“科学的発展観”は和諧社会を実現できるのか?
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中国はジャーナリストにとって世界最大の監獄 国境なき記者団
はじめに
最近、エントリの更新頻度が落ちていることについては理由があります。
昔からの読者の方は気付いているかもしれませんが、ころところのエントリ、私自身から見ても明らかに質が低下しています。
昨年、一昨年と今年を比較してみると、その差は歴然ですね。
なぜか?
それは時間的制約もありますが、何より意欲が減退していることが大きい。
ブログといっても、私の場合は単なる日記や雑記帳のたぐいではなく、己の生き様に基づいた意思表明であり、私自身の人間性の発露でもあります。
だから、エントリひとつを書くにしても、けっこうしんどいんですね。
まず、書きたいという意欲が湧いてこないことには筆が進みません。
私の場合、まず書きたいという意欲に突き動かされ、そしてテーマが生まれてきます。
テーマは、日常の中にもあるし、過去の軌跡の中から見出されることもあります。ただ、そこには常に「思考」というものが働いていなければなりません。
意欲が湧いてきて、テーマが見つかって、そこからテーマに関連した様々な記事・情報を読みます。で、あるべき結論を見出す。
次に文章全体の構想を練ります。そして構成を考える。
これが私のブログです。
こういうエントリの手法は、相当なエネルギーと時間を要求されます。昨年までのエントリは2~3時間を要するのはざらで、中には4~5時間を費やしたこともあります。5000字を超えるものも珍しくありませんでしたしね。
それに意味があいまいな単語は辞書を引いたりもしますから、なおさら時間がかかるのです。
正直に言って、今の私には、そこまでの意欲と時間がありません。
どこかの記事を引用して10行程度のコメントを付け加えるのなら容易いでしょうが、それを許さないんですね、私自身が。
また、ブログを義務的に更新するというのも苦痛にしか感じられません。
だから、今後しばらくは更新頻度が下がると思います。また、質、量ともに過去のものには及ばないかもしれません。
それでも、ご来訪者数が多いと励みになりますので、今後とも、よろしくお願いします。
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“科学的発展観”は和諧社会を実現できるのか?
中国共産党第17回大会が15日午前、北京の人民大会堂で開幕した。
胡錦濤総書記(国家主席)は、党中央委員会報告(政治報告)で、調和のとれた持続可能な発展を目指す戦略思想「科学的発展観」を党の路線として全面的に推進することを宣言した。
これは、鄧小平~江沢民の時代に前面に掲げられた「経済成長至上主義」からの決別を意味する。
「科学的発展観」は「調和の取れた文明型経済モデル」と言い換えることができる。これの行き着くところが、中共中央が掲げる「和諧(わかい)社会=調和の取れた社会」である。
もう少し具体的に言うと
①エネルギーの消費効率を改善する
②リサイクル経済を発展させる
③環境問題を解決する
④農村部の所得を引き上げ、三農問題(農業・農村・農民)を解決する
⑤地域間・階層間における不均衡を是正する
ことである。
以上を見ると、「科学的発展観」のめざすところは正しい。やはり、胡錦濤以下の中共首脳はバカではないのだ。このままでは、早晩、中国が行き詰ることがわかっている。
昨年3月の全国人民代表大会(全人代=国会)で採択された第11次5か年計画(2006~10年)では、以下の点を中国が抱える重大な問題として指摘している。
①経済構造が不合理で、自主的革新の能力が低く
②経済成長方式の転換も遅れており
③エネルギー資源消費量が過大で、環境汚染が深刻化していること
④雇用における矛盾がかなり突出していること
⑤投資と消費の関係がアンバランスであること
⑥都市部と農村部、地域間の発展のギャップ及び一部の人たちの間における所得
格差が引き続き拡大していること
つまり、国内総生産(GDP)は世界第4位(2005年)に躍進し、世界最大の外貨準備高と貿易黒字を誇る中国経済も、一皮むけば外資依存、輸出偏重。国内産業は生産性が低くて技術革新力に乏しく、労働集約型産業の割合が高い―ということだ。
また、高い経済成長も投資主導、輸出依存型で、消費主導、内需依存型にはほど遠い。だから元高圧力が止まらず、その圧力をかわすための為替介入が国内に逆流しバブルの原因になっている。
エネルギーの消費効率も、国内総生産(GDP)ベースの一次エネルギー消費は日本の約8倍に達するほどの“資源がぶ飲み型”。環境投資もほとんど行われておらず、有害な煤煙や有毒な工場排水は垂れ流し状態。
炭鉱や都市部の労働現場では、1億人を超えるといわれる出稼ぎ農民(民工)が、何の保障もないまま低賃金の過酷な労働を強いられている。
一方で、実体経済以上に株や不動産が高騰し、投機が投機を呼ぶバブルが過熱している。そしてロールス・ロイスやベンツを乗り回す富豪が続々と誕生する陰で、電気もガスも水道もない農村が数多く存在し、1日の収入が1ドル(約118円)未満の貧困人口を1億7千3百万人も抱えている。
第11次5か年計画が指摘した問題をより具体的に書くと以上のようになる。
そのような状況下、今、中国社会でどのような事態が進行しているか。
国民の3分の2(66%)が無保険な上、医療費が高額なため医者にかかれない。業者と結託した当局(地方の党・政府)に涙ガネで土地を取り上げられた失地農民は全国で4千万人以上。毎年200万人以上のペースで増加中。労働環境が劣悪なため、2005年の労災事故は69万1,057件で労災死者は11万9,827人に上る。
結果、1994年は約1万件だった民衆による暴動・騒乱が2005年は8万7,000件にまで達した。
一方で、中国では年間、5兆円以上の公費が役人の飲み食いに費やされる。公用車も400万台以上にのぼり、その維持費は6兆1000億円。
これに対し、当局幹部も「環境汚染がこのまま続けば持続的成長は困難」「水も空気も人命にかかわるレベルにまで汚染されている」「今ほど共産党が憎まれている時代はない」と危機感を募らせている。
が、第11次5か年計画が採択されてから1年半を経過しても何の解決の兆しも見えない。
5か年計画では「和諧社会」を実現するための望ましいGDPの年平均成長率を7.5%に設定した。にもかかわらず、全国各レベルの地方政府は、中央政府の指標を30~60%も上回る目標値を策定。その結果、昨年も今年も、中国の経済成長率は10%を軽く超え、株や不動産の相場はますます過熱している。貿易黒字も増える一方だ。
胡錦濤が、5年に一度開かれる党大会の政治報告で「科学的発展観」を強調し、党規約に明記することにしたのも、このような現実が背景にあるからだ。
なぜ、党中央が「今のままでは先がない」と認識・自覚しているのに事態が好転しないのか。
以下は、昨日の讀賣新聞(東京・夕刊)に載っていた関連記事(抜粋)である。
「土地、権限を握り、絶対的な力を持つ」(中国筋)各地の権力者の多くは民生を軽視し、数千万の農民が土地を奪われ、膨大な数の都市住民が職や家を失った。「高所得者層の上位10%と、低所得者層の下位10%の差は55倍」との推計が出るほど格差が広がった。
何億もの低所得者層があふれる中、株式、不動産市場はバブル状態にある。低所得者は年金までそこにつぎ込んでおり、バブルが崩壊すれば社会不安に直結する。貧困層を直撃するインフレは、社会を揺るがす大きな要因だ。河川、大気、土壌は汚染され、「持続可能な成長」どころか、住民の生命が危険にさらされている地方も多い。
党関係者は「党に対する民衆の恨みはかつてなく強まっている」と話す。党はこれまでも急成長の矛盾解消を強調してきた。だが、もはや小手先のスローガンでは安定は守れない状況になっている。
胡総書記は報告で「科学的発展観を経済社会の各方面に徹底させなくてはならない」と強調した。ただ、これは極めて難しい。「成長至上主義の最大の受益者は党」(共産党筋)であるからだ。
川を汚す企業を黙認する有力幹部を解任できるか、指導者の親族が経営参加する企業の不正を取り締まれるか、高級幹部に裏金や別荘を提供してきた不動産開発業者との縁を断ち切れるか――成長至上主義との決別の難しさは、そのようなところにある。
社会の安定に危機感 急成長のひずみ、弱者直撃 (2007/10/15 讀賣新聞)
文字どおり、私のこれまでの主張(中国崩壊シリーズ)と同じ内容である。
中国では、国家よりも中国共産党(中共)が上位に位置する。軍隊(人民解放軍)も警察も、司法も立法も行政も、すべて中共のものである。メディアでさえそうだ(中国のメディアは全て「党の舌と喉」 と位置付けられている)。
言論の自由がなく、国家の3権も中共の従属物―つまり中共やその幹部が何をしようと、それをチェックできるのは中共とその幹部でしかない。中国で上から下まで腐敗が蔓延するのは、中共体制がそういう「泥棒に縄を綯わせる」のと同じになっているからだ。
※産経新聞の福島香織さんによると「胡錦濤は“清官(クリーン)”」らしいが・・・
では、中共体制は崩壊するのか?
胡錦濤の唱える「科学的発展観」が目論見どおりに結実すれば、中共体制も中国もさらなる未来を掌中にできる。が、上部構造が共産党独裁で下部構造がむき出しの拝金資本主義というのでは、これはむつかしいと言わざるをえない。
可能性は、富の合理的再配分=小康社会(いくらかゆとりのある社会)ができたとき、法治の実現=共産党官僚の特権・横暴を抑制することができたときにのみありえる。
が、これは中共の体質と中国人の気質(かたぎ)及び中国の歴史を踏まえれば、?マークを無限大につけざるをえない。
ただ、私は中共体制の崩壊は不可避と見るが、それを望んでいるわけではない。理由は、一昨年11月の呉邦国・全人代常務委員長(政治局常務委員・党内序列第2位)が語っている。
「もし中国が混乱して1%の難民が出たら、1300万人ですよ。1000分の1としても130万人。だから、中国が安定することが周辺諸国にとってもいいことではないですか」
これは訪中した角田義一参院副議長(当時・引退)と会談した際のものである。「中国の安定こそが世界の安全への貢献」という論法だが、裏返すと、中共のNo.2も中共体制が崩壊した時の真のリスクを認識しているということだ。
中国は困難に直面している。が、今の中共体制が崩壊したらとんでもないことが起きる。だから「中国は脅威」などと言わずに協力してくれ―ということだが、これは冗談でも恫喝でもない。現実の問題だろう。
中国が軟着陸してくれることがイチバンだが、既に述べたようにそれはかなり困難だ。中共体制の崩壊は「民主化」ではなく「混乱と混沌」である。
やはり、中共体制が崩壊した時の対応策を今から準備するとともに、可能性は少ないが、中共体制のソフトランディング=漸進的民主化を求めていく(圧力を加える)しかないのではないか。
無軌道に膨張する13億人の大国。その暴走の行き着く先が何とも不気味である。
【注】引用元が明記されていないデータ等は過去のエントリを参照しています。
【追記】
冒頭と右サイドバーのバナー(画像?)は「国境なき記者団」のものです。
できるだけ多くのブロガーがページに貼り付けることを希望します。
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