暴動や騒乱の中でも、今回の河北省定州市で発生した事件は特別である。他の事件は、少なくとも農民の鎮圧に警察が当たっている。
昨年の12月に、広東省汕尾市で起きた事件では、警察側の発砲で多数の住民が死亡した。が、これは、あくまでも騒乱の中で追い詰められた警官隊が暴発したという側面が強い(それでも許されることではないが)。
ところが、この定州市の事件は、当局が北京などの大都市で食い詰めた出稼ぎ者(無戸籍の民工)を雇って、最初から農民を殺すつもりで襲撃させた。

私は、「ワシントンポスト」が入手したそのときの映像をテレビで視たが、夜明け前に
バス6台に分乗してやってきた無法集団が、「殺せ!」などと叫びながら、銃やヤリ、鉄パイプなどを手に農民に襲いかかっていた。
農民たちはまったくの素手で、「殺さないで!」と叫んでいた。が、無法者たちはそんなことはおかまいなし。現場を撮影した住民も、カメラを壊されて腕を折られたということだ。
爆薬の爆発音や銃撃音も鳴り響き、いま思い出しても、とにかくすさまじい衝撃的な
映像だった。

通常と違って警官隊ではなく、都市の「食い詰め者」をカネで雇って農民を襲撃させた。よほど後ろ暗いところが当局者にはあったのだろう。
中共中央も、通常は「農民の違法行為」と「当局側の正当防衛」を強調する。広東省
汕尾市で起きた事件では数十人が死亡したとされるが、現場の警察責任者が拘束され、免職になっただけだった。
ところが今回は、「共産党幹部に無期懲役、襲撃を指揮した4被告に死刑の判決」である。映像が全世界に配信されたという背景も関係しているのであろうが、やはりあまりにも悪質で、免職程度では世論が納得しないと判断したのだろう。

しかし、首謀者の共産党幹部が無期懲役で現場の指揮者が死刑。法治国家であれば、むしろ首謀者の共産党幹部が極刑に処せられてしかるべきなのだが・・・
無期懲役だと恣意的な恩赦で釈放される可能性もある。
汕尾市事件と、この定州市の事件を並べてみると、やはり、「指導部は、民衆を愛しているという演出と、党への脅威と感じる批判や行動を抑圧することだけに専念しているのだ」という何清漣氏の指摘は、正鵠(せいこう)を射ている。

それにしても、都市部で虐げられている民工が、同じく虐げられている農民を襲う。なんともやりきれないできごとである。これを企てた共産党幹部の罪は深い。

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中国(社会)」カテゴリの記事

コメント

正鵠(せいこう)は正鵠(せいこく)の間違いでは。

投稿: mikage | 2006/02/11 15:04

正鵠は「せいこう」と読みます。
だから、わざわざカナをふったのです。
最近は「せいこく」と読む方もいますが、戦前生まれの方は皆さん「せいこう」と言いますし、作家も皆「せいこう」と読みます。

正鵠を大辞泉で引くと、
「せい‐こう【正鵠】」
「せいこく(正鵠)」の慣用読み。
となっています。

「せいこう」が慣用なのです。

投稿: 坂 眞 | 2006/02/11 15:32

正鵠(せいこく)です。

投稿: sannta21jp | 2006/02/11 17:25

中国は伝統的に法治国家ではなく、「人治国家」ですもんね。実は日本もそうなんだけど・・・

投稿: アーキ | 2006/02/11 18:14

いつも勉強させて頂いております。

今回私のブログでも、農民(民工)に関するエントリーを書き、こちらのブログを紹介させて頂きました(TBを飛ばそうと思ったのですが、出来なくて、、、なんでだろ?)。

農民は数が多く、そして都市部の中国人達にとっても困った人たちという認識のようです。もはや、政府も、公安もどうしようもない事態なのではないでしょうか。

そしてまた、この問題は解決しないまま成り行きに任せて時間だけが過ぎていく、、という感じでしょうか。

ところで正鵠ですが、せいこく、せいこう、どちらも読むと聞いたことがありますが、、、。

投稿: らん | 2006/02/11 20:09

正鵠を云々するよりもっと話す事があるでしょう。
って事で、ソース提示で終了です。

http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%C0%B5%B9%F4&kind=jn&mode=0&base=1&row=1


しかし、支那も爆発寸前ですね…。共産党では押さえきれない限界が近いのでしょう。
支那が暴走を始める前に、日本は身を守る術を確立しなければならないなと実感させられます。

投稿: イサーク | 2006/02/11 20:15

こんばんは。
いつもお世話になります。
どうせ中国が崩壊するのであればオリンピック前に崩壊して欲しいものです。
TBがうまくいきませんので下記に「中国崩壊」の記事をリンクさせていただきました。
よろしくお願いいたします。

http://blog.goo.ne.jp/sakuragaokanogen/e/8b565865227325d3cf210e0d07007145

投稿: ヨン様 | 2006/02/11 20:43

感銘。中国崩壊ですか。
嫌。大変な時代になってきたなぁ

なんておもう子供なのでした。

○ボタンもおしてください。。+゚(*・∀・*)゚+。ていうかURLみてください。

投稿: ○←ポチッと | 2006/02/11 21:31

私、30代ですが「せいこう」と読みますね。しかし、中国の農民暴動は頻発してますねぇ。北京オリンピックどうなるんでせうか?

投稿: ぱ2 | 2006/02/12 01:03

>北京オリンピックどうなるんでせうか?

 ぱ2様、マラソンの高橋さんが中国選手とデッドヒートを行えば、きっと無数の中国人が高橋さんを妨害するでしょう。全ての競技で日本人が罵声を浴びせられ、メダル0個の可能性も考えられます。それが中国で行うオリンピックです。


投稿: 普通の国民 | 2006/02/12 01:09

皆さん、こんにちわ。
コメントありがとうございます。

中国は、北朝鮮と違って、ある程度開かれていますから、いくら軍と公安警察を使って強権政治を敷いても、巨大な民衆のエネルギーの爆発は抑えきれないでしょう。
私は、きっと内乱状態になると思います。
後は軍がどう動くかでしょうね。
軍事独裁に走るのか、旧ソ連のように中立を維持するのか
ひょっとしたら北京五輪までもたないかもしれません。

それから、前回の皇室典範改正問題。
頭の硬い方がいかに多いか、痛感しました。
誰だって男系維持がいい。
が、それで皇位継承が安定するのか?
仮に愛子様が天皇になって、親王がお生まれになったら、ほとんどの国民が、その方が天皇になることを望むと思います。
ただ、愛子様のお相手は、旧宮家が望ましいと言う意見は賛成です。

こんなことを書くと、またアレコレとカキコがあるかもしれませんが、「頭の硬い方が多い」ことを書いたのであって、皇室典範改正問題に関するコメントではありません。

イスラム原理主義、キリスト教福音派、ユダヤ教原理主義、共産主義、創価学会、これらはすべて教条に縛られていて、自由な価値判断ができません。
戦前の我が国にもそういうところがあった。
美濃部博士の「天皇機関説」に対する攻撃がそれ。
帝国憲法において法理論的に天皇を説明しようとすれば、「天皇機関説」しかない。
美濃部博士は、どちらかと言えば「右」の方だった(息子の元都知事はアカだったが)。
にもかかわらず、「天皇機関説」を批判するのではなく、完全に圧殺した。
そんな偏狭な国粋主義、偏狭なナショナリズムが、無謀極まりない太平洋戦争の原動力になった。
90年代以降、それまでの軟弱・土下座外交に対する反発として、偏狭な国粋主義や偏狭なナショナリズムの台頭が一部に見られますが、この風潮は極めて危険です。

投稿: 坂 眞 | 2006/02/12 12:45

坂先生も愛子様のお婿さんは旧宮家がいいということは、実質男系派ですね。安心いたしました。

先日、サンプロで桜井よしこさんが「傍系を持ってくるとなじみがない。では古の人はどうしたか?傍系の男子を直系の内親王と結婚させたのです」と、おっしゃってました。これなら男系が維持されますし、馴染みもありますね。私は旧宮家を復活した方がいいとは思っていますが、現実的に一番素直で受け入れられやすいのは、愛子さんに男系のお婿さんを戴くことだと思います。いわゆる男系派も、こういう考えは多いと思います。

投稿: ぱ2 | 2006/02/14 10:20

>普通の国民様
コメントありがとうございます。一般の支那人はそれほど反日でないと私は思っていますが、一部そのような輩が出てくることはあり得ますね。しかし、大気汚染がすごいのに、マラソンなんてできるんでしょうか・・・(苦笑

投稿: ぱ2 | 2006/02/14 10:23

悪い癖で、また一言追加させていただきますと、確かに一部に女系容認派を非国民扱いする人がいますが、それはどうかと私も思います。ただ、男系維持を唱える人を全員そういう目で見られるのだとしたら心外です。いずれにしてもゆっくりと穏やかにコンセンサスを作っていくことを希望します。(ホントは皇室が決められればいいのでしょうが。皇室典範だけでも大政奉還できないもんでしょうか・・。予算とか絡むから、やっぱむりなんだろうな・・)

投稿: ぱ2 | 2006/02/14 10:32

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