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2007/03/03

南京、慰安婦 中韓の反日プロパガンダに反撃せよ!


なんとも憂鬱(ゆううつ)である。サンダンス映画祭で賞をとったドキュメンタリー映画「南京」が一般公開される。当時の記録フィルムと、中国の生存者、旧日本軍兵士へのインタビュー、欧米人の記録などで構成されている。30名の調査員を関係国に派遣して調べた結果という。

日本軍の殺戮(さつりく)・強姦(ごうかん)の話がこれでもかと続く。半ば苦笑しながら当時の告白をする日本の旧軍人も登場する。映画の主題は、そうした日本兵から多くの中国人を救ったという米国人医師たちの物語だ。映画の終わりぎわに「犠牲者は20万人以上」との東京裁判の数字が留保なしに引用され、そして靖国神社で軍服姿で万歳を叫ぶ・現在の日本人たちの映像が紹介される。映画を見たほとんどの人は、日本と
日本人が嫌いになるだろう。米国と中国では、今年、この他に同様の南京事件の映画が続々と作られる予定という。

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以上は、2日付の讀賣新聞に掲載された、元外務省北米第1課長で橋本、小泉両首相時代に首相補佐官も務めた岡本行夫氏の寄稿文の書き出しである。

岡本氏は、事件後60年の時はおろか、節目であったはずの50周年の時でさえ、ほとんど目立った動きがなかったのに、なぜ70年目の今年になってこのような動きが顕著に
なったのかについて次のように書いている。


どの国にも、触れられたくない殺戮や虐待の歴史がある。この映画で「近代史上最も
残虐な行動」として語られる日本軍の6週間の所為は、アメリカを含め、自国がしてきたことに後ろめたい意識を持つ全ての国の人々を、「自分達はこれほどひどくない」と
安堵(あんど)させ、連帯させてしまうかもしれない。

なぜ南京事件50周年の際にも60周年の際にも起きなかったことが、70周年の今年に起こっているのか。海外の華人団体の組織的な策動は明らかに存在する。特にアメリカ人と連帯し日本軍国主義を非難することは、彼らにとっては望むところだ。

しかし、それだけではない。日本が戦争責任否定の方向に行き始めているのではないかとの疑念を、アジアや米国の一部が持ってしまったことも、ひとつの理由だろう。

日本はどうすればいいのか。結論から言えば、政府が南京事件を検証した上で、自らの考えを世界に伝えるべきだろう。南京で、いったい何が起こって、何が起こらなかったのか。大規模虐殺はあったのか、なかったのか。それは、直接情報を持たないわれわれ一般国民が、断片的な知識で語れることではない。調査して確定的なことが言えるのは政府だけである。

気の重い作業だろう。しかし、まだ生存している人々がいる。旧軍の残した記録がある、関わった将官や兵士たちの日記類がある。日本で独自の調査をしてきた多くの秀れた学者や研究者がいる。今であれば、真実に迫る方法はいくらでもある。

政府は、一連の映画が作り出す反日的な心象が世界中の人々にしみ込む前に、自ら歴史を検証する決意を披歴するべきである。その姿勢のみが、「南京事件の規模は
中国の主張どおりで、日本はそれにフタをしている」という非難に反論する道になる。
そうした上で初めて、意図的な反日キャンペーンに対抗する道も開けてくる。今の日本人の名誉を守るのは政府の責務である。

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岡本氏の見解の中で「日本が戦争責任否定の方向に行き始めているのではないか
との疑念を、アジアや米国の一部が持ってしまったことも、ひとつの理由だろう」という
部分はいただけない。“疑念”を持っているのは「アジア」ではなく「北東アジア」のごく少数の国家であり、それも“疑念”というより“難癖”に近い。
わが国は「戦争責任」を否定する方向になど向かっていない。「戦争責任を問う」ふりをして「戦前の日本のすべてを否定する」ような言論や風潮を蔓延させたことを反省しているだけだ。当時の時代的背景や歴史的経緯を踏まえることなく、「勝者が正義で敗者が悪」という「単純な善悪論」に疑問を呈しているにすぎない。
あのころは、欧米列強がわれ先に中国大陸に利権を求め、アジアやアフリカの大半を植民地として分割支配し、その権益をめぐって弱肉強食の争いを繰り返していた。

が、「結論から言えば、政府が南京事件を検証した上で、自らの考えを世界に伝えるべきだろう」「政府は、一連の映画が作り出す反日的な心象が世界中の人々にしみ込む前に、自ら歴史を検証する決意を披歴するべきである」という主張は、まったくそのとおりだと思う。
中国や、その意を受けた海外の「反日」中国人たちが欧米人を巻き込み、歴史をねつ造してまで「反日」プロパガンダに精を出すのは、その動機が現代中国の体制的脆弱さと、その裏返しとしての中華民族主義の台頭に根ざしているからだ。
わが国政府が、これを見て見ぬふりをするのであれば、やがてわが国の国益を損なうことになるのは間違いない。

中国の驚異的な成長は、急成長国家に典型的に見られる様々な矛盾と表裏の関係にある。想像を絶する格差や環境破壊、権力の構造的腐敗と規範意識の喪失。
これらの、成長がもたらした負の側面は極めて深刻で、舵取りを一歩誤れば体制そのものが崩壊しかねない危うさを内包している。

中国の「反日」は、このような国内的矛盾から目をそらさせ、国民意識を「愛国」で収斂するための便法なのである。
つまり、共産主義イデオロギーの崩壊によって求心力を失くした共産党が、その支配を正当化し、一党独裁を堅持していくためには「反日・愛国」と「アジアの超大国」という
プロパガンダが欠かせないのだ。

中国の「反日」は極めて巧妙かつ狡猾である。
米国世論に「非道な日本と日本人」をアピールすることで、同盟国である日米の間に
さざ波を立てることができる。中国の難癖とも言える対日非難を正当化できるし、何より日本国内で劣勢になりつつある「反日」日本人たちを鼓舞することにもなる。
岡本氏の「特にアメリカ人と連帯し日本軍国主義を非難することは、彼らにとっては望むところだ」という指摘は、そういうことだろう。

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とにかく北東アジアの隣国は異常な国ばかりである。メディアでは北朝鮮の特異性ばかりが強調されるが、中国や韓国の常軌を逸した行動も見逃してはならない。
「一衣帯水の関係」とか「善隣友好」などと言っているが、中国や韓国は、そんなことはこれっぽっちも思っていない。あるのは自国とその国の権力者の利害だけだ。

米国議会(下院)に提出されている慰安婦問題をめぐる対日非難決議案もまったく同じである。ここにおいては“従軍慰安婦”が事実であったか否かなど問題ではない。「非道な日本と日本人」を米国議会に認めてもらうことが最大の目的なのだ。そのためには、あらゆるウソをつく。

この決議案は、韓国からすれば対日関係で優位に立つための便法である。この件で
公聴会が開かれたことを受けて盧武鉉はさっそく、「3・1節(抗日独立運動記念日)」と
いう民族意識を強く刺激する場で、「日本帝国の蛮行を国際社会が許さないということを再確認できた」と声高に叫んでいる。

ところがわが国と言えば、未だに「強制連行に軍が関与した」、あるいは「官憲等が
直接これに加担した」と認めた「河野官房長官談話」が公式な見解としてまかり通っている。
わが国は早急にこの「談話」を見直し、撤回(破棄)しなければならない。

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慰安婦”については、野党第一党・民主党の岡崎トミ子などが中心になって、わが国
政府に「謝罪と補償を求める法案」の提出を執拗に繰り返している。
“南京虐殺”に関しては、民主党の菅直人(代表代行)のみならず、自民党の古賀誠(元幹事長・古賀派代表)も南京大屠殺遇難同胞紀念館に“参拝”している。
つまり、わが国は、中国や韓国と連携する「反日」人士によって国内を分断されているのだ。

海外では在米の中国人や韓国人たちがわが国を貶めるために暗躍し、国内ではそれに連携するような売国人士たちが政界にのさばっている。
私は、中国人や韓国人の「反日」プロパガンダに、政府が断固とした対抗措置を取るよう求める。そしてわれわれは、中国や韓国と気脈を通じた売国政治家たちを追い落とさなければならない。

参照:南京事件70年 反日に反論、政府の責務 岡本行夫(寄稿)
(2007/03/02 讀賣新聞:朝刊)

【追記】
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政治(国際)」カテゴリの記事

コメント

WW2の真珠湾攻撃も、外務省の失態で、卑怯な日本人のレッテルが貼られた。
外務省は今も昔も省益あって国益なしの組織。
WW2直前も、戦争を回避したい日本は情報戦で負けていた。
当時、ソ連、中国は、アメリカを反日にさせ、日本と敵対させようと、必死になって暗躍していた。
日本は一番腹黒いソ連を最後まで信じ、手酷い目にあった。
裏切りの民族、ソ連、中国、朝鮮は信用してはいけない。

今、中国は自国の酷い人権侵害、軍備増強の脅威から世界の目をそらすため、日本を悪者にしようと必死になっている。
日本は南京事件は戦争中なら何処でも起きる事件のひとつと、中国の現実の人権侵害や、軍備増強の脅威を攻撃すべきなのだ。
外務省の反論は反論になっていない。嘘を追認しているだけ。

投稿: 自己反省 | 2007/03/04 00:07

WW2.特に対米戦では真珠湾攻撃は
日本の卑怯な奇襲攻撃だったとよく避難されるが、
政府としてはしたはずの宣戦布告が現地の外務省の失態により
なされていなかったことは今では有名な話だが、
なぜか歴史教科書には書かれていない。
そのおかげで知らない人は意外とたくさんいる。

最近耳にした話はも衝撃的だった。
真珠湾攻撃の前にアメリカは中国戦線に空軍を出していたとか。いなかったとか。
国民党軍側か共産党軍側かはわからないが、そんな話を耳にした。

もしこれが本当なら、リメンバーパール ハーバーもクソもないわけだが、
どなたか確実な史科などをご存知の方はいらっしゃいませんか?

投稿: 斜め上 | 2007/03/04 00:54

7~8年前になるか、NHKが、終戦記念視聴者参加特番をやったとき、岡本行夫がコメンテーターとして参加したことがあった。
ある青年が、先の大戦に対する左翼的見方に疑問を呈したところ、即座に岡本がその青年を叱り付けたのだ。
NHKの意向を汲んだかのように「東京裁判史観」を披瀝し、視聴者の自由な意見表明を封殺してしまった。
最近旗色が悪くなって発言を変えつつあるが(これは田原総一朗も同様だ)、奴の正体は自虐史観信奉者だ。
「現実主義的外交感覚」で、退官後も重用されているが、あれ以来この人物は信用していない。
「左翼文化人」の発言の推移は今後も注意する要あり。

投稿: tarou | 2007/03/04 01:46

カカシさんのブログによると、アメリカ国内でも、安部氏の発言にはかなり反発している論調だそうで・・・
その方向に誘導しているのはオオニシの記事ではないかということです。
オオニシの記事を読みましたが、悪意に満ちた捏造記事といってもいいと思うほどの酷さです。
本来ならば、このような国難と言うべき事態は、国中が一丸となって乗り切るべきものですが、悲しいことにこの国には売国奴みたいな連中がうようよいます。
もうほんと、お先真っ暗な気分になっちゃうんです・・・

それにしても、オオニシのような悪質なアジテーターを野放しにしていていいものなのでしょうか?ほんと、悔しいです。

投稿: hanaco | 2007/03/04 02:38

>日本はどうすればいいのか。結論から言えば、政府が南京事件を検証した上で、自らの考えを世界に伝えるべきだろう。

 その前に、世界各地から非常に多くのアクセスがある外務省HPの記述を変えなければ何やってもダメ。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/qa/08.html

投稿: 中凶殲滅 | 2007/03/04 04:23

中韓の反日宣伝工作に反論するだけでは駄目なのでは?
リスクが生じないかぎりは以後も繰り返されるだけでしょう。
日本的な精神からは抵抗感があるでしょうが
「中韓の宣伝工作を徹底的に非難」
する事をしないといけないのではないでしょうか。
当然、具体的なペナルティと一緒に。

反論しなければ...との意見を目にする事も多くなりましたが、それだけで治まる問題では無いと思います。

投稿: | 2007/03/04 12:05

中国脅威論を否定して「中国が日本を攻撃するメリットなどない」という経済観点至上主義的な楽観論が幅を利かせていますが、ではこのプロパガンダ攻勢は何なのか?全ての対立を経済構造で説明しようとするマルクスの呪縛から脱け出そうとせず、イラク戦争を石油や軍産複合体にこじつけてみたり、目の前の中国の脅威から目を逸らそうとしたり・・・

投稿: 神戸牛 | 2007/03/04 12:29

>tarouさん
おそらく同じ番組を見られたのだと思いますが、岡本行夫は
「原爆は(日本人に対する)罰だ」といってましたね。
あまりにもビックリして未だに忘れられません。
彼は本当に信用ならない人ですよ。

投稿: tapi | 2007/03/04 16:16

個人攻撃はしたくは有りませんが、岡本氏は信用に足る人物では無いと思って居ります。
中国に行き田原氏と適当に中共の意見に妥協をしていた覚えが有り、以降、彼の出る番組は一切見ておりませんが、適当に右に左に、金に成ればどちらでも良いと言う上記、田原氏と同類と見ております。

が、中共、韓国に正論で日本国として対応すべきと言う。まっとうな御意見には今からでも遅いと言う事は有りません。政治家が勇気(何でこんな時に勇気と言う文字を使うのか自分でも情けなく成りますが)を持って、中共の報道官の様に「ナンキ*」と言っただけで国を代表して反論コメントを出して来る、独裁一党支配の強力な武器を使い「大民主主義保護国」日本を脅かしに係る、敵ながら「やる事が早いや」と感心しながら、我が国の鈍感さを実感している始末。
アメリカ大使の南京問題、慰安婦問題を「教科書」で教え、「謝罪している」発言が本当とすれば「ガックリ」です、何とか成らんものでしょうか?。

投稿: 猪 | 2007/03/04 18:54

このようなプロパガンダによる嘘で塗り固められた映画を見たら本当に思う人達がいて当然でしょう。日本の政府がこのような出鱈目の映画に対して抗議どころか今まで中共のなすがままにしてきたことが、そもそも大きくしてしまったのだと思う。今、チャンネル桜の水島社長が頑張って、南京の真実という日本からの映画を作成しているようですが、頑張ってほしいと思います。皆さまの協力を呼びかけております。どうぞよろしくお願いします。
http://www.nankinnoshinjitsu.com/
振込口座
【金融機関】三菱東京UFJ銀行渋谷明治通支店
【口座番号】(普通)3999924
【口座名】南京の真実製作委員会 (フリガナ)ナンキンノシンジツセイサクイインカイ

郵便貯金口座(ぱるる)
【口座番号】10180 96880951
【口座名】南京の真実製作委員会 (フリガナ)ナンキンノシンジツセイサクイインカイ

ネットバンク
【金融機関】イーバンク銀行 ビート支店
【支店番号】210
【預金科目】普通預金
【口座番号】7016344
【口座名】南京の真実製作委員会

投稿: まっち | 2007/03/04 21:30

斜め上さん
>どなたか確実な史科などをご存知の方はいらっしゃいませんか?

http://prideofjapan.blog10.fc2.com/
このサイトには、戦前のわが国の立場・行動を詳細に解説している箇所があり、大変有益です。

投稿: tarou | 2007/03/04 23:14

事なかれ主義で放置している間にこれほど悪化してしまった事態を打開するのは容易なことではないでしょう。それ相応の「痛み」も伴うかもしれません。しかし、私たちの子孫のために(私たちの祖先が私たちのためにしてくれたように)戦わなくてはなりません。これは決して戦争をしようと言っているのではありません。腹をくくるということです。日本人皆が力を合わせて強い意思を持って毅然とこの国難に立ち向かうのです。日本人ならできるはずです。私はそう信じています。

投稿: esper | 2007/03/05 01:18

反日勢力撃退用・html版資料館

http://resistance333.web.fc2.com/html/patriotism_web.html

投稿: 反日勢力撃退用・html版資料館 | 2007/03/05 08:29

斜め上さん
>真珠湾攻撃の前にアメリカは中国戦線に空軍を出していたとか。いなかったとか。
フライング・タイガーのことだと思います。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%82%B9

え~と、私は占領軍による婦女暴行事件の資料を探しています。
誰か知りませんか?

投稿: ぷぅ | 2007/03/05 12:27

ブログ記憶の隠れ家より引用
フライングタイガー 飛虎
アメリカでは軍戦没者は英雄として扱われる。

最近のテレビ映像等でもイラクで戦死した兵士の棺を星条旗で包んで国に殉じた英雄として丁重に扱うシーンが記憶に新しい。
 2005年5月28日、アーリントン墓地に約四百人の老いた退役軍人が終結した。彼らはフライングタイガースの元隊員であった。 

フライングタイガースの元隊員といっても,大阪の道頓堀川に飛び込む熱狂的な阪神ファンのことではない。日米開戦の四年前、既に日本と交戦状態にあった中国に航空部隊として参戦した「アメリカ合衆国義勇軍」の事をフライングタイガースと称していた。

この軍戦没者慰霊祭に参列している一人の年老いた東洋系婦人がいた。
 元軍人集団の中心にいるこの老婦人はフライングタイガースの創設者シェンノート元少将の未亡人、陳香梅であった。

時は遡り今から16年前の1989年、あるアメリカの航空貨物会社が消滅した。
航空貨物会社「フライングタイガース」が世界最大のアメリカ航空貨物社「フェデックス」に吸収されたのだ。この会社は大戦終了の年1945年に設立の44年の歴史を誇っていた。

しかしその社名の由来は終戦の年から更に八年時代をさかのぼり故シェンノートに突き当たる。この航空貨物会社「フライングタイガース」の名前は1937年誕生のアメリカ合衆国義勇軍(American Volunteer Group,AVG)に由来していた。
日本では天駆ける想像上の生き物として「天馬」があるが中国には飛竜と共に空を飛ぶ虎は無敵であるという故事から「飛虎」という想像上の無敵の動物がいるという。

中国を愛したシェンノートはこの中国の故事に因んでフライングタイガースという名の航空義勇軍を創設した。因みに写真で見るフライングタイガース戦闘機は頭部に歯をむき出して大口を開けているサメの絵が描かれている。戦闘機の体形上虎よりサメの方が描きやすかったのだろうが、フライングシャークス、飛鮫では大陸国家中国の空を雄飛するには格好がつかない。その代わり乗務員は翼の生えた虎のマークの入ったエンブレムを背中に貼り付けていたようだ。

フライングタイガースを創設した故シェンノート少将。アーリントン墓地ではその夫人が約400名の退役軍人にエスコートされ、「中国人の誰もが知っているアメリカ軍将軍」として今でも中国人に愛されている故シェンノート少将といったいどんな人物なのか。シェンノートは1893年9月6日テキサス州に生まれた。

1937年7月、中日戦争が全面戦争に突入すると、シェンノート大佐は昆明に航空学校を設立して、積極的に中国空軍の対日作戦を支援した。
大佐はパイロットの養成だけでなく、自ら戦闘機に操縦し戦闘にも参加している。
日米戦争が勃発すると、アメリカ政府は積極的に中国を支援する方針を採った。
1942年7月、航空志願部隊は第10航空隊中国特別派遣部隊に編入され、准将に昇進したシェンノート氏がそのまま指揮に当った。1943年3月、部隊はアメリカ陸軍航空隊第14航空隊に再編入され、シェンノート氏は少将に昇進する。

1941年7月に組織されたアメリカ志願部隊は23戦闘機大隊から第14航空隊に編入されるまで、シェンノート氏は一貫して志願部隊の指揮を執り、自身も退役将校から少将にまで昇進した。シェンノートン少将の中国に対する思いは深く、中国人を夫人にし、昆明に家を建てて、生涯を中国で過ごすことを希望していた。1945年7月、日中戦争勝利を目前に、シェンノート少将は8年間暮らした中国を離れ、アメリカに帰国した。

このとき、中国人の群集がシェンノート少将を見送りに集まっている。
人々は彼の乗用車を取り囲み、まるで駕篭を担ぐように乗用車を担ぎ上げ、数時間かけて中心広場まで運んだという。広場のひな壇はフライングタイガースのエンブレムで飾られ、花束でアーチが築かれていた。

別れを惜しんで握手を求める人々の長蛇の列にシェンノート少将は、感激の涙を流した。
・・・・・で、そのフライングタイガースが一体どうしたのかって?

今までの話は単なる前触れであって本題は今から始まる。
日本人には馴染みの薄いシェンノートというアメリカ軍人がアメリカ人による「義勇航空隊フライングタイガース」を中国に創設した1937年という年度に注目して欲しい。

その年シェノートが義勇軍を創設して数ヵ月後に事実上の日中戦争の開始とも言うべき盧溝橋事件が起きている。そのころの中国大陸は蒋介石率いる国民政府、毛沢東率いる共産政府が分裂し各地で内戦が行われていた。その間を掻い潜るように日本軍が侵略をはじめていた。

シェンノートは中国空軍の訓練教官及びアドバイザーとして国民党政府に雇い入れられた。当時48歳であった彼は健康上の理由により軍では退役寸前であったが蒋介石は空戦経験の豊富な彼を中国空軍の航空参謀長とし階級も大佐としての待遇を持って国民党政府に招き入れた。

着任したシェンノートはまず重慶の基地を見回り中国空軍内を視察してまわった。
そしてそれまで爆撃機を主軸に活動していた中国空軍に対しシェンノートは蒋介石に「日本軍航空隊に対し中国軍は優れた戦闘機100機とそれを操縦する優れたパイロットを持つことで、中国空軍はこの脅威を退けることが出来るでしょう」とのアドバイスを行っている。

この意見は蒋介石に承認され、アメリカ合衆国と協議の結果、承認された。
 アメリカは当時中立政策をとっていたため表面だって中国を支援する事は国民の支持を得にくかった。 「リメンバーパールハーバー」より遡ること四年前の事である。

つまりアメリカは「真珠湾の卑劣な攻撃」の実に4年も前から日本と交戦していたのである。これ嘘のような本当の話。

1958年7月27日、シェンノート少将はアメリカで死去したが、中国系アメリカ人の陳香梅夫人は今も健在である。
(続く)
●【貼り付け】

「フライングタイガーズ」のパイロットは、蒋介石の軍事顧問クレア・シェンノート氏によって、当時の新米パイロットの5倍相当に当たる月給600ドルと日本軍機1機撃墜ごとに500ドルという破格の報酬で、全米各基地から集められた。全員は農民や伝道師、エンジニアなどを装ってビルマに集結。蒋介石政権が米国に借金する形で資金を負担、弱体の中国航空部隊を裏で支えた」(読売新聞1991年7月8日)

 さらに驚くべきは、フライングタイガーズが東京や大阪の奇襲攻撃を計画していた。

「作戦には350機のカーチス戦闘機と150機のロッキード・ハドソン長距離爆撃機が参加の予定で、うまくいけば(1941年)9月下旬には東京や大阪に大量の焼夷弾をばらまいて木と紙の日本の家屋を焼き尽くすはずだった。だが、「フライング・タイガース」が集結したビルマの英空軍基地には10月下旬になっても肝心の爆撃機は到着しなかったのである。

(中略)需要の多い爆撃機はその年の暮れになっても届かず、41年12月7日の真珠湾攻撃で日米が開戦すると、中国大陸を経由した日本爆撃そのものがほごにされ、計画はやみに葬られた」(産経新聞2000年7月15日)

【終了】

投稿: 有馬 | 2007/03/05 17:43

                                 ↑

 え~と、資料になるかどうか分かりませんが、2月21日内閣委員会戸井田とおる議員の質疑で触れられています。是非ご覧下さい。

http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.cfm

投稿: 中凶殲滅 | 2007/03/05 22:02

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