安倍官房長官の上品な一発
安倍晋三官房長官は、その人柄の良さが災いして、なんとなく「ひ弱」な印象を受ける
ときがある。バランス感覚は良いのだが、小泉純一郎首相のしたたかさや攻撃的性格を目の当たりにしていると、どうしてもそう見えてしまう。
ところがである。実はそうでもないのだ。その実例を以下に紹介する。
↓
【ソウル=平野真一】中曽根康弘元首相、福田康夫元官房長官ら日韓協力委員会の
メンバーが16日、韓日協力委員会との合同総会のためソウル入りし、青瓦台で盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と会談した。
盧大統領は、靖国神社の展示館である「遊就館を訪問したい」と述べ、韓国や中国が軍国主義的だとして批判している遊就館を挙げることで、小泉首相の靖国神社参拝を間接的に批判した。
会談では、中曽根元首相が「日韓関係は非常にうまく行っている。上部に不協和音も
あるが、政治家に解決してもらう必要がある」と述べたのに対し、盧大統領は「日本にとってアジアとの友好協力はあらがえない時代の流れだ」と指摘するとともに、歴史共同研究や共同歴史教材作りの必要性を強調。さらに、「遊就館に行ってみたいと思ったが、周りの者に止められた。日本側が承知してくれれば行ってみたい」と述べた。
中曽根元首相はこの発言について、「靖国問題を正面から出さず、(間接的表現で)
関心を示した」との見方を示した。
「遊就館を訪問したい」韓国大統領、靖国参拝けん制
(2006年3月16日 読売新聞)
「遊就館に行ってみたいと思ったが、周りの者に止められた。日本側が承知してくれれば行ってみたい」
この、盧武鉉大統領の発言は、讀賣新聞の記事が指摘するように「韓国や中国が軍国主義的だとして批判している遊就館を挙げることで、小泉首相の靖国神社参拝を間接的に批判した」ものである。
盧大統領としては、精一杯の皮肉を込めたつもりであろう。
「日・韓シャトル外交」での訪日は拒否する。が、その訪日拒否の原因となった遊就館(靖国神社)には訪問しても良い。ジョークのセンスに欠ける盧大統領とは思えない、
なかなかサビの効いた発言である(笑)
ところが、我が安倍官房長官が、さらに上を行く回答をお返しした。しかも、盧大統領のような品格に欠ける言い回しではなく、極めて上品に。
↓
安倍晋三官房長官は17日午前の閣議後記者会見で、16日に中曽根康弘元首相らと会談した韓国の盧武鉉大統領が靖国神社の戦争資料館「遊就館」の訪問に意欲を
示したことについて、「これはまさに盧武鉉大統領のご判断だろうと思う」と述べ、日本政府としては反対しない考えを示した。
同大統領の来日に関しては、「昨年6月の日韓首脳会談で、次回の日韓首脳会談を
昨年中に我が国で行うと合意したが、その後残念ながら盧武鉉大統領の訪日は実現しなかった」と遺憾の意を表明。「政府は日韓関係をさらに深めていく上で、様々なレベルでの対話と交流を進めていく考え。そのためには首脳間の対話が重要。我が国としてはオープンでいつでもお迎えをする用意がある」と無条件で歓迎する姿勢を強調した。
官房長官、韓国大統領の遊就館訪問「いつでもお迎えする」
(2006/03/17 日本経済新聞)
「これはまさに盧武鉉大統領のご判断だろうと思う」
「政府は日韓関係をさらに深めていく上で、様々なレベルでの対話と交流を進めていく考え。そのためには首脳間の対話が重要。
我が国としてはオープンでいつでもお迎えをする用意がある」
こういう反応を、あの安倍官房長官のおだやかな表情と誠実な口調で返されると、もう盧大統領は、「ぐーの音」も出ないのではないか(笑)
「政府は日韓関係をさらに深めていく上で、様々なレベルでの対話と交流を進めていく」「我が国としては(盧大統領の遊就館訪問を)オープンでいつでもお迎えをする用意がある」
一見、誠実そうな対応だが、実際は極めて辛らつ。
「一国の大統領たる者、その発言は重い。軽々に『遊就館に行ってみたい』などと発言するべきではない」と言外に示唆しながら、首脳間の対話の重要性を強調して盧大統領の不心得を諭す。
それにしても、この大統領、ほんとうにバカだね(笑)
対する安倍官房長官。実に堂々とした対応で、ほんとうに立派である。
ところで、中曽根康弘元首相と福田康夫元官房長官が揃って訪韓し、盧大統領と会談したことは大きな政治的意味を持つ。これは「近隣諸国との関係改善」を掲げる福田元官房長官のポスト小泉に向けた大デモンストレーションと見てよい。
讀賣新聞のドン・渡辺恒夫(ナベツネ)氏は、最近、「反靖国」「反小泉」の言動を強めている。そのナベツネ氏と中曽根元首相は盟友関係にある。一方、福田元官房長官と
ともに超党派の議員連盟「国立追悼施設を考える会」を立ち上げた山崎拓(山拓)元副総裁は、中曽根元首相とは師弟関係。
つまり、ナベツネ-中曽根-山拓-福田という連携の中での、中曽根、福田両氏の
訪韓なのである。メディアの妖怪・ナベツネと政界の妖怪・ナカソネ、媚中派の山拓や
加藤紘一元幹事長。
福田元官房長官の応援団は、すごい顔ぶれである(笑)
応援団の顔ぶれを見ただけで、国民はそっぽを向くのではないか(笑)
福田元官房長官のご健闘を祈る。
【追記】
原田義昭衆院外務委員長(自民党)からTBをいただいた。
今の中国に対する見方、それに対する我が国の対処の仕方、私とまったく同意見で
ある。こういう政治家が外務委員長を務めている。
心強い限りである。
【追記2】
上記の盧武鉉発言に対する小泉首相の反応が、今日の朝日新聞に載っている。
「どこでも行きたいというなら、ぜひとも行っていただきたいですね。歓迎しますよ」
「妨害はしません」
「首相が一緒に行くことは考えるか」との記者団の質問に対しては、
「ご自由に(本人の意思に)任された方がよいのではないですか」
以上は、首相官邸で記者団の質問に答えたもの。
さすがに小泉首相。
安倍官房長官よりストレートで、ず~っとキツイ。
まさに、相手にしていないというか、バカにしているというか(爆笑)
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コメント
中曽根、山拓、ナベツネ、加藤紘一、まだ名は出てこないが河野洋平、野中広務、朝ピーなどいずれ劣らぬゾンビの群れ。ホンコン映画のキョンシーは楽しめるがこいつらには本気で逝けといいたくなる。フフンこと福田氏も空気が読めないわけではないだろうに、ゾンビ共を応援団にして何を考えているのやら。中共の工作もそれだけ必死ということか。
投稿: まつ | 2006/03/18 11:34
上品過ぎて判り難いのですが、こうですかね。
「対話と交流を阻んでいるのは貴方(ノムヒョン)でしょ、違うならこちらへ来てはっきり言ったら?」
安倍官房長官もやりますね、しかしこれを読み取れ無い外国人、特に韓国は?。
それから原田義昭委員長お気に入り追加します。
投稿: MultiSync | 2006/03/18 12:05
今、反日政治家などへ対抗するためのインターネット上での右派連合構想を考えているところです。
まだまだ未熟者ですが、是非ともご覧になって下さい。
http://blog.livedoor.jp/is_ir/
投稿: 慎 | 2006/03/18 12:39
わざわざ二階氏を使わなくとも、釣り餌がいっぱい余ってますね・・・腐るほどというか、もう腐ってる方たちが。
それにしても、盧大統領はどういうリアクションを期待していたのだろうか。
投稿: mikage | 2006/03/18 12:50
普段の自分たちの反応から考えて、
当然日本は激怒してけしからん!という
反応をするとでも思ってたんでしょうか?
投稿: gon | 2006/03/18 15:57
なんとなく、
子供の民主党→余裕(大人)の小泉総理
という図式とかぶりますね。
子供の韓国政府→余裕(大人)の日本政府
といったところですね。
しかし子供の相手はこれからも疲れそうだ。日本の国益からすると、韓国を中国側ではなくて、日米同盟側に引き寄せておいた方がいいのですが、なかなかうまくは行きませんね。日韓併合前の李氏朝鮮と今の盧武鉉政権は本当にそっくりだと思いますね。
投稿: 青い炎 | 2006/03/18 16:15
「中曽根、山拓、ナベツネ、加藤紘一、まだ名は出てこないが河野洋平、野中広務」
これらの者たちが推しているということで、福田氏は総理大臣にふさわしくないということが良く分かります。
投稿: おやじ | 2006/03/18 16:33
まあ、愚図ってる餓鬼に「いつでも来ていいんだよ」って大人が言ってるようなもんですね。
その恥ずかしさに気付かないのが韓国の餓鬼たる所以か。
投稿: 煬帝 | 2006/03/18 17:03
首脳会談拒否を言い出したのは向こうですぜ、忘れたんでしょうか。ってか、せっかく交互の訪問を定例化した筈だったのに、望んでいたはずの方から拒否するとはねぇ。
今度の靖国の件は、なんだかんだと擦り寄ってくるサインの様子ですな。会って下さいとは言えない?(笑
日本の首相には、会いたくても会えない国がたくさんあるというのに何考えてんだか・・・。もう定例化なんか絶対にこっちから言い出すのはやめてくださいね。アホらしいですから。今度定例化するならいろいろ条件つけないと。
まあ、日本との関係で、交流がなくなったらどっちが困るのかは気がついているんでしょう。一般人は不法入国してまでやってくるようですから・・・。そういえば、強制的に帰国させたい状況だったにも関わらず居座って、いつの間にか強制連行されたとか言い張る国民性でしたね。
国民性を代表する大統領なんでしょう。
さて、時期首相は、阿部さんか麻生さんか?
↓痛快さ?で麻生さん人気の様子ですねぇ。
http://vote1.fc2.com/poll.cgi?uid=351687&no=1&cate=1&mode=browse
投稿: 岩手の田舎人 | 2006/03/18 17:44
管理人様イチオシの安倍官房長官は確かに品がいいし、態度も落ち着いている。育ちの良さがにじみ出ている。また、言う事もソツがない。しかし、一国の総理として、胆力という点で少しもの足りない気がする。胆力などというと、総理に必要な資質なのか、とつっこまれそうだが、私は必要だと思う。しかしながら、安倍さんもああ見えて実はそうとうしたたかだし、腹もすわっているのかもしれない。
だれが総裁になるにせよ、小泉構造改革路線は継続されなければならない。国民はそれをきちんと見守っていく必要がある。
投稿: プライム | 2006/03/18 18:29
上品さは表立った敵を作りにくいという総理の椅子に近ずく為にはいいことです。 他派閥の先輩議員もなんとなく安倍さんの言う事なら聴く雰囲気があると思う。
胆力が無いとかひ弱なイメージがどの行為を指して言ってるのか判りません。
北朝鮮金正日からは名指しで右翼のなんのと口汚くののしられても毅然と「経済制裁」を言い続けてました。 またその北からの工作の一環であった 安倍、中川議員失脚を狙った朝日の「NHK番組改編朝日捏造問題」勃発時期には 敢然と中高年のバイブル的大朝日マスコミに対して言論で論破し尽しました。あのあたりから政治家が一方的にマスコミに異論があっても押し黙る雰囲気は無くなっていったと思う。
またマスゴミ微中あたりが嫌う首相の「靖国参拝」に関しても今でこそ 中国の反日デモ等の影響もあって国民の半数近くが支持をしてますが一貫して支持を表明し続けてきた内閣虫垂の人は安倍さんしかいませんでしたよ。 十分に精神、信念の強靭さは証明されてると思います。
一般国民になるほどと思わせられる言論能力抜群でタフなネゴシエーターですよ、安倍さんは。
投稿: K.Y. | 2006/03/18 20:24
こんなブログありました
月額不労所得50万円 29歳で引退した男の日記
だってさ。いがいとまともに質問受け答えしてくれるのでためになるかも。
投稿: ココ | 2006/03/19 00:22
日本の弱腰外交にどうか気合いれてやってください。
投稿: aisurukokoro | 2006/03/19 06:20
福田元官房長官とその応援団、男を磨きそこねたまま老人になると 妖怪になってしまうんですね。彼らの姿を見て、老後に備えるとは己を磨くことだとあらためて肝に銘じました。
投稿: 武井 | 2006/03/19 07:43
皆さん、こんにちわ。
コメントありがとうございます。
私は、やっぱり安倍晋三支持です。
上品で、一見、線が細いように見えますが、芯が強そうで、かなり頑固(自分の意思・信念を曲げない)な感じがします。
特定アジアを相手に「筋」を通してくれそうです。
国内的にも「小さな政府」路線を継続、「額に汗して働く者」に目を向けた政治を実行すると思います。
>福田元官房長官とその応援団、男を磨きそこねたまま老人になると 妖怪になってしまうんですね。彼らの姿を見て、老後に備えるとは己を磨くことだとあらためて肝に銘じました。
武井さん。
まったく同感です。
投稿: 坂 眞 | 2006/03/19 11:58
小泉がそっぽ向くって?
そりゃ、2時間ちかく捏造された歴史を喋られてみなさいよ。
もういいや!以外の何ものでもございませんよ。これではっきりしたのは、小泉にノムと会う気は全くなし!
あの人は結構根に持つタイプだから、日本から会談を進めようとはしないのではないでしょうか。
それを知ってか知らずか、遊就館を訪問したいだのと言うのは、単なるネタか〜?さすがノム!正に身を削るエンターテイナー!
投稿: toorisugari | 2006/03/20 00:52