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2011/08/21

私たちは真のチャイナリスクに備えなければならない

8月14日の「NHKスペシャル 圓の戦争」は面白かった。
日支事変から1945年8月15日の敗戦までを、通貨に焦点を当てて解説したもので、視点も斬新だったし、教えられたことも多い。

結論から言うと、日本の圓は中国市場において米ドルや英ポンドに支えられた元に敗北した。
つまり軍事力以前に、戦費調達力(財力)で当時の日本は既に米英に敗れていたのだ。

中国を金融的に支配しようとした日本は、中華民国臨時政府を樹立し、圓に裏付けられた「連銀券(中国連合準備銀行券・単位は圓)」を発行した。
が、国民党政府は、これに先立ち、米ドルや英ポンドの信用力に支えられた法幣とも呼ばれた「元」による中国国内の通貨統一を図り、これに成功した。
「もし日本勢よりも先に元を導入していなければ、長期戦に勝てなかったかもしれない」と蒋介石は後に語っている。

番組自体には、あまり言及するつもりはないが、軍事力の裏づけのない外交は無力であり、軍事力は戦費調達力(財力)である、ということを痛感した。
そして、戦費調達力は通貨の信用力(経済力)であることも。

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しかし驚いたのは、当時の中国では1000種類もの通貨が流通していたこと。
それと同じ数だけの軍閥が各地に割拠していたわけだ。
つまり1000に及ぶ「国」に分裂していた地域、それが当時の中国である。
こういうところでいくら戦争を継続しても、勝利の兆しなど見えてくるはずもない。

名前は忘れたが、かつて関東軍の幹部が「支那という地域はあるが支那という 国は無い」と語っていたのを読んだ記憶がある。
各地に軍閥が割拠し、1000種類もの通貨が流通していれば、そう思うのは当然だろう。
こんなところで戦争するよりも、満州を固め、防共に方針転換するべきだったような気がする。

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こういうと語弊があるかもしれないが、当時の日本は今のイラクやアフガンにおける米国に似ているところがある。
米国は、フセイン政権やタリバン政権を打倒することはできたが、イラク戦争(8年以上経過)やアフガン紛争(もうすぐ10年)には未だに明るい兆しが見えない。
これは、イラクやアフガニスタンが「国家」ではないからである。

なぜ「国家」ではないかというと、そこに住んでいる人たちに「国」という意識や自覚がなく、「国家」としての歴史や伝統に乏しいからである。
つまりイラクと、あるいはアフガンと呼ばれる地域はあるが、イラクやアフガニスタンという「国」はなきに等しいのだ。
だからその地域を独裁支配する政治権力を打倒しても、その地域を有効、且つ安定的に占領支配することができない。
そして、その戦費が米国の財政を圧迫し、米国債の信用不安や米ドルの価値の低下を引き起こしている。

まあ、今の米国は当時の日本より桁違いに財力があり、しかもNATOや日本が米国を支えているから米国が破綻するとは思えない。
が、イラク戦争やアフガン紛争が米国の手に余る存在になりつつあることは間違いない。

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Hougen2

ところで、今現在も、中共体制という統治機構はあっても中国という国はない。
地域が変わると中国人どうしでも話が通じない。
口語だと同じ言語とは思えないほど違うという。
言語の背景には国民性や価値観がある。
現在では約7割が「普通話(北京語)」を理解できるといわれる。
しかし、「普通話」が普及し始めたのは最近のことである。

左上の図でHougen38億3600万人とされる北方語も、大きく北京語・天津語・東北語・西安語・成都語・南京語・揚州語などに分かれている。

左下の図は北方語の下位方言分布図。

二つの図を重ね合わせると、17もの主要方言(異なる言語)が存在することが分かる。

「中国人」と一口に言うが、その多くが数千年の長きにわたって、お互いに意思疎通が不能な言語を使用し、その言語に裏打ちされた社会の下で暮らしてきたのだ。
こういう「国」で中共体制という専横・独裁が崩壊したらどうなるのか?
私は「中国へ中国へ」となびく経済人に警告を発したい。

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中共が反日愛国を煽るのも、一つの国としてまとまる核になるものがないからである。
言語も違えばDNAも違う、歴史や文化も違う、共通しているのは漢字くらいである。
文革までは毛沢東主義と共産党が核だったが、改革・開放後は「血とカネしか信用しない」以前の中国人に戻ってしまった。
自分とその家族が、そして一族が豊かになりさえすればよい、これが典型的な中国人だ。
他人(血族以外)との結びつきは「カネ」がそれを仲介するものだ、と信じている。
だから賄賂が横行する。
なぜか?
4000年にわたって、政府というのは搾取するだけで、災いをもたらすが幸いはもたらさない、と実感して過ごしてきたからだ。

だから経済が失速したら、また血とカネと欲望にまみれたカオスの時代がやってくる。
共産党も、搾取するだけで、災いをもたらすが幸いはもたらさない歴代の政府と変わらないと思われている。
中共体制の支えは、唯一「高度成長」しかない。
昨日よりも今日の方が多少なりとも良くなっている、1年間に10万件を超える暴動が発生しながら中共体制が維持されているのは、これである。
が、高度成長というのはいずれ限界が来る。
つまり、昨日より今日の方が貧しくなる時が間違いなく訪れるのだ。
その時、中共体制はどうなるのか?

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私たち日本人は、経済人だけではなく国民一般も「真のチャイナリスク」に備えなければならない。
専横・独裁が崩壊したらどうなるのか?

「もし中国が混乱して1%の難民が出たら、1300万人ですよ。1000分の1としても130万人。だから中国が安定することが周辺諸国にとってもいいことではないですか」
中共序列第2位の呉邦国・全国人民代表大会常務委員長の言葉である。

私たち日本人は、戦前、大陸に手を出して痛い目にあった。
今回は、そこそこに自重して、むしろ防御に重きを置くべきだと思う。

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中国(社会)」カテゴリの記事

コメント

 これは一理あると思いました。
 今でさえ、台湾と大陸に分かれているのに、中国がまた分裂し、日本に「お前ら、どれの味方するんだ」という状態になったら、空虚な「日中友好論」は吹き飛びます。
 やはり大陸とは、一定の距離が必要なのではないでしょうか。

投稿: tar | 2011/08/21 21:59

8.21国を売るメディア(フジテレビ)を糾弾する緊急国民行動
http://www.ustream.tv/recorded/16787045#utm_campaign=synclickback&source=http://www.ch-sakura.jp/1428.html&medium=16787045
【関連情報】
反日売国テレビ局・マスコミを支配している、創価
学会公明党の正体
【さてはてメモ帳】池田語録
http://satehate.exblog.jp/16751840/
今、民主党代表選挙が準備されています。 
この結果で民主党新体制と創価学会公明党が正
体をあらわにして民主党と連携した朝鮮人の日本
破壊政権が生まれる可能性があります。
 そして「人権擁護法案」を成立させ愛国系国会
議員を圧殺して、反日売国テレビ局・マスコミを総
動員して支那や朝鮮、ロシアが結託して混乱して
いる世界情勢に乗じて一挙に日本列島を乗っ取
る恐れがあります。 
 この国を愛する愛国系の皆さんは地域の市町
村議員に働きかけて日本のお国柄を守る声を国
政に届けて下さい。
【マスコミ隠蔽の掲示板】最新版
http://www.aixin.jp/axbbs/kzsj/kzsj4.cgi

投稿: 愛信 | 2011/08/21 22:38

いつもお疲れ様です。
広大な土地、多言語。一つの国である事が不思議に思えるほどです。半島といい、大陸といい、難民が出たら日本は大変ですね。これからも更新を楽しみにしています。どうぞご無理をなさらず、お体をお大事になさって下さい。

投稿: 広島市民 | 2011/08/21 22:47

おはようございます。
 
 あの戦争(満州事変をはじめとする日中戦争)での日本がすべき反省は、馬鹿な左翼や政治家が繰り返す空虚な反省ではなく、とにかく〝中国には深入りしない。危なくなったら安全な国を探して移る〟ということでしょう。最近では中国は成長センターと言うより人類にとってのリスクに変化しています。日本も良く考えて中国との付き合い方を考えるべきでしょう。

投稿: shinzei | 2011/08/22 05:53

今日も有益な面白い話を有難うございました。

今日は、このブログの愛読者に一冊の本をお勧めいたしたいと考え筆をとりました。

藤井厳喜・著

『超大恐慌の時代』ーーー日本文芸社

最近話題の書物ですので、お読みの方も多いでしょうが
米、ユーロ、チャイナ、中近東、日本、世界各地域の今後の絶望的な経済状況につき、説得力のある詳しい説明がなされています。

ただ、日本経済に関しては、三橋貴明氏の本を読むと、少し悲観的に過ぎるのではないかという気もします。

ただし、日本のマスメディアは飛びぬけて世界最悪です。

特に、チャイナに関する
「中国バブルついに崩壊」、の章の

《日本は中国の泥沼に引き込まれる》

は読んでいて寒気がしてきます。

投稿: 町工場の親方 | 2011/08/22 08:29

いつも学ばせて頂いております。

「中国人富裕層対象の人間ドッグツアー」というのがあるというので検索してみました。
空港近辺の病院と提携して、短期間と長期もあり、温泉に行ったり買い物をして帰国するとかです。

ただ入国時と帰国時の数が合わないとも言われていますが、噂だけかも知れませんが。

投稿: RM | 2011/08/22 10:45

サントリー・ビールは、なぜまずい。 韓国の空想歴史。
http://blog.goo.ne.jp/takejj_1953/e/d6ca50afc17010ea715eb23094f13db7
★サントリー。
★韓国の歴史とは。(中央日報の社説から以下)
★韓国の通貨危機と株価暴落。
★米国と中国が大乱闘。
★民主党党首選。
前原誠司グループ内で何が言われているかとい
えば、「今回が民主党政権の最後の総理にな
る。     腹をくくって手を挙げてほしい」と、前原
誠司の決起をうながしたという。  民主党政権の
最後の総理とな。  そういう情勢分析は正し
い。    しかし朝鮮キムチが総理になったら、半
年、持たないぞ。
★茨城県の放射能。
★宮城県の肉牛。
★国土交通省。

短いコメントで鋭い分析力、今後も注目のブログく

【マスコミ隠蔽の掲示板】最新版
http://www.aixin.jp/axbbs/kzsj/kzsj4.cgi
【マスコミ隠蔽のタイトル一覧】最新版はこちらをクリックして下さい。

投稿: 愛信 | 2011/08/22 12:16

いつもとても勉強になります。
久しぶりのコメントです。
>「支那という地域はあるが支那という 国は無い」
これは歴史学者の岡田英弘氏、渡辺昇一氏も言われており、私もその認識は持ち合わせておりました。しかし今回の記事で管理人様がご指摘の
>当時の中国では1000種類もの通貨が流通していたこと。
それと同じ数だけの軍閥が各地に割拠していたわけだ。
つまり1000に及ぶ「国」に分裂していた地域、それが当時の中国である。
こういうところでいくら戦争を継続しても、勝利の兆しなど見えてくるはずもない。
は、具体的でかつ説得力があると、改めて再認識しました。
更に、イラクとアフガニスタンに関するご見解も見識あるものと理解いたしました。
これからも楽しみにしております。

投稿: シルバーな親父 | 2011/08/22 15:17

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受信: 2011/08/22 06:38

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