平成も早20年、そして今後は
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中国はジャーナリストにとって世界最大の監獄 国境なき記者団
今年は平成20年。
個人的にも社会的にも変化の激しい、激動の19年間だったように思います。
バブル景気、55年体制崩壊、細川・非自民連立政権、村山・自・社・さ連立政権、バブル崩壊、未曾有の大不況・大リストラ、金融ビッグバン、変人・小泉純一郎首相誕生、郵政民営化、景気の劇的な回復、非正規雇用者の急増、教育基本法改正と国民投票法制定、
まさに、昭和が終わったときには想像もできなかったことばかりが続きました。
行政指導・横並び・護送船団、年功序列・終身雇用・ベースアップ、もう死語に近いですね。
生活環境も変わりましたね。
携帯電話とインターネットの急速な普及と進歩―これこそ変化の最たるものでしょう。もう“驚異”と言ってよい。
で、世の中よくなったのか、悪くなったのか。
能力のある者が相応の対価を得やすくなった、という点は、可能性を追求しやすい社会になったという意味で評価できます。が、一方で雇用環境が不安定になった、という点は、将来に不安を感じやすい社会になったという意味でマイナスかもしれません。
家族の絆が弱くなり、家庭内の虐待や親による子殺し、子による親殺しなども増えましたね。でも、社会に無償で貢献したいという善意の人たちが老若を問わず増えているのも事実です。
中国や韓国・朝鮮の理不尽な要求に国民・とりわけ若い人たちが疑問(怒り)を抱き始めたのもよい傾向でしょう。自衛隊に対する評価も昭和の時代とは様変わりです。
が、一方で「日中友好が第一」「慰安婦に謝罪を」「憲法を世界遺産に」などという、相変わらずの化石的思考から抜け出せない人たちもいます。
世の中、やはり分化しつつあるんですかね。
いずれにしても、「行政指導・横並び・護送船団、年功序列・終身雇用・ベースアップ」という、世界に冠たる“日本株式会社”はもうありえないのですから、そして一国平和主義もありえないのですから、自分が置かれた、あるいは自分が選んだポジションで精いっぱい頑張るしかない、個人も国も、そして思いやりの心を失わないことが大事―そう思います。
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ところで、日本も変わりましたが世界はもっと変わりましたね。
しょっぱなが「ベルリンの壁」崩壊。
それに続くソ連崩壊と東欧圏の民主化、ユーゴ内戦・民族浄化、イスラム過激派の世界的台頭、9.11テロとアフガン戦争・イラク戦争、中国の台頭と経済のグローバル化、
いや、すごい変化ですよ。
世界を2分していた共産圏が崩壊し、ロシアや中国もグローバリゼーションの波に乗る、そしてイスラム過激派が公然と唯一の超大国・米国を攻撃する、
これも、昭和の終わりにはまったく予期できなかった出来事です。
で、世界はよくなったのか、悪くなったのか。
これは「悪くなった」とはっきり言えます。
まず、中国の台頭。
これ自体は非難されるものではないのですが、その無軌道・無秩序な膨張のため世界中に混乱が拡散しています。
デフレと失業の輸出、底なしの環境破壊、資源の浪費による国際価格の急騰、世界最速レベルの軍拡などなど、この国の成長がもたらした負の側面は極めて大きい。
得をしているのは中国共産党の幹部とその周辺、あとはグローバル企業とハゲタカファンドくらいですかね。
それから、ソ連崩壊で“傲慢な米国”がさらに傲慢になった。
これも「悪くなった」と言える理由です。
自らの価値観を力で世界に押し付ける。これが世界を不安定にさせている大きな要因の一つ、間違いありません。
しかも、「イスラエルによる中東支配」という夢を成就させたい勢力が中枢に巣食っているから手に負えません。
確かに「テロは悪」だし、許せませんが、米国の中東政策がテロを助長している側面も否定できません。
まあ、わが日本はこの国に安全保障を頼っていますから、正面から非難できないという面はありますが―情けないけど・・・
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米国はポスト・ブッシュで大きく変わりそうですね。
共和党が継いでも、民主党に変わっても、もう世界の警察官として単独主義を貫く、というのは限界でしょう。
そういう点では、中東情勢も多少は変わるかもしれません。
ただし、テロがなくなるとは思えませんが。
じゃあ、中国はどうなのか?
讀賣新聞の1月6日付社説と中日新聞の1月8日付社説が興味深い。
どちらも中共率いる今の中国には悲観的ですね。
まあ、讀賣はもともと「反共」ですから驚きませんが、東海地方で圧倒的なシェアを誇り、あの朝日新聞よりもっと左寄りの中日新聞(≒東京新聞)が中共体制を批判するのは異例です。
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両紙とも、中国の大国としての台頭がいちじるしいことを挙げ、その象徴が北京オリンピックの開催であるとしています。が、この台頭いちじるしい新興大国が、その内部に大きな矛盾を抱えていることも同時に指摘しています。
讀賣新聞は、①格差拡大②汚職のまん延③底なしの環境汚染など、社会不安の種が尽きないとし、とりわけ異常なまでの過熱ぶりを見せるバブル経済への懸念を表明。
そして、
胡錦濤政権は昨年末、過熱経済の制御とインフレ抑止を今年の最優先課題とする方針を決めた。当然の措置だが、問題はその方針を徹底できるかどうかだ
と問題提起し、
だが、地方政府は地元利益を最優先し、中央政府の指示を無視する傾向が強い。今回の引き締め策も地方政府の面従腹背で空回りに終わる可能性がある
と、中央政府(胡政権)のバブルを軟着陸させる能力に疑問符を付けています。
ご承知の方も多いと思いますが、中国の金融システムはいまだ脆弱です。1990年代初頭のバブル崩壊時のわが国金融機関とは比較になりません。
そんな脆弱な中国でバブルが崩壊したら、金融システムは壊滅的な打撃を受けるでしょう。
そして、それが世界経済に及ぼす悪影響は計り知れない――讀賣新聞の論説委員はその点を憂慮しているのです。
讀賣新聞は次のようにも指摘しています。
人権問題など意に介さない露骨な資源外交、19年連続2けたの伸びで増え続ける軍事費と急速な軍拡が世界から不信を招いている、と。
そして最後は、
経済、政治、軍事など、あらゆる分野での中国の膨張が、地域や国際社会の大きな不安定要因となっている。「中国問題」は、ますます国際社会全体の中心的な課題となっていくだろう
と結んでいます。
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中日新聞は、というと、中国の政治・経済両面における国際的存在感の大きさを指摘した上で
日中関係、中国と周辺世界の将来は手放しで楽観できません。中国の国防費は公表分だけでも19年連続で二けたの伸びを続け、07年には、日本の07年度防衛予算を上回りました。軍事力の透明性が他国に比べ低いのも気掛かりです。「鉄砲から国家権力が生まれた」(毛沢東)国柄で軍は政治に強い影響力を持ちます
と、讀賣同様、その軍事的急膨張に懸念を表明しています。
そして、
急速な経済成長に加え単位あたりのエネルギー消費が多い粗放的な発展を遂げたため、資源の消費が急増し1993年から石油純輸入国となりました。中東のみならずアフリカ、中南米でも、エネルギー獲得の強い衝動に駆られています。
二酸化炭素の排出量が米国を抜いて世界一になったといわれますが、温室効果ガス削減には発展途上国として先進国と異なる扱いを主張しています。大気や水の汚染も深刻で進行する砂漠化が日本などへの「黄砂」の急増として影響しています。
深刻なのは国内の急激な格差の拡大です。「世界最大」(中国社会科学院)という都市と農村の所得格差は縮まらず1億2千万という出稼ぎ農民の条件は劣悪です。人口の7割を占める農村住民、都市の貧困層に対する医療や養老の保障は緒に就いたばかりです。人口の老齢化が始まる2020年前後から年金問題が中国を揺るがす深刻な問題になると指摘する研究者もいます
と、讀賣同様の資源・環境・格差の問題を列挙。
この大国の持続的発展と将来の安定には疑問符が投げ掛けられています。中国の政治的、経済的存在感は改革・開放以前とは比較にならないほど高まっており、国内が乱れれば中国の内政が東アジアの安全保障問題にもなりかねません
と、中共体制の危機がもたらすであろう悪夢を指摘。
まあ、さすがに中日新聞だから、最後は、悪夢を避けるために日中が協力して問題を克服すべきであるとしていますが、全体のトーンは暗くて悲観的。
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やはり、これからの世界も大きく変わること間違いなし、ということです。
それも悪い方に。
米国は多少は控え目になるでしょうから、問題は中国ですね。
讀賣の「『中国問題』は、ますます国際社会全体の中心的な課題となっていくだろう」という指摘はズバリですし、ヒラリー・クリントンの「米中関係は世界で最も重要な二国関係」というのも理解できます。
きっと、彼女は中国と心中したいのでしょう(笑)
わが国は、「敬して遠ざける」で行くべきです。
平成を平穏な時代にするためにも。
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コメント
支那の経済発展を支へるのは奴隷的とよく言はれる労働条件で酷使される大量の労働者と環境破壊無視が生み出す圧倒的な価格競争力を持つローテク商品です.しかしこの構図はいつまでも持たないでせう.搾取される労働者は我慢ができず,賃上げを要求するでせうが,会社側,と言ふより最終的に共産政府は簡単には応じないでせう.価格競争力を維持し外国資本をつなぎ止めたいからです.環境対策もコストアップにつながるから熱が入らない.しかしあまりいつまでもそんな状態を続けてゐたら当然暴動が起きる.どこかでうまく折り合ひがつけばよいが,難しいのではないか.愚生にデータの裏付けはないが,進むもならず退くもならず支那は立ち往生して崩壊に向ふしかないと思はれます.それはそれでよいのですが,怖いのは崩壊の混乱の中軍が暴走して日本にミサイルを撃ち込んだりすることです.同じ崩壊でもある程度のソフトランディングをするやう我が国も考へる必要がある.
投稿: p-Vector | 2008/01/08 18:15
寒中お見舞い申し上げます。
1月3日まではROMしてたのですが、4日からばたばたしており、今日やっとアクセスできました。
すると、連日更新されておりびっくり。一生懸命読ませていただきましたし、意味や読み方がわからなかった「蒼氓」という言葉も今日漢和辞典で調べてやっとわかりました。
いろんなブログを読んでますが、ブログだけでなくそこに投稿されているコメントの数々もとても勉強になります。自分が「なにかおかしいなあ。」「そうじゃないんだけどなあ。」と言う感じが、読んでいると「そうなんだよ。」とうなずくことが多々ありました。これからもいろんなブログやコメントを読み、そして考えて、自分の考えというものをより深いものにしていきたいと思っています。今年も無理のない範囲でブログ更新よろしくお願いします。
投稿: コンパス | 2008/01/08 21:07
最近頻繁に更新されていて感激しました!
最初発見した時はお忙しいので当分はまた見れないのだろうと思っておりましたので・・。
数日間眺めていてやはり、坂様のご意見は改めて納得したり、学んだりと・・本当に貴重であると再確認させて頂きました。
またご支障のない程度の更新を本当に楽しみにしておりますので本年もどうぞ宜しくお願い致します。
投稿: ぶ~みん | 2008/01/09 04:08
確かに中日新聞にしては驚くべき社説だったのですが 軍事費に関しては、ついに日本に追い付いたみたいなことが書いてあって違和感を憶えました 人数と人件費、核兵器の有無など考えると圧倒的な差があると思いますが 軍事費が増えたとは言いながら現実の脅威を和らげるような書き方だったと思います。
投稿: ころ | 2008/01/09 10:00
中国の環境汚染ですが、私の地元福岡では、昨日から晴天にもかかわらず、もやがかかったような状態。
もう黄砂か?と思ったら、中国の汚染された大気だと、天気予報で告げておりました。
そしてこれが夏なら光科学スモッグ注意報ものだとも。
本当に身勝手な困った国です。
田中角栄が日中国交回復なんてするから・・・・(笑)
投稿: とんぼ | 2008/01/09 14:24
大陸に足を取られる日本企業、もう中共は奥の手「終身雇用制度」を日本企業に求めてきました。日本の真似をしている中共初めから企業も計算していなければいけないのですが、「ノーテン、ファーラ」根元がフラフラしている土壌で何を求めているのか、大陸は日本人に取って、そんなに魅力が有るのでしょうか?
世界は一極から多極化、途上国が「国家観」を持ち将来の国作りに邁進を始めている中で日本は「核」所持国・悪人共に囲まれて政治家は「党」維持第一日本破壊を考えるだけで国家・国民はそっちのけ腰の据わらない、国民も年金が心配で「国家」など心配していないのでしょうね~~WW~~
気の長い話ですが60年掛りで浅ましい現状、60年掛けて戻さなければ成らないでしょう、日本人の子孫に良い国を残してやる。今生きている人間の義務として「文武」の国への再建を第一歩は良い人間を議員にする事、高学歴の日本人に「気力」が備われば鬼に金棒(希望で~す)です、有能なんだと思う事も必要です。
投稿: 猪 | 2008/01/09 16:15