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2012/11/14

倒壊した超近代的な橋に見る水ぶくれ中国の実体

このブログでは、これまで中国における底なしの腐敗について何度も言及してきた。
その一例が、昨年6月11日に紹介した完成間際の超高級マンションの倒壊だった。

Chaina_mansion_houkai_2

それにしても見事な倒壊ぶりである。
基礎部分から丸ごとひっくり返っている。
このマンションの売り出し時の価格は、12000元~13000元/㎡≒167000円~181000円/㎡、倒壊時(2009年6月27日)は17000元~18000元/㎡≒237000円~250000円/㎡にまで上昇していた。
これを我が国の3LDK80㎡に当てはめると、1900万円~2000万円になる。
中国の中間層の所得を勘案すれば、感覚としては“億ション”と言ってもよいだろう。
その“億ション”でも、施工レベルはこの程度なのだ。

こういう驚愕すべき手抜き工事が横行するのは、業者と行政当局が癒着しているからだ。
業者は多額の賄賂を当局に提供し、その分を手抜きで補う。
当局は賄賂の見返りとして、その手抜きを黙認する。
今の中国では、このようなことが日常的にまかり通っている。

私は、この時、やがて公共事業でも同じことが起きるはずだと指摘したが、この私の予測は見事に的中した。

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下は、開通から1年も経過していないのに倒壊した超近代的な橋の画像である。

China_bridge2

China_bridge

以下は、倒壊を報じる共同通信のニュース。

中国メディアによると、中国黒竜江省ハルビン市の「陽明灘大橋」が24日朝に崩壊し、大型トラック4台が落下、3人が死亡、5人が負傷した。

橋は約19億元(約235億円)を投入して建設され、2011年11月に開通したばかり。当局は事故の原因を調べている。

インターネット上には「安全性の審査はどうなっているんだ」「官僚の腐敗が招いた事故」などと批判が殺到している。(共同)

中国で橋が崩壊 8人死傷 開通1年足らず ネットで批判殺到 2012/08/24

約19億元(約235億円)を投入して建設された橋が1年足らずで崩壊。
インターネット上には「安全性の審査はどうなっているんだ」「官僚の腐敗が招いた事故」などと批判が殺到している、と言うが当然だろう。
しかし、批判が殺到しても、また同じようなことが起きる、間違いなく。
なぜなら、この事故は過失によって引き起こされたものではなく、意図的な手抜きによるものであることは疑いないからだ。
つまり、現代中国が抱える構造的な問題が、開通1年足らずの橋の崩壊という形で表出したのである。

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昨年も倒壊とまではいかないが、開通後半年で使い物にならなくなった高速道路のニュースが報じられている。

China_highway2

甘粛省の天定高速道路では、約30キロメートルにわたって穴、割れ目、陥没が多数発生し、高速道路としての機能を果たせなくなった。
全長235キロの建設に87億元(約1040億円)が注ぎ込まれたという。

87億元(約1040億円)の成果がこれである。
誰が見ても、どう考えても「手抜き工事」としか思えないが、担当者は大まじめに反論を試みている。

天定高速道路プロジェクト弁公室の張志勇常務副主任は、
「建設資材はチェックしたが、すべて合格品だった」
ただし、
「大部分は基準すれすれの合格品だった。累積効果により一連の問題が出たのだろう」
と弁明。

担当者が臆面もなくこういう弁明をするところが凄い、と言うか常軌を逸している。

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胡錦濤は、今月に開催された第18回中国共産党大会で、
「一部では腐敗現象が次々と起きている。我々はこうした問題を重視して真剣に解決しなければならない」
と決意表明した。
が、最高指導部の政治局常務委員クラスでも巨額の不正蓄財を行い、資金を海外に不正送金し、しかも家族を海外に住まわせている。
つまりトップが、現体制はいつ崩壊するか分からないと認識しているのだ。

こういう国、こういう社会では、小役人や小金持ちが上に倣って不正を働くのは当たり前であり、胡錦濤が本気で解決する気があるのなら、まず最高指導部自らが襟を正さなければならない。
が、現実は、胡錦濤が科学的発展観を打ち出してから9年以上が経過するのに、事態は一向に改善される気配がない。

要するに、今の中国社会では不正を働くことが正常であり、それに異を唱える方が異常なのだ。
だから「建設資材はチェックしたが、すべて合格品だった」「(ただし、)大部分は基準すれすれの合格品だった。累積効果により一連の問題が出たのだろう」というような信じがたい厚顔無恥の弁明が飛び出すのだ。

中共指導部は、今回の共産党大会で、
「2020年までにGDPと国民の平均所得を2010年に比べて2倍にする」
という新たな目標を掲げた。
が、手抜きと不正が当たり前のように横行するGDPなど、いつ崩壊してもおかしくない。

我々は、水ぶくれ中国の実体を直視しなければならない。

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中国(社会)」カテゴリの記事

コメント

これは本当なんでしょうかね?
中国から撤退するのに企業に多額の「足抜け料」が要求され、その不払いを避けるため、企業幹部が多数が拉致されているって・・・

http://www.nicovideo.jp/watch/sm19264427

投稿: ししらー | 2012/11/14 18:01

中国には日本人や日本の企業が必ず持っている「信用を築くには長年の努力が必要、そして信用は一瞬にせて失われるので不断の努力が必要」という概念が全くないようですね。
こんな国は何千年経っても駄目なまま。こんな国、こんな国の企業が栄え続けることはあり得ません。

投稿: | 2012/11/14 21:16

ビル倒壊の写真は、中国共産党幹部の腐敗ぶりのすさまじさを物語っていますね。一党独栽の弱点のひとつと言っていいと思います。

普通の国なら他の党または検察やマスコミが黙っていない。党の幹部が、地方幹部の汚職をあばいて裁定を下せればいいのだが、現実的にはそんなことはできるわけがない。

民主化が必要だが、社会の構造上そんなことはできっこない。きっとこのまま何十年もこの体制がつづくのだろう。庶民は無慈悲で不合理な政策に苦しみ続け、そして中国は腐りきった国に成り下がっていくのだろう。

投稿: クロー | 2012/11/15 01:03

 あのNHKでさえ、日本企業が容易に中国から撤退できない理由の一部を伝えていたようです。【撤退するためには多額な金額を納める必要があると】
私は見ておりませんが、番組は確か「クローズアップ現代」ではなかったかと思いましたが。(間違っていたら御免なさい)

 また、拉致などしなくても、多くの日本人が家族を連れて赴任しております。かの国に自ら多くの人質を差し出しているも同然です。

 少なくとも、中国に進出している各企業は、家族の帰国を考える必要はあるのでは?
 民族性、政治体制は、日本人と全く違うことを常に頭に入れておくべきです。
 
 中国が何千年もの歴史を持つ国、神話です。
政治の継続性は全くありません。蒙古人に支配されたいた時代(元)、満州族に支配されていた時代(清)を中国と言えるのか疑問です。
 他の時代においても、皇帝は幾度も入れ替わり、政治に継続性があったと言えるのでしょうかね
 歴史学者でも、政治学者でもない全くの素人高齢者の考えではありますが、一言述べさせてもらいました。
 
 

投稿: 道産子爺 | 2012/11/15 01:39

ししらー様の疑問の全てかどうかは分かりませんが、多分本当の部分が多いと思います。
韓国でも何十年か昔労組が居座って何週間もの末に米国企業人員が夜逃げ同然で建物設備他は諦めたニュースがありました。

中国の場合2010年だったかに国家が「国防動員法」で「有事」「緊急時」発令したら外国企業は中国政府に資産・業務・技術・人員の全面協力を義務付けられていますから、政府や出先機関が目をつけたら、何でも有りなのではないでしょうか。
尖閣船長逮捕の時のフジタの社員が陥れられて拘束された事も有りましたよね。

投稿: よれこ | 2012/11/15 05:15

> 坂様、

枝葉末節とお考えなのかも知れませんが、中国の実情の紹介をチョッと修正した方が適切かと思い、コメント致します。

先ず、倒壊した建設物の手抜きに関わった中国の役人は確かに愚かでしょうが、坂様の言う愚かとはチョッと違うように思います。

私が色々聞いた範囲から思うには、恐らく

「大部分は基準すれすれの合格品だった。累積効果により一連の問題が出たのだろう」

との弁明は、ある程度の真実を含んでいると推測致します。...ですから、厚顔無恥な弁明になってしまう。 当初から仕組んだら、建設業者へ責任をしています。(実例有り)

それは、地方の党や政府が関わってこの様な事故が起きた場合は、誰かが責任を押しつけられたりして権力闘争に利用される場合がある為、役人側が数年で倒壊する程の手抜きは画策しないでしょう。 中抜きは、少なくとも自分が引退する頃までは持つ程度に抑えるのが妥当です。

...つまり、事件が起きてしかも証拠が残る程の不正をする程、愚かではないと。

それが何故倒壊したかと考えますと、間違い無く、工事現場での中抜きによる不良資材使用と手抜き工事が加わった為と言えるでしょう。
つまり、施工業者につながるまでのピンハネから、現場での資材横流しや建設作業員による資材盗難や手抜き作業を経て完成に至った為と。

...例えとしては、役人は設計段階で鉄筋の本数を減らしてその分の付け届けを要求する。 業者は鉄筋の直径を小さいものに変えて利益の増大を図る。現場では新品の鉄筋を売り飛ばして錆びた中や廃材となった古い鉄筋を混ぜる。作業者は何本かの古い鉄筋を隠して売り払い、代わりに竹棒を混ぜてコンクリートを流し込むと。(倒壊したコンクリートの中から廃材が出てきた実例は数多く)

結論は、役人から民間業者から現場作業員まで、みんな腐っている という中国の現実が引き起こしたものだと。

ですから、役人がキチンと適正に仕事をすればこの様な事故は起きないとは言えない事、役人の愚かさは、建設業者や作業者が其処まで腐っているのを想定しなかった事に尽きます。

役人だけが腐っていて、民衆はそれに苦しんでいるという構図ではありません! 民衆の多くが苦しんでいる一方で、金儲けの為に他者の被害を省みない行為に手を染めているのです。

中国では、多くが腐っている(機会があれば手を抜く・不正をする)と見るのが無難です。 此処の処を シッカリ 認識 すべきと。

投稿: ムフフ | 2012/11/15 10:22

中国民事訴訟法第231条ですね。
出国停止になりますから、金払えば出国できます。
撤退しようとしてると、どこの馬の骨かわからん債権者が現れます。
撤退することはバレています。専門の監視員がいます
あの国っですからね。
韓国は知ってるので、そ~~~っと逃げますw

最悪のチャイナリスク 三橋さんのブログ
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10680363035.html

投稿: gunto | 2012/11/15 12:23

こういう倒壊は朝鮮でも時々起こるのですが
中共は経済規模世界第2位とも喧伝されてた
だけにそのツケが尚更出回ってくる、
損切り覚悟の撤退もこれから相次ぐ事でしょう。
労働者の品質向上は望めそうにも有りませんし
贈収賄構造の解消も全く期待出来ない、
官僚腐敗は相変わらずで何処の投資家が
支那なんぞに新規投資するものかと!!
韓国ですら投資家が逃げまくっているご時世で
これではハゲタカファンドのエサ(儲けの種)
にもならんでしょう┐(´д`)┌ヤレヤレ

まあ、ハゲタカファンドは「悪食」ですから
これから中共がどう翻弄されるか見物ですな。
ゴールドマンサックスはどうでるか?
大した儲けにはならんでしょうが( ´,_ゝ`)プッ

投稿: abusan | 2012/11/15 13:18

 凄いすなあ。倒壊したマンションで手前に2つ突き出ているブロックはエレベータの地下機械室でしょうね。もっと別の角度からの写真や詳しい説明が欲しいけれど、少なくとも基礎杭が入っているようには見えない。タテに置いた将棋の駒がぺタッと倒れた感じ?

 高架道路の方も基礎がしっかりしていなくてガタッと倒れたのでしょうねえ。工事中の事故はなくて、竣工後1年の瑕疵担保期間が切れるか切れないかぐらいのこと。ただ、日米欧の常識からすると、瑕疵とは、こんな、構造物が根本的に使い物にならない状態になることを意味しない。いったい構造計算は、どうなっているのだろう?

 我々も原子炉建屋を3つ吹っ飛ばしているから、あまり他人のことは言えないですけどね。中国の建築技術者や社会学者は、こういった状態をどう考えているのだろう?

 このまま「水ぶくれ」が続くと、それに比例して他の産業分野、例えば原発みたいな電力設備もケンチャナヨで作ってしまうアル、みたいなことになっちゃうでしょう。先の高速新幹線のハデな事故もあるし。おーこわ。

 中国の社会病理現象、もっと深く知りたくなりました。

投稿: ピラニア軍団 | 2012/11/16 04:58

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