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2007/09/10

“政治的選択”としての“親米”はどこまで?

このバナーは、2008年8月7日まで常にトップに表示されます。ボイコットに賛成の方はこちらまで。Bandeau_gb
       中国はジャーナリストにとって世界最大の監獄   国境なき記者団

各種報道によると、安倍首相は昨日、11月1日に期限を迎えるテロ対策特別措置法の延長問題で、「民主党はじめ野党の皆様のご理解をいただくため、私は最大限の努力を払わねばならないと考えている。そのために全力を尽くし、職を賭(と)していく考えで理解を得ていく」と述べたそうだ。
これは、APEC首脳会議後の記者会見での質問に答えたのものだが、この発言のあとに「そこで私の職責にしがみつくということはない」と強調した。
この首相の発言は、永田町では、インド洋における海上自衛隊の給油活動が継続できなくなった場合、内閣総辞職もあり得るとの考えを示唆したものと受けとめられている。

アフガンでの対テロ作戦(不朽の自由作戦=OEF)に参加している国は以下のとおり。

アフガン本土に部隊・将校等を派遣している国
米、英、仏、加、韓、モンゴル、NZ、ポーランド、ルーマニア、トルコ等20カ国
「海上阻止活動」(OEF-MIO)に従事している国
米、英、仏、独、パキスタン、加、NZ、日本(8カ国)
米国によれば、「不朽の自由作戦」に対して何らかの協力を行っている国は約75カ国である。

このような状況下で、わが国だけが「一抜けた」というわけにはいかない、これは国際公約であり、一国の総理大臣として政治生命をかける、というのもわからぬではない。
まあ、発言のタイミングの問題はあるだろうが、それくらい重要な問題であるということだ。

ただ、今日は、この件に関してこれ以上言及しない。
それより、この問題の根底にある“日米同盟”及び“日米関係”について、思うところを書いてみたい。

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わが国の政治の主流は“親米”保守であるとされている。歴代自民党政権もそうだった。が、心の底から“親米”というのは案外と少ないのではないかと思う。
まあ、小泉首相は「心の底から“親米”」だった可能性はあるが、大半の保守政治家は“政治的選択”として“親米”を選んでいるような気がする。

なぜなら、日米同盟なくして日本の安全保障は維持できないからだ。
安全保障というのは、政治・経済・軍事のすべてを包括的に捉えなければならない。政治的安定、経済的繁栄、軍事的裏付がなければ、国民の安全と国家の平和を守ることはできない。で、そのためには米国という傘が必要―そういうことだと思う。

私も、そういう意味で“親米”である。

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ただ、米国と真の同盟国になれるか、“東アジアの英国”になれるか、というと、それは大いに疑問だ。
米国人の実に68パーセントが、悪魔がいることを信じているとの統計がある。ダーウィンの進化論を信じている人は、わずか28パーセントにすぎない。
「神様が、聖書に書いてあるとおり、1週間で宇宙を創造した。われわれ人間はサルから進化したのではない。最初から特別な存在として神様が創造したのだ」と信じている人の方がはるかに多く、48パーセントにも達する。
このような米国人の宗教気質(かたぎ)が、米国内でキリスト教右派(原理主義)を伸張させる背景になっている。
こういう宗教国家と「真の同盟国になれる」とは私は思わない。

キリスト教右派(原理主義)が伸張する理由は、悪化する治安、退廃した道徳、伝統的家族の価値の崩壊、カネがすべてという風潮―にたいする反発と危機感、古き良き時代の米国への回帰である。
このような問題意識はわが国の保守的国民と似ているのだが、それがキリスト教右派(原理主義)にたどり着くところがいかにも米国らしい。

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米国を嫌っている国(国民)は多い。もっと正確に言うと、米ブッシュ政権を嫌っている国(国民)は多い、とするべきか。反米意識の強いアルゼンチンだけではなく、同盟国(隣国)のカナダでも、そして今、APECが開催されているオーストラリア(同盟国)でも、反米(反ブッシュ)デモが起きた。

なぜ、今の米国は嫌われるのか?

原因の一つに、米国内でのキリスト教右派(原理主義)の台頭がある。キリスト教右派(原理主義)は、政治的にはネオコン(Neo Conservative)と結びついている。
キリスト教右派(原理主義)は極めて道徳的で、妊娠中絶、同性婚、マイノリティー優遇、ジェンダーフリー、セックスの自由、違法移民、これらはすべて「悪」である。
このあたりの道徳性の厳格さはネオコンも同様だ。
で、何よりも「聖書に書いてある」ことを信じるキリスト教右派(原理主義)は、パレスチナはユダヤ人の土地と思っており、中東(ユーフラテス川からナイル川までの「約束の地」)はユダヤ人が支配すべきと思っている。
このあたりの考え方もネオコンと同じ。

ネオコンは、米国は世界に「自由と民主主義」を広げるために神によって「選ばれた国」だと考えている。だから神により選ばれし米国が、「自由と民主主義」を神に代わって世界に広げていくことは、神からの「使命」だと思っている。

で、彼らはイラク戦争を始めた。
その根底にあった考え方は
①米国型の民主主義を世界に強制すること
②イスラエルの中東支配を成就させること(その手伝いをアメリカにさせること)
③そのためには「先手必勝」の先制攻撃をかけること
である。

まったく乱暴な考え方だが、こういう勢力が宗教的背景を持ってそれなりの力を持っているというところが怖い。

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米ブッシュ政権の第1期目は、文字どおりの「ネオコン政権」だった。
ブッシュ米大統領は、就任後の2002年9月、「米国は、最強の軍事力と政治、経済的な影響力を自国のためのみに用いるのではなく、テロリストや独裁者の脅威から平和を守り、大国間の良好な関係を築き、自由で開かれた社会をすべての大陸に奨励することで、この平和を保ち、拡大させる」というブッシュドクトリンを打ち出した。
これは、まさに“ネオコンの論理”そのままである。
このネオコン流の「自由と民主主義」の“奨励”は、その背後に軍事力があるのだから、他国から見れば“強制”である。こんな姿勢を取る米国(ブッシュ政権)が他国から傲慢と受けとめられるのは、ある意味「当然」でもある。
だから嫌われる。

ネオコン流の、米国式「自由と民主主義」を軍事力と政治、経済的な影響力によって世界に普及させようという考え方は、もはや「価値観」を超えて「イデオロギー」の域に達している。共産主義を暴力(武力)によって世界に普及させるというマルクス主義に通じるところさえある。
まあ、ネオコンのルーツは、東欧出身のユダヤ系トロツキスト(共産主義者)という説もあるので、ネオコンというのはその“裏返し”なのかもしれない。

ネオコンから“転向”したジョンズ・ホプキンス大学教授のフランシス・フクヤマ氏によると、米国(ネオコン)は、イラクのフセイン独裁政権を倒しさえすれば再建(民主化)は容易にできると考えていたそうだ。第2次大戦後の日本が民主化されたように。
これも乱暴な考え方だが、ネオコン流の「自由と民主主義」がイデオロギーであると考えれば納得がいく。

2期目のブッシュ政権は、ネオコンの影響力が低下し、国際協調路線に転換したと言われているが、ブッシュ大統領は最近も、日本の民主化を例に挙げてイラクの民主化が可能であるかのような発言をしている。
まだ、ネオコンの影響力は残っていると見るべきなのだろう、フクヤマ氏が言うように。

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見方を変えると、イラク戦争やアルカーイダ(テロ)との戦いも、「イスラム教原理主義とキリスト教原理主義の戦い」なのだ。
世界を「善悪二元論」で捉え、米国は常に「善」であり、「正義」であるとする。だから、イスラム原理主義者が米国のみならず、米国民であるというだけで敵視するわけだ(けっして肯定しているわけではない、念のため)。

まあ、キリスト教右派(原理主義)が敵視する民主党(リベラル派)が大統領選で勝利すれば、いくらかは変わるのだろう。が、民主党もリベラル票だけでは大統領選に勝てない。で、右派に気を遣うことになる。
つまり、中東(ユーフラテス川からナイル川までの「約束の地」)はユダヤ人が支配すべきと考える人たちが、国民のかなりを占めている限り、テロとの戦いが終わることはないし、世界から「米国の絡む紛争」がなくなることもないということだ。

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韓国の盧武鉉政権は、「韓国の戦略的価値は終わった」「韓国が米国側の要求を受け入れない場合、駐韓米軍を撤退させる状況が来ることもあり得る」とブッシュ-ネオコン政権から恫喝された。
ブッシュ-ネオコン政権が終わっても、米国のこの基本的スタンスは変わらないと思う。わが国が盧武鉉政権のように“反米”に走った場合、「日本の戦略的価値は終わった」と恫喝されることもあり得ないことではない。

西に中国という膨張国家が控えている今のわが国には“米国”という選択肢しかない。それが、世界を「善悪二元論」で捉え、自国は常に「善」であり、「正義」であるとする国であってもだ。
沖縄近海(沖縄トラフ)までを自国領と主張し、現に海底資源の開発を行っている中国。この国と米国を対等に扱い、日・米・中の正三角形を作るという民主党の主張など幻想でしかない。
が、常に「自国の絡む紛争」を地球上に抱える米国と“地球規模”の“運命共同体”にはなれない―私はそう思う。

わが国が米国と利害を共有するのは、東アジアと「中東までのシーレーン」であり、日米が“運命共同体”たりえるのはこの範囲だと思う。

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米国に「日本の戦略的価値は終わった」などと言わせない(つまり“反米”には走らない)。かといって、すべてが米国の言いなりにはならない。わが国の意志を通しつつ日米同盟を堅持する―これが最良なのだろうが、米国との距離の取り方はむつかしい。

やはり、憲法を改正し、自衛のための軍事力及び集団的自衛権とその行使を認める―これが最低条件だろう!で、東アジアにおけるわが国のプレゼンスを軍事的にも高める。
この、わが国の東アジアにおける軍事的プレゼンスの拡大は、極東における兵力を中東までのチョークポイントである南アジアにシフトしようとしている米国の戦略にもかなっている。
逆に言えば、これができなければ、わが国が日米同盟の中で「自らの意思を通す」状況を作るなんて永遠にできない。どこまで行っても「米国の傘」頼みの従属的同盟関係しかありえない。
そういうことだ。

ただ、わが国の政治は、憲法改正が遠のいた状況にある。当面は“政治的選択”としての“親米”を、いびつな形(従属的な形)で進めざるをえない、ということだ。

※データ等の出所は、過去のエントリを参照しています。

関連エントリ1:草の根のキリスト教右派
関連エントリ2:ネオコンとブッシュ外交
関連エントリ3:ネオコン対アルカーイダ
関連エントリ4:ネオコンの影響力は低下したのか?

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コメント

宗教の政治的台頭、悪化する治安、退廃した道徳、伝統的家族の価値の崩壊、
カネがすべてという風潮にたいする反発と危機感、古き良き時代の祖国への回帰。

まんま極東の島国ですね。アメリカでも格差の問題が問題視されていますし。
結局、隣の芝生は青いのか。

投稿: あかさたな | 2007/09/10 17:27

坂さんが考えるアメリカと協調しつつも従属しない立場を作るための戦略が、
安倍さんが進めてる日米濠連帯であり、
麻生さんが語る自由と繁栄の孤(通称中国包囲網w)ですね。
ヨーロッパでのNATOとアメリカくらいの関係を、
日本がアジア・太平洋地域で包括的軍事(+経済)協力連帯を確立した上で、
改めて対米協力を見直せば、作れると思うんですけどね。

投稿: 兎々 | 2007/09/10 17:56

はじめまして
世界中に、いろんな人種が散らばっていますが、ユダヤ人も華僑『中国人』もいろんなところに居ます。国際紛争にはいろいろありますが、そこに共通点があります。白人降り立つところに紛争あり。
キリスト教は重大な欠点を持っています。日本人には『右のほほを打たれたら左も差し出す』的な人道主義の宗教と思われていますが、それには少し誤解があります。
『神はただひとつ』『この神を信じないものは神の支持を得られない野蛮人』『信者でないものは地獄行き』
この根底に流れる『ユダヤ人の苦難の歴史』は省くとして、キリスト教の根本の教義が問題なのです。
人種差別・奴隷・金持ちの白人による他国での搾取などの国際紛争をもう一度見直すと悲しい実態が見えてきませんか。
魔女裁判など一度歴史書を読み返すと醜いキリスト教の実体と白人の考え方のゆがみも見えてきます。
なぜ『ジャパン』であって『ニホン』とアメリカ人やキリスト教者が呼ばないのか考えてみてください。
バチカンではキリスト教がほかの宗教から憎まれないよう苦慮しています。

投稿: 心象仙人 | 2007/09/10 22:42

米国は日本が国連でも安保理常任理事国入りに賛成していません。通貨「円」がアジアに流通するのも嫌いました。核査察は現在も日本とドイツの核を監査するのが目的になっています。昔米国のプロレスで、日本人選手(実は違う人種)がチャンピオンにだまし討ちをかけるパフォーマンスを行っていました。真珠湾の記憶は薄れることはないようです。戦争に負けた民族を、勝った民族が尊重することはないかもしれません。
 ところで日本では織田信長が徹底的に僧兵を持つ一向一揆衆などを叩き、そのおかげで宗教色の薄い現代日本ができた、と言われています。宗教と政治が一致する恐ろしさは日本にもあります。「お世話になった学会に感謝申し上げる」とハッキリ言っている政党が。その政党を見ますと管理人さまが指摘する「米国とその宗教くささ」の危険性がよくわかります。どちらも一神教である点が似ていると思います。

投稿: 普通の国民 | 2007/09/10 23:30

お邪魔します。
日本と韓国を並べて述べておられますが,両国の事情は違って,
「日本が米国側の要求を受け入れない場合、駐日米軍を撤退させる状況が来ることもあり得る」
と米国が言い出すとは,私は思えないのですが。
言うとしても,日本政府が譲ることを見越した上で,または裏約束した上で言う程度ではないでしょうか。
真に日本の国益のために,強かにそのあたりを利用できる政府であれば,「わが国が日米同盟の中で「自らの意思を通す」状況を作る」ことは可能ではないかと思うのですが。

投稿: WontBeLong | 2007/09/11 01:17

 日本が嘗て戦争をした国とは、大清帝国、帝政ロシア、そしてアメリカ合衆国でした、いずれも、隣の国で、版図的に大国で、且つ軍事大国でした、そして、これらの国は、未だ、軍事大国で、常任理事国で、核保有国なのです、これら周辺国と可能な限り仲良くやらねばならない事は、基本的な国是である事ハマチが以内、しかし、相手が此方と同様に、「仲良く」やっていこうと思っているとは限らない、必要な争いを避けて一方的に云う事を聴いていれば、何れ侵略されて国を失うのは歴史の必然です。

 日本は真に独立主権国家として、これら世界でも有数の大国と伍して行かねばならないのです、大国の間で右往左往しているチンピラの様な強請集り国家と手を結んでも百害有って一利無しナノは言を待たないが、平和裏に推移する間に日本はこの害虫のような連中に大分侵食されている様です、随って、日本のこれからの平和と安定、そして繁栄のために我々は何をなすべきなのか、と云いますと。
1)スパイ防止法制定の上、スパイ天国の日本を、まともな情報管理された国にする事。
 ①報道機関への報道基準を通達した上、その基準に基づいて、マスコミの売国病感染者を摘発、その数によっては放送免許の取り消し、改善命令を出して、取り消し局と同系資本による放送媒体の復活は認めず、改善期間中は免許停止とする。
 ②TV局職員、日弁連所属の弁護士、日教組の加盟員等の要注意人物の身辺調査も始めて、売国性の高い違法行為が有れば、組織の解散を銘じる、違反者は不法滞在の外国人扱いとして、日本国民の権利剥奪の上、同じく国外追放とする。
 ③入国管理令を強化して、不法滞在のの外国人を祖国へ送還、再入国禁止とする。
2)憲法改正の上、国益を護れる態勢を築く事。
 ①戦術核の範囲で、核武装する。
 ②自衛隊を軍に昇格させ、予算を向こう10年倍増して、最低でも現在の2倍の兵力、2~3年の継続戦闘能力を維持できる水準まで強化する。
 ③竹島からの外国人の排除、国境の画定交渉を、ロシア、シナと正式に行う。

 最低是位はやらねば、日本の平和も安定も繁栄も、現在以下の絵に描いた餅に過ぎなくなります。

 特に日米同盟では、米国の一方的な庇護される同盟国の位置から、独自に自国を護れる能力を有したレベルでの「横並び」に近い同盟へと質的変化を求められて居ると思います、亦、ソウでなければ、未来永劫、日本はあらゆる面でのアメリカの干渉・桎梏から脱する事も出来ないでしょう。

 しかし、その為には対外戦略の要となる、先ず外交そして軍事面での改革、特に情報管理システムの厳格管理化が必要でしょう、勿論、スパイ防止法の早期制定が前提です。

投稿: ナポレオン・ソロ | 2007/09/11 09:50

過去のエントリーで大草原の小さな家がアメリカ人の理想という話がありましたが、
それの書き込みをサザエさんに置換すると、まんま日本ですよね。
やはりどこの国にもその国の国民に「良かった」と思わせる時代を舞台にした家族ドラマってあるんですね。

投稿: あかさたな | 2007/09/11 10:32

はじめまして

今までいろんな方の記事を読んだのですが、一番納得できる記事でした。アメリカは傲慢な国であるけど、現状では仕方がないという部分をわかりやすく解説していると個人的には思います。

ところで一つお伺いしたいのですが、もしテロ特措法を延長しなかった場合、アメリカは日米同盟を破棄するようなことを書いてる右派の方がやたら多いのですが、どう思いますか?

アメリカの対中国の戦略を考えた場合、日米同盟破棄はアメリカ自身を苦しめることになると思うのですが。それは米韓同盟も同様だと思うのですが、恫喝はあっても破棄まではないと個人的には思ってるんですけど、どうですかね?

投稿: とく | 2007/09/11 11:46

テロ特措法は,それを破棄してもアメリカは多いに困るでしょうが,日米同盟破棄まではいかないでしょう.ただ,日米同盟が希薄になる事はあるかもしれません.しかし,それ以上に大規模テロなどが起き,中東が不安定になった際に,過去に日本が中東で責任放棄をしたと国際社会から見られる方が怖いのではないかと思います.民主党は政局しか考えてません.世論調査では特措法に反対の世論の方が多いようですが,特措法自体に反対ではなく,自民党に利するのが嫌な人がかなり居ると思われます.

日米同盟破棄は,日本の方にも不利益が多いでしょう.米韓同盟も,朝鮮戦争を戦った事を考えるとアメリカにとって大切だと思うのですが,米韓同盟が希薄になったのは,その当時ノムヒョンをアメリカが信用できなかったのと,日米同盟が磐石だった事があると思います.日米同盟が希薄になると,相対的に米韓同盟が再び重要になるかもしれませんね.その頃ノムヒョンは大統領では無いでしょうし.

投稿: Cosine | 2007/09/11 12:50

管理人様が聖書の記述にもお詳しいとは恐れ入ります。
聖書にキリスト再臨に先駆けてすべてのユダヤ人がキリストを信じるようになる、、、という教えがあります。
だから原理主義者たちは再臨を早めようとユダヤ人のために一生懸命な連中が多いんですね。このような狂信を嫌う人もかなりいますが、彼らは自由主義神学と一般的にさげすまれています。本気で空中再臨、空中携挙、、、すいません専門用語で、、、いろいろ奇跡が起こるって信じてますよ。牧師が祈れば虫歯が金歯になったり(爆笑)神様だったら金歯より本物の歯にしてやれって私は思いましたが。まあ、こんなことを真顔で日曜礼拝で説教して、お馬鹿たちは皆で「ハレルヤ!」って涙流してありがたがっているのですから。
彼らは今でもイラク戦争での勝利を願って一心不乱に祈っています。
十字軍の時代から何にも変わっちゃいない。
で、私は転んじゃったんですが(自爆)
イスラムにせよキリスト教にせよ原理主義者ほど手に負えない代物はありません。

投稿: 転びバテレン | 2007/09/11 14:32

民主党政権の成立もガクブルです……堂々と中共と手を組んでいますから
自衛隊は世界屈指の戦力を保有しているそうですが、内憂外患は絶えません

投稿: | 2007/09/11 17:39

下記は私の意見ではなく完璧な受け売りですが、私の気分にも合い参考になると思うので敢えて紹介します。

#

アメリカは、アメリカが提供している安全保障に日本がタダ乗りしていると批判する。そして、アジアの民主主義を防衛する責任とコストをもっと日本は負担すべきだと要求する。しかし一方で、日本がアメリカに対する依存体質、従属的な体制を清算しようとすることは許さない。今回のアフガニスタン報復にしてもそうである。日本が「主体的に」この戦争に参加することを期待するが、 決して「参加しない」という選択肢を許そうとはしない。

米国の裏の意図は(テロ対策や中東和平という建前はあるにしても)トルクメニスタンからアフガニスタン経由でパキスタンに石油とガスのパイプラインを通すことではないかと思われる。いまのところアメリカが先進諸国の音頭取りをしていることは間違いないし、日本だって石油は必要だ。だから、日本人はアメリカをよく観察し、その意図を測りながらうまく「尻馬」に乗らなければならない。事情によっては「憲法があるから派兵しない」と言うべきである。

アフガニスタンは王制に戻されることになるかもしれない。カンボジアやサウジアラビアもそうだが、王政は先進諸国にとって「手なずけやすい」政治体制という意味がある。ただしサウジの政治状勢は不安定で安心出来る状況とは言えない。

投稿: KappNets | 2007/09/11 17:47

今回も非常に共感できるエントリー有難うございます。
私も坂さん同様、アメリカに対しては批判的な見方をしておりますが、同盟国としての関係は非常に大事だと思っております。

イギリス人はよくアメリカ人を「ピューリタンだからね~やたらと白黒ハッキリ決めつけたがるのさ」、と揶揄しておりました。いつも手に手を取って歩む同盟国でも違和感は感じるようですね。イギリスでも同性愛は犯罪行為とみなされていましたが、今ではゲイレズビアンに対し非常に寛大な社会になっています。

小沢氏は明確に反米姿勢を打ち出し始めていますが(アメリカの犬であった過去をすっかり忘れてよくやるよ!)果たしてアメリカがそんなリーダーを許容するでしょうか?正直壊すだけの目的でごねるのもいい加減にしてくれよという気持ちなのですが。

これからもご活躍を期待しております。あと、阪神絶好調!おめでとうございます。

投稿: おれんじ | 2007/09/11 20:10

>ネオコンは、米国は世界に「自由と民主主義」を広げるために神によって「選ばれた国」だと考えている。

ネオコンとはかくも狂信的な存在なのかと改めて認識しました。日本で上記のような事を言えば間違いなく変人扱いでしょう。

ネオコンの影響力が薄れたと思ったら、今度はキリスト教右派(原理主義)の台頭ですか。やはりアメリカはワスプ(WASP)が主導権を握っているんですねェ。ブッシュ大統領も典型的ワスプのような気がしますし、考え方もネオコンやキリスト教右派に近いのではないかと思います。

ブッシュの指示層はネオコン、キリスト教右派、南部の白人、それと財政面で支えるユダヤ財閥といったところでしょうか。かなり強力な布陣ですが、一方の民主党は次の大統領を自党からだすことができるのでしょうか。

どっちに転んでも日本は、『「米国の傘」頼みの従属的同盟関係しかありえない』という状態がもうしばらく続きそうですね。

投稿: トマソン | 2007/09/11 23:09

エントリでおっしゃってることにおおむね賛成ですが、しかし、米民主党もかなりの支持を集めていて、キリスト教原理主義はアメリカ国内勢力の1つでしょう。
私は、そのようなキリスト教原理主義がアメリカにあることの方が、いい面も多々あると思います。この世界に中心というものが生じるからで、そういうものがないとバラバラでしょう。世界に秩序というものができます。もちろんそういうものができれば、その反対派が出てくるのは、人間世界いつものことです。
宗教については、宗教>倫理>規範>社会常識となると考えてます。宗教を失くした民族は力を失くしていくと。いまの日本人のひどさは、例えば給食費を踏み倒すなど、まさしくその状態です。日本人以外の世界中の人々に宗教があります。宗教を持たない日本人が異常です。

投稿: たか | 2007/09/12 00:16

最近、むしろ、護憲運動を煽っているのは、アメリカなのではないか?と思うようになってきた。
過激な行動をするセクト活動の大半が、実は当局スパイの自作自演であるというのと同様の理屈で、従属的関係を続けさせるために護憲運動を煽りその一方で、中国の軍拡を黙認し、対等な関係は中国としか結ばない。
アメリカは民主主義を絶対視する一方で、民主的な同盟国は頼りにならないとする国なのを忘れてはいけないと思うのですが。

投稿: | 2007/09/12 11:29

日本に上陸して占領する武力を持ってるのは、ロシアでも中国でもましてや朝鮮でもなく、世界中でU.S.Aだけですから、U.S.Aを敵にまわさな事がもっとも有効な国防政策です。
そのためU.S.Aによる日本占領が困難な状況(どんな状況かと聞かれても困りますが)に変わるまで、新米第一主義は仕方ないと考えます。

投稿: KAZ | 2007/09/12 15:28

 くたばれアメリカと思いますが、米・中・露の三竦み下にあるので親米とやらは致し方ないと思います。
 「最近、むしろ、護憲運動を煽っているのは、アメリカなのではないか?と思うようになってきた。」
アメリカが日本を都合よくコントロールする道具にみえますし、又、自立出来ない日本の現状下で、左翼を使っているようにも見えます。
国防の段階で依存しているので、なかなかNOとは言い難いので、政府としてはYESと言いたいのですが、(左翼を指差し)国民が納得いかないので…と落とし所を図る建前で、上手く立ち回る方便とみています。
 馬鹿と鋏は…、汚物は消毒と、とにかく、親米以前に「日本」という拠り所を基に何事も展開するべきと思います。
政治は将棋崩しの様に神経を使いますので、いろいろあるでしょう。

 神経といえば、阪神。あの2連勝で若干涙ぐんでしまいましたが、劇的な展開の先は、何があるか予想がつきません。
手ごたえを感じつつ、気を引き締めないとですね。

投稿: カイワレ | 2007/09/12 17:56

このエントリーの考えと概ね同じ方向の考えです。
ところで、アメリカ側の戦略として以下の記事の内容があるように思いますが、坂氏はどう思われるのでしょうか。
取り上げるとまずいのでしょうか?


「郵政民営化凍結法案」消滅の真相
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2007/09/post_a6ef.html

>今回の首相辞任劇やコイズミチルドレンの異様な動きは、
>明らかに郵政民営化の計画実行を完遂するためのものだろう。
>問題は予定されている日本からの莫大な資金が、政治的思惑で急遽止められることにある。
>アメリカはそれを恐れている。
>従って今期の国会を何としても妨害して郵政民営化のスタートを滞りなく遂行するつもりだろう。

投稿: 通りすがり | 2007/09/18 14:11

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受信: 2007/09/12 03:22

» 阻止か国家崩壊か!!郵政民営化は何としても解消するべきだ!! [神州の泉]
 郵政民営化は絶対に阻止しなければならない(メディアの世論誘導はなぜ?) 前掲 [続きを読む]

受信: 2007/09/19 12:52

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