小沢新党で民主党共倒れ!
突然ともいえる、民主党若手議員16名による造反。
が、これは単に、次回選挙に危機感を募らせた新人議員たちの捨て身の行動ではない。
今回の動きは、追い詰められた小沢一郎とそのグループが仕掛けた“政局”である。
それは、会派離脱を表明した16人のうちに、川島智太郎という小沢一郎の元秘書にして、現側近が含まれていることからも明らかである。
そして、この動きは、単なる“政局”ではなく、民主党分裂、政界再編までを視野に入れた、小沢流の大がかりな権力闘争である。
それは、次の情報をつなぎ合わせれば、より明確になる。
―今回の動きに、(小沢)元代表に近い議員は「実験的に比例単独議員を動かして、さらに広がりを見せそうだったら、新党含みの動きにつながっていくだろう」との見方を示した。(02/17 讀賣新聞)
―(小沢)元代表に近い原口一博前総務相は月刊誌(月刊日本3月号)のインタビューで、「政権交代の原点に回帰しようとするグループ」を「民主党A」、首相を支える勢力を「民主党B」と分けた上で「『民主党A』の力を糾合したい。我々と志を同じくするものは(他党を含めて)力を合わせていく」と訴え、「分党」を提唱した。(02/18 讀賣新聞)
(カッコはいずれも筆者)
つまり、当選1~2回の議員たちは、民主党分裂―政界再編の尖兵なのである。
比例単独だから選挙区の反発も考慮しなくていい、分党の動きが広がらず挫折しても、当選1~2回の議員だから捨石になってもらえばいい、そんな冷徹な判断が裏で働いているのだ。
いかにも小沢らしい策略である。
動きを見ていると、私は、1993年の政治的激動を思い出す。
6月の自民党分裂、小沢主導による新生党結成、そして同年8月の細川連立政権発足。
小沢が仕掛けた政権党分裂、政界再編、新政権の樹立。
この時は、小沢の戦略が功を奏し、彼は権力闘争の勝者になった。
が、これは、わずか1年で挫折し、結局、小沢は敗者で終わった。
しかし、小沢に対する国民の期待は衰えず、彼は、その後、新進党―自由党―民主党と、20年近くにわたって政界のキーマンとして君臨するのである。
今回は違う。
1990年代初頭は、自民党は金銭スキャンダルにまみれ、バブルの崩壊もあって、新しい政治を求める声が国民の間に充満していた。
そして、政治改革と政界再編を唱える小沢に対する国民の期待と支持は絶大なものがあった。
が、今回は、小沢自身が金銭スキャンダルにまみれ、小沢そのものが“古いタイプの政治家”と国民にみなされている。
国民の間に、1990年代のような「小沢に対する熱い思い」はない。
小沢は変わっていないが、国民も社会も大きく変わっているのだ。
小沢は、もう「過去の人」なのである。
古くからの読者の方ならご存知だろうが、私は小沢の熱烈な支持者だった。
少なくとも1990年代までは。
私が小沢を見切ったのは1999年1月である。
このとき、小沢は野中広務と手を組み、自・自連立を発足させ、結果的に自・公連立の先導役に堕してしまった。
この男には理念などない、あるのは異様なまでの権力欲、上昇志向である、と私はそのとき気づいた。
思い起こせば、私は小沢一郎に大きな影響を受けている。
「普通の国」「個人の自立、国家の自立」
とりわけ、「日本改造計画」に書かれた「グランド・キャニオンの一節」には強い感銘を受けた。
―国立公園の観光地で、多くの人々が訪れるにもかかわらず、転落を防ぐ柵が見当たらないのである。しかも、大きく突き出た岩の先端には若い男女がすわり、戯れている。私はあたりを見回してみた。注意をうながす人がいないばかりか、立札すら見当たらない。日本だったら柵が施され、「立入厳禁」などの立札があちこちに立てられているはずであり、公園の管理人がとんできて注意するだろう。(日本改造計画 1993年刊)―
が、今の小沢には、この本に書かれた理念はカケラもない。
終身雇用制を擁護したり、政府によるバラマキを推奨したり、挙句には、規制緩和に逆行する動きまで見せる。
民主党政権で小沢が見せたのは、利益誘導型政治による票の獲得、カネによる子分の拡大、つまり「政治は数、数は力、力はカネ」という田中角栄ばりの政治手法だった。
1980年代までの自民党政治、まさにこれである。
1990年代に小沢が唱えた政治改革など、単なる方便に過ぎなかったのだ、権力を獲得するための。
小沢は一貫して金権政治家である。
この男が1990年代に、「政治改革の旗手」として熱い期待を集めたのは、幻想に過ぎなかった。
彼の金権体質が、これまで暴かれなかったのは、小沢を寵愛した金丸信のおかげである。
金丸は、金銭スキャンダルを一身に背負って墓場に持っていってくれた。
だから小沢の体質に多くの国民が気づかなかったのだ。
が、今の国民は、民主党政権のわずかな期間の中で、小沢の本質に覚醒した。
もう、今の小沢には、かつての“改革者”としてのイメージはない。
あるのは
古い利益誘導型の金権政治家、
豪腕ではなく傲慢、
自分の権力欲で政党を壊し続ける男、
これだけである。
思えば、小沢は側近との確執の連続だった。
順に書くと、
熊谷弘
船田元
中西啓介
二階俊博
藤井裕久
石井一
離反後は、全員が小沢の天敵のような存在になった。
自民党を分裂させて作った新生党以来の同志は、山田正彦ただ一人である。
で、私もとっくに離反し、今は小沢批判の急先鋒である。
要するに、田中角栄と違って、小沢には人望がカケラもないのである。
で、自分を脅かす側近は躊躇なく遠ざける、この点は角栄にそっくり。
だから有力な後継者が育たない。
こんな小沢の「思い」を推し量り、山岡賢次のようなダーティな政治家や超軽量級の政治家が蠢いても、新党なんて絶対にうまくいかない。
永田町の汚れた海の底に、藻屑となって消えていくだけだ。
で、民主党は完全に崩壊!
民主党分裂!歓迎!!!
小沢新党!大賛成!!!
共食い、共倒れで、藻屑となって消えていけ!
(文中敬称略)
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コメント
第177回国会予算委員会2011年2月18日 (金)
子供手当とTPPで参考人招致
開会日 : 2011年2月18日 (金)
会議名 : 予算委員会
収録時間 : 5時間 05分
案件(議題順):
平成23年度総予算
【子供手当】
倉田薫(参考人 大阪府池田市長 全国市長会社会文教委員長) 9時 03分 11分
露木順一(参考人 神奈川県開成町長) 9時 14分 08分
井手英策(参考人 慶應義塾大学経済学部准教授) 9時 22分 11分
根本崇(参考人 千葉県市長会会長 千葉県野田市長) 9時 33分 14分
【TPP】
久保田政一(参考人 社団法人日本経済団体連合会専務理事) 13時 01分 09
分堀口健治(参考人 早稲田大学政治経済学術院教授) 13時 10分 10分
山下俊史(参考人 日本生活協同組合連合会会長) 13時 20分 09分
萩原伸次郎(参考人 横浜国立大学大学院教授) 13時 29分 10分
詳細は
【動画ニュース掲示板】最新版
http://www.aixin.jp/axbbs/kzsj/kzsj6.cgi
【動画ニュース最新版タイトル一覧】はこちらをクリックして下さい。
投稿: 愛信 | 2011/02/18 17:18
★フェミ系右翼の台頭
夫婦や家族の絆は大切でないが、日本だけ守りたがる、フェミ系右翼というべきものが増殖、工作活動が続けられてます。
http://whisper-voice.tracisum.com/?eid=234
投稿: 竹梅 | 2011/02/18 17:57
まったく同感です!
ついでに自由民主党も看板を外してもいい頃だと思います。
真の保守連合の結成を切望します。
投稿: けん | 2011/02/18 18:08
熊谷弘
船田元
中西啓介
二階俊博
藤井裕久
石井一
この顔ぶれのその後を見ると小沢氏を脅かした者というより、単に嫌われたかお零れに与れなかったから離反したという感じもしますが。
投稿: | 2011/02/18 19:03
馬鹿門 糞爺おまえわ この世からされ 迷惑
投稿: 田崎 | 2011/02/18 21:20
人気ブログランキング政治部門のランキングがおかしい
と思いませんか。1位の三橋貴明氏は、政治部門だけでは
なく、トータル部門でも(他は芸能ネタのブログ)上位
に常時ランキングされ、社会的に抹殺された筈の植草一秀氏が常時2位にランキングしています。三橋貴明氏は経済ネタで政局は余り語っていない。チャンネル桜系や日本会議系と繋がっています。とりもなおさず保守です。
以前も書きましたが、植草一秀氏のブログと相互リンク
されているブログは、西村幸祐氏のブログにリンクされており、ブログ主様のブログにリンクされているわけです。
投稿: 金田正男 | 2011/02/18 22:03
自らの変節を
何の言い訳も無く、客観的に書ける坂さんは
潔い方だと思います。
民主がどうなってゆくのか・・・ 権力闘争の行方は?
ヘタなドラマより面白いですね。
投稿: 鉄騎兵 | 2011/02/19 11:35