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2006/08/25

政界のはぐれ鴉・古賀誠

まあ、猿は木から落ちても猿だが、政治家は選挙に落ちれば「ただの人」。特に自民党は「自分党」だから、「勝ち馬に乗れ」ということで「安倍支持」に走る気持ちは解らないことでもない。
が、「勝ち馬に乗る」ということと「無節操」はまったく違う。

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来月の自民党総裁選で安倍晋三官房長官を支持する国会議員が、25日午前、都内のホテルで「総合選挙対策本部」の準備会合を開いた。
本部長には、柳沢伯夫・党税制調査会長(丹羽・古賀派)が就任し、名称を「安倍応援隊」とすることも決めた。

会合には、町村信孝・前外相(森派)、笹川尭・元科学技術相(津島派)、甘利明政調会長代理(山崎派)ら谷垣、河野派を除く7派の幹部クラスに加え、中堅・若手議員で
作る「再チャレンジ支援議員連盟」のメンバーも出席したという。

参照:安倍氏支持議員が「総合選対」準備会、本部長に柳沢氏 (讀賣新聞)

ここで、私が「無節操」と呼びたいのは、古賀誠・元幹事長のことである。
古賀氏は、昨年の郵政国会でも「民営化反対」の旗を振り、衆院採決前に「旧堀内派10票は私が握っている」と豪語、参院の若手議員にも欠席を促す動きを見せた。
にもかかわらず、衆院本会議の採決では「反対」ではなく「棄権」という逃げの手を打った。そして選挙では「公認」を受け、選挙後の処分も「戒告」に過ぎなかった。

今回の「ポスト小泉」をめぐる動きでも同様だった。
古賀氏は、最初は「反小泉」「非安倍」の立場から、加藤紘一氏や山崎拓氏と連携し、福田康夫元官房長官の擁立に動いた。ところが、福田氏が出馬を断念すると、今月早々に「安倍支持」を表明し、丹羽・古賀派の大勢を「安倍支持」で決定づけてしまった。

もう、これは、「風見鶏」という蔑称さえもったいないと思えるほどの醜悪な政治行動で
ある。この政治家を見ていると、あの加藤氏や山崎氏が立派に見えてしまう。
本当に知恵の足りない、己の力を錯覚している政治家の典型。
安倍氏は、このような無節操な政治家を一寸たりとも傍に寄せてはならない!

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この古賀氏と比較すると、かつての盟友だった二階俊博経産相は利口である。
郵政国会では、小泉純一郎首相に忠誠を誓い、その直後の選挙では刺客擁立に走り回った。その論功行賞が経産相というポストだった。

ポスト小泉においても同様である。
親しい古賀氏や山崎氏の誘いに乗らず、いわゆる「富田メモ」や小泉首相の靖国参拝でも軽率な発言はしなかった。
そして、自分をもっとも高く売り込めるタイミングを選んで、派閥丸ごとの「安倍支持」を
表明した。

要するに、古賀氏と二階氏は似ているようだが、その「無節操」ぶりが違うのである。

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政界の内幕に詳しい作家の大下英治氏が、二階氏を評して面白いことを言っている。


二階は、権力構造の変化や推移を見極める独特の嗅覚を持っている。自分たちが最大限の発言力を持ち、最大限の存在力をしめすためには、いまどのようなポジショニングを取ることが大事か、熟知している。いうならば、隙間産業の社長だ。

隙間産業の社長は、各業界のどの会社が一番商売上手かを見極めて接触する。が、その会社にべったりだとなめられてしまうので微妙に距離を取る。主役を外れたとは
いえライバル会社の社長との懇親会にも参加する。そのうえで自分たちの将来のためには、どの会社と組めばいいのかを決めていく。

参照:異才作家 「大下英治」 が書き下ろす迫真の政治ドラマ

つまり、古賀氏と違って二階氏は「分をわきまえている」ということである。
これは政界に限らず、一般社会でも重要なことだ。
おそらく、来年の参院選挙を見据えると、二階氏は「小沢一郎をもっともよく知っている男」ということで、党務の枢要なポジションに就くのではないか。

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なお、お解りいただいているとは思うが、ここで二階氏を積極的に評価しているわけではない。あの加藤氏や山崎氏に至っては、言わずもがなである。

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最後に一つだけ付け加えておきたい。
「安倍支持」に雪崩を打った派閥幹部やベテラン連中は、「全員野球」を要求していると
いうことである。
これは、見方を変えると、小泉首相が突き崩した「派閥均衡」「年功序列」人事を復活させよと言っているに等しい。
そんなことをしたら、逆に自民党は選挙に負ける。

次期総理・総裁は旗幟を鮮明にし、その信念を貫くだけの覚悟を要求されている。

安易に妥協してはならない!!!

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コメント

反安部派は安部さん絶対有利の状況判断の下、反対したところで太刀打ちしようのない安部政権に逆になんとか食い込もうと躍起になっているのではないでしょうか。
古賀・加藤・山崎(敬称略)の反日本人も必要悪なのかもしれませんが、それとは別に私は二階の今後の去就に注目しています。

投稿: ら・こらこらちゃん | 2006/08/26 00:38

aaorfanです。いつも愛読させていただいております。

> 隙間産業の社長は、各業界のどの会社が一番商売上手かを見極めて接触する。
> が、その会社にべったりだとなめられてしまうので微妙に距離を取る。
> 主役を外れたとはいえライバル会社の社長との懇親会にも参加する。
> そのうえで自分たちの将来のためには、どの会社と組めばいいのかを決めていく。

このくだりを読むと二階俊博は川島正次郎に似ていますね。小派閥(荒船清十郎などがいましたね)を率いて副総裁として裏総理といわれた日本のフーシェ。たしかプロレスの世界でも大きな力を持っていましたね。(二階の中国利権に対して)インドネシア利権もあります。

でも外交面では完全に中国に振り回されており川島に比べ重量感に欠けるという印象を受けます。党内・国内の政治力学では才能を発揮しても外交面では・・・ということです。それとも時代が悪すぎるだけで二階個人の才能の欠如ではないのですかねぇ。

投稿: aaorfan | 2006/08/26 03:20

>>隙間産業の社長は、各業界のどの会社が一番商売上手かを見極めて接触する。が、その会社にべったりだとなめられてしまうので微妙に距離を取る。主役を外れたとは
いえライバル会社の社長との懇親会にも参加する。そのうえで自分たちの将来のためには、どの会社と組めばいいのかを決めていく。<<

これは加藤紘一にぴったりの一節ですね。東大卒、外交官試験合格だから、そこそこの学力はあるはずなのに、なぜ市井の凡人ですら避けるような行動態度をとるのか、理解に苦しんできましたが、分かりました。

加藤は日本国は隙間国家であるべきだ、それが分相応の国のあり方だと考えているのです。山拓とか、古賀とか、野中、小澤、鳩山、エトセトラ、エトセトラはそこまで考える力はありません。加藤のあの思い詰めた顔は自分こそ真に我が国のあり方を憂えている国士という悲壮感にあふれています。

これはもう政治学の対象ではなくて、病理学のケースです。

投稿: H.H生 | 2006/08/26 03:37

地元民ではないですが、土建やら同和やらあらゆる利権にズブズブのようですね。古賀チェンチェイのお膝元では在来線の駅が無人駅なのに突如新幹線の駅が隣に出来たりしております。(汗)
仰るとおり、風向きを読むのには長けているのでしょう。遺族会の言動然り郵政解散の時然り。こいつの変節の煽り食らって落選した人間の中には殺意を抱いている人間は相当いるのではないでしょうか。

投稿: tsubamerailstar | 2006/08/26 09:51

はじめまして☆いつも楽しく拝見させていただいております。
面白動画、2ちゃんねるスレを公開していますので、良かったら遊びに来てくださいませ。

投稿: axs | 2006/08/26 12:01

「安倍支持」に雪崩を打った派閥幹部やベテラン連中は、
「全員野球」を要求している。これは、小泉首相が突き崩した
派閥均衡・年功序列人事の復活を意味する。

安倍氏が余程の喧嘩達者で人事の達人でないと古賀氏などが
高笑いする結果になってしまうということだ。

今度は冷遇された分、強力になった古株勢が復活するかもしれない。
国民の望みとはかけ離れたところで権力闘争がなされるからだ。
総裁選後に人事を巡って政局に持ち込まれるようなことになれば
安倍氏内閣は超短命内閣に成ってしまう。

しかしそうなれば参院選で自民党は負ける。

これから様々な駆け引きが繰り広げられる。
幹事長として政治資金を握った安倍氏が強みを発揮して
熱く語った志しを実現して欲しいものだ。

投稿: docdoc | 2006/08/26 12:18

安倍さんも「ありがた迷惑」でしょうね。
市井にも居ますねぇ~こういうオジサン。

バブル崩壊と共に絶滅したかと思いきや、特に私の生息地附近(業界)にはまだまだ生き永らえて厚顔無恥に「無節操」を振り撒いております。権力の味を知っているだけに、その「旨み」を忘れられないのでしょう。

「信」とか「誠」とかの文言は大好きな癖に、何食わぬ強面顔して甘い汁が啜れそうな所へは、信も誠も節操もなく擦寄って行きます。「困った事があったら俺が力になってやろう」な~んて権力を誇示しておきながら、実際に困った時には助けてくれるどころか、自分に利を齎さない者は平気で踏み拉いて行くのです。

日本国民は女子供といえ、そうそうお馬鹿さんではありません。「そんな悪さしているとおまわりさんに連れて行かれるよ!」と言う無責任な大人の脅しが効いていた時代ではありません。

安倍さん、こういう族(やから)には決して甘い汁を啜らせないで下さい。応援すると言うのなら「美しい国」の実現の為に国の僕として粉骨砕身、滅私奉公をして貰って下さい。

見た事はないのですが、この方、カラオケで演歌をお歌いになる時、パンツのポケットに手を突っ込んでいる気がします(笑)

投稿: 妖子 | 2006/08/26 14:00

政界のはぐれ鴉、得て妙なる形容詞です。近来の傑作です、私は直ぐに東京の鴉を思い浮かべました、黄色い袋と白い袋を見比べて突いている、しかし荒らすだけで食えないと判ると飛び立ち、今は「石原ネット」に引っかかり小屋の中でウロウロしている。
外からの誘いも無い、自分が表に出れる理由も無い、哀れな鴉が擦り寄る先は何処なのでしょう?
本当の自民が、憲法改正から正攻法で「国益」を思考、突き進んで行く、矢張り中心には「道一筋」の心が国民を捉えますので、こんな与太を安倍さんは傍にも寄せないで欲しいものです。

投稿: 猪 | 2006/08/26 16:31

利権に引き寄せられるように言説を変えるので、ご本人の中ではブレはないのかもしれませんね(笑)。新たな利権、新たな論理というわけです。

昔から思っていたんですが、顔色が悪いですよね。いろんな料亭でいろんな話をしながら、他人のお金でたくさんお酒を飲んだのかなと。。。

投稿: ゆみこ | 2006/08/26 17:19

前回の衆院選で同和団体の組織票目当てに人権擁護法賛成に廻った山崎拓と同じで、古賀誠の同和支援・フェミニズム支持には哲学・理念は感じられず、常に利権と選挙票の損得勘定をしている政治屋の加齢臭が漂う。

今回、山崎や加藤が反小泉・反安倍色を鮮明にしたのに対し、正反対の行動を取った古賀からは、ハイエナの貪欲と厚顔無恥の裏側にある小心さと軟体動物の柔軟さも垣間見える。

それにしても古賀を引き上げ権力の座に着かせようとした野中広務の罪は、マリワナ海峡 ほど深いと思う。

投稿: lark | 2006/08/26 21:27

古賀さんを見るたびに時代劇の悪代官を思い起こしてしまうのは私だけでしょうか(笑)。
全く根拠ないので申し訳ないんですけど、顔に出てるな~と思って(笑)。
遺族会の方々は古賀さんが会長で良いんでしょうか?自分達で選べないのかな?

投稿: おれんじ | 2006/08/27 00:21

最近の安倍長官への支持は、あれれ??と思う人までもこの際自分の主義が横に置き、まずはココが働き所と思っているのか?、御大将のご褒美のほうにに何が何でも、名前を残そうとしてか・・・
あの古賀氏などもその中にいます。
この人ほど,悪相の割りに、きれい事を言う事が好きらしく??シャラーとして弱い立場の人を代表する・・・人権家だったり・・・(この人権家=部落民でこの間逮捕された方いたわね)
私、このきれい事言う人要警戒してます。

古賀さんも勿論・・・胡散臭くていやね)
こんな政治屋というのかしら??利権には嗅覚の発達したオッサンはこの際お出口はこちら・・・→どうぞどうぞ・・・

投稿: 容子 | 2006/08/27 15:26

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