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2006/05/02

悩む日本と火事場泥棒・中国

イランの核開発問題をめぐって米国が強硬姿勢を強めている。
米国は、制裁や軍事行動を可能にする国連憲章第7章(平和に対する脅威、平和の
破壊及び侵略行為に関する行動)に基づく安保理決議の採択を目指していたが、中国やロシアが首を縦にふらず行き詰まりを見せている。
そこで米国は、お得意の『有志連合』を口にし始めた。もちろん我が日本国も有志の
一員として勘定されている。

参照:有志国で制裁も 米国務長官「中ロ抵抗なら」 イラン

しかし、ちょっと待ってほしい。イランは、我が国の原油輸入量の15%を占め、国別で
3番目に多い大口輸入先なのである。
しかも我が国は、イランとの間にアザデガン油田の開発という、我が国の将来を左右しかねない国家的事業を抱えている。
つまり、我が国は米国や欧州諸国とは事情が違うのだ。

アザデガン油田は、推定埋蔵量が260億バレルと中東最大級を誇る。
2004年2月、日本の国際石油開発(現・国際石油開発帝石HD.)が権益の75%を獲得した。本格生産時には日量26万バレルを予定しており、日本が輸入する自主開発原油は現在の約1.6倍に増える見込みである。
我が国は、2000年にペルシャ湾のカフジ油田の権益を失った。以来、新たな自主開発油田の確保が悲願だった我が国にとって、アザデガン油田はようやく手に入れた『虎の子』なのである。

米国の動きを牽制したいイランは、このような我が国の立場を見透かして、さっそく楔
(くさび)を打ち込んできた。


【テヘラン=工藤武人】イラン外務省のアセフィ報道官は30日の記者会見で、同国の
核問題をめぐり、米国が日本に対し、イラン南部のアザデガン油田の開発を中止する
よう要請していることについて、「日本は、自らの国益に基づき独自の判断をすべきだ」と述べ、国連安全保障理事会での核問題審議に際し、対イラン制裁を視野に圧力を
強める米国に同調しないよう求めた。

日本の米追随をけん制、イラン外務省報道官 (2006/05/01日 読売新聞)

我が国とイランは、1979年に起きたイランのイスラム革命以降も一貫して友好関係に
ある。一貫して敵対関係にある米国とは対照的である。
このような歴史的関係からしても、ここで、米国との同盟関係を優先する余り、安易に『有志連合』に加わるのはけっして得策ではない。

米国が、イランに対してここまで強硬なのは、イランがイスラエルの存在を認めていないからである。
実際、イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領は、「欧米はユダヤ人虐殺と
いう神話をでっち上げた」「イスラエルは地図上から消えるべきだ」「犯罪人(イスラエルのシャロン首相)が先祖の仲間入りをしたとの報が最終のものだと願う」などと、常軌を逸した発言を連発している。
イスラエルの守護者を自認する米国が、このようなイランを容赦できないのも当然で
ある。
一方、イランの立場からすれば、近隣のパキスタンやインドの核開発と比較して、イランにだけ特別に厳しい態度を取る欧米諸国の姿勢は受け入れられない。

日米同盟が基軸である以上、我が国としては米国の意向を無視するわけにはいかない。が、アザデガン油田の開発中止要請だけは絶対に受け入れてはならない。
しかも、アジアには中国という、ルールを守らない『資源パラノイア』がいる。我が国が
アザデガン油田の開発を中止しても、中国が後を襲うだけで、イランには何の痛手にもならない。
既に中国は、イランで具体的な動きを始めている。


【テヘラン30日共同】劉振堂・駐イラン中国大使は30日までに、イランのメヘル通信に
対し、同国での石油と天然ガスの開発をめぐる総額約1000億ドル(約11兆4000億円)の契約が数日中にも調印されるとの見通しを示した。「どの国もこの合意を阻むことは
できない」とも述べ、核問題でイランに経済制裁を科そうとする米国などの動きをけん制した。

国連安全保障理事会の常任理事国である中国が対イラン制裁に反対する背景に、
巨額のエネルギー権益があることがあらためて浮き彫りになった。

劉大使は「イランが石油を売ることを妨げるのなら、米国はわれわれに同じだけの石油を売ってくれるのか」と語り、イランに対して圧力を強める米国を痛烈に批判した。

イランと巨額契約調印へ 中国、米の制裁論けん制 (2006/4/30 西日本新聞)

我が国は、「核問題と油田開発は切り離して考えるべきだ」と米国に対して主張する
べきである。我が国がアザデガン油田の開発を中止しても、火事場泥棒・中国を利するだけで、イランは何の痛手も被らないことを強調するべきである。

政府は米国に、「共同歩調を取れるところと取れないところがある」と率直に説明せよ!!!

参照記事:日本の石油開発、水さす核問題 イラン・アザデガン油田
(2006/01/23 朝日新聞)

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政治(国際)」カテゴリの記事

コメント

 イランもイラクと同じ運命になるのか。まったくアメリカという国は思い込みが強すぎるし、性急だ。本当に狂っているのではないかと心配したくなる。文明の違いを容認しながら話し合いで解決できないのだろうか。アメリカ国内でも嫌戦気運が高まっているし、イラクと同じようにはいかないと思うが、憂慮されるところだ。
 基本的にはイスラム圏の国を民主化し、コントロール可能な国にすることで安全保障を確立するというのが最終的な目標なのだろうが、あまりにも性急にすぎるような気がする。「急いては事を仕損じる」、「急がば回れ」という日本のことわざをアメリカにおくりたい。

投稿: プライム | 2006/05/02 11:55

イラン情勢の今後が気になります。
政府も簡単に油田をあきらめるとは思えませんが。

言うべきはしっかり言ってほしいですね。

投稿: グリフィス | 2006/05/02 13:06

ただいま、当ブログにて憲法九条が必要かどうか議論しています。よかったらいらっしゃってください。

投稿: meso | 2006/05/02 14:15

中国は明確に米に対抗する覇権国を目指している。石油の確保は確かに超重大な問題だ。しかし、日米同盟にひびが入ったら、わが国の生存にかかわる。アサデガン油田開発中止により中国を明確に米の敵におしやる方が国益に沿うのではないだろうか。ただし、幸いイランはフセインのような暴君に支配されているわけではない。ある程度の民主主義が機能している。民衆にも政治家にもソフト路線を選択する層はかなりあるはずである。米を説得するならむしろ、イランのこのような層をひきつける柔軟な対策を助けることではないだろうか。それに核保有国になるにはまだかなり時間がかかるようであるし、せいてはことを仕損じる。急ぎなさんなというべきではないだろうか。イランよりも中韓+北朝鮮の核のほうが重大であると米に言うべきだ。なぜなら、日本を含めてアジアは総崩れになるからだ。

投稿: まつ | 2006/05/02 18:14

こんばんは。
毎度のことではありますが、坂さんのブログ大変参考にさせて頂いております。
イランと日本とは友好国であり、アメリカとは事情が違います。今回のイランと中国の契約はイランが日本に対する警告と受け取るべきだと思います。
またこちらにリンクさせて頂きます。どうもTBがうまくいきません。
http://blog.goo.ne.jp/sakuragaokanogen/e/338e122b282897e1b94c66cb2e18e01f
http://blog.goo.ne.jp/sakuragaokanogen/e/338e122b282897e1b94c66cb2e18e01f

投稿: ヨン様 | 2006/05/02 21:04

アフマディネジャド大統領のユダヤに対する発言が常軌を逸しているというのはどうですかね?

・パレスチナと周辺諸国を侵略してなりたっているイスラエルの存在そのものがなくなるべきというのはアラブ民族共通の考え。
・最後こそイスラエルが大量のパレスチナ人口を抱えることを懸念して一部手を引きましたが、最右派としてパレスチナ領へ入植を押し進め、アラブ人の反発を買う宗教パフォーマンスを強行したシャロン首相がああいわれてもおかしくはない
・そしてホロコース自体がまったく事後検証が許されない形で強制されている連合軍プロパガンダ史観そのものであること。実際に科学的検証を行った結果はその存在を否定するものです。これは南京大虐殺などと同じ連合軍が自らを正当化する為の都合のいい悪玉を作り上げるためのでっち上げで東京裁判史観と同じ構造だと思います。事後検証が許されていないホロコーストに疑念を示す発言をする人を非難するのはユダヤ人の意のままに踊らされていることになるのではないでしょうか?

それはアメリカをイラクの泥沼にハメた、ユダヤ人勢力に操られることを意味し、日本が独自の判断で国益を守っていくことからも外れると思います。

参考までにリンクを貼っておきます。
http://www.tanakanews.com/f1220holocaust.htm

投稿: 作動 | 2006/05/04 02:35

皆さんこんにちわ。
コメントありがとうございます。

>「急いては事を仕損じる」、「急がば回れ」

これ、今の米国に言っても聞き入れないでしょうねえ。
困った国です。
自らが正義で万能だと思っている。
もう少し頭を柔軟にするべきだと思います、米国。

>そしてホロコース自体がまったく事後検証が許されない形で強制されている連合軍プロパガンダ史観そのものであること。

この主張も、逆の立場のプロパガンダです。
私はアウシュビッツの記録フィルムを見たことがありますが、山と詰まれた死体をブルドーザーで片づけていた。
また、倉庫は、人間の頭髪で満杯だった。

ナチスがユダヤ人の計画的抹殺を目標として掲げていたのは事実ですし、戦後のドイツの指導者もホロコーストに対しては詫びています。
戦争そのものは詫びていない。

逆に我が国の戦後指導者は、戦争そのものは詫びていますが、いわゆる『南京大虐殺』については言及していない。

ホロコーストは事実であり、『南京大虐殺』は根拠があいまい、ということの証だと思います。

一方の主張を鵜呑みにするのではなく、複眼的な見方をされることをお奨めします。

投稿: 坂 眞 | 2006/05/04 12:01

ドイツはユダヤ迫害だけを謝罪することによって上手くやってるというのが実態ですよ。
基本的にホロコースト懐疑論に対する知識があまりに不足しているように思いますが。

坂さんこそ感情に訴えるだけの映像を鵜呑みにするのではなく、しっかりと検証した記事などを読んだ方がいいのでは?
大量の死体処理をしているのが大虐殺の証拠なら日本の南京大虐殺だって間違いなくあったということになるでしょう。

それとヒトラーはユダヤ抹殺など主張していませんよ。彼がやったのは放逐です。わが闘争を読めばわかりますが、ユダヤ資本家のような無国籍体質の癖に他民族国家の内部に巣食って金儲けの為に国家を食い物にするのをやめさせて同じフィールドで闘えというのが彼の主張です。

放逐の過程で起きたのが戦争遂行の為の強制労働で、ギリギリの戦争をやってる余裕の無いドイツが意味のないユダヤ抹殺工場なんて運営したりしませんよ。単に労働力として放逐予定だったユダヤ人を利用しただけです。それだって甚大な人権侵害と虐待ですが。

根本的に異論や事後検証が許されていないこと自体がホロコーストが嘘と誇張で成り立っていることの最大の証左だと思いますよ。本当なら好きなように検証すればいいだけの話ですから。

私はネオナチが行っているような逆プロパガンダのことを言ってるのではなく、検証と実態のことを言っているのです。

もし日本の行った戦争犯罪への事後検証が許されていなかったら、異論を唱えるだけで犯罪者扱いになったら今の日本の歴史を見直す運動は起こってますか?

投稿: 作動 | 2006/05/04 23:12

>もし日本の行った戦争犯罪への事後検証が許されていなかったら

あなたは、この一点で異常です。
我が国は『戦争犯罪』など行っておりません。
ナチスは、『戦争犯罪』ではなく『人類に対する犯罪』を行いました。
あなたは、狭量な頭脳で、我が国が行った戦争とナチスの戦争を同列視しています。

あなたは、我が『皇軍』の何たるかが、まったく解っておりませんね。
はっきり言って、ふざけています!!!

これ以上の書き込みは許さない!!!
あなたは狂っている!!!

以後、カキコしたら即、削除!!!
私は怒っている!!!

投稿: 坂 眞 | 2006/05/04 23:27

 まあまあ、作動さんの言うこともソースがないワケではなくて・・・http://maa999999.hp.infoseek.co.jp/ruri/sohiasenseinogyakutensaiban2_mokuji.html

 一方、皇軍とナチスは基本的に違うというのも尤もな見解でして・・・

 立場の違いを認識しながらも、生産的な議論が続けられることを祈っております。
 どうも横から失礼致しました。

投稿: 中凶殲滅 | 2006/05/05 18:48

まあ、作動さんに対しては、ちょっと感情的になりすぎましたね。
ただ、戦前の我が国をナチの第三帝国になぞらえて論じることは絶対に容認できません。
はっきり言って許せない。
ナチと比較することそのものが、あってはならないことです。

それから、私はナチについてもかなり勉強しました。
あれは完全なカルトであり、侵略が運命付けられた集団でした。
ナチは我が日本人も腹の底では劣等民族とみなしていた。
おぞましい集団です。

投稿: 坂 眞 | 2006/05/06 17:44

 まあゲルマン民族の優越性を信奉していた、ナチスの民族優生学的思想は『アーリア神話』に基いていますから、結局東洋人は劣等民族としてしか世界史の中に位置づけられない訳ですよね。ただ小生の見るところ、その見方はナチスに限られるものではなく、あらゆる白人国家の世界観の根底に潜んでいるのではないかと思います。白色人種だけが人間であって有色人種より本質的に優越しており、半分サルの有色人種が世界を支配するようなことがあってはならないのだ・・・そんな訳で、ドイツには原爆を落とさなかったのに、日本には必要もないのにご丁寧に2発も落としました。中韓は偏狭でイヤですが、欧米諸国の世界観・価値観だけが正しいという見方はもっと偏狭でイヤですね、個人的にはですが。

投稿: 中凶殲滅 | 2006/05/07 04:57

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