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2008/01/03

「市民」という臭い存在

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       中国はジャーナリストにとって世界最大の監獄   国境なき記者団

元旦のエントリで―私は「蒼氓」という言葉が好きです―と書いた。
「蒼氓」とは、まじめに働き、家族を愛し、それぞれの時代や状況のなかで懸命に生きる普通の人々のことだ。
私は、こういう人たちが多少なりとも「幸福」を感じることができる世の中であってほしいと願っている。

一方、私の嫌いな言葉は「市民」である。
「市民」―行政用語としては何の違和感もない。が、報道などで使われる「市民」という言葉にはうさん臭さを感じて仕方がない。
たとえば、市民団体、あるいは市民運動などに代表される「市民」である。

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「市民」とは、政治的に特定の性向を持った人たちが自らの本質をごまかすための隠れ蓑にすぎない。たとえば昨春の東京都知事選挙、浅野史郎氏を担ぎ出したのは市民団体だったが、「北朝鮮による日本人の拉致などあり得ない」と公言した学者や「生活者ネットワーク」の元代表などが呼びかけ人に名を連ねている。
反日米安保・憲法9条擁護・親北朝鮮・・・こんな人たちも「市民」を名乗ることによって、なんとなく政治色の薄いノンポリに見えてしまう。

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このような「市民」が政治の表舞台に登場したのは1960年代から70年代にかけてだった。社会党や共産党が、自らの党派性を表に出したのでは選挙に勝てないので、学者や知識人(いわゆる「進歩的文化人」)を顔にした市民団体を選挙戦の母体にした。で、これが功を奏し、東京、大阪などの都市化された都道府県、あるいは政令指定都市などが軒並み“革新”自治体になった。

まあ、これも80年代に入るとちっとも“革新”でないことが解り、「進歩的文化人」も言葉とは裏腹の守旧派であることが暴露された。だから急速に“革新”自治体は衰退していくのだが、彼らの頭はまるで化石だから、いまだに市民団体を表に立てる。
ただ、今でも一定の国民がこの欺瞞にだまされるので、警戒を怠ってはならない。

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もう少し危険な「市民」たちもいる。
中核派や革マル派などの極左過激派が市民団体に潜入しているのだ。それに、全共闘運動の残滓とも言うべき連中が核になっている市民運動団体もある。
彼らは大学教授や弁護士などの肩書を持っている場合もあるので始末が悪い。
そして、これらを、偏向したメディアが本質を暴くことなく「市民団体」として報道する。
左翼は衰退したようだが、メディアや教育界を中心にまだまだ影響力を持っている。これらと市民団体が結合すると信じられないような政治的事件を引き起こす。

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典型が昨年9月29日に開催された「教科書検定意見撤回を求める」沖縄県民大会だ。
以下はその写真である。↓

Okinawa2琉球新報9月29日付号外

翌日、主催者発表の「11万人」が、新聞各紙の見出しに躍った。実に「沖縄県民の10人に一人が参加」したことになる。
県民の1割。
これはインパクトがある。
様々な事情によって集会に参加できなかった人たちも数多くいるであろうから、この数字は県民の多数意思と受けとめる向きがあっても無理はない。
で、さっそく、町村官房長官や渡海文部科学相が、県民の「気持ち」に配慮して記述修正の働きかけに動く。

ところが、である。
東京の大手警備会社テイケイ(旧・帝国警備保障)が琉球新報掲載の航空写真(上記写真)を拡大し、全員に余さず印を付けて数え上げた結果「実数は1万8179人」であること。建物や木陰に隠れている人数を推定しても1万9000~2万人に過ぎないことが判明した。

この事実は07年10月26日付の讀賣、10月28日付産経の両紙が報じた。
テイケイの会長(66)は「商売柄、群衆のおよその数はすぐわかる。11万はイデオロギーの入った数字」とも指摘している。
これに対し琉球新報は「一部のマスコミの11万人もいなかったと言う報道は、本質から離れた言いがかり」( 琉球新報 07年11月2日)と反論。

さすがに琉球新報も、真正面からの反論はできなかった。確かに2万人でもすごい数だ。が、県民の1割と2%以下ではその事実が持つ政治的インパクトがまったく違う。
テイケイの会長が指摘するように「11万はイデオロギーの入った数字」なのだ。

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昔から左翼はそうだった。
メーデーなどは10万人が相場、が、警視庁発表はせいぜい3万人。過激派の日比谷公園での集会も主催者発表は3万人、警視庁のそれは8千人。
つまり政治的集会はその勢力のプロパガンダなのだ。参加人員が大幅に水増しされるのは半ば常識。
それを、主催者発表をそのまま大々的に報道するメディア。
それにあわてる福田内閣。

結局、11万人が限りなくインチキに近いと解り、教科書の修正は「軍の強制」ではなく「軍の関与」にとどめられた。が、現地召集の防衛隊員に持たせていた手榴弾が、家族の自決に流用されただけなのに「軍の関与」と言えるのか???
私の両親の世代に聞いた話だが、情報に疎い一般国民は戦時中、米軍が上陸すれば女は強姦され男は皆殺しにされると思い込んでいたそうだ。
おそらく当時の沖縄県民も同じだろう。
そういう中で日本軍は壊滅的に敗走し、住民は極限の情況にまで追いつめられる。

そこで集団自決が起こったとすれば悲劇だが、それに対する同情を「軍の強制」にすり替えてはならない。

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左翼は、沖縄での「軍の強制」を捉えて「軍隊とは国民を守るのではなく殺すためにある」などと言い募り、自衛隊を否定する根拠にしてきた。
今の中国や北朝鮮ならそういうこともありえるだろうが、わが国は民主主義国家なのだ。
まず、そういうことはありえない。
そういうプロパガンダを展開する勢力(たとえば社民党)は、わが国とわが国民の成熟度を意図的に貶めている。
まあ、国民はそれを見抜いているから社民党は絶滅寸前なのだが、今回の沖縄の県民集会、それを受けての“教科書修正(改悪)騒動”などを見るにつけ、連中の策動は侮れない。
民主党にも“隠れ社民党”はたくさんいる。
そういう「反日政治家」をあぶりだすためにも政界再編を強く希望する。

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「市民」はイデオロギーで判断するが、「蒼氓」は毎日を懸命に生きる中で「何が本当か?」を考える。
左翼の「うさん臭さ」は、十分に生活の中で学習済みだ。
もう、イデオロギーの時代ではないのだ!
左も右も!!!

【追記】
政治は狡猾だ、ということを書き忘れた。

福田内閣は凍結していた沖縄県北部の振興策予算(今年度約100億円)について、速やかに執行する方針を固めた。米海兵隊普天間飛行場(宜野湾市)をキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市)に移設させるための環境づくりだ。
普天間飛行場の移設は対米公約でもある。

報道によると、町村官房長官が直に動いているらしい。
仲井真・県知事は移設には賛成だが、飛行場を沖合にずらすよう求めていた。で、政府と沖縄県はV字型滑走路を沖合いに90mずらすことで合意に達したという。

仲井真・県知事や仲里・県議会議長(自民党)は、9月の沖縄県民大会直後、教科書問題をめぐって上京し、政府に直接働きかけた。要請を受けた町村官房長官は教科書の修正にすばやく動いた。
その結果が普天間飛行場の移設合意だ。

カネと90mの微修正で対米公約を実現する。
まさに、左翼を煽り、沖縄県民のガス抜きをし、結果、政治的重要目標を果たす―政府は左翼以上に狡猾だよ(笑)
仲里・県議会議長自身が県民大会の実行委員長を務めたのだから、なおさらその感が強い。

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左翼&共産主義」カテゴリの記事

コメント

調子出てきましたね。こうでなくては。ブログ更新が途絶えていたときは心配してました。かつてのブント闘士を悼む記事には、もっと心配になりましたが。もう大丈夫。年末の記事にあったように、人生は戦いですよ!これからも期待してます。(週一くらいのペースでいいのではないですか。)

投稿: 三等水兵 | 2008/01/04 08:54

市民を名乗る「共産主義者」、戦後の暴力・破壊から日本を共産主義国家にする「夢」やぶれ、現在は「市民」としての「生活党」の様な仮面を被り未だ日本破壊を画策着々と範囲を拡大しています。

「軍」を悪者にしたのも共産党・「憲兵」を悪の権化に仕立てたのも共産党・創価を敵とするのは仕事・宗教は敵・共産主義権力以外の権力は敵・日本は敵・共産主義以外は敵、これが共産党の真の姿。

不真面目・いい加減・多面現実的な人間が罹ると直ぐ嫌になり完治が早いが真面目・盲目的・夢想家がかかるチョットやソッとでは完治しない病が「共産病」仕種・言葉使いまでマスゲーム状態。

現状では民主党員の70%はこの病の罹災者でしょう、反日・反権力が病原、これは共産主義の敵は民主主義ですから共産独裁以外は「敵」ですから、何処かに敵を作り非難・攻撃する事が仕事。

共産主義権力以外の「権力」は存在しない「ご都合権力」困ったものです、「共産主義」からの脱却が「戦後レジューム」からの脱却に繋がるものである、日本人は過去を見て欲しいと思います。

投稿: 猪 | 2008/01/04 12:25

TBありがとうございました。
大変・光栄に思います。
今日4日の産経新聞で佐伯啓思さんが述べていましたが
「民主主義は嫉妬の政治になりやすい・・・」
「オレは貧乏なのに、アイツは金持ちだ!」
・・・のように。
やはり
首相公選だと思いますよ。
戦後民主主義の偽善を排して・真の国益を追求する
指導力ある政治家を輩出するには・・・

投稿: 柳生すばる | 2008/01/04 16:38

左翼の世界には、「革命的」という枕詞をつけると、全ての行為が正当化されるという法則があります。

「革命的暴力(=人殺し)」
「革命的結集(=実態とかけ離れた参加者数)」
「革命的資金調達(=組織を乗っ取り、その資金を横領)」・・・。

その組織の中にいると、最初は疑問に思っていても、段々慣れてくる。そのうち「革命的○○」と言っていると、気持ち良くなってくる・・・正に「革命的自慰!」

投稿: ppp | 2008/01/10 22:57

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