« 共産主義はなぜ破綻したのか?(2) | トップページ | 左翼とは正義感の強い「ばか」 »

2007/08/02

意外と多い「安倍続投」の世論

今回の参院選の結果について、朝日、讀賣2大紙の興味深い世論調査が報道されている。

参院選での自民大敗を受け、朝日新聞社が30日夕から31日夜にかけて実施した緊急の全国世論調査(電話)で、安倍首相の進退について「辞めるべきだ」は47%で、「続けてほしい」の40%を上回り、続投を表明した首相に対して厳しい見方が示された。

安倍内閣の支持率は26%(前回=21、22日=30%)と、昨年9月の発足以来最低。不支持は60%(同56%)と初めて6割台となった。政党支持率は民主が34%と自民の21%を大きく上回り、選挙結果を反映した形となった。

~(後略)~

(2007/08/01 朝日新聞)

読売新聞社は30、31の両日、参院選の結果に関する緊急全国世論調査(電話方式)を実施した。自民、公明の与党が惨敗し、民主党が第1党となった選挙結果について、「良かった」が64%で、「良くなかった」の21%を大きく上回った。

ただ、安倍首相が続投を表明したことについては、「評価しない」が45%、「評価する」が44%だった。今回の選挙結果を首相に対する不信任とみなす声もあるが、首相の続投を支持する世論と退陣を求める世論は拮抗(きっこう)していることが明らかになった。

安倍内閣の支持率は31.7%、不支持率は59.9%だった。投票日直前の24~26日に実施した参院選第6回継続世論調査(電話方式)と比べ、支持率は4.8ポイントの減。不支持率は8.1ポイント増えた。

~(後略)~

(20007/08/01 読売新聞)

朝日は安倍続投支持が40%で、不支持が47%。
讀賣は安倍続投支持が44%で、不支持が45%。
朝日と讀賣の調査を比べてみていつも思うのは、全体の傾向はよく似ているが、朝日はやや自民党に厳しく、讀賣は逆にやや自民党に甘くなっているということだ。
意図的かどうかはわからないが、両紙の政治的スタンスの違いがそれぞれの世論調査の結果に反映されているのは間違いないと思う。

今回も朝日は、安倍続投不支持が支持を7%上回っているのに、讀賣はわずか1%の差に過ぎない。これをもって朝日は「首相に対して厳しい見方が示された」と書き、讀賣は「首相の続投を支持する世論と退陣を求める世論は拮抗(きっこう)している」と書いた。
47:40と45:44、私からすれば大きな違いはない。どちらの調査も4割以上の国民が安倍続投を支持している。つまり、自民党は大敗を喫したが、それが即「安倍退陣」という大きな流れにはなっていないということだ。
私はこれを「首相に対して厳しい見方が示された」と書く朝日に「安倍憎し」の政治的意図を感じる。書くとすれば、「大敗にもかかわらず、続投支持が4割もある」と表現するのが適当なのではないか。

安倍内閣の支持率についても同じことが言える。不支持が支持を大きく上回っている点は両紙とも変わりはない。が、朝日は30%を割り込んでいるのに対し、讀賣は30%台をかろうじて維持している。
30%台と20%台では、支持率が低いという点は同じでも読者に与える印象はずいぶん違う。ここにも朝日と讀賣の違いがよく表れている。

中には、世論調査なんて信用できないという人がいる。が、私にとっては参考になるし、大きな流れはつかめると思っている。ただ、以上書いてきたように、1紙だけに頼るのは危険であるということだ。

民主党が勝利した理由についても、興味深い結果が出ている。

(朝日新聞)
民主が議席を増やした理由では、「自民に問題がある」が81%に達した。「政策に期待できる」は9%、「小沢代表がよい」は4%にすぎない。民主そのものへの評価というより、自民に対する批判の受け皿として議席を伸ばした面が強いといえそうだ。

(讀賣新聞)
民主党が議席を大幅に増やした理由(同)では、「安倍首相や自民党への批判」68%が1位で、大躍進の要因を“敵失”とみる人が多いことがうかがえた。「政権交代への期待」が39%で2位だった。

朝日も讀賣も、自民の自滅と見る国民が圧倒的だ。「自民に対する批判の受け皿」(朝日)、「大躍進の要因を“敵失”とみる人が多い」(讀賣)というのが正解だろう。
それにしても、朝日の「(民主の)政策に期待できる」は9%、「小沢代表がよい」は4%にすぎない、には笑った。

【追記】
このブログでは「チョン」とか「チャンコロ」という表現を使ったコメントは削除対象になります。
もちろん、侮蔑でない場合は別ですが。

|

« 共産主義はなぜ破綻したのか?(2) | トップページ | 左翼とは正義感の強い「ばか」 »

政治(国内)」カテゴリの記事

コメント

1000万の選挙前の投票数は殆どは自治労・官公労・日教組のものでしょう。
朝日のアンケート良く出したものです、民主党に投票した人の中には一票の重さを感じた人が居れば、今回の選挙の意義があったと思うように考える事にしました。

年金の一番責任を感じなければいけない自治労の役員を参議院議員に仕立てた民主党・日教組の親玉みたいなのを参議院議長に推薦してきた民主党、こりゃ誰でも政権担当能力を疑うのが当たり前の話。

安倍氏に唯一失策が有るのは人事でした、一番大事な事ですからこの点大きな反省時間を呉れたと「感謝」しても良いと思います。人事が基本ですからしっかりとして欲しいものです、民間で人事の失敗は倒産に繋がる事ですから更迭で済むとは思っては居られないでしょうが、2度の失敗は許されません。

人材が居ないと感じたら、民間から登用する総理の自由でしょう、2人位は良いのでは無いでしょうか?
選挙の洗礼を受けたと言いいながら、ひも付きの議員さんが大勢居ます
から中味は空っぽ、子の七光りで自民でも民主でも良い、なんて議員も湧き出てきた世の中、民意?難しいですね、国を無くした民意ですから小泉劇場選挙で極悪面でも「生活第一」でザーと民意が動く、ホントに怖い日本に成りました。

投稿: 猪 | 2007/08/02 16:49

これだけの敗北を喫しながら、なおかつ安倍首相続投が意外と多いのは、なんとなくかわいそうだなという空気があるからでしょうかね。
 自分自身の不祥事ではないのですから。そのあたりも国民は見ているということでしょうね。
 人事って大事ですね。痛感したと思います。

投稿: shu | 2007/08/02 21:51

前回の転載、ありがとうございました。
 小泉氏は篭城して人事を好き勝手に動かしたと言われますが、あらゆる分野で人材を熟知する事は難しいでしょう。確かな資料のもとで、自分流を模索したのだと思います。 その資料の出が怪しいと、仕事のできる貧乏神を選んでしまうことになるしょう。 孔明のいない劉備は愚直で終わったかもしれません。安倍氏にも優秀な軍師がほしいですね。

投稿: さるさ | 2007/08/02 22:47

今回の参院選挙の結果について、日本国内のメディアよりFT紙の方がよほどまともで正確な分析をしているようです。他ブログからの拝借ですがJapan's election was won by default日本の選挙は不戦勝)FT:July 30 2007→http://blog.goo.ne.jp/kitaryunosuke/m/200707
「安倍氏と自民党の、今週末の参議院選挙敗北は自業自得である。日本にとっての問題は、小沢氏と民主党がこの勝利を得る資格を持たなかったことである。」全くその通りです。この頃テレビを付けると、したり顔したコメンテーターが「阿倍総理はやめるべき」などと言いたい放題。民主党の勘違い菅直人にも腹が立つが、一番むかつくのは桝添ですね。何様のつもりなんだか。

投稿: tarochan | 2007/08/02 23:28

私も自治労所属で期日前投票しましたよ。ただし比例は髭隊長、選挙区は候補者の顔見て民主党候補に入れようかと思ったが、マスコミの偏向に腹が立ち、自民党候補へ(8時にNHKの落選報道があったが、最終的には僅差!)
安倍続投が多いのは単純に見た目の問題あるかも。

投稿: 愛子様の弟 | 2007/08/02 23:43

ところで今回の参院選、野党の大勝・与党大敗で終わりましたが、
毎度おなじみの恒例の一票の格差訴訟は行われるのでしょうか?
選挙においては、投票価値の平等が出来うる限り担保されるのは当然ですが、
原告が真に投票権の平等を望んでいるのか、政府・与党攻撃の方便に過ぎないのか、
私としては、顛末を注意深く見守っている所です。

投稿: suk | 2007/08/03 01:47

朝日素粒子の屍が見たいです
自らは紙面の裏に隠れて、姿も名前も住所も明かさず
一見庶民の味方ヅラをしていますが
本心は薄汚い私利私欲にまみれて、悪党の所業を欲しいままにしています
国を思う自分の信念に基づいて国の最高指導者として政治を行っている安倍首相を
政策とは関係の無い言動、しぐさ、事務的な措置を取り上げて
毎日毎日、読むに耐えない下品なせりふで、オチョクリ、辱め、バカにしています
首相だけにとどまらず、首相と自民党をこれまで支持して過半数を占めてきた無垢の庶民の真心を
虫けらのように扱い、惨めで不愉快な心境におとし入れています
「許せない」と啖呵を切って、自民・安倍支持派庶民のつのる恨みを晴らしてくれる「闇の仕掛人」が
この世のどこかに実在しないものでしょうか

投稿: 安倍・自民支持の庶民 | 2007/08/03 08:46

管理人さま、私なりの安倍自民党の敗因分析です。

(1)地方への交付金が大幅に減り地方経済は苦しい。別に自民党だけが
  悪いわけではないが、この事実を「自民が悪い」に小沢氏にすりか
  えられた。前の「郵政民営化」を分析されて返された。「生活が
  一番」は、実際は「民主党議員の生活が一番」の意味だが。

(2)テレビではIT長者ばかりが目立ち、地方で漁業や農業をする方に
  光が当たらなかった。やはり地道に働いている者は、おもしろく
  ない。ライブドアの堀江氏は亀井静香・元自民党政調会長の「刺
  客」として無所属で立候補しているが、自民は後押しした。
  自民党は、自分の選挙基盤がどこか忘れているのではないか。
  また建設業者が自民党を支持しても何も利益がでなくなり、支持を
  やめている。

(3) 年金問題などで片山さつき議員が民主党議員と論争して負けたの
  には失望した。またサラリーマンの税金がびっくりするくらい上
  がり、政権政党に怒りが向かう。これで選挙が戦えるわけはない。
 --------------------------------------------------
 サラリーマン :増税に怒り。競争で仕事もキツくなっている。
  公務員   :異常な公務員バッシングに怒り。特にボーナス
         返納を依頼された社保庁職員の恨みは大きい。
  教員    :理不尽なほどの教師叩きに怒り。日教組を叩く
         のはかまわないが、まじめに仕事をしている教員
         も安倍首相に「国民の敵」にされて怒る。
---------------------------------------------------  
(4) 情報分析力が不足している。たとえば安倍首相の奥方の「韓国大
  好き」ぶりは大きく巨大掲示板で取り上げられ、ネットユーザの怒
  りを買う。また安倍氏の中国・韓国に対する実質的な姿勢には共感
  するが、しかしどこかあまやかすような態度はなかったか。
   たとえば首相の最初の外遊先は中国である。小泉氏は靖国神社に
  行った。でも安部氏のあいまいな態度は、戦術としては上等でない
  気がする。また自分の演説ヘタを自覚するなら、もう少し練習する
  とかして欲しかった。実績はどの総理にも負けないのだから。

 
 すでに朝日新聞や、テレビ朝日は日本のメディアではありません。
これほどの安倍憎しは、すでに報道の粋を超えています。しかし時代が
変化している中で、自民党の票田である地方や農民、土建業がとりのこ
された不満が今回の選挙結果だっとかと思います。変わる事への恐怖は
年金世代の老人を中心に深刻だったのでしょう。これが老齢化社会の
特徴です。すでに日本では変化や競争は好まれないのです。
 安倍首相は、今回の失敗から多くのことを学べると思います。がんばって下さい。

 このブログを読む自民党関係者の方。管理人氏と首相の会談をセット
できませんか?安倍首相は、案外ネット言論に遠いのではないでしょうか。きっと力になれると思いますが。サヨクの思惑も理解できるわけ
で、ボクシングと柔道が達人の格闘技者のチャンピオンのようなものです。こういう方は強いですよ。


投稿: 普通の国民 | 2007/08/03 15:53

安倍総理の敗因は年金だとか人事だとか言われたりするが、もっと深読みをする人があちこちにいる。私の感じることを代弁してくれたような文章に出会ったので、それをもとに再度整理してみる。要するに阿部さんの発言に矛盾を感じるということだ。

小泉さんはグローバリズムに乗ることに徹底していた。農村をたたいて都市を優遇してくれる雰囲気があった。これは都市の住民に受けた。

ところが安倍さんは美しい国と言い出した。美しい国とは何か未だに分からない面が強いが、地域社会とか、環境とか、ともかくグローバリズムや小さな政府とは違う要素を持ち込みたいのだろう。格差や少子化に対策するようなことも小出しに言ってみたりする。これらの多くは<社民>にこそ相応しいテーマなのに。

年金問題を組合のせいにし、大臣の不祥事を徹底的にかばったことは保守にふさわしい人物というイメージを消した。

外交的には米国従属を貫くのかと思ったら、慰安婦問題で独自性を発揮し、米国を怒らせた。米国と中国の仲が良くなっており「アメリカ従属」と「安倍的ナショナリズム」の両立が難しいことを読み違えた。

野党の方が「社民主義」の筋が通っていた。自民党は野党のマニフェストを「ばらまき」と批判したが、自分が昔何をやってきたのかすっかり忘れているだけの話だ。

有権者は「自民ヤミナベ定食」を避け、社民的経済政策がはっきりして憲法は入らない素朴な「民主定食」を選んだ。

もっともイラク特措法をどうするか、政権を取ったことのない民主党もいよいよ正念場ではある。

投稿: kappnets | 2007/08/03 17:25

いつも楽しみに拝見させていただいております。
朝日新聞で安部さん辞任指示が56%?だとかというのが書かれているのを見て、色々と不安になっています。
(信用できない新聞とはわかっていますが)

http://specificasia.seesaa.net/article/50806809.html#more

また、ここの記事を見て小沢と交代なんて事になってしまったら・・・
と追い討ちをかけるように不安さが増しました。
私は世の中に疎いのですが、スパイだなんだとコメントに書かれてるのをみてしまったからです。

坂 眞さんはこれをどう思いますでしょうか?
本当に、日本はどうなってしまうんだろう・・・

投稿: 不安になる人 | 2007/08/10 01:38

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/91171/15983082

この記事へのトラックバック一覧です: 意外と多い「安倍続投」の世論:

» 遅すぎた更迭の衝撃-各紙社説 [雅薫の関心空間]
◆http://megalodon.jp/?url=… [続きを読む]

受信: 2007/08/02 17:39

» 世界が歓迎する「安倍大敗」(笑) [湖北庵通信(旧 浦安タウンの経済学)]
安倍ちゃんが負けて表面上焦っている「アメリカ」です。 あわてて、 ※テロ特措法問題に神経とがらす=「脅威」かざして延長促す−米 ※日米同盟の重要性と対テロ戦争への日本の貢献をたたえる決議案を全会一致で可決     ... [続きを読む]

受信: 2007/08/02 22:21

» 保守大敗(1)拉致被害者の生命を無視した有権者は姉歯秀次以下,JR西日本並み [雅子皇太子妃殿下そして皇太子(東宮)御一家を憂う]
★国民の声が「悪魔の声」と化した衆愚選挙. ★争点は選ぶものではなく課せられるもの. ★拉致被害者の生命・人権を軽視・無視して自分の生活・年金を選んだ国民は姉歯秀次以下の犯罪者. ★さらに,この結果横田めぐみさんたちを救出できなかったら,JR西日本とさえも同罪. ■ 今回はいささか以下のエントリの選挙後版になってしまうがご容赦いただきたい. 「国家こそ、第一」あなたは「売国へ一票」を投じますか?民主党政権は日本解体への道 http://bluefox-hispeed.iza.ne.jp/blog/e... [続きを読む]

受信: 2007/08/11 00:40

« 共産主義はなぜ破綻したのか?(2) | トップページ | 左翼とは正義感の強い「ばか」 »