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2007/08/25

腐敗の温床・キャリア官僚の無責任

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       中国はジャーナリストにとって世界最大の監獄   国境なき記者団

わが国ではかつて、官僚組織は“世界最大のシンクタンク”と呼ばれ、戦後日本の成長と繁栄に大きく寄与したとして世間から賞賛されていた。1980年代半ばにバブルが起きるまでは。
が、バブルが崩壊し、建て直し策として規制緩和が進行しはじめると、官僚組織の存在価値は大きく変化した。“護送船団”や“行政指導”が時代にそぐわなくなり、官の権威とその指導的立場が大幅に低下したからだ。
にもかかわらず、官僚組織はそのことを自覚できず、逆にその防衛本能だけが際立ち始める。

そのことを痛感させられる出来事が昨日、明らかになった。

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厚生省は22日までに、社会保険庁の総務部長と運営部長について、年金記録不備問題の責任を問う形で事実上更迭する人事を内定した。24日付で発令する。両部長は社保庁では長官に次ぐ要職で、いずれも厚労省キャリア官僚。

一方、就任から3年を超えた村瀬清司長官(60)は、年金記録不備に関し歴代長官らの責任の所在を解明する総務省の「年金記録問題検証委員会」が9月中に報告書をまとめることから、その結果を待って退任する意向とみられる。

更迭されるのは、清水美智夫総務部長(52)と青柳親房運営部長(53)。それぞれ北海道厚生局長、九州厚生局長に転出する。総務部長は組織全体の管理が不十分とされ、運営部長は約5000万件の「宙に浮いた」年金記録への対応のまずさが問われた。

(共同)

社保庁の2部長を更迭 長官は9月にも退任

あれだけの不祥事を起こしていながら、次のポストが地方の厚生局長。栄転とは言えないかもしれないが、けっして左遷ではない。で、さっきのニュースで民間出身の村瀬長官はクビが決定したとのこと。
恐るべし、官僚の無責任体質、自己保身体質。
安倍首相はこれで選挙に負けたのに、わかっていないなあ・・・

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官僚の無責任体質、自己保身体質と言えば、忘れられないことがある。
1989年11月4日に発生したオウム真理教による坂本弁護士一家殺害事件に際し、神奈川県警に出向していたキャリア(県警刑事部長だった古賀光彦氏)が犯した罪だ。
当時、神奈川県警の公安警察官が起こした日本共産党の緒方国際局長宅盗聴事件を巡り、県警と坂本弁護士が所属する横浜法律事務所は対立関係にあった。
このため、このキャリア官僚は、明らかに“事件”の疑いが強いのに、単なる“失踪”と強弁し、本格的捜査を行わなかったのだ。
坂本弁護士一家が“失踪”した部屋にオウム真理教のバッジが落ちていたにもかかわらず、事件は何の進展もないまま5年が経過した。
このころ、このキャリア官僚が何と言っていたのか。記者たちに「君たち、事件だ事件だと騒いでいると、後で恥をかくよ」と言いはなっていたのである。
この男は、その後、愛知県警本部長~警察大学校長にまで出世した。そして2002年にはJR東海に監査役として天下りしている。

この時、神奈川県警が坂本弁護士一家“失踪”を事件として扱い、オウム真理教をもっと徹底的に捜査していれば、その後の松本サリン事件(1994年)や地下鉄サリン事件(1995年)、仮谷さん事件(1995年)などは防げたはずだ。
当時、このキャリア官僚の犯した罪を追及したのは、江川昭子さんと週刊新潮など一部のメディアだけ。大新聞やテレビは完全に黙殺。
今のようにネットが発達していたら、おそらく大問題になっていただろう。

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今回、更迭される二人のキャリア官僚も罪が重い。岩瀬達哉氏の「年金消滅の主犯を暴く」(文芸春秋8月号)によると、実態は以下のとおりだ。

「彼ら(キャリア官僚のこと:筆者)が管理を放棄して何をしてきたかといえば本省に戻る画策であり、有力な天下り先にスムーズに転出するための準備でした。長官職は腰掛という意識ですから波風を立てることなく無事任期を勤め上げることしか考えなかった」――厚労省年金局の心ある官僚は、こう語っている。
「かりに気骨ある長官が自分の意志を貫こうとしたとしてもノンキャリアの幹部職員たちが『それでは組合の反対にあい、つつがなくいきませんよ』とやんわりと脅しにかかる。社保庁の職員組合と揉めて、業務全体が停滞してしまうと長官の責任問題にも発展しかねませんからね。それじゃ、やめておこうと、ますます何もしなくなる」

「職員組合は社保庁から地方へ異動になったノンキャリアの幹部職員を徹底して骨抜きにしていった。政府関係者が言う。『本庁から地方に出る幹部職員を受け入れるかどうかを決めるのも、当時の自治労国費評議会でした。彼らは<着任交渉>といって東京から来た幹部を面接、必ず一度は追い返していた。二度目の交渉で受け入れるのですが、その間、さんざん揉まれているので本庁から来た幹部職員は、以後、自治労国費評議会に何も言えない精神状態になっていた』。長官でなく国費評議会が実質支配権を握っていた」

まさに、キャリア、ノンキャリア、職員組合(自治労)が三位一体となって年金を「ないがしろ」にしていたということだ。

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日本の官僚は、いつからこうもダメになったのだろう。1970年代までは、まだ「自分が国を背負っている」という気骨が感じられた(ような気がする)。
やっぱり、田中角栄氏の土建屋政治と、その延長線上のバブルに原因があるのだろうか???
敗戦の焦土の中から立ち上がり、「欧米諸国に追いつき追い越せ」が目標だった時代に「官」が果たした役割は大きかった。それは間違いないし、私はそれを評価している。
が、経済の高度成長が続き、パイが年々大きくなる中で、官僚は、もうそれをばらまくだけで良くなった。そこでは、ゆがんだプライドはあっても、国のために尽くすという使命感など既になかった――そう思う。

私が役人になったころ、もう30年前の話だが、当時のトップは元国鉄(旧鉄道省)のキャリア官僚だった。私は敵対していたが、清潔で骨があった、間違いなく。

行政改革は、まさに公務員改革である。
制度をいくらいじっても、その意識を改革できなければ、この国はつぶれる。

公務員の無責任体質を許すな!!!

【追記】
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コメント

外国のジョーク集にも官僚は日本と変わらない姿で書かれています。
また、官僚の人のサイト曰く官僚にも意欲のあふれる人はいても
「政治家とマスコミがせいでまともな人も辞めていく」と言う話です。

投稿: あかさたな | 2007/08/25 18:04

最近の官僚は先ず、キャリヤ組みからして歴史観が日本人のモノでは有りません。
今の大学でマトモな歴史を教えているのか?疑問です、自分で歴史を勉強するでなし、試験勉強だけの歴史観では世界で活躍どころか「謝罪」を繰り返す政治家のコメントに対して追随し「謝罪している」・「教科書で教えている」が精一杯でしょう。

無責任ほど出世する世界、出る杭は打たれる、責任を問われない様に素直に過ごすだけ、そして特殊法人を歩き通して人生終了、イラクで生涯を閉じられた外交官も忘れ去る「日本」も之を「後押し」、やってられないと思う人が増えるのも仕方が無いのかも判りません。

投稿: 猪 | 2007/08/25 19:08

 皆さんも聞かれたことがあるでしょう。公務員というのは、真面目に働いちゃ駄目なんですよ。のらり、くらりとやらないと。
冗談言っているのではありません。当方、大真面目に言っております。間違いありません。

投稿: 読者 | 2007/08/25 19:48

官僚もそうだけど、一般国民にも国のためという観念は皆無。批判されず楽で得することしか考えない。徳のある人はもはや政財界にも見られない。それを官僚にだけ求めるのは無理。道徳、誇り、名誉心、日本人が最初から、初心に返って学ぶ必要がある。

投稿: J。J | 2007/08/25 19:56

まともな人は辞めるのならまだいい。

政治家、他省庁、マスゴミ、上司の4方向から叩かれまくって自殺に追いやられた人も数多い。

こういう人はすぐに忘れられ、ゾンビの様に生き残った奴らが官界の顔になる。

投稿: のらくろ | 2007/08/25 22:21

 公務員バッシングの中身はどれもマスコミで報道される内容のことばかり。当然です、情報源がそこからしかありませんから。
 マスコミの情報は基本的に玉石混交です。的を得てるものや完全な誤りや誇大・誇張・ミスリード色んな意見の集合体です。ここにこられてる方たちも基本的にはその考えには同意してくれるものと思います。
 中韓の報道の仕方など疑問をたくさんお持ちだと思います。それが何故か公務員バッシングのことになるとマスコミの情報をすべて信用しているのです。
 何故このような状況になるのでしょうか。おそらく答えは公務員には興味がないからだろうと思われます。政策関係には強い関心があるのでマスコミの報道内容を自分の考え方を元に吟味されていると思うのですが、公務員の実態(全体像)にはほんとは興味がないため世論の公務員バッシングに安易に乗っているだけではないでしょうか。
 まるで中国の反日政策を国民の不満のガス抜きに利用している図式と同じように思えます。

 公務員側からの情報がほとんどないのも問題なんですが、マスコミの情報の鵜呑みだけはやめていただきたいものです。

投稿: 犬 | 2007/08/25 23:51

私は自分が公務員になろうとしなかったことに今更感謝している。

民間では、国際競争の中で必死にやらねば潰れるという意識が腐敗を防ぐ役割をする。(食品の賞味期限のように「隠す」意識が働いた場合は腐敗するが....)

公務員がその一つだが(出世競争という名の内部的な競争があるだけで)外部との競争にさらされない業界というのは腐敗し易いのではないかと思う。

投稿: KappNets | 2007/08/26 03:21

国民の批判に反省どころか逆切れし始めた様です。
マスゴミ共々、官僚虐めるな~!と・・・

東大卒キャリアいなくなる? 官僚バッシングに賛否両論
http://www.j-cast.com/2007/08/25010632.html

投稿: 茗荷 | 2007/08/26 06:52

この20年ぐらい前から官庁の上層部で取り仕切っているキャリアは
最も強大だった頃の日教組の教育を受けて育ちました
大学においても国のために働けなどと口走るのはとんでもないことで、そんな教授は一人もいませんでした

「人は皆、国家権力と対立する労働者である」というのが教育界の基本理念でしたから、いくら成績が良くても、国を背負うえでの概念や背骨は育っていないのはあたりまえです。

とにかく問題が表ざたにならないように、国会などで取り上げられた場合は自分にキズがつかないように、上手く火消しをする。
これだけに朝から晩まで頭を使うキャリア官僚を見てきました。

特に警察官僚は、上下関係の厳しい組織のなかで育つからでしょうか、出向先の他省庁の職務においても、このような勤務態度でしかも強引なやり方のひとが多かったです。
組織をあるべき姿から遠ざけ、無気力にするるだけの、有害なガンでした。

このようなキョリア官僚は実のところ、左に偏向したマスコミと手を組んだ形で、日本の官庁をダメにしています。
どちらも良い方向に早く向き直って欲しいものです。

投稿: RR | 2007/08/26 09:28

行政改革・緊縮財政路線に変わって、官僚の評価もどんな仕事をしたかではなく、いかにミスをしなかったかに変わっていったそうです。
その辺から官僚の気風も変わっていったのではないでしょうか

投稿: KAZ | 2007/08/26 12:40

人道で有名な「日本赤十字社」など酷いものです。実権を握る佐々木典夫氏(とーぜん天下り)は子息を縁故採用したりしてます。そもそもこの団体、様々な税金を免除されているにもかかわらず、主力の広尾の病院などは有り得ない大赤字。「企業努力」という概念すら持ち合わせないのですから論外ですが、いまだに役人クズレの言いなり。実態は「グリーンピア」等となんら変わりません。公共性を錦の御旗として未だ掲げるならば、経営のプロにまかすか、国自体が大ナタ振るうか、都内一等地にあるだけに真剣に検討すべき問題です。

投稿: ローニン | 2007/08/30 23:15

官僚組織の末端、といえば献血人道で有名な「日本赤十字社」など酷いものです。実権を握る佐々木典夫氏(社会福祉医療事業団経由とーぜん天下り)は子息を縁故採用したりしてます。そもそもこの団体、様々な税金を免除されているにもかかわらず、主力の広尾の病院などは有り得ない大赤字。「企業努力」という概念すら持ち合わせないのですから論外ですが、いまだに役人クズレの言いなり。実態は「グリーンピア」等となんら変わりません。公共性を錦の御旗として未だ掲げるならば、経営のプロにまかすか、国自体が大ナタ振るうか、都内一等地にあるだけに真剣に検討すべき問題です。

投稿: ローニン | 2007/08/30 23:24

腐敗官僚組織といえは「人道献血」でおなじみの「日本赤十字社」なども典型です。現在、実力者の佐木のりお氏(当然天下り、昔の社会福祉医療事業団経由)などは子息を縁故採用させたりしてます。またこの団体は様々な税金の免除をされながら、所詮は武士ならぬ公家の商法らしく、お膝元の広尾の病院などは有り得ないほど大赤字です。公共の利益を錦の御旗にするからには、医療経営のプロに委託するか、一等地である土地もろとも国へ返上すべきでしょうに。ところで、日赤社内には二重三重の天下り子会社もあり、ボロい老後も送れます。

投稿: ゆうどう | 2007/08/30 23:49

官僚批判の一つに「昔はよかった」というのがある。かつての官僚は優秀で、だから日本は絶好調だった、という説だ。しかし、高度成長は官僚がもたらしたものか,単に高度成長したから官僚がよく見えたのか、はっきりしない。結果的に高度成長したからよく見えただけとも考えられる。少なくとも専門の学者で過去の官僚を褒める人は少ないだろう。

官僚は有り余る金を元手に一種の調整型リーダーの役割を果たそうとする。産業を「保護」して「育成」するという考え方だ。明治の初期のように国が若いときは優れた官僚の調整は効果が出易かったろう。

しかし文系の官僚に技術が分かっている筈はない。金だけはある素人が調整型リーダーとして采配するだけだ。戦後の成長期にやることが当たったように見えたのは偶然かも知れない。中国を見ても分かるように弾みがつけば後追い成長は楽なのだ。

成熟期に入ると、次第に難しい判断が求められる。今の官僚は自信がないだろう。よかれと思っても国が作った遊園地には人が入らない。昔ほど社会の動きが単純でないからだ。産学官とか言って金を使い,国家プロジェクトをやる。これらの効率もさほど良いものではない。教室破壊や医療破壊は官僚の想像の域を超えるものかも知れない。年金もどうしてよいか分からない。

小泉改革で何人かのリーダーが活躍したように、よくものの見える人が私利私欲なくリードする、そういう体制が必要なのだと思います。

投稿: KappNets | 2007/08/31 12:49

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