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2006/03/19

「中国ブランド」をめざす中国高速鉄道?

長年、中国の交通インフラ建設の焦点となっていた北京-上海を結ぶ高速鉄道の建設プロジェクトが政府の認可を受け、具体化することが決まった。しかし、国内企業が主導権を握り、国産技術を主体とする計画方針に早くも懸念の声が
出ている。(上原隆)
(以下略)

北京-上海高速鉄道プロジェクト 資金2兆円、計画に懸念
(フジサンケイ ビジネスアイ 2006/3/18)

この高速鉄道プロジェクトに対しては、川崎重工業などの日本の企業グループも売込みをかけている。財界も奥田碩経団連会長(「北京-上海高速鉄道協力推進懇談会」会長)を先頭に全面支援。日本政府も政府開発援助(ODA)を提供する用意があることを表明していた。

中国は、「北京-上海」以外の路線については、我が国の新幹線(はやて)とドイツのICEを導入する。新幹線は、今月、既に一部が納入された。
この新幹線とICEの導入については、車輌は中国企業との合弁生産の形を取ること、システムも含めた技術移転を行なうことが条件になっている。日本の企業グループの相手は南車四方機車車両である。

コピーが大得意の中国は、この新幹線とICEの技術、ノウハウを盗むことで、北京と上海を結ぶ高速鉄道を自前でやろうと思ったのだろう。
実に中国らしい発想である。が、本当にうまく行くのか???

冒頭で引用した記事中でも、「すでに海外から導入した時速200キロの高速鉄道技術をベースに自主開発を進めていく方針で、線路の建設から制御システムまでカバーする」と書かれている。

合弁生産とシステムも含めた技術移転によって、車輌や制御システムはマネできる
かもしれない。
しかし、移転された新幹線とICEの技術は、200キロ台の高速鉄道技術である。北京-上海の高速鉄道は、最高時速350キロで、最初から300キロ走行を予定しているという。
果たして、こんなことが、短期間で可能であろうか???

仮に、300キロ走行の高速鉄道技術の開発に成功したとしよう。が、システムは人が
運用するものである。人材が育成できなければ、せっかくの高速鉄道技術も宝の持ち腐れ。いや、むしろ、「超巨大な走る凶器」になる危険性すらある。

北京-上海線は延長距離1,320キロ。ほぼ、東京-博多間に匹敵する長さだ。これだけの長さの高速鉄道を管理するには、相当な数の、よく訓練された良質なスタッフが
必要である。

交通事故世界一、労災事故世界一の中国で、このようなスタッフの大量育成が短期間でできるとは思えない。何しろ、一般の役人はもちろん、警察官や検察官、果ては裁判官までが腐敗・堕落しているお国柄である。

このプロジェクトの規模が大きいことも問題である。必要とされる資金は1千4百億元(約1兆9千6百億円)以上で、これまで最大の三峡ダムの3千億元(約4兆2千億円)に次ぐ一大工事となる。

冒頭の記事によると、建設資金については、民間資本や国内外からの投資も募るという。 しかし、採算の見通しは不透明、公共交通としての安全性も不安、という巨大プロジェクトに出資する投資家がどれだけいるであろうか?
「超巨大な走る凶器」が事故を起こせば、その社会的責任は、とてつもなく大きなものになる。

中国鉄道省は、北京-上海高速鉄道建設に国産技術の成果をつぎこみ、「中国ブランド」を生み出すと意気軒昂らしい。
が、結局、「新幹線のB級版」に終わるのがオチだと思う。そして事故が頻発。

今回のニュース。何だか、「はやて」より上の日本の「最高技術」を、ODA付きで引き出すためのアドバルーンのような気がしてならない。

「フジサンケイ ビジネスアイ」は、前回も、中国の「在来線高速化プロジェクト」に関して「誤報」を流している。ドイツ・シーメンス社のICEが独占受注すると。
私は、この記事を読んで、「バンザイしたい気分」と書いた。しかし、蓋を開けてみると、実際はICEと我が国の新幹線が半分ずつ採用された。
つまり、「フジサンケイ ビジネスアイ」は、中共政府当局の情報操作に踊らされたということだ。中共政府は、世論の反発を避けるために、新幹線の採用を極秘にしておきたかったのである。
中共政府は、国内的には、未だに「日本の新幹線採用」という事実を否定したままだ。

「フジサンケイ ビジネスアイ」は、その名のとおり「フジ・産経グループ」の新聞である。にもかかわらず、経済記事に関しては、中共政府当局の情報をそのまま垂れ流す傾向がある。
昨年も、中共政府当局の発表に基づいて、「中国バラ色論」の記事を流したことがあった。もちろん私は、その記事に反論、厳しく批判した。

中国の政治・社会については、中共政府の発表を鵜呑みにすることなく、独自の立場から分析・批判する(産経新聞)。が、経済記事については、中共政府の発信する情報をそのまま下敷きにした記事を書く(フジサンケイ ビジネスアイ)。

「フジ・産経グループ」も、購読者を獲得するために、このような使い分けをしているのであろうか???

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中国(社会)」カテゴリの記事

コメント

中国へのODAは廃止すべき。
日本のODAで日本の技術流出を促進するなんて洒落にならない。

ただ、ODAではなく中国の独自の費用で日本の二、三世代前の技術を売るのなら中共は疲弊し日本は潤うので良いと思う。

投稿: yuki | 2006/03/19 14:06

数年前台北での私の体験です

台風の雨が地下鉄に流れ込み数日閉鎖されました 
当時フランスと日本の2種類システムを路線ごとに採用していて
数日で運行再開された日本に比べフランスの方は完全運行まで1ヶ月近くかかりました
台湾人は日本の技術力を再認識・再評価したそうで
やっぱり日本は凄いと言われて誇らしくて照れくさかったのを思い出しました

こんなこともあって、新幹線では日本を採用したというのを
台北に住む中国系オーストラリア人に聞きました

新幹線は先人の努力の結晶だと思います
金の為に、中国に売り渡して、運行管理までできないですよね。
韓国の新幹線が動かなかった時、
フランスが無視したような事を日本はできないと思いますから、、、。

投稿: nana | 2006/03/19 15:50

>「フジ・産経グループ」も、購読者を獲得するために、このような使い分けをしているのであろうか???

フジテレビでも、朝のワイドショーでは朝日新聞・テレ朝・TBS顔負けの反日・媚中・媚韓なのに対して、夜のニュースでは産経新聞と同じ主張をしていますね。
フジ・産経グループはグループ内の主張の統一を図っていません。それが意図的かどうかは別として。


投稿: 一 | 2006/03/19 16:13

このプロジェクトの実質的距離感は、日本で言えば、札幌から大阪を新幹線で結ぶと言うことです。

これは飛行機が交通手段としてはふさわしい距離。通過駅(天津、南京など)の経済的繁栄などというならば、既存の鉄道網の充実、道路網の充実が先になります。シンボリックな「発展のモデル」を造りたいのでしょう。


投稿: タンデム | 2006/03/19 16:29

日本の新幹線は、台風や豪雪などの影響も考慮されて作り上げた技術の結晶ですからね…
人材とシステムばかりは真似出来ませんからね。
ましてや車体における高度な板金技術、複雑なシステム等を総合しての「新幹線」ですし。

投稿: cassand | 2006/03/19 16:38

> 車輌や制御システムはマネできるかもしれない。
↑ 上海浦東空港-市内間の独シーメンス製リニアモーター線を参考にして、上海-杭州に中国版リニアモーター線を作るという報道を見かけました。こちらの方が、北京-上海間の鉄道高速化よりも着手が早いので、まぁ、お手並み拝見です。問題は、電源の安定供給ができるか...等、本体以外にもあると思います。

投稿: 現役lecturer | 2006/03/19 19:34

>むしろ、「超巨大な走る凶器」になる危険性すらある。
そうなんですよね。
そう考えると、契約内容が気になって仕方が無い今日この頃。
以前の要求はめちゃくちゃでしたね。
検索で引っかかったものを引用すると以下です。
>「事故が起こった場合の補償・賠償・保守責任」
って、なんじゃこれ???
どう見てもおそろしすぎます。どんな密約があるやら・・・。

↓「新幹線の落札にあたって中国側が日本に要求してきたとされる項目」
http://blog.goo.ne.jp/taezaki160925/e/e6a64df95146c7a68a77919f94c1cc6a
>★技術の移転
>・設計図の貸与と技術者の派遣
>・車両は数台のみ購入する
>・それを分解し、複製し、中国が国内生産することの容認
>・さらにそれを 中国独自の技術 として第三国に輸出することの容認
>★資金の供与
>・落札資金は日本の対中ODA(政府開発援助)を原資とする
>・不足分は日本の銀行がシンジケートを組んで中国政府に融資
>・対中ODAの増額
>・工事は中国国内の業者を用いる
>★保障・アフターサービス
>・運営における教育・訓練の拡充
>・事故が起こった場合の補償・賠償・保守責任
>・中国がこれを第三国へ輸出した場合の連帯保証

投稿: 岩手の田舎人 | 2006/03/19 21:24

 対中ODAの話が出たので、以前から考えていた言いたい事を少し言わせてください。記事内容とは少しずれます。

 日本のODAは日本企業に利益が還流され、現地の人々の役には全く立っていない。そして有償協力はいづれ返さなければならない金であり、役立たないものを作り、借金漬けにして、反対に貧しい被供与国の人々を苦しめている。

 こんなばかげた事を言う人々がいます。特に反日、左翼的な人にありがちな考えです。たしかに第三世界でそういう例はあるようです。その点は国民がODA用途を厳しく監視し、是正していかなければならない事だと思います。しかし、中国に対しては、これは当て嵌まらず、間違っていると言えます。

 この対中ODA効果をまとめた外務省のレポートを見てください。
■■対中ODAの効果調査■~外務省経済協力局評価室~■■
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/kunibetu/gai/china/koka/
 端的に言って、GDP押上げ効果に中国の受けた恩恵がよく表れています。官民合わせて総計6兆円にも登る金が、無駄金であろうはずもなく、このようにきちんと経済効果として表れています。

 このブログを好んで見る人々には、このような誤った見解の持ち主は少ないと思います。しかし、人気ブログですので、反対側の思想・主義の人も閲覧するでしょう。また、常連の皆様がより一層、反日家達の妄言を容易に撃破できるように、利益がある情報だと思います。

投稿: める | 2006/03/20 00:35

皆さん、こんにちわ。
コメントありがとうございます。

中国へのODA、少なくとも10年前にやめるべきでした。
外国に経済援助どころか軍事援助までしている国にODAなんて、
まさに小泉以前の政治の「なさけなさ」を痛感します。
でも、小泉内閣をもってしても、08年の中止が精一杯。
トホホですね。

>日本のODAで日本の技術流出を促進するなんて洒落にならない

>新幹線は先人の努力の結晶だと思います
金の為に、中国に売り渡して、運行管理までできないですよね。

その他の方々のご意見も含めて同感です。

投稿: 坂 眞 | 2006/03/20 14:37

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