レアア-スの対日輸出制限で自ら首を絞めた中国
私は、10月9日に「対日制裁で苦境に追い込まれるのは中国」というエントリを書きました。
今日現在、このブログで最も読者の多い記事のようです。
ところで、私のエントリを裏付けるようなニュースを最近耳にしました。
それは、中国のレアアース企業の倒産、ないしは不振です。
日本経済新聞などによると、中国のレアアース生産は、ピーク時の06年には16万トンありましたが、今年は半減する模様です。
その結果、精製・加工会社の約25%が稼働を停止し、操業中の会社でも稼働率は良いところでも4割。
中には、既に経営破綻したところもあるとのことです。
その原因は、欧州の経済危機もありますが、日本からの引き合いが大幅に減ったことも大きく影響しています。
我が国は、わずか2年の間に、レアアースの総輸入量を通年ベースで28564トンから12204トンへと激減させました。
約6割の削減です。
これは、日本企業が徹底的な技術革新を行い、レアアースを使用せずに済む体制を作りあげたからです。
さらに日本企業は、レアア-スの使用量を減らしただけではなく、その輸入先を多様化させました。
この間、我が国における中国の輸入シェアは82%から49%へと、これまた激減しました。
レアアースの使用量が6割も減ったうえに、中国の輸入シェアも4割減。
合計すると、中国からのレアアースの輸入量は75%以上も減ったことになります。
我が国の領海で、海保の巡視船に故意に衝突させた漁船の船長を逮捕したからといってレアア-スの輸出を制裁的に制限した中国。
中国側が考えたシナリオは、レアアースの対日輸出を制限することによって我が国が土下座外交になり、より高い価格で購入し、さらに中国に対する依存度を高める、というものでした。
が、我が日本の実力を甘く見すぎた中国は、と言うべきでしょう。
結果は、中国が自分の首を自分で絞めただけに終わりました。
日本を舐めるんじゃねえ!
と言ってやりたいですね。
そして、日本企業の底力には、改めて感心するとともに、大いに自信を持つべきだと思った次第です。
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コメント
体調は、よろしいでしょうか? 毎日ブログの更新を楽しみにしています。また、沢山の投稿意見も大変参考に成ります。 支那は、今の状態では先が無い様に思えます。 昔は、支那からいろんな事を学んできましたし、今も悪い面を学んでいますね。 日本も支那の様に成らない様気を付けましょう。
投稿: | 2012/10/30 22:06
「中国で反日暴動が起き、中国との貿易が打撃を受けたのは、そもそも石原都知事が尖閣諸島の購入を言い出したからだ。損害を受けた企業は石原都知事に賠償を請求するべきだ」とか言っていた人がいたのには、中国に媚びるのもそこまできたかと呆れてしまいました。
こうやって中国(あるいは韓国にも)にペコペコする連中って、いじめやDVを受けても、「自分が悪いからいじめられるんだ」「自分さえ我慢すれば問題は解決するんだ」「いじめをやるような相手でも別れて一人ぼっちになるのはいやだ」と言っていじめっ子やDVオヤジにペコペコするいじめられっ子にそっくりですね。こういうのを心理学用語では「共依存」と言うのですが。
投稿: 南溟 | 2012/10/30 23:41
皇国を、舐めたらいかんぜよ。
実際、日本企業の底力と技術者の頑張りには感心と感謝です。
尖閣当たり屋船長の逮捕時には、フジタ社員人質も忘れられません。
投稿: よれこ | 2012/10/31 02:36
レア・アースの一件は、中国と日本のいずれがより相手を必要としているかを如実に示した出来事ですね。
この円高のさなか、どうして日本の工作機械が売れるのか。精度に加え、自動車と同じで燃費の良さがあるから、に決まっています。
中国の企業がこれからも欧米に輸出を続けたいと思うなら、日本企業が製造する工作機械を買い続けるしかないんです。そうしなければ、例えASTM規格の適合品やCEマークが貼られる製品を作ったとしても、他国との貿易戦争に敗れる二流品を作るしかなくなってしまう。
逆に、もしも日本がかつてのココムような貿易制限をかけるとすれば、半導体の製造装置やシリコン・ウェハの素材であるインゴットの輸出を止めてしまえばいい。この分野で日本は圧倒的な世界シェアを持っていますから、ここが止まると中国の産品はたちまちアナログ時代の旧式のものになり、保有する武器も電子戦争の時代に耐えないものになってしまう。今のものが旧式になり錆びついて廃棄しても、新しいものに更新が効かないわけです。
産業のみならず、時代の最先端の技術を駆使して戦う戦争という行為について、このことは致命的です。日本は現代の兵器の全てを自国で作れるが、中国は他国に依存しないと作れない。電子戦争の時代に第二次大戦の兵器で戦うバカはいません。それぐらいは中国の指導者連中も分かっているでしょう。
むろん、日本が貿易制限をかける事態とは、中国が西側諸国全部を敵にまわす事態ですから、中国はたちまち30年前の自給自足経済に逆戻りです。史上初めて飢饉のない時代を経験した中国にとって、もうそんなことは不可能です。
加えて、中国で社会問題化している工場廃液による水質汚濁や排煙による大気汚染の解決策、吉林省や黒竜江省で計画されている寒冷地稲作について、日本は豊富な技術と経験を持っているわけで、中国が日本に敵対して得るものなんて、猫の額のような尖閣諸島をめぐる中華帝国のメンツ以外、ただの一つもないんです。
では、なぜ中国政府はレア・アースの対日輸出制限などという馬鹿げたことをやったのか。これもやはり、共産党の生き残りをかけた国内向けアピールだった、と判断してよいでしょう。
投稿: ピラニア軍団 | 2012/10/31 03:08
仰る通りです。日本車の売り上げ台数が減ることによって困るのは、中国そのものです。現実にトヨタの中国工場では、減産より労働者の仕事が減る、すなわち雇用が減る、失業者が増える、不平分子が増える、自ら首を絞めています。
ここで、己の利益、己の会社のみの儲けしか頭にない、経済界の馬鹿親父(爺)たちにの戯言に乗せられてはいけない。
中国の息のかかったマスコミにも躍らせれてはいけません。
ましてや、中国の脅かしに脅えることなく、中国の製品を買わなければ良いのです。(今は日本製を見つけることが難しいのですが)
国産品を買うことにより、国内の生産が増える、すなわち働く場が増える。
デフレ脱却のチャンスを逃すことはありません。最早、全く頼りにならない(屁のツッパリにもならない)国、日銀などを当てにしていてはいけないのでは、自分達でデフレを吹き飛ばす意気込みを持ちたいものです。
安物を多く買う(物を粗末にする)よりも、良いものを良いものを買う(大事にします)。
良いものには良いものしか持ち得ない価値があります。当然それに見合った価格で買う。
国内の産業は、自らの手で守る、輸出に依存する考えを見直す良い機会です。
中国から(へ)の観光客が減った、いい事ではないですか、
今こそ自ら国(日本)の良さを国民に知ってもらい、国民が知る絶好の機会ととらえることも出来ます。
多少の不便さは感じるかもしれませんが、
中国は、私達に日本の良さを日本人の優秀さを見直すよき機会を与えてくれたのではないか。
(中国人に気を許すわけではありません。)
投稿: 道産子爺 | 2012/10/31 07:47
支那を見限り遣唐使を廃止した菅原道真。脱亜入欧を決めた明治の賢人たち。それに引きかえ嘘つき中国や朝鮮を甘やかした戦後日本人の節操の無さは目を覆うばかり。今一度「脱特亜、入欧亜」で。
投稿: 閑居小人 | 2012/10/31 08:59
ここに及んで、日本近海のあちこちからレアアースが見つかっているようですね。
特に南鳥島附近には実に豊富に埋蔵されているという調査結果が出ています。
シナから入らなくなって、あわてて本腰を入れて探してみたら、我が家の倉庫の隅にちゃんと積まれていたという風情です。
正確な埋蔵量はまだわからないし、何しろ深海のことゆえ採掘が大変で、採算が合うかどうかはこれからの取り組み次第というところでしょうが、ひとたび深海採掘の技術が確立されれば、メタンハイドレートやシェールオイルにも応用できるはずで、日本は資源小国から一躍、資源輸出国にさえなれるかもしれません。
政府はすぐに、深海採掘技術の開発に集中的に予算をつけるべきでしょう。
すでにシナ国内の人件費が上がって、労働力市場としての魅力もなくなりつつあり、さらに資源も頼らなくて良いとなれば、もうシナに平身低頭する理由は無くなります。
投稿: 面毒斎 | 2012/10/31 17:18