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2006/08/03

「絶滅危惧種 」の断末魔


社民党は、前の衆議院選で落選し、政界を引退していた土井たか子元衆議院議長を
来年の参議院選挙で比例代表候補として復活させることを決め、調整を進めていることが明らかとなった。

執行部は2日までにこの方針を決め、土井氏にも打診したという。

福島党首も、「まだ決まっていないが、待望論は大きい」と述べるなど、最終的には
土井氏が出馬を決断するかどうかが焦点となる。

土井氏は77歳で、世代交代をアピールするため政界を引退していた。しかし、社民党は来年の参議院選でも苦戦が予想され、党の象徴的存在だった土井氏を復活させて、
支持拡大を狙う考え。また、これまで慎重だった民主党との選挙協力にも積極的に応じる方針で、選挙担当者レベルで具体的な協議を進めている。

社民党 土井たか子氏を来年の参院選擁立へ (2006/08/02 日テレNEWS24)

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日本の左翼勢力が衰退し、組織の高齢化も急速に進んでいるということは、過去の
エントリーでも書いた。この現象は、社民党や共産党から中核派や革マル派などの
過激派にまで及んでいる。
最近は稀になったが、それでもたまに過激派関連のニュースを耳にすることがある。で、ニュースに登場する活動家の年齢は、ほとんどが40代後半から50代半ば。
社民党や共産党も、政界におけるその存在感が、ほとんどなくなった。支持者は減り、高齢化は進む一方だ。

なぜ、このようなことになってしまったのか?
当の左翼に、その理由を、ズバリと言いあてている政治家がいる。
その政治家の名は辻元清美。そう、あの秘書給与詐欺事件で有罪判決を喰らった人物である。
辻元は、昨夏の郵政選挙のときに、次のように有権者に訴えている。

「社民党は小さい。絶滅危惧(きぐ)種が国会にまだいると思うてはるかも知れへんけど、絶滅危惧種は大事なんです。多様性ですわ」

「絶滅危惧種 」 とは、乱獲されたり、環境の変化などに対応できずに、絶滅するおそれが高い野生生物の種(しゅ)のことをいう。
まあ、左翼を乱獲した人間は我が国にはいないであろうから、やはり環境の変化に
対応できなかったということが最大の原因だろう。
つまり、左翼勢力が衰退し、組織の高齢化急速に進んでいる根本原因は、環境不適応という障害によるのである。

前述したような発言が、辻元自身の口から出たということは、彼女自身がそれを認識しているとも言える。

では、どのように環境が変わったのか?
まず挙げられるのが共産主義幻想の崩壊だろう。旧・ソ連や現・中国の実態を知れば、誰だって嫌になる。次に大きいのが、我が国が豊かになったこと。これによって中流階層が大幅に増加し、階級意識が希薄化した。いわゆる「豊かな大衆消費社会」の出現である。加えて、戦争経験者の激減も、かなり影響があると思われる。
つまり、敗戦直後の「1億総懺悔(ざんげ)」と言われた状態から、「一億総中流」と言われるまでに国民の意識が変化した。

政府の「国民生活に関する世論調査」の中の、「生活程度」についての意識調査の
結果を見る限り、バブル崩壊以降も日本国民から「一億総中流」の意識は抜けていない。
「生活の程度は、世間一般から見て、どの程度と思うか?」という問いに対する回答で、「下」と答えた者の割合は、1960年代から2004年に至るすべての年の調査において、
1割以下である。

↓クリックすると、拡大して読みやすくなります。
Seikatuteido

つまり、国民の生活が豊かになり、一方においてはソ連を始めとする社会主義諸国が相次いで崩壊した。そのような状況変化の中で、戦後の左翼を支えていた国民の意識が、国際的には反米・親共から反共・親米に、国内的には者階級から中流階級に劇的な変化を遂げたということだ。
1980年代前半までは30%以上あった社会党(現・社民党)と共産党の合計得票率は、今では12~13%しかない。
要するに、国政選挙における左翼陣営の得票率が、それまでの3分の1に激減したのである。

もちろん、旧・社会党のかなりの部分が民主党に移行しているし、共産党は上意下達の「民主集中制」で固められた堅固な組織を誇っている。
だから、我が国から左翼が絶滅することはありえない。

が、社民党は別だ。
土井たか子を担ぎ出さなければ、来年の参議院選が戦えないということは、もう「先祖返り」する以外に方法がないということでもある。
では、土井が象徴的存在だった旧・社会党とは、どういう政党だったのか?
安全保障は非武装中立・反日米安保、外交は親ソ派と親中派、親北朝鮮派が同居、内政は大企業敵視、福祉優先。教育は機会の均等より結果の平等、そして日の丸と
君が代は否定する。

土井の参議院選比例代表出馬は、もう、アナクロニズムという以外にない。
「絶滅危惧種 」は、もう「絶滅種」に向かってまっしぐら。

ただ、これは、我が日本国にとって喜ばしいことである。

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【追記】
「週刊新潮 8月10号」を読む。

検証した御厨(みくり や)貴はメモ部分しか見ていなかった!
【動画】富田メモは世紀の大誤報か!? (2006/08/03 ムーブ)

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左翼&共産主義」カテゴリの記事

コメント

>まあ、左翼を乱獲した人間は我が国にはいないであろうから、やはり環境の変化に対応できなかったということが最大の原因だろう。

コーヒー吹いたww
おもしろい表現ですね。ますます切れ味がよくなって最高です。

左翼にしても社会保障と安全保障ってある意味で似た必要なものなのになんでか、反発しすぎている。
まぁ、軍事費を増やせばいいといきまくエセ右翼よりはいいが
国民に必要な点は認めて欲しいですね。
株式会社日の丸が信用ないし、年金ぼろぼろだなぁ。来年の参院戦荒れそうだ。

歴代政権であった自民党もそれなりに責任感じて欲しいな。
うちは違うみたいな言い方してるが行政府のトップを独占してきた政府の責任は重い。もちろんそれを選んだ国民も。


ただ立法府に多様性のための絶滅危惧種がそこまでいるのかという疑問もある。そもそも民主党なんかばらばらじゃん。
自民党もけっこう選り取りみどりですわ。

さらば社民党。

投稿: ちなみつ | 2006/08/03 19:27

土井のばあさんを担ぎ出さなきゃならないほど、この種は絶滅に瀕しているのか…自業自得、身から出た錆、環境の所為ではあるまいに。

土井ばあさんの復活を記念して、ばあさんにアンケートを。

貴女、あ、いけねえ、あなたは北朝鮮の核開発は北東アジアの緊張を高めるから反対だとかいってたが、いまでもそう思っているのか。

横田めぐみさんほか拉致被害者の解放に、貴女自身貢献できることはありませんか。

北朝鮮で講演して薄謝をドル紙幣(Printed in DPRK)で出されたらどうしますか。帰路北京で使うつもりだったら止した方が良いですよ。

投稿: H.H生 | 2006/08/03 19:51

あとは阪神大虐殺の首謀者、村山元首相も有力候補ですね。昭和レトロ社民党…

投稿: 練馬のんべ | 2006/08/03 20:11

メンタルブログを更新している「引き篭り少年A」と申
します。
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いきなりのメール失礼致しました

投稿: 引き篭もり少年A | 2006/08/03 22:01

ワープロの誤変換です。

「その政治家の名は辻本清美。そう、あの秘書給与詐欺事件で有罪判決を喰らった人物である。」

辻元清美です。

念のため。

投稿: むの字屋@校正係 | 2006/08/03 22:22

むの字屋@校正係さん、ありがとう。

さっそく訂正しました。

投稿: 坂 眞 | 2006/08/03 22:46

 別に“危惧”はしませんが、何か?

 でも困ったな。民主党も頼りないし、まともな野党がない。そんなものいらねぇってぇわけにもいかん・・・どーしよう?

投稿: duzhe | 2006/08/03 23:26

社会党の歴史を見るとめまいがするぐらい党内抗争に明け暮れており、情勢の変化や国民層の変化や求めるものの変化にまったく対応する余裕がなく、結果、党勢は凋落したのですが、当時の執行部は万年野党の位置に甘んじていることに慣れており、全野党共闘で保革伯仲とマスコミに言われて喜んでいる程度のものでした。
最後は自社さ連合で退路を断たれ、その歴史を終了。

友の一人は、ご両親とも共産党員のため生まれながらの党員になってしまったニセ党員なのですが、彼曰く、「旧社会党支援者は知らず、社民党の支援者にはある美徳を感じる」とのこと。つまり、その支援者は、「共産党員と違い、ごり押さず・物静かで・質素な・親切な人ばかりで、まるでわたしたちが忘れてきた日本人の姿をそこに見る」と申します。
ほっといてもどんどん繁殖してしまう馬鹿ばかりの昨今ですが、上記のような人を失うのは多少憚りますし、日本のためにならないように思います。
何か妙案があればよいのですが。

前置きがまた長くなりました。
辻元のシッポ切りでお茶を濁したあの土井さんがまたしゃしゃり出てくるのでは、社民党は絶滅する以外ないでしょう。上記した美徳にも反します。
ましてや、自社さの時には衆議院議長として政権を支えた人が、今また日の丸反対では冗談にもなりません。

多様性の要請にはすでに既成党派の中に十分過ぎるほどの意見の相違があり、唯一みなさん党を割るまでの肝が座っていないだけの話です。昨今エントリーのあった方がたなどは、意見も思想も違うのだから、党を割って出るのが筋と思うのですが、そうならない。みなさん各々ご自身こそは保守本道と思っていらっしゃるのではないでしょうか。

敬具

実は昔、社会党の田辺委員長の選挙区だったことがあった時は、田辺さんに投票していました。

投稿: 螺旋丸 | 2006/08/04 01:06

ある種の病原体は、地上から絶滅した旨の宣言が出されましたが、人間の免疫確保など用として、研究室などに厳重な管理の下、保管されているそうです。
社民党も、そういう扱いでよろしいのではないでしょうか。

投稿: るな | 2006/08/04 09:22

労組からも見捨てられたゾンビ政党が何を今更・・・ですが(笑

旧社会党というのは筋金入りのファシスト政党でしてな、結党当初から反天皇の元陸軍将校だのが集まっておりました。
ソ聯により不当にもシベリアに抑留されていた将兵から託された「日本国民の皆様へ」というメッセージを握りつぶしたのも、この政党です。
自己満足的な「反米反基地闘争」に明け暮れ、労働運動を退潮させたのもこの党です。

土井バア様にいたっては北京で軍事パレードに感動して「元気をもらった」と支持者に報告して唖然とさせ(反戦平和はどこいた?:笑)ました。

こんな政党が政権を取る一歩手前までいった・・・というのは「戦後史最大級の謎の一つ」と言ってよいのではないでしょうか?

*あれだけマスコミ・論壇・文壇・インテリゲンチャンの応援を受けながら政権を取れなかった、って見方もありますが(笑

投稿: ぺパロニ | 2006/08/04 09:23

「社民党が北朝鮮制裁に賛成」の意思表明して少しはましな状況認識ができたかと思ったら、結局は朝鮮労働党とこういうかたちで手打ちかい。

などということが真っ先に頭に浮かびました。勘ぐりすぎなんでしょうかね。

絶滅危惧種のくだりは、最高です。思わずうなってしまいました。絶妙のたとえです。

投稿: s_doi | 2006/08/04 09:42

>村山元首相も有力候補ですね

いやあ、そうそうたるメンバーがまだ社民党にはご存命ではないですか。(笑)

まったく、懐かしの「ゾンビ絶滅種党」ですね。

投稿: 通りすがり | 2006/08/04 09:54

政党支持率をどう見るかは難しい面もあるが、単純には地方区よりも比例代表区の数字で見るとよくわかる。自民38%、民主31%、その他31%である。その他に中に公明党、共産党、社民党、新党が含まれる。

「その他」が多いということは、まだ「確かな野党」を求める人が多いということだろう。一番大きい要素は自民党に対する不信感だろうし、その他政党にだって幾らかは人材はいるということだ。

社民党が絶滅危惧種かどうかという議論も大事だが、政権政党の求心力がまだ十分でないという捉え方も大事だろう。小泉さんの代になって大分イメージが変わったが、自民党はまだまだ古い官僚主導の政治の影を引きずっていて、地方議会も含めて信用出来ない部分が残っている。

社民党の主張について言えば「反戦、福祉優先、教育の平等」といったあたりはまだまだ庶民感情に訴える部分があると思う。今更土井さんの担ぎ出しに期待することはないが、辻本さんの世代にはもう少しやれることがあるのではないか。

投稿: KappNets | 2006/08/04 10:25

ハイ、絶滅の暁にはどこぞの恐竜博物館にでも展示されることをお勧めします。
お互い環境不適応で絶滅した共通項がありますから。

絶滅が現実のものとなるよう、
国民一人々が政党、政治家に対する審美眼を啓発する必要がありますね。
社民党と言えば党も党首もウルトラ無責任な集団ですからね。
党は村山連日内閣で自衛隊合憲のサプライズ、
福島党首で自衛隊違憲、非武装国家の先祖帰り。
党の理念が360度変遷の超風見鶏集団です。
護憲、自衛隊違憲、非武装で平和政党をアピール???
するのも他党との違いを鮮明にする狙いだとか。
政党としての脳死亡状態としか言いようがない。
憲法9条が国民を守っていると本気で考えている所が、香ばしい。

党首の福島瑞穂は朝まで生TVでアホ丸出し、

福島 「警察官の拳銃使用は絶対反対。犯罪者と言えども人権はある訳ですし、犯人には傷一つ付けてはいけない。たとえ凶器を持った凶悪犯と言えども警察官は丸腰で逮捕に向かうべき」
田原 「そんな事して、警察官が殺されたら?」
福島 「それは警察官の職務ですし」
福島 「それに犯人がそんなに抵抗するんだったら無理して逮捕する必要は無いと思うんですよ、逃がしても良い訳ですし」
田原 「じゃっ、逃がした犯人が別の所でまた人を殺したら?」
福島 「それはそれで別の問題ですし」

つまり、警官やその他一般人の人権は無視。どれだけずれてるかお分かりになると思います。

さらに↓

福島 「ですから、日本はスイスのような平和中立国を目指すべきなんです」
田原 「スイスは国民皆兵制で、一般家庭に自動小銃が有る国だよ。」
福島 「いえ、例えばスウェーデンみたいな中立国もあるわけですし・・」
田原 「スウェーデンはナチに協力して中立を守った国だし、今では武器輸出大国だよ。」
福島 「えーと、ベルギーのように歴史的に中立を貫いた国もあるんです。」
田原 「ベルギーみたいに何度も外国軍に蹂躙されてもいいの?」
福島「でも、侵略するより侵略される方がイイですし…」

国家の防衛、国民の安全への規範意識ゼロ。
正にこの党にしてこの党首あり、存在そのものがサプライズです。

投稿: クルーソー | 2006/08/04 13:10

上記の警官発言のソース発見しました。

http://www.youtube.com/watch?v=NkACfSCFkoY

やっぱりとんでもない人だった。
火のないところに煙は立たないと言うか・・・

投稿: M | 2006/09/28 06:28

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