「韓国型の経営」はほんとうに称賛に値するのか?
昨日も躍進著しい韓国の実態について言及した。
で、日本国内でも「韓国型経営」を称賛する声がある。
―サムスン電子や現代自動車はいずれも財閥系であり、大きな権限を持つ財閥オーナーが経営トップを務めている。だから難しい経営判断が求められる不況下でもトップダウンで迅速に意思決定を下せるし、環境変化にも機敏に対応できる―
これは、みずほ総研のレポートだが、こういう見解は珍しくない。
要は「韓国型経営」の方が変化の激しい今に合っている、と言いたいのだ。
しかし、ほんとうにそうだろうか?
私は、韓国企業が好調なのはウォン安と低賃金と長時間にその原動力があると思う。
今年改訂された最低賃金(時給)は日本の半分以下の約342円。
一般者の賃金は日本 360万円(年)に対し韓国245万円(年)。
また賃金格差も激しい。
韓国における低賃金雇用比率は25.7%でOECD加盟諸国の中で最も高い。
あの格差大国・米国(24.8%%)より高いのだ。
ちなみに我が国は14.7%である。
※「低賃金」とは中間賃金の3分の2以下を言う。
また、驚かされるのが、その時間の長さだ。
下図を見てほしい。
1973年、つまり40年近く前の我が国と時間がほぼ同じなのだ。
韓国にはウォン安、低賃金、長時間、と国際競争を有利に導くための基礎的条件がそろっている。
また、製品の性能や品質も我が国の模倣を繰り返すことで格段に向上している。
韓国企業が欧米で業績を急速に伸ばしている理由はここにあるのだ。
この点は、我が国の1970年代によく似ている。
違うのは、我が国が「改良」であったのに対し、韓国は「模倣」であると言うことだ。
性能や品質が日本製品にそれほど遜色なく、しかも価格が大幅に安ければ、模倣であっても国際市場で売れるのは当たり前である。
財閥オーナーが経営トップを務めているというのは、海外で韓国企業が躍進している理由の一部分にすぎない。
1970~80年代は日本企業が世界を席巻した時代である。
その時も「日本型経営」がもてはやされた。
が、日本が豊かになり、生産コストが急上昇すると日本製品はその競争力に翳りが見え始めた。
また、この間の急激な円高がそれに拍車をかけた。
それとともに、終身雇用と従業員への利益還元という「日本型経営」も影が薄くなった。
今、韓国では、サムスン電子や現代自動車が躍進する一方で、一般国民の間には「生活はますます苦しくなる一方だ」という空気が満ちている。
日本企業は急成長する過程で従業員への利益還元を優先した。
ところが韓国の財閥系企業はそうではない。
グローバルスタンダードと財閥体質、つまり企業の利益と株価、そしてオーナー一族の冨の蓄積を第一優先にしている。
そこには「従業員」という視点がない。
確かにパイは大きくなったが、一部大企業への富の偏重が進んだだけで国民への還元は少ない―
これが韓国民の率直な気持ちだという。
この国民の気持ちは、政治対する批判となって表面化し始めた。
特に李明博大統領とその与党に。
昨年10月のソウル市長選では大統領与党の候補が大敗した。
4月に予定されている総選挙、12月の大統領選挙でも与党の苦戦が予想されている。
ここに来て、与党も野党も「福祉公約を乱発」している(中央日報)。
李大統領は、就任以来、財閥や大企業を支援する政策に重点を置いてきたが、今では財閥系が経営するパン屋チェーンにまで批判の矛先を向けている。
まさに大統領・与党・野党が入り乱れての財閥バッシングが始まったのだ。
サムスン電子や現代自動車は、我が世の春をいつまで謳歌できるのだろうか?
韓国の輸出依存度は43.4%に上る。
これは09年の統計だから、今ではさらに高くなっているだろう。
一方、我が国の輸出依存度は11.4%にすぎない。
それでも我が国は円高に苦しんでいる。
GDPの4割以上を輸出が占める韓国は、為替がウォン高に振れたらどうなるのだろう?
国民の不満に抗しきれず、賃金が上がり、時間が短縮されたらどうするのだろう?
その対策が韓国と韓国企業にあるとは思えない。
今の局面だけを見て「韓国型経営」を持ち上げるなんて見識を疑う。
前近代的な「財閥による企業支配」が果たして長所と言えるのか?
私には大いに疑問である。
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コメント
車のメーカーでいえば
フォード社が最初に「組み立てライン」による大量生産方式を採用しました。当時 車種はT型フォードのみでした。
ところが
GMはM&Aによる雑多な車種の集合企業となったのが幸いして「垂直統合型の企業形態」(および多品種少量生産)を採用しました。
つまり
中古車から保険業務まで一括して経営する方式です。
これでGMはフォードを追い抜いてしまいました。
しかし現在は
「水平分業型」が主流なのですよ。
その1番の例が
ボーイング787 です。
http://www.ustream.tv/channel/ana-boeing787
この機体は
日本の三菱重工が炭素繊維の尾翼などを供給していることからもわかるように
全世界から部品を調達しています。
これが水平分業型です。
この方式がヒュンダイを始めとする韓国企業の得意とするところです。
つまり
世界中から安い部品を買い集めて本国で組み立て、それで浮いた残金を研究費に投資する・・・「さらに良い製品ができる」ということです。
系列にこだわる日本企業がこの面で遅れているのは否めないでしょう。
しかし
長年「外注・外注」でやって行くと社内に技術が積み上がりませんから・・・(任天堂などの低迷がこれ)
「韓国型経営」も
いずれは行き詰まるでしょう。
・・・というか
私が日々 市場開拓に苦心惨憺しているように
日本企業の古さの方が深刻です。
では
日本経済復活のためにどうするか?
それは
信長の「楽市楽座」(規制緩和)だと私は思いますが
大阪市の橋下市長もこれがよく分かっていませんね。
行政は場を提供すれば良いだけであって
アイディアは民間が出さなければ本当の経済成長などは望めないのです。
投稿: 柳生大佐 | 2012/03/05 13:39
私は、韓国型経営を良いと思ったことは一度もなく、これについては坂様が指摘される問題が全て当てはまります。私のブログでも何度も採り上げています。
模倣についても韓国人にはそれが悪いという認識がないし、むしろ、日本から盗むことが出来たのは経営者の手腕が優れているからだとの韓国メディアの記事さえあります。
現代重工の創始者鄭周永(チョン・ジュヨン)は、日本の造船会社に研修生を二名受け容れさせ、コンテナ二本分の資料やサンプル、特殊工具などを盗み出させて技術を得たと自慢し、それを経営者の鏡として韓国ではたたえられています。また、サムソンは初期の頃、途上国で日本の会社であると偽りセールスを行ったことが初期の頃の発展につながったと、感動を呼んでいるそうです。
所詮パクリでしか技術が保てない国ですから、オリジナルを越えることは出来ないし、実際に輸出が増えれば増えるほど、対日赤字が増大しています。技術、製造設備、高機能資材などを日本から買わなくてはならないからで、今ではレアアースまで日本頼みであり、中国からの輸入量より、日本からのレアアースの輸入量が増えている有様です。自前でロケット一つ打ち上げられない国に技術的な蓄積など無理です。
主として日本の海外市場をねらい撃ちにすることに集中し、日本企業であるかのよう装ってに消費者を騙し、その結果値引き、パクリ、資本の集中、政府による不公平な補助、国内での寡占を利用した高値販売、ウォン安、大量生産により量産効果、海外生産現場での過酷な労働などなど、様々な問題を抱えていますが、今になり韓国国内では輸入燃料高騰にウォン安が重なり、貿易が大幅赤字になっています。大統領は、日本ではガソリンが下がっているのに、韓国ではどうして出来ないのか、と叱責したとのことですが、通貨価値、即ち世界でも独歩高を続けている日本円と、下がり続ける紙屑ウォンの違いを経済大頭領が理解していないはずはないと思うのですが。
日本と違い所得収入がないので、それはそのまま経常収支の赤字になり、その改善の兆しはなく、インフレが亢進して経済成長を上回るようになっています。
要するに、韓国経済自体があらゆる面で行き詰まっており、この不満が政府を突き上げて、今ままで日本との協調を模索していたと思われる李明博大統領が売春婦補償を言い出さざるを得ない状況にまで追い込まれたと見ています。
韓国経済が回復する要素は見あたりません。同族会社で経営判断が迅速なのは良いのですが、創業者のような能力を持った後継者が居なくなると途端に経営が傾きますし、韓国ではお定まりの財閥内部でのお家騒動が始まっています。サムソンなどは泥沼状態であり、経営どころの話ではないでしょう。放っておけば自滅します。
韓国型経営を範とすべしなどという専門家は、中国がなければ世界は成り立たないなどと言う連中と同じです。騙される方も情けないですが。
ウォン安が進めば、貿易赤字は益々増大し、インフレが亢進し韓国経済は息の根が止まります。ウォン高になれば、輸出が落ち込み、以下同様。
最近も日本の経済界が韓国型に学んで経営者の若返りを図っているとのホルホル記事がありましたが、昨日の車の韓国メディアによる記事と言い、このような記事を書かないとクビになる記者の苦労が忍ばれます。
投稿: たかおじさん | 2012/03/05 13:48
「たかおじさん」が書かれている通りです。下記の文章は韓国経済の問題点を書いたものです。
経済格差、大企業だけが実績を更新する韓国経済(1)
韓国経済の成長の裏には二極化が進行しているということを以前に取り上げた。
今回はもう少し具体的に見ていこう。二極化とは「経済格差」という言葉に変えることも出来る。
金持ちはより金持ちに。貧乏人はさらに貧乏人に。前回は庶民の視点から考えてみたが、今回は企業の視点から迫っていく。
「寡占化」という言葉を聞いたことがあるだろうか。寡占(かせん)というのは、少数の供給者が市場を独占して、互いに競争している状態を指す。これは広い意味では「独占」に含まれる。ここでは難しい独占の定義などの説明は省略して、簡単な例を出してみよう。
例えば、日本で液晶TVを購入するなら、日本の企業の何社から選ぶことができるか。
ソニー、パナソニック、シャープ、三菱、東芝、日立…など、ざっと思いついてこれぐらいの企業がある。
では、韓国で液晶TVを購入するならどうか?
実は「サムスン(三星)」と「LG電子」の二択しか存在しない。
他の中小企業がいくつかあるとしても、この二社がほぼ韓国の液晶TVの市場をほぼ独占している。つまり、韓国では「この二社が独占的に液晶TVの価格決定権を握っている」のだ。
では、車ならどうか?と言うと、何と同じ状態なのだ。
後編では、日本企業と韓国企業の違いについて解説していこう
経済格差、大企業だけが実績を更新する韓国経済(2)
前回から韓国企業の二極化、つまり経済格差についてお送りしている。
韓国でテレビを買おうと持ったら「サムスン(三星)」と「LG電子」の二択しか実質存在していない。
日本企業と韓国企業の違いの1つは、この「寡占化」にある。
日本企業は国内でも1億人の市場が存在することで、激しい競争を繰り広げている。逆に、韓国企業は国内では寡占化によって、自由な競争は阻害されている。
つまり、韓国国民は常に高い値段で物を買わされているということになる。
それが液晶テレビ等の一部商品だけならまだしも、自動車、電気製品、携帯電話、日用雑貨、生活必需品などなど、様々な分野の寡占化が起きている。逆に言えば、これが韓国の大企業が輸出に強い一つの理由である。
国内では言い値価格で販売ができ、外国に輸出する時は安く販売する、というわけだ。輸出するときの戦略としては、ダンピング輸出、韓国政府の援助など色々あるのだが、それもまた後に説明しよう。
ともあれ、第2次経済危機によって急激なウォン安の追い風で、大企業だけが実績を拡大して、韓国経済の成長率は保たれている。
上場企業の全体の2%がほぼ7割の利益を独占しており、中小企業には経済回復、経済成長の恩恵などというものはほとんど受けられない。さらに、中小企業を追いつめるかのように、大企業は納入単価を引き下げようとする。要するに「もっと安く材料や部品を作りなさい」という脅しである。大企業が儲かっていても、中小企業には恩恵は受けられず、利益規模の縮小に迫られているのが現状なのだ。
しかし、中小企業がそのまま倒れてしまえば、大企業も経営悪化は避けられない。また、政治でも大企業優遇策への批判が高まっている。将来、韓国経済の二極化が政治の焦点となり、国民の前に降りかかることが予想される。
大企業だけが実績を更新し、中小企業、国民は負債増加で苦しみ、さらに物価インフレの恐怖が突きつけられている。サムスンが世界一のシェア、韓流スターが日本デビューなど、日本のマスメディアは良くニュースにするが、実際、韓国人の暮らしは悪くなる一方だ。
しかし、韓国人の暮らしが悪くなっている現状を伝える日本のメディアは存在していない。K-POPなどの光の部分だけを照らし、闇の部分にはまったく触れない。
経済を見る上で重要なのは経済データと、国民の暮らしなどだが、偏った韓国経済の情報が蔓延しているのが日本のメディアの現状なのだ。残念ながらそれを正そうという姿勢は見当たらない。
投稿: にっぽんじん | 2012/03/05 14:27
無茶な事でも後先き考えずやってしまって(UAEの原発受注など)、行き詰まったら日本に泣き付けば、日本が何とかしてくれるという考え。(民主党は全員、自民でも森喜郎、山拓などがしてくれる)
坂さんの言われることに加えて、法人税や電気代を政策的に下げ、本当かどうかは分かりませんが、財閥と政権がつるんでいて裏金も入ってくる。
こんな事は日本では出来ません。
投稿: 八目山人 | 2012/03/05 14:41
たかおじさんの言うとおりです。
付け加えるならば、電気料金や税金などでも大企業に有利になるような体系になっています。逆にいえば、個人や小企業の犠牲の上にたった輸出ですね。
ある種のソーシャルダンピングといえます。
この点が70年代の日本とは大違いです。
また日本ではが考えられない事ですが、税金の取り立てにつても税務署員(がワイロをもらって)裁量が可能なようです。(税務署員が高級車を乗り回したり、ワイロの目標を決めていた等とニュースになりましたね)
今度のアメリカとのFTAでアメリカから安い外国車が入ってくると、韓国メーカーも自国民に高い車を売りつける事が難しくなりますから、どうなる事やら、ですねぇ。
投稿: みやとん | 2012/03/05 17:06
液晶・家電の方は分かりませんが、半導体に限って云うと、今の日の丸半導体の劣勢はサムスンにやられたというより勝って兜の尾を締めなかったゆえの「自滅」だと思います。国内の熾烈な競争に勝てば世界でも勝てるという、かつての計算機での戦いの構図を経営者がそのまま維持していたので、情報革命の進展とグローバル化の同時進行というダイナミズムについていけず、最初から世界市場を相手にしていたサムスンにやられたというのが、この10年間ぐらいの状況だと思うのです。つまり、半導体産業は80~90年代に日本国内に比較的大きな市場があったので世界市場進出にさほど熱心でなかった。その事が2000年以降に裏目に出たということ。
というのは、私、ある半導体大手メーカーT社に、派遣社員で2年ほどお世話になったことがあるので、そのときの実感なのですよ。
T社が扱っている半導体は三千種類もあって、80年代にDRAM市場でインテルをぶち倒した会社でした。インテルは、その後、DRAMから手を引き、経営資源をCPU開発に集中させて成功しました。その頃、T社の営業マンは自社のイスに座っているだけで、国内企業の部品調達担当者が門前市をなすぐらいの盛況だったそうです。成功のカギは部品故障率が極めて低かったから、ということのようです。日本企業は半導体のようにチマチマしたものを精巧に創るのが得意なのですね。建設会社に17年ばかりいて辞めたばかりの私には異質な世界で驚きの連続でした。
で、サムスン電子は、その頃、日本の半導体企業全部の投資額を上回る設備投資をしていた。日本企業が利益率が少なく技術的にも時代遅れと思われたDRAMからいっせいに手を引き、フラッシュメモリーや集積回路に方向転換している矢先のことです。ところが、日の丸半導体企業は市場の行方を見誤った。一時落ち込んでいたDRAM市場は急速に回復して前より大きくなり、各社とも撤退直後のことなので生産が追いつかない。そこをサムスンにしてやられた。私がT社にいたのは04年春までのことなので、その後のことは分かりませんが、サムスン電子が好調な分野はDRAM市場に限られるのではないかと思います。フラッシュメモリーにも進出しているようですが、一方的にサムスンが勝っているのか、はなはだ疑問です。各社とも昔のようにノウハウの漏えいに無頓着ではありませんからね。ガードは固くなっていますよ。
この話にはウラもあって、「日本の半導体企業全部の投資額を上回る設備投資」の最大の受益者は日本の半導体製造装置メーカーなのですよ。サムスン電子が半導体を作っている、その装置の8割は日本製です。データはないけれど、インゴット(ウェハを切り出すもとの円筒形のシリコンの塊)も、ほとんどが日本製のはずです。うまり、サムスン電子が売り上げを上げれば上げるほど、日の丸半導体の世界シェアは減るけれども、日本の半導体製造装置メーカーとインゴット素材企業は儲かるというわけ。だから対日貿易赤字がいっこうに減らない。
半導体が多く使われる情報機器産業は質的にがんがん深まり、応用分野もカーナビのような車載ものから一般家電に広まり、世界的な需要も急拡大しているので、例えば中国でケータイが使われだすと、現地でいくら作っても、日本で生産ラインをフル稼働させて倉庫をカラにするぐらい持っていっても追いつかないという状況があるので、まだまだ、どこの会社が何の分野で圧倒的か、みたいな勝負はついていないと思うのです。
で、日本企業の今後の課題ですが、なんといっても商品開発力でしょう。それも、日本国内だけに視野を絞ってガラパゴス化するのでは、この10年間の失敗の繰り返しです。それから生産コストのうち人件費シェアが比較的大きいDRAMの製造はやめる。エルピーダの倒産なんて、私に言わせれば当たり前なのですよ。DRAM市場が一時的に急回復したので、間に合わせで各社のDRAM部門を統合したってだけのことですから、大規模に設備投資したサムスン電子とガチンコになり生産過剰になるのは目に見えていた。やるなら代わりに台湾や中国・マレーシアで作る。日本国内での「ものづくり」にばかりこだわっているのではなくて、東南アジア全域、中国とアメリカの一部も含めた広域な製造・販売・商品開発のネットワークをつくること。
あとは韓国企業とは組まないこと。鉄鋼大手も東芝も韓国企業と組むと遠慮なく技術を盗まれてブーメラン効果で苦しんでいるのに、性懲りもなく韓国企業と提携する、しようとする会社があとを絶たないのはどういいうわけ?理解に苦しみます。
投稿: 平野國臣 | 2012/03/05 17:53
いつぞや大阪のある企業の資料を翻訳していて驚嘆したことがあります。部品製造の下請けの入り口になる企業があって、そこに設計図と仕様書、材料を持ち込むと、どこをどう通るのか分からないけれど複数の企業による加工工程を辿って最終製品が別の「出口企業」からポンと出てくる。そういう仕組みが見て取れた。まるで中小企業の集合体がひとつの生き物みたいで、食べ物を放り込むとウンコが出てくる、そういう印象を受けました。
こういう仕組みの強さは、それぞれの企業の経営者の自立精神、経営者精神を養ううえで、はなはだ都合が良いと思うのですよ。私がかつて勤務していた建設会社は、それこそ中央集権的官僚機構みたいで、どこかで何かのアイデアが生まれても、それが経営サイドに伝わる機会が少なく、すぐに消えてしまう。部下を怒鳴っているばかりのアホ部長がいてもクビにできない。定期人事異動まで待つという具合になる。ガサの張る大きな建築物をたくさん作るには、それなりの規模の官僚機構が必要なのですが、ときどき、小さな工務店ならありえないような、そういう弊害が目につくことになる。
台湾と韓国の企業風土の違いというのも、そんなものかも知れません。台湾経済は、よく知られているように中小企業の集合体です。だから、いま流行りのアウトソーシングなんかで生産委託をしても、とびきりいい物を作る。その代わり、仕掛品を組み合わせて最終製品に仕立てていくオーガナイザが必要になる。
韓国経済について私は詳しくないけれども、その代表といわれるサムスンの企業行動を見ていると、かつての造船業を思い出すのですよ。まず、技術移転と称してしゃにむに技術をかっぱらう。次に、明らかに作りすぎ・生産過剰なのに、日本の商社がやめてくれと云っても作る。その結果、函館ドックが一時倒産するという事態まで起きる。で、日本の造船業をやっつけた、韓国の大勝利と喜んでいるけれども、計器とかエンジンとか、精密機器や動力部分がことごとく日本製になっているという始末。
日本経済の強みも、台湾みたいな分厚い中小企業の群れになっていることにあるわけで、サムスンもそうそうホームランばかり続けるわけにはいかないでしょうから、いつか小回りが効かなくなって苦しむときがくると思いますよ。残りは現代とかLGとか、どうでもいい二流企業ばかりですから問題になりません。
投稿: 平野國臣 | 2012/03/05 18:59
差し詰め、財閥系大企業「サムソン」「LG]など現在の両班というところでしょうか。
その格差が韓国の左傾政党支持にも関連しているのかもしれません。
投稿: Pin | 2012/03/05 19:10
◎大手7行の株主保有構造(外資比率:1997年末→2005年末,主要株主)
国民銀行
…外資比率:41.2%→85.68%
…主要株主:Bank of New York(15.21%)
ウリィ銀行
…外資比率:8.6%→11.10%
…主要株主:ウリィフィナンシャルグループ(韓国預金保険公社)(77.97%)
ハナ銀行
…外資比率:21.3%→72.27%
…主要株主:ゴールドマンサックス(9.34%)
新韓銀行
…外資比率:23.4%→57.05%
…主要株主:新韓フィナンシャルグループ(100%)
韓国外韓銀行
…外資比率: 2.7%→74.16%
…主要株主:ローンスター(50.53%)
韓美銀行
…外資比率:29.4%→99.90%
…主要株主:シティグループ(99.91%)
第一銀行
…外資比率: 0.1%→100.0%
…主要株主:スタンダード・チャータード(100%)
驚くべきことにウリィ銀行以外、ほぼ全ての外資比率が50%を超えている。中には100%というところさえある。
しかも、唯一外資比率の少ないウリィ銀行は2009年にCDS(クレジットデフォルトスワップ)が大幅に上昇し、ウリィ銀行ショックを招いたことがある。これは公的資金導入で危機は免れたのだが、唯一の国内銀行であるウリィ銀行はこのような有様である。CDSについてはかなり難しい経済用語であるために、また日を改めて説明しよう。
話を元に戻すが、このデータが示すとおり、韓国経済の8割以上は外資に牛耳られていることになる。
http://www.37y.org/?p=326
韓国であって韓国ではないというのが韓国です。すでにナショナリズムの根拠がないのではないでしょうか?
投稿: amotoyamatotake | 2012/03/05 20:12
>Pinさま
南キムチ国の財閥系企業=現代の両班
なかなかすばらしい例えです。
付け加えるなら、
北キムチ国労働党幹部も「現代の両班」ですね。
何せ、金王朝は世襲制だし、
支那の皇帝に頭が上がらず
民を飢えさせても知らん顔しているのも
李氏朝鮮時代と同じ。
李から金に替わっただけの前近代的ファシズム国家。
あの南キムチ抗議集会の
民意をまったく感じさせない
一糸乱れぬパフォーマンスに
背筋が凍る思いがした。
投稿: やす | 2012/03/05 22:52
人口集中と企業集中を!
日本の進む道は企業を人口集中地域に集中させあたかも有機体のごとく企業同士が協力し合える仕組みをつくることです。
大規模な都市再開発をするうえで一番大事なことは企業のために資本、土地、人材、物流、機械化、エネルギー効率、労働生産効率を考慮した街作りをすることです。
人口を集中させることもあくまでも企業に必要な有能な人材を確保するために人口を集中させる。
今後世界人口は90億人までに増えることが予想され今よりエネルギーを膨大に使うことが予想されます。そのときエネルギーをたくさん使用しての経済成長はますます難しくなります。
今後日本が進むべき道はほかの国が作り出せないモノづくりを
みんなの知恵を出し合いさまざまなプロジェクトを立ち上げ実行
検証、改善しより進化した高付加価値なものを国内に供給しその中で生き残った物を世界に供給するという今のビジネスモデルを大規模にインフラ投資することだと思います。
イノベーションなど所詮偶然の産物ですのでその偶然が起きやすい環境と仕組みをつくってあげればいいんです。改めて規制緩和、改革などと叫ばなくとも大きな力の流れをつかみその流れを邪魔せず誘導すればうまくいきます。
日本は日本にしかできない道を突き進めばいいと思います。日本が得意とすることを考慮しない規制緩和、改革など無駄に終わるでしょう。アメリカや韓国などぜったい真似をしてはいけません。
投稿: ななしの経営者 | 2012/03/06 00:25
坂さま
こんばんは。
韓国の財閥企業は国民を幸せにしません。
きっと労働者も幸せではないでしょう。
焦っても結果は見えています。
デタラメな価格でシェアを取っても、一時的なものです。
会社のパソコンの調子が悪いので、買い換えようと思います。
やはり富士通かなぁ
地元だし
投稿: はやぶさ | 2012/03/06 00:47
西洋人のしたたかさを感じます。
日本から利益を吸い上げるのがうまくいかなかったので、韓国人に日本製品を作らせて、韓国から利益を吸い上げています。
食い止めてくれた日本の先人に感謝です。
投稿: らっだ | 2012/03/06 01:32
韓国のことは知りませんが・・・
寡占ということなら日本も同じようなものです。
TVのメーカーが日本には沢山ある?
え?
最近の薄型TVは1インチ1000円にまで下がっていますが
家電売り場はどこもガラガラです。
車だってエコカー補助金(税金投入)が無くなれば・・・
販売低下→リストラ→さらなる不景気
でしょう。
「日本は消費財ではなく資本財で稼いでいる」(三橋信者)
私が集金に行った「ネジ製造工場」では
社長1人で5台~6台のネジ製造機を動かしていましたよ。
24時間休みなしで生産するので社長さんは故障するとき以外は「昼寝してる」そうです。
・・・つまり
三橋信者は「資本財(生産財)は人出が要らなくなる」ことを知らないんですな・・・
先の大戦で
ゼロ戦は空戦性能が素晴らしくて”世界一の戦闘機”と呼ばれたこともありました。
しかし
1000馬力エンジンのゼロ戦に対抗して
米軍は2000馬力のp-38ライトニングやp-51ムスタングを投入してきて情勢は変わります。
米軍は未熟なパイロットでも操れる操縦性と
「一撃離脱」の戦法で日本軍を圧倒したのです!
もちろん
堀越二郎などの設計技術者は、日本も2000馬力級の戦闘機を製作しようとしたのですが
日本の熟練パイロットたちは空戦性能(ドッグファイト)にこだわり、時代の趨勢を見落としました。
・・・その後の歴史の示すところはご存知のごとく・・・
ね?
いまや「技術の日本」なんて・・・
何の自慢にもならないのです。
ガラパゴス化やエルピーダの破綻を持ちだすまでもなく
しょせんは第二次産業なんです。
これから発展するのは第三次産業であることが分かり切っているのに日本人はいまだに時代遅れな産業にしがみつこうとしているのです。
結局 今も昔も
ゼロ戦パイロットと同じなんですよ。
最近は
これを「茹でガエル」
(居心地が良いマンネリに浸っていると
環境の変化に気がつかないで致命傷となること)
なんて言うようですが・・・
http://homepage2.nifty.com/t-nakajima/column49.html
投稿: 柳生大佐 | 2012/03/06 01:47
こんばんわ私も「韓国型経営」には大いに疑問を持っております。
韓国の現状は、新自由経済の最高の教科書になっているのだと感じています。
力を持ちすぎた、グローバル企業はもはや国家でも制御不能になっている状態で
中央日報など韓国のマスコミは、全て財閥の傘下にあるので、財閥が裁判の
対象になっても無罪にせよと主張し、完全に広報雑誌とかしています。
これほどの特権階級を有する人たちが、存在する以上国内法など何の役にも立ちません
韓国の品質が向上しているのは確かだと思いますが、戦略は完全に焦土戦術で
その上相手は国営企業です。しかも上記の通り粉飾し放題で国民は奴隷状態です。。
このような企業と、競争できる企業は中国くらいでしょう・・・
FTAが発行されれば、何かが変わるものと期待していますが・・・
基本的に、これほど国力に差がある国と立て続けにFTAをすれば当然経済植民地になります。
このように内需のない国で狙われるのはインフラなのか・・・
罪深い経済学者やマスコミが、反省するとは思えません。隣にこのような教科書があり
EUの惨状をみても、まだ自由主義経済を標榜する人がいます。私はそれが恐ろしいです。
投稿: みやけ | 2012/03/06 02:00
まあ「日本企業はこんなにダメですよ。」と嬉しそうにわざわざ教えてくれる人には、その人なりの理由があるんでしょうから。
世の中のほとんどの人間は企業経営者じゃないんで、それ聞いたところでどうしようもない。
聞かせる方にとっては、聞かせた人間を絶望的な気分にさせて日本社会への信頼を落とし士気を低下させるという効果がある。
普通の人が企業経営に参画していないだけにね。
聞かせる方がそれを意識するとせざるとに関わらず、そういう効果がある。
これは経済の話じゃないと思いますね。
スイス政府が出してる小冊子、「民間防衛」の内容に関わる話だと個人的には思ってます。
投稿: ブルー | 2012/03/06 02:42
この前、某セミナーである方の講演を聞きましたが、韓国企業の賞賛が多かったですね。日本の多くの経営者はそのような認識が多いのでは無いでしょうか?
しかし、中身は問題が多いようです。サムスンは躍進目覚ましい企業ですが、昨年まで労働組合なるものが存在してませんでした。つまりサムスンは簡単に社員のクビを切れるのです。半分羨ましいところですが、それが全く出来ないのが日本企業です。またサムスンは同期が出世すると、もう一方の同期の者が会社を辞めるそうです。さすが儒教の国ですね。
サムスンやSTマイクロに代表される韓国の半導体産業が育った一番の原因は、実は80年代の日米半導体戦争の結果、日本側が飲まされた「日本の使用量の20%は輸入品とします」と約束です。
これはアメリカの半導体を日本に買わせよう企んだアメリカ側のもくろみでしたが、既にアメリカ企業は日本に工場を持っており、仕方なく日本は韓国に半導体生産を委託して輸入させたのです。当時の韓国の半導体の仕様書は、日本企業のマニュアルをそのままコピーして顧客に配っていました。
その後の結果はご存じの通りです。なので、韓国型経営はそれなりに効果を発揮していると思いますが、自力でも何でもなく、元は日本におんぶにだっこで育成されたものだったのですね。
投稿: モノ言うサラリーマン | 2012/03/06 06:46
>日本企業はこんなにダメですよ。」と嬉しそうに.......
日本の企業経営者やエコノミストはドMの人が多いですからね。賞賛しても喜ぶし、叩いても喜ぶ。アホかと思うことが多いですよ。いまや世界中の製造業で採用されているカンバン方式なんて日本の風土が生み出した誇るべき発明だと思うのですがね。それに、先の震災で明らかになった日本の部品メーカーの底力なんて凄いものですよ。日本からの部品調達がままならないので完成車が作れない、そういう欧米の自動車メーカーが幾つかあったことを、もう忘れている。
さて韓国ですが、投資先としての韓国を考えた場合、労働争議が頻発し、かつ争議になると激烈化する場所が、果たして投資先として魅力的かな、と疑問に思ってしまう。ぼくが経営者だとして、ああいうところに工場を持ちたいとは思わないなあ。
結局、我々はサムスン電子の成功をもって、あたかも全ての韓国企業が優れていると信じ込まされている、そういう旗振りをやっているおバカな評論家の言うことを、大金払ってセミナーに参加して聴いているだけじゃないの?っていう気がしてきました。
もし我々がサムスン電子の成功から何かの教訓を学ぶとすれば、最初からグローバルにものを考える、ということでしょうか。日本市場で競争に勝てば他の国にも自然に受け入れられていくという発想は先進国の市場どうしの間でしか通用しない。低価格帯で勝負できるマーケットが世界にはあるのだから、そこで戦う道もあるということですよ。
一般に40代で定年になってバンバン首を切られるという韓国の企業で働いている連中は大変だなあとは思うけれども、気の毒に思うほど親切じゃありませんから、まあ、勝手に別々の道を行きましょう。韓国企業から学ぶものは何もありません。
投稿: 平野國臣 | 2012/03/06 12:36
「韓国型の経営」が成功するとはぜんぜん思わない。
日本も戦後 財閥を解体したからこそ
ソニーやトヨタなどの新興企業が育ったのだから・・・
しかし問題と私が感じるのは
イオンやアリオなどの成功企業がかつての財閥のように新規産業開拓の芽を摘んでいることである。
彼ら大企業の正社員どもは
絶望的でも 士気も低下してはいないが
情勢への危機感も無いし 自己の立場での責任感も自覚していない。
いわゆる「バンザイ本」ばかり書く三橋貴明のように
「日本はこれからも大丈夫」
と思い続けるというなら・・・
これからも安心して野田総理を支持すればよいではないか・・・よいではないか
http://www.youtube.com/watch?v=G0N7216FqS8
日本は
古代から中世までは「中国のマネ」
明治維新からは「西洋のマネ」
戦後は「アメリカのマネ」
でやってきたが
イザ世界のトップに並んで見ると・・・
さて自分でどうしたらよいか分からない・・・
現在の日本は
このような時代の転換点に立っているのである。
(容易ならざる事態ということ・・・)
また以下はマルクスの歴史解釈↓
資本主義は基本的に等価交換(100万円の商品を100万円で買うこと)であるから
値下げ競争が起きて利益率が徐々に逓減する。
それで企業は海外に出るのだが やがて海外でも競争が激しくなる。
ブロック経済→帝国主義となって帝国主義間に戦争が起きる。
これを防ぐには
絶えざるイノベーションを興す必要があるが
資本主義の進展に従って イノベーションは起きにくくなる。
この意味でも
歴史的に日本も資本主義自体も一国の興廃どころか世界の帰趨を占う大きな転換点に立っている
ということ・・・
>茹でガエル!
これが分かってるのか?
バンザイ バンザイ ばかり唱え 過去の幸運に甘えて
現状認識を誤り 旧軍を破滅に招いた「竹槍精神主義」をいまだに信奉する輩と「ウリナラ・マンセー」の韓国人とどこが違うのか?
オセロも油断していると・・・
白が黒にあっという間に変わるんだよ!
http://www.youtube.com/watch?v=BVklQaL2kCQ&feature=related
投稿: 柳生大佐 | 2012/03/06 15:24
またも訃報です。
リチウムイオン電池シェアでも韓国に負ける
http://www.asahi.com/business/update/0305/OSK201203050094.html
投稿: 柳生大佐 | 2012/03/06 15:30
気になるのはこれまでのここの議論の中で出てきた「日本の産業ダメダメ説」の人達の論調が「日本の工業や産業はもともと日本ならではの限界を内蔵してるからもともとダメだったしこれからもダメなんだから、日本はダメなんだという風に考えろ。」という調子である事なんです。
従ってどうしても「日本の工業や産業が大丈夫だと思ってるヤツはどうかしてる。」というアジテーションを内包したものになる。
「ダメだから伸びしろがある。」ってんじゃないんですね。
ただ「どうせ日本はダメなんだから考えを改めろ」とくる。
これってプロバガンダだと思うんですね。
日本の産業や工業の状態が実際にどうであるかという前に、彼らは議論をしてるように見せかけて、実はプロバガンダをアジテーションしているんです。
だからどんなに具体例を出しても彼らとの議論(というか書き込み合戦)は平行線を描き、かつエンドレスでしょう。
投稿: ブルー | 2012/03/06 18:54
「竹槍精神主義」と「ウリナラ・マンセー」が同じなら、向こうが勝手に潰れてしまう可能性もあるということですよね。
白が黒にあっという間に変わってしまうように。
>ブルーさん
味方の振りをして近づいてくる敵は厄介ですよね。
日本は過去にそれで負けた可能性があります。
『日本を滅ぼす売国経済論の正体』
1/4
http://www.youtube.com/watch?v=kX1DS9-QQDs
2/4
http://www.youtube.com/watch?v=YY-d8j8g_bc
3/4
http://www.youtube.com/watch?v=BsUbiFYVVXs
4/4
http://www.youtube.com/watch?v=_TauKF5M2Sw
上の動画は一本当たり約30分と長いのですが、なかなか面白いです。
講義は3本目の途中までで、残りは質疑応答になってます。
投稿: すぷー | 2012/03/06 19:19
トヨタは銀行からこんな事を言われたそうです。
「日本で乗用車に乗る人間は限られてる。舗装道路だって少ない。売れないモノを造ったってしょうがない。トラックやバスなら需要があるんだし採算も合うんだからトラックやバスだけ造ってりゃいい。」
この言葉、今でこそ間違いだと言えますが、当時はキチンとした根拠のあるそれなりに真っ当なアドバイスでした。
当時の現実を直視すれば、この言葉を参考に経営を考えたって決して間違いじゃなかった。
何もトヨタが乗用車を造らなくっても、どこかの山師的な弱小メーカー(当時は軍用機メーカーメーカー消失の後遺症か雨後の竹の子のように乱立した。)が冒険的に造るだろう、と。
失敗はソイツらに任せておけばいい、と。
こういう正しくともネガティブなアドバイスを豊田喜一郎が聞いていたらトヨペットクラウンも、トヨタ自販と自工の再合併という悲願も成らなかった訳です。
昭和30年代、丸紅ロサンゼルス駐在員の若い商社マンが日産のダットサン210セダンをアメリカに輸入する事を思い付いた。
英国オースチンのノックダウン生産エンジンを積んだ1000ccのダットサン210は、アメリカではトラブル続き。
高速走行の振動でフロントボンネットの留め金が外れてエンジンカバーが開いて視界を塞ぐわ、坂道でパーキングブレーキの利きが不十分でジリジリ下がっていくわ、冬場にエンジンがかからない、とのユーザークレームに派遣日産社員がエンジンスタートの出張サービスをして回らなきゃならないわ。
輸入を思い付いた丸紅社員は「こりゃエラいものを仕入れちゃったなぁ。」
ここで日本工業のダメな理由を挙げ、ネガティブ思考に陥り計画を断念したらフェアレディZは無かったし、ひょっとしたら日本のモータリゼーションも無かったかも知れない。
勝算の無い場所で頑張った人はネガティブ思考では無かった筈です。
ネガティブ思考では人は頑張れない。
明治時代に冬の八甲田山で演習した青森歩兵第5連隊の話は映画にもなっていますが、その映画の有名なセリフ、
「もはやこれまで。天は我等を見放した。」
アレ、当時の演習監が本当に言ったらしいですよ。生き残りの証言によるセリフなんですね、アレは。
そのセリフが出た途端に周囲の兵卒がバタバタと倒れてそのまま死んだらしいですよ。
絶望が彼らの精神力を削ぎ落としトドメの一撃になったんですな。
投稿: ブルー | 2012/03/06 19:40
すぷー様
〉味方の振りをして近づいてくる敵は厄介ですよね。
いや本当にビックリです。
味方のフリの部分と本音の部分が完全に矛盾してますしね。
というか本音の部分で味方のフリの部分が完全に覆っちゃってるので「本音はそれか…」と嘆息するしかない。
しかしそれが巧妙というよりは、あまりにもハッキリとして、あからさまなんで、一瞬「ネタか?」とも思ってしまう。
まあでも複数で呼応するというスタイルを取ってきているので、何らかの意図がある書き込みなんでしょう。
つまり後から来た書き込みが、偶然前から書き込んでるユーザーと「否定的ネガティブ感」で共感しあうというスタイルをとる、よくあるパターンですね。
投稿: ブルー | 2012/03/07 07:20
10年ちょっと前ですが、私はアメリカでかなりの距離を車で旅しまして、もちろん、空港でレンタカーを借りて、別の都市の同じレンタカー会社で返すので、フォードとかGMとか何種類かの車を乗ったのですが、日産の車が一番、乗り心地が良かったです。こりゃ、売れるわ、と。なぜか。サスペンションがまるで違う。
車社会のアメリカは、鉄道に代わりインターステート・ハイウェイが発達していて、かなりの距離を料金所なしで安いガソリンを使って走れるのですが、道路のメンテナンスが悪いから凸凹がひどい。ハンドルを握っている両手から顔面にブルブルと震えが伝わってくる。2時間連続で走るのは無理なぐらい振動がすごい。あんな、日本の何倍もあるような面積の国で都市の間を結ぶ道路網なんて、維持するだけでもメチャクチャお金がかかるのですよね。そのうえ、日本みたいに高いガソリン税をかけると国民が猛反発するのは目に見えているから、充分にメンテナンスができない。アスファルトが熱でたわんでいるぐらいは放っておくわけです。東京から大阪あたりまでさざ波のように波打つ道路を時速100km超で走る、それを毎日、日常的に繰り返すことを考えてみてください。
日産の車をあてがわれたときは、そりゃもう、道路を振動タンパで叩く敷き均し仕事から解放されたような気分でした。
こういう乗り心地みたいなところは、表面のデザイン的なカッコ良さを真似ただけでは絶対にたどり着けない顧客へのアピールになる部分です。
企業にとって一番必要なことは、、こういう非価格競争力みたいな魅力ある商品を絶えず生み出す力だと思うのですよ。
世界シェアを伸ばして一応成功しているサムスン電子を除くと、取り上げるような話題のある会社はひとつもない、というのが韓国企業に対する私の印象です。
投稿: 平野國臣 | 2012/03/07 09:00
茹でガエルが
「隣の韓国沼の蛙よりはマシ・・・」
とお笑いを述べておるわい・・・
茹でガエルはしょせんは茹でガエルじゃないかね?
>「もはやこれまで。天は我等を見放した。」
これはゴルゴダの丘で磔になったイエスの最後の言葉と同じフレーズである。
天は試練を与えたのであって
本当に強い人は言葉一つなどでは精神が崩壊などしない。
雪中行軍でも
後藤伍長は仮死状態になりながらも 部隊の急を本部に告げている。
これは日ごろからの厳しい鍛錬の賜物であって
決して「軟弱な甘い言葉」から生まれたものではない。
現在の自衛隊でも 特にレンジャー部隊などは
罵詈雑言ともとれる叱責を受けることは日常茶飯事である。
このような父親的厳しさを
昔は「スパルタ教育」と言ったものだが
昨今の日教組教育に慣れた者は左翼的思考法に陥ってしまい
「褒めてくれなければ勉強しない(仕事もしない)」
と言うことらしい。
日本男児が情けないことである。
私もムフフさんも
可愛い我が子だからこそ厳しく育てて 逞しい大人になってほしいと思うだけである。
私が昨年株式会社を立ち上げて社長になったのも
日本の若者たちに見本を示すためであり
若者に21世紀の仕事を与えるためである。
それのどこが間違っていると言うのか?
取り敢えず
この記事を読んでみるがよい↓
http://d.hatena.ne.jp/syocyo/20120302/1330661096
ここの管理人は
住宅販売会社の支所長を務めていたらしいが
親会社が倒産したので 主だった幹部がそれぞれ会社を立ち上げてほとんど成功しているらしい。
要するに
1 営業職には向き不向きがある。特に住宅の営業には人生経験が必要である(若い人には顧客への思いやりの心ができていないから)。
2 営業職の養成には時間がかかるが、最近の住宅新技術のサイクルは短くなってきていて、それが値下げ競争に(特に若い営業が)陥らざるを得なくなっている・・・これが親会社の倒産した理由である。
3 結局 住宅販売会社というものは 大企業で行うよりも 社長が営業を兼務して顧客のニーズに細かく応対できる小企業の方が向いている。
・・・というのが要約である。
永久就職と見えるサラリーマンでも
いつ何時リストラに遭って否応なしに起業せざるを得なくなると言うことでもある。
分かった?
私の言うとおりだろう!
「資本主義は値下げ競争で利益率が低下する宿命がある」
これが現在の日本が不況を脱出できない最大の理由である。
「景気には好不況があるから、日本もこのままで大丈夫」と言う三橋の言い分がいかにデタラメであることか・・・
ゆえに
日本が豊かになるには 自己の欠点を発見して是正修復し
隠れた長所を発見して再構築することではないか!
熱いお湯なら飛び上がって目が覚めるだろうが
過去の栄光に浸って努力を怠り、微温湯(ぬるまゆ)でマンネリの快感に酔っていると・・・
蛙も茹であがって中国料理の食卓に乗せられ食べられてしまう。
それで良いのか?
痩せガエル!
http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/006/679/79/N000/000/008/124222593786116416987.JPG
日本を甘やかして堕落させるのは左翼の戦略である。
保守はムチでピシピシと鍛えるが、それは日本が立ち直って欲しいと思う親心からである。
それとも・・・
何か?
ムチでは足りなくて ロウソクも欲しいと言うのかい?
http://www.youtube.com/watch?v=5YDiySg4cRo
投稿: 柳生大佐 | 2012/03/07 13:35
> 坂様、皆様、
坂様が「韓国型の経営」を題材に選んで展開されました論と寄せらた幾つかのコメントを読みまして、経済の実態把握や経営という観点で如何なものか?(短絡的過ぎるのでは) と思う点が色々と見られましたので、私なりに考えました事を述べたいと思います。
先ず、韓国型の経営って何なのでしょうか? 本当にその型とは存在するのでしょうか? 幾つかの韓国企業の業績が目覚しいものがあり、好調であるというのは事実としても、それを支える「型」というのは有るのでしょうか?
坂様は、財閥オーナーが迅速な意思決定を行いトップダウンで進めるので環境変化にも機敏に対応できる...とのレポートを引合いに出して、その検証から「韓国型経営」の長所を否定しておりますが、私は元々、その様な「韓国型の経営」というのは無い...と考えます。
もし、有るとするなら、サムスン型の経営、LG型の経営と、現在、成功しているそれぞれの企業スタイルなら存在すると考えます。まぁ、冷静に考えれば、金融界で「韓国型経営」で成功している企業は? とかサービス業で「韓国型経営」で成功している企業は? とかの命題を作ってみれば判ることです。...日本型経営もそうですが。
同じ財閥オーナーの経営でもLGとサムスンでは全く違い、家族主義・団結のLGに対して信賞必罰・使い捨てのサムスンと。しかも、オーナーの迅速な意思決定を生む仕組みも変遷が有り、其々に違うと。 更に、これを現代自動車やそれと対立する現代重工なんかを加えるとどうなるでしょうか?
もし、単純にオーナー経営を韓国型経営を形成する要素として礼賛するのなら、上記の元現代グループの内紛劇から、手を広げすぎて銀行管理下に入った錦湖アシアナグループとか電機業界への進出に破綻したコーロングループとかの問題例も同時に見るべきでしょう。
このように経営の実態を見て行けば、成功した韓国型の経営という型は存在しないでしょう。但し、成功した韓国企業の多くに共通する経営戦略というものは見えて来ます。 それは、
中・後進国の市場に注目し、マーケティングに注力し、過度の高品質・高グレードは狙わず、日本企業の力を活用する。
と言ったところでしょうか。サムスンやLGの、マーケティングにジャストなデザインとまずまずの品質でリーズナブルな価格を実現させるのに欠かせなかったのは、日本企業からの原材料、部品、そして設備です。
...注意すべきは、今では先進的なデザイン、ジャスト(可もなく不可もなく)な品質、結構安い価格(中国製より若干高い)になってきている事です
もちろん、自動車業界も日本企業の技術供与や部品供給(もちろんビジネスですが)が後押しとなって伸びて来たと。ポスコだってそうですし、現代造船だってそうです。 技術を盗んだと言われますが、日本も半導体なんかはまさにそうですし(ですから、最初は先生となったロバート・ノイス氏は最後は日本メーカーを嫌悪していた)、それを改良して業界を発展させた功績からは功罪半ばとしても良いのではないかと考えます。
で、最後にそのような韓国企業の躍進が、韓国経済や韓国社会にどう寄与しているか? との命題につきましては、坂様や皆様と全く同じ見方で、韓国で極一部の国民の幸福を生み、多くの国民の不幸を生んで、社会の発展を阻害しているのではないかと。
そんな韓国企業の右顧左眄する事無く、彼らの戦略を研究した上で日本企業の
投稿: ムフフ | 2012/03/07 18:03
他者を軽蔑し、見下している自分本位の人間は得てして「説教親父」のフリをしたがるものです。
しかし裏に愛ある説教と単なる罵詈雑言はどんな人間でも聞き分ける事が出来、もしこういう掲示板ではなく大佐が他人に面と向かって実際に大佐が今まで書き込んだ事を大佐の肉声を持って発すれば、間違いなく人は離れていくか、「吐いた唾飲まんとけよー!」となる筈です。
大佐の口穢い罵詈雑言を聞かない他人を「甘やかされた軟派人間」と大佐が言い張ったところで、傍目には「ネットだから、いい気になって失礼な事を平気で他人に吠えるDQN」にしか見えないですよ。
しかしね。大佐にはガッカリさせられましたよ。
ちょっと自己中なところはあるけど、基本的には常識的な人なんだ、と今までは認識していました。
自分がネット上でいい気持ちになるためなら、他人の感情はお構いなしの、どんな小汚いやり口も平気な人間だったんですね。
投稿: ブルー | 2012/03/07 20:23
>ブルー氏
では君は野田総理のままでこの日本は良いというのか?
GDPは下降気味 失業率は上昇気味 大卒でも就職難
博士でも職が無い 製造業は海外移転 国内企業は沈滞
シャッター商店街の増加・・・
これが日本の病気と認識して改革するのが常識ある日本人ではないのか?
韓国などあげつらっている暇は無い!
日本の病理こそ治療せよ!
しかし
軟弱な言葉の甘い認識では健康は回復できない!
言っとくが・・・
「預言者・故郷に容れられず」
http://kotowaza-allguide.com/yo/yogensyakyouri.html
という言葉があるように
「甘言耳に快く 諫言耳に痛し」
http://www.sanabo.com/kotowaza/arc/2003/05/post_615.html
ということわざもある。
私は嘘を言って友達を増やそうとは思わない。
孤立しても真実を言うべきだと思う。
間違っているかね?
投稿: 柳生大佐 | 2012/03/07 22:27
ブルー氏へ
かまってやると喜ぶから放置プレイが一番ですよ。
投稿: 平野國臣 | 2012/03/08 06:55
野田政権が北斗神拳だろうが大佐は「日本人はバカだから」の人なんですよ。
今が民主党政権の世の中というのと、大佐のエントリーが他者蔑視に満ち溢れた罵詈雑言であるというのは全く別問題です。
ごまかすのは御自由ですがネ。
「孤立」も何も一方通行のやり取りはコミュニケーションじゃ有り得ないんだから、大佐とのやり取りで何かを得るという事自体が無いのであって、不毛というのはこういう事です。
投稿: ブルー | 2012/03/08 07:30
すみません、上記のコメント、最後が尻切れトンボになっていました。書き直させてください。
> そんな韓国企業の右顧左眄する事無く、彼らの戦略を研究した上で日本企業の強みを発揮させる方向を模索すべきと。
> ...但し、脱製造業でサービス業の発展へと云う考えには賛成しません。
投稿: ムフフ | 2012/03/08 08:48
平野國臣様
〉かまってやると喜ぶから放置プレイが一番ですよ。
喜ぶかどうかはともかく、全く、全くおっしゃる通りで妙な足掛かりになってしまいますね。
どこの掲示板でも最終的にそうなるしかないやり取りというのがありますが、本当に残念な事です。
「相手をすると云々」なんて、そんな悲しい事は誰も言いたくないのですが、でも、やり取りを続ければネガティブの磁場がそこから広がっていくのが確実なので誰でもそう言わざるを得ない。
嫌な渡世だなあ、というところです。
投稿: ブルー | 2012/03/08 12:05
サムスン電子のような成功例をひとまず置いて、大半の韓国企業を眺めるという立場をとってみると、低価格帯でそこそこの品質を狙った商品作りは、グローバル化が急速に進んでいる現在では、けっこう危険な要素もはらんでいると思うのですよ。
俗にサンドイッチ経済なんて呼ばれますが、前門の虎(日本)と後門の狼(中国・ASEAN)に挟まれている韓国の産業は、そうそうバラ色の未来ばかり描けない。後ろから追撃してくる狼の数が多すぎるし、狼の巨大化に日本の企業が手を貸すという始末。
例えば、私がいた半導体大手のT社。05年あたりの状況でいうと完全にサムスンを敵視していて、韓国内に持っていた工場を閉鎖したうえ、DRAMの生産拠点を台湾と中国に移しています。それら生産拠点が稼動を始めるとサムスンとガチンコ勝負になるわけですが、中国政府の立場に立ってみると、国内に雇用をもたらしている工場の製品を買えということになるでしょうね。
超円高の現在、日本の製造業が世界に散らばっていく事は避けられないでしょう。日本には本社機能と研究開発部門しか残らないかもしれないが、これまでの蓄積があってのことだから、グローバル展開はけっこう有利に進めることができる。技術も資本も握っているのだから、中核技術は日本国内に残し、周辺技術のみグローバル展開するという選択肢も取れるわけです。
この十年、日本の製造業は各社ともオンリーワン企業になることを目指してがんばってきた。自動車産業はかつて「ピラミッド型」と形容されていましたが、気が付いてみたら菱形だったという分析があります。部品調達の広い裾野の先に、様々な企業に向けてユニークな技術を売っている少数の中堅企業がある、というわけです。先の震災で、これらオンリーワン企業が多く集まっている栃木の工場群が被害を受けたために、世界のサプライチェーンが滞ってしまったことは記憶に新しいですよね。そういう企業にとっては円高なんか関係ない。いくら高くても買わざるを得ない、という状況があるわけです。
一時の成功でシェアを伸ばしている企業をもてはやすのは簡単ですけどね、そういう軽薄な経済評論家が考えるほど日本の製造業の足腰はヤワではない、と思いますよ。
投稿: 平野國臣 | 2012/03/08 12:38
> 平野殿、
おっしゃる通り、製造業の業界事情をあまり知らない経済評論家が唱える危機説ほどには、日本の製造業の足腰はヤワではない、という御意見には賛成致します。
また、現在、成功している企業がそれを続けて行けるかどうかは、誰も断言はできませんので、「何とか経営が強さの秘密だ!」なんて、出版界のキャッチフレーズにしか過ぎないでしょう。 そうそう、「もしドラ」なんて本が沢山売れましたが、日本企業の業績向上にどれだけ寄与したのかどうか?
しかしながら、日本の製造業の中で、その勢いを落とし、困難な状況に至っている企業(特に中堅、中小企業)が多くなっているのは、確かでしょう。
もちろん、今般に限った事ではなく、昔から コンピューター業界、製薬業界、化学業界等々が海外の巨人に伍して行けるか? との危機感を持って対処してきた歴史からは、何を今更と思う方も多いかと思います。
現在の状況は、国内外でのプレゼンスが高かった電機業界の有名企業が苦しんでいるのと、世界市場での競争に勝ち残った自動車業界の大手が停滞の兆しが見えつつ有る事を捉え、上り坂の韓国企業と対比させて、売らんかなのセミナー等が開催されているものと見受けます。
その上で言えば、業界事情を良く知った方々が指摘している点は、造られた危機説などではなく、その指摘された業界や企業が解決して行かなければならない課題で有るのは確かと思います。
例えば、CDから始まってBlue-Ray に至るまで、日本の電機メーカーが開発して規格設定の中心に居り、それらの機器を世の中に送り出したのですが、コンシュマー機器のシェア上位は韓国メーカーと中国メーカーになってしまった。
...彼らを支える 部材や部品、光ピックUPやチップセットとソリューションの開発と供給は日本メーカーが握っていますが。
TVに至っては、部品の液晶パネルは韓国2大メーカーが上位を占め、次世代のパネル、有機ELの大型化ではその韓国メーカーが先を進んでいると。...もちろん、部材と設備の国産化(韓国)と脱日本化は、今、一生懸命進めてます。
平野殿がいらっしゃた半導体業界では、日本メーカーが沈んだのは戦略の誤りも有るのでしょうが、大手として生き残れるメーカーは少ししかないと云う環境に至った今、韓国がと言うよりサムスンの戦略が功を奏しDRAMを中心に生き残っていると言うだけでしょう。
日本メーカーはDRAMを諦めて社外に切り出し、ASICやフラッシュメモリー他に注力した結果、それらの市場規模に従った結果となったと。 ドイツのシーメンスも日本メーカーと同様に、インフォニオンを切り出していますし。
もちろん、総合電機メーカーの一部門でしたから集中投資を行えなかった弱みもありますが、集中投資をしても成功するとは限らず、倒産した半導体メーカーも数多く、死々累々の山です。 小生がほんのチョッと付き合ったSGSも倒産を経ていますし、米国のNSやFCも最盛期からは見る影もありません。
それは、量産機器に使用する半導体の調達が進化し、装置メーカーの進歩と相まって、ファウンドリ・サービスという製造専門メーカーを生み出し育てて、巨大勢力となってしまい、先に述べた通り、日本メーカーの様な設計から製造まで一貫で行うメーカーの市場規模を狭めてしまったからでしょう。
もちろん、日本メーカーもうまくやっている分野はある訳で、マイクロプロセッサーの生産数は世界一でしょう。(生産金額はインテルがダントツのトップ) 他には、通信用とかイメージセンサー(CCDやCMOS)とか色々と有ります。
このような状況で、湯之上 隆氏などが日本メーカーの失敗として指摘しているのは、その轍を再び踏んで、今あるポジションから転落しないようにとの警告な訳です。
Finacial Time なんかはウォン安しか指摘していませんが、業界の中から見ますと、サムスンに負けたり、TSMC(ファウンドリの大手)に勝てなかった理由が指摘されるのを理解すべきでしょう。
投稿: ムフフ | 2012/03/08 18:19
私が詳しい印刷関連で言えば・・・
40年ほど前 東京の印刷は埼玉県の川口や北区の赤羽でした(現在は東北・北海道や海外)。4色機も当時4人で動かしていました。
しかし
20年ほど前には4色機は2人で・・・
現在では1人で動かしています。
コンピューター制御でね。
私が発注した1万部の冊子も たったの2日で上がってきています。それだけ印刷不況ということ・・・
新聞や電話帳を印刷する輪転印刷も
10万部ぐらい刷らないと採算がとれないのに、最近は仕事が無いので少部数でも印刷してくれます。
編集も
最初のページから順番にパソコンで入力すればいいので素人でもできます。
私の場合ソフトはillustratorが一番良いのですが
PDFに変換できればソフトは何でもいいので安いので間に合わせていますよ。
ですから
入校する時はUSBメモリ1個を印刷所に届ければ終わりですね。
要するに
「日本の製造業は世界一」なのかもしれませんが・・・
どんどん人手が要らなくなってるんですよ。
車の組み立てラインでもロボットが主役になりつつありますから・・・
しょせんは第二次産業の製造業に固執しても 将来の日本の労働力は吸収し切れません。
つまり
第三次産業であるサービス業へと転換する必要があるのです。
これが分からないんですかねぇ・・・
どうも今の日本では
若い者が古いものにこだわり
年寄りの方が進取の気性があるらしい・・・
これじゃ日本が心配だ・・・笑い事じゃないぞ!
投稿: 柳生大佐 | 2012/03/08 22:05