経済

2007/09/02

反共の砦・グダニスク造船所がつぶれる?

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       中国はジャーナリストにとって世界最大の監獄   国境なき記者団

「労働者のための国家」が「労働者の反乱」によって崩壊する。それがソ連型共産主義の末路だった。で、「労働者の反乱」の象徴がポーランドのグダニスク造船所の自主管理労組「連帯」。

この造船所が今、存亡の危機にさらされている。往時1万7000人いた労働者は、既に3000人にまで減った。が、それでも先行きの目途が立たない。
ポーランド政府は、EU加盟(04年)後も計5100万ユーロ(約81億円)もの援助を行っている。が、EUの競争政策では、政府が企業に援助する場合、同時に効果的な再建策を提出する義務がある。このため造船所側は8月下旬、EUに再建策を出したが、不十分として却下された。
EUの内閣・欧州委員会は、3造船台のうち二つの閉鎖など大規模なリストラを求めているという。

暗黒の共産主義体制から脱却したら、今度はグローバリズムの荒波。やはり、どんな体制になっても「労働者に安住の地はない」ということか。

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ポーランドの造船業が苦境に立たされている直接の原因は中国の台頭にある。
今年1~6月の中国の船舶建造量は前年同期比43%増の755万トンに上り、手持ち受注量はなんと107%の大幅増で1億540万トンに達した。
船舶建造量の世界シェアは19%。1999年のシェアは2.3%だったから、もう台頭というレベルのものではない。まさに世界市場を“席巻”しているというべきだろう。

ポーランドの造船所がいくら頑張っても、中国に勝てるわけがない。中国の国民1人あたりのGDPは1,700ドル(2005年・外務省)。対するポーランドは7,946ドル(2005年・外務省)。つまりポーランドは中国の4倍以上。

では、ポーランドはグローバリズムの恩恵を受けていないかというと、そうではない。2006年の外国からの直接投資は100億ドル(約1兆1,500億円)を超えている。順番は米国、ドイツ、日本の順。
特にドイツでは、投資が旧東独地域を通り越して、一つ先のポーランドに向かうことが問題になっている。ここでは、旧東独地域がポーランドの犠牲になっているのだ。

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この、中国・ポーランド・ドイツの関係がグローバリズムの本質をよく表している。資本は常に利益を求めて移動することを考えれば、造船が中国に流れ、ドイツの製造業がポーランドに流れることは理にかなっている。
結果、ドイツの国内向け投資が減速する。で、旧東独地域の西との格差はなかなか埋まらない。

要は、グローバリゼーションが進行する世界では、生産性の低い産業、競争力の劣る産業は淘汰される。そのような産業構造の変化が地球的規模で起こる―それは先進国であれ途上国であれ同じことだ。
で、その生産性の高低、競争力の有無は労働者個人も無縁ではいられない。
そこにおいて、グダニスク造船所のような生産性の低い産業、競争力の劣る産業を国家が援助することは間違っている。そこに求められるのは、企業自らの体質改善であり、技術の高度化である。それを国が支援するのは正しいと思う。
個人の場合は多少違う。
企業と違い、やむを得ない事由で生活に困難をきたしている個人に公的扶助を与えるのは、現代社会では当然だろう。が、個人も、まず求められるのは自助自立の精神、心構えである。

かつて「連帯」を率いたワレサ元大統領は、同造船所の存続を求めて活動しているらしい。が、国家が資金援助しなければ延命できない企業など存続させてはならない。
公的資金を投入する時は、再建できるという目途が立たなければならない。それが国家の責任である。

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最後に、強く指摘しておかなければならないことがある。それは、国と国有銀行と企業が三位一体となって世界市場を席巻する中国の存在である。
しかも、人民元の相場は実態と乖離しており、労働者の賃金は極端に安い。
このような不公正な国の存在が、グローバリゼーションの弊害をますます強めている。

わが国のデフレも、非正規雇用者の増大も、中国にその一因があることを忘れてはならない。

人民元の早急かつ完全なる変動相場制移行を強く求める。

参照1:ポーランド:「連帯」発祥の造船所が閉鎖の危機
参照2:15ポイント上昇、中国造船世界シェア[製造]

【追記】
冒頭と右サイドバーのバナー(画像?)は「国境なき記者団」のものです。
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2006/03/17

銀行も所詮は金貸し


小泉純一郎首相は15日午後、参院予算委員会の証券・金融問題に関する集中審議で「消費者金融」に関し「わずかなお金を借りて多額の借金を返さないといけない。高金利をむさぼっている業者に被害を受けないような対策を講じなくてはならない」と述べ、
利用者保護に取り組む考えを示した。

与謝野馨金融担当相も「高い金利で貸す消費者金融業者の広告が堂々と出て、超一流だと思っていた銀行が消費者金融業者と一緒に広告を出しているのは不愉快だ」と、大手銀行が消費者金融と共同で事業を展開する現状を批判した。

利用者保護が必要 首相、高利の消費者金融で
(2006年3月15日 共同通信)


「超一流銀行と思っていた銀行がサラ金業者と一緒に広告を出していることは不愉快だ」。与謝野金融相が15日の参議院予算委員会で、消費者金融と提携して商品広告を出している大手銀行を痛烈に批判した。

共産党の大門実紀史氏の質問に答えた。大門氏が示したのは、三井住友銀行と大手消費者金融プロミス、両社が出資するアットローンの3社が全国紙に掲載した共同広告で「三井住友銀行店内のローン契約機で、3社のお申し込みができます!」と書かれている。

金融庁は今後、有識者で構成する「貸金業制度等に関する懇談会」で、多重債務者
増加の一因と指摘される貸金業者の広告の規制を検討する。貸金業者の広告には
有識者からも「利便性ばかり強調して、肝心な利息を顧客に認識させていない」との
批判が出ていた。

大手行では、三菱UFJグループがアコムやプロミスとともに消費者ローンを展開している。

金融相が痛烈批判「大手行とサラ金の提携広告不愉快」
(2006年3月15日 朝日新聞)

「サラ金」の金利は「出資法(出資の受け入れ預かり金及び金利等の取締等に関する法律)」の金利が適用されている。この金利は年率29.20%(平成12年5月末までは40.004%)。
よく「違法金利」とか「グレーゾーン」とか言われるのは、この金利のことである。
が、実際はどうなのか?

利息を規制する法律には、実は「利息制限法」という法律がある。こちらの方が金利が安く、裁判所の判断はこの「利息制限法」に基づいて行なわれる。
だから、裁判になると「サラ金」が負けるのである。が、「サラ金」の金利自体は「違法」ではない。なぜなら、「サラ金規正法(貸金業の規制に関する法律)」は「出資法金利の有効性」を認めているからである。
ちなみに「利息制限法」の金利(年率)は「10万円未満:20%」「10万円以上100万円以下:18%」「100万円超:15%」。「出資法」の金利と「利息制限法」の金利の格差は一目瞭然である。

では、なぜ「サラ金」は「違法金利」を取っていないのに裁判に負けるのか?
「サラ金規正法」では、「出資法金利」は「任意金利」とされているからである。「出資法金利」の有効性を保つには、常に店頭で返済してもらい、「任意金利支払合意書」に
その都度サインしてもらう必要がある。だから、ATMで返済された瞬間に、「任意金利」である「出資法金利」は「合意」されていないことになる。
「合意」されていないのに「任意金利」である出資法金利を取る。これが「グレーゾーン」といわれる所以(ゆえん)であり、裁判になると「サラ金」が負ける原因になるのである。

かつて「サラ金地獄」と呼ばれた時代があった。家の前で「カネ返せ、ドロボー」と大声で叫ぶ。隣近所にふれ回る。玄関のドアに「催告書」を貼り付ける。夜中に電話をかける。電話に出ないと夜中に電報を送りつける。
当時は、こうした、返済の滞った債務者を徹底的に追い詰める手法がまかり通っていた。金利(年率)も確か50%近かったと思う。

このような状況下で自殺者が続出した。まさに「地獄」と呼んでもおかしくない状況だった。そこで「サラ金規正法」ができたのである。
今は、多重債務者の相談に乗る専門弁護士もいるし、任意整理という手段もある。が、当時は救済手段が何もなかった。
性格的に弱い人は「夜逃げ」。逃げる当てのない人は「自殺」。それくらい厳しくてひどい「取立て」が横行していた。

「サラ金地獄」を再現させないために「サラ金規正法」ができた。出資法の上限金利も
大幅に引き下げられた。が、問題が解決されたわけではない。
金利の上限は、まだ3割近い高水準に止まっている。テレビでは、簡単におカネが借りられて、楽しい生活がすぐ手に入るかのようなコマーシャルが大々的に流されている。
そこでの警告は、「ご利用は計画的に」という、ごく短いワンフレーズだけだ。

私は、今でも「サラ金」は社会悪だと思っている。
確かに、ボーナス前に50万円を借りて海外旅行に行き、帰国後にボーナスで返済(期間:1週間)すれば、数千円の金利ですむので「サラ金はコンビニエンス」と言った評論家もいた。
が、「サラ金」からカネを借りる人の大半は、そんな「健全な人」ではない。確たる返済の当てもないのに、「目先の必要」のために高利のカネを借りる。そして返済に行き詰まり、ほかの「サラ金」に手を出す。
行き着くところは「多重債務者」であり、社会生活の破綻である。中には、「サラ金」よりもはるかにあくどい「暴力金融」の食いものにされる人も現れる。

考えてみれば、「サラ金」やクレジットのキャッシングが300万円に膨れ上がった時点で、もうその人は破綻を待つ身に陥る。年収400万円の人でも、毎月の金利を返済するだけで精一杯。元金は1円も減らない(独身者は別)。
こういう事態に陥る前に、「任意整理」か「法的整理」のいずれかを選択した方がよい。そうすれば、まだ再起できる可能性がある。

「サラ金」に多少の善意というものがあれば、他の「サラ金」から融資を受けている人には新規の貸付をおこなうべきではない。
融資を申し込んだ人が、今、どのくらいの借金を抱えているのかは瞬時に分る。だから、クレジット系の会社は、「サラ金」からカネを借りている人には新規融資をしない。
銀行は、「サラ金」はもちろん、相手がクレジット会社であっても、借り入れ金額が大きい場合は融資を受け付けない。
「サラ金」も、最近は「自主規制」で多少なりとも姿勢が改められたらしい。が、ついこの間までは、3社目までは積極的におカネを貸していた。
50万円×3社=150万円。こういう、複数のサラ金から借金をする人は、クレジットのキャッシングも借りまくっている可能性が高い。したがって、借金の総額は、すぐ200~300万円になる。
つまり、「サラ金」は多重債務者への道を後押ししているのである。

もちろん、カネを借りるのは自己責任である。借りたものは返さなければならない。貸す方が悪いのではなく、借りたカネを返さない方が悪い。
これはそのとおりである。が、暴利の金融から簡単にカネが借りられるという社会状況は改善されるべきである、と私は思う。

タバコの警告表示は、「吸いすぎると健康に害を与える場合がある」という抽象的なものから、「喫煙は脳卒中による死亡の危険性を約1.7倍に高める」、あるいは「肺がんによる死亡の危険性を約2倍から4倍に高める」という具体的なものに変わった。また、テレビコマーシャルも禁止された。

「サラ金」も、それを利用することによって「多重債務者」に陥る危険性があることを、
明確に告知するべきである。
それができなければ、テレビコマーシャルを禁止する。
そうすることによって、「サラ金」を利用する人がなくなることはないが、利用者が減ると同時に、利用する前に慎重に判断するようになるのは間違いない。
また、金利が金利を生み、借金が雪だるま式に膨れ上がるような「出資法」の金利を、大幅に引き下げることが必要である。

パチンコやその他のギャンブルのために「サラ金」にはまった、あるいは海外旅行やブランド物の誘惑に負けて「サラ金」にはまった、そういう話を見聞きするたびに、「欲望喚起型消費社会」の罪深さと家庭や学校教育の堕落を感じる。
そして、そんな「欲望喚起型消費社会」において、銀行と「サラ金」が提携して、しかも
一体となった広告を出すなんて、銀行の社会的使命感の喪失を痛感せざるを得ない。

ここでも、「カネさえ儲かれば、そして違法でさえなければ何でもあり」という、経営者のモラルの荒廃が如実に表れている(怒)

参照:サラ金・消費者金融の内情(企業研究や就職希望向け)

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2006/02/23

日本は「成熟した債権国」

昨日の讀賣新聞朝刊に興味深い記事が載っていた。
とても参考になるので、全文を転載する。


海外とのモノやカネのやりとりの収支を示す日本の2005年の経常収支で、海外への
投資に伴う配当金や金利収入などの黒字額が、モノのやりとりでの黒字額を初めて
上回った。日本は長い間、海外への製品輸出で外貨を獲得してきた「貿易立国」だったが、海外への投資でも外貨を稼ぐ「投資立国」に変わりつつある。(黒川茂樹)

経常収支は、配当金や金利収入などの所得収支、製品の輸出入による貿易収支の
ほか、海外旅行者が土産品を買ったり食事をして支払った額の収支などを示す「サービス収支」、途上国への政府開発援助(ODA)の一部などを示す「経常移転収支」をあわせたものだ。
05年の経常収支の黒字額は18兆479億円で4年ぶりに減ったが、ドイツ(円換算で
約12兆4000億円)などを大きく引き離し、依然として「世界一の経常黒字国」となって
いる。
経常収支のうち、貿易黒字は10兆3502億円、所得黒字は11兆3595億円で、全体を
押し上げる2本柱となっている。

所得収支は、日本企業が海外に工場を建てたり、海外企業の株を買ったりして得た
配当や利子などと、海外の企業が日本で得た配当や利子などの差額をいう。投資額
そのものは資本収支に区分けされ、経常収支には含まれない。
20年前には日本の所得黒字はわずか約1兆6000億円で、貿易黒字(約13兆円)の8分の1程度だった。しかし、1985年9月に、先進5か国がドル高を是正していくことを決めた「プラザ合意」で、1ドル=約240円だった為替相場は円高が進み、所得黒字と貿易黒字の差が縮まる大きなきっかけとなった。
それまで主に欧米へ工業製品を輸出して外貨を稼いできた日本の自動車や電機メーカーは円高で輸出がしにくくなり、一斉に生産拠点を海外に移すグローバル化を進めた。日本からの輸出が現地生産に移って貿易黒字が抑えられ、一方で海外などにつくった生産子会社などから得る配当などは増え続け、所得黒字の拡大につながった。
日本国内の需要(内需)拡大や、バブル崩壊以降の景気回復を狙って日本の金利が
低く抑えられたことも、所得黒字拡大を後押しした。国内投資家が金利が高い欧米へ
積極的な証券投資を続けたためで、04年末の日本の対外資産残高は約434兆円と
99年末より4割以上も増え、利子や配当を生むようになっている

「経常収支の変化は、国の経済の発展段階を反映している」という「発展段階説」に従うと、日本は経常黒字が大きい「未成熟な債権国」から、貿易・サービス赤字を所得黒字が補う「成熟した債権国」の段階に向かいつつある。
この説によれば、目立った輸出産業がない発展途上国は、海外からの投資(借金)で国内産業を育成する。この段階では貿易・サービス、所得とも収支は赤字だが、輸出産業が稼げるようになれば、もうけを海外への投資にも回せるようになり、その国は「借りる側」の債務国から「貸す側」の債権国に移行する。

しかし、人件費の高騰などで、国内産業は次第に国際競争力を失い、貿易黒字はその後、減少に向かう。しばらくは所得収支の黒字が穴埋めして経常収支は黒字だが、
貿易収支が大幅な赤字になると、海外から国内の株式市場などに投資を呼び込まなければ必要な資金が賄えなくなる。これが海外の負債が資産を上回って増える「債権
取り崩し国」で、巨額の経常赤字を抱える米国はこの状態にある。貿易黒字が1019億ドルと日本を抜いた中国は「債務返済国」で、日本は米国と中国の中間段階にある。

経済財政諮問会議がまとめた「日本21世紀ビジョン」は、2030年度の日本経済は、
貿易・サービス収支が赤字になるが、中国などへの投資による所得黒字が拡大して
経常黒字は保つ「投資立国」の姿を描いている。ただ、「高齢化が進んだ21世紀半ばには、所得黒字では貿易・サービス赤字が賄えなくなる」(櫨浩一・ニッセイ基礎研究所
チーフエコノミスト)との指摘もある。
今後、米国のように経常赤字が定着すると、赤字穴埋めのため、外国からの借金に
頼らざるをえなくなり、経済運営が不安定になりかねない。

これまでの日本の通商戦略は輸出産業の育成に力を注いできた。今後は、高い技術を持つ人材の有効活用や、グローバルな投資活動などの重要性がより高まりそうだ。

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貿易立国から投資立国へ
(2006年2月22日 読売新聞)

我が国が、ここまで成熟してきたことは奇跡と言ってよい。
20年前には日本の所得黒字はわずか約1兆6000億円で、貿易黒字(約13兆円)の8分の1程度だった。それが、05年には貿易黒字(10兆3502億円)を所得黒字(11兆3595億円)が上回った。そして、経常黒字額は18兆479億円でダントツの世界一。
まさに、1985年9月の「プラザ合意」をきっかけに日本は変わり始め、ついに変身を成し遂げたということだ。

「プラザ合意」のとき、私はある商売をしていた。それは、輸出企業にコンピュータを使った貿易システムを売り込むという仕事だった。
私は絶望的な気分になった。顧客も青い顔をしていた。「もうダメなんじゃないか」と。
なにしろ1ドル=約240円だった為替相場が、1ドル=約90円にまで急騰した
のである。
しかし、これを契機に我が国は、生産拠点の海外移転と内需拡大という路線にシフトした。そして、中曽根内閣の『民活』路線と大幅な金融緩和が状況を変えた。『民活路線+大幅な金融緩和』がバブルを生み出し、見せかけの繁栄に世の中が浮かれることになる。

が、バブルはしょせん泡。大蔵省の『不動産融資総量規制』という劇薬が効きすぎて
バブルは一気に崩壊。ここから失われた10年が始まる。
「ジャパン・バッシング(Japan bashing)」と言われるほどに世界中から嫉妬されていた国が、「ジャパン・ナッシング(Japan nothing)」と呼ばれ、バカにされるようになった。
私自身も最悪の状況に追い込まれ、「今度こそ、もうダメだろう」と観念した。
バブル崩壊によって、なんと1千389兆円もの資産が泡となって消えたのだ。家計も623兆円の損失を被った。

ただ、私には、戦後一貫して続いて来た行政主導型の成長政策、いわゆる「行政指導」「護送船団」「横並び」などの言葉に代表される経済体制を変革する、これができれば、まだ日本は捨てたものじゃない、という思いも強かった。

戦後体制は、政治・経済ともに完全に金属疲労を起こしていた。しかし、政治も経済も一向に変わる気配がない。政治においては相変わらず経世会(竹下派)の支配が
続き、金融機関の巨額な不良債権の処理は先送りされる。そして国債頼みの財政
出動。
日本沈没の危機に直面しているのに、旧態依然とした体制は変わらない。社会全体が閉塞感におおわれ、私自身もやりきれない気分に陥ったものだ。
ところがである。不可能!!!絶対にありえない!!!と思っていた小泉純一郎が総理大臣に
なった。そして2005年、日本は力強く復活した。

大多数の上場企業が、この3月期、史上最高益を更新する。
間違いない!

やはり日本人は賢い。日本国は偉大である。将来、今の米国のような『債権取り崩し国』になるとは思わない。

ここで、讀賣新聞の記事に書かれていない問題点を指摘しておく。
我が国は、米国債の海外保有額の約4割を占めている。2005年2月現在の残高で、米国債を7千020億ドル(約82兆8千400億円)も抱えている。この米国債の利回りも、我が国が「投資立国」になった要因の一つである。
米国債をこれほどまでに抱えることになった要因は、主として円高を防ぐための為替介入にある。が、このままだと『米国と共倒れになる』という危険がある。

今の米国は財政赤字と経常赤字という巨額な双子の赤字を抱えている。にもかかわらず経済は『バブル』と言われるほどの活況を呈している。レストランのウェートレスまでが不動産投資に走っているそうだ。その米国の『バブル』を支えているのがジャパンマネーなのである。そのことを、この場で明確にしておきたい。
なお、中国も、05年11月末現在で2千498億ドル(約29兆4千800億円)の米国債を保有している。これも元高を防ぐために為替介入を繰り返した結果である。

米国債保有高 第1位:日本 第2位:中国。つまり、日・中両国で米国経済を支えている(笑)

参照1:米国債保有は、日本の財政再建の最後の足かせとなるのか?
参照2:アメリカのために日本をつぶす
参照3:バブル崩壊 家計の損失は623兆円
参照4:米上院委長 「為替操作国」と批判 元の再利上げ求める

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2006/01/25

浮利を追わず

私は、このブログを立ち上げて間もなく、「M&A」というエントリーで堀江流のビジネスに言及したことがある。


(前略)
まず、堀江貴文という男、まだ32歳だが、なかなかのモンだ。その発想と行動力。
もちろん批判はある。
「ライブドアは、わずか一年のあいだに、1株を1万株に分割するような極端な『虚業操作』を行い、『虚像資産』を確保することで肥大した」
あるいは
「『時間外取引』という、別の目的で許容されていた株式取得の方法を通じて、ニッポン放送の30%に当たる株式を一日で取得した。このようなやり方は、法の隙間を突いた
手法とも云え本来の趣旨に反する」
等である。
いわゆる「道義に反する」「商業倫理に反する」という類の批判だ。
しかし、商売の道義や倫理に普遍性はない。時代や地域によって大きく違う。
むしろ、グローバルスタンダードからすれば、ライブドアの行動は当たり前のことであり、
ニッポン放送のフジテレビに対する新株予約権発行の方が異常と映ったのではないか。
取締役が株主を選ぶのではなく、株主が取締役を選ぶのだ、という株式会社制度の
当り前のことを無視したやり方が認められるはずもない。
それに比べれば、ライブドアの行為は、あくまでも東証の市場内取引であり、非難される筋合いのものではない。
要は、堀江氏のやったことは、、ほかの人間が思いつかなかった、あるいは、思いついても現実的な手段として考えられなかった、ということだろう。
(以下略)

horiemon








読めばお分かりであろうが、全面的な『堀江擁護論』である。
私は、今でもこの考えは変わらない。日本的な馴れ合い、もたれ合い、責任のあいまいさ、これらが『失われた10年』『ジャパン・ナッシング』をもたらしたと痛感しているからである。
我が国の『失われた10年』の間に、世界は大きく変化した。グローバリゼーションが
進行する中で、世界的規模で競争が激化し、優勝劣敗の『市場主義』が世界を支配
するようになった。
これに対して、海外型(international)企業は速やかに対応したのだが、国内型(domestic)の産業は相変わらずぬるま湯的な体質から抜けきれないでいた。
ライブドアがニッポン放送の株を買い占めたころの、日米企業の同業種トップクラスの
株式時価総額の差は約10倍にものぼっていた。商法が改正され、外資による株式交換方式での買収が解禁されれば、国内型(domestic)の産業は「ひとたまりもない」というのが現実だった。
だから、警鐘を鳴らす意味でも、堀江氏の行動を支持したのである。

私が、小泉改革を支持するのも同じ理由である。『市場主義』が正しいとか間違っているとか言っても仕方がない。世界の流れがそうであれば、それに対応できるように我が国を改造するしかない。
小泉内閣が掲げる構造改革は、国際的に開かれた経済社会、自己責任原則と市場
原理に立つ自由で公正な経済社会への変革である。行政の役割を、事前規制型から事後チェック型に転換させる。規制緩和を推進し、競争政策を積極的に展開する。
ただ、この『市場主義』が正しく機能するには、『公平・公正』が大前提になる。行政に
よる差別(補助・保護)や企業による不正(粉飾・虚偽)が横行すれば、市場は機能しない。
事後チェック型行政に移行すれば、当然ながら新たなルールが必要になる。自己責任原則を確立するには、厳格な情報公開と消費者保護のためのシステムづくりが欠かせない。

ライブドアと堀江氏がやったことが報道どおりであるとすれば、新たなルールや自己責任原則を確立するためのシステムが、まだ不十分であることの間隙を突いたということだ。そして、やることなすことのすべてがうまく行ったので、歯止めが効かなくなり、旧来のルールからも逸脱した。
これは、自らレッドカードを突きつけたに等しい。速やかに市場から退場してもらわなければならない。
金儲けがすべて、金儲けのためには何をしてもよい、というのであれば、ヒューザーの小嶋社長と同列である。
ただ、堀江氏は容疑を否認しているし、検察の手法もかなり強引なところがある。最終的判断は、もう少し事態が進展してからにしたい。

ただ、これだけは言える。マネーゲームで巨利を得るという発想・行動は、人間社会を滅ぼすことになる。ものの価値や利益は、すべて額に汗して働くことから始まるという
ことを忘れてはならないということだ。
日本社会は、1970年代、田中角栄氏の『列島改造論』に湧いたころから、楽をして儲けることがカッコよくて、額に汗して働くことはダサイという風潮に染まってきた。それが
ピークに達したのが80年代の『バブル』である。
この時も『持てる者』と『持たざる者』の資産格差の大きさが社会的問題になった。しかし、『持てる者』も、結局、バブル崩壊で泣いた。私もその一人である(笑)

にもかかわらず、人間というのは、喉もとすぎれば熱さを忘れる。また『ミニバブル』と
いう言葉を耳にするようになった。『勝ち組』と『負け組』という二極化が現れ始めた。
が、『優勝劣敗』は『弱肉強食』とは違う。敗者は復活の機会を与えられなければならないし、まじめに働き、日々努力を惜しまない者が泣くようなことがあってはならない。ましてや、不正を働いた者が勝者になってはならない。

検察の狙いは、事後チェック型行政への移行に便乗して、「バレなければ何をやってもいい、儲けた者の勝ち」という風潮に冷水を浴びせることだという。
『偽装マンション事件』といい、今回の『ライブドア事件』といい・・・自助努力、勤勉、
高いモラル、『世界の奇跡』と言われた戦後の復興を支えた日本人はどこに行った。

※堀江氏は、まだ容疑者の段階なので『氏』を付けました。

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【追記】
「竹中平蔵総務相は過去5年間、小泉内閣で経済運営と金融行政の中心にいた。その人が深く付き合っていた堀江容疑者が逮捕されたことのもつ意味は大きい」
加藤紘一元幹事長の発言である。
加藤氏は、堀江氏を応援した竹中氏をヤリ玉に挙げながら、暗に小泉改革を批判している。が、その目線の先にあるのは、今秋行われる自民党総裁選である。
発言の真意は、竹中氏と足並みを揃え、小泉内閣の改革路線を踏襲するという安倍晋三氏への牽制である。

政治を愚弄する政治家・加藤紘一は退場せよ!

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2005/11/05

株価1万4000円台を回復

(以下引用)

日経平均株価が1万4000円台を回復した。小泉政権誕生から約4年半かかって、政権が発足した平成13年4月26日の終値1万3973円03銭を上回ったことになる。

景気拡大が鮮明になったことが株価を押し上げているのはいうまでもない。日銀は8月に「踊り場脱却宣言」を行った。上場企業の17年9月中間決算も、経常利益ベースで
過去最高益を更新する勢いだ。

しかし、より大きな要因を忘れてはなるまい。来年9月に任期が切れる小泉純一郎首相が見せる「改革の総仕上げ」への強い意欲に対する市場の期待感の高まりである。

実際、小泉政権になって、株価動向のキーワードになっていたのは、常に「改革」だった。

政権発足翌月には、大きすぎた期待の反動もあり、株価は下落に転じた。IT(情報技術)バブルの崩壊、米中枢同時テロ、銀行の不良債権処理の加速に伴う相次ぐ上場
企業の経営破綻(はたん)などマイナス要因が続出、15年4月には、7607円88銭というバブル崩壊後最安値をつけたのである。

ある意味では、ここまでは首相が唱えた「痛みを伴う改革」の「痛み」が先行した時期といえる。

それでも、企業が続けたリストラ努力と、政府の銀行に対する不良債権処理を促す厳しい姿勢は徐々に成果をあげていった。企業の財務体質は強固になり、収益も好調、
今年になって銀行の不良債権処理はほぼ終結した。

しかし、実体経済の好転にもかかわらず、上昇軌道に乗り切れなかった株価の起爆剤となったのは、衆院の解散・総選挙だ。

参院本会議での関連法案否決を受けた首相の決断をマーケットは「改革への強い意志の表れ」と見て、外国人投資家を中心に買いが殺到したのだ。そして、その総選挙で与党が大勝すると投資家は一斉に好感したのである。

今回の株価上昇も第三次小泉改造内閣への高い期待感を反映している。逆に首相
自身が掲げた「改革続行内閣」の看板に偽りがあれば、再び株価が下落する可能性が出てくる。改革続行こそが株価好調を維持する絶対条件であることを改めて確認したい。

1万4000円回復 改革続行こそキーワード
(2005年11月5日 産経新聞【主張】)

日経平均株価が1万4000円台を回復し、やっと小泉政権発足前の水準に戻った。株価は「経済を映す鏡」であるから、株価の上昇は実体経済の着実な回復を示していると
みなすことができる。
最大の原動力は企業の血のにじむ努力だが、小泉内閣が周囲の猛反対を押し切って実行した「不良債権の強制処理」が、ここにきて効果を上げ始めたとも言える。
「不良債権の強制処理」を発動したとき、竹中平蔵金融担当相(当時)は、「学者に実体経済の何が解る」と非難されボロクソに言われた。

一口に「4年半」と言うが、私には実に長い道のりに感じた。
一時は、株価の大幅な下落と円安の同時進行、相次ぐ上場企業の破綻などが続いて、この先どうなるのかという不安が社会全体を覆った。
メディアには「日本が売られている」というセンセーショナルな文句が踊り、銀行による
不良債権の処理は、「貸し渋り」や「貸しはがし」という流行語さえ生んだ。
実際、この時期が、バブル崩壊後の我が国にとって、最悪の状態だったと思う。私自身も、このころがドン底だった。子供は大きくなってカネがかかる、にもかかわらず収入は極端に減る。
しかし私は、不良債権の強制処理と構造改革を進めなければ「真の景気回復はない」と確信していたので、くじけることはなかった(ほんとうは不安に駆られた時期もあったが~笑)。

もし、この時期に、亀井静香氏や野中広務氏などが主張した「不良債権の先送りと
財政出動による景気回復」政策を実施していれば、国の借金は今よりはるかに増えていたであろう。
そして問題企業が生き残り、相変わらず株価は低迷する。金融不安が解消されないから、我が国はいつまで経っても立ち直りのきっかけを掴めない。
やはり「構造改革なくして景気回復なし」という小泉内閣の方針は正しかったということだ。
小泉首相を嫌う人は、否定的な側面ばかりを捉えて批判する(笑)。別に「小泉マンセー」になる必要はないが、やはり功績はきちんと評価してやるべきだ。

政府は8月に「景気の踊り場」からの脱却を宣言した。企業の9月中間決算は過去最高益を更新する勢いだし、来年3月期の業績も引き続き増益が見込まれている。企業の設備投資は堅調だし、個人消費も底堅い。
デフレは依然として続いている。が、最近の日銀レポートによると、消費者物価指数は2005年度から06年度にかけてプラスに転じる可能性がある。おかげでデフレ脱却期待が一気に高まり、株価を押し上げた。
金融機関の不良債権処理にもめどが付いた。大手金融機関の9月中間決算は高水準の利益が見込まれている。

ここまでだと、まるで「バラ色」「万々歳」という感じだが、そうではない。今回の景気回復は、「小泉改革」と併せて実施された、いわゆる「ゼロ金利政策」と「量的緩和政策(注-1)」によるところも大きい。
「ゼロ金利政策」は1999年2月に発動された。「量的緩和政策」は「ゼロ金利政策」だけでは不十分だったため、苦肉の策として2001年3月に導入された。
これらの政策を実施した結果何が起こったか?それは、家計から銀行や政府(自治体含む)への巨額の所得移転である。つまり、本来は預金者が受け取るべき金利収入が、銀行の利益や国債(地方債)の利払い軽減に廻されたのである。
その額は、約40兆~50兆円に上ると試算されている。

この「ゼロ金利政策」で、もっともしわ寄せを受けたのが年金生活者(高齢者)である。年金の不足分を、「老後の蓄え」に対する金利で補っていたのに、「ゼロ金利」になったため、「老後の蓄え」を取り崩さなければならない破目に陥ってしまった。
ここでも、「改革」が弱者に「痛み」をもたらした。が、これは一時的なものだ。景気がより回復し、デフレが完全に克服されれば「ゼロ金利」は解消される。

今の景気回復基調を維持し、株価をより高くするには、産経の【主張】も指摘しているように、「改革続行」が絶対条件である。
はまだ第一歩を踏み出したばかりだし、財政構造改革や年金改革、公務員の削減や政府系金融機関の統廃合といった重要課題が行く手に待ち構えている。
小泉内閣の「改革」とデフレ脱却への期待が株価を上昇させた。株価の上昇が、さらなる景気の回復を加速させる。日本経済は、やっと好循環にたどり着いた。
しかし逆に見れば、「首相自身が掲げた[改革続行内閣]の看板に偽りがあれば」、
株価はたちまち下落し、経済に悪影響を及ぼすという状況でもある。また、「改革」に
対する国民の期待が大きい分、その反動も計り知れないものがある。
改革を断固実行し、ポスト小泉へそれを確実に繋いでほしい。


(注-1) 量的緩和政策

各銀行は日銀に当座預金口座を設けている。日銀が銀行などから手形や国債を買って資金を銀行に流すと、この当座預金の残高が増える。量的緩和では日銀がこの資金の流れを太くし、銀行の業務上に必要な金額をはるかに上回る資金を供給する。

当座預金には利子がつかないため、各銀行が利子を得られる企業向けの貸し出しを増やしたり、株式や債券市場での運用に資金を回したりすることができる。

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2005/05/12

トヨタ 2期連続で1兆円突破

トヨタ自動車が10日発表した05年3月期連結決算は、最終(当期)利益が前期比0.8%増の1兆1712億円となり、3期連続で過去最高を更新し、2期連続で1兆円を超えた。
円高による為替差損や原材料価格の高騰の影響を、北米やアジアでの大幅な販売増とコスト削減で吸収した。利益水準は、販売不振に陥っている米ゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーターを大きく引き離した。
売上高は同7.3%増の18兆5515億円、本業のもうけを示す営業利益は同0.3%増の
1兆6721億円で、いずれも過去最高を更新。5期連続の増収増益になった。
(中略)
損益面では、研究開発費が1849億円増えたほか、為替差損が1400億円発生。鋼材など原材料価格の高騰で数百億円規模の影響も受けたが、販売増による利益の増加と部品単位で積み重ねたコスト削減で吸収し、増益を確保した。張富士夫社長は「90年代から円高に対応できるよう進めてきた海外展開が実を結んだ」と述べた。
トヨタ 3期連続で最高益更新 2期連続1兆円を超える
(毎日新聞) - 5月11日

いやあ、すごいことだ。利益は自動車業界でダントツの世界No.1。売上もフォードを
抜き、ダイムラー・クライスラーに肉薄。GMを追い抜くのも時間の問題か。
しかも、円高や原材料価格の高騰という逆風を受けながらの結果であるから、益々
価値がある。
世界主要企業の最終利益(純利益)ランキングでは、03年度の6位からベストテン圏外の13位に後退した。しかし、上位組は、原油価格の高騰を背景にした石油大手や金融関連が占めており、製造業としてはNo.1である。
トヨタ、利益ベスト10から後退=世界主要企業の04年度
(時事通信) - 5月10日

この数字がいかにすごいかは、以下の比較で実感できる。
売上の18兆円という数字は、アジアの優等生タイのGDPに匹敵する。利益の1兆1712億円は、人口356万人の横浜市の一般会計予算とほぼ同じであり、日産とホンダの
合計をはるかに上回る。また、トヨタ銀行とも呼ばれるほどの金融資産は、新生銀行に匹敵すると言われる。
余裕のトヨタは、GMに燃料電池分野の提携を申し出たり、GMやフォードの救済策
(窮余の策?)として、北米市場における値上げを検討したりしている。
これに対してGMとフォードは、投資不適格企業に格下げされる始末である。
GM・フォード、投資不適格に格下げ…米格付け会社
(読売新聞)05月06日

なぜ、米ビッグスリーが凋落し、トヨタが実質的に世界No.1になったのか。今日はこの
あたりを分析してみたい。

アメリカの自動車産業に共通する弱点を上げてみよう。

①戦前から現在に至るまで、アメリカ経済の屋台骨を支えてきた伝統産業である
こと。
そのために変化に対応するスピードが鈍い。実際、1980年代後半以降、従来の「大量生産方式(Mass Production System)」からトヨタ式の「チーム生産方式(Lean Production System)」に転換しようと努力しているが、なかなか徹底しない。

②労働組合が異常に強いこと。
UAW(全米自動車労組)は、組合員67万2000人を数える米国でも有数の強力な労組である。そしてアメリカの労組は、日本のような企業内組合ではなく、産業別組合である。したがって、個別企業の事情に、日本の労組ほど配慮しない。
例えば、UAWは最近、GMの大規模な医療保険システムのコスト削減提案を拒絶した。
GMが負担する医療保険費用は年間56億ドル(約6000億円)に達するといわれる。アメリカの全労働者の医療費自己負担比率の平均は約32%なのに対し、GMのUAW組合員は、医療費の約7%しか自己負担していない。
会社が危機的状況に陥ってもこの調子なのだ。

③系列を嫌うため、自前の販売網を持たないこと。
規制を嫌う自由経済の本場だけに、自社系列の販社を持つなどという発想がない。

④アメリカの経済構造が、製造業から金融に収益が集中する体制に変わったこと。
実際、企業収益の30%が金融関連に集中しており、米国内では製造業の空洞化が
深刻になっている。

これに対し、日本企業の強みとは。

①トヨタのカンバン方式に代表されるように、生産ラインが極限まで効率化されている
こと。
必要なものを必要なときに、というジャスト・イン・タイムは有名である。

②ラインの効率化とコストダウンに対応できる関連企業の層が厚いこと。
乾いたタオルをさらに絞る、というトヨタに対応するため、下請けも徹底した合理化を進めている。

③トヨタ式の「チーム生産方式(Lean Production System)」が徹底していること。
これによって、生産現場レベルの努力で、生産効率のアップと品質の向上が図れる。
海外工場も例外ではない。

④労組が企業内組合で、会社に協力的であること。
たとえば、トヨタでは、史上空前の利益を上げているにもかかわらず、経営側がデフレ
からの脱却の遅れや、海外メーカーとの競争激化を理由にベアを議論する余地がないと言えば、ベア要求を3年連続して見送るほどである。
また、アメリカの日系メーカーでは、従業員の圧倒的多数がUAWに加盟することに反対しており、トヨタとGMの合弁会社NUMMIの工場以外はUAWに加盟していない。日系
メーカーの待遇が良いために労使関係が安定しているということであろう。

⑤自前の販売網を完備していること。
アメリカでは自前の販売網は持っていないらしい。しかし、日本車はプレミアムが付く
ほど人気が高いので、積極的に販売するディーラーが多い。

以上を見ると、今後ともアメリカ市場を日本車が席巻するのは間違いない。GMはトヨタに抜かれ、フォードはホンダに抜かれる可能性が高い。

ただ、本音を言えば、アメリカの工場や部品メーカーの方がゆとりのある人間らしい環境にあるような気もする。トヨタ式の効率一辺倒、利益至上主義が果たして幸せなのだろうか?という疑問は残る。
労組も、ないよりあった方が良い。

(参考記事)
WSJ-GM株が12年ぶり安値 UAWが医療保険費用削減に応じず
(ダウ・ジョーンズ) - 4月15日
ベア見送りを正式決定 トヨタ労組、3年連続(共同通信) - 2月14日
圧倒的な大差で否決 日産米国工場のUAW加盟
GMを誰が殺そうとしているのか。
GM、UAW、そしてランシング

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2005/03/13

M&A

M&Aとは、Mergers(合併)and Acquisitions(買収)の頭文字をとったもので、日本語では、「企業の合併と買収」という意味(まあ、みんなもう知っているだろうけど)。
今年は、この言葉が「流行語大賞」に選ばれるかも。それとも「ホリエモン」かな。
いまやワイドショーの華になった感すらあるニッポン放送の買収合戦。
俺は、フジとライブドアのどちらが勝とうとどうでもいい。
ただ、この合戦、けっこう教えられるところがある。
まず、堀江貴文という男、まだ32歳だが、なかなかのモンだ。その発想と行動力。
もちろん批判はある。
「ライブドアは、わずか一年のあいだに、1株を1万株に分割するような極端な『虚業操作』を行い、『虚像資産』を確保することで肥大した」
あるいは
「『時間外取引』という、別の目的で許容されていた株式取得の方法を通じて、ニッポン放送の30%に当たる株式を一日で取得した。このようなやり方は、法の隙間を突いた
手法とも云え本来の趣旨に反する」
等である。
いわゆる「道義に反する」「商業倫理に反する」という類の批判だ。
しかし、商売の道義や倫理に普遍性はない。時代や地域によって大きく違う。
むしろ、グローバルスタンダードからすれば、ライブドアの行動は当たり前のことであり、
ニッポン放送のフジテレビに対する新株予約権発行の方が異常と映ったのではないか。
取締役が株主を選ぶのではなく、株主が取締役を選ぶのだ、という株式会社制度の
当り前のことを無視したやり方が認められるはずもない。
それに比べれば、ライブドアの行為は、あくまでも東証の市場内取引であり、非難される筋合いのものではない。
要は、堀江氏のやったことは、、ほかの人間が思いつかなかった、あるいは、思いついても現実的な手段として考えられなかった、ということだろう。
つまり、上記のような批判を口にする連中は、頭も体も硬直しているのだ。
これに対し堀江氏には、既成概念に囚われない柔軟な発想と行動力がある、ということだ。
これらの批判は、自民党の古参幹部や伝統的な大企業の経営者に多いという。
日経新聞によれば、今回の「新株予約権発行差し止めの仮処分決定」に対する反応は、
「予想通りの結果だった。公正な判断だったと思う」という日産自動車のカルロス・ゴーン社長に対し、「多くの企業が今回の司法判断についてコメントを避けた」という。
そして同紙は、「日本の企業社会に根ざした独特の共同体感覚がある」と指摘している。
この感覚こそが、バブル崩壊以降の「失われた10年」を生み出した元凶ではないのか。
護送船団、横並び、株式の持合い等々、戦後の高度成長を支えてきた体制が、バブル崩壊を機に限界を露呈した。
それを変革しようとして、もがき苦しんだのが「失われた10年」ではなかったのか。
にもかかわらず、こんなヤツラが、こんな経営感覚がまだ生き残っている。その危機感の薄さに暗然たる思いがした。
フジテレビの日枝久会長、読売のナベツネを髣髴とさせる。
「どこの馬の骨かわからない若造など相手にできるか」という感じがありあり。
自分が時代に取り残された人間であることなど、微塵も感じていない。
だから、新株予約権発行は「放送の公共性を確保するため」などと平気で申し立てられるのである。
フジテレビの番組のどこに公共性があるんだ。
こんなヤツが巨大メディアに君臨している。
日本の未来は、まだまだ明るくならないと思う次第。
郵政相経験者である自民党の野田聖子議員が言ったそうだ。「感情論を別とすれば、今回の地裁の決定は妥当」であると。
政治家も、若い(40代以下)世代は、まともになってきたということか。
余談だが、ニッポン放送の亀淵社長。俺たちが若いころ、オールナイトニッポンでアンコウと人気を二分するスタージョッキーだったんだよな。通称「カメ」。えらくなったもんだ。

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