「堀江メール事件」総括
このブログのアクセス数が伸び続けている。
以下は、先週と今週のアクセス数の比較である。
先週 今週
(月)12,737 14,216
(火)13,305 13,916
(水)12,773 14,937
(木)12,806 15,285
(金)14,500 16,697
(土)13,078
(日)11,292
先週の金曜日あたりから急速に増え始めた。
以前は平日が10,000~11,000、土・日・祭日は7,000~8,000だったから、3,000~4,000のアクセス増である。
調べてみると、2チャンネルで、私のブログを「評価サイコー」として何度も紹介してくれている方がいた。
誠にありがたいことだが、これをもって、また「熱心な支持者がブログ主の知らないところで工作をやっている」などという難癖をつけてくる輩が登場するかもしれない(笑)
ただ、アクセス数が増えている割には人気ブログランキングの獲得ポイントは増えて
いないから、2チャンネラーにとっては、私のブログはあまりお気に召さないということであろう(笑)
いずれにしても、このような熱心な支持者の方がおられるということは、うれしい限りである。エントリーの質と内容に責任を感じる。
では、今日の本題。
「堀江メール事件」総括
今日は、久々に国民的関心を呼ぶ政治事件となった「堀江メール事件」について総括したい。
事態は既に、このメールが偽ものであったという方向で結末に向かっている。民主党
本部には23日の朝から抗議電話が殺到。「民主党はうそつき」「22日の党首討論にはがっかりした」などの電話がひっきりなしにかかり、その数は、最も電話が多い選挙期間中と同じぐらいだという。
問題メールの存在を指摘した民主党の永田寿康議員(36)は23日、「自分の思い込みがあり、おわびしたい」と民主党幹部に陳謝したうえで議員辞職の意向を示した。これを受けて野田佳彦国対委員長は、「そういう事態になれば、その上の私の責任が一番
大きい」と述べ、永田氏が辞職した場合の自らの引責を示唆。
鳩山由紀夫幹事長も「メールの真偽について(本物だと)補強する材料がそろっていない事態を深刻に考えている」と述べている。
民主党内からは「同僚でも納得できない。国民にはなおのこと理解されないだろう」
(参院中堅議員)という声まで出ている。
永田氏が議員辞職の意向を示し、野田国対委員長が引責を示唆するまでに発展した今回の事件の問題点はどこにあるのか?
野田国対委員長は24日午前、国会内で記者団に「犯罪者でもない人が議員辞職せざるをえないのはおかしい」と指摘した。この認識がまずおかしいのである。
永田氏は、ライブドアの堀江貴文容疑者からのものとされるメールを掲げて国会で質問した。内容は「ライブドア前社長の堀江容疑者が自民党の武部勤幹事長の二男に3000万円を振り込むよう社内メールで指示した」というものだ。このとき永田氏は武部幹事長の二男の実名まで明らかにしている。
これについて、与謝野馨経済財政担当相は「名誉毀損にあたる」という見方を強調している。与謝野経済財政相は「刑法の名誉毀損罪の構成要件として、公然事実を摘示して人の名誉を損じたときは、もう名誉毀損罪にあたる」と指摘している。
私もまったく同意見である。現時点で、永田氏は確かに犯罪者ではない。しかし、名誉毀損罪が成立する可能性が高い以上、永田氏には犯罪の容疑が濃厚なのである。
つまり、虚偽の根拠に基づいて他人の名誉を毀損した。これが第一の問題点である。
予算委員会は、総理大臣以下の全大臣に質疑ができる国会でもっとも権威のある委員会だ。テレビで全国に放映される。その予算委員会で、国会議員が虚偽の根拠に基づき一般市民を、その実名まで挙げて犯罪者扱いした(永田氏が指摘した内容が事実であれば、3000万円は『不正献金』に該当する可能性が高い)。
これは、「名誉毀損罪」云々以前の問題である。永田氏の政治的・道義的責任は、
謝罪程度では済まされない。それほどに重い。これが第二の問題点。
第三は、国民の政治不信を増幅したという点だ。
前原誠司代表は、24日の時点で、まだ「メールが偽物だと思っていないが、100%確証がないことについては我々に非がある」と、言い逃れとしか思えない釈明をしている。
そのうえ、永田氏の議員辞職については「今の段階では全く必要ない」と述べ、自らの責任については「我々は悪いことをしているわけではない」と全面的に開き直っている。
22日の小泉純一郎首相との党首討論においても、事前に「本日の党首討論を楽しみに」などという前ふりをしておきながら、新たな事実は何一つ示さず、国政調査権の
発動を求めただけだった。しかも、この問題を持ち出したのは討論の終了間際。
まったくもって国民をバカにしているとしか思えない。
野田国対委員長の「犯罪者でもない人が議員辞職せざるをえないのはおかしい」というトンデモ発言と併せて、国民の不信感を増幅させたのは間違いない。
最大野党である民主党に、政権担当能力がないという事実が露呈したことも深刻な
問題である。
持ち込まれたメールの真贋も判断できなかったという点だけではない。偽ものである
可能性が高まり、劣勢に立たされたときの泥縄的対応も、この党の危機管理能力の
低さを証明している。
辞意を表明した永田氏の記者会見を封じ込め、入院させるにいたっては、「何をか言わんや 」である。
小泉首相は「ガセネタ」と断じた時点で、メールが偽ものという確証を掴んでいたという。だから余裕しゃくしゃくだったのだ。これに比べて民主党執行部の甘さ、能力不足は
際立っている。
小選挙区比例代表制が導入され、はや10年が過ぎようとしている。この間、2大政党による政権交代が期待されたきた。にもかかわらず、自民党に対抗するはずの民主党はこのレベルなのである。
最後に、もっとも大きな問題点を挙げておこう。
今国会の焦点は四つあった。①耐震偽装問題②米国産牛肉の輸入停止問題③ライブドア事件④防衛施設庁・官製談合事件。
民主党は、これらを4点セットと名づけて小泉内閣に対する攻勢を強める予定だった。
世論の追い風も吹き、小泉内閣の支持率は下降気味だった。
ところが、この「堀江メール問題」で一気に形勢逆転。私としては、先の選挙で堀江氏を持ち上げた件や防衛施設庁の官製談合を徹底的に追求してもらいたい、と思っていたが、おそらく勢いはもう民主党には戻らないだろう。おそらく、党内の主導権争いでエネルギーが削がれ、民主党はガタガタになる。
とくに、防衛施設庁の官製談合事件は、防衛庁の『省』昇格見送りの直接の原因に
なっただけに、徹底的に闇を暴いてほしかったのだが・・・
参照1:「永田騒動」で自滅の民主党、抗議電話も殺到
(2006年2月23日 読売新聞)
参照2:堀江メール:党として対応に問題、認める 前原民主代表
(2006/02/24 毎日新聞)
参照3:与謝野氏、永田議員「名誉毀損にあたる」
(2006/02/24 TBS News i)
参照4:堀江メール:民主党の窮状、深刻 永田議員の進退先送り
(2006年2月24日 毎日新聞)
ところで、今回の事件の絵図は誰が書いたのだろう?
怪文書が出回るときは、必ず仕掛け人がいる。NHKの番組改変事件で、安倍晋三氏(当時は自民党副幹事長)をめぐる怪文書が出回ったときは、仕掛け人は朝鮮総連=北朝鮮だった。
今回は???
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コメント
自分は,メール問題はもういいっす!はっきり言って,十分楽しませてもらいました.永田の首を切りで終わるのもいいけど,あの馬鹿キャラにはもっとネタになって欲しい気もするので,今回の事件で外野を決め込んでいた,福島あたりに責任をとってもらいたい!それこそ,”国民が楽しい国会を望んでいる”という名分で!
まじめな話としては,安全保障体制をまじめに議論して欲しいのですがね.
投稿: toorisugari | 2006/02/24 22:54
『前原おろし』という観点から見ると、今回の仕掛け人は民主党の左派ではないかと疑っているのですが……後ろで糸を引くのは言わずもがなの中共ですね。
ただ、次の党首に担げる有力人物が自民党打倒が悲願の小沢氏ぐらいしか残ってないんですよね……
この方も保守よりかと思えば外国人参政権に賛成していたりとイマイチわからない方ですが……
それとも、左派の実力者で誰か適当な方いましたっけ?
防衛施設庁は解体するのが一番じゃないですかね?
施設部が独立しているのって非常に非効率らしく、他国の軍でそのような組織になっている国はないそうですから……
投稿: XYZ | 2006/02/25 06:29
最早、民主党は政権担当能力云々以前の問題で
党自体の存在理由すら厳しく問われているのでは
ないでしょうか?
前原代表は今回の事で引きずり下ろされるでしょうし
残った小沢一郎もこれまた守旧型の人物とあっては
政権なんぞとてもとてもですなあ┐(´ー`)┌
菅直人に至っては論外の一言。
>今回は???
週刊誌情報では札付きの業界人がガセネタを
持ち込んで永田議員を釣ったって事ですが
案外、2ちゃんねら~の仕業かもしれませんね。
アレほどイタい議員も珍しかったですから。
投稿: abusan | 2006/02/25 09:41
日本のテレビニュースが見れないため詳細は解りませんが、今回の一件を知る限り、社会党(現社民党)の牛歩戦術を思い出しました。自分達の主旨がなく、国会を停滞させるだけ戦術には吐き気がする。
唯、1つ言えるのは、彼等は税金泥棒だ。
投稿: NZ life | 2006/02/25 13:07
皆さん、コメントありがとうございます。
今回の一件で、完全に民主党を見限りました。
幼い、そのくせズルイ。
変な政治的居直り感覚だけは、老練な自民党政治家も顔負け。
しかし、そこには先を見通した『読み』もない。
まさに政治ごっこ、という感じ。
それを小沢氏や菅氏のようなキツネやタヌキが横目で見ている。
まさに最低です。
投稿: 坂 眞 | 2006/02/25 15:44