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2016/08/03

権力の陰謀について語ろう


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私は、6月19日付の「陰謀論に踊る民主党」で、植草一秀氏の痴漢・逮捕事件や9.11同時テロを「陰謀」と叫ぶ者たちを一笑に付した。
それは、論拠があまりに荒唐無稽で、事実と乖離しているからである。
もちろん世に陰謀や謀略は数多く存在する。
が、それを見抜くには政治的実践に基づく経験と学習が必要である。
経験も学習もないから、チンケな陰謀論に踊らされるのだ。

では、陰謀や謀略とはどういうものか?
今日は、私の身近にあった陰謀、謀略について書いてみたい。

私は高校生のころ、共産同赤軍派のシンパ、と言うよりファンだった。
その憧れの赤軍派は、1969年11月5日の大菩薩峠事件でほぼ壊滅した。
共産同からの分派、赤軍派結成から半年も経たずに。
この事件で、赤軍派は精鋭部隊のほとんどを逮捕されたのであるが、この時、公安警察を大菩薩峠に導いた者(内通者)が赤軍派の内部にいたのである。

私は、その後、「赤軍派に行きたいけど行けなかった」者たちの組織、共産同戦旗派に所属することになった。
が、この戦旗派も1972年5月13日の「御茶の水解放区闘争」で大量の逮捕者を出し、その後、四つに分裂、一気に勢いを失くした。
当時の戦旗派の最高指導者であった荒岱介(日向翔)氏は、この大量逮捕から四分裂に至る過程について
「私たちの組織の分裂劇の真相は新左翼運動の中でも謎とされている。このあたりは今でも多くを書けない暗闇の部分がある。私は病床にあったのでわからない部分も多い。その当時の人間が墓場まで持っていくべきことなのかもしれない」
と著書の中で書いている。
「今でも多くを書けない暗闇の部分」―
これは、戦旗派の上層部に「公安警察の内通者がいた」ということだ、と私は確信している。

19720513_meidaistreet 1972年5月13日の明大通り 私の最後の武闘

以上は、権力による「陰謀」と言うより「謀略」に近いものだが、「陰謀」と呼ぶにふさわしい出来事もある。
それは中核派と革マル派の革共同両派による内ゲバである。
この両派による内ゲバで、双方合わせて100名近い死者と数千人に及ぶ負傷者(廃人同様も多数)が出ている。
で、当時の私は、これを共産主義者に特有の暴力的党派闘争(テロ)と捉えていた。
が、立花隆氏の「中核vs革マル」(上下巻)を読んで完全に見方が変わった。
これは、当時、過激派で最大の勢力を誇っていた革共同両派に消耗戦を強いるための陰謀であると……
内ゲバを担っていたのは、中核派の革命軍、あるいは革マル派の全学連特別行動隊(JAC)であるが、その数はいずれも数百名(200~300名)に過ぎない。
非公然組織とはいえ、日本の公安警察がそのメンバーを特定できないはずがない。
にもかかわらず、警察は殺人の実行犯を一人も検挙しなかった。
そして、両派が秘かに手打ちすると、急に秘密アジトや非公然活動家を摘発、検挙するようになった。
革共同両派はこの内ゲバで急速に勢力を衰退させた。
中核派は今や四分五裂の状態だし、革マル派も党官僚(学生運動中心)と労働運動派(JR総連など)に事実上分裂している。
また、両派の内ゲバに嫌気して、数多くの極左シンパが戦線から離脱した。
まさに、権力側が狙っていた状況が実現したのである。

革共同両派による内ゲバが、別の角度から見ると「権力による陰謀」であったと認識できた私は、さらに大きな権力による陰謀を自覚することになる。
それは、1960年代後半から70年代初頭にかけての、私もその一員であった過激派による運動の高揚である。
当時の日本は、東京や大阪などの主要な地方自治体のほとんどで日本共産党が与党の座にあった。
また、大学の学生自治会の多くも、共産党の下部組織である民主青年同盟(民青)が執行部を掌握していた。
この民青から学生運動の主導権を奪取したのが過激派であり全共闘運動だった。
過激派も全共闘も反日本共産党で、それに対する敵意は対権力以上のものがあった。
つまり、東西冷戦下において、共産党の勢力をそぐ、そのために過激派を泳がせていたのである。
要は、私も含めて、過激派は権力の掌中で踊っていたに過ぎないのだ。

部落解放同盟(解同)も同様である。
1960年代、解同内は共産党系勢力がかなりの割合を占めていた。
特に青年部では共産党系が多数派だった。
これに対し権力は、解同分裂後、同和対策事業特別措置法(同対法)に基づく同和対策事業の窓口を解同主流派(反共産党)に一本化したのである。
つまり、権力による同和対策事業からの共産党勢力の強制排除が行われたのだ。
権力の後ろ盾を得たその後の解同は横暴を極め、一部は山口組などの闇勢力とも結託していく。
並行して、メディアに対する事実上の報道管制も敷かれた。
この解同の闇の部分が暴かれ、メディアが報道するようになったのは、共産圏が崩壊し、共産党の勢力が明らかに退潮し始めた後からである。

冷戦下において、日本の最大の脅威は毛沢東率いる中共であり、他方ではソ連であった。
そして、国内において、公安警察の最大の敵は日本共産党だった。
オウム真理教に対する警察の捜査が後手に回ったのは、殺害された坂本堤弁護士が共産党系であったことが大きく影響している。
坂本弁護士が所属していた横浜法律事務所は、神奈川県警の公安部による「日本共産党幹部宅盗聴事件」を追及していたのである。
だから、現場にオウム真理教のバッジが落ちていたにもかかわらず、神奈川県警は「事件性なし」として、捜査を行わなかった。
この一件を見ても、いかに日本の公安警察が共産党を敵視しているかが解る。

以上が、私が身近に感じてきた権力の陰謀、あるいは謀略であるが、今の私は、坂本弁護士事件を除いて、権力側が取った行動は正しかったと思うし、少なくとも、当時の国際情勢や国内情勢を鑑みれば「仕方のないことだった」と考える。
やはり、当時の日本においては、国内の最大の脅威は日本共産党であった、ということは間違いない。

私は元極左であったことを自己批判しているし、既に左翼思想を完全に克服している。
したがって、今日のこのエントリは権力を批判するために書いたのではない。
権力とはこういうものだ、ということを知ってもらいたかっただけである。


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このエントリは2010/06/23の再掲です。

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左翼&共産主義」カテゴリの記事

コメント

難解ではありますが、当事者として極佐活動家であったブログ主様の貴重な意見ありがとうございます。

投稿: 政界ウォッチャー三十年 | 2016/08/04 01:47

左翼のいる場所
陰謀論はその陰謀を過大に拡大して論を展開するとほとんど宗教に近づく。
しかし陰謀が無いわけでもなく、特に世界の共産党に関したことは陰謀、工作が満載のように見える。
その陰謀は事実にそって見きわめるのが実際は難しい事だろうし、陰謀はまったくないとしてしまうのも時に大きな流れの中で重要な事を見落とすということにつながるかも知れない。

日本政治において、衰退する民進党に対して共産党の動きには目を離さない方が良い様だ。

ところでいくらこの政治・社会・経済人気ブログランキングの読者層が少ないとはいっても、他の政治を扱うこれらネットであるSNSを凡そ保守系が多数を占めているいうのが既存の新聞やテレビその他の国民への情報伝達機関を左翼が占めている現状に対して救いでありまた逆転の突破口であると思います。

しかしネット上でも左翼活動はあり、最近は二極化し旧来からの左翼と質の低下したサヨクに分かれているように見えます。
またどちらにも在日などが関与しています。

以下は質の悪いサヨクです。
http://ja.yourpedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E5%B7%A6%E7%BF%BC

そしてこれなどが旧来からの伝統的左翼ですが、年どし事実関係が壊れるに比例して説得力は失われています。
ですが、一応理論派左翼だけに知識なく触れるとまるめこまれるという相手です。
http://www.geocities.jp/yu77799/

それと関連してHatenaが左がかっていたが最近はどうなのだろう。
http://b.hatena.ne.jp/entry/anond.hatelabo.jp/20121014090039

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AF%E3%81%A6%E3%81%AA_(%E4%BC%81%E6%A5%AD)

http://n2ch.net/t/--VW-----N/shitaraba_internet_13930/?guid=ON

また新たに何処かに巣を作っているかもしれません。

しかし主要な所の陣取り合戦でネットに関しては左翼が優位でないだけに保守系ブログに口をチョコチョコ挟んで来たりという妨害工作をするケースは多々見受けられます。
そしてネット上の左翼の目的は普通の国民へのプロパガンダを通しての取り込みです。

こういうネット界にも左翼の陰謀が隠れているのでしょう。

投稿: Pin | 2016/08/04 08:02

追加
現在日本での検索サイトは主にGoogle,Yahoo!で
そこにネット・左翼・サヨク・さよくと打ち込むと様々登場する。
http://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E3%82%B5%E3%83%A8%E3%82%AF

投稿: Pin | 2016/08/04 08:23

多くを書けない暗闇の部分というのは爆弾テロのことでは?

投稿: 野球好き | 2016/08/05 13:45

>過激派も全共闘も反日本共産党で、それに対する敵意は対権力以上のものがあった。
つまり、東西冷戦下において、共産党の勢力をそぐ、そのために過激派を泳がせていたのである。

>両派が秘かに手打ちすると、急に秘密アジトや非公然活動家を摘発、検挙するようになった。

>この解同の闇の部分が暴かれ、メディアが報道するようになったのは、共産圏が崩壊し、共産党の勢力が明らかに退潮し始めた後からである。


勉強させて頂きました。
ブログ主様と違って左翼思想を完全に克服していない人たちによる「闇」に光が当てられる時期が、この日本が健在である出来るだけ早い中に、来ることを願ってやみません。

投稿: torinoumi | 2016/08/05 16:45

反代々木系の過激派がさかんに暴れていた頃から、日本共産党は権力による泳がせ論を展開していましたが、そうすると、それはある程度以上当たっていたことになりますな。

左翼諸党派とは無縁の私ですが、過激派の内部で最も激しくアジっていた奴が公安のスパイだったとかいう噂は聞いたことがあります。但し、この辺りのレッテル張りは左翼の常套手段なので、真偽の程は確かめようがありません。

いかにも過激派のシンパ風の長髪にジーパン姿の小汚ない服装の若者が沿道からやおら飛び出して来て、機動隊員と挟み撃ちにゲバ学生を逮捕する光景は見たことがありますが、あれはスパイとは違うな。(笑)


夷を以て夷を制すのは支配の常道ですが、実際に組織内に浸透しているスパイの活動と、またそれへの恐怖から組織内部でお互いに公安のスパイと罵り合って粛清し合う…その双方による過激派の体力の消耗は凄まじいものがあったことは想像がつきます。公務員としては恐るべき「仕事」ですが、しかし国家にとっては必要な汚れ仕事ではありましょう。


先日、重信房子を逮捕した警視庁公安部の仕事ぶりの一端をドラマ仕立にして、テレビで紹介されていました。とにかく地味で、目立たない、常に細心の注意を払った追跡劇で、彼らは逮捕の瞬間に立ち会うこともなく、顔をけっして表には出さないのです。黒子に徹した人生で、大変な人数をかけての尾行など、刑事ドラマの単独尾行が嘘だと判りました。(笑)
派手な場面もアクションシーンも逮捕劇も一切ないから、本来、刑事ドラマにはなりようがないのですが、ある意味で、彼らの任務達成の執念にはプロとして頭の下がる思いがしました。

そんな訳で、公安警察の主敵はあくまでも日本共産党、他の過激派やオウムを追っかけるのはあくまで「余技」に過ぎないようです。警察は新聞「赤旗」の講読者宅まですべて押さえているそうですね。旧内務省警保局の流れを汲む日本の公安警察には、被疑者に対してもメジャー意識が働くのでしょうか。冗談抜きに、そのような精神的DNAが働いているように思います。

投稿: レッドバロン | 2016/08/05 16:56

元左翼活動家だからこそはっきりと見える事象があるのですね!
分かりやすく簡潔な文章、知らなかった数々の事実、
夢中になって読みました!
「私の愛する日本が沈む」という文章に刺されました。民主政権が終わって本当に良かった、、、。(;_;)

投稿: | 2016/12/07 21:54

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