被災者支援に奮闘する側の気持ちをもっと理解しよう。
人間には色んなタイプがいる。
東日本大震災の被災者たちは、その冷静さと秩序正しさで世界中から称賛された。
が、中には自己中心の人間もいる。
それは一般社会でもそうなのだから、当たり前のことだ。
特に被災者は避難所生活でストレスがたまり、普段は冷静で温厚な人も、つい感情的になってしまうこともあるだろう。
確かに被災者支援は行政の責任であり、彼らが行政に注文を付けるのは当然だと思う。
が、それでも感謝の気持ちはなくしてほしくない。
支援・救援する側は任務とはいえ、被災者の心情を思いやりながら業務を遂行している。
同じ位置には立てないが、できるだけ被災者が直面している困難を少なくしたい、と思い頑張っている。
それを「仕事だから」と当然視しないでほしい。
私たちも同様だ。
自衛官や海上保安官、警察官、消防士、医師、看護師など、現地で奮闘している人たちを「それが仕事だから」と冷めた目で見るのはやめよう。
彼らは、危険と背中合わせで困難と格闘しているのだ。
被災者だけではなく、私たち一般国民の「ありがとう」という言葉が、いかに彼らの励みになるか、そこを考えてほしい。
私たち人間には想像力がある。
他人の痛みを丸ごと理解はできないが、その一部を思いやることはできる。
であれば、被災地の状況、被災者の心情を思いやるとともに、彼らを支援・救援するために苦闘している人たちの気持ちも推察するべきである。
私は、被災者の中からクレーマーが現れることを危惧していた。
支援されるのが、救援されるのが当たり前だ、それが自分たちの権利である、という主張には一理ある。
が、そこに人間としての“情の交流”がなければ、その支援や救援はかえって機械的になってしまう。
どこまで行っても、思いやりと感謝の気持ちを忘れてはならないのだ。
にもかかわらず、それが解らない人たちも残念ながらいる。
以下は、陸自の須藤彰政策補佐官の日誌である(抜粋)。
◆3月28日(月)
本日は大臣(北沢防衛相)から(宮城県)女川町の14旅団の「風呂隊長」たちに声をかけていただき、私も大感激でした。彼らは、避難所の人たちに少しでも快適に生活してもらおうと、自分は風呂に入らず、毎日準備に追われています。入浴や生活支援の担当は、被災者と接する「最前線」です。不安や悲しみを抱えながら、長い間大勢で暮らす皆さんのストレスのはけ口が、部隊に向かうこともしばしばです。風呂隊長には「湯を熱く」「ぬるく」「風呂をきれいに」「時間が短い」など、多くの苦情が寄せられます。
隊長たちもよくわかっています。自分たちに文句を言って少しでも気が紛れるならそれでいい。何より、自衛官としての矜持(きょうじ)があります。自分がいるのは今、この時のため。風呂に入れなくても、缶飯だけでも文句のあろうはずはない。毎日税金を使って教育・訓練の生活を送らせてもらってきた。その恩返しをしないといけない。そういう強い気持ちがあります。
しかし、彼らが一番こたえるのは、上官らからの不信の目です。被災者からの苦情が政治家などを通じて回り、直属の上官らから詰問されると、さすがに泣けてきます。最もよく理解しているはずの上官に疑われるのでは、「自分の流した汗は無意味だったのか」とやり切れない思いになります。大臣の激励は彼らに再度強い自信を与えたはずです。
〈陸上自衛隊東北方面総監部の須藤彰政策補佐官の日誌から抜粋しています〉
[東日本大震災・陸自日誌](6)訓練はこの時のため
(2011/05/26 読売新聞)
「風呂に入れなくても、缶飯だけでも文句のあろうはずはない」自衛官に苦情を言う。
それも「政治家などを通じて」クレームを付ける。
いい加減にしろ!と言いたい。
文句があるなら、その場で面と向かって言え!と思う。
自衛隊が政治家に弱いのを知っていて、そういう所業に出る輩を私は許さない。
そういう人間には次の日誌を読んでもらいたい。
◆4月2日(土)
航空自衛隊の救難機に乗り、気仙沼沖10マイル(16キロ)四方を捜索してきました。1日から3日間、在日米軍などと協力して行う行方不明者の沿岸部集中捜索です。約4時間飛行しましたが、結局、私の乗った救難機は遺体を見つけられませんでした。空自全体で本日は13機が捜索しましたが、発見は3体のみ。自衛隊と米軍の合計は、24体でした。よく見かける光景になりましたが、部隊が捜索中、多くの家族が沼地を掘り進める作業などを見守っています。時折、腕や足が出てきますが、震災後3週間もたっており、引っ張り上げるわけにはいきません。全員で丁寧に周囲をかき分けて、時間をかけて遺体を取り出します。一日中やって、多くて1体、見つからない日もあります。
見守る家族が「成果」がない、と怒るかといえば、むしろ逆です。遺体が見つからなくても、「今日は本当にどうもありがとうございました」と、感謝の声をかけてくれます。毎日同じように作業を見守り、お礼を言って帰る家族も多いそうです。勝手な想像ですが、3週間がたち、家族にとって今は心の整理の時期なのではないでしょうか。
〈陸上自衛隊東北方面総監部の須藤彰政策補佐官の日誌から抜粋しています〉
[東日本大震災・陸自日誌](7)遺体なくとも「ありがとう」
(2011/05/27 読売新聞)
-------------------------------------------------------------------
―見守る家族が「成果」がない、と怒るかといえば、むしろ逆です。遺体が見つからなくても、「今日は本当にどうもありがとうございました」と、感謝の声をかけてくれます―
声をかけるほうも、かけられるほうも辛いだろう。
なんか、泣けてくるね。
そう言えば、3月に読んだ毎日新聞にも同じような話が載っていた。
海保の潜水士たちによる行方不明者捜索に関する記事だった。
「人命救助より、(生きている人が)区切りをつけるための捜索になっている。命を救えなくても、感謝される。これはつらいし、悲しいことだよ」
陸上で指揮した海保幹部の言葉である。
被災者の皆さんも、辛いしストレスも募るだろうが、支援・救援する側の気持ちも少しだけでいいから解ってやってほしい。
お願いします。
参照:東日本大震災 海保「救えなくても感謝される…つらい」 (毎日新聞)
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コメント
こんにちは。
管理人さんの言われる通りだと思います。
どんなに一所懸命に助けて下さったか、誰に救われたか、
被災者の方々が一番分かっておられると、思います。
文句を言うなんてとんでもない。
ありがたい、ありがたいです、しか言葉がないです。
本当にすみません。ありがとうございます。
投稿: ロッキーmama | 2011/05/29 13:45
まったく同感ですね。
日本人古来より、「困ったときはお互い様」精神で社会を円滑に動かしてきた民族だと思います。戦後大流入してきた西欧型個人主義や、義務を無視して権利主張しかしない左翼思想に毒されてきた半世紀ですが、それでも日本人の多くの遺伝子には、「お互い様精神」がしっかりと残っていると思います。そしてこれは常に感謝の気持ちを忘れない自他共存の心だと思います。ただし、このような精神性が存在しない異民族も戦後大量に増えたことも事実ですが・・・
投稿: トラネコ | 2011/05/29 14:22
第177回国会予算委員会審議中継2011年5月27日 (金)
開会日 : 2011年4月27日(金)
会議名 : 予算委員会
収録時間 : 約3時間59分
案件(議題順):
予算委員会(第十七回)参考人の出席を求めることを決定
した。予算の執行状況に関する調査のうち、原発事故等に
関する件について参考人琉球大学名誉教授矢ヶ崎克馬君、
一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問石川迪夫君、
長崎大学特任教授柴田義貞君及び京都医療科学大学教
授大野和子君から意見を聴いた後、各参考人に対し質疑
を行った。
前田武志(予算委員長)
矢ヶ崎克馬(参考人 琉球大学名誉教授)
http://www.webtv.sangiin.go.jp/generator/meta_generator_wmv.php?ssp=5160&mode=LIBRARY&pars=0.6392185724021768
石川迪夫(参考人 一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問)
http://www.webtv.sangiin.go.jp/generator/meta_generator_wmv.php?ssp=5161&mode=LIBRARY&pars=0.22236740175959307
柴田義貞(参考人 長崎大学特任教授)
http://www.webtv.sangiin.go.jp/generator/meta_generator_wmv.php?ssp=5162&mode=LIBRARY&pars=0.5060549090194457
大野和子(参考人 京都医療科学大学教授)
http://www.webtv.sangiin.go.jp/generator/meta_generator_wmv.php?ssp=5163&mode=LIBRARY&pars=0.00818517792709672
【関連情報】
【東北震災の真相】
http://www.aixin.jp/axbbs/kzsj/csthss.cgi
反日売国奴、プロ市民革命家の韓直人首相とこれらの事
を偽装報道、隠蔽報道を行ってきた、反日売国民主党の
仲間達のテレビ局・マスコミは東北地方太平洋沖地震
(人工地震)と福島第一原発爆発を発生させて、日本民族
出現以来延々と培ってきた生命の安全安心を破壊した。
今まで、日本人の子孫に、日本の子供には極めて僅か
な奇形児出産もあったが、しかし日本民族の遺伝子DNA
に何らかの損傷が生じたことによる影響は今後、日本に生
まれる奇形児の数量が予測できないほど増加するであろう
と言うことである。 この事実をこの委員会の参考人の証言
を確り聞いて確認して下さい。
詳細は
【マスコミ隠蔽の掲示板】最新版
ttp://www.aixin.jp/axbbs/kzsj/kzsj4.cgi
【マスコミ隠蔽のタイトル一覧】最新版はこちらをクリックして下さい。
投稿: 愛信 | 2011/05/29 14:44
もしかして自衛隊と被災者の信頼関係を潰す目的で
プロ市民や在日が被災地に潜り込んで嫌がらせをしてるとか
ありませんかね?
若干陰謀論のようになりますが、
政治家を通してクレームをつけるのが効果的という事を
心得てるあたり
プロの犯行のような気がするんですが…
投稿: | 2011/05/29 17:54
つらい話です。
被災者の立場に立てば、自分のことで精一杯で
自分と自分の家族のことしか考えられない
のであろうと思います。
でもやはり自衛隊の方々の懸命な命がけの救助活動には
感謝する心は失ってはいけない・・・・と
思います。
大半の方は、感謝し、敬意を持っておられるだろうとは
思いますが・・・・
お互いに助け合い、いつどうなるかわからないのですから
昔ながらの日本人のつながり、思いやりの気持ちが
大切ですね
投稿: 翡翠 | 2011/05/29 18:09
いつも拝読しております。当方、仙台在住の被災者です。「被災者」といっても、家や家族を失った方々からすると、「被災者」などと自称する資格もありませんが。
ご指摘の件、残念ながら、クレーマーのような被災者がいることは確かです。
当方は保険の代理店をしておりますが、「困ったお客さん」というのもいました。
そのお客さんの契約では、ガソリンが切れた場合、無料で一定量を補充するというサービスがあるのですが、震災の最中、「暖房代わりに車を使っていて、ガソリンが切れたから、今すぐ持って来い」と何度も催促の電話をよこすんです。
状況を説明しても、聞き入れてもらえず、閉口しました。
ただ、数のうちにはそのような人もいますが、大多数の方は、至って常識的です。
投稿: SK | 2011/05/29 20:37
成りすまし陰謀も含め、当たり前だろ?「ボランティアの癖に」と何度も言われましたよ。
しかし、これは今回に限らず災害地や普段の活動でも
「ボランティアなんだから・・・」と散々言われます。
増してや、自衛隊等、言われ放題です。
相手の立場を見透かす様にね。(直視しましたが、日本人では無いと思いました)
被災者云々より、全ての家庭での躾けの結果ですね。
明らかに人間は残酷です。それをお行儀と躾けで
感謝やお互い様等の思いやりを育んで生きて、正義を見出す強さを持つのではないでしょうか?
偉そうに言っても、私自信、被災地でいちいち頭にきては一人ぼやく有様です。
そろそろ、現地には意と職と住の安定が必要かと・・
投稿: ヒロシマ | 2011/05/29 22:51
>戦後大流入してきた西欧型個人主義
果たして、その思い込みは正しいか?
日本の経済体制を振り返ると、80年代前半、日本は最も
成功した社会主義国家だと言われて来た。
当時は、消費税がなく、累進課税率が高かった。当時の
日本は、中流層優遇の政治経済体制であったといえる。
果たして、それが、正しいとか間違っている(いいとか
悪いとはいっていない)。では、この体制が出来たのは、いつか?戦後ではない。1938年から40年に掛けて
である。東京を焼け野原にしたのも、戦前の総動員体制
であり、経済復興を成し遂げたのも、通産省を中心とし
た官僚体制であった。
アングロサクソン的個人主義は、戦後に日本に入って来たのではない。
即ち、1920年代の政治経済体制を、客観的に見れば、日本は、アングロサクソン的な個人主義が支配的であった
ことが理解出来る筈だ。
日本文化論なるものは、左翼も保守もインチキなものが
多いというのが私見である。そのような代物に騙されてはならない。
戦後に大量に流入して来たのは、在日だ。
連中は、戦勝国民でもないのに、駅前や繁華街の一等地
を不法占拠して、パチンコ屋などという日本国民を堕落
させる悪業を重ねている。
警察官僚と(自民党を含む)パチンコ族議員は国賊であり、英霊に対して恥ずべきである。
電力不足が懸念されているが、パチンコ(パチスロ)屋
は、これを好機として、電力を食っているのだから、日本国民は大いに激怒すべきだ。ふざけるな!と。
日比谷焼き討ち事件や、米騒動に代表されるように、おとなしくてヘタレな日本民族ではなかったはずだ。
戦前の日本国民は、過激であり、アングロサクソン的で
もあった。
投稿: 三毛猫 | 2011/05/29 23:36
私も、それ思ったんですけど…『朝鮮人』じゃありませんかねェ…? そういう『ややこしい』系って…。 何かと文句をつけてわめき散らし、周囲を不愉快にさせる輩…。 何でもかんでも因縁つけて金とか、せびり取ろうとする輩…。 昔は、『その手合い』見ると、『キチガイ』か『ヤクザ』だと思ってたのですが(『日教組』とか)、色々と『真実』を知った今は、「おっっ!?朝鮮人か!?」と、思うようになりました。 「ファビョ(火病)った!! ファビョ(火病)った!!」
投稿: 朝鮮人じゃないかしら…? | 2011/05/30 02:42
場違いな投稿と、考えますガ……↓↓
下って(以前の)、【国家というものを再び考えてみる】、のなかで
『私がコメントした部分を再読』して頂きたい。
唯、それだけデス……!
投稿: 壊れかけのラヂオ | 2011/05/30 03:41
全く、同感です。数少ない心無い非常識な人間のクレームをまともに聞く政治家、その政治家の言葉をストレートに現場に伝える無能力とも言える上層部はなんと情けない人間なのだろうか?
クレームをつける人間を諭し、現場の人間を庇い、そこで収めるのが人間の筋ではないだろうか。それがあろうか事か、そのクレームをまともに現場に伝える事が如何に愚かな行為であるかに気が付かないとは信じられません。
被災地の多くはまだまだ復旧には程遠い状態にあるのではないのでしょうか。
その中で未だに、自衛隊員をはじめとして、多くの方々が劣悪な環境にも不平不満を述べるどころか被災者のことを第一に黙々と不眠不休に近い状態で献身的に己の役割を果たしている方々を慮ることも出来ない政治家・上層部は人間としての資格がないと言っても過言ではないと考えます。
民主党のお歴々を見ていると、さもありなんと変に納得してしまいますが、悲しいことです。
SKさんが言われるように、大多数の方はまともです。
投稿: 道産子爺 | 2011/05/30 10:51
福島の保護者たちが「20ミリシーベルトは高すぎる」「子供たちを放射能漬けにするつもりか」と怒って、デモをしていましたね。
テレビ画面に、何度も社民党の福島瑞穂が先頭にたってアジっている場面が見えていたので、なんだか「派遣村」みたいだな、と感じました。
共産主義者って、国難のときにはいつも「ここぞ出番」とばかりに大騒ぎしますね。
そもそも共産主義っていうのはルサンチマンで成り立っているものだから、どうしようもありません。
被災者をクレーマーに変えて、その先の被災地域を共産主義者の主要な陣地にしようとしているのかも。
福島が第二の沖縄にならないように願うばかりです。
投稿: ちゃお | 2011/05/30 12:10
直接関係のない人(当事者以外の人)が、係われば係わるほど問題はややこしくなるし、訳が分からなくなる。
投稿: masakarikusao | 2011/05/30 17:50