「移民の促進」を放棄しない限りTPPには反対!
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)をめぐる動きが加速してきた。
野田佳彦首相は、11月にハワイで開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議の際に「交渉参加」を表明するそうだ。
ところで、民主党のみならず自民党も主流派は「賛成」なのだが、両党ともかなりの割合で「反対派」を抱えている。
が、今の情勢を見る限り、おそらく「交渉参加」で押し切られてしまうだろう。
なぜなら反対派には大儀がないからだ。
なぜ大儀がないのか?
反対派は国内農業保護を掲げているが、そもそも農業生産のGDP比は0.9%に過ぎない。
しかも、農業生産額の3割を占める野菜の関税は既にほとんどゼロに近い(財務省貿易統計 実行関税率表)。
中にはコンニャク芋のような例外(関税率1706%)もあるが、農産物として生産され、市場に流通しているのは日本のみである。
主要農産物である小麦は9割以上が輸入品だ。
もっとも影響を受けると思われるのは関税率778%のコメだが、世界のコメのほとんどは日本人が食べない長粒種であり、品種転換は容易ではない。
こういう状況下で「国内農業保護」を掲げても説得力に欠ける。
私は農家の3男坊で、父親は全農福岡の理事だった。だから農民の気持ちは解る。が、一般国民に支持は広がらないと思う。
私は、真に食糧安保を考えるのであれば、「単純な反対」ではなく、この機会を利用して日本農業の構造改革を促進する政策を掲げるべきだと思う。
農協という既得権益団体に押されて「TPP反対」を叫んでいるのであれば、本末転倒である。
日本農業の国際競争力を高めるための施策と予算を政府に要求する、それが本来のあるべき姿なのだ。
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私はTPPに反対であるが、すべてがマイナスのように主張する連中には同意しない。
輸出産業にとって有利に働くのは間違いない。
「米国がドル安により輸出振興政策を志向すればTPPに参加しても日本の輸出は伸びない」という主張は、1960年代から現在に至るまでの日米貿易の実態を無視した「為にする議論」である。
自動車や家電などの耐久消費財に関して言えば、米国に国際競争力はなく規格も違いすぎる。
どんなにドル安になっても、米国の車や家電が日本市場に受け容れられるとは思えない。
食品や衣類などの非耐久消費財についても同じことが言える。
日本人と米国人は味覚に大きな相違があるし、衣類でユニクロに対抗できる米企業が存在するだろうか。
米国がドル安をテコに輸出振興政策を推進したとして、いったい日本に何を売ると言うのだ。
たとえドル安が続いても、輸出産業にとって関税は低い方が有利に決まっている。
もうずいぶん前だが、さくらんぼ(チェリー)が自由化された時の思い出がある。
スーパーには米国産のチェリーが山積みになっていた。
我が家も1パックだけ買ったが、それで終わった。
粒は小さいし、見た目は悪いし、味もまずい、こんなもの売れるわけがないと思っていたら、1か月で店頭から姿を消した。
チェリーは「cherry」であって「さくらんぼ」ではなかったのだ。
リンゴもそうだ。
米国産リンゴも早々に市場から姿を消した。
日本は「リンゴ」であって、米国は「apple」、まったく違う果物なのだ。
小さくて、不ぞろいで、味がすっぱくて、甘味に劣るappleを日本人が好むとは思えない。
コメに至っては論外だと思う。
10数年前、記録的な凶作で、政府はタイ米や米国産米を緊急輸入したが、結局、かなりの量が政府の倉庫に眠ったままで終わった。
とにかくまずいと言うか、私に言わせれば「コメ」ではない、「rice」なのだ。
まあ、菓子業界や外食産業にはある程度売れるかもしれないが、一般消費者には受け容れられないだろう。
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私は、TPPはプラスとマイナスのどちらが大きいかで判断すればよいと思う。
輸出産業にとってはプラス。
ただ、企業は潤うかもしれないが、今の雇用構造を考えると、その恩恵が国民に還元されるかは疑問が残る。
農業は、反対論者が言うほど打撃を被るとは思わないが、それでも日本農業の構造改革と国による支援は避けられないだろう。
果たしてこれがうまく行くのか?
医療等に関しては、公的保険が普及していない米国と国民皆保険の日本ではその制度が違いすぎる。
日本の制度を米国流に改めることなどありえない中で、米国の医療産業が日本に本格的に参入するとも思えない。
「米国主導のTPPの主要な狙いのひとつが、日本の国民皆保険制度を非関税障壁として解体し、代わりに医療分野に市場原理を導入すること」などというバカげた主張もあるが、論外。
そんな事態になったら暴動が起きるし、そのとき、私は先頭に立つ(笑)
金融に関しては、またぞろ「TPPは年次改革要望書の復活であり、郵貯かんぽのカネを収奪する」などという主張が散見されるが、性懲りがない、という感想しかない。
もう異常と言ってもよいレベル。
米金融資本がどうやって「郵貯かんぽのカネを収奪する」のか?説得力のあるプロセスを明らかにせよ、と言いたい。
銀行に関しては、私はまったく心配ないと思っている。
確かに日本のメガバンクは国際競争力に劣る。
が、これは1980~90年代初頭のバブルに懲りて積極的にリスクを取らないからだ。
が、逆に言えば、それだけ「安全」ということでもある。
リーマンショックの時を振り返れば、それがよく解る。
ただ、日本のメガバンクが現状のままでよいとは少しも思わない。
TPPに関しては、「価格の低い商品が今以上に輸入されてデフレがさらに進んでしまう」という主張もある。
が、これもどうかと思う。
デフレを世界中に輸出しているのは中国であって、TPP参加予定国に中国ほどの力がある国はない。
むしろ日本企業の海外生産拠点が中国から参加予定国のベトナムやマレーシアに移転した方が日本の国益に適うのではないか。
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私は、ネットを徘徊している「TPP反対論」の大半はプロパガンダだと思っている。
反米主義者か売名狙いか、そのどちらかとしか思えない。
しょせんその程度の連中だから言ってることに説得力がないし、政治を動かすだけの影響力もない。
が、だからと言って私はTPPに賛成ではない。
私がもっとも危惧するのは「人の移動の自由」である。
これは杞憂ではない。
経団連は「移民の促進」を掲げ、もうずいぶん前から政治的動きを強めている。
彼らは「移民の促進」の理由として、「成長力の強化」「未来世代の育成」「経済社会システムの維持に必要な人材の活用と確保」の3点を挙げている。
言ってることはもっともらしいが、その裏に隠されているのは低賃金者の獲得である。
経団連は「人口減対策に早急に取り組まなければ、若い世代の将来不安は解消しない」と言うが、それは逆である。
今でさえ非正規雇用者の増大がもたらす社会的ひずみが問題になっている。
非正規雇用者は既に全雇用者の 1/3 を占める。
そして賃金は、パート等の短時間者を除いても正規雇用者の約半分に過ぎない。
こういう状況下で低賃金の外国人者が何百万人も押し寄せたらどうなるのか。
「未来世代の育成」どころではない。
経団連の米倉弘昌会長は今年1月に、少子高齢化に伴う人口減に対応するためには「移民の受け入れが解決策だ」と述べ、「シンガポールのケースが参考になる」と指摘した。
が、そのシンガポールが既に移民抑制策に転じているのだ。
理由は、外国人(単純者)の急増に対する国民の不満が高まったからである。
元々が移民の国で、多民族国家のシンガポールにして現実はこれなのである。
ほぼ単一民族に近く、均質社会である我が国に移民がなじむとは到底思えない。
参照:「移民の受け入れ」に断固として反対する! 2011/01/24 依存症の独り言
私に言わせれば、移民の大量導入は日本の文化と社会に対する破壊行為であり、反国家的策謀である。
企業が利益を追求するのはもちろんだが、その結果、国民が不幸になるようではその国は滅ぶ。
企業あっての国民ではない、国民あっての企業なのだ。
履き違えてはならない。
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TPP反対がネットで声高に叫ばれる中で、「人の移動の自由」≒「移民の促進」に言及する人は少ない。
何でもかんでも「米国が…」である。
まるで「米国の米国による米国のためのTPP」と聞こえる。
が、そんな言い分が多数派を獲得できるわけがない、断言する!
「移民の促進」反対、つまり職を移民に奪われる、異文化で育った人たちが百万人単位で押し寄せて来る、という点をもっと強く打ち出せば、TPP反対はもっと国民の支持を獲得できるはずである。
にもかかわらず、相変わらずの「米国が…」である。
こういう連中は、きっと何か他の意図を持っているとしか思えない。
私は、「人の移動の自由」に厳格な制限が設けられ、農業の構造改革とその支援策が明確に提示されればTPPに賛成である。
が、それがなければ「絶対に反対」だ。
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