昨日のエントリに次のようなコメントがありました。
どんなに苦しくても辛くてもデフレを脱却したいと思う。
成長出来ない等と早計に諦められない。
デフレ脱却の障害になる事はやらない方が良い。
私は成長できないなどと一言も書いておりません。
毎年5~6%という高成長を長期に持続できるなんてありえない、と言っているのです。
日本の技術力や品質管理能力、日本人の組織力や高い労働意欲、世界に誇る分厚い中間層の存在などを勘案すれば、2~3%の成長は可能と踏んでいます。
まだまだ国際競争力も高いし、大量生産・大量消費の社会は終わりましたが、個人のライフスタイルに応じた消費意欲は依然として強いものがあります。
ただ、1970~80年代のような急速な市場の拡大は望めません。
言い換えれば、高度成長の時代ではなく、これからは安定成長の時代になる、ということです。
日本の個人金融資産は米国に次いで世界第2位、現金・預金に限れば世界一です。
にもかかわらず消費の伸びが鈍いのは、モノが充足しているからだけではなく、将来に対する不安、老後に対する不安が強いからだと思います。
年金支給年齢を70歳に引き上げるというニュースが流れた時、40代前半と思われる男性がインタビューに答えていました。
「そうなったら、もっと生活を切り詰めて預金を増やすしかない」と…
つまり、購買力はあるのに購買意欲が湧かない環境が消費の足かせになっているのです。
こういう状況、こういう心理状態を解消するためにも、歳入不足と借金の増大という問題を避けて通ることはできません。
もう一つ、読者の方のコメントを紹介しましょう。
ブログ主さんが誰に対して怒っているのか?という疑問が呈されているようです。それはブログ主さんに聞くしかないが、私が挙げるなら亀井静香と、彼と似たような発想をする連中すべてです。
バブル前からあの男をずっと見ていますが、好景気のときは国は金があるのだからがんがん使えという。不景気のときは景気拡大のために借金しても使えという。こういう発想は一家に災いを成すのと同様、国にも災いを成します。
まさにその通り。
亀井氏個人だけではなく、こういう政治家や言論人が一部に存在します。
特にネットの言論には、左右を問わずこういう主張の方が多い。
国債を増発して公共事業を行っても、それは一時的なプラスをもたらすだけで、数年後には元の木阿弥、というよりさらに借金が増えて財政を悪化させるだけです。
根本的な問題を解決せずに財政出動を実行しても景気回復は持続しない、これは「世界一の借金王」と自嘲した小渕内閣の時代を見れば容易に解ります。
経済が回復したのは、不良債権を強制処理し、大胆な公的資金の投入を実行した小泉内閣になってからです。
今も、このままで年金や医療をまかなえるのか?という瀬戸際にわが国はいます。
この問題を改善する処方箋を示さずに財政出動を繰り返しても小渕内閣時代の二の舞になるだけです。
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前置きが長くなりましたので本題に入ります。
なぜ消費税を引き上げざるをえないか?
今日は、この点についてもう少し書きます。
なお、ここでは年金が満額支給される65歳以上を高齢者とします。
さて、昨年までは高齢者になる人が年間100万人台だったのが、今年は200万人を超えます。
しかも、今後4年連続で200万人以上が高齢者になります。
人口の最も多い団塊世代(1947~1950)が65歳になるからです。
下のグラフを見れば解りますが、3年後の2015年には高齢者の割合が25%を超えます。
つまり、4人に1人以上が高齢者になるのです。
そして、高齢者の比率は年を追うごとに益々高くなっていきます。
わが国の少子高齢化が急激なのは、欧米と比較すればよく解ります(上記グラフ参照)。
少子化は改善の兆しが見えません。
今後は、ますます現役世代から高齢世代へと人口が移っていきます。
今でも年間10兆円もの借金をしながらなんとか社会保障をやりくりしているのに、この先どうすればよいのか?
今こそそのことを真剣に考えなければならない時なのです。
今後、毎年十数兆円の財源を安定的に確保するには、どうしたらよいのか?
民主党は、予算の組み替えや無駄の削減で何とかなる、と言っていましたが、それはほとんど幻でした。
それどころか、国の借金はついに1000兆円を超え、年間の税収40兆円に対して支出が80兆円、国債の利払いだけで毎年10兆円という惨憺たる財政状態に陥ってしまいました。
もう幻想をばら撒くことは許されない、というよりそれは犯罪行為に等しいと言ってもよいと思います。
借金をせずに財源を安定的に確保するにはいくつかの方法があります。
(1)所得税や法人税、相続税などを大幅に引き上げる、(2)年金・医療・介護などの社会保険料を大幅に引き上げ、且つ自己負担額も大幅に引き上げる、(3)年金や生活保護費などの社会保障の給付を大幅に削減する、等々国民に痛みを強いる政策を強行することです。
こうすれば、年間10兆円を超える借金をしながらなんとかやりくりする、という事態は改善できます。
が、こういうやり方がほんとうに望ましいのでしょうか?
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中には経済成長で税収を増やす、と主張する人たちもいます。
が、その人たちが主張するような4%以上の高成長を毎年持続することが可能でしょうか?
私は大いに疑問です、一時的ならあるかもしれませんが。
ましてや10%なんて、もう妄想の世界以外の何ものでもありません。
下のグラフを見てください。
わが国の名目GDPの推移です。
![[世] 日本の名目GDPの推移(1980~2011年)](http://chart.googleapis.com/chart?cht=lc&chs=500x250&chtt=%E5%90%8D%E7%9B%AEGDP%E3%81%AE%E6%8E%A8%E7%A7%BB(1980%EF%BD%9E2011%E5%B9%B4)%7C%E5%8D%98%E4%BD%8D%EF%BC%9A10%E5%84%84%20%E5%86%86&chxt=x%2Cy&chxl=0%3A%7C80%7C81%7C82%7C83%7C84%7C85%7C86%7C87%7C88%7C89%7C90%7C91%7C92%7C93%7C94%7C95%7C96%7C97%7C98%7C99%7C00%7C01%7C02%7C03%7C04%7C05%7C06%7C07%7C08%7C09%7C10%7C11&chdlp=b&chdl=%E6%97%A5%E6%9C%AC&chco=3399CC&chxr=1%2C242838.6%2C515644.2&chd=e%3AAAERHVJ5OGTXW6aHgWnPu51J3z4f5m7L9f..9d7w9B7x6R6C778u-C.99V1f3b1L)
あの我が世の春を謳歌したバブル期(1986年12月~1991年2月)でさえ、名目GDPは1986年の340兆5595億円から90年の442兆7810億円に増えただけです。
この間の平均年間成長率(名目)は6.75%です(実質は5.52%)。
まさに円が世界中を買い占めそうになったあの頃でさえこんなものなのです。
そして期間も4年3か月に過ぎません。
まさかバブルが再来する、そしてそれが永続するなんて思っていないでしょうね
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数日前に読者の方が書いておりましたが、経済学者の高橋洋一氏は名目成長率が4%になれば増税なしで経済成長による増収で財政再建は達成できる、と主張しています。
名目成長率4%というのはかなり高い目標値ですが、高橋氏がそれを可能とする根拠として挙げるのが「欧米の先進国の名目成長率は平均4~5%」というものです。
欧米に可能なのだから日本もできるはず、これが高橋氏の言い分です。
が、その記事中で高橋氏が掲載しているグラフは1998年から2007年までのもの。
つまり、2008年のリーマンショック以前のデータを、バブル崩壊前の数値を用いて日本も名目成長率4%超が達成できると言うのです。
2010年2月になってそういう記事を書くのですから、この方は相当いい加減です。
では、今の欧米の先進国の実態はどうなのか?
米国は2010年の名目成長率が4.2%、11年は3.7%、以下ドイツは4.3%、3.7%、フランスは2.2%、2.9%、イギリスは4.3%、5.2%、イタリアは1.9%、2.6%、スペインは0.9%、2.4%です。
今も高橋氏の言う数値に近いのはイギリスのみです。
つまり欧米先進国ができたのだから日本の4%成長も可能、というのはバブルを前提とした議論なのです。
確かにわが国でも、1980年代後半のバブル期の名目成長率は6%を超えていました。
が、わが国も欧米もバブルは長続きせず、崩壊後は塗炭の苦しみを味わっています。
わが国の名目成長率はリーマンショック以前は、2005年0.7%、06年1.1%、、07年1.6%とわずかながらではありますが着実に伸びていました。
08~09年はりーマンショックでマイナスになりましたが、10年はその反動もあり1.7%に回復しています。
去年は東日本大震災の影響で再びマイナスでしたが、今年あたりから以前の成長軌道に戻ると思います。
復興需要もありますから2%台になる可能性もあります。
私は、消費税引き上げの前提になる2%台後半(実質は4%台)の経済成長は遠からず達成できると思っています。
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「消費税の引き上げはデフレ期にやるべきことじゃない」というのは私も理解できます。
が、デフレをどうしたら解消できるのですか?
消費税を上げなければデフレは解消できるのですか?
日本のデフレの原因は、海外から安価な商品が流入していることもありますが、基本的には需要不足にあります。
では、なぜ需要が不足しているのか?
繰り返しになりますが、消費の伸びが鈍いのは、モノが充足しているからだけではなく、将来に対する不安、老後に対する不安が強いからです。
低成長が続き、実質的な所得が増えない中で、年金制度や医療制度が揺れている。
このままで私たちの将来は大丈夫なのか?
と多くの国民が不安を抱いているはずです。
このような中で無駄な支出は極力控える、これは当然の流れです。
バブルの時に隆盛を極めた百貨店が構造不況業種になったことが、これを象徴しています。
わが国では、2000年から名目GDPと実質GDPの逆転が続いています。
2010年の実質GDPは539兆,8807億円なのに名目GDP は479兆1725億円。
実に60兆7082億円、約13%の開きがあります。
これこそデフレの象徴です。
モノは増えているのに所得は増えていない、だから消費が伸びない。
要するに供給と需要が見合っていないのです。
売れないから価格が下がる 収益が上がらないから給料が下がる―この悪循環を断ち切る政策が喫緊に求められています。
今、必要なのは生産を刺激する政策ではなく消費を刺激する政策ではないでか。
ゼロ金利を続けても景気はよくなりません、それはもう明白です。
エコカー減税、エコポイント制度、住宅ローンの金利優遇、エコ住宅の補助金支給などをもっと拡充するべきです。
※消費を刺激する政策をもっと提案してください。
依存症は頭が回らないので(爆)
もう10年ほど前ですが、私の先輩が、ゼロ金利のおかげで旅行にも行けなくなった、今は預金を取り崩して生活している、と嘆いていました。
ゼロ金利は供給側には有利ですが、消費側には不利なのです。
三菱総研の試算によれば、1992年から2005年までの家計の利子所得の損失は283兆円にのぼるそうです。
一方、企業の利子負担は264兆円減少しました。
この供給側有利の金融政策は未だ続いています。
金融危機、そしてバブル崩壊後の深刻な経済危機を乗り切るためにはゼロ金利は有効だったでしょう。
が、未だそれを続ける理由が解りません。
預金者には適正な金利(2~3%)を支払う、これが当たり前です。
金利が1~2%上がったから倒産するという企業にはさっさと退場してもらいましょう。
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消費税の良いところは、国民が均等、平等に税を負担するというところです。
実態を偽装して生活保護を受けている人も、様々な仕掛けで脱税をしている人も見境なく税金を徴収されます。
勤労者も、自営業者も、経営者も、あるいは大人も子供も、若者も高齢者も平等に税を負担する、分かりやすくて最高です。
広範囲に均等に課税する。率を上げ下げする事で簡単に増税、減税できる。税の基本である受益者負担と合致する―
という点で消費税以上に平等な税金はないでしょう。
文字通り、憲法に定める「納税の義務」の極限です。
デメリットは低所得者になるほど負担が大きくなる。広範な課税であるため課税対象がはっきりせず、安易な増税になりやすい。物価高を招き不況を招く―
などですが、今はそんなこと言ってられません。
消費税引き上げと、無駄の削減と消費を刺激する大胆な政策を同時進行で進めれば良いのです。
間違っても国債を増発し、公共事業を増やすような景気刺激策を採ってはなりません。
これは借金を増やすだけで、デフレの解消にはつながりません。
相続税の税率引き上げは当然だと思います。
高額所得者に対する累進課税の強化も同様です。
こんな増税は消費にほとんど影響を与えません。
重要なのは民間で所得が増やせない分を、政府が補てんすることです。
それがエコカー減税、エコポイント制度、住宅ローンの金利優遇等々であり、考えればもっとあると思います。
とにかく消費が伸びないと、この国は持ちません。
でなければ、政府の支出を大幅に削減するしかありません。
国債の増発ではない景気対策、それも消費者に側に立った刺激策を強く求めるところです。
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なお、1997年に橋本内閣が消費税を3%から5%に引き上げた際、景気が悪化した経験を指摘する方たちがいます。
その人たちは当時を知らない人たちです。
日本発の金融恐慌が囁かれていた時代に橋本首相は増税しました。
メガバンクさえ潰れそうだったのに、未曾有のリストラと貸し渋り、貸し剥がしが横行していたのに、彼は財務官僚の言うがままに増税しました。
私に言わせれば、もうバカです。
が、今は状況が違います。
金融システムは安定しているし、貸し渋りや貸し剥がしもない、未曾有のリストラもありません、今は。
あのころは、私もどうすれば良いのか苦しみましたが、今は当時とは状況がまったく違います。
そういう意味では、1997年を引き合いに出すのは、反対派のプロパガンダにすぎません。
私は政治のプロでもないし経済のプロでもありません。
だから、誰かの言い分を鵜呑みにするのではなく、より多くの情報を仕入れ、勉強し、客観的に物事を判断する立場を堅持しています。
その人の文章を読めば、その人物の器も知性もおおよそ解りますしね。
私に目くらましは効きませんよ(爆)
それにしても単純に「反対!」を叫ぶ方が多すぎです。
もっと学習してほしい、痛切に感じます。
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【追記】
公共事業について言葉が足りなかったようなので補足しておきます。
私が「公共事業を増やすような景気刺激策を採ってはなりません」と書いたのは、無駄な公共事業を指します。
この狭い日本に100近い空港を作り、その大半が赤字、車がほとんど通らない高速道路も同じです。
逆に首都圏の外郭環状道路は一刻も早く開通させるべきだと思っています。
慢性的な渋滞で「首都低速道路」と揶揄される現状は、大いなる経済的ロスを発生させている、間違いありません。
要は、その経済効果や必要度を検証して行うべきだと思うのです。
【追記2】
ジェームズさん
「ちはやぶる」さん
>意に沿わず没?になった
>投稿したが、はじかれたようだ
は、私のミスです。
今は公開されています。
削除したわけではなく、未公開のままになっていました。
ここ数日、罵詈雑言が多く、削除したコメントもかなりあります。
ほとんどをアクセス禁止にしました。
ジェームズさん、「ちはやぶる」さんのコメントは削除もアク禁にもなっておりません。
お二方より激しい批判が公開されているのに?
と疑問に思われたでしょうが、お詫びいたします。
坂 眞

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