中国崩壊シリーズ

2008/01/20

草の根の抵抗と凶暴な中共

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       中国はジャーナリストにとって世界最大の監獄   国境なき記者団

北京オリンピックと空前のバブル経済に沸く中国だが、オリンピック景気やバブルの恩恵に無縁の人々の間で、今、中共体制への抗議・抵抗が静かに拡大しているようだ。
昨年までは、失地農民を中心とする暴動・騒乱が中心(年間8万件以上)だったが、今年に入って目にするニュースを読むと、抗議・抵抗の手段がネットや海外メディアを利用する、あるいは正式に法的手続きを踏む、などの形に変わってきていることが分かる。

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以下は、目に付いた記事からの引用である。

中国の湖北省天門市で今月7日、地元建設会社幹部の魏文華さん(41)が都市管理局の取り締まり隊員による民衆暴行を携帯電話で撮影したところ、袋だたきに遭い死亡したことが報じられ、波紋を広げている。米国のCNNテレビが、「都市管理局は露天商の取り締まりや交通整理などが任務だが、市民へのひどい仕打ちでも有名」と報じるなど、今回の事件は外国メディアの注目も浴びている。

魏さんは事件当日、天門市内で乗用車を運転中、都市管理局の取り締まり隊員50人余りがごみ投棄反対デモを繰り広げていた市民を殴打している場面を目撃し、携帯電話で写真撮影を始めた。ところが、それに気付いた取り締まり隊員から5分間にわたり暴行を受け、現場で意識不明となり、病院に収容されたが死亡した。

~中略~

中国の大手ポータルサイト、新浪網に掲載された魏さんに関する記事には、17日午後までに10万件の書き込みがあり、「都市管理局員はマフィアよりたちが悪い」などという批判が集中した。

中国政府は今回の事件を受け、天門市職員一人を解雇し、100人余りに対する取り調べを進めている。CNNテレビは、過去には都市管理局員との衝突が起きても被害者は泣き寝入りだったが、インターネットが普及したことで状況が変わったと報じた。

役人の暴行撮影した市民、袋だたきで死亡 (朝鮮日報)

【ロンドン=木村正人】26日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)によると、中国で、複数政党制による民主的選挙を求めて南京市の元大学教授が新党「新民主党」の結成を宣言した。また陜西、黒竜江、江蘇の3省と天津市では、農民らがインターネット上で、地方当局に収用された土地の返還を要求している。同紙はこれらの動きについて、「中国共産党の独裁支配に対する2つの挑戦」として、当局が農民らを拘束するなど警戒を強めていると伝えた。

~中略~

一方、今月12日、北部の陜西省で、農民7万人を代表して農地など1万ヘクタールの所有権を主張する公開質問状をネット上に掲載した3人が4日後の16日、国家転覆扇動の疑いで拘束された。その約1週間前には、東北部の黒竜江省で、小作農4万人を代表して10万ヘクタールの土地の返還を要求した指導者が拘束されている。

~後略~

中国で「新民主党」結党を宣言 地方では土地返還要求運動 (産経新聞)

【北京=野口東秀】「海外メディアと接触するな」-。北京の当局者は、国家政権転覆扇動容疑で逮捕した男性A氏を釈放する際、こう警告したという。昨年12月に同容疑で逮捕した著名な民主活動家の胡佳氏(34)の妻は軟禁され、外部からの連絡・接触はほぼ不可能だ。いずれも海外メディアとの接触を断つためとみられ、他の活動家に対しても同様の措置が講じられている。北京五輪が近づくにつれ、活動家への締め付けが一段と強化されているようだ。

A氏は五輪に向けた再開発で自宅を強制撤去され、これに抗議していたが、昨年9月に国家政権転覆扇動容疑で逮捕され、「公安局の秘密の場所に拘束された」(同氏)後、今月初旬に釈放された。

釈放は「起訴できる内容がないから」(A氏)だという。拘束中、海外メディアとの接触や五輪反対の文書のインターネット上での掲示に関連、当局者は「おまえは国家(の顔)に泥を塗っている」と批判した上で、「売国奴だ。五輪を持ち出すな。五輪はとても敏感(な問題だ)。(家屋の強制)撤去は撤去。五輪と結びつけるな」と強調。さらに「取材を受けるな、文章を発表するな、(地方からの農民ら)陳情者と交流するな。(警告を)聞かないならいつでも拘束する」と警告したという。

~後略~

北京当局、活動家に「五輪は敏感。メディアと接触するな」 (産経新聞)

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以上の記事を読まれて、どう思われたであろうか。
たまたま通りかかって、都市管理局員による暴行現場を撮影しただけで殴り殺される。言葉を失うほどの凶暴さ、まさに「都市管理局員はマフィアよりたちが悪い」。
この都市管理局員や警察官の、民工(出稼ぎ労働者)など法的立場の弱い人たちに対する暴行・恐喝は日常化していると言われる。
しかし、インターネットが普及したことで被害者が泣き寝入りしなくなった、これだけでも大きな変化である。中共の、人を人とも思わない専横ぶりも、段々と通用しなくなっていくだろう。

それにしても、二束三文で取りあげられた土地の返還要求を、ネット上で公開しただけで「国家転覆扇動」の疑いで逮捕される。自宅を強制撤去されたことに抗議し、海外メディアと接触、ネット上に「五輪反対」の文書を掲示しただけで「国家転覆扇動」の疑いで逮捕される。
北京オリンピックに向けて華やかに変身しつつあるかに見える中国だが、その中身は相変わらず「暗澹たるもの」ということだ。

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ところで気になるのは、上記の3本の記事のうち、2本が欧米メディアからの引用という点だ。
なぜ、わが国のメディア(産経新聞を除く)は、もっとこのような中共による人権弾圧を報じないのだろう。
メディアは本来、基本的人権の侵害には敏感なはずだ、国の内外を問わずに。
記事を読めば分かるように、中共当局は海外メディアとネットを恐怖している。ということは、わが国のメディアが報道することは、中共による人権弾圧に対する大きな牽制になるはずだ。
おそらく日本のメディアは、文化大革命当時に、朝日新聞を除いて「追放処分」にあったことがトラウマになっているのかもしれない。
しかし、隣国で起きている深刻な人権弾圧を報じないということは、メディアの責任放棄とも言える。

※産経だけではなく、昨年までは讀賣新聞もけっこう上記のようなニュースを報道していたのだが、今年に入ってプッツリ。やはり間近に迫った北京五輪に配慮しているのだろうか?

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産経新聞の福島香織さんによると、土地を強制収用された農民たちは、当局側の村長を解任し、民主的な選挙で自治組織をつくり、農地を奪還をしていく運動を進めているそうだ。ネット上にも主張や情報を公開し、全国的な支持を仰いでいる。
このような行動は、民主活動家の地道な支援と指導によるものだろう。だから中共当局は、民主活動家の拘束・隔離に躍起になっている。
ちなみにネット上で公開された情報は、ブログや掲示板上のコピー&ペーストによって、またたく間に広まっているそうだ。

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中国の農民たちは抗議・抵抗に立ち上がった。これは中国民主化への第一歩と見て間違いない。
今までの歴史を振り返ると、国が豊かになると民主化に向かう傾向が強い。が、ただ豊かになるだけでは政治体制は変わらない。アラブや中央アジアの石油成金の国々を見ればそれが如実に解る。
つまり、カネが入っただけでは意識は変わらないのだ。
やはり、工業化の進展による人口の流動化、様々な階層の出現と分化、これによって生まれる多様な価値観と利害関係、これが、豊かになるにつれて「自由への欲求」として噴出するのだ。

中国では「改革・開放」によって一部の富裕層とかなりの規模の中産階層が生まれた。が、まだ大部分は貧しいままだ。ただ、この貧しい、取り残された層にも、社会の近代化によって様々な情報が伝わるようになった。
都市と農村の格差、沿海部と内陸部の格差、都市部の持てる者と持たざる者の格差、一部企業家と共産党官僚の癒着、共産党官僚の特権と底なし沼のような腐敗・堕落、これらの情報が全国的に知られるようになった。
教育レベルも上がり、共産党官僚、大企業家、中小企業家、零細企業家、ホワイトカラー、労働者、出稼ぎ労働者(民工)、富農、貧農、大商人、小商人、知識人、学生、中国社会も様々な階層に分化されてきた。昔のような共産党官僚、労働者、農民、零細商工者、党の御用知識人という単純な構成ではなくなっている。

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社会の急速な変化によって表れた民主化の要求、あるいは失地農民や環境汚染に苦しむ人たちの抗議の動き、中共はこれらを強権によって抑え込んで来た。
が、これらの、水が川上から川下に流れるような動きを人為的な力で止めることはできない。
それを中共指導部も解っている。だから経済成長至上主義からの脱却と、「調和のとれた持続可能な発展(科学的発展観)」を繰り返し強調し、国民の信頼をつなぎとめようとしているのだ。
が、現実は遅々として進まない。地方の特権官僚が党中央の指示に従わないのだ。どこまで行っても経済成長至上主義。成長率は毎年10%を超え、不動産も株も高騰、農地の強制収用も後を絶たない。
それでも中共は、工業化の進展、経済の発展に伴う体制の近代化を避けては通れない。

昨年10月に施行された物権法がその典型だろう。この法には、私有財産権保護が盛りこまれ、農地使用権(農地請負経営権)も用益物権として位置づけられ保護の対象となった。農地の収用は、あくまでも「公共の利益」を目的とし、なおかつ、農民に対する土地補償、移転補償、社会保障を十分に行うことが規定された。
農民たちが、この法律によって勢いを得たのは間違いない。特権官僚たちがこの法律を有名無実化しようとすれば、国民の党に対する信頼はなくなるばかりだ。

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では、中国は驚異的な経済発展によって豊かになった、様々な階層が出現・分化した、経済発展に合わせて「法」も整備されてきた、だから民主化される、のだろうか?
答えは「否」である。
私は、かつて「血で獲得した政権が中国共産党だ。政権を転覆させたいなら、相手は血の犠牲を払うしかない」という中共関係者の言葉を紹介した。
民主化は共産党官僚にとって「死」を意味する。特権を失い甘い汁を吸えなくなる。
だから党中央が「調和のとれた持続可能な発展」を強調しても、特権官僚たちは無謀でいびつな経済成長至上主義にこだわるのだ。

株や不動産の高騰に象徴されるバブルは、いつか必ず崩壊する。環境を破壊し、資源をがぶ飲みする無謀極まりない経済成長も遠からず行き詰る。
それによって大打撃を被るのは直接的には中国の金融機関だが、もっとも深刻な被害を受けるのは都市の中産階層であり、中小・零細企業家であり、貧しい出稼ぎ労働者(民工)たちである。

現在でも「今ほど共産党が恨まれている時はない」と言われるほど、中共は怨嗟の的になっている。これにバブルの崩壊と経済の失墜が加われば社会は大混乱に陥るだろう。
で、この大混乱が民主化の方向に収束されるかというと大いに疑問なのだ。
その最大の理由は、人民解放軍が「国家の軍隊」ではなく「党の軍隊」であるからだ。「国家の軍隊」であり、シビリアンコントロールが機能していれば、軍も国民に銃口を向けることに躊躇する。が、「党の軍隊」であれば、国民の窮状など関係がない。平気で国民に向かって発砲する。それは、昨年のミャンマーの例を見ればよく解る。
もう人民解放軍自体が巨大な利権集団になっている。中共と人民解放軍はメダルの裏表なのだ。だから民主化は、彼らにとっても「死」を意味するのだ。

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中国共産党(中共)が中国を支配する正統性は二つしかない。
一つは、中共が列強による支配(特に日本の侵略)から中国を解放したということ(だから反日意識を煽る)。
もう一つは、中共の指導によって国家が繁栄の道を歩み、国民も豊かになりつつあるということ。
が、中共が煽る反日意識も、経済の崩壊による国民生活の窮状が現実になれば、何の効果も発揮しない。逆に「反日」が中共に対する鬱積した憤懣に火をつける可能性の方が高い。

つまり、バブルが崩壊し、経済が失墜すれば、中共が中国を支配する正統性は二つともなくなってしまうのだ。

朝日新聞の編集委員・山田厚史氏は、かつて次のように書いた。

13億人の中国が混乱すれば世界が揺さぶられる。最大の問題は失業だろう。高成長の現在でさえ3億5000万人の「不完全就労」がある、と推計される。高成長が挫折すれば、億単位での失業の増加も予想される。職を失った人が周辺のアジア諸国に流出し、人口流動に拍車がかかる。
08年の北京五輪、10年の上海万博までは成長は持続する、と見られているが希望的観測の域をでない。桁外れに大きな隣国の混乱は他人事では済まない。

人民元切り上げ問題がはらむ中国リスク(AERA 2005年5月16日号・抜粋)

風船はパンパンになるまで膨れあがり、極限の状態になったところで、「針の一刺し」で完膚なきまでに破裂してしまう(讀賣新聞中国総局長・藤野彰氏・当時)。
バブルを軟着陸させようとすれば人民元を大幅に切り上げざるを得ない。人民元を大幅に切り上げれば経済が持たない。かといって、バブルを放置すれば傷口はますます大きくなる。今でさえ脆弱な中国の金融機関は、天文学的な額の不良債権を背負い込み、奈落の底に落ちる。

つまり、下部構造が市場経済で上部構造が共産党独裁という、本来ならありえない今の中共体制は必然的に崩壊するのだ。
社会主義という計画経済(統制経済)なら、政治が経済を支配できる。が、市場経済は政治が介入できる幅が極めて狭い。下部構造が抱える矛盾を、政治が強制的に抑え込んでも矛盾が深化するだけなのだ。

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確かに中国では、農民を中心に、今の中共体制に異議を唱える動きが強まっている。
既に、2005年秋に広東省太石村で「民主化の小崗」(注-1)と呼ばれる農民の行動があった。
当局側に立つ村長が農地を不当に奪ったとして、村民たちが法に則ったリコール運動を展開し、罷免寸前にまで追い込んだのだ。それまでの「実力行使」や「直訴」と違うこの農民たちの行動は、彼らの政治的成熟を物語っている。

結局、民主化の「星火」になると期待されたこの運動は、最後は当局側の理不尽で強圧的な対応の前に挫折する。が、土地を強制収用された農民たちが、当局側の村長を解任し、民主的な選挙で自治組織をつくり、農地を奪還していく運動を進めている「今」につながっている。
そして、この農民たちの運動はネット上では全国的に支持されている。

ちなみに中国では、「村」レベルでは、全国66万カ所以上(2005年)で村長選挙に直接選挙を導入している。が、当局の干渉が激しく、実際は共産党の傀儡村長がほとんどである。

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中国では草の根レベルで「民主化」の動きがある。が、それは中共が絶対に許さない。
太石村の場合も、村民たちの運動に対し、中央政府は調査チームを送り込んだ。が、その後の対応は、運動に対して広がる支持を封じ込めるものだった。理由は「腐敗が省幹部らに及ぶことが分かったため」だと言われている。

やはり、「政権を転覆させたいなら、相手は血の犠牲を払うしかない」ということだ。

(注-1)「民主化の小崗」
安徽省は1978年、百年ぶりの大干魃(かんばつ)に見舞われ穀物生産は壊滅。農民たちは続々と上海などに物ごいに出た。被害を大きくしたのは、農民の労働意欲を奪った人民公社という集団経済制度だった。
同省鳳陽県の小崗村。村の二十戸からなる生産隊(人民公社の末端単位)の二十一人は同年暮れ、死中に活を求め密約を結ぶ。生産隊の田畑を各戸に分割、それぞれが生産に責任を持つ請負制の取り決めだ。人民公社制への反逆だった。
当時の華国鋒政権は通達で請負制を禁じ、党機関紙「人民日報」が批判キャンペーンを展開。これに対し、安徽省の万里・党第一書記(当時)は「人民日報は農民を食わせられるのか」と小崗農民を支持した。
79年、小崗生産隊は平年の四倍という穀物大増産を達成。80年5月、既に政権の実権を掌握していた鄧小平氏が高く評価したのを機に請負制は全国に広がり、やがて人民公社は崩壊する。

参照:【中国を読む】農村から民主が始まる

関連エントリ
1:中国【民主化の小崗】挫折
2:中国:農村から起こる地殻変動

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2008/01/08

平成も早20年、そして今後は

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今年は平成20年。
個人的にも社会的にも変化の激しい、激動の19年間だったように思います。

バブル景気、55年体制崩壊、細川・非自民連立政権、村山・自・社・さ連立政権、バブル崩壊、未曾有の大不況・大リストラ、金融ビッグバン、変人・小泉純一郎首相誕生、郵政民営化、景気の劇的な回復、非正規雇用者の急増、教育基本法改正と国民投票法制定、

まさに、昭和が終わったときには想像もできなかったことばかりが続きました。
行政指導・横並び・護送船団、年功序列・終身雇用・ベースアップ、もう死語に近いですね。

生活環境も変わりましたね。
携帯電話とインターネットの急速な普及と進歩―これこそ変化の最たるものでしょう。もう“驚異”と言ってよい。

で、世の中よくなったのか、悪くなったのか。
能力のある者が相応の対価を得やすくなった、という点は、可能性を追求しやすい社会になったという意味で評価できます。が、一方で雇用環境が不安定になった、という点は、将来に不安を感じやすい社会になったという意味でマイナスかもしれません。
家族の絆が弱くなり、家庭内の虐待や親による子殺し、子による親殺しなども増えましたね。でも、社会に無償で貢献したいという善意の人たちが老若を問わず増えているのも事実です。

中国や韓国・朝鮮の理不尽な要求に国民・とりわけ若い人たちが疑問(怒り)を抱き始めたのもよい傾向でしょう。自衛隊に対する評価も昭和の時代とは様変わりです。
が、一方で「日中友好が第一」「慰安婦に謝罪を」「憲法を世界遺産に」などという、相変わらずの化石的思考から抜け出せない人たちもいます。

世の中、やはり分化しつつあるんですかね。
いずれにしても、「行政指導・横並び・護送船団、年功序列・終身雇用・ベースアップ」という、世界に冠たる“日本株式会社”はもうありえないのですから、そして一国平和主義もありえないのですから、自分が置かれた、あるいは自分が選んだポジションで精いっぱい頑張るしかない、個人も国も、そして思いやりの心を失わないことが大事―そう思います。

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ところで、日本も変わりましたが世界はもっと変わりましたね。
しょっぱなが「ベルリンの壁」崩壊。
それに続くソ連崩壊と東欧圏の民主化、ユーゴ内戦・民族浄化、イスラム過激派の世界的台頭、9.11テロとアフガン戦争・イラク戦争、中国の台頭と経済のグローバル化、
いや、すごい変化ですよ。
世界を2分していた共産圏が崩壊し、ロシアや中国もグローバリゼーションの波に乗る、そしてイスラム過激派が公然と唯一の超大国・米国を攻撃する、
これも、昭和の終わりにはまったく予期できなかった出来事です。

で、世界はよくなったのか、悪くなったのか。
これは「悪くなった」とはっきり言えます。
まず、中国の台頭。
これ自体は非難されるものではないのですが、その無軌道・無秩序な膨張のため世界中に混乱が拡散しています。
デフレと失業の輸出、底なしの環境破壊、資源の浪費による国際価格の急騰、世界最速レベルの軍拡などなど、この国の成長がもたらした負の側面は極めて大きい。
得をしているのは中国共産党の幹部とその周辺、あとはグローバル企業とハゲタカファンドくらいですかね。

それから、ソ連崩壊で“傲慢な米国”がさらに傲慢になった。
これも「悪くなった」と言える理由です。
自らの価値観を力で世界に押し付ける。これが世界を不安定にさせている大きな要因の一つ、間違いありません。
しかも、「イスラエルによる中東支配」という夢を成就させたい勢力が中枢に巣食っているから手に負えません。
確かに「テロは悪」だし、許せませんが、米国の中東政策がテロを助長している側面も否定できません。
まあ、わが日本はこの国に安全保障を頼っていますから、正面から非難できないという面はありますが―情けないけど・・・

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米国はポスト・ブッシュで大きく変わりそうですね。
共和党が継いでも、民主党に変わっても、もう世界の警察官として単独主義を貫く、というのは限界でしょう。
そういう点では、中東情勢も多少は変わるかもしれません。
ただし、テロがなくなるとは思えませんが。

じゃあ、中国はどうなのか?
讀賣新聞の1月6日付社説中日新聞の1月8日付社説が興味深い。
どちらも中共率いる今の中国には悲観的ですね。
まあ、讀賣はもともと「反共」ですから驚きませんが、東海地方で圧倒的なシェアを誇り、あの朝日新聞よりもっと左寄りの中日新聞(≒東京新聞)が中共体制を批判するのは異例です。

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両紙とも、中国の大国としての台頭がいちじるしいことを挙げ、その象徴が北京オリンピックの開催であるとしています。が、この台頭いちじるしい新興大国が、その内部に大きな矛盾を抱えていることも同時に指摘しています。

讀賣新聞は、①格差拡大②汚職のまん延③底なしの環境汚染など、社会不安の種が尽きないとし、とりわけ異常なまでの過熱ぶりを見せるバブル経済への懸念を表明。

そして、

胡錦濤政権は昨年末、過熱経済の制御とインフレ抑止を今年の最優先課題とする方針を決めた。当然の措置だが、問題はその方針を徹底できるかどうかだ

と問題提起し、

だが、地方政府は地元利益を最優先し、中央政府の指示を無視する傾向が強い。今回の引き締め策も地方政府の面従腹背で空回りに終わる可能性がある

と、中央政府(胡政権)のバブルを軟着陸させる能力に疑問符を付けています。

ご承知の方も多いと思いますが、中国の金融システムはいまだ脆弱です。1990年代初頭のバブル崩壊時のわが国金融機関とは比較になりません。
そんな脆弱な中国でバブルが崩壊したら、金融システムは壊滅的な打撃を受けるでしょう。
そして、それが世界経済に及ぼす悪影響は計り知れない――讀賣新聞の論説委員はその点を憂慮しているのです。

讀賣新聞は次のようにも指摘しています。
人権問題など意に介さない露骨な資源外交、19年連続2けたの伸びで増え続ける軍事費と急速な軍拡が世界から不信を招いている、と。

そして最後は、

経済、政治、軍事など、あらゆる分野での中国の膨張が、地域や国際社会の大きな不安定要因となっている。「中国問題」は、ますます国際社会全体の中心的な課題となっていくだろう

と結んでいます。

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中日新聞は、というと、中国の政治・経済両面における国際的存在感の大きさを指摘した上で

日中関係、中国と周辺世界の将来は手放しで楽観できません。中国の国防費は公表分だけでも19年連続で二けたの伸びを続け、07年には、日本の07年度防衛予算を上回りました。軍事力の透明性が他国に比べ低いのも気掛かりです。「鉄砲から国家権力が生まれた」(毛沢東)国柄で軍は政治に強い影響力を持ちます

と、讀賣同様、その軍事的急膨張に懸念を表明しています。

そして、

急速な経済成長に加え単位あたりのエネルギー消費が多い粗放的な発展を遂げたため、資源の消費が急増し1993年から石油純輸入国となりました。中東のみならずアフリカ、中南米でも、エネルギー獲得の強い衝動に駆られています。

二酸化炭素の排出量が米国を抜いて世界一になったといわれますが、温室効果ガス削減には発展途上国として先進国と異なる扱いを主張しています。大気や水の汚染も深刻で進行する砂漠化が日本などへの「黄砂」の急増として影響しています。

深刻なのは国内の急激な格差の拡大です。「世界最大」(中国社会科学院)という都市と農村の所得格差は縮まらず1億2千万という出稼ぎ農民の労働条件は劣悪です。人口の7割を占める農村住民、都市の貧困層に対する医療や養老の保障は緒に就いたばかりです。人口の老齢化が始まる2020年前後から年金問題が中国を揺るがす深刻な問題になると指摘する研究者もいます

と、讀賣同様の資源・環境・格差の問題を列挙。

この大国の持続的発展と将来の安定には疑問符が投げ掛けられています。中国の政治的、経済的存在感は改革・開放以前とは比較にならないほど高まっており、国内が乱れれば中国の内政が東アジアの安全保障問題にもなりかねません

と、中共体制の危機がもたらすであろう悪夢を指摘。

まあ、さすがに中日新聞だから、最後は、悪夢を避けるために日中が協力して問題を克服すべきであるとしていますが、全体のトーンは暗くて悲観的。

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やはり、これからの世界も大きく変わること間違いなし、ということです。
それも悪い方に。

米国は多少は控え目になるでしょうから、問題は中国ですね。

讀賣の「『中国問題』は、ますます国際社会全体の中心的な課題となっていくだろう」という指摘はズバリですし、ヒラリー・クリントンの「米中関係は世界で最も重要な二国関係」というのも理解できます。
きっと、彼女は中国と心中したいのでしょう(笑)

わが国は、「敬して遠ざける」で行くべきです。
平成を平穏な時代にするためにも。

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2007/10/16

“科学的発展観”は和諧社会を実現できるのか?

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       中国はジャーナリストにとって世界最大の監獄   国境なき記者団

はじめに

最近、エントリの更新頻度が落ちていることについては理由があります。
昔からの読者の方は気付いているかもしれませんが、ころところのエントリ、私自身から見ても明らかに質が低下しています。
昨年、一昨年と今年を比較してみると、その差は歴然ですね。

なぜか?
それは時間的制約もありますが、何より意欲が減退していることが大きい。

ブログといっても、私の場合は単なる日記や雑記帳のたぐいではなく、己の生き様に基づいた意思表明であり、私自身の人間性の発露でもあります。
だから、エントリひとつを書くにしても、けっこうしんどいんですね。
まず、書きたいという意欲が湧いてこないことには筆が進みません。

私の場合、まず書きたいという意欲に突き動かされ、そしてテーマが生まれてきます。
テーマは、日常の中にもあるし、過去の軌跡の中から見出されることもあります。ただ、そこには常に「思考」というものが働いていなければなりません。
意欲が湧いてきて、テーマが見つかって、そこからテーマに関連した様々な記事・情報を読みます。で、あるべき結論を見出す。
次に文章全体の構想を練ります。そして構成を考える。
これが私のブログです。

こういうエントリの手法は、相当なエネルギーと時間を要求されます。昨年までのエントリは2~3時間を要するのはざらで、中には4~5時間を費やしたこともあります。5000字を超えるものも珍しくありませんでしたしね。
それに意味があいまいな単語は辞書を引いたりもしますから、なおさら時間がかかるのです。

正直に言って、今の私には、そこまでの意欲と時間がありません。
どこかの記事を引用して10行程度のコメントを付け加えるのなら容易いでしょうが、それを許さないんですね、私自身が。
また、ブログを義務的に更新するというのも苦痛にしか感じられません。

だから、今後しばらくは更新頻度が下がると思います。また、質、量ともに過去のものには及ばないかもしれません。

それでも、ご来訪者数が多いと励みになりますので、今後とも、よろしくお願いします。

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“科学的発展観”は和諧社会を実現できるのか?

中国共産党第17回大会が15日午前、北京の人民大会堂で開幕した。
胡錦濤総書記(国家主席)は、党中央委員会報告(政治報告)で、調和のとれた持続可能な発展を目指す戦略思想「科学的発展観」を党の路線として全面的に推進することを宣言した。
これは、鄧小平~江沢民の時代に前面に掲げられた「経済成長至上主義」からの決別を意味する。

「科学的発展観」は「調和の取れた文明型経済モデル」と言い換えることができる。これの行き着くところが、中共中央が掲げる「和諧(わかい)社会=調和の取れた社会」である。
もう少し具体的に言うと
①エネルギーの消費効率を改善する
②リサイクル経済を発展させる
③環境問題を解決する
④農村部の所得を引き上げ、三農問題(農業・農村・農民)を解決する
⑤地域間・階層間における不均衡を是正する
ことである。

以上を見ると、「科学的発展観」のめざすところは正しい。やはり、胡錦濤以下の中共首脳はバカではないのだ。このままでは、早晩、中国が行き詰ることがわかっている。

昨年3月の全国人民代表大会(全人代=国会)で採択された第11次5か年計画(2006~10年)では、以下の点を中国が抱える重大な問題として指摘している。

①経済構造が不合理で、自主的革新の能力が低く
②経済成長方式の転換も遅れており
③エネルギー資源消費量が過大で、環境汚染が深刻化していること
④雇用における矛盾がかなり突出していること
⑤投資と消費の関係がアンバランスであること
⑥都市部と農村部、地域間の発展のギャップ及び一部の人たちの間における所得
  格差が引き続き拡大していること

つまり、国内総生産(GDP)は世界第4位(2005年)に躍進し、世界最大の外貨準備高と貿易黒字を誇る中国経済も、一皮むけば外資依存、輸出偏重。国内産業は生産性が低くて技術革新力に乏しく、労働集約型産業の割合が高い―ということだ。
また、高い経済成長も投資主導、輸出依存型で、消費主導、内需依存型にはほど遠い。だから元高圧力が止まらず、その圧力をかわすための為替介入が国内に逆流しバブルの原因になっている。
エネルギーの消費効率も、国内総生産(GDP)ベースの一次エネルギー消費は日本の約8倍に達するほどの“資源がぶ飲み型”。環境投資もほとんど行われておらず、有害な煤煙や有毒な工場排水は垂れ流し状態。
炭鉱や都市部の労働現場では、1億人を超えるといわれる出稼ぎ農民(民工)が、何の保障もないまま低賃金の過酷な労働を強いられている。
一方で、実体経済以上に株や不動産が高騰し、投機が投機を呼ぶバブルが過熱している。そしてロールス・ロイスやベンツを乗り回す富豪が続々と誕生する陰で、電気もガスも水道もない農村が数多く存在し、1日の収入が1ドル(約118円)未満の貧困人口を1億7千3百万人も抱えている。

第11次5か年計画が指摘した問題をより具体的に書くと以上のようになる。

そのような状況下、今、中国社会でどのような事態が進行しているか。
国民の3分の2(66%)が無保険な上、医療費が高額なため医者にかかれない。業者と結託した当局(地方の党・政府)に涙ガネで土地を取り上げられた失地農民は全国で4千万人以上。毎年200万人以上のペースで増加中。労働環境が劣悪なため、2005年の労災事故は69万1,057件で労災死者は11万9,827人に上る。
結果、1994年は約1万件だった民衆による暴動・騒乱が2005年は8万7,000件にまで達した。
一方で、中国では年間、5兆円以上の公費が役人の飲み食いに費やされる。公用車も400万台以上にのぼり、その維持費は6兆1000億円。

これに対し、当局幹部も「環境汚染がこのまま続けば持続的成長は困難」「水も空気も人命にかかわるレベルにまで汚染されている」「今ほど共産党が憎まれている時代はない」と危機感を募らせている。

が、第11次5か年計画が採択されてから1年半を経過しても何の解決の兆しも見えない。
5か年計画では「和諧社会」を実現するための望ましいGDPの年平均成長率を7.5%に設定した。にもかかわらず、全国各レベルの地方政府は、中央政府の指標を30~60%も上回る目標値を策定。その結果、昨年も今年も、中国の経済成長率は10%を軽く超え、株や不動産の相場はますます過熱している。貿易黒字も増える一方だ。
胡錦濤が、5年に一度開かれる党大会の政治報告で「科学的発展観」を強調し、党規約に明記することにしたのも、このような現実が背景にあるからだ。

なぜ、党中央が「今のままでは先がない」と認識・自覚しているのに事態が好転しないのか。
以下は、昨日の讀賣新聞(東京・夕刊)に載っていた関連記事(抜粋)である。

「土地、権限を握り、絶対的な力を持つ」(中国筋)各地の権力者の多くは民生を軽視し、数千万の農民が土地を奪われ、膨大な数の都市住民が職や家を失った。「高所得者層の上位10%と、低所得者層の下位10%の差は55倍」との推計が出るほど格差が広がった。

何億もの低所得者層があふれる中、株式、不動産市場はバブル状態にある。低所得者は年金までそこにつぎ込んでおり、バブルが崩壊すれば社会不安に直結する。貧困層を直撃するインフレは、社会を揺るがす大きな要因だ。河川、大気、土壌は汚染され、「持続可能な成長」どころか、住民の生命が危険にさらされている地方も多い。

党関係者は「党に対する民衆の恨みはかつてなく強まっている」と話す。党はこれまでも急成長の矛盾解消を強調してきた。だが、もはや小手先のスローガンでは安定は守れない状況になっている。

胡総書記は報告で「科学的発展観を経済社会の各方面に徹底させなくてはならない」と強調した。ただ、これは極めて難しい。「成長至上主義の最大の受益者は党」(共産党筋)であるからだ。

川を汚す企業を黙認する有力幹部を解任できるか、指導者の親族が経営参加する企業の不正を取り締まれるか、高級幹部に裏金や別荘を提供してきた不動産開発業者との縁を断ち切れるか――成長至上主義との決別の難しさは、そのようなところにある。

社会の安定に危機感 急成長のひずみ、弱者直撃 (2007/10/15 讀賣新聞)

文字どおり、私のこれまでの主張(中国崩壊シリーズ)と同じ内容である。
中国では、国家よりも中国共産党(中共)が上位に位置する。軍隊(人民解放軍)も警察も、司法も立法も行政も、すべて中共のものである。メディアでさえそうだ(中国のメディアは全て「党の舌と喉」 と位置付けられている)。
言論の自由がなく、国家の3権も中共の従属物―つまり中共やその幹部が何をしようと、それをチェックできるのは中共とその幹部でしかない。中国で上から下まで腐敗が蔓延するのは、中共体制がそういう「泥棒に縄を綯わせる」のと同じになっているからだ。
※産経新聞の福島香織さんによると「胡錦濤は“清官(クリーン)”」らしいが・・・

では、中共体制は崩壊するのか?
胡錦濤の唱える「科学的発展観」が目論見どおりに結実すれば、中共体制も中国もさらなる未来を掌中にできる。が、上部構造が共産党独裁で下部構造がむき出しの拝金資本主義というのでは、これはむつかしいと言わざるをえない。
可能性は、富の合理的再配分=小康社会(いくらかゆとりのある社会)ができたとき、法治の実現=共産党官僚の特権・横暴を抑制することができたときにのみありえる。
が、これは中共の体質と中国人の気質(かたぎ)及び中国の歴史を踏まえれば、?マークを無限大につけざるをえない。

ただ、私は中共体制の崩壊は不可避と見るが、それを望んでいるわけではない。理由は、一昨年11月の呉邦国・全人代常務委員長(政治局常務委員・党内序列第2位)が語っている。

「もし中国が混乱して1%の難民が出たら、1300万人ですよ。1000分の1としても130万人。だから、中国が安定することが周辺諸国にとってもいいことではないですか」

これは訪中した角田義一参院副議長(当時・引退)と会談した際のものである。「中国の安定こそが世界の安全への貢献」という論法だが、裏返すと、中共のNo.2も中共体制が崩壊した時の真のリスクを認識しているということだ。
中国は困難に直面している。が、今の中共体制が崩壊したらとんでもないことが起きる。だから「中国は脅威」などと言わずに協力してくれ―ということだが、これは冗談でも恫喝でもない。現実の問題だろう。

中国が軟着陸してくれることがイチバンだが、既に述べたようにそれはかなり困難だ。中共体制の崩壊は「民主化」ではなく「混乱と混沌」である。
やはり、中共体制が崩壊した時の対応策を今から準備するとともに、可能性は少ないが、中共体制のソフトランディング=漸進的民主化を求めていく(圧力を加える)しかないのではないか。

無軌道に膨張する13億人の大国。その暴走の行き着く先が何とも不気味である。

【注】引用元が明記されていないデータ等は過去のエントリを参照しています。

【追記】
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2007/08/21

太平洋の分割を要求する膨張中国

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       中国はジャーナリストにとって世界最大の監獄   国境なき記者団

17日付の米紙ワシントン・タイムズは、キーティング米太平洋軍司令官が最近訪中して中国軍事当局者と会談した際、中国側が、太平洋を東西に分割し東側を米国、西側を中国が管理することを提案したと報じた。米側は拒否したという。提案の詳細には触れていない。

中国、太平洋の東西分割提案か 米軍は拒否 (抜粋)

上記のワシントン・タイムズが報じたニュース、荒唐無稽な話ではない。
次のような中国の現状を見ると「さもありなん」と思うからだ。

年率2ケタ台の経済成長が続く世界一の人口大国、中国。今のペースが続けば、人民元の上昇もあり、2007年中にも中国のGDP(国内総生産)はドイツを抜き、経済規模で世界第3位となる可能性が出てきた。
中国国家統計局は19日、上半期(1~6月)の国内総生産(GDP)が速報値で、前年同期比11.5%増だったと発表した。
中国政府の2007年のGDP伸び率目標は「8%」。その目標を大きく上回る数字となった。

中国GDP3位見えた 4-6月11.9%成長 (抜粋)

中国は過去3年連続2桁の成長を続けている。それ以前の10年間も平均9.5%の高成長。このまま行けば、5年後にはわが国にも追いつくことになる。
が、である。
ほんとうに、こんなことが継続できるのであろうか?

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今の中国は、国内総生産(GDP)ベースの1次エネルギー消費量が日本の約8倍に達している。
世界第1位の石炭産出国であり、世界第7位の産油国である中国。しかも1次エネルギーの70%以上を石炭に依存している。にもかかわらず、資源がほとんどないわが国に次いで、今では世界第3位の石油輸入大国(消費量は米国に次いで第2位)。
この事実が、その信じられないまでのエネルギー効率の悪さを証明している。

こんな中国が今のままの成長を続ければ、一体どうなるのか?
おそらく、世界中の資源や食糧を貪欲なまでに呑み込まなければ、その成長を維持できない。

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中国政府は、景気の過熱(バブル景気)がこれ以上続くことを懸念しており、それを軟着陸させるためのぎりぎりの目標値が8%だった。が、実際は11.5%増。なんと3.5%も上回っている。
これは何を意味しているのか?
それは、もう地方政府に対する中央政府のコントロールが効かなくなっているということだ。
たとえば、失地農民に対する対策も、「違法な収用は行なわない。十分な保障をする」という中央政府の指示がまったく無視されている。

もう中国の実態は、中央集権的共産党独裁国家というより、地方分権的開発独裁国家なのだ。

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そもそも、歴史的に見ても中国は一つであったときの方が短い。中共が統一する前の中華民国のころは、各地に軍閥が群雄割拠し、中華民国の支配地域は限られた部分にすぎなかった。
歴史上、漢族が100年以上にわたって華北、華中、華南を統一的に支配したのは、漢、宋、明の時代だけである。

中国語と一口で言うが、その種類は多岐にわたる。大雑把に言って、①北方語(北京語など)、②粤語(広東語など)、③呉語(上海語など)、④閩語(福建語など)、⑤かん語(湖北語など)、⑥湘語(湖南語など)、⑦客家語の7大方言(郷音)に分類される。
方言といっても、我が国の方言とはレベルが違う。各方言によって、発音、字体、文法が違うので、まるで外国語と同じで、方言同士では意思疎通がまったくできないのだ(通訳が必要なレベルである)。
また、これらの方言は、地域ごとにさらに細分化され、これまた意思疎通ができないほどの隔たりがある。

中共政府は、北京語を「普通話」=共通語として普及させることに力を入れている。テレビやラジオ放送は「普通話」で、義務教育も「普通話」で行われている。現在では約7割が「普通話」を理解できるといわれる。
しかし、「普通話」が普及し始めたのは最近のことである。数千年の長きにわたって、お互いに意思疎通が不能な言語を使用し、その言語に裏打ちされた社会の下で暮らしてきたのだ。

毛沢東という絶対的権威が消滅し、その絶対支配を支えた毛沢東主義も崩壊した。このような中国が地方分権というか分立というか、中央政府のコントロールが効かない状態になるのも、むしろ当然かもしれない。
それが中国の歴史なのだ。

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では、今の中共体制を支えているのは何なのか?
それは人民解放軍の存在である。人民解放軍が今の中国の統一を支えているのだ。
軍が党を支え続ける限り、たとえ地方分権的開発独裁国家であっても中共体制は維持される。

発展を続ける中国には、それにふさわしい資源が必要である。
中央政府は省エネ、環境保護、均衡の取れた経済、そして安定的成長を唱えている。が、実際は悪無限的にルールなき膨張が続く。この膨張を維持するためには、貪欲なまでに世界中の資源や食糧を呑み込まなければならない。
そのためには新たな領土(勢力圏)と領海がいる。
民族浄化を行なっているスーダン政府を支援するのも、独裁色を強めるベネズエラと提携するのもそのためだ。
南シナ海を内海化し、今や東シナ海も内海化しようとしている。太平洋の東西分割もその延長線上にある。
で、この領土と領海の拡大を物理的に担保するのが人民解放軍なのである。だから、中国の軍事費は19年連続2桁増という凄まじい勢いで増加し続ける。

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では、領土と領海を拡大し、そのために軍事力を飛躍的に強化することでルールなき膨張は継続できるのか?
それは「否」である。
水と空気がそれを許さない。

「川や湖の7割以上が汚染されており、9割以上の都市の地下水が汚染されている」という現実。
2004年末の推計では、高濃度のフッ素やヒ素などの汚染で、安全基準以下の水を飲む農民が全国に約2億2千500万人もいる。都市人口の7割が大気汚染にさらされ、400以上の都市が水不足、年間の砂漠化面積は3400平方キロに及ぶ。
今では、さらに深刻化しているであろう。

今の中共体制では、このような環境的制約を解消できない。
経済が成長すればするほど国土が汚染され、国民の健康が侵される。それも想像もつかない規模で拡大している。
2005年末、中国国家環境保護総局の張力軍副局長は、経済規模が4倍に拡大した場合、現在の環境保護対策のままでは、汚染規模は4倍から5倍に増大するとの予測を示している。
つまり、このままでは、2020年には中国は、人間が住めない国になるということだ。

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中共体制を維持するためには、領土と領海を拡大し続けなければならない中国。
が、異様に膨張した大木も、根本が腐り始めている。
根本が腐れば、大木は倒壊する。

「科学的発展観」に基づいて「和諧社会(調和の取れた社会)」を構築するという胡錦涛政権の「第11次五ヵ年規画」。中共は、これによって「小康社会(衣食が足りた次の段階)」、つまり「多少は豊かさを実感できる社会」をめざすという。
が、軍に支えられ、軍に牽引される“地方分権的開発独裁国家”がこれを実現できるかどうか極めて疑問である。

我々は、やはり中国の動向から目が離せない。

太平洋を分割する前に中国が分裂する。間違いない!!!

【注】このエントリに引用されたデータは、「中国崩壊シリーズ」の中でソースが明らかにされています。

【追記】
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【追記2】
Red Foxさんがワシントン・タイムズの元記事を翻訳されています。

『中国、太平洋の東西分割提案か』ワシントン・タイムズ記事全訳

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2007/08/18

橋も経済も“天ぷら” 中国は間違いなく崩壊する

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       中国はジャーナリストにとって世界最大の監獄   国境なき記者団


Konansyohashi






















上記の写真を見てほしい。
今月13日午後、湖南省の鳳凰(ほうおう)県で建設中の橋が突然崩落した時の写真である。
新華社電によると、現場にいた作業員ら29人が死亡、30人が行方不明になっているという。

私がここで強調したいのは、事故の悲惨さではない。長さ320メートル、幅12メートルの橋に鉄筋がまったく入っていないということだ。

橋は8月末に完成する予定だったというから、工事は最終の仕上げ段階に入っていたと見てよい。で、橋の建設に使っていたやぐらを解体する作業をしていたら橋が突如崩落した。

そりゃあ、鉄筋が入っていなくて、砂利をコンクリートで固めただけの橋なら、やぐらを撤去すれば崩壊する。
何とも我々の感覚では理解できない不正というかインチキというか。大陸中国はスケールがでかいと言われるが、ここまで来るともう想像を絶している。

まあ、この事故も、カネがすべてで人命は紙よりも軽いという現代中国を象徴するものだろう。そこには遵法精神のかけらもない。

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昨年の5月には、浙江省杭州市の高層分譲住宅で、鉄筋の代わりに竹の棒を使った欠陥工事が発覚した。

鉄筋コンクリートならぬ竹筋コンクリートの高層マンション。
姉歯建築士による耐震偽装とはレベルが違いすぎる。
これじゃあ、地震が来なくてもやがて自壊するだろう。

で、施工した建設会社は「出稼ぎの農民労働者が鉄筋を使い切ってしまい勝手にやったことだ」と説明しているというから、これまた中国らしい。

これらの、にわかには信じがたい現代中国での出来事から、我々は何を認識しなければならないか。

それは、実は中国の体制自体が“鉄筋の入っていない橋”であり“竹筋コンクリートのマンション”であるということだ。

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今、中国はバブルに沸いている。
不動産市場は過熱化し、上海株式市場の総合株価指数は急騰している。
この直接的な原因は、国内投資家の多くが「(政府は)北京五輪まではバブルを容認する」との見通しを立てているからだ。

が、本質は違う。
バブルの本質は、中共当局の為替操作にある。
人民元を本来の相場より低く抑えるために「元売りドル買い」の介入を行う。その結果ドルが貯まり、元が市場に放出される。元が安いから輸出が伸び貿易黒字が増大し続ける。で、さらに市場に資金がだぶつく。

要は、今の中国のバブル景気は、当局のいびつな為替政策に根本的な原因があるのだ。
では、なぜ中共当局は、米国を始めとする先進諸国の人民元相場の適正化を拒絶してまで「元安」にこだわるのか?

それは中国経済が“虚構”の上に成り立っているからだ。
世界4大会計事務所のひとつ、アーンスト・アンド・ヤング(E&Y)は、昨年5月に発表した「世界の不良債権(NPL)に関するリポート」の中で「中国の不良債権は控えめに見積もっても9000億ドル以上で外貨準備を上回る規模」との見込みを示した。
実に、中共当局の公式統計の5.5倍。不良債権比率は40%を超えることになる。
つまり、中国の金融システムは既に実質的には破綻しているのだ。

これが表面化しないのは、中国の主要銀行が実質的に国有であるからだ。つまり、“国家の信用”によって支えられている。
“国家の信用”とは世界最大の外貨準備高であり、世界最大の貿易黒字である。だから為替操作をやめられない。だからバブルが収まらない。
が、中国が既に市場経済に移行している以上、為替操作はいつまでも続けられるものではない。バブルも同様だ。無理にそれを続ければ、中国はいびつな怪物になってしまう。

中国のことだから、五輪が終われば、今度は「(政府は)上海万博まではバブルを容認する」となるのだろうが、実態と乖離した不動産や株価の高騰はちょっとしたきっかけで暴落する。
それが五輪景気の終焉なのか、じわじわと上昇を続ける人民元の相場が限界を超えた時なのか、今のところそれは断言できない。
が、不動産や株価が急落した時、不良債権にまみれた中国の金融機関は、バブル崩壊を支えきれない。それどころかバブルが崩壊すれば、金融機関が抱える不良債権額はさらに増え、金融システムは完全に破綻する。
そして、バブル崩壊→企業倒産→銀行破綻→経済失速→失業の増大という“負の連鎖”が始まる。この“負の連鎖”は中共の強権をもってしても止めようがない。“国家の信用”も、もはや金融システムを支えきれない。

-------------------------------------------------------------------

中共体制は、金融システムという“経済の鉄筋”が溶解した上に成り立っている。まさに冒頭の写真の橋と同じだが、中共独裁というコンクリートがまだ固いので、かろうじて崩落を逃れている。
が、バブルの崩壊と、それに続く“負の連鎖”は、中共独裁というコンクリートを簡単に突き崩すだろう。

中国は間違いなく崩壊する。

参照1:鉄筋入っていなかった?中国で橋崩落 29人死亡 (産経新聞)
参照2:中国で竹筋コンクリート 高層分譲住宅で露見 (西日本新聞)

【追記】
中国崩壊に関心のある方は「中国崩壊シリーズ」をお読みください。

【追記2】
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2007/06/04

中国はいつ崩壊するのか?(再)

このところ時間がないので、過去における私の人気エントリーを再掲していきたいと思う。
まず第一弾は、私の出世作「中国はいつ崩壊するのか?」。

これは約2年前に書いたものだが、今でもここで言及した内容は間違っていないと思う。

中共の不自然なまでのわが国に対する“友好姿勢”と、それとは相反する東シナ海のガス田問題に対するかたくなな態度。
江沢民時代よりひどくなったと言われる言論統制。

和諧(わかい)社会、すなわち調和のとれた社会を構築するという目標を掲げながら、一向に改善されない中共体制の矛盾の深化がそこに示されている。

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2005/05/23

中国は、いつ崩壊するのか?

これまで「中国は間違いなく崩壊する」というタイトルで記事を2回書いた。これに対して、いつ崩壊すると思うか?崩壊したらどうなると思うか?というご質問があった。
もっともなご質問である。崩壊する、と断言しておいて、それがいつかに言及しないの
では欲求不満が残る。
したがって、今回は崩壊の時期について分析してみたい。
なお、崩壊後にどうなるか?については後日、予測可能な範囲で記事にしたい。

中国の先行きを占う上で、参考になる記事が二つある。
深嶋修氏の中国の成長神話を崩壊させる3つの危険要素と行天豊雄氏の中国経済と日本である。

深嶋氏は中国経済が崩壊する原因として次の4点をあげる。
①急速かつ特異な高齢化
②環境制約の顕著化
③資源制約の顕著化
④深刻化する財政悪化。

①ユネスコの高齢化社会基準は、「国または地域の60歳以上の人口が当該国または地域の総人口の10%あるいはそれ以上を占めていること、または65歳以上の人口が
総人口の7%あるいはそれ以上を占めていること」である。
中国第5次国勢調査の結果では、現在、全国の60歳以上の人口は既に1億3200万人に達し、総人口の10%を占めている。また、65歳以上の人口は8811万人に達し、総人口の約7%を占めている。
つまり、中国は既に高齢化社会に突入しているのだ。これは、一人っ子政策による人口増加率の大幅な下降と生活水準の向上による平均寿命の大幅な延びが原因である。
中国の1人当たりGDPは、やっと1000ドルを超えた程度にすぎない(日本とアメリカは
3万ドルを超える)。先進諸国は「豊かになってから高齢化した」のに対し、中国では
「豊かになる前に高齢化が始まっている」のである。

②無秩序かつ無規律な大規模開発を進めた結果、環境が急速に悪化している。都市人口の7割が大気汚染にさらされ、7大水系の7割が重度汚染、400以上の都市が水不足、砂漠化面積は年間3400平方キロに及ぶ。
この深刻な環境破壊は、農民の大規模な暴動を引き起こすほどである。

③急激な経済成長は、膨大な量のエネルギー、原料、水資源の消費をもたらしている。中国は既に、米国に次いで世界第2位の原油輸入国である。中国が、このまま成長を続ければ、深刻な世界的資源不足、食料不足をもたらすのは間違いない。

④財政赤字は、既に、国際安全ラインの対名目GDP比3%に達している。国有企業等の借金も含めると、名目GDPを超える規模の債務があると推測される。
しかし、非効率的で赤字の国有企業は、一方で何千万人もの労働者に雇用と福祉を
提供しており、地方経済の中核を担っているため容易に整理できない。その結果、それを支える国有銀行は多額の不良債権を抱える破目に陥っている。
四大国有銀行は、国内総銀行資産の60%を占めている。これらの銀行の不良債権
比率は、公式統計では19%(2004/03/31)だと言われているが、実際には、それよりはるかに高いと推測されている。

2004年3月末、中国の四大国有銀行の不良債権は融資総額の19%を占めていたが、同年9月末まで既に5.16%に下がったと中国政府は同年11月、発表した。下がるスピードが速く、しかも下がった理由について何の説明もないため、この数字に信頼性はない。米国の権威ある評価機関スタンダード・アンド・ブアーズ(Standard & Poor’s)は中国の銀行の不良債権率は45%に達していると見ている。

中国最大の危機:金融危機【大紀元日本5月5日】から引用

行天氏は、以下の点を中国経済の弱点としてあげる。
①非効率的で赤字の国有企業と多額の不良債権をかかえる国有銀行
②社会的不平等の急速な拡大と社会システムのゆがみ
③共産主義イデオロギーの崩壊に伴う社会的規範の喪失と宗教的な社会倫理に無縁な社会
④汚職の横行と一部に見られる飽くなき貪欲
⑤資源制約の顕著化
⑥環境制約の顕著化
⑦社会的・政治的自由を求める動き

以上については、既に中国は間違いなく崩壊するの中で言及した。
①⑤⑥は深嶋氏と共通している。

私は両氏の指摘の中で、崩壊の時期を決定づけるのは財政の悪化と四大国有銀行の不良債権問題だと思う。
高齢化問題、資源問題、環境問題、汚職、社会的不平等、社会的・政治的自由への
欲求等はボディーブローのようなもので、劇的な変革要因になる可能性は高くない。
しかし、国有銀行の信用不安は、成り行き次第で一気に経済を崩壊させる。日本の
バブル崩壊を想起してほしい。経済が崩壊すれば、共産党独裁体制も一蓮托生で
ある。
革命は常に経済的困窮から起きる。一見、高まいな政治理念やイデオロギー、あるいは宗教的動機に基づくと見られる革命も、根本にあるのは経済的に困窮した民衆の
巨大なエネルギーの爆発である。
中国もバブルが崩壊し、今や1億人にのぼると云われる民工が路頭に迷う事態になれば、強固に見える強権支配体制も、またたく間に瓦解する。

中国のGDPは、この5年間で1.6倍になった。それを支えているのは、海外からの投資と投機マネーの流入である。この投機マネーがバブルを引き起こしている。
不動産価格の高騰は上海や広州など沿岸部にとどまらず、重慶、成都、西安などの
地方都市にも広がっている。赤字の国有企業までが子会社を通じて投機に走っているという。
巨額の不良債権を抱える国有銀行は、中国という国の信用によって支えられており、
実態は破綻状態とまで言われている。国の財政がさらに悪化し、今のように銀行を支えきれなくなったとき、銀行は自ら不良債権を処理しなければならない。
四大国有銀行は、そういう事態に備えて公的資金の注入を受け、財務体質を改善して海外での上場を目指しているという。しかし、それが実現する可能性は低いといわれる。
追い詰められた銀行が、不良債権の整理に乗り出さざるを得なくなったとき、そこで起こるのはバブルの崩壊であり、「貸し渋り」と「貸し剥がし」である。その結果、企業倒産→銀行破綻→経済失速→失業の増大という負の連鎖が始まる。

野村資本市場研究所シニアフェロー・関志雄氏がバブル崩壊後の中国経済の姿の中で次のように書いている。

中国では、投資と経済成長がお互いに促進しあう好循環の下で、不動産価格が高騰するなどバブルの様相を呈している。しかし、最近の当局による引き締め政策をきっかけに、逆に投資と資産価格が低下し、景気が減速するという悪循環に変わることが予想される。
バブルが崩壊すれば、中国は90年代の日本のように、企業部門は雇用調整、設備調整、バランスシート調整を迫られることになろう。

日本では多くの大企業が実質上終身雇用制を採っており、そのおかげで雇用調整には長い時間がかかったが、不況が深まっても大量の失業者が発生しなかった。
これに対して、中国では労働市場における流動性が高く、景気後退に伴って失業率が大幅に上昇することになる。
現在、主に農村部から都市部へ、また内陸部から沿海地域へ流れている出稼ぎ労働者は1億人にも上る。彼らの故郷への送金は経済発展から取り残されている地域の重要な所得源になっているだけに、当局にとって、雇用の維持は単に経済問題に留まらず、社会全体の安定がかかった重要な課題である。
(中略)
借り手である企業の業績が悪化する中で、銀行が抱える不良債権はいっそう増え、貸し渋りが深刻化するだろう。鉄鋼やセメント、アルミといった「過熱部門」における投資の四割は銀行融資に頼っている。
来るべき調整局面において、企業の倒産を含めた、大規模な産業再編が予想され、銀行もそのツケの一部を負担せざるを得ないだろう。
中国の銀行が抱える不良債権はすでに世界最悪の水準に達しており、バブルの崩壊に伴って、いっそうの悪化が避けられない。
日本と同じような金融危機を防ぐべく、政府としても不良債権を処理するために、銀行部門へ公的資金を注入せざるを得ないだろう。
しかし、国有銀行とその最大の融資先である国有企業にコーポレートガバナンスが欠如したままでは、公的資金の導入は不良債権を一時的に減らすことができても、その新規発生を止めることができないため、問題の根本的解決にはつながらない。
また、四大国有銀行が、近い将来海外の株式市場で上場する計画を立てているが、不良債権問題が深刻化する時期と重なることになれば、その実現は難しくなるだろう。
(中略)
雇用・設備・債務という「三つの過剰」を解決するために、日本は10年以上の歳月を費やしてしまった。そして、中国がこの日本型危機を回避するために許された時間はもはや多くないのである。(太字は筆者)

この記事が書かれたのは2004年6月22日である。そして現在はどうかというと、関氏が予測したような「バブルの崩壊」には至っていない。

これは、

過熱経済を心配する当局は金融引き締めに躍起だが、効果が出ないのは、当局の目をかいくぐって流れ込む資金があるからだ。統計で説明がつかないこの種の資金は年100億ドルを超える。密貿易や、海外の子会社との経理操作で投機資金を動かすことはたやすい

からである。

人民元切り上げ問題がはらむ中国リスク AERA(2005年5月16日号)

だからといって、関氏の分析が誤っているわけではない。バブルは必ず崩壊するし、
崩壊すれば関氏が指摘するような姿になる。
以下の記事が、それをさらに裏付ける。

4月下旬、新華社は次のように報道した:“国務院は、150億ドルの外貨準備を中国工商銀行に注入して改革を行うことを決定した。”
いわゆる改革とは、不良債権を処分して自己資本比率を引き上げ、もって上場の資格を獲得し、上場を通じて新たな資金を囲い込んで経営を支えることである。
これ以前の2003年末、中国銀行と中国建設銀行は、それぞれ225億ドルの資本注入を受け、資産・負債を処分して積極的に上場の準備を進めている。

中国の四大国有銀行は、それぞれ役割が異なっている。このうち工商銀行は、国有企業への融資を担当しており、不良債権が最も多い。2002年末時点における不良債権の残高は7920億元近くあり、四大国有銀行の全体の不良債権の45%を占めており、100元の融資のうち30元近くが“不良”となっている。
中国銀行と建設銀行には225億ドルが必要とされたことから、この150億ドルは第一回目の注入にすぎないと言ってよい。
スタンダード&プアーズの金融サービス評価担当部長・曽怡景の推計によると、中央政府は、工商銀行に対する今回の150億ドルの資本注入のほか、工商銀行及び農業銀行の資本調整に少なくとも1100億ドルが必要となる。
また、貸倒引当金や自己資本比率を保守的に計算した場合、必要な資本注入額は1900億ドルとなる。

スタンダード&プアーズが2004年の7月に推計したところによると、こうした銀行の困難を除去しようとする場合、6500億ドルもの資金が必要となるが、これは中国のGDPの約4割を占める
中国の外貨準備は6000億ドル余りで、国内債務以外に2000億ドル余りの外債を抱える中で、政府が銀行を救うための資金はどこにあるというのだろうか?
(中略)
いわゆる切離しとは、不良債権を割引いて4つの資産管理会社に売却することである。資産管理会社はゆっくりとこうした債権の回収にあたり、一部は回収できるが、恐らく大部分は回収できない。
また、一部は外国の投資銀行に売却される。これら資産管理会社もまた国有企業であって内情は複雑であり、損失や破産が起これば、国家がその全てを引き受けることになる。

1998年、政府は30年ものの長期国債を発行して四大国有銀行に2700億元の資本注入を行った。このプランが策定された当時は、97年時点でのリスク資産の規模に基づいて自己資本比率を8%とすることが目標とされていた。
2002年11月までに、四大資産管理会社もまた銀行の不良債権1600億ドルを処分した。しかし、昨年末になって再び資本注入による“改革”が実施されたことは、いくら資金を追加投入しても何の役にも立たず、古い不良債権を処分すれば今度は新たな不良債権が発生し、そのブラックホールが底なしの穴となっていることを証明している。
(後略)

中国国有銀行のブラックホールはどれだけ深いのか?
【大紀元日本5月16日】(太字は筆者)

上記の記事を読むと、わが国におけるバブル崩壊後の銀行の不良債権処理と、その
ために行われた公的資金の注入が想起される。
あの時も、米国の格付け機関は、銀行の抱える不良債権は40~50兆円と予測して
いた。それに対し銀行自身は、不良債権を2~3兆円と言っていた。それが、いつの間にか25兆円に膨れ上がり、最終的には、いくらあるのか分からなくなった。
そして多額の公的資金が注入され、多くの銀行が破綻した。
おそらく中国の四大国有銀行が抱える不良債権の実額も、スタンダード&プアーズの推計が正しいと思われる。
なお、「資産管理会社」とは日本の「整理回収機構」のようなものであろう。そのうち
「産業再生機構」と似たような組織も作られるかもしれない。
ここで注意してほしい点がある。中国のバブルはまだ崩壊していない、というより、まだバブル真っ盛りなのである。バブル真っ盛りなのに、日本のバブル崩壊後と同じような対応を政府が銀行に対して取らざるを得ない。
これが、繁栄を謳歌しているように見える中国経済の現実の姿なのである。

中国政府の銀行改革の目的は、「不良債権を処分して自己資本比率を引き上げ、
もって上場の資格を獲得し、上場を通じて新たな資金を囲い込んで経営を支える」ことである。
これが成功すればよい。が、失敗すれば、それがバブル崩壊の引き金になる。
今の状況でバブルが崩壊したらどうなるのであろう。日本の銀行は、バブルが崩壊する前は、不良債権など無きに等しい状況だった。その日本でさえ、建て直しに10年以上かかった。バブルが崩壊する前から公的資金の注入や不良債権の売却が必要な中国がどうなるのか、予測するのも怖いくらいである。
前出の人民元切り上げ問題がはらむ中国リスクは以下のように書いている。

13億人の中国が混乱すれば世界が揺さぶられる。最大の問題は失業だろう。高成長の現在でさえ3億5000万人の「不完全就労」がある、と推計される。高成長が挫折すれば、億単位での失業の増加も予想される。職を失った人が周辺のアジア諸国に流出し、人口流動に拍車がかかる。
08年の北京五輪、10年の上海万博までは成長は持続する、と見られているが希望的観測の域をでない。桁外れに大きな隣国の混乱は他人事では済まない。
(編集委員 山田厚史)(太字は筆者)

既に、国有銀行を海外の株式市場で上場する計画の第一弾は挫折した。前出の中国国有銀行のブラックホールはどれだけ深いのか?から引用する。

工商銀行の一歩先を行く建設銀行は、2004年末に資本注入を受けた後に改革の気勢を上げている。
建設銀行会長の張恩照は、昨年の2月に開かれた2004年工作会議において、建設銀行を3年以内に国内トップの利益、効率を実現できる株式制銀行とし、10年以内に中国銀行業の中で最高の株式市場価値を実現できる株式制商業銀行にするとともに、アジア市場のトップに立つことを謳った。
また、建設銀行は、中国国際金融(中金)を上場のための財務顧問に任命した。中金は、主として建設銀行とモルガンスタンレーとの合資で成立したもので、もともと建設銀行を2005年に米国に上場して60億ドルを調達する予定であったが、モルガンスタンレーが参画しても米国では上場できなかった。
現在は、監督が緩やかなロンドンに転じたところであるが、これが成功するかどうかはまだ分からない。

米国でできなかった上場がロンドンでできるのか?
関志雄氏も「四大国有銀行が、近い将来海外の株式市場で上場する計画を立てているが、不良債権問題が深刻化する時期と重なることになれば、その実現は難しくなるだろう」と述べている。
私もおそらく無理だと思う。そして、そのときが、中国経済と中国共産党の終わりの始まりである。

【再掲終わり】

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中国の公式統計では、金融機関が抱える不良債権額は2005年3月末時点で1兆3,100億元(約1,640億ドル)、不良債権比率は8%(中国銀行業監督管理委員会)。
ところが、英Financial Timesによると、世界4大会計事務所のひとつ、アーンスト・アンド・(E&Y)は、同年5月に発表した「世界の不良債権(NPL)に関するリポート」の中で「中国の不良債権は控えめに見積もっても9,000億ドル以上で外貨準備を上回る規模」との見込みを示した。
実に公式統計の5.5倍。不良債権比率は40%を超えることになる。

E&Yは中国でもかなりの実績があり、この数字は信頼できるものと思われる。が、E&Yは5月12日付声明で、この中国の不良債権に関する数値を「誤りだった」として撤回した。裏で、中国当局の「中国からE&Yを締め出す」という強烈な恫喝があったという。

やはり、大紀元の記事は間違いではなかったということだ。
中国の公式統計など、まったく信用できない!!!

讀賣新聞が、今回来日した李登輝・前台湾総統(84)が、7日に都内で行う講演の概要を次のように報じている(抜粋)。

中国は経済問題が深刻なため、2007年は内政問題に翻弄(ほんろう)される。昨年、経済成長の減速を図ろうとしたが失敗し、輸出はさらに拡大、引き続き過熱状態にある。中国の高度経済成長は決して健全ではない。

中国政府は経済問題により引き起こされる衝撃を緩和するため、一種の愚民政策の方針に転じている。宇宙開発計画や北京五輪開催、日本との歴史問題など、大衆の注意力を他にそらすこともこれに含まれる。

中国は対外戦略では、向こう2年間は、もっぱら東アジアの政治主導権を握ろうとするだろう。米国がイラク問題などに追われ、弱体化したままの状態でいれば、東アジアでは日本と中国が域内の権力闘争の主軸となる。日本は短期内に中国と対等に張り合う力を持てるよう努力しなければならない。

「22歳まで日本人だった」と公言する李登輝氏。
この方に比べると、いかに情けない日本の政治家が多いか!!!

ほんとうにやりきれない。

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2007/05/04

「物権法」は吉と出るか凶と出るか!

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今、中国では、地方政府と開発業者が結託して住民の土地を二束三文で強奪する事件が頻発している。
もちろん住民は強烈な反発を示しており、農村では暴動に発展するケースも珍しくない。
下の写真は、そのような中国の現実をあからさまに示す記念碑的画像である。

Jyukei1 Jyukei2_1 Jyukei3_1 Jyukei4

土地の明け渡しを拒絶しているのは重慶市の楊武さん。
開発業者の補償金が少なすぎるとして立ち退きを拒否しているわけだ。

業者が最初に提示したのは市場価格の7割。住民は低すぎるとして拒否したが、業者側が補償額を上積みした結果、退去に応じた。
が、楊さんの家は商売を営んでおり、しかも家が比較的新しい。そこで楊さんは商売の営業補償も要求したようだ。それに対する業者側の回答は、電気・水道を止め、楊さん宅の周囲をブルドーザーで掘削して道路もなくしてしまうという荒っぽい手段だった。

で、写真に見られるような文字どおりの“陸の孤島”が出現した。

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なぜ開発業者は、我々の常識では考えられない暴挙とも言える行動に出たのか?