小泉内閣を総括する
我が国の戦後政治において、一つの時代を築いた小泉純一郎内閣も、いよいよ終幕を迎えることとなった。
「小泉マンセーブログ」という、光栄なる称号を授かった当ブログとしても、その功罪を
総括しなければならない時が来たということだ。
ところで、私の評価を述べる前に、メディア、特に讀賣、朝日、毎日の三大紙が実施した世論調査の結果をお伝えしておこう。
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読売新聞が9月9、10の両日に実施した全国世論調査(面接方式)によると、小泉首相や小泉内閣の実績を全体で評価するかどうかでは、「評価する」が計66%で、「評価しない」計30%を大きく上回った
毎日新聞が9月1~3日に実施した全国世論調査(面接方式)では、5年5か月に及んだ小泉内閣について、「評価する」と答えた人が64%で、「評価しない」は34%だった。
朝日新聞が8月26、27の両日実施した全国世論調査(電話)では、小泉首相のもとで政治が「よくなった」と思う人は45%で、「悪くなった」の27%を上回った。
朝日新聞は調査方式が違い、設問内容にもニュアンスの違いがある。また、小泉内閣との距離間も各新聞社によって違う。
が、各紙に共通しているのは、小泉内閣を肯定的に評価する世論が、否定的なそれを
2倍近く上回っているということだ。
讀賣新聞によれば、2001年4月の発足以来の小泉内閣の平均支持率は56.0%で、
現行の調査方式となった1978年3月調査(福田内閣時)以後の歴代内閣の平均支持率では、細川内閣の67.2%に次いで2番目だった。
また、朝日新聞の調査でも、在任中の平均支持率は50%で、戦後の吉田内閣以降では細川内閣(平均支持率68%)に次ぐ高い人気だった。
細川内閣が、わずか9か月弱の短命だったことを考えれば、(世論調査上では)小泉内閣が戦後もっとも人気が高い政権だったということである。
反小泉の姿勢が顕著な朝日新聞でさえ、「不人気にまみれて退陣する内閣が大半のなか、政権末期でなお50%近くの支持を維持する内閣は異例だ。最近では、非自民の連立政権だった細川内閣が発足からわずか8か月後に57%で総辞職した例があるが、村山、橋本、小渕、森の各内閣はいずれも最後の支持率は不支持率を大きく下回った」と書いている。
では、なぜこんなに人気があったのか?
この点は、三紙ともバラバラである。
讀賣新聞は、小泉内閣が取り組んだ課題で特に成果を挙げたもの(複数回答)として、「郵政3事業の民営化」の43%が最多で、「北朝鮮問題」28%、「道路4公団の民営化」21%などが続いたとしている。
毎日新聞によれば、「良かったもの」は(1)北朝鮮から拉致被害者の一部を帰国させた51%、(2)郵政民営化18%、(3)積極的な不良債権処理9%-の順。
設問内容にニュアンスの違いがある朝日新聞では、「よくなった」理由を聞くと「首相のリーダーシップが強くなった」が42%でトップ。次いで「政治が分かりやすくなった」34%、「政治の進め方が速くなった」19%だった。
まあ、これは、選択肢の問題や質問の仕方、内容が違うので、答えや数字が異なるのはやむを得ない面もある。例えば、選択肢の項目が「北朝鮮問題」と「北朝鮮から拉致被害者の一部を帰国させた」では、回答者に与えるインパクトがまったく違う。
が、郵政民営化と(北朝鮮)拉致被害者の問題が評価の上位を占め、多くの人が、
首相のリーダーシップと「政治の分かりやすさ」を政治がよくなった理由として挙げて
いるのは納得できる。
では、私は小泉内閣をどう評価しているのか?
以下に、そのことについて述べる。
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郵政民営化をテコにして官の肥大化に歯止めをかけ、流れを逆転させた点は高く評価できる。特に、政・官・業の癒着構造にメスを入れ、税金をばらまき、その見返りを受け取るといった金権・派閥政治を崩壊の淵に追い込んだことは特筆ものだろう。
その副産物として、国や地方の建設談合や同和利権などが次々と暴かれるようにも
なった。
また、金融機関に公的資金を注入し、不良債権を強制処理させたことも見逃せない
成果である。おかげで、どん底に沈んでいた日本経済が去年あたりから一気に回復してきた。デフレ脱却も、あと一歩のところまで来ている。
が、金権・派閥政治を崩壊の淵に追い込んだのは、選挙制度の変更や首相権限の
強化といった、小泉内閣以前の改革によるところも大きい。
景気の回復も、経済界が血を流す努力をして、設備・雇用・債務という「三つの過剰」を解消したことを抜きにしてはありえなかった。
つまり、小泉首相の姿勢や内閣の政策が、時代の流れ、その要請とうまくマッチングしたから政治の改革や景気の回復が進んだのである。
もちろん、だからといって、小泉首相及び小泉内閣の果たした役割を過小評価するつもりはない。北朝鮮を電撃訪問し、拉致被害者の一部を帰国させたことも小泉内閣であればこそできたことである。
それまでは、「日本人拉致疑惑の解明を前提にしては対話の前進は望めない」(2000/01/30 日本経済新聞)という声の方が強かったのだ。今では考えられないが・・・
ただ、それでも、数ある小泉内閣の成果の中で、私がもっとも評価したいのは、任期中に毎年行った靖国神社参拝である。中には、参拝形式を問題にする人たちもいたが、
そんなことは本質的な問題ではない。
1985年の中曽根参拝までは、何の問題もなく行われてきた我が国首相による靖国参拝が、それ以降、中・韓、特に中国の難癖で中止されてきた。1996年7月に橋本龍太郎首相(当時)が社頭でチョロっと参拝したが、それさえ中国の圧力に屈してやめてしまった。
つまり、我が国首相による靖国参拝は、英霊に感謝の誠を捧げるだけではなく、我が国が主体性のある国家に戻ることができるかどうかの試金石でもあったのである。
この問題は、歴史教科書問題や従軍慰安婦問題と同様、我が国内の反国家的勢力が中・韓と連携して我が国を攻撃するという、あってはならない、世界でもめずらしい中傷・干渉であった。
小泉首相が、内外の反日勢力に屈しなかったからといって、中・韓や国内の反国家的勢力が我が国に対する攻撃をやめるとは思わない。が、もう難癖は通用しないという
ことだけは悟ったはずである。
このことは、我が国の今後にとって、極めて大きな成果であったと言ってよい。
安倍晋三官房長官(次期首相)も、同じ姿勢を貫くはずである。これも小泉首相の靖国参拝がなければありえないことだ。
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最後に、小泉内閣の負の部分に言及したい。
負の面は、やはり何と言っても「格差問題」であろう。が、誤解してほしくないのは、格差の拡大が、小泉内閣が推進した構造改革によって生じたわけではないということである。
今、問題にされている格差は、1990年代の後半に始まっている。それは2000年の森喜朗内閣のころに大きくなり、今もその水準は変わらない。
つまり、日本経済がバブル崩壊から立ち直る過程、すなわち日本企業が設備・雇用・債務という「三つの過剰」の解消を進める中で格差問題が発生し、大きくなってきたということだ。
リストラ、新規採用の抑制、非正規雇用者の増大、これらが格差問題の元凶であるが、
これは日本経済が回復する過程と表裏の関係にある。要は、景気の回復と同様に、
格差問題も小泉内閣の構造改革だけが原因ではないのである。
小泉内閣に責任があるとすれば、拡大していた格差を縮小する手立てを講じなかったということだろう。というか、未曾有の経済危機に直面して、景気回復を優先させざるを
えなかった。
もし、亀井静香氏が主張したように、財政出動による景気回復策を実行していたら、
景気回復も格差解消もどちらも中途半端、つまり虻蜂取らずになっていたはずである。しかも、財政赤字はよりいっそう深刻になっていた。
そういう意味では、小泉構造改革路線は総体としては間違っていなかったと思う。だからこそ、小泉内閣を肯定的に評価する世論が、否定的なそれを2倍近く上回っているのである。
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が、いずれにしても、格差がこれ以上拡大しないように手を打たなければならないのは事実である。非正規雇用者は、平成17年に1,633万人に達し、雇用者全体の3割を占めるに至っている。
(1)賃金格差
雇用形態別の年間収入は、正社員の453万円に対して、パートタイム者111万円、派遣社員204万円、契約・嘱託250万円となっている。
(2)雇用継続率が低い非正規雇用
1年以上の雇用継続率は、正社員が、90%を越えているのに対し、パートタイム者は70%台、派遣社員は、60%台となっている。
(3)能力開発機会の格差
非正規雇用者に対する企業の能力開発の意識は、4割以上が能力開発を重視していないと回答するなどかなり低い。
これらは、以下の諸問題を引き起こす。
(1)技術継承への影響、(2)社会保障への影響、(3)少子化への影響。
実際、製造業の空洞化が進み、若年者がサービス産業に流れていった米国では(1)の問題が深刻化し、経済成長のネックになりつつあるという。
私が、過去のエントリーで何度も指摘してきたように、正社員と非正規雇用者の格差を是正すること、非正規雇用者の割合を減らすこと、そして真の能力主義を確立することが喫緊の課題なのである。
三重県にある、某メーカーの最新鋭の液晶テレビ生産工場は、非正規雇用者の割合が実に45%に達するという。このような状態は、けっして正常とは思えない。
能力による格差は当然であるが、スタートラインから格差があるのは亡国への道であることを、経済人も肝に銘じてほしい 。
安倍新政権には、女性や高齢者の雇用促進と共に、正社員と非正規雇用者の格差是正に真正面から取り組んでもらいたい。
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※小泉内閣の構造改革は、まだ途上にあり、真の評価は3~4年後になると思う。したがって、今回は、第一次総括として受け止めてほしい。
また、産経新聞の「正論」で、佐伯啓思京都大学教授が、「(小泉政治は)一口で言えば、政治の見世物化であり、人気主義(ポピュラーイズム)への著しい傾斜であり、政治の情緒化である」と批判しているが、これほど的外れのものはない。
この件について書き出すと長くなるので、本格的な反論は別の機会にしたい。ただ、
次のことだけは指摘しておく。
短く核心をつくワンフレーズ、これこそ小泉純一郎の真骨頂である。ワンフレーズ・ポリティクスと非難する人もいるが、政治家にとって言葉は命である。ダラダラとしゃべり、
言語明瞭・意味不明などと揶揄されるのは、言質(げんち)を取られまいとするが故の
自己防衛にすぎない。
短く発言するのは勇気がいる。誤解されたら一瞬にして命取りになる。釈明に100倍の言語を要する。が、言いたいことを歯切れよく、インパクトを強めて発信すれば、相手の心にも響くのだ。
これをメディア、特にテレビを使ってうまく国民に伝えたのが小泉首相である。これは、彼の才能であって、誰しもが真似できるものではない。
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参照1:小泉内閣の平均支持率は56%、歴代2位 (讀賣新聞)
参照2:小泉政権:64%が評価 毎日新聞世論調査 (毎日新聞)
参照3:小泉支持率47%、平均で歴代2位 本社世論調査 (朝日新聞)
参照4:変わり行く市場~非正規雇用の活用~
(平成18年6月 東京都議会・調査リポート)
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コメント
はじめまして、いつも興味深く読ませていただいています。
今日の論点ですが、「実は日本では見かけほど格差は広がっていない」という
話もありますね。もともと所得格差が大きい高齢層のウエイトが高齢化の進展
により高まっていることが、格差拡大の相当部分を説明するそうですよ。野党
から「格差拡大の元凶」と攻撃されながらも小泉内閣が支持を保っているのは、
そんな理由もあるんじゃないでしょうか。
http://www.mri.co.jp/COLUMN/ASPECT/GOTO/20060328GY.html
投稿: nanoshi | 2006/09/24 04:06
産経新聞の記者さんのブログを拝見していると、小泉首相は政局の対処の仕方は抜群だったが、勉強嫌いだった。だから、何も進まなかった問題も結構多い、と。
(誤解してほしくないのは、この人も小泉政権をかなり評価しています)
個人的には、リーダーはそのおおまかな方針を示せばいいと思っています。あとの実務はすべてその筋のプロにさせればいいのだから。
だけれども、本来、その大まかな方針ってのは、色々背景を勉強した上でないと決められない人が多いのですが、小泉さんはそれを勘でやってしまうとのこと(前出の記者さん談)。
いやー、何にでも天性の勘を持った人はいるもんですね。
でも、私も坂さんと一緒で個人的な付き合いはしたくない人ですね。
投稿: ぴん | 2006/09/24 07:31
概ね同意。
一つ付け加えるなら、小泉政治は政治を分りやすく、面白いものにしたということがありますね。特に、信条を実現するためには自民党内に政敵を作ることも辞さず、利権に群がる政敵を次々とほうむりさった様子は痛快だった。へたなハードボイルド小説を読むよりずっと面白いと思った。就任当初に言っていた「自民党をぶっ壊す」ということをまさかこんなに明確に、そして早期に実現するとは思わなかった。
それと、首相は派閥の親分から選ぶと言う慣習が壊されたのも小泉政権の功績の一つではないかと思います。
投稿: プライム | 2006/09/24 08:10
小泉内閣は靖国以外は小生の評価はゼロであると断ずる。
「改革」と叫べば国民はまっとうに受け止め、改革の痛みに耐えて欲しいと言えば、薔薇色の未来が来ると思っていた。しかしながら彼が行なった政策は大企業と一部の金持ちに対する政治であった。格差は広がるばかり。
地方のシャッター通りは正に悲惨の1語!
民主党が取り上げ自滅した「4点セット」どうなったのか。ここの管理者は取り上げようともしない。全てが官から民へという過程で起きてきた事ばかりだ。建築確認が民でやったらお手盛りになるに決まっている。ワンフレーズが素晴らしいと言っているが、彼の能力からするとそれしか言えないのだろう。これも信子か飯島に言われ長々と話するとボロが出てきて対処出来なくなると予想されたのでしょう。
国会質疑の彼の回答は彼しか出来ないと思うほどの酷さですよ。質問には答えない。はぐらかす。詭弁を弄す。人生色々等々。歴史観、人生観の無い冷血首相。
郵政民営化の本質は管理者仰っているように特定郵便局長の利権に結びつく政治家の抹殺する事には役立った事も間違いない。只、簡保の100兆円をアメリカのウォール街が狙っている。要するに旧長銀の二の舞になるのを城内実氏他の方々が反対した。
又先の衆議院選挙は議会制民主儀を破壊した。
ここの若い人は官から民へキャッチだけで小泉内閣を賛美しているに過ぎないのではないか?いわゆるB層。
日本特有の談合の世界が何故悪いのか。当然ながら負の部分も有るが、共に生きようとする日本人の寛容の精神が有るではないか。米国のアングロサクソン流が全てでは無い。弱肉強食の世界は日本に馴染まない。
又拉致問題では見え見えの功名心で国交も無い犯罪者国家に二度までも行っている。数名帰国したが、これには数百億の金が動いた。
小生には管理者が小泉マンセーと聞こえてしょうがない。
小生は小泉元首相は国会史上最悪の宰相と断ずる。
投稿: Hatumagodekita | 2006/09/24 08:47
「格差社会」という「言葉」あるいは「言い回し」を「新手の政治キャンペーン」として最初にマスコミというテーブル上に広げて宣伝した人、あるいは集団は誰かってことから、この問題を始める人はいませんかねえ。
結局これは「富の不平等の解決」を(現在やつらは、これを「格差社会の解消」と言い換えているだけでしょう)最大の政治問題とした19世紀以来の左傾人類マインド問題の延長線上にある言葉遣いなんじゃないですか。
「賃金」あるいは「所得」の「格差」についてリベラル、左翼系の学者やマスコミが盛んに太鼓を叩くけれども、いっこうに「彼ら」によって「哀れまれている」ハズの「当事者集団」(彼らはその集団を〈下層集団〉という言葉で囲い込みたいようですが)、誰の話をしているのか、「当事者意識」を感じていないようじゃないですか。
世間を眺めていて一番奇妙なのがそこですよ。
投稿: ムーンライダース | 2006/09/24 10:00
戦後の政治を見て、この小泉内閣は出色に見えました、時代に合わせマスコミを利用した政治家を初めて見ました。
マスコミに叩かれて強烈に抵抗するか、凹んで仕舞う、外国には低姿勢で逆風には逆らわない。
之が過去の自民党政治を少なくとも国民に参加意識を持たせて呉れた事は凄いと感じています、過去の政治を見返してみると戦後に初めて女性参政権が与えられた?、男性も同じなんですよね、国民に選挙権が有ったか?
Noです、選ばれた人にしか選挙権は有りません。戦後は権利は貰ったが、小泉政権までは55年体制と言う戦後に進駐軍に与えられた中でやって来た政治を国民に身近に政治家が近付いてメイルを使い、マスコミを駆使し、彼等を翻弄し、不法を通そうとする外国には反発した姿勢は人間本来の姿を国民は認識したと思います。坂さんの言われる通りの評価を私もして居ります。
格差、これは時代を見るとモラルが下がると格差が広がる様ですね、戦後のモラルが低下した時は格差なんてものでは有りませんでした。強いもの勝ち、高度成長と共にモラルの上昇と共に共同意識が出て来て協力すれば勝ち残れると考えてきた。
その体制が続いて来たが企業が世界に出だすと、本来「野蛮性」の有る外国企業経営者に日本の経営者の様な思想が有りません、明治期、終戦時、バブル期、国際化期、変化の時には大きくモラルが問われる様相が見られる、モラルは時代の変化期に「タイムラグ」が見られるのは仕方が無いのかな?
しかし、一段落すると日本式経営への回帰が人間にとり「安定」の必要性と共同意識への覚醒を取り戻させてくれると考えています。
只、、問題は現在の世界が日本に追いつけない中に居る事です、問題は有っても世界で一番安定している国、働く事が好きな国、向上心の旺盛な国、一国だけで世界の中で生きられませんが、生きる「気力」」を世界に見せる事を一番必要としている国も、これからの日本と考えています。
小泉政権には過去の日本政治に歯止めと、これからの日本政治に夢を与えて呉れた90点以上と評価していますが、当の政治家が何%位理解しているのか、亀、綿、河、山、加、谷、小、管、鳩、古、二、辺りを見ていると心細いですね。
投稿: 猪 | 2006/09/24 10:23
小泉マンセーブログの面目躍如ですね(笑
小泉→安倍の総裁ライン継承も日本の経済や外交にとっては大きな追い風であると認識してます。あのような首相は今後数十年出てこないでしょうが、脇(三役・大臣)を固める人の選出と器量が政権運営に最重要課題となるのではないでしょうか。(個人的には麻生さんもよいが町村さんVery Good)
投稿: NZ life | 2006/09/24 10:28
皆さん、おはようございます。
▼
>もともと所得格差が大きい高齢層のウエイトが高齢化の進展により高まっていることが、格差拡大の相当部分を説明するそうですよ。
これは、そういう側面が強いことも事実です。
高齢者(年金受給者)の年金収入はジニ係数に反映されないので、高齢化が進めば、必然的に数字上(見かけ上)の格差は大きくなります。
が、非正規雇用者が拡大したのは事実です。
▼
>小泉首相は政局の対処の仕方は抜群だったが、勉強嫌いだった。だから、何も進まなかった問題も結構多い、と。
これは、事実です。
本人が「政策より政局が好き」と言っています。
進まなかった典型は教育基本法でしょう。
しかし、だから5年以上続いたし、野中や亀井や鈴木宗男といったガンも追放できた(笑)
▼
Hatumagodekitaさん、あなたは「おかしい」ですよ。
「郵政造反議員の安易な復党に反対する」のコメントで、あなた宛に書きましたが、あなたは私の構造改革に関するエントリーを読みましたか?
>彼が行なった政策は大企業と一部の金持ちに対する政治であった。格差は広がるばかり。
これって、共産党や社民党とまったく同じ主張ですね。
民主党でさえ、こういう言い方はしません。
まさか頭が赤いのでは?
>民主党が取り上げ自滅した「4点セット」どうなったのか。
それは民主党の政局でしょう。
要するに権力闘争。
政治が解っていませんな。
>只、簡保の100兆円をアメリカのウォール街が狙っている。
これは、そもそも森永卓郎や森田実が言い出したことですが、彼らの思想的背景を知っていますか?
森永は共産党の「しんぶん赤旗」にも登場していますし、森田は元共産同(ブント)の大幹部です。
要はプロパガンダです。
あなたは、新しく施行された「会社法」を読みましたか?
簡保資金を、将来的に外資系ファンドで運用することはありうるでしょうが、簡保が乗っ取られる可能性は極めて低い。
というか、まず、ないと思っています。
>先の衆議院選挙は議会制民主儀を破壊した。
これも、反小泉派の常套句ですね。
では、なぜ「選挙無効」を訴える政治勢力が誰もいないのでしょう?
不思議ですね。
建築確認・検査を民間に開放したのは2000年(平成12年)4月1日からですよ。
つまり、小泉内閣とは何の関係もありません。
「シャッター通り」の原因になった「大店舗法」の大改正は1991年、もうはるか大昔のことです。
つまり、あなたの言っていることは、でっち上げ、プロパガンダのかたまりと言うことです。
>いわゆるB層。
こういう、いわゆる日本国民を愚弄する言い方は、いい加減やめたらどうですか?
あなたのレベルと人間性を疑われるだけですよ。
全体的に、もっと、まともな批判ができないものかと思います。
あまりにも個人的感情まる出し。
こんなカキコを続けるようだと、今後、相手にしません。
意味、解りますか?
▼
>「格差社会」という「言葉」あるいは「言い回し」を「新手の政治キャンペーン」として最初にマスコミというテーブル上に広げて宣伝した人、あるいは集団は誰かってことから、この問題を始める人はいませんかねえ。
これは、ジニ係数を取りあげて批判したのは政治家としては民主党の前原代表が最初でしたね。
おそらく、左翼学者の入れ知恵だったのでしょう。
ただ、根拠がおかしくて、すぐ黙ってしまいました。
彼が挙げた数字だと、我が国と今の中国が同じになってしまう(笑)
それ以来、共産党や社民、民主、反小泉派、朝日新聞等も、具体的な数値は挙げず、世論調査による国民意識とやらを根拠にしています。
投稿: 坂 眞 | 2006/09/24 11:25
Hatumagodekitaさんへ
こういう意見もありだと思う。しかし、おっしゃっていることは自民党を放逐された議員の遠吠えと同じで新鮮味がない。現状の欠点のみをあげつらい、世界の変化をとらえ、未来に向けてどう対処していくかという視点に欠けている。
あ、そうそう、読者をもB級などというべきではないと思うよ。こういう発言はマナー違反だよ。
投稿: プライム | 2006/09/24 11:27
皆さん、こんにちわ。
Hatumagodekitaさんが言うところの「B層」について補足しておきます。
これは、竹中平蔵氏が個人的に懇意な有限会社スリードが政府広報に提案した「折込チラシの企画書」の中に登場するポジショニング分析です。
この企画書の中で、新聞折込広告を使って郵政民営化を説得すべきターゲット層がB層として設定されました。
このB層は、「IQが低くて構造改革に肯定的な層」なのだそうです(爆笑)
私は、このような新聞折込広告を見た記憶がありませんし、そもそもIQ自体をあまり信頼しておりません(笑)
小泉首相が郵政解散を決意した時の記者会見に対する反応は、日ごろ小泉首相に対して辛口な2チャンネルの住人も圧倒的な好意を示していました。
まあ、2チャンネルの住人もIQが低いと言われればそれまでですが、私は逆に彼らはIQが高いと思いますけどね。
嫌悪をもよおすようなカキコをする連中が多いのは事実ですが。
しかし、逆に言えば、IQが低ければああいうカキコはできない(笑)
いずれにしても、小泉構造改革を支持する人を「B層」などと呼ぶのは、国民を愚弄するものです。
自分は頭がいい(IQが高い)、と思っているから付けるクスリがありません。
投稿: 坂 眞 | 2006/09/24 15:40
hatumagodekitaさんの>又先の衆議院選挙は議会制民主儀を破壊した。<
は逆じゃありませんか。
第1院である衆議院で多数で可決された法案が、第2院である参議院で与党多数にかかわらず否決されることは、政党政治の原理原則を踏みにじるものです。
本当に小泉の郵政民営化法案が日本の為にならないと信じるならば、衆参両院の反対派自民党議員諸公は参議院で否決される前に自民党を離党すべきだった。
小泉が所信通りに衆議院を解散し、総選挙に打って出たので議会制民主主義が守られた。
そしてhatumagodekitaさんのいう「いわゆるB層」が議会制民主主義を守るために小泉に圧倒的勝利を与えたのです。
ちなみに私は郵便貯金、簡易保険の民営化は時代の要請だと思いますが、郵便事業とくに信書の送達は民営化すべきでないと信じています。
しかし、先の衆議院選挙では議会制民主主義を守るため、自民党に投票しました。
投稿: H.H生 | 2006/09/24 16:09
5年以上前のことだから忘れてしまった方もいるかも知れませんが、小泉首相の就任時は日本経済はバブル崩壊後の閉塞感に蔽われて日本発の世界恐慌だとか日本がデフォルトする等と言われていました。
その時に小泉首相は「現在の痛みに耐えて明日を作る」と国民に呼びかけたのです。
これは非常に大きな効果を上げました。
自助自律・克己恭倹の日本人が本来持っている精神を呼び覚ましたのです。
国民の大半がこうした自助努力を重んじています。それが退陣間近になっても50%以上の支持を集めていたのだと思います。
投稿: yuki | 2006/09/24 18:56
管理人様
hatumagodekitaさんからメールが来ましたので、返事を差し上げたら、Undeliverableで戻ってきました。ブログに書いたのではありませんので、不適当なら抹消して下さい。
「私の言いたいのは、2院制をどう考えるかという観点からのもので、「依存症の独り言」さんのブログへの書き込みもその趣旨のものです。
我が国の衆議院、参議院という2院制は、内閣総理大臣の指名及び予算と条約の承認についてのみ衆議院の優越を認め、その他の衆参両院で異なる議決が出た場合は、再度衆議院で出席議員の3分の2以上の多数決で再可決した場合に法律となるという縛りをかけています。
さきの郵政民営化法案の場合、参議院も与党が多数を占めていました。政党政治であるからには、参議院の自民党の議員諸氏は衆議院で自党が可決した法律に反対する場合は離党すべきである。小泉首相は参議院で万一否決された場合は、衆議院を解散して3分の2以上の議席を目指すと言っていました。議会制民主主義をまもったのは小泉氏で、選挙により有権者の判断を仰いだ。それは正しいことだった。
というのが、私の主張です。」
投稿: H.H生 | 2006/09/24 19:36
皆さん、こんばんわ。
コメント、ありがとうございます。
古くからの読者の方であればご承知かと思いますが、私は人間・小泉純一郎はあまり好きではありません。
ただ、私は10年来の構造改革論者で、郵政民営化論者でもありました。
だから、「小泉マンセーブログ」と揶揄されても小泉内閣を断固支持してきました。
読者の方のカキコにもありますが、本質的問題は郵便事業の民営化ではありません。
私も、過疎地の郵便局は公費を投入してでも残すべきだと思っています。
本質は以下です。
国民の金融資産の4分の1を、国の信用をバックにして郵貯・簡保が吸い上げる。
吸い上げた巨大な国民のカネを、国や地方の公社・公団・事業団が採算など度外視して、しかも国民の目の届かない(つまり議会のチェックがない)ところでたれ流す。
そのカネに、自民党の一部政治家を始めとする利権屋が群がり、甘い汁を吸う。
この構造を解体しない限り日本の未来はない、だから私は郵政民営化を支持したのです。
小泉首相がすべて正しい、などと思っている人は一人もいないでしょう。
「人生いろいろ」とか問題発言も多々ありましたし、皇室典範改正は拙速、教育基本法は政局優先。
確かに、政治理念や手法に問題点もありました。
が、従来の総理大臣に比べれば、雲泥の差で「よい総理大臣」でした。
私は及第点を差し上げたいと思います。
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H.H生さん。
仰るとおりだと思います。
自民党議員は「郵政民営化」を掲げる小泉首相を、3度の国政選挙で担ぎ、2度の総理・総裁選挙で支持・選出してきました。
ところが、土壇場になって、政局がらみで「郵政民営化」に造反した。
これは有権者を欺く行為であり、国民に対する裏切りでもあります。
まさに政党政治の否定であり、小泉首相が民意を問うのに十分な理由になります。
だから、あの朝日新聞や毎日新聞も解散を支持した(私はビックリしましたが、彼らは小泉首相が敗北すると思ったから支持したのかもしれません)。
なお、hatumagodekitaさんは、私の批判・反論に対して罵詈雑言で応えてきました。
したがって、躊躇なく削除すると、今度は個人攻撃、しかも口汚い罵りを投げつけてきました。
私はこういう人物に、このブログに出入りしてほしくないので、それなりの措置を取りました。
投稿: 坂 眞 | 2006/09/24 21:12
hatumagodekita氏の以下の投稿『日本特有の談合の世界が何故悪いのか。当然ながら負の部分も有るが、共に生きようとする日本人の寛容の精神が有るではないか。』これには驚愕しました。
市役所で実際に工事関係の部署にいるものとして、はっきり言います。談合は、新規業者を排除する制度です。だからそこに文化的、社会的な進歩発展はありません。あるのは糞まみれの人間関係だけです。
投稿: city authority | 2006/09/24 21:53
新規採用の抑制と非正規雇用者の増大、これはホントに痛いです。
私もここ数年は非正規雇用者のポジションしかなく、やむを得ない形で働いていますが、一生懸命成果を出しても収入は正社員の半分か3分の2程度です。数ヶ月ごとに契約更新の日がやってきていつ首を切られるか不安を感じています。企業側は人件費削減のため現在の雇用方針を取っていますので、決して正社員にはなれません。これは働く気力を失わせます。
今までの「ぬるま湯的」日本的経営が良いとは全く思いませんが景気回復と共に正社員・契約社員などの雇用も増やしていただきたいと思っています。
投稿: おれんじ | 2006/09/24 23:39
いつも感心し同意しながらブログを拝読しています。
私は小泉氏が首相になる前からずっと意志の強い信頼できる人間だと思っていましたので、「人間・小泉純一郎はあまり好きではありません」という言葉は残念です。
昔テレビチャンピョンという番組で似顔絵のモデルになった時、威張りもせず媚もせず自然体で、好感を持ちました。
よく非情と言われますが、ドミニカ共和国移民者に対する態度等で分かるように本質的には温かい人だと思います。ただ、自分が信じる事を遂行するためには非情にもなれるという事だと思います。9・11後の園遊会で小泉首相は綿貫氏の所に屈託なく挨拶に行ったそうです。「罪を憎んで人を憎まず」を実践できる数少ない人の一人でしょう。
田原総一朗が小泉首相のことを「検察が興味を持たない唯一の政治家」と言っていました。誘惑の多い政界で清潔でいれるとは意志の強さの現れだと思います。
投稿: kuro | 2006/09/25 20:13
kuroさん、こんばんわ。
コメント、ありがとうございます。
小泉首相、根は非情ではないと私も思います。
鹿児島県知覧にある陸軍特攻基地記念館で涙を流す映像を見て、この涙は本物だと、感動すら覚えました。
が、本来注意を払うべきところに関心がないというか、気づかないというか、そういうところが多々見受けられます。
ハンセン病問題や薬害エイズ問題には、厚生大臣を二度も務めたのに、ほとんど無反応でした。
私は、昔の職業柄、これらの問題に大いなる関心を持ち、心を痛めていました。
そういう点で、情をかけるところと、そうではないところに極端な落差を感じるのです。
ただ、「あまり好きではない」のであって、もちろん、嫌いではありません。
投稿: 坂 眞 | 2006/09/25 21:00
坂様
>H.H生さんにメールがいったのは、そのせいだと思います。
が、Undeliverableのアドレスで反論メールを送るなんて呆れますね。
それだけで、この人物の正体が解ります。
私個人に対する罵詈雑言もひどいものだったので、メールの内容(調子)はおおよそ見当がつきます。<
Hatumagodekitaさんの私へのメールの内容は、我が国の衆議院、参議院という2院制をどう考えるかについてのご質問だったので、このコラムへ書き込んだと同じことを送りました。
送達不能で返信されてきたので、坂さんのブログで言葉足らずだった点を補足させていただきました。
罵詈雑言は全くありませんでしたので、ご本人の名誉のために><の部分を消去していただけたらと思います。
↑
削除しました。
坂 眞
投稿: H.H生 | 2006/09/27 19:07
「派遣切り」・「2009年問題」・「雇用対策」は何処へ
◆急務は「現在の雇用」
政治(与野党共)もマスコミもジャーナリストも、皆大変だと言葉だけの心配に留まっているように思われます。と言うのは、「労働者派遣法改正案」は見直し審議待ちの足踏み状態で進展しておらず、その先が見えないため、「派遣切り」に歯止めがかかりません。「派遣切り」を加速させている要因は、政府及び厚生労働省の不十分な対応にあるということを理解しているのか疑いたくなります。いったい「雇用対策」はどこへ行ってしまったのでしょうか?とくに製造派遣の「抵触日(3月1日)」が過ぎてしまった現在のわが国において、最重要視されるべき課題はまさに「雇用対策」です。「雇用対策」ができれば、わが国の景気の底支えは可能です。雇用が底支えできれば、将来に対する不安も緩和されます。何といっても一番は「現在の雇用」です。数年先の雇用対策では意味がありません。
◆救済手立ては「雇用創出プラン(福祉雇用)」!
詳細は下記のブログをご参照下さい
◆人事総務部ブログ&リンク集
http://www.xn--3kq4dp1l5y0dq7t.jp/
投稿: 人事総務部-ブログ&リンク集- | 2009/03/08 13:51
雇用創出プラン(福祉雇用)の提言
◆本当に「雇用のミスマッチ」なのか
世界同時不況による異常な雇用危機に対し、地方自治体が実施しているのは2~3ヶ月間の臨時短期雇用のため、期限到来で終了してしまいます。次の一手をどのように考えているのでしょうか。実際のところ、政府や厚生労働省は掛け声だけで地方自治体に一任(丸投げ)です。マスコミやエコノミストは、人材が不足している「介護・農業・林業」分野に人材をシフトすべきと、ひたすら「雇用のミスマッチ」を訴えています。しかし、この雇用危機に対して、一体誰が真剣に考えているのか疑わざるを得ず、製造業に従事している非正規労働者の生活を真剣に心配しているとは思えません。
雇用創出プランは下記のブログにてご確認下さい
◆人事総務部ブログ&リンク集
http://www.xn--3kq4dp1l5y0dq7t.jp/
投稿: 人事総務部-ブログ&リンク集- | 2009/03/08 13:52