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2006/03/20

中国への警戒心を強める米国

米国は、中南米諸国を自らの“裏庭”とみなしてきた。1961年のキューバ侵攻、1973年のチリ・アジェンデ政権転覆、1983年のグラナダ侵攻、1989年のパナマ侵攻、ノリエガ将軍逮捕。
これらは総て、中南米で米国が犯した、相手国の主権を無視した事件である。

このように、“裏庭”において米国の存在は絶対的であった。
ところが、反(非)米・左派政権が中南米で続々と出現している。キューバのカストロ
政権のような、古典的反米・左派政権に目を奪われていると、中南米情勢を見誤る。
ブラジルのルーラ政権、アルゼンチンのキルチネル政権、ベネズエラのチャベス政権、ボリビアのモラレス政権。そしてチリでもバチェレ反米・左派政権が誕生した。
もはや、ラテンアメリカでは、「米国離れ」が大きなトレンドになっているのである。

反米・左派政権の誕生は、中南米諸国の経済的困窮と極端な社会的格差が大きく
影響している。この経済的困窮は、「冷戦」の終結で、米国による中南米諸国に対する「反共のための援助」が急減したことも原因の一つである。
この米国による援助の急減と経済的困窮が反米意識を醸成し、中南米諸国の米国離れを加速させている。もちろん、米国の、これまでの傲慢な態度も大きな原因になっていることは間違いない。

昨年11月にアルゼンチンで開かれた米州サミットでは、議場の内外に「反米の声」がコダマした。スペイン語が理解できないブッシュ大統領は、その「反米の声」を、その場では理解できなかったという(笑)

このような情勢の変化を突いて、中国が影響力を強めている。最初は、まず資源獲得。そして投資と経済援助。最後が軍事的支援。
中国は、ベネズエラに貧困者向けの住宅建設資金供与などの経済援助を実施。包括的な経済協力協定を締結して二つの油田操業権を獲得。
さらにベネズエラ東部の油田開発を中国の国営企業が全面的に請け負うことで合意。ベネズエラからの石油は、中国の石油輸入全体の20%にまで急増した。

中国は、チリに20億ドルを投入して、銅の独占的な調達権利を獲得。反米のモラレス大統領が登場したボリビアにも急接近して、天然ガス開発などのために35億ドルを投資。キューバにも新たにニッケル獲得のために4億ドルを投資した。

こうして、中南米諸国との経済関係を強めた中国は、ベネズエラ、ボリビア、ニカラグアなどに戦闘機や空対地ミサイルを供与し始めたという。

ラテンアメリカにおいて、中国は日々、そのプレゼンスを急速に増しているのである。
これに対して米国は、共和党だけではなく、民主党も含めて警戒心を強めている。


【ワシントン=松川貴】中国が中南米諸国へ軍事教練の機会を提供するなど、軍事ソフト面から、中南米地域への勢力拡大を図っていることが分かった。米国が“裏庭”とみる地域だが、ベネズエラなど反米色を強める国が増加中。一方で、国際刑事裁判所(ICC)の設立に絡み米国が同地域へ軍事支援を停止していることもあり、中国の影響力拡大に議会などから懸念が示されている。

米南方軍のクラドック司令官は14日の上院軍事委員会で、「以前は軍事教練を受けるために、米国に兵士を派遣していた国が、中国に兵士を送っている」と証言した。

司令官は、中南米での米軍の存在感低下の理由として、個人の戦争犯罪などを裁くICC設置に関連し、米国が米兵への訴追を免責しない国に対し国際軍事交換教訓などを3年前に停止したことを挙げた。

中南米で、米国と免責協定がないのはペルー、ブラジル、ボリビアなど11カ国。

中国の軍事的存在感について司令官は、「司令官、将校、下士官が軍事教育で中国に行っている。中南米に中国の軍人が日増しに多くなっている」と陳述した。

これに対して、ヒラリー・クリントン上院議員は「中国は(中南米諸国と)天然資源の長期契約だけでなく、サッカー場からリゾートホテル建設まで、関係強化のために支援している。これは米国が直面している最も深刻な問題の一つだ」と懸念を表明した。

中南米諸国に軍事教練 中国
(2006.03.18 東京新聞)

中南米において米国がその影響力を低下させているのは、自身の傲慢さと身勝手さが原因であり、自業自得ともいえる。
が、同地域における反米・左派政権の急増。その動きと重なるような、中国の政治的・経済的・軍事的影響力の増大。
米国にとって、これは、まさに背中に刃を突きつけられたのと同様の事態である。

クリントン政権からブッシュ政権に変わって、米国は中国に対する評価を「戦略的パートナー」から「戦略的競争相手」に変えた。
これは、北東アジアから中東~東欧にかけての「不安定の弧(arc of instability)」に
おける中国の台頭を意識してのものだ。
米国は、「不安定の弧」を次のように位置付けている。
①大規模な軍事衝突が起こりやすい ②力を伸ばす大国と衰退する大国が混在する
③豊富な資源をもつ軍事的な競争相手が出現する可能性がある ④アメリカの基地や中継施設の密度が他の地域とくらべ低い。

「力を伸ばす大国」「豊富な資源をもつ軍事的な競争相手」、これらの中に中国が含まれているのは間違いない。
しかし、米国に対する中国の脅威は、「不安定の弧」だけではなく、その“裏庭”にまで忍び寄ってきた。

今、米中の対立は、通商問題と為替問題に象徴的に表れている。が、今後は、世界的規模の政治的・経済的・軍事的対立に拡大していくのではないか。
中国が、「国家の生存発展に必要な資源を支配下に収めることは、成長する国家の
正当な権利である」とする限り、これは必然の道である。

我が国も「中国の脅威」に対する備えを強化しなければならない。

参照:中国、中南米・アフリカ進出 米安保の脅威

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米国」カテゴリの記事

コメント

とかく日中の二国間関係のみで捉えがちな中国ですが、今や事実上アメリカに並び立つ超大国。世界戦略を構築し、着々と地歩固めに勤しんでいるといったところでしょうか。計算高い中国人のこと、現状では米国とその同盟勢力には敵わぬとみて、雌伏して英気を養い時が来たらば飛翔する。奴らのビジョンには地球を丸ごと自らを頂点とした華夷秩序の元に置くという、遠大な構想があるのかも知れません。もしそうだとしたら、食人種に支配される世界など真っ平です!。
奴らの真意は測りかねますが、何れにせよ、日本にとって碌な結果にはならないというのだけは判ります。日本はこれまでのような守勢は捨て積極的に撃って出て、中国の目論見を挫かなければ。
奴らにも幾つかの急所はある。その一つが日本と同様、天然資源に乏しいところでしょうか。南米諸国への接近は、自らのプレゼンスを強化する意図と共に、資源の安定供給に途をつけるためのものとも考えられます。
一連の反日的な政策は、ナショナリズムを高揚させ共産党政権の求心力を維持するのと共に、地域所得格差など国内に蟠る不満を逸らして鬱憤の吐け口とし、また、日本人の贖罪意識を煽ることで資金と技術を提供させ外交上の譲歩を引き出し、更には、日米同盟に楔を打ち込んで離間させる目的ではないでしょうか。つまり、一石四鳥を狙ったもののように思えます。こんな美味いカードは捨てられません。よって日本は、極端なまでの実利主義者である中国とは絶対に相容れないでしょう。河野や二階といった媚中派議員の唱える日中友好などは夢のまた夢、ファンタジー小説に過ぎません。
私の時期総理に求める資質は、中国人(そして南北朝鮮人)共に絶対に妥協も謝罪もしない人物です。この用件が満たされているのであれば、安部、麻生両氏のいずれでも構わないと考えています。

投稿: ファートン | 2006/03/20 14:23

この手の問題、真っ先にはずれを引くのは朝鮮半島、次が日本、その次が中国、安全なのはロシアとアメリカ。

勝負の鍵を握るのはロシア、そして発火点は朝鮮でしょうね、やっぱ。

投稿: mikage | 2006/03/20 15:13

 中国の経済は、平和的台頭などというけど、実体は小国の左派政権に擦り寄ることで、自国のプレゼンスの増大と、資源の確保という一石二鳥をねらっている。したたかだし、あなどれない。このエントリー記事により、世界の構図は、もう完全に米中対立の構図になってきていることが実感できます。
 しかし、問題は国内における農村問題、および公害問題である。これらの問題が解決できなければ、いくら海外戦略がうまくいっていても、共産党は人民の支持を失う。このことを共産党のリーダーはもっとも恐れている。
 靖国参拝カードの次は、どんなカードをだして、「問題先進国日本」に協力を迫ってくるのか。今から「たのしみ」だ。
 

投稿: プライム | 2006/03/20 18:46

例え資源を持つ国との絆を深めても、中国経済の現状は米・欧・日の巨大市場に安価な製品を売り付けることで成り立っている。
日本一国が資本を引き揚げるだけでも深刻なダメージを与えられる。

しかし、彼らがこの軛を引き千切ろうと暴れ出すその時に危機が訪れる。出口は台湾から沖縄・フィリピン方面でしょう。中国の海軍・空軍力増強はその意味で注視が必要です。

投稿: 煬帝 | 2006/03/20 22:46

はじめまして。

> スペイン語が理解できないブッシュ大統領は、その「反米の声」を、その場では理解できなかったという(笑)

ジョージ・W・ブッシュはスペイン語を操る初めての米国大統領と云われ、
選挙の折にはヒスパニック系の支持を得るべく積極的に
スペイン語能力をアピールしました。

当選の後も大統領自らスペイン語でラジオ演説を行っています:
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2001/05/images/20010505.html

ネイティブには及ばないものの、ある程度の会話能力はあるようです。
従って、アルゼンチンでの反米の声も、ある程度は現地で耳にし、
かつ理解できたのではないかと私は思います。

投稿: テキサス在住経験者 | 2006/03/20 23:16

初めまして、私は中国は切るカ-ドがないのではと、思いますが、台湾の態度を見るとまだ、なにかか握ってますかね。中国は、2ペアー1枚まだめくてませんが、台湾は1ペアーをめくり、まだめくってません。3か4カードか?韓国は1ペアーでしたね、でもエースだったから全部広げたのかな?日本のアフリカでのODAをホームぺージで見てきましたが、国民生活に直決する様なものが、多々くありました。国家の支持や国民の意識改革は、生活レベルからおこなわれるべきではないですか。ベナンのOOさんの様な人が多くでないと、大国との結びつきは、結局政治腐敗に終わります。日本は正しいのでわ・?

投稿: p | 2006/03/21 14:05

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