JR北海道の事故続出の裏にいたカルト=革マル派
JR北海道の不祥事が、とどまるところを知らない。
脱線の原因になった基準値を超えるレールの異常は、200か所を超えた。
しかも、その異常は何年間にもわたって放置されていた。
さらに、それを本社が知らなかった(報告されていなかった)。
国民の生命に直接的にかかわる鉄道事業者としては、考えられないというより、ありえないことである。
2011年5月、特急が脱線・炎上した。
11月には、事故処理に奔走していた社長が自殺した。
遺書には社員に宛てて
―「お客さまの安全を最優先にする」ということを常に考える社員になっていただきたい―
というメッセージが残されていた。
私は、これを知って、この社長の自殺には労使関係が絡んでいると直感した。
調べてみると、JR北海道労組はJR総連だった。
JR総連は革マル派である。
そしてJR総連は、国鉄民営化時は経営側と蜜月だったが、それも今は昔。
合法的サボタージュ、管理職の吊るし上げ、指示の無視、革マル系労組は陰湿で陰険なのだ。
社長の自殺の一因が、この革マル系労組との確執にあった、と私は確信している。
そして今回発覚した一連の不祥事にも、革マル系労組が深くかかわっているに違いない。
革マル系労組とは何か?
私は、5年以上前にそのことを書いた。
もちろん、自らの左翼体験に基づいたものだ。
今日は、そのエントリを再掲したい。
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JR東日本に巣食う「革マル派」というカルト
2008/02/04
今日は、我々が思いもつかぬところに巣食う極左勢力について言及しよう。
一般国民の日常生活に絡むところに潜む「国家の破壊活動をたくらむ勢力」―その最大のものはJR総連である。JR総連は傘下組合員6万1000人を誇り、JR連合(組合員7万5000人・右派)と並ぶJR労組内の一大勢力である。特にJR東日本では、経営側のバックアップもあって労組員の約8割を占め、圧倒的影響力を持っている。
この、日本を代表する公共交通機関であるJRの巨大労組が、なぜ国家の破壊活動をたくらむ勢力なのか?
それはJR総連が革マル派によって完全支配されているからである。
JR総連の前身は国鉄動力車組合(動労)である。この動労、国鉄民営化前は順法闘争やスト権ストを繰り広げ、「鬼の動労」の異名を取っていた。
で、このJR総連を革マル派が支配するようになったのは、元動労委員長で現JR総連・JR東労組顧問の松崎明氏抜きには語れない。
松崎氏は、1936年生まれ。1955年、国鉄入社。日本共産党に入党。1958年、 (革マル派の教祖)黒田寛一氏と出会う。1959年、共産党を離党。革命的共産主義者同盟(革共同)に加入。
この松崎氏が、左翼運動及び運動の中で大きな存在感を発揮するようになるきっかけは、1963年の革共同分裂である。革共同が中核派と革マル派に分かれた時、松崎氏は黒田氏率いる革マル派についた。そして副議長(組織名:倉川篤・愛称:クラさん)になった。
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私が左翼だったころ(38年前)、松崎氏は動労東京地本の書記長だった。が、このとき既に、松崎氏は「動労の最高実力者」と言われていた。
この松崎氏、敵であったが、その卓抜した指導力とカリスマ性は認めざるをえない。この松崎氏の秀でた能力と革マル派の組織力(組織論)が一つになって、革マル派による動労支配が確立されていくのである。
革マル派というのは、新左翼(過激派)の中では異端とも言える存在だった。ほかのセクト(党派)が大衆闘争(学園闘争や街頭闘争)に力を入れていたのに対し、革マル派だけは、組織の強化(前衛党建設)にひたすら励んでいた。
彼らにとって大衆闘争は、組織を拡大するための手段でしかない。だから、国家権力と対峙する局面を迎えると、闘争より「組織の温存」を選んだ。東大闘争がその典型である。彼らは、あの安田講堂攻防戦の時、与えられた持ち場からこっそり抜け出した(=逃げ出した)のである。
だから、全共闘にも入れてもらえず、他党派と常に衝突した(内ゲバ)。特に中核派とは近親憎悪もあってか、「血で血を洗う」抗争を繰り広げ、双方合わせて100名近い死者と無数の重傷者を生み出した。
私が左翼に絶望した直接の原因は、妙義山の山岳アジトにおける連合赤軍による大量リンチ殺人であるが、これはまだ、追い詰められた末の、閉鎖空間における極限的な状況が生み出した面もあるという言い逃れができた。
しかし、革共同両派の内ゲバは、もう「アイツは革命の敵だ!敵は殺せ!」という論理でしかなかった。かつては同志だった者たちが、鉄パイプや金属バットで相手を滅多打ちにしたり、バールで頭蓋骨を打ち砕いたりする。
「人間の真の解放」「人間の真の平等」を叫ぶ連中がこんなことをする。私は、このとき、はっきりと「共産主義」というイデオロギーが“狂気”であることを認識した。
特に革マル派は、その独善性、排他性、意見の異なる者への攻撃性という点で、もう「共産主義」という名のカルト集団にすぎないと確信した。そして私は、きっぱりと「共産主義」と縁を切った。
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革マル派が動労を支配できたのは、共産主義者(レーニン主義者)特有の狡猾さによる。当時の動労は日本社会党と総評(現・連合)の影響下にあった。で、社会党と総評は、ベトナム戦争の泥沼化を見て、「日米安保条約反対・ベトナム侵略戦争反対」を掲げてそのための青年組織を傘下の労組の中に作った。
その名を「反戦青年委員会」と言うのだが、新左翼(過激派)各派がここぞとばかりにこの反戦青年委員会に対して加入戦術を取るのである。そして、ほどなく、反戦青年委員会は過激派の影響下に収められ、総評の「鬼っ子」になっていく。
この反戦青年委員会で勢力を誇ったのが、中核派と革マル派である(我がブントは運動論はあったが組織論がなかったのでダメだった)。で、そのころの中核派は過激な街頭闘争を運動の軸にしていた。当然、反戦青年委員会に所属する者にも動員がかかる。が、革マル派は組織の強化(前衛党建設)が第一であるから、者を街頭闘争に参加させるような真似はけっしてしなかった。
その結果、中核派系の反戦青年委員会は多数の検挙者を出し弱体化したが、革マル派系のそれはかえって勢力を増すことになるのである。
しっかりと理論武装(洗脳)された革マル派の活動家たちにとって、社会党や総評系の幹部(ダラ幹)など赤子と同じだった。彼らは、総評の青年部を確実に侵食していった。
何しろカルト集団であるから、その生存能力と繁殖力は環境に恵まれれば極めて高い。で、動労、全逓(後のJPU)、全電通(現NTT労組)、日教組などの官公労組にその勢力を広げていく。
結局、JPUやNTT、日教組などの革マル派は、中核派による度重なる襲撃などによりその勢力を衰退させた。が、動労(JR総連)の革マル派だけは、松崎氏というカリスマの存在もあってその勢力が衰えることはなかった(九州や長野県は離反したが)。
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JR総連(革マル派)の危険性は、国鉄民営化の時の対応を見ればよく解る。国鉄民営化は者の側からすれば、まさに大合理化そのものである。したがって、左翼党派であれば、当然反対せざるをえない。実際、当時の社会党や共産党、総評や国労は民営化に反対した。
ところが、である。最左派と目された「鬼の動労」が賛成に回ったのだ。しかも動労から見れば右翼とも言える鉄労と組んでまで。
しかも松崎氏は、このとき、運輸族のボスだった三塚博運輸大臣と手を結び、当時の自民党の実力者だったあの金丸信氏とも親交を深めた。
この、もっともネックになると目されていた動労(松崎氏)の転向によって、国鉄民営化は大した混乱もなく実現するのである。このときから、JR東日本の経営側はJR総連(というか松崎氏)の意向を無視できなくなったのだ。
このあと、動労は鉄労とともにJR総連を発足させる。が、やがてJR総連内の鉄労系組合員は、動労系のセクト主義、その攻撃性に愛想をつかして総連を脱退し、新組織を結成する。
この新組織を積極的に支援したのが、当時、JR東海の副社長だった葛西敬之氏である。で、この葛西氏、自らが非常勤講師を務める大学で革マル派に襲撃される。
JR東日本とJR東海が犬猿の仲なのは、こういう背景があるのである。
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当時、松崎氏はメディアに対して、「私は革マル派ではない」「(革マル派の教祖)黒田氏から思想的影響は受けたが、今は関係がない」と語っていた。そして、「者の雇用を守るために民営化に賛成した」とも語った。
が、これはウソだ。革マル派の論理に忠実に従ったにすぎない。
「戦後政治の総決算」を掲げた中曽根康弘首相(当時)は、国鉄民営化の目的を「国労を解体し、社会党・総評ブロックを消滅させ、新しい憲法を安置する」と語っている。この体制側の猛攻に、戦後政治の一方の軸であった当時の社会党・総評ブロックでさえ崩壊しかねないほどの危機に直面した。
そこで松崎氏は、勝ち目の薄い「抵抗」よりも「組織の温存」を選択したのだ。
ほんとうに転向したのなら、なぜ中核派が「松崎だけは絶対に殺す!」と言うのか?なぜ、JR総連内から意見が相違する者を暴力をもって排除しようとするのか?なぜ、護衛付きで複数のアジトを点々とするのか?
中核派によると、松崎氏は晩年の黒田氏(2006年死去)とは意見が対立していたようだ。党官僚や学生が黒田氏を支持し、者が松崎氏を支持するといった構図らしい。
中核派の機関紙「前進」によると、2000年の12月、松崎氏は「革マルと完全に手を切った」と公言し、一方の黒田氏率いる革マル派は「JR総連本部執行部を階級敵と断罪し、打倒する」との「戦闘宣言」を出したらしい。
が、革マル派はJR総連執行部を批判しても、松崎氏個人は批判しないのだ。
共産主義者を知っている人なら分かると思うが、彼らは裏切り者に容赦しない。松崎氏が転向したのなら、革マル派から壮絶とも言える罵詈雑言を浴びせられるはずだ。「裏切り者」「階級の敵」「反革命」「権力の手先」「ファシスト」「スパイ」―おそらくこれくらいは批判(罵倒)される。が、現実はそうではない。
革マル派はJR総連の労使協調路線を批判しても松崎氏には沈黙する。
これは、黒田氏の「組織現実論」を松崎氏が実践しているからではないのか?
松崎氏は、中核派が言うように「革マル派執行部」と路線対立を起こしているのかもしれない。が、除名されたわけでもない。
私は偽装転向だと思う。
(平成18年10月25日の衆議院国土交通委員会において)米村(警察庁警備)局長は、JR総連・東労組への革マル派浸透の実態をあらためて述べたほか、浦和電車区事件について、「革マル派活動家を含むJR東労組の組合員らが、JR東労組と対立する組合に属する者と行動を共にするなどした組合員に対して、組合脱退及び退職を強要した事件を検挙している」と答弁し、「革マル派は今後も運動を通じた組織の維持、拡大を図るため、これらの事件と同様の事件を引き起こすことが懸念される」と、その危険性を強調した。
これは、JR総連と対立する「JR連合のホームページ」からの引用である。
警察においては、平成8年以降、日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派(以下「革マル派」という。)の非公然アジト15か所を摘発しているが、これらのアジトの一部から押収した資料を分析するなどした結果、全日本鉄道組合総連合会(以下「JR総連」という。)及び東日本旅客鉄道組合(以下「JR東労組」という。)内における革マル派組織の存在を確認するなど、革マル派がこれらの組織に相当浸透している実態を解明しているものと承知している。
これは、平成15年3月18日付の「政府答弁書」からの引用である。
やはり、松崎氏は「革マルと完全に手を切っていない」のだ。
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カルトと言ってもよい極左が、日本を代表する公共交通機関であるJR東日本に巣食っている。そしてJR東日本の経営陣がそれに屈服している。
異論を持つ職員や対立する労組に対して暴力さえ厭わない組織、これがJR東日本の労組員の約8割を握っている。そして―JR総連は、利益のみを追求する新自由主義的な競争社会に反対し、公平・公正な社会を築くために、「反グローバリズム運動」を掲げ、世界の仲間たちと連帯して闘っています―などと、もっともらしいメッセージを発信する。
彼らは運動をやっているのではない。平和(反戦)運動や人権擁護運動をやっているのではない。革命の準備運動をやっているのだ。
そして、JR総連の潤沢な資金が革マル派に流れていたのは間違いないと思う。昨年、横領容疑で警察の捜索が入ったので今は分からないが。
我々は、JR総連に代表される「普通の顔」を装う極左勢力を注視し、警戒を強めなければならない!
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今日のエントリのテーマは、一度は「書きたい」と思っていたものです。
かなりの時間を要しましたが、少しだけ満足感があります。
読者の皆さん、今後ともよろしくお願いします。
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コメント
勉強になりますとしか言いようがありません。
北海道新聞は、
「メスを入れるべき組織の病巣がどこにあるか見当はつくだろう」
と社説に書いていますが、
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/494755.html
それが左翼過激派では・・・
北海道新聞じたい、
革マル派との関係はどういうものなのでしょう?
ご存知の方のお知恵を賜りたく存じます。
2010/06/28「革マル派だった北教組」は
再読させていただきました。
投稿: 鳩槃荼 | 2013/09/30 18:43
ブログ主様
JR北海道の一連の不祥事は革マル派の影響
自分にとって新しい視点でした、ありがとうございます。
自分は今、北海道で勤務しているのですが、鉄道の現状は絶望的です。
長距離特急、札幌圏は交通機関として機能していますが
地方に行くと、1~2両編成の車両が1~3時間間隔で運行しています。
あの長大な路線に対し、僅かな運行、炭鉱や林業が盛んな頃は、貨物輸送、従事する人達の旅客営業とそれなりだったのでしょうが・・
私は国鉄の民営化には賛成ですが、分割の切り分けについては、大いに疑問を持ってます。
首都圏を抱え、東北・上越・長野新幹線を擁する東日本
東海道新幹線を擁する東海
関西圏と山陽新幹線を擁する西日本
これらからどうして北海道、四国、九州が切り離されるのか?
JR北海道では唯一札幌駅がにぎやかですが、東京のターミナル駅とは比べ物になりません。
1日あたりの新宿駅の乗降者とJR四国の利用者はほぼ同じと聞いたこともあります。
どうみても、北海道、四国の切捨てとしか思えません。
また、JR北海道は、毎年、300億円の赤字を民営化したとき与えられた安定化基金の運用益で補填し、経営が保たれてます。
最早、鉄道を生業としている企業とは言えません。
従業員の士気も下がるでしょう。
ブログ主様
JR北海道の一連の問題は、ブログ主様ご指摘の通り、革マル派の影響下にある組合の問題と、
どうあがいても成長が見込めないJR北海道の構造的な仕組みに対する絶望感があるのではと思うのですが・・
いかがでしょうか?
投稿: 河内山宗俊 | 2013/09/30 19:29
素晴らしいです。勉強になります。有難うございました。
投稿: 小妹 | 2013/09/30 19:55
最近やっとのことで目覚めた家族の者に、「カクマル派」って分かる?と聞いたら、「田中角栄と金丸信のこと?」と真顔で言われました。
私自身も無知ですが、仕事熱心な40才代、大手企業の課長クラスの人間が、こんなです。
JRと言えば、身近な存在。特殊な思想の人が内部に少なからずいるなんて、信じられません。一乗客として、怖いけど、どうすることもできないですよね・・・。
投稿: 狭心症 | 2013/09/30 21:54
左翼労働運動が猖獗を極めた時代を知る者として、やはりそうかと思いました。ブログ主様の炯眼に恐れ入ります。JR北海道の経営陣が、労組に巣くう極左勢力と本気になって対峙しない限り、根本的な解決は困難と思われます。安全にかかわることまでが組合に干渉され、現場管理職がやる気を失っているように感じます。マスコミは背後にある労組問題など伝えません。僭越ですが裏にある真の問題点をあぶり出すこのような論説が拡散することを望みます。
投稿: bunanoki | 2013/09/30 22:41
坂さんの極左時代のお話はいつも勉強になります。
JR労組絡みかと思っていたのですが同じ見立てのようで少し嬉しいです。
松崎氏の写真のあとに育毛剤のCMが来ていて笑いましたw
投稿: ばびる | 2013/09/30 23:03
JR北海道の怠慢事故と聞いて
すぐピンときました。
坂さんの記事が見事にそれを裏付けてくれました。
いじめや事故の多発地帯は
おおよそ組合活動の活発な地域ですね。
組合活動にかまけて正業に集中していないから
トラブルを誘発する。当たり前のことです。
人間性を無視するコミュニズムは
人間を怠惰にするだけ。
支那やキューバを見れば一目瞭然。
頑張っているのは成功のチャンスが残されている者だけ。
独裁政党の要人か金儲けをもくろむ企業家、
スポーツエリート、芸能人、それと犯罪者だ。
いずれも人間の欲の体現者たちである。
投稿: やす | 2013/10/01 10:21
JRになる前の国鉄時代は、ストが頻発していましたね。しょっちゅう電車が止まる。民営化反対闘争なんかにも革マルは入っていたんでしょうなあ。
立花隆の「中核vs革マル」は30年以上も前に読んだので、内容はウロ覚えなのですが、市ヶ谷にある法政大学の学園紛争の事務所が中核派のアジトになっていて、旧国鉄のどこかに革マル派の事務所があった。で、両派数十人が四ツ谷と市ヶ谷に下りてきて、今の上智大国際学部あたりで、小さな合戦みたいなことをやりよった。何十人も角材持って襲ってきたら、そら怖いですよ。その場にへたりこんでウンコ漏らした女闘士もいたとか。私は上智大の出なので、「あそこでやったのかよ!」とびっくりでした。あそこは昔も今も若いもんのデートコースですから。
私は小学校低学年から共産主義アレルギーでして、なぜかというと、手塚治虫さんがジョージ・オーウェルの「動物農場」をマンガにしていて、それを読んで「とても恐ろしい」と思ったのです。社会の重大なテーマを子供にも伝える手塚治虫さんは偉大ですね。最近、気づいたのですが、「どろろ」はゲーテのファウストですよ。現世のあらゆる権力と引き換えに悪魔に魂を売る男、あの「鯖目さま」こそ、ファウストの主人公ですわな。そこに、バケモノを一匹倒すごとに失った体の機能をひとつひとつ取り戻して行く「百鬼丸」を置いた。
それはともかく、佐藤首相訪米反対羽田闘争は怖かったですな。なにしろ一万人のゲバ学生が蒲田駅に下りてきて、角材を振り回し投石して付近の商店街をめちゃくちゃに壊したのですから。線路の石をバケツに拾ってきて投げるのですから、あの頃の機動隊は大変だったと思いますよ。私の実家は京浜蒲田駅近くの小さなクリーニング店だったのですが、うちだけでなく、どの店もシャッターを降ろして、皆、中でガクブル状態でした。テレビのニュースで、蒲田駅西口の商店街がメチャクチャに破壊されているのを見て、「こいつら、悪人だ」と確信しました。なんで、あんなにたくさんの角材を持参できたのか?ふつうの電車のなかをヘルメットや角材を大量に運んでいる奴らがいて誰にも咎められないなんてヘンでしょ。国鉄に過激派が入り込んでいるから、と気づいたのは、はるか後年のことでした。
その頃の世論は完全に「学生はけしからん」になっていたから、日本のゲバルト学生運動のピークは60年代後半でしょう。坂口弘の「あさま山荘1972」でも、だいたい、そのあたりがピークという認識で、あとは赤軍派の事件や内ゲバ事件のオンパレードになっている。
今、韓国の歴史を調べているのですが、李承晩が失脚した四月革命なんて、労働者のストライキや学生暴動に警官隊が発砲して死人がでたことがきっかけですから、その頃は、ストライキや暴動で政治を動かせると多くの人が思っていたとしても、いっこう不思議はないですね。
日本の社会の成熟と安定、経済の高度成長、議会制民主主義といったものがコミンテルンの手先になった連中の策動を許さず跳ね返したわけで、ありがたいことです。
投稿: ピラニア軍団 | 2013/10/01 13:00
坂様
初めてコメントさせていただきます。
小生もJR北海道の報道に最初に接したとき、直感的に問題の根は総連だろうとは考えておりました。
前社長の自殺の時もそう思いましたが、事の本質にふれた報道はなかったように思います。
小生が坂様のブログで一番楽しみなのが、左翼に関しての記事です。
それに文章がいいですね、平明にして簡潔で。
ここらへんは多分結構御苦労されているんじゃないか、とお察しします。
小生もかつて福本和夫やこぶし系の本を読んでわかったようなふりしてましたが、平明簡潔の文章を書くのが実は一番難しいですものね。
坂様のノムヒョン本も手に入れて読みました。
在韓米軍の撤退など、ノムヒョンの呪縛は韓国にとって現在も、将来に向かっても決定的な負の役割を果たすもので刊行当時彼に着目したのは慧眼ですね。
惜しむらくは表紙はじめ、あまりにもポップ過ぎましたでしょう。出版社の意向でしょうが。
そこで是非、坂様には左翼の本質「洗脳と宗教性」を柱に読み応えのある本を、現在の文体のままで一冊買いていただきたいと願ってやみません。
投稿: 山路 敬介 | 2013/10/01 15:11
国鉄が衰退した原因は(特に北海道の場合には)間違いなく組合であることと私は考えております。
ストばかりで、信用を失ったことが第一の要因であると捉えておりました。
国鉄が民営化された時に、組合活動も改まったものと思っていましたが、むしろ悪化していたとは・・・・
「大甘」でした。
寧ろ悪化していたとは、恐ろしいことです。
到底、倫理・道徳、自信・誇りなどの精神論のみでは、解決できないほどに革マル派の思想が浸透し、力を保持していることを認識しました。
投稿: 道産子爺 | 2013/10/02 06:51
やはり動労、革マル問題に行き着くのですね。
学生時代、この革マル活動家のしつこさ、底意地の悪さ、もろもろに心底手を焼いた経験があります。実際神経がおかしくなりました。
それが大集団になるのですから、社長が自死されるのも分る様な気が致します。
交通機関という公に棲み着いたシロアリ集団。彼らは昔から物品の強要と公私混同、まともに働く事への省エネ態度、悪いのはみんな自分以外の世の中、と言い張る、まるでヤ○ザだと親の世代にも言われて居ましたけれど、民営化時に一旦切り離されても戻る事が出来たのですから、これも民主党政治の悪行でしょうか。
投稿: よれこ | 2013/10/03 18:00
労組って存在意義あるのかなと思いました。
単純な多数決が民主主義ではないのは明らかで、それさえ無理なんだから、組合員の人たちはもう無駄な抵抗はやめて、実態として生産性のあることをしてほしいものです。
投稿: 弓 | 2013/10/03 23:40
このニュースを聞いてまず三鷹事件を思い出しました。
その関係者が北海道JRへ下向したのでは?と‥
長野県と九州が早期に革マルから離脱したのは
松本治一郎が関係しているのでしょうか。
彼は同和と白丁による王国を目指し「血」や「大地」を重要視する、
独自の極右的愛国主義でした。
なので革マル幹部とは肌が合わないような‥
元通訳警察官の方のブログにもありましたが、
サヨク(革マル・中核派・国民会議)は
沖縄は昔ほど旨みがなくなったので
現在は福島へとシフトしているそうです。
お金が落ちてくるところへ行って
横から確実にぶんどるという、その才覚は敵ながらあっぱれ?です。
沖縄や福島を「かわいそうかわいそう、がんばれがんばれ」と
過保護にする風潮は、サヨクによる中抜きを容易にします。
抽象的思考が苦手で情に流されやすい日本人を
高次元な理論闘争を得意とするサヨクが
誘導するのは簡単なんでしょうね‥
投稿: 小妹 | 2013/10/05 15:44
やっと、マスコミが取り上げてくれました。先週発売の週刊文春、今朝(10月7日)の産経新聞組合の闇の世界の一部を報道しております。
銀行の反社会組織への協力の問題も決して小さな問題ではありませんが、JR北海道問題で明らかにされた「組合問題」は国をあげて直ぐにでも取り組むべき重大事件と考えます。
これまでの北海道新聞が地元紙でありながら、責任を会社経営陣に押し付けた報道がなされていた理由もよく理解できました。
国会に、JR北海道の社長が招致されますが、この点をシッカリ追及してほしいものです。
これも「坂様」のブログの影響が大きいと思われます。これからも私たちが知りえない事をご教示願います。
投稿: 道産子爺 | 2013/10/07 07:24
約1年ぶりに投稿させていただきます。
関西ローカル夕方放送の「スーパーニュースアンカー」で、徳州会の公職選挙法違反の問題とセットで、青山繁治さんがこの問題を取り上げていました。徳州会の方は詳細は省略しますが、公職選挙法違反は単なる入口に過ぎず、徳州会から多くの政治家に金が渡っているという話でした。ローカルとはいえ、青山さんが解説で出演する水曜アンカーの「ニュースDEズバリ」のコーナーは、他のテレビでは取り上げないニュースや話が聞けるので、毎週欠かさずチェックしていますが、JR北海道の方は坂さんがすでに指摘のとおり、正に過激派が人為的に事故を仕組んだ可能性に言及していました。それをマスコミも含めて経営陣にすべての責任があるかの様に報道し、深い闇につつまれた真実から目をそらそうとしています。青山さんは、日本は三権分立で司法と行政は切り離されてるとはいえ、時の政権の本気度によって結果は変わるということで、安倍政権が徳州会マネーに汚れた部分を自浄できなければ、このJR北海道の問題にも切り込めないという様な解説をしていました。そういう意味で、2つの問題は日本の闇という部分で同じ根っこの問題であり、安倍政権の本気度が試されているということでした。
なお、この話はテレビを見た記憶だけを頼りに書いているので言葉の表現、ニュアンスが異なるかもしれませんがご容赦ください。ニュースdeスバリの詳細については、毎週何人かブログに書き起こしをされている方がいらっしゃいますので、見たくても見れない方や、見逃した方は、数日後検索して確認してみてください。安倍総理には諸悪の根源を成敗し、日本人が自分たちの手で本当の美しい日本を取り戻す流れを作ってほしいと強く思います。
投稿: 大和屋 | 2013/10/16 23:31