自民党も民主党もぶっ壊せ!
昨日、久しぶりに銀座を歩きました。やっぱり銀座はいいですね。私が、いつもうろついている池袋界隈とは格が違います。
何といっても街が垢抜けているし、不良中国人やヤクザが徘徊している池袋とは歩いている人の雰囲気が違う。
ただ、若奥様とおぼしき女性が、真っ赤なBMWのスポーツカーで松坂屋の駐車場に乗りつけた場面に遭遇したときは、「ああ、やっぱり銀座は縁遠い街だな」と今の私は痛感しました。
人は、こういう光景を見て「格差」を感じるのでしょう。が、私にとって、これはまんざらでもありません。これこそ銀座、そう思います。
ところで、格差の元凶のように言われている小泉純一郎首相が、自民党総裁選で小池百合子氏支持を表明したようですね。まあ、今の5人の中では、小池氏がもっとも小泉氏の改革路線に近いから当然といえば当然、そんな気がします。
石原伸晃氏も構造改革派ですが、石原氏は胆力に疑問符が付く。その点、小池氏は度胸満点、何事にも物怖じしないから、そのあたりが小泉氏の支持表明につながったのでしょう。
麻生太郎氏圧勝の流れの中で、なんとなく盛り上がりに欠ける総裁選ですが、これで少しは面白くなるのかもしれませんね。小泉人気は未だ健在ですし、党内の若手を中心に影響力もある。
ただ、今回の総裁選、私はあんまり興味がありません。麻生氏の政治的スタンスは支持できますが、今回は評価できませんね。理由は、前々回は安倍晋三氏につき、前回は福田康夫首相を担いだ連中が、こぞって麻生氏になびいているからです。
ああ自民党、ちっとも変わっていないね、そんな感じです。
で、小池氏もそれほど評価できない。小泉氏のような迫力がありませんし、「構造改革を進化・発展させていきたい」という主張も「構造改革」万能のようで支持できません。
あとの3人は、私にとって魅力がないというか、期待感が持てません。
私が小泉首相(当時)を熱く支持したのは、彼が既得権益、古い自民党を「ぶっ壊してくれる」と思ったからです。
政・官・業の癒着、この鉄のトライアングルを打破しない限り、「失われた10年」の只中で漂流していた日本の政治・経済・社会を立て直すことはできない、当時の私はそう思っていたのです。
で、その政・官・業の癒着の温床が郵貯マネーであり、国民の年金。この財政投融資や特別会計の闇の中で族議員が跋扈(ばっこ)し、官製談合で業界が甘い汁を吸う。地元は公共事業や豪華なハコモノで喜ぶ。ここで政治家は、カネと票を掌中に収める。
「失われた10年」という、経済・社会が危機的状況にある時も、この癒着と談合で国民の財産を食い物にする構造は変わりませんでした。
小泉氏はこれを壊そうとした。だから私は、彼に熱くなったのです。
でも、福田康夫氏を総理大臣に選出した前回の総裁選、そして今回、自民党は変わっていませんね、というか、小泉氏が首相の時はおとなしくしていただけだったんですね。ほんとうに彼らの政治行動には理念も信念も感じられません。
森喜朗元首相、二階俊博経産相、そして麻生氏とは犬猿の仲と思われていた古賀誠氏までもが麻生支持。前回は反麻生包囲網の中心になった面々ですよ、彼らは。
もう、ウンザリです。こんな自民党、付き合いきれません。
ところで、もう一方の民主党。中には評価できる政治家もいます。が、「隠れ左翼」というか「無国籍左翼」が「リベラル」という隠れ蓑を着て隠然たる勢力を誇っている、という点で許容できません。
自民党もダメ、民主党は安心できない。どうすればいいのか?
選択肢がありません。
今回は、一度、民主党に政権を任せてみるしかないのか???
民主党は、国の根幹である安全保障をめぐって真逆の勢力が拮抗しています。小沢一郎代表が掲げる公約も財源的裏付けのない人気取りの政策。政権を取っても実行できるわけがありません。
私は、仮に民主党政権が誕生しても1年ももたないと思いますね。
下野した自民党は、きっとガタつく。何といっても自民党の求心力は「政権」ですから。一方、政権運営に行き詰った民主党は分裂含みになる。
で、政界再編!
これがイチバンかな。
自民党内で反主流派になりつつある改革派。その看板である小池氏を小泉氏が推(お)したのは、そのあたりを睨んでのことかもしれません。
①改革派と守旧派、②親米派と親中派、③上潮派と財政規律派、④憲法改正派と9条擁護派、再編の軸はいくつもありますが、小泉氏の狙いとする軸は①と③を中心に②と④を加えることでしょう。民主党の前原誠司氏や野田佳彦氏のグループは、これを軸にすれば結集しやすいですからね。
政治勢力は、保守派(守旧派ではない)と改革派、そしてリベラル派(9条擁護派)に分かれる。公明党と共産党は番外地、これが理想です。そして、やがて2大政治勢力に収斂される。
こうなってこそ、真の「55年体制の終焉」、日本の新しい民主政治の始まりと言えるのです。
1993年の細川連立政権の樹立は、野党の、とりわけ社会党の55年体制に終止符を打ったに過ぎず、自民党と民主党は、未だに55年体制の残滓を引きずっています。だから、自民党も民主党も一度ぶっ壊さなければならないのです。
ところで、私は新自由主義者ではありません、念のため。競争は大原則ですし、結果の平等には反対です。が、行き過ぎた競争、弊害の方が大きい規制緩和には反対です。
たとえばタクシー業界。自由化の結果、運転手の賃金は2割以上減ったと言われています。で、サービスが目に見えて良くなったわけでもない。挙句にタクシー料金は値上げ。いいことなんか一つもありません。
国土交通省が規制を復活させるそうですが、当然でしょう。
それから、市場の自由化によって派遣社員が増えた。キャノンやシャープなどの、今まで雇用を大事にしてきた会社でさえ、新鋭工場の者の半数以上が派遣。賃金は安く身分は不安定。
これも、同一・同一賃金の原則にもう一度立ち返るべきです。そして、正規雇用への登用を制度化させる。
キャノンは、トップが経団連会長を務めているせいか、去る3月、年内をメドに国内で働く1万2000人の派遣社員のうち、約5割を直接雇用に切り替え、正社員への登用も進めると発表しました。
こういう動きを歓迎したい。
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コメント
タクシー料金の値上げは国土交通省の認可によってなされたものであって、それを規制緩和反対の文脈で批判するのは筋が違うのではないかと。
むしろ規制緩和の不徹底というふうに批判した方が適切では?
あと、値上げには燃料代の増加が影響しているので、その分まで規制緩和の影響のように言及するのはどうなのかと。
投稿: OGINO | 2008/09/13 18:12
OGINOさん、こんばんわ
最近はコメントにレスしないのが原則なのですが、誤解があるようなので少々
>タクシー料金の値上げは国土交通省の認可によってなされたものであって
タクシー会社が値上げを申請したから国土交通省の認可があった。つまり、規制緩和に業界が耐えられなくなったのが原因でしょう。
弱い会社が淘汰されるのではなく、業界全体が沈没しそうになった、ということです。
国土交通省の「自動車運送事業の経営指標」によれば、タクシー事業者の平均利益率はほぼゼロとなっています。2002年の規制緩和により参入規制が自由化され、タクシーの車両台数は大幅に増加しました。それに対してタクシーの利用客数は、低迷が続いている。タクシー業界は典型的な過当競争業界となっているのです。
>あと、値上げには燃料代の増加が影響しているので
私が指摘している「値上げの申請」は昨年の前半であり、燃料代の高騰とは直接関係がありません。
燃料代高騰の影響が出始めたのは今年に入ってからです。
投稿: 坂 眞 | 2008/09/13 18:38
麻生氏支持者と与謝野支持者、どちらも怪しい人たちがついていますが、問題はどういう裏契約があるかだと思います。
それが後の足かせにもなるでしょうし。
まあ、与謝野はもうないでしょうけれど。
「失われた10年」と区切りが良いのでよく言われますが、産業によっては「失われた12年」「失われた15年」です。
区切りを考えたら「失われた15年」の方が適切かもしれません。
「政界再編」が望まれます。
投稿: hanpokopen | 2008/09/13 23:00
こんにちは。キヤノンは2/8の衆院予算委員会で志位さんに長浜工場の実態を暴露されたみたいですよ。正社員切り替えは時期的に見て、これがきいたのかと。志位さんは15年国会議員をやってきて、こんなに反応があった国会質問は初めてだそうです。
ニコニコにも動画があがってるみたいなので、是非見てみてください。
投稿: 雨 | 2008/09/14 09:39
言われる様にもう自民でも民主でも有りません。両党の中身を吟味すれば共産党と変わらない人が与党で議員で有りたいがために自民に、細川の二の舞をやる為の共産党員の第二の巣窟が民主、矢張り日本を考える第三の党が自民・民主を問わずに出来て欲しいと考えています。
安倍氏に流れ、福田氏に流れ、麻生氏に流れる、小泉首相が小池氏に流れるのは当然、福田氏を押したのが当人ですから麻生さんには入れられないでしょう、自然で筋を通さざるを得ないからそう成っただけの話。
規制緩和も決して間違いのないもの、構造改革もやらなければいけない事ですが、一度振り返るには時間が必要でしょう。慌てすぎ放縦に流れた、例として運送・タクシー業界などは人間集約企業体緩和した結果は事故も含めて惨憺たる状況です。
日本人の特性・日本人の組織力を見損ない伝統を破り、グローバルと言う言葉で一番大事な「現場」を破壊するような性急なやり方が日本人の特性を殺してしまう結果を生んだのでしょう。
規制緩和後のタクシー・トラック乗務員など給与が上がる暇がない。新規の会社が出来、中小はつぶれていく、潰れた企業の従業員は新規の企業に入る、まるで中国の「労農」と同じ。
これらを突く共産党の志位書記長、別に労働者の事など考えて居ませんよ。自民党の失政が労働環境・企業体質の変化に成り、正規雇用が減り、昔で言うアルバイトを管理する「企業」(口入屋)が出来て江戸時代に戻りかけているだけの状況の時に志位氏が居たっただけの事。
許可制と認可制の違いも理解しないといけません。許可は書類が揃い申し込めば許可に成ります、認可制は物凄い規制をクリアして安全から経営までの全てを官が把握異常が有れば「官」の責任にも成るので双方が真剣に事業に取り組まざるを得ないのです。
加えて同業他社の反発をも抑える必要も生じる時が有ります政治力のない中小企業が出ようとするには大きな労力と時間が必要、これを簡素化しようとし許可で済まそうとした訳ですが別に省庁の負担が大きく減る様な問題では有りません。
構造改革もやっては成らないところやらねばならないところと有ります。安全保障まで「規制緩和」だなんて風潮が出てきては御終いです、景気も世界が悪い方向に向いているのに日本だけが良いなんて事は有り得ません。
構造改革とは別次元だと思いますよ。
投稿: 猪 | 2008/09/14 16:01
御手洗や奥田のやることを額面通り受け取ってはならない
投稿: | 2008/09/14 21:09
去年の総裁選ではかなりの盛り上がりを見せましたね。それに比べると今年は落ち着いているというところでしょうか。大阪での演説を聴きにいきましたが、大変な人の数でした。特に中年以上の方が多くて、真剣に耳を傾けている方が多かったように思います。なんといっても今年は善vs悪という対立がなかっただけに話題には欠けるのでしょう。去年は麻生氏が陰謀によって引き摺り下ろされたり、話題に事欠かなかったですしね。その点今年は本来の総裁選にもどり、政策に興味のある熱心な自民党支持者が集まっていたようです。でもどうせなら悪陣営に2~3人たてて勧善懲悪の筋書きで行ったほうが盛り上がったかもしれませんね。2、3の裏切りやら陰謀やら織り交ぜて最後には善陣営が勝利するという
書いているとアホみたいなことですが案外盛り上がるのではないでしょうか。尚悪陣営にだれが似つかわしいかはあえて申しません。
投稿: 良識の星 | 2008/09/21 20:19
政権交代じゃなくて、政界再編を希望したいです。ずばり、政権にくっついているあの変な党を排除してほしいからです。
投稿: ゆみこ | 2008/09/24 15:57
今日は書いていらっしゃるかと思って寄ってみましたが、書いておられないようですね。
私も総裁選には興味がなかった、というより分かりきっていた勝負なので不安などなかったのですが、今回の組閣はどうでしょう。
少しは興味、というか憤りが出てきたのではありませんか?
もう最低最悪の組閣です。
本当に戦後最悪と言っても差し支えないと思います。
麻生さんには期待していただけに非常に落胆致しました。
麻生内閣は何もしないうちに終わってしまった、そんな感じです。
投稿: 龐統士元 | 2008/09/24 22:55
西村議員が新党を作りました、党利党略に囚われない日本人の日本人の為の政党が第三勢力として機能する、今の日本に必要な事だと思います。
日本人の為の政党などと言うと朝日新聞辺りは「軍靴の足音」「再び戦争」決り切った単語で反応するんでしょうが政治家は勇気を持って日本を語って欲しい。
経済人は国など語りません「グローバル」と言う言葉どころか世界に日本製造業は網を張っています、一番必要で有った商社が国益・軍事を語らないのが不思議。
世代が交代して商社が骨を抜かれ形をとどめているのでしょう。それがイラクで商社マンが帰国できない、トルコ機で帰国できた大恥も忘れられようとしている、情けない話です。
投稿: 猪 | 2008/09/25 15:24
どうでしょうか?最悪の内閣?河村氏には驚きましたが「朝日受け」する人なのです。自分で閣僚の仕事を明言し、後押しをした首相は残念ながら見た事は有りませんでしたので「閣僚」は省益より「国益」と言う首相の言葉に忠実に成らざるを得ません、自民党には未だその力を出せるルートがあるでしょう。
民主党は100人の議員を各省庁に送り込む?パフォーマンス、対応できる能力とルートのある訳が有りません。国民が民主党を80%支持する「小泉現象」が起こらない限り、民主党議員が官僚を抑え切るのは不可能。
政権奪取・政権交代して日本国に良い目が出る兆候はないでしょう。
自民党がとりあえず一本になろうとする選挙内閣、麻生色は出せません。日本改造など一言も出てきません、封印しておられるのでしょう。選挙に勝たなければ意味がない、選挙の為にはワンマンで持つ「小沢」を叩くしか方法が無い為、民主党に近い思考を持つ人も登用したのでは?と勘繰って居ります。
投稿: 猪 | 2008/09/26 10:54
同一労働同一賃金などと言われますが、首になるリスクが高い非正規雇用と安定的な正規雇用では本来、負担したリスクの分だけ非正規雇用の賃金が高くなくてはいけません。プロ野球でも球団は一年あたりでは高くなっても短期契約を求め、選手は長期契約を求めることが多でしょ。
投稿: ぷぺぷぺ | 2008/10/01 19:44