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2006/10/10

安保理決議、中国はどう出るか

北朝鮮の核実験は、予想以上に小規模だったようである。中には失敗説を唱える者もいる。
が、偵察衛星の画像によると、実験施設周辺での車輌の動きなどが活発で、再実験説も浮上している。ここでは、成功したか否かにかかわらず、やはり厳しい制裁を課すことが必要不可欠だろう。

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国連安全保障理事会(安保理)で9日午前(日本時間同日深夜)、米国は国連憲章第7章に基づく制裁措置を盛り込んだ決議案を提示した。
決議案は、北朝鮮の核実験を非難し、完全な核放棄などを求めた。そして北朝鮮による米ドル札偽造などを念頭に「国際金融システムの悪用防止のための方策」を講じるよう国連全加盟国に要請、米国による金融制裁の事実上の国際化を要求した。
その上で、(1)大量破壊兵器用や転用可能物資などの北朝鮮との取引禁止、(2)大量破壊兵器やミサイル計画を支えかねない北朝鮮との金融取引禁止、(3)北朝鮮の大量破壊兵器やミサイル計画に関連する資産や取引の凍結、(4)北朝鮮に出入りする船舶の臨検、(5)ぜいたく品の供給、販売、移転の防止-などを加盟国に求めている。

さらに、決議採択から30日以内に北朝鮮の行動を再検証し、必要があれば、さらなる
追加措置を取る、としている。

ところが、我が国は、米国案よりさらに厳しい制裁を加える追加項目案を示した。
日本案は制裁の対象を拡大し、各国に対し、北朝鮮の(1)すべての船舶の寄港と航空機の離着陸の禁止、(2)あらゆる製品の輸入禁止、(3)政府高官の渡航禁止-などを追加項目としてあげている。
まあ、我が国の提案が通るかどうかは分らないが、交渉カードは強いに越したことはない。

これに対し安保理各国の反応はどうか?
英仏は米国案を軸にした憲章第7章に基づく制裁決議をおおむね支持する姿勢を見せている。ロシアのチュルキン国連大使も、「本国の訓令を待っている」としながらも、何らかの制裁決議を速やかに採択すべきだとの考えを示した。
が、中国外務省は、「(胡錦涛国家主席は、中国が)対話を通じた問題の解決」という
立場を堅持している、と説明した。
王光亜国連大使も、「安保理が断固として対応しなければならないが、外交解決の道を閉ざすべきではない」との考えを示した。

安保理筋によると、9日の安保理非公開協議では、15カ国の理事国のうち、中国とロシア以外は核実験を“非難”、中露の両国は核実験に“反対”の意向を表明した。
やはり、7月のミサイル発射実験のときと同様、中露と他の理事国の間には温度差が
あるということだ。が、ボルトン米国連大使は協議後、「誰も北朝鮮を擁護しなかった」と述べている。

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ところで、安保理理事国以外の当事国で、北朝鮮と直接対峙している韓国はどうか?

日韓両国は9日の首脳会談で、北朝鮮の核実験強行は断じて容認できないとし、断固とした対応で国連安保理決議の速やかな採択に向け協力していくことで一致した。
首脳会談後の記者会見でも盧武鉉大統領は、「韓国が国際社会に対し、対話を続けようと強調することができる立場ではなくなった」「今後も平和的解決、対話による解決を放棄しないが、過去のようにすべてに耐え譲歩し、北朝鮮が何をしても受け入れるというようなことは不可能だ」と述べている。

9日に電話をかけた米国のブッシュ大統領に対しても、盧大統領は、韓国の三つの対応原則として、(1)冷静、戦略的に調整した対応に努めること、(2)友邦との協議と協力を基盤に対処すること、(3)国連の措置を支持すること-を挙げた。

これらのことから総合的に判断すれば、韓国の対応は、7月のミサイル発射実験の時と違ったものになることは間違いない。

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ロシアは、日米などとは温度差があるが、前述したように「何らかの制裁決議を速やかに採択すべきだ」との立場である。核実験が伝えられた直後のニュースでも「安保理の
“制裁決議”は避けられないと述べた」と報じられている。
やはり、ロシアも韓国と同様、対北朝鮮制裁自体には賛成するだろう。制裁内容には、あれこれと注文を付けるだろうが。

こうなってくると、問題は中国である。
米国も北朝鮮を動かすためには、中国と韓国の圧力が不可欠と認識しており、両国を含む6カ国協議参加国を中心とした対北朝鮮国際包囲網を強固なものにしていく方針だとされる。
では、中国はどう出るのか?

実は、中国には他の6カ国協議参加国とは違う特別な事情を抱えている。それは中朝友好協力相互援助条約(中朝友好協力条約)の存在である。
条約は、中朝の一方が他国から攻撃を受けた場合、他方が軍事的支援をすることを
義務づけている。これは、最近の中朝関係は冷めていると言われながらも、条約上は、朝鮮戦争時代の“血で固めた友情”がいまだ続いていることを意味している。

この中朝友好協力条約が存在している以上、中国が“軍事的制裁”に道を開く可能性のある憲章第7章に基づく制裁決議に賛成する可能性は低い。
たとえ“軍事的制裁”以前の“経済的制裁”であっても、それが北朝鮮の現体制の崩壊に結びつくような厳しい内容であれば、中国が賛成に足踏みするのは間違いない。
なぜなら、北朝鮮の現体制が崩壊した場合、北の難民が押し寄せる可能性が高いのは、軍事境界線で仕切られた韓国より、川一つを隔てただけで、しかも多数の朝鮮族が居住する中国東北部であるからだ。

1961年に締結された中朝友好協力条約の改定には双方の合意が必要だが、朝鮮半島情勢の急変を背景に、中国は水面下で見直しを検討していたとされる。
今月8日から開催されている第16期党中央委員会第6回全体会議(6中全会)で、条約の改定に向け本格的な議論に入る可能性があるとも伝えられている。
この会議の結果がどうなるかで中国の対応が変わる可能性はある。

また中国は、8日の我が国との首脳会談で、「北朝鮮による核実験は受け入れられないことで一致した。6者会合の早期開催等、北朝鮮核問題の解決に向けて関連国と共に緊密に協力をしていくことを確認した」とされている。
ここで、憲章第7章に基づく安保理決議に真正面から反対すれば、中国だけが国際的に孤立する可能性は高い。

今年7月、北朝鮮のミサイル発射実験を受けて、安保理決議が議論されていた最中、中朝双方は条約45周年を祝う代表団を相互に派遣したが、金正日総書記は中国側代表団を無視した。北京を訪れた北朝鮮代表団に胡主席が対応した中国側とは対照的に。

これらを総合すると、中国は憲章第7章に基づく制裁決議には反対するが、“拒否権”の行使ではなく“棄権”するという行動に出るのではないか。
つまり、憲章第7章に基づく安保理決議が採択される可能性は高いということだ。

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米国は、期待通りの決議案が採択されなかった場合は、“有志連合”や米国単独による制裁を検討していくものとみられる。
我が国も、安保理決議は推進しつつ、米国などとの“有志連合”や我が国独自の制裁強化も断固として進めなければならない!!!

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参照1:北朝鮮制裁決議案を提示 米、臨検や禁輸盛り込む (共同通信)
参照2:制裁決議、米提案たたき台に 国連安保理 (朝日新聞)
参照3:米、13項目の対北制裁決議案を提示 「7章」明記 (産経新聞)
参照4:米、北との対決姿勢強調…中国・韓国へ圧力強化要請へ (讀賣新聞)
参照5:韓日首脳「北朝鮮核容認せず」断固たる対応で一致 (聯合ニュース)
参照6:盧大統領「核実験は半島平和脅かす重大事態」(2) (聯合ニュース)

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北朝鮮&拉致問題」カテゴリの記事

コメント

そうですね。私も中共は棄権を選択する可能性が高いと思っています。

 ここまで、中韓を追い詰めたのは北の暴挙もさることながら、安部外交の成果でしょう!
運は政治家に絶対に必要不可欠。このタイミングで訪中訪韓を決断した安倍総理をしっかり評価する必要があります。
言いたい放題でまともな評価も出来ないのは巷でうろついている評論家と大して変わらなくなってしまいます。

 今、相当に綿密にこれから起こる事態をシミュレーションして大忙しなのは、中共王朝とホワイトハウスでしょう。

 日本は国連でも中共王朝を追い詰めるべきです。強行に7章に拘って欲しい。

 安倍総理は、これまで歴代政権を苦しめ続けてきた国内外の反日連合の鎖を、就任13日目に電撃的に行った訪中訪韓によってぶち切りました。

 こういうことは的確に評価すべきです。

 梯子を外された恰好の、権力に巣食う反日勢力、媚中派政治家を今こそ駆逐する時です。
 
 靖国参拝を止めなければ中韓との首脳会談は実現しないとのたまわってきた媚中派政治家の論理破綻を国民は徹底的に言挙げするべきです。
そして、北朝鮮問題を対話で解決するように喧伝してきたマスコミも同様に論理破綻を突き付けることが大切でしょう。

彼らは自己反省なんてことを知らないでしょうから。

 衆院での質問で反日勢力は安倍総理から非核三原則の遵守と核武装の否定という言質を取りました。
これは、彼らが極めて焦っている証拠と同時に、非核三原則撤廃、日本の核武装が現実味を帯びてきた証左です。

 国連での徹底した攻めの外交と同時に、中韓という後ろ盾を無くしてオロオロしている反日勢力の権力からの追い落とし、これが大切なのではないでしょうか?

 

投稿: 民草あおい | 2006/10/10 23:45


>“拒否権”の行使ではなく“棄権”するという行動に出るのではないか。
なるほど、その手があったか。
中朝友好協力相互援助条約(中朝友好協力条約)の存在と、王光亜国連大使が言うように対話の道を閉ざさない方針であるということを考え合わせれば、国連決議には棄権するというオプションをとるしかないと考えられますね。

中国がここに到っても、金正日政権の延命に手を貸すのなら、先だっての安倍総理との合意は何だったのかということになるが、そのとき中朝友好協力相互援助条約(中朝友好協力条約)の存在がいいわけになるという訳ですね。

拉致被害者奪還の日はまだまだ先のことになりそうな気がしてきた。

投稿: プライム | 2006/10/11 01:30

はじめましていつも貴ブログを拝読して勉強しております。
さて日韓首脳会談について毎日新聞が以下の様に報じています。

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20061011k0000m010109000c.html
>9日の日韓首脳会談で、安倍晋三首相が冒頭、盧武鉉(ノムヒョン)大統領に、北朝鮮の核実験に対し日韓共同で抗議声明を出そうと提起したところ、大統領は話をさえぎって靖国神社参拝など歴史認識問題を約40分にわたって論じ、共同声明も見送りになったことが分かった。首相同行筋が10日明らかにした。

 会談に同席した韓国の潘基文(バンギムン)外交通商相が途中、大統領にメモを渡し、声明取りまとめを促すような場面もあり、歴史認識や北朝鮮政策で「青瓦台(大統領官邸)と外交通商省の温度差を感じた」という。

 韓国側はその後、核実験と歴史認識問題を合わせた共同声明を逆提案したが、日本側は「声明にこだわっているわけではない」と断った。

全く開いた口がふさがらないとはこのことです。この男にとって事の重大性が歴史認識>核実験なのでしょうか。
呆れ果ててものも言えません。
潘氏が気の毒に思えてなりません。


           

投稿: shinpuh | 2006/10/11 03:27

公安を引退したおじいちゃんが言っていた。
北朝鮮の工作員は政治家、官僚、警察、公安、裁判官まで弱みを握り又は創価と連携し潜り込ませたりその汚染は計り知れないと。首都圏を中心に都市部の風俗店や高級クラブもそれらの活動の為にあると。だから飲食店の女には気をつけろって。

投稿: まご | 2006/10/11 04:39

創価&公明党を初めとする多くのカルト団体は戦後ソ連発→中国北朝鮮連合によって反日活動を展開してきました。状況に応じて米国も加担したことは言うまでもありません。池田は国籍を買収した朝鮮人です。この因縁は日露戦争時に莫大な資金によって、日本の工作員が英独とともに、ロシアの市民革命を誘発援護したことから始まったそうです。戦争は終わっていません。このような事実に目を背け、心理戦によって敗北し、金欲と出世欲に駆られた国賊たちは目を覚ますべきです。多くの犠牲によって日本は今があります。恥ずかしいという感覚を取り戻しましょう。

投稿: 恥ずかしい | 2006/10/11 08:46

北京は「棄権」を選択し、そして何もしないでしょう。何故なら「何かをする理由が無いから」です。

金正日が求めているのはアメリカの「承認」「保証」です。それ以外に中露と国境を接する朝鮮半島を統一する基盤を得る方法がありません。
アメリカの「承認」「保証」を取り付ける事により、韓国と同等の立場となります。そうなれば「平和的手段による朝鮮統一」にいかなる大国も邪魔をする事は原理的には出来ません。
そしてその暁には、四大国に挟まれながらも「それなりの大きさによって生存を確保している国家」として東アジアのキーカントリーとして発言権を確保できるのです。

一方アメリカは時間稼ぎをした結果(日本にも責任はありますが)、もはや打つ手はありません。ラム君を解雇して国務省主導で米朝交渉に乗り出すでしょう。そうなれば韓国は自動的に統一朝鮮マンセーモードに入って、同調するでしょう。何しろ「憧れの核付き大国 イルボンに勝った!」になれるのですからね(笑

片や北京は北京オリンピックまでは何が何でも紛争当事国になりたくありませんし、現状の「窮した北朝鮮から鉱山港湾鉄道を巻き上げている状態」は決して悪くはありません。「核」だけです。何しろミサイルに積めなくても「ポンコツ爆撃機で特攻作戦」されれば防ぐ手段がありません(笑 つまり強硬手段に出るのはリスクが大きすぎるのです。

というわけで、日本にとっての最良の選択とは「自前軍事力で朝鮮半島を現状のまま冷凍保存する」という事になると思います。つまり核武装もしくは「核武装プロセスの開始」という事です。

投稿: ペパロニ | 2006/10/11 09:42

猛き人もついに滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。(平家物語)

制裁決議は段階を踏んで強めていくべきと思います。
先ずは経済的制裁決議でしょう。そのためには、軍事的制裁決議を主張していく必要があります。

要するに常に風を吹かせておくことが重要と思います。風が吹き続けていれば、塵は翻弄され続けるるでしょう。人民も何かを感じ始めるでしょう。

投稿: toki | 2006/10/11 10:41

なんか韓国は協力するという事にはなっていますが、実は・・首脳会談では、なんかすごいことやってたみたいです。
●盧大統領 北韓非難の日本提案を拒否していた●
http://world.kbs.co.kr/japanese/news/news_detail.htm?No=25008
「盧武鉉大統領はこれに明確に答えず、話題を歴史問題に変えた」ときてます。
ほんと・・現状把握能力がないですねぇ・・相変わらず・・。

それに対して、中国は、条件付ならどうやらしぶしぶとはいえ認めそうですね。
ここで拒否権発動とか下手なことやってしまうと自分が危なくなることがわかっていますから。
その辺が、行き当たりばったりの韓国と違うとこですね。

投稿: Asid | 2006/10/11 11:07

「拉致被害者の返還と核放棄を条件に、南鮮統一の軍事行動には目をつぶる」という取引は出来ないもんですかね...  世間のあまりの緊張感のなさにギャグを言ってみたくなりました。

投稿: ころ | 2006/10/11 12:30

皆さん、こんばんわ。
コメント、ありがとうございます。

中国、どうやら棄権ではなく、7章決議に賛成の上、内容を弱めるという条件闘争を選択したようです。
最大の条件は、武力行使につながらない決議であること。
次に、北の体制を崩壊させない程度の制裁であること。

今回はロシアも賛成だし、世界で孤立したくない、
また、日中首脳会談で共同歩調を合意した直後でもある、
等々が絡んでのことと思いますが、日本には安易に妥協してほしくないですね。

投稿: 坂 眞 | 2006/10/12 18:41

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