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2011/05/17

フランスに見る極右が伸張する理由。TPP反対!

国際通貨基金(IMF)のトップ、ドミニク・ストロスカーン専務理事(62)が逮捕されたというニュースには、正直ビックリした。
ニューヨーク市警は14日、ニューヨークのタイムズ・スクエアにある宿泊先のホテルで、ストロスカーン氏が女性従業員(32)に性的暴行を加えたとして身柄を拘束した。
そして、同氏は15日未明、性的暴行、強姦未遂、監禁の容疑で逮捕、訴追された。
米メディアによると、ストロスカーン氏は女性従業員が部屋の清掃に入ったところ裸で応対、女性を寝室に引きずり込み、さらにトイレで乱暴しようとした、という。

60過ぎの爺さまがよくやるよ、と思う反面、日本では考えられない些細なことまでセクハラで訴える米国のことだから、どこまでが真実なのか分からない、という気持も強い。
ただ、この専務理事、女性に目がないようで、08年には職務上の立場を利用して元IMF女性職員と性的関係を持った疑いが持ち上がり、不適切な行為を認めて謝罪した過去もある。
エリートなのにね、というかエリートだからこうなるのかな?という気もする。

フランス人のストロスカーン氏は、パリ政治学院とパリ高等商業学校というエリート養成学校を卒業後、パリ大学教授を経て、1986年に国民議会議員に初当選。
97年には財務相に就任し、欧州統一通貨ユーロの導入に手腕を発揮した超エリートである。
日本で言えば、東大法学部を卒業後、米ハーバード大学に留学し経営学修士(MBA)を取得、筑波大学教授を経て衆院議員に当選、財務相を務めた、そんな経歴の持ち主だ。

まあ、俺は超エリートだから、という意識が強かったのだろうが、米国人とフランス人は性(セックス)に対する意識や男女の関係もまったく違うからね、そのあたりの感覚がずれていたのだろう、そう思う。
ところで、このストロスカーン氏、2012年のフランス次期大統領選で最大野党・社会党の最有力候補と目されていた、というからさらに驚きである。
同氏の逮捕を受け、フランス政界は激震に見舞われているそうだ。
有罪が確定したわけではないが、世論調査で一貫してサルコジ大統領を抑えてきた本命を事実上失った社会党は、候補選びで態勢立て直しを迫られている。

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Dominique            ドミニク・ストロス=カーン(Dominique Strauss- Kahn)氏

「大統領選でだれに投票するか」を聞いた先週のフランスメディアの調査でも、ストロスカーン氏は26%で首位。
極右・国民戦線のマリーヌ・ルペン党首(22%)とサルコジ大統領(21%)を抑え、有権者の関心はストロスカーン氏の出馬表明時期に移っていた、という。
そのストロスカーン氏が出馬断念に追い込まれれば、社会党が秋の候補選びに向けて、お決まりの内輪もめに至るとの懸念が絶えない。

サルコジ大統領にとっては最強ライバルの失点は強い追い風である。
が、極右・国民戦線のルペン氏が「移民排斥」を訴えて者層の人気を集めており、今回の事件で社会党内が混乱すれば、ルペン氏がストロスカーン支持層の票を奪う可能性も強まりそうだ、という。
ここで私たちが学ばなければならないのは、極右が現職大統領(保守)の支持率を上回っているということである。
と同時に、中道左派の社会党の支持者が、有力候補の失脚を受けて、保守(右翼)のサルコジ大統領を通過し、極右の国民戦線支持に流れそうだ、というフランスの現実である。
極右・国民戦線への支持上昇の背景には、中東や北アフリカからのイスラム系を中心とする移民に対する世論の強い反発がある。
つまり、人権や平等に敏感だったフランス社会も、価値観がまったく異なるイスラム系移民の増大には強い反発を示している、ということだ。

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フランスという国は、元々は共産党が強い国だった。
それは、保守がドイツのナチスに屈服し、ヴィシー政権という傀儡政権に逃げ込んだのに対し、共産党はレジスタンス(RESISTANCE)を組織し、最後までナチスと戦ったからである。
また、フランス最大の労組である総同盟(CGT)は、人権意識が高い同国では共産党の影響下にあった。
だからフランスでは、長年、保守(右翼)の対抗馬は共産党だった。
が、ソ連崩壊後、左翼の主導権は完全に社会党に移行した。
その社会党、つまり左翼の支持者が、今は極右の国民戦線支持に流れそうだ、という。
その根本には排外主義がある。
要は、価値観がまったく異なるイスラム系移民の増大によって治安が乱れる、あるいは単純者の職が奪われる、という不満がその背景にあるのだ。

フランスの一般国民の間には、国家よりも市民の権利擁護に重きを置く左翼支持者が、保守(右翼)支持者と同じくらいいた。
それは、ソ連崩壊までは共産党支持に向かい、ソ連崩壊後は社会党支持に流れた。
が、今は、その左翼支持者のかなりの部分が極右支持になっている、ということである。
市井の民にとって、いちばんの関心は「パン」である、ということを証明する現象だ。

私は、過去のエントリで、「どんな崇高な革命もパンから起きる」と書いた。
イデオロギーに基づく、あるいは宗教に基づく革命も、原動力は「理念」ではなく「パン」だった。
人間は生きることが本能である。
食えなければ死んでしまう。
だから、食えない社会は転覆させられるのである。

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私は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)は米国の陰謀である、とか、米国の国益であって日本にはメリットがない、という主張には組しない。
バカじゃない限り、そういう主張には眉に唾をつけると思う。
が、経団連の要求する「移民の奨励」=「人材の移動の自由化」には強い反発を覚える。
看護師や介護士、あるいは単純者等々、の割りに対価の低い職種が外国人に奪われるのは目に見えている。

そして、数が少ないうちはまだしも、それが一定数を超えれば、日本人とは違うコミュニティーを形成するのは間違いない。
すでに南米から来た日系人(これも怪しい)たちが首都圏や中京圏で独自のコミュニティーを形成し、様々なトラブルを起こしている。
日系人ですらそうなのに、異文化圏の人たちが経済的な理由から大挙として日本に押しかけて来たらどうなるのか?
これは資本の論理だけでは容認できない。

自由と人権の国、フランスでさえ排外主義を主張する極右が支持を急速に伸ばしている。
日本という国がそうならないためにも、TPPには慎重でありたい。

日本は少子高齢化社会が急速に進行している。
が、女性や高齢者は、その就業機会を未だ十分に保障されていない。
「移民の奨励」=「人材の移動の自由化」など、その後のことだ、と私は強く思う。

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経済」カテゴリの記事

コメント

イギリスではここ最近就労ビザの取得が極めて難しくなっています。
他国(アメリカなど)と比べ、永住権取得に限らず、鷹揚であった国が、移民の多さに比例する社会不安の増大に、いまブレーキをかけています。勿論経済的な不況も大きな影響を及ぼしてはいますが。

確かに私が前回いた6-7年前に比べ、東欧からの移民、特に北アフリカからの移民が(民族衣装ですぐに分かりますが)おびただしく増えているように思えます。
宗教、生活習慣、文化が違う中で、これら移民たちの多くは、個性・人権を主張し、遠慮など全くなく、他国で自分の国にいるがごとく振舞うわけです。
アメリカが移民で国力(人口)を保っている、、、などという人がいますが、合法的な移民はごく限られており、問題なのは不法移民が鼠算式に増え続けている(彼らは税金を納めず、社会保障は掠め取る、、犯罪にも走り勝ち、、)ことですね。

おそらくほとんどの先進国といわれる国は、一様に移民制限に出ています。(EUでは労働者の移動が自由ですから、余計に不法移民には神経を使っています)。

日本で移民政策を促進すれば、どうなるかは火を見るより明らかです。
一日でも早く健全な国益を尊ぶ保守政党に日本をリードしてもらいたいと願っています。

投稿: 転びバテレン | 2011/05/18 01:51

浜田和幸(自由民主党)支那の土地買収案件を追求
http://www.webtv.sangiin.go.jp/generator/meta_generator_wmv.php?ssp=4910&mode=LIBRARY&pars=0.18238138086383326
(動画)
開会日 : 2011年5月17日 (火)
会議名 : 予算委員会

【関連情報】
【禁聞】美中央情報局掲露學生信息員制度
米中央情報局(CIA)報告書によると中国の教育機関と共産党
機関は大学や職業教育学校に学生情報システムを拡大中で
ある。    情報員が監視する相手は学生、教師だけでなく
国際的な人物です。
【マスコミ隠蔽の掲示板】最新版 記事番号-136 参照
http://www.aixin.jp/axbbs/kzsj/kzsj4.cgi

【動画ニュース掲示板】最新版
http://www.aixin.jp/axbbs/kzsj/kzsj6.cgi
【動画ニュース最新版タイトル一覧】はこちらをクリックして下さい。

投稿: 愛信 | 2011/05/18 10:30

re:浜田和幸(自由民主党)支那の土地買収案件を追求
会議名訂正願います
開会日 : 2011年5月17日 (火)
会議名 : 外交防衛委員会

投稿: 愛信 | 2011/05/18 10:49

燃料電池二輪車の実験開始 日本初、北九州市でスズキ
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011051701000915.html

新日鉄では廃ガスの有効利用、水素(H2)は余った電力で水
を電気分解して製造できるので、ただで尽きる事の無いエネ
ルギーを手に入れた、この燃料電池の技術革新は人類史上
に刻まれる偉大な業績である。

【燃料電池の掲示板】
http://www.aixin.jp/axbbs/kfn/kfn0.cgi
【燃料電池タイトル一覧】はこちらをクリックして下さい。

投稿: 愛信 | 2011/05/18 13:11

自民党政権時代から経団連も含め、少子高齢化社会の労働力確保という名目で、移民奨励政策を進めてきましたが、これは本末転倒でしょう。少子高齢化社会を解決するのは移民ではなく、日本人が安心してもっと子供を生み育てられる社会環境の整備作りがまずあってしかるべきだと思います。自民党の売国奴のひとり中川秀直あたりの言動をみればわかりますが、経団連も所詮シナの意向に則って移民政策を進めているだけで、移民の実態は台湾人でもフィリピン人でもインドネシア人でもありません。移民奨励の対象はシナ人しかいないのです。1000万人ものシナ人が移民してくれば将来の日本は・・・ここに日本人が気づくべきなんですがね・・・

投稿: トラネコ | 2011/05/19 22:57

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