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2007/06/13

李登輝氏の来日に思う

5月30日に来日した台湾の前総統・李登輝氏が今月9日に離日した。李氏の今回の目的は、生きている間に芭蕉の「奥の細道」を辿(たど)りたいというものだった。
が、氏の今回の来日が残したものはそれだけではなかった。
外国人でありながら「司馬さん、私は22歳まで日本人だったのですよ」(司馬遼太郎氏との対談)と公言する李登輝氏は、日本の現状を憂える発言も含め、非常に含蓄のある言葉や行動を示してくれた。
李氏が「22歳まで日本人だった」という理由は次のとおり。
「初等教育以来、先生たちから日本人はいかにすばらしい心を持っているかという教育をうけつづけたんです。22歳まで受けた教育はまだ、のどもとまで詰まっているんです」と氏は語っている。

大勢の人に見送られて離日する李氏Ritouki_1         靖國神社に参拝される李氏Ritouki2

6月7日李登輝氏は、夫人をともなって靖國神社に昇殿参拝された。そのとき氏は次のように語っている。
「兄が戦死したといっても父親は一切信じなかった。亡くなる時まで、兄が生きている証を探し続けた。だから家には位牌も何も無いんだ。兄の証があるのは靖國神社だけなんだ。だから靖國さんには感謝している」
「靖國神社の問題は、常に個人の、家庭の中で考えるべき問題だ。信仰や魂という事柄については、個人がそれぞれの考え方を持っている。だから、くれぐれも政治の力で型通りに割り切りたくない。家族がそれぞれ自由に愛するものの事を考えるのがよい」

李登輝氏は、9日に行われた日本外国特派員協会での記者会見において、「靖国問題は、国内問題を処理できない中国と韓国によって作り出されたもの」と指摘、「(両国の靖国批判に対して)日本の政治は弱かった」と、わが国の軟弱ぶりを嘆いて見せた。
また、氏は「自国のために亡くなった若い人をおまつりするのは当たり前のこと。批判される理由はない」とも述べ、中韓の不当な内政干渉を真っ向から批判した。

まったくの正論である。
こういう言葉が外国人の口から出る一方で、わが国内の大新聞や多くの政治家が、
わが国首相の靖国参拝を口を極めて非難するのであるから、ほんとうに情けない限りである。

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後藤新平の生誕150年を記念し藤原書店が設けた「後藤新平賞」の第1回受賞者に李登輝氏が選ばれた。
6月1日、東京で行われた授賞式において李氏は次のように語った。

「匪賊(ひぞく)が横行する未開の台湾にあって、1898年、民政長官として赴任した後藤新平は、ペストなど悪疫の流行を根絶し、教育の普及に努め、土地改革や専売法の制定に力を尽くした。
12年間の総統時代、一滴の血も流さず台湾の政治体制を軍事独裁体制から民主的体制に変革し、台湾政府を樹立したことは私の一生の誇りだが、今日の台湾は後藤新平が築いた基礎の上にある。私にとって後藤新平は偉大な精神的導師だった」

左翼やリベラルを称する人間たちは、後藤新平を「侵略主義の手先」などと呼ぶ。しかし、わが国の台湾統治は“侵略”でも“植民地支配”でもなかった。実態は李氏が言うとおり「未開の台湾を近代化」したのである。
“侵略”と言えば、戦後に台湾に侵入した国民党の方がその言葉にふさわしい。
1947年2月28日に台北市で発生し、あっという間に台湾全土に拡大した「二・二八事件」において、約28,000人の台湾人が殺害・処刑され、彼らの財産の多くが没収されたと言われている。そのとき発せられた戒厳令は1987年まで続き、その間、国民党による白色テロや暴力支配が横行した。

日本の左翼やリベラルを称する人間たちは、わが国の“侵略”や“植民地支配”を非難しても、この国民党による“侵略”と暴虐を非難することはない。
これまた情けない限りである。

二・二八紀念公園内にある二・二八紀念館228










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授賞式の後の昼食会で、李登輝氏は「指導者の条件」として以下のものを挙げたという。

指導者は第一に、信仰を持っていなければならない。
第二に、権力はいつでも放棄できるように自制し、必要がない時は人民に返すべきである。
第三に、公私の別をはっきりさせなければならない。
第四に、誰もが嫌がる仕事を率先してやらなければならない。
そして第五に、カリスマを求めてはいけない。真心をもって正直に取り組まなくてはいけない。

李氏は台北市長に就任した際、「誠、公、廉、能」を自分自身の基本態度にしたいと記者団に語った。
「もし(聖書の)コリント前書のいう『誇らない、高ぶらない』を実行できるとすれば、それこそが『誠』であり、『自分の利益を求めない』は『公』であり、『不作法をしない』は『廉』であり、『常に寛容であり、絶えることがない』こそ『能』です」

わが国の政治家に、李氏の爪の垢でも煎じて飲ませたい。

ちなみに李登輝氏はクリスチャン。それでも靖国神社に何のわだかまりもなく参拝できる。
それが“日本人”なのだ。

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三島通陽の「スカウト十話」によれば、後藤新平が脳溢血で倒れる日に三島に残した言葉は、「よく聞け、金を残して死ぬ者は下だ。仕事を残して死ぬ者は中だ。人を残して死ぬ者は上だ。よく覚えておけ」であったという。

やはり明治の先人は偉大だった。李氏が「後藤新平は偉大な精神的導師だった」と言うはずである。それを「後藤新平は侵略主義の手先」などと呼び、戦前のわが国を否定する左翼や自称「リベラル」たち。

恥を知れ!!!と言いたい。

参照1:日本李登輝友の会
参照2:[五郎ワールド]「政治家の品格」を考える (讀賣新聞)
参照3:「靖国問題は中韓が作った」 李登輝氏、今夕離日 (讀賣新聞)

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政治(国内)」カテゴリの記事

コメント

李登輝先生の今回の訪日は、日本人の心の中に、大きな足跡を残して行かれたと思います。前回の訪日は、国内の媚中派の妨害で、なかなかビザが下りなかったり、母校、京大の敷地内立ち入りを拒否されたり、残念なことばかりでした。

しかし、今回は、国内の風向きも少しは変わり、各地で講演会や記者会見を開くことができました。最大のものは靖国神社にご参拝頂いたことでしょう。これらの機会に日本人が、李登輝先生の生の声で、日本を励ます言葉を聞く事ができました。

日本人以上に日本人の美徳を備えていらっしゃる李登輝先生の謦咳に接することができ、また、インターネットなどを通じて、お言葉の内容を知り、私を含めて心を動かされた日本人は多いと思います。ミケ

投稿: 屋根の上のミケ | 2007/06/13 15:08

ジーと実力を養いチャンスを掴み、チャンスを生かし、台湾を民主国家にした氏の実力、氏を戦前の日本の教育が後押しをしている。と云われただけで日本の教育が間違いでは無かった、と言い切れるのではないでしょうか?

教育を受けたその後の人生、組織の活用、人事組織に問題が有った事を忘れて、戦後には教育方針まで国家弱体化と合わせてしまい現状の疲弊を生みました。

指導者の条件、東条首相などは先ず該当する人ではないでしょうか?スケールは人となりを知りませんので語れませんが、与えられた仕事は非戦を残して懸命に生きられた人では、戦時の戦死者と同じ靖国神社が断わればおかしい事でした。

人を残す、工科系と文学系で工科系を重用(必要だったから)、召集の対象とせず特別扱いをした事が戦後の日本の発展の大きな力と成った、これも経済界の人は知って置くべき、当時の指導者が将来を見ていたとすれば凄い事。

台湾、東京を思う様に設計できなかった後藤新平氏が、台北に自分の想いを残したいと全身で取り組まれたのでは無いかと考えます、都市計画・教育・台湾の将来図迄組み込んだスケールの大きなものだったのでしょう、総督府を見るだけで想像が出来ます。

靖国神社・普通の言葉で普通に「靖国神社」の参拝を語れば、誰でも理
解できるのに逃げるから追いかける、「鬼ごっこ」見たいなお遊びを国同士でやってる、それをマスコミは煽る、少しは李登揮さんの爪の垢でも飲んで欲しいものです。

「日本の政治は弱かった」無かったが正しいのでしょうか、田中角栄氏以降の日本政治は官僚「スピーカー」実力も必要はなし、金ずるとばら撒き方を心得ていれば、官僚も買えた、代わりに官僚も70歳までの生きる洞窟を掘る事に専念できた。

もう、普通の国に戻って欲しい。優秀な政治家・官僚などと贅沢は申しません、日本が好きな日本人が政治・経済・内政をコツコツと誠心誠意を持ってこなして欲しいものです。

投稿: 猪 | 2007/06/13 16:19

>「(両国の靖国批判に対して)日本の政治は弱かった」
すみません、李登輝さん・・・。

このような戦時中の日本をよく知っている人に言われると、心にズキンと響きます。

投稿: kodati | 2007/06/13 19:43

自衛隊が『市民活動を監視』、あなたの意見は
http://www.bnn-s.com/enq/enqVote.php

監視活動は中止すべき が33%もいるというのが、
日本の悲しい現状。

投稿: 道産子 | 2007/06/14 00:28

ああああー久しぶりのエントリー、嬉しいです!
○色のベンチからとか○っこのブログとか(他のブログを槍玉に上げるのは×ですけど、今回は特別に)とんでもないブログが乱立する中、ここは本当に信頼して読む事ができます!

後藤新平は侵略主義の手先などと言う人がいるのですか?信じられません(呆)。いかに真実を知らないか、ですね。左翼・右翼と安易な対立構図を作るのは危険かもしれませんが、やはり左系の人には理解できない面がありますね。これからもエントリー期待しています。

投稿: おれんじ | 2007/06/14 00:35

李登輝氏のような方が今でもいらっしゃって心強く思うと同時に、日本の現状を考えると恥ずかしくもあります。

道産子様
そもそも「自衛隊が『市民活動を監視』」というタイトルがおかしいですよね。共産党の発表内容を指しているのでしょうが、あれのどこが「監視」なんでしょう。「中止すべき」派の人はサヨクか、TVで言っていることをすべて真に受ける人か…

投稿: Zukin | 2007/06/14 10:04

毎回大陸から楽しく読みさせてもらっています
私は紛れも無い、右より!です
しかし大陸に生活すると
日本では分からない情報が伝わって来ます

まず台湾人
これは大陸に(場所による)うじゃうじゃする位います
日本人駐在員が全くかなわないほどの豪遊ぶりです・・・
しかも彼らは若いし中国語がおおよそべらべらです

大陸の人たちは彼らを決していい目で見ません
それは最近は改善されましたが
ほんの数年前までは、大陸人は家畜同然の使い方をされ
工場で働かされていました(こりゃ凄い蹴りは当たり前)
その為か日系企業の大半の従業員は台湾企業を嫌っています

そして中国系企業のセールスマンは
大陸や台湾系企業へのセールスを嫌います
これは取引金額の振り込みの遅延未払いがあるからです
日系欧米系はほとんどありません(たまに聞く)

また台湾系の会社はオーナー会社が多く
来月は注文100万個でも安い所があれば
その次の月は無し・・・こんな事がしょっちゅうです
中国人すら怖くて取引できない事があるようです
しかも困った事に日本製のパクリも
訴えても国なのか何なのか分からない所なので
ほとんど効果がありません
(これは大手メーカーで良く聞きます)
上記に当てはまる事は
外省人なのか内省人なのかまではわかりません

私は大陸派ではありません
台湾派でも香港澳門民主派でもありません
どちらかと言うと単純に日本派です
上記は大陸に実際に住んでの感想と事実です
但し李氏が日本人の心を持っていることは間違いありません
私は大陸で良く台湾人に声をかけられますしかけます
老人?(ちょと老人)達の美しい日本語と態度、
そしてとても気を配ってくれるその心は
まさに私が小さい頃の日本人その者です
このような日本人はどこに行ったのでしょうか・・・・

何気なくただ私の感想を投稿してみました

投稿: 駐在員 | 2007/06/15 22:23

『北朝鮮と台湾の関係』 核廃棄物

核開発などで何かと話題に上る北朝鮮と台湾の以外な関係をまとめてみましたので
ご参考まで。

 http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2004/00241/contents/500.htm

 http://72.14.203.104/search?q=cache:Dgo-61n9W8sJ:nippon.zaidan.info/seikabutsu/2004/00241/contents/500.htm+%E6%A0%B8%E5%BB%83%E6%A3%84%E7%89%A9%E3%80%80%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E3%80%80%E6%9D%8E%E7%99%BB%E8%BC%9D&hl=ja&gl=jp&ct=clnk&cd=2
 
  日本財団 図書館
  1997/06/10 世界週報

  必ずしも足並みがそろわぬ米側の対応

  加えて、四月一二日、李登輝総統は、イギリスの賓客との会見の中で、
  北朝鮮問題とそれに関する台湾の対応策に言及したといわれる。
  だが、かねてから話題となっていた台湾の核廃棄物を北朝鮮で処理する問題については、
  既述のギングリッチ米下院議長ですら李登輝総統との会見で抑制を促したもようである。

 http://ritouki-aichi.sblo.jp/article/31540733.html?reload=2009-08-27T15:15:16
  愛知李登輝友の会ブログ
   2009年08月23日
    のコメント欄をご覧ください

投稿: おなか一杯 | 2009/09/10 11:55

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