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2008/10/04

米バブル崩壊は歓迎すべき出来事

サブプライムローン問題に端を発した米国の金融危機で、日本の金融機関がその存在感を急速に高めている。

先月29日には、三菱UFJフィナンシャル・グループが米証券2位のモルガン・スタンレーに最大21%(90億ドル=約9500億円)出資することで合意したと発表した。これで、三菱UFJはモルガンの筆頭株主となる。

また、昨日、三菱UFJ傘下の三菱UFJ証券とモルガンの日本法人が経営統合を視野に検討に入ったことが分かった。実現すれば、企業の合併・買収(M&A)業務の取引規模では野村ホールディングスに匹敵する国内最大級の証券会社となる。

野村ホールディングスも、破綻した米証券4位のリーマンブラザーズのアジア部門と欧州・中東部門を既に買収している。欧州のM&Aにおける野村の顧客レベルは2倍以上に広がると見られている。

そして、米連邦準備制度理事会(FRB)に救済された米保険最大手のAIGが昨日、日本国内で展開しているアリコ、AIGエジソン生命、AIGスター生命の生保3社の売却を発表した。AIGスター生命は経営破たんした旧・千代田生命、AIGエジソン生命は同じく旧・東邦生命をAIGが買収したものだ。
3事業とも収益性の高い優良事業だが、アリコも含めて、今度は逆に日本勢の傘下に収まる可能性が出てきた。

もともと、今回の金融危機で、米国金融機関に支援の手を差し伸べられるのは、中東の産油国と中国と、そしてわが国の金融機関の三者しかないと見られていた。そして、米国がもっとも信頼できるのは、わが国の金融機関だと言われていた。

米国の金融機関が急激に凋落していく中で、わが国の金融機関がその立場を取って代われるかどうかは今のところはまだ不確定だ。が、これからもマネーゲームに手を染めていた者たちが次々に倒れていく。その連鎖は、既に欧州にまで及んでいる。
その中で、わが国の金融機関だけは、80~90年代のバブルとその崩壊を経験したおかげで極めて健全である。おそらく今後は、その存在感がますます高くなるのは間違いない。
もちろん相応のリスクはあるが、讀賣新聞の取材に、あるメガバンクの首脳は「銀行は経済の黒子に徹すべきだ。もうける必要はない」と答えていた(9月27日朝刊)。この発言もバブルの教訓が生きている証だろうが、トップがこういう考えを失わない限り、わが国の金融機関は大丈夫だろう。

「カネがカネを稼ぐ」というアメリカ型ビジネスモデルは完全に破綻した。
「投資銀行」と呼ばれる米証券大手は、借入金の何倍もの資金を金融工学と呼ばれる複雑な技術を駆使して運用し、荒稼ぎしてきた。経営トップの報酬も天井知らずで、破綻したリーマンのトップは年間報酬が79億円だった。まさに「強欲で腐敗したウォール街」(ペイリン共和党副大統領候補)。
が、自らが管理できるリスクを超えた投資を繰り返すマネーゲームは、まるで賭博と同じ。必ず行き詰まる。
そして、マネーゲームは「ウォール街を代表する老舗証券5社の消滅」で幕を閉じた。

価値の源泉はであり、実体経済の屋台骨は農業を含めた製造業である。金融は、人間の体で言えば血液にたとえられる、なくてはならないものである。が、金融が実体経済を支配するという米国式金融資本主義は明らかに異常であり、いつか破綻するのは目に見えていた。

今回の金融危機は世界経済に大きなダメージを与えた。が、私は良かったと思っている。これで世界は、いくらかまともになる。
米国経済は、間違いなく、この先数年間は低迷するだろう。結果、世界中で暴れ回ってきた投機資金もおとなしくならざるを得ない。現に、ニューヨーク原油先物相場は10月3日、1バレル=93.88ドルと、7月11日につけた最高値147ドルの3分の2以下の水準にまで下落した。原油のほか小麦、銅も下落した。理由は、米議会を通過した金融安定化法案でもリセッションを防げないとの懸念が強いからだ。
米国経済の不振は世界の景気に悪影響を及ぼす。が、その結果、原油や穀物の価格がさらに値下がりすれば、ガソリン価格や食料品価格の値下りという形で我々の生活に還元される。原料高に悩まされてきた企業も一息つける。そして実体経済においては、社会の役に立つ製品を作る企業が評価され、株価も上がる。

今は最悪に見える世界経済だが、異常な姿から本来の姿に戻るための、謂わば「生まれ変わりのための痛み」と受けとめるべきだろう。

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【追記】
先月29日から「政治ブログランキング」に復帰しました。
このカテはアクセス数が10倍くらい違うんですね。
それを痛感した次第です。

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【追記2】
「サブプライムローン問題」と言っても、「よく解らない」という方もおられると思う。
で、少し解説したい。

サブプライムローンは、よく「低所得者向け高金利型住宅ローン」と呼ばれるが、これは正確な表現ではない。サブプライムローンとは、「通常の住宅ローンの審査には通らないような信用度の低い人向けのローン」なのである。プライム層(優良顧客)ではない人たち(サブ)に貸すのであるから、そのリスクはきわめて高い。

本来、借り入れができない人たちが融資を受けられる。当然、住宅や不動産は飛ぶように売れる。価格が上昇して資産価値が膨らむから信用度の低い人たちも何とかしのげる。が、ひとたび価格が下落に転じると不良債務者が激増する。

米国の金融機関は、このリスクを細分化して証券とし、複数の金融商品に構成要素の一つとして組み入れた。そして、魅力のある「デリバティブ(金融派生商品)」として不特定多数の投資家に売買して巨額の手数料を稼いだ。
つまり強欲なウォール街が、サラ金みたいな住宅ローンを信用度の低い人たちに大量に貸し付け、バブルを引き起こしてそのリスクを隠蔽していた。そして、リスクは金融工学というマジックを使って世界中にばらまかれていた、ということだ。
しかも、今回の米国のバブル崩壊は、わが国のそれとは桁が違う。

サブプライムローン関連の損失額は、最近の国際通貨基金(IMF)幹部の発言では総額1兆1000億ドル(約115兆円)で、わが国のバブル崩壊後の金融機関損失額と同程度である。
しかし、金利関連を中心に米銀のデリバティブ契約残高は今年3月末で米国のGDPの10倍に上ると言われている。そして、このデリバティブの全容は米国通貨当局も掌握できていない。「工学」という名の「マジック」だから、信用の格付け会社もその与信度が正確には分からない。

そこで、住宅関連のデリバティブ取引が金融機関に巨額の損失を発生させ、中身がよく分からないから、その信用不安がデリバティブ全体に及んでいる。そして、そのデリバティブの総額は米銀が抱える分だけで天文学的数字になる。
これが、今回の事態が「世界金融恐慌」につながるという不安を惹起させるのだ。だから、米国政府は不良債権の買い取りに最大で7000億ドル(75兆円)もの公的資金を投入すると発表したのだ。

市場危機のたびにFRB(米連邦準備制度理事会)は巨額の資金供給をしたが、結果は無残だった。「FRB資金は投機資金に化けて原油・穀物相場を高騰させ、世界中を混乱させた」(ロンドンの国際金融アナリストのA・シムキン氏)。で、FRBがあわてて余剰資金を市場から吸い上げると、今度は原油など商品先物相場が急落し、先物に賭けていた金融機関が破綻した。

ウォール街はサブプライム危機までは繁栄を謳歌してきた。借り手が返済する確実性や収益性が欠けていても、リスクは限りなく細分化されているから大丈夫のはずだった。
で、いつでも現金に換えられるはずの証券が爆発的に増殖したが、住宅価格が急落した途端にこれら証券はほごになった。
リスクが限りなく細分化されている分だけ、信用不安も限りなく細分化され世界中に広がった。

バブルに安住した強欲な金融機関の因果応報が今回の経営破綻である。金融大手救済に国民の税金を使うなという米国世論も解らぬではない。

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経済」カテゴリの記事

コメント

ロイター
再送:UPDATE1: 外準規模は大きすぎ、GDP比10%まで削減を=大塚・民主金融チーム座長
http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPnTK019426420081002

ブルームバーグ
民主党:外貨準備高を10年間で対GDP比半減に-財務省を視察
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003003&sid=aMGyGLRQOyWE&refer=jp_stocks

民主党の金融チームは凄いですね(棒読み

ドル売り円買い
米国債売り

政権公約したも同然です。
日本のマスコミは報じてませんが、ヤバイと思ったのか海外の経済系マスコミは報じました。
民主党は例え政権捕ってもどこにも相手されないでしょうね。

投稿: TAKA | 2008/10/04 20:07

経済は結構素人レベルなんですね。
今回のアメリカの金融崩壊は、間違いなく数ヵ月後(11月下旬から12月上旬スタートとの見方が多いですが)に大恐慌となって世界中を襲います。
勿論、日本も例外ではありません。ドルの半分は円で出来ていますからね。

そんな状況で、日本の大企業は既に弱った外資からパイを奪い返したり、野村のように譲ってもらったりして勢力を伸ばしていますが、一般消費者にとっては、今のインフレよりも
ずっと大きな物価高、それにコントロール不可能な円高がやってきます。

EUは既に団結して不良債権緒の洗い出しと、市場の波にうまく隠れて不安因子をつぶすことを始めています。
アメリカの金融法案がどうあれ、恐慌対策は今どれだけのことをするかが大事ですからね。
対して日本は、麻生氏はまだこの重大な事実にすら気付いていません。
アメリカの指示待ち状態です。

米バブル崩壊が喜ばしいなんて、正直不謹慎すぎます。
この恐慌で、どれくらいの中小企業や人々が犠牲になるかを考えると、そんな言葉は出て来ない筈です。
政治記事は楽しみにしていますが、ちょっと今回はがっかりしました。
あまりわからないことは、極論は避けるべきだと思います。

投稿: 由加里 | 2008/10/04 21:26

由加里さんは経済の玄人なんですか?

>今回のアメリカの金融崩壊は、間違いなく数ヵ月後(11月下旬から12月上旬スタートとの見方が多いですが)に大恐慌となって世界中を襲います。

はないと思いますよ。
根拠の第一は、米国は日本のバブル崩壊を学習してきたからです。何年も前にその話を聞きました。
で、第一弾が「不良債権の買取」。
これって、我が国と同じですよね。次は、きっと公的資金の注入と不良債権の強制処理ですよ。間違いない。

根拠の第二は、米当局が、それほどバカとは思えないからです。ドルが崩壊したら日本はもとより中国も崩壊ですから、それくらいは解っているはず、絶対にね。

>対して日本は、麻生氏はまだこの重大な事実にすら気付いていません。
アメリカの指示待ち状態です。

これって、誰かの受け売りですか?
あなたが経済に詳しいとは思えないんですが(笑)
麻生氏はそれほどバカではありません。

投稿: 坂 眞 | 2008/10/04 21:56

上の方に対しての疑問なのですが、確か日本よりEUのほうが今回のサブライム問題の影響を受けているとの報道があります。その結果がここ2,3週間のユーロの暴落(対ドル、対円)につながっているかと考えます。 サブプライムの影響が大きいEUとその影響が小さい日本とでは、対応がおのずと変わってくるのではないでしょう?乱文ですみません。

投稿: ハル坊 | 2008/10/04 22:02

ハル坊さん

おっしゃるとおり、です。

>対して日本は、麻生氏はまだこの重大な事実にすら気付いていません。
アメリカの指示待ち状態です。

またまた出ました「陰謀論」って感じでしょうか(笑)

投稿: 坂 眞 | 2008/10/04 22:18

ご復帰おめでとうございます。
やはり坂眞さまが上位に居てくれないと保守は落ち着いていられません。
 
しかし
米証券会社や銀行に対する日本金融機関による買収は
社員個人が資産ですから
社外に逃げられてしまうと無駄になってしまいます。
それが無ければ良いのですが・・・

投稿: 柳生昴 | 2008/10/05 00:15

複雑な金融工学って・・・

だいたい、CDSの仕組みも知らないで、サブプライムローン問題を語ろうというのが間違っている。

ビジネスモデルとしてはとっくに破綻した投資銀行を、日本の馬鹿銀行がアメリカ人を救うために、日本人のお金をどぶに捨てまくってせっせと買収しているのに、「歓迎すべき出来事」とは暢気なものですね。

このつけはそのうち、日本人がアメリカ人に替わって払うことになるのでしょう。

バブルが弾けてからわざわざ金を払っている日本について、「その影響が小さい日本については、対応がおのずと変わってくるのではないでしょうか」というのは、物は言い様ですね・・・

投稿: 七誌 | 2008/10/05 00:49

この記事の内容にはおおむね同意ですが、

> 根拠の第一は、米国は日本のバブル崩壊を学習してきたからです。

学習していたら、そもそもこのような事態を回避するために、土地バブルを回避するような政策をおこなうべきだったと思います。

日本のバブル崩壊を学習していたとしても、日本のときとは比べようがない規模でふくらんでいるのが米国の金融危機ではないですか?日本のバブルのときは、CDOや、CDSは有りませんでしたが、今回はこれらのインチキ金融商品が、土地バブルの影響を何倍にも増幅してしまったと。
CDSの市場は60兆ドルです。
http://4ki4.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/cds.html

で、先日やっと成立した救済プランも、これだけではほとんど効果がないようです。(CDS市場だけでも60兆ドルもあるのに、7000億ドル程度では追いつかないのでしょう。)
http://blog.livedoor.jp/nevada_report/archives/480609.html

日本は本業(製造業)に精を出すことでなんとか立ち直りましたが、アメリカは、いまさらコツコツ働いて稼げるのでしょうか。
アメリカがまじめな方法で立ち直るためには、日本より長い時間を必要とするかもしれません。

ジャイアン・アメリカとしては、借金の踏み倒しもあり得る話かもしれません。
http://blog.livedoor.jp/nevada_report/archives/475661.html
http://www.asyura2.com/07/war90/msg/394.html

投稿: ななし | 2008/10/05 01:37

この問題では、経済の玄人も素人も関係ないでしょう。
ウォール街の経済のプロ中のプロや、LTCMにいたようなノーベル賞クラスの経済学者も、住宅価格が下落したらどうなるか?誰も気が付かなかった・・・
こんな簡単な事に。
いや、気が付いても、恐ろしくて気が付かないふりをしていた?

投稿: あむ | 2008/10/05 03:56

かって宮沢喜一が首相時代国会答弁で、アメリカの理系大卒者は物づくりに行かずに金融業に流れていると言って、米国筋から大反発を受けたことがあります。

そのときの宮沢の国会発言をよむと、キッシンジャーに俺より英語がうまいと言われた宮沢も自国語はあまり上手でないなと苦笑いしたことを思い出しました。

もちろん、宮沢氏は正しいことをいっているわけで、もう少し格調高く表現すればよかったのですが、自分の選挙区の支持者相手にしゃべるみたいな言葉遣いをしたものですから、米国サイドから猛反発を受け平謝りしました。

我が国でもその頃から理系の新卒者が製造業に行かずに、金融証券業界に流れ始めていたので、宮沢氏は警鐘を鳴らしたわけで、まさに正鵠を射ていたのです。

そのごの我が国経済の実情はわれわれが身をもって経験したところであり、今米国が同じ轍をたどろうとしています。

坂さんの言われるとおり、人間社会は物づくりが基本です。金融は黒子に徹すべきです。

投稿: weirdo31 | 2008/10/05 05:49

東邦生命には入って居ましたが一枚の紙で契約は破棄、又日本企業に成る?複雑ですね。まあ自分では投機的な事は一切やりませんが**生命など買収もされず民族企業として残り、個人資産としても残り少ない金額でも毎月補充されるお陰で助かって居ます。

金融で遊ぶアメリカとは日本は違う、金融政策は必要でしょうが世界の循環器の役目をドルがやってるのですからドル保護には日本はやらざるを得ません、貿易国家の宿命でしょうが耐えることが必要、良い面も見るべき、悪い事ばかり見ていては耐えられませんよ。

投稿: 猪 | 2008/10/05 08:36

七誌さん
CDS(クレジットデフォルトスワップ)は知っていますよ。その市場規模は62兆ドルにもなると言われていますね。
ただ、私は米経済のリセッションは、わが国の「失われた10年」ほどひどくはならないと思います。
サブプライムは住宅ローン全体の約14%程度。今は負の連鎖で信用収縮が拡がっていますが、政府の介入でいずれ解決されるはずです。
これが解決されれば、CDSを販売している金融機関の救済に繋がる可能性があります。

リーマンは破綻させられたのにAIGは救済された。これはAIGのCDSに対する保証残高が4400億ドルにまで達しており、投資銀行や保険会社に対して保証していた140億ドルの支払いに行き詰まったからと言われています。
AIGが債務不履行になると大きな混乱を引き起こす可能性が高いと判断したから米政府も決断したのだと思います。
私は、ここに米政府の強い意志を感じます。
米経済がかなりの期間低迷し、その影響はわが国経済の足も引っ張るでしょうが、金融恐慌が世界規模で起きるとは思いませんね。

>日本の馬鹿銀行がアメリカ人を救うために、日本人のお金をどぶに捨てまくってせっせと買収しているのに

日本の銀行は、そんなにバカではありません。特に三菱UFJフィナンシャル・グループは賢明ですよ。バブルが崩壊した後もMUFGは唯一、公的資金の注入を拒否し、逆にUFJを救済しました。
バブルにあっても、他行ほどのバカはやらなかった、ということです。
記事に書いた「銀行は経済の黒子に徹すべきだ。もうける必要はない」と語ったあるメガバンクの首脳とはMUFGのことです。

>このつけはそのうち、日本人がアメリカ人に替わって払うことになるのでしょう。

対米国となると必ずこのような主張が出てくるのですが、今回はそうなるとは思いませんね。
日本の銀行、特にMUFGを舐めすぎですよ。

なお、私はMUFGの肩を持っているわけではありません。元来、銀行は嫌いです。

投稿: 坂 眞 | 2008/10/05 11:03

■米金融安定化法案が成立 下院修正案を可決―今こそ金融馬鹿、賭博師を市場から退場させ、新たなパラダイムを構築すべきとき!!

こんにちは。金融安定化法案下院を通りましたね。でも、アメリカの金融システムが安定するまでには、多くの吸収・合併・提携などが行われ、実質的に金融馬鹿(サブプラム・ローンなどの金融商品を開発した金融機関の経営者)、賭博師(サブプライムローンを大々的に売り出すきっかけを作り出した金融機関の経営者)が市場から退場するまで、安定化しないことと思います。安定化には3年から5年かかります。実体経済の回復は、8年~10年もかかるかもしれません。そうなると、他の国々も相当影響を受けます。日本としては、独自の路線を歩まなければなりません。私のブログでは、日本の独自路線のヒントなど掲載してみました。(アメリカも同じことだと思いますただし、現状では余力がなさすぎか・・・)。詳細は是非私のブログをご覧になってください。

投稿: yutakarlson | 2008/10/05 11:19

サブプライムは設計段階ですべてのリスクをカウントしていなかったのが最大の問題だと思う。
当初はプライムよりいくぶん高金利ではあるが低所得者層(ハイリスク層)に住宅取得を促すための資金を提供し、経済を発展させた功績があった。
しかし、手数料目当てのエージェント(仲介業者)がそもそも住宅取得が全く無理な貧困者層(ウルトラハイリスク層)に資金を仲介し始めたことで今回の問題が発生した。(表面的にはいいことでも少しでも穴があれば必ず悪徳業者はそれを利用し問題を広げていく好例。最初に厳罰を徹底しないと失敗する)
住宅価格上昇が鈍化すれば大量の不払いが発生し遅かれ早かれこの問題が発生していた。

結局、サブプライムではすでにリタイヤーした金融関係者と手数料を食い逃げした悪徳仲介業者だけが儲け、それ以外は貯め込んだ利益の何倍もの損失をだしたことになる。

正常化するまでには数年かかるのでないかと思います。

投稿: Rascal | 2008/10/05 11:29

> サブプライムは住宅ローン全体の約14%程度。

いや、もうサブプライムだけではなく、ノンリコースローンを組んでいる住宅ローン全てが危機なのですよ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3
住宅価格が暴落し、元の価格に戻る見通しがないのに、ノンリコースローンの返済を続けるバカはいません。
自分の家を放り出す人が続出しています。
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200809080113461
まさにキリギリス状態です。

投稿: ななし | 2008/10/05 12:38

日本のバブルの経験からすると、アメリカ経済が数年で立ち直ることはあり得ないと思います。世界経済全体が、長いスタグフレーションの時代に入るのでしょうか。

もう一つ、デフレが終焉したことも重要だと思います。すでに日本で食料品の価格が上昇していますが、この価格は下がることはないと思います。
すでに日本でも地価の下落が報じられています。物価が上昇し、地価が下落するのはちとつらいかと考えます。
もっとも、先進諸国のなかで日本は最も被害の少ない国になりそうな進行状況なのでしょうか。

最期にもう一つ、アメリカの経済問題は世界に波及します。最も弱い国にしわ寄せがくるのは普通のことです。中国や韓国の経済が破綻しても自業自得という気がしますが、アフリカ諸国の惨状は恐るべきものになるかもしれないとも思います。

投稿: 縄文人 | 2008/10/05 16:58

>ただ、私は米経済のリセッションは、わが国の「失われた10年」ほどひどくはならないと思います。

まったく間違いで、実際にはもっとひどくなるだろう。

ご存知のとおり、CDSだけで62兆ドル。デフォルト(借主が破綻)したら支払わねばならないデリバティブ債権が6200兆円ある。このうち一割が破綻したら620兆円(すでに一割以上の破綻は確定だが)。620兆円の現金なんてアメリカ政府ですら用意できない。

その時点で、CDSの支払いを現金を用意できなかった引受会社は破綻。すべてのデリバティブCDSは紙くずになり、CDS引受元のすべての保険会社も破綻して、住宅価格は暴落し、さらなるデフォルトを招くことによって6200兆円全体が紙くずになるだろう。

(実際は、CDSだけでこの額であり、住宅ローンの未払い金、売掛金の回収不能、資産価値の下落による担保増の不能、不況による貸付の焦げ付きなどでさらに紙くずになる債権は膨らむ)

そうなれば、CDSを持っていた会社だけでなく、CDSを抱えて倒産した会社の債権を持っていたすべての銀行が破綻する。いちど取り付け騒ぎが起これば、いくらドルを刷ってももはや止めようがない・・・

また、保険会社というのは、再保険という契約をしていて互いに債権を持ち合っている。世界最大の保険会社、保険会社の保険会社ともいえるAIGが破綻して再保険が紙くずになれば、日本の保険会社の大半がたやすく崩壊するだろう。

規模を見ても、その処理を見ても日本のバブルを100倍大きくしたような、未曾有の大混乱が待ち構えている。(日本のバブルが説にもよるが100兆円規模?)

だから各国銀行が、自国通貨ですらないドルを市場供給するという前代未聞の事態に陥っているのです。

しかし今行われている、かって日本も行った、通貨供給では、日本のバブル同様、そのお金は一時的な先延ばしができても、不良債権処理に使われないので(誰も不良債権は買い取らず、不良債権を抱えてつぶれそうな相手には貸さない)その資金が資源市場に流れ込んで資源高、相対的な通貨安を招いてしまいます。これにより強烈なスタグフレーションが起こるわけです。(これが失われた10年の正体)

日本のバブルを見ればわかるように、アメリカはリセッションの対策にすでに完全に失敗している。

リセッションの根本的な対策は、倒産の先延ばししかできない貸付ではなく、国が直接金を出してウォール街の連中にばらまいて屑同然の財産を高値で買取り、火遊びの尻拭いをするしかない。

しかし民主党の支持者は「ウォール街で火遊びして失敗した高給取りを国の金で救済するのか?」という世論が大半である。そして来年は選挙の年です。

そして結果的に、信用不安からGMをはじめアメリカのほとんどの大企業が資金調達の困難に直面して破綻するだろう。

もちろんアジア諸国のうち、海外での資金調達が必要な資金力が弱い国々も例外ではありません。

海外に600兆円の金融資産を持ち、円キャリーでさらにその数倍の貸付を持つ日本。日本は最も被害の少ない国であることは、おそらく無理でしょう。

こういった現実を前にして、まだ「米バブル崩壊は歓迎すべき出来事」という主張ができますか?

民主党など、今米国債を売ってアメリカを崩壊させようと主張している・・馬鹿としか思えない。

投稿: 七誌 | 2008/10/05 21:42

日本のバブルを教訓にアメリカが事態の早期解決に成功するという見通しは正直、どうかなと思います。そもそも本当に教訓を生かせていたなら、バブル崩壊はなかったのではないでしょうか。
公的資金の注入に関して、もっと先回りして動きべきだという意見は以前から市場には存在しました。それでも米政府は動かなかったわけです。
今回の金融安定化策についても、一旦は下院で否決されるという事態になりましたし、日本のバブル崩壊に学んで打てる手を全て先に先に打っていくというのは今後も難しいでしょう。アメリカ国内の考え方として様々な面で自己責任論が強いという見方がありますが、金融従事者の過大な報酬の問題等もあり、今回のバブル崩壊や信用収縮の問題は『金融機関の自業自得』的な側面が強いことは否定できませんがだからこそ、その(いわば)尻拭いに『国民の税金』を投入することにはまだまだ反感が根強いような印象を受けました。その反感が論理的に正しいかどうかは別として。
最終的に公的資金の注入と不良債権の強制処理に行き着くという予想は同意いたしますが、そこに至るまでにはまだ紆余曲折が必要と見ております。

投稿: ののく | 2008/10/06 13:55

歴史には、似たようなことは起こるといいますが、
まったく同じことは絶対起きません。
まったく同じでなければ、以前成功した処置の方法といえども使い物にはなりません。

バブル崩壊に際して、日本の処理の仕方を十分研究して処方しているから、多分大丈夫だろうなんていう評論家がいるが、まったく間違っている。

バブル崩壊という言葉だけ同じで、日本の場合と今回の米国の場合、詳細には何から何まで違っている。

あの当時の日本だって、以前の米国の処置の仕方を参考にしたが、実態はかなり違っていたのだよ。

まあ、米国の処置の仕方を見せてもらおう。

投稿: ヨコネノチンタ | 2008/10/07 11:23

>米国式金融資本主義は明らかに異常であり、いつか破綻するのは目に見えていた。

 ご無沙汰しております。
 坂さんが今頃こんなことを書いているのを知って少々驚きました。「目に見えていた」のならなぜそう書かなかったのでしょうか? 坂さんが、「アメリカの金融資本主義が行き詰っている」などという記事を書いたのはついぞ見たことがありません。「目に見えていた」のなら、何故、坂さんは郵貯の民営化を支持されたのでしょうか? 
 
 アメリカが郵貯と簡保の民営化を要求したのは、米国の金融資本主義を延命させようとする苦肉の策だった事は、今となっては明らかでしょう。
 私は、「米国の借金経済の破たんとドル暴落は目に見えている。だからアメリカの要求にのって郵貯の資金を米国に流してはダメだ」と、郵政民営化に反対し続けました。
 坂さんは、郵政の民営化も金融自由化も支持しておりました。それはアメリカの金融資本主義が安泰だと思われていたからではないのでしょうか? 今こう書くのであれば、ご自身の過去の主張をどう弁明されますか?

 また、ここに書かれていることはあまりにも呑気な楽観論に思えます。

 このままいけば米国債暴落、ドル暴落などで、日本もメチャクチャな事態になりますと思います。もっとも恐ろしいのは米国が債務不履行に陥ることです。そうなったら中国経済のみならず、日本経済だって崩壊するでしょう。
 それを回避しようとするのなら、米国債の最大の保有国である日中が連携し協力しながら、米国と協議することだと思います。この段階において、なお中国に対する敵意をあおりたてることは、日本経済をも崩壊に追い込む愚論です。

 私はブログで、中国は当面崩壊しないが、米国経済の破たんは目の前だ、だから日中は連携して備えねばならない、と書き続けました。坂さんは中国の崩壊が近いから、日米同盟を強化せよと訴え続けました。
 坂さんの予想は、今後も事実において反証され続けるだけかと存じます。 

投稿: 関良基 | 2008/10/11 18:22

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