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2008/01/16

インドの常任理事国入りは支持、が、日本に対しては

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       中国はジャーナリストにとって世界最大の監獄   国境なき記者団

中国が、インドの国連安全保障理事会(安保理)常任理事国入りについて明確な支持を表明した。
以下は16日付の中日新聞からの抜粋である。

温家宝、シン両首相が14日に署名した文書「21世紀に関する共同展望」では、中国は「インドが安保理を含む国連の中でさらなる役割を発揮する願望を理解し、支持する」と明記。胡主席が2006年に訪印した際の共同文書と比べ、新たに「安保理を含む」の表現が入り、インドを後押しする姿勢をより鮮明にした。

中国外務省の秦剛副報道局長は15日の会見で「インドは発展途上国の中の大国であり、中国はその国際的地位を重視している。インドの願望を理解、支持する私たちの意思は明確だ」と強調した。

中国、印の常任理入り支持 政策の協調を反映か

昨年12月末の日中首脳会談で、温首相は福田康夫首相に対し「(日本の)常任理事国入りの願望に留意する」という表現にとどめ、文書化もしなかった。それと比較すれば格段の違いである。

なぜ、こんなにも違うのか?

中国とインドは国境線をめぐり、1959年9月から1962年11月まで3年間も武力衝突を続けた。カシミールのアクサイチンは今でも中国の占領状態にある。また、印パ紛争でも中国はパキスタンを支援した。
そういう意味では、中国とインドの第2次大戦後の関係は「仇敵」と言ってもよい。
その点わが国は、1972年の日中国交回復以来、中国に多額の援助(総額3兆円以上)を行なってきた。1989年の天安門事件のあと、欧米諸国が中国の人権弾圧を厳しく非難して経済制裁措置をとった時も、先進国ではわが国だけが同調しなかった。
つまり、中国の今の繁栄があるのは「わが国のおかげ」と言っても過言ではないのだ。
にもかかわらず、かつての仇敵だったインドの安保理常任理事国入りは支持するのに、わが国に対してはつれない。
なぜか?

小泉純一郎首相(当時)が靖国神社参拝を貫いていた時、中国は水面下で「小泉首相が靖国参拝をやめれば日本の常任理事国入りを支持してもよい」と働きかけていた。このブログにも、その中国の動きを歓迎するかのようなカキコがあった。
それに対して私は、「それは中国お得意の駆け引きに過ぎない。中国は絶対に日本の常任理事国入りを支持しない」と返答した。
案の定、インドには「支持」を明確化したのに、わが国の首相が「靖国には参拝しない」と明言しても「つれない素振り」しか見せない。

もともと、わが国首相の靖国参拝なんて中国にとってはどうでもよいことなのだ。たまたま、この問題が対日牽制のカードとして威力を発揮した過去があったから執拗にこだわり続けたのだ。
だから、わが国の首相が靖国参拝をやめたからといって、中国がわが国の常任理事国入りを支持するわけがない。
中国の「腹」は別にある。
①日本が常任理事国になると、国連安保理内の米国の味方が増えることになる。
②日本との間には東シナ海の領土問題を抱えている。
③その点、インドは米国との間に一線を引いており、領土紛争も「現状維持」で合意しているので中国の国益を脅かさない。
④インドを中国側に引きつけることにより、安倍内閣が唱えたわが国の外交戦略「自由と繁栄の弧」にクサビを打ち込める。
以上が中国の「腹」だが、もう一つ大きな理由がある。

中国は歴史上、常に東アジア唯一の超大国であり、その盟主であった。19世紀半ばから20世紀半ばにかけての百数十年は本来の姿とはかけ離れた例外的かつ変則的事態である。
また、中国は第2次大戦に貢献し、大戦で甚大な被害を被ったからこそ常任理事国になれているのであって、国連分担金やODAと同列に扱えるものではない。

これが、中国の最大の本音なのだ。

こういう中国の本音を知ってか知らずでか、福田首相は靖国神社に参拝しないと明言。東シナ海のガス田問題も、秋までに日中協議に進展がない場合、試掘の前提となる漁業補償交渉に入ることを決めていたのに、福田政権になって棚上げにされた。「自由と繁栄の弧」も、来春発行予定の08年版外交青書には掲載されない方向になった。
さらに福田首相は、首脳会談で「環境問題について協力を進めたい」と語り、日本の省エネ・環境技術を紹介する「省エネ・環境協力相談センター」を中国の主要都市に新設することを約束、今後3年間で1万人の中国人を対象に研修を実施することを表明した。

で、中国はインドの安保理常任理事国入りを「支持」、わが国に対しては「つれない素振り」。

ほんとうに「日本はなめられている」

何が「日中関係に春が来た」だ!!!

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中国(政治)」カテゴリの記事

コメント

おっしゃる通りです・・・なんか悲しくなって来ました!!

投稿: | 2008/01/16 17:22

普通の国になって、脅しを言えるように、
戦争できる体制にしないと舐められますね。

投稿: なおなり | 2008/01/16 19:52

おっしゃる通りです。

まさに舐められっぱなしですよ。

今度は中国人への旅行ビザ発行の条件が緩和されるそうですね。

腹立つことばかりです。

投稿: 美加。 | 2008/01/16 21:24

最早超党派で「反中」の議員を選択するしかないと思う。
少なくとも人権擁護法案に賛成する者は、媚中派として「落選」させねばならない。「自民だから」、「民主だから」で選択してはいけない。媚中派はどの政党にもいるのだから。

投稿: のらくろ | 2008/01/16 23:02

 「そうですか、ウフフ・・」とながめていていいんじゃないでしょうか。中国はもはや死にかけのデブですから。
 真面目な話、中国はエライことになりそうです。
 この間のコメントでは、農民が土地を私有地として取り戻す運動を開始したという件を書きましたが、現在進行中のインフレも半端じゃなく市民、農民の生活に直撃しているようです。食えなくなった中国人の群れほど恐ろしいものはないですよ。
 また、四大銀行の不良債権も雪だるま式に増えて続けていて、絶え間なく外貨(ドル)や新発行の通貨が投入されているとのこと。これではインフレを止めるのはまず不可能。
 これに更に原油価格や資源価格、飼料価格の上昇が加われば、中国は基本的に“アウト”でしょう。
 おそらく劇的な崩壊という現象にはならないかと思いますが、そう遠くない将来に中共は利権集団ごとに分裂して対立、国内も半内乱状態といった感じになるのではないでしょうか。
 いずれにしても早いところ福田を降ろさないと日本の被る影響が心配です。今日本がやらなければならないのはグダグダになった中国の影響をいかに限定的なものにするか、だけだと思います。

投稿: ddzggcd | 2008/01/16 23:07

福田は何もしないでこのまま辞めて欲しい。
いったいコイツは何がしたくて首相になったのだろう?
誰が見ても器じゃないと思うが。
こいつがこのまま無能ぶりを晒して、政界再編の引き金になってくれれば望ましい。
民主売国政権の誕生は願い下げだが。

投稿: しろ | 2008/01/16 23:39

中国が日本の常任理事国入りを支持するなんてありえないですよ。

恩を仇で返す。それが中国です。

そもそも中国が常任理事国ってこと自体がおかしい。しかも拒否権まで持っている。中国はミャンマーの軍事独裁政権を庇い、ミャンマーの国民が弾圧に苦しんでも、圧政を受けて国際社会に助けを求めても、中国が強硬に反対しているせいで国連安保理で制裁がかけられないんですから。
しかも自国ではチベットなどの少数民族の弾圧や大虐殺を平気で行う国。台湾へは近海へ弾道ミサイルを発射して脅す。日本へは内政干渉を行い、ガス田開発を強行する。

こんな中国が常任理事国の国連を崇拝している我が国野党第一党党首である小沢一郎もどうかしてますよね。

投稿: a | 2008/01/17 01:36

印度は持っているが日本は持ってない。
要するに「核」の差でしょうね。

投稿: | 2008/01/17 08:30

中国にとっては、シンプルに言って
「格下の国の癖に中華帝国と同じ地位を要求する等トンでもない!」
という事でしょう。

投稿: ペパロニ | 2008/01/17 08:46

シナ人というもの、シナという国を絶対に信用してはならないのです。 
彼らとは「似て非なるもの」、理解しあえることは絶対にありません。シナ人も朝鮮人も息をするように
嘘をつき、死者を鞭で打ち、恩をあだで返す民族です。
そんなこともわからない、わかろうとしない総理大臣ですから、舐められて当然。福田には本当に早くやめてほしい。
このままでは日本は亡国の道をたどるだけです。
おまけに、中国人のビザ緩和??ふざけるな!! これ以上犯罪者を日本に入国させて、日本人の命を危険にさらすつもりなのか??まさに亡国の宰相。

話はかわりますが、靖国神社の境内にある「英霊の言葉」1月に「日本人であることを忘れてはならない。自分の体の中には3000年続いた日本人の血が流れている」という一文がありました。 新年の冒頭にこの言葉を選んだ靖国神社の意志が感じられてなりませんでした。

投稿: Tsubaki | 2008/01/17 13:21

これが「外交力」(裏には軍事力)です。当然の結果でしょう「核」を持つ国が喧嘩が出来る訳が有りません、表面上は仲良くするのが「国益」、日本人にはそれが理解できる政治家が数少ない「悲劇」です。

民主党党首の様に「公私」の区分すら付かない男が「政権奪取」と国内で威勢の良い掛け声、中共に行けば何者かも判らない共産党員の親玉にペコペコ握手を願ってる姿、首相も負けずと朝貢哀れな姿を見せられる日本人堪りません。

帰国後も見るのは「権力席」だけ、国連信奉者が中共では国連の「コ」も云えないで握手で涙を零して帰国、年が明けてみれば中共がインドの常任理事国参入賛成! 何を考えているのか本人にも判らないのでしょう。wWwW<<<

投稿: 猪 | 2008/01/17 14:40

中国が嫌われる七つの理由
http://www.geocities.jp/taiwan_assoc/bs01x25.html

中国人犯罪データと嫌中の推移:イザ!
http://sakuratou.iza.ne.jp/blog/entry/122170/

図録▽外国人犯罪の推移
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/2794.html

> 『警察白書』によると、日本国内における国籍別外国人犯罪件数は平成元年(1989年)から2006年(昨年)まで「中国人」がトップの座を譲っていません。
>
> つまり18年連続1位、驚くなかれの18連覇です。

投稿: 損政好 | 2008/01/19 09:20

もう一つ理由があると思います。支那に取って日本は属国または格下の国だからです。インドは自分と対等に比肩する国と見ているのでしょう。
支那に対して厳しく出た小泉時代でさえ軍事力で対抗(実際の交戦でなくその前の軍事力の誇示)でさえしないのですから、支那にとってはガキ大将の顔色を伺うお坊ちゃんと同じでしょう。
尚、日本を格下の国と考えるのは半島の国も同じです。

投稿: Naga | 2008/01/27 11:58

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